第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度(平成26年7月1日~平成27年6月30日)におけるわが国経済は、金融・財政政策の効果を受け、景気は緩やかな回復基調が続いております。

  外食業界におきましては、実質的な所得水準の低下や物価上昇の影響により、お客様の消費節約意識がある中、「希少・特別・新しさ」や「上質・プレミアム性」を求めるニーズは高くなっており、お客様にとっての「価値」を生み出し、伝えていくことが重要になってきております。また、円安による原材料価格の上昇、人材採用コストの増加、食の安全性に対する社会的な関心が高まる中、業種・業態の垣根を越えた競争の激化、「ちょい飲み」等の新たな市場が生まれるなど、業界は常に変化しており、取り巻く環境は厳しさを増してきております。

このような中、当社は、お客様のニーズと競争環境の変化に俊敏かつ的確に対応すべく、今までの業界常識にとらわれずゼロベースで事業構造と体質を見直すとともに、将来視点から経営基盤の再構築を行ってまいりました。

 

(居酒屋業態)

  当社の収益基盤となっている居酒屋業態におきましては、次代に適合すべく、その質的変革に経営資源を投入するとともに、その一方で、時代の流れ、ニーズの変化に対応するため、新たな業態の開発・実験に着手してまいりました。

具体的には、

(1)「店舗設備の改修」「接客サービスの向上」を目的に、現店舗の4分の3を超える約70店舗を活性
      化するための改装を実施。

(2) 立地条件、市場ニーズ、自社競合状況の詳細な調査結果と現店舗の成長可能性・収益性を基準とした
       17店舗の業態転換を実施。

(3) 各業態のコンセプトを明確化し、そのコンセプトに基づいたメニュー開発・展開およびサービスの見直し   
    を実施。

(4) 投資効率が高い「専門型小規模店舗」の実験・開発に取り組み、焼き鳥をメインに据えた本格品質の大衆
    酒場「アカマル屋」を2店舗、また、肉問屋直送の高品質な食材をでリーズナブルな価格で楽しめる「焼
    肉万里」を3店舗出店いたしました。

 

(日常食業態)

  「楽釜製麺所」「東京チカラめし」の日常食業態におきましては、当年度は「育成期」として位置づけ、業態のブラッシュアップと、今後の展開に向けた店舗ノウハウの整備に注力してまいりました。「楽釜製麺所」では、ディナー時間帯における客数確保のために、既存の店舗設備を活かして「ちょい飲み」需要を取り込む店舗のテスト展開を行ってまいりました。「東京チカラめし」では、原点である「焼き」にこだわり、高付加価値の商品を充実させた店舗への転換を行ってまいりました。

 

  以上の取り組み施策により、売上高は、前事業年度に大幅な店舗再編を実施したことから、144億92百万円(前年同期比25.2%減)となりました。店舗の出店および退店等におきましては、5店舗の新規出店、18店舗の業態転換、21店舗の閉店を実施いたしました。営業利益は、改善傾向にあるものの、店舗再編に伴う閉店関連費用を計上したこと等により、76百万円の損失(前年同期は営業損失22億17百万円)となりました。経常利益は、保険解約返戻金を計上したこと等により、14百万円(前年同期は経常損失21億2百万円)となりました。

  当期純損失は、店舗の将来収益を再精査し一部店舗について閉店を決定し、減損損失等を計上したことにより、6億59百万円(前年同期は当期純損失47億35百万円)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前事業年度末に比べて1億97百万円増加し、34億87百万円となりました。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減要因は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、業態別により記載しております。

(1) 原材料仕入実績

業態別

第39期

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

東方見聞録

327,960千円

53.6

月の雫

392,038

57.9

黄金の蔵

2,049,985

108.8

その他

918,624

32.7

合計

3,688,608

61.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

業態別

第39期

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

前年同期比(%)

東方見聞録

1,379,403千円

54.8

月の雫

1,591,029

59.2

黄金の蔵

8,389,294

110.3

その他

3,132,895

47.8

合計

14,492,623

74.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 収容能力及び収容実績

業態別

第38期

(自 平成25年7月1日

至 平成26年6月30日)

第39期(当事業年度)

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

客席数
(千席)

構成比
(%)

来店客数
(千人)

構成比
(%)

客席数
(千席)

構成比
(%)

来店客数
(千人)

構成比
(%)

東方見聞録

1,502

15.6

973

5.2

766

10.8

550

5.7

月の雫

1,837

19.1

1,041

5.5

973

13.7

717

7.5

黄金の蔵

4,595

47.9

3,598

19.2

4,404

62.0

4,280

44.8

 その他

1,668

17.4

13,164

70.1

957

13.5

4,014

42.0

合計

9,603

100.0

18,777

100.0

7,102

100.0

9,563

100.0

 

(注) 客席数は、各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

  当社が属する外食産業におきましては、円安による食材価格の高騰や人手不足による採用コストならびに賃金の増加に加え、食品の安全性に対する規制の強化、同業および異業種・異業態との競争が増すことは確実視され、経営環境はより厳しさを増すことが予想されます。このような経営環境の下、当社は以下の課題に取り組んでまいります。

① 既存居酒屋業態を中心とした収益力の向上

② 新規事業および業態の開発

③ 次代を担う経営者人材の育成

④ 人材の採用・教育の強化

⑤ 衛生管理の強化

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、発生した場合に適切に対応する所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 
① 経済事情の急変
 年度初めには予想も出来なかった経済事情の急変があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
② 食材の調達について
 BSEや鳥インフルエンザ等の疫病の発生、異常気象、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達が難しくなり、調達価格が上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
③ 食の安全性
 食材の安全性確保に支障が生じた場合、調達先の見直し、調達先の分散、メニューの主要食材の見直し、原産地表示などのトレーサビリティーを確立し、お客様の不安を抑える必要があります。当社といたしましては、取引先の協力を仰ぎながら、産地、加工工場及び工程管理、添加物、微生物検査基準の遵守を徹底し、食材の安全を確保しておりますが、万一、表示内容に重大な誤り等が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上の減少など、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
④ 営業店舗での食品事故
 当社の各営業店舗は食中毒の発生を未然に防ぐために、品質管理及び衛生管理を徹底し、お客様に安心していただける料理の提供に努めております。万一、不可抗力的な食品事故が発生した場合、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止などにより当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑤ 自然災害等の影響について
 当社の店舗は、首都圏を中心とした都市部の駅前に集中しており、地震、台風、津波等により、首都圏の駅周辺の被害が甚大な場合や、火災等により営業の継続が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑥ 店舗賃借物件について
 当社は、店舗の多くを賃借しており、賃貸借契約は更新可能なものも多くありますが、賃貸人側の事情により賃貸借契約期間終了前に解約された場合、業績好調な店舗であっても閉店を余儀なくされる可能性があります。
 また、新規出店に際して、商圏の人口、賃料などを総合的に判断した結果、条件に合致する物件が調達できない場合、新規出店の計画が達成できない可能性があります。
 さらに、当社は、賃貸借契約締結の際に敷金又は保証金等を支払うことが通常でありますので、賃貸人の与信審査を行うなど、賃貸人の信用不安に備えておりますが、これらの敷金又は保証金等のうち全部又は一部が倒産その他の賃貸人側の事情により回収不能となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

⑦ 法的規制について
 当社が営む外食産業は、食品衛生法、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、健康増進法、消防法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)及びその他の店舗の運営に関する各種法令による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加すること等により、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 
 
⑧ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
 当社は、営業店舗を中心に土地、設備等を保有しており、直営店舗について営業活動から生ずる損益が、継続してマイナスとなる場合や土地等の市場価格が著しく下落した場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑨ 外食業界の動向について
 当社が属する外食産業市場は縮小傾向にあります。当社は、お客様のニーズの変化を考慮した新規出店や業態開発を行っておりますが、想定以上の市場規模の縮小などが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

① 資産

イ 流動資産

前事業年度末に比べて、1.2%減少し、40億61百万円となりました。これは主に現金及び預金が1億97百万円増加したものの、前払費用が77百万円、その他流動資産が1億59百万円それぞれ減少したことによるものであります。
 

ロ 固定資産

前事業年度末に比べて、14.7%減少し、74億89百万円となりました。これは主に店舗数減少に伴い差入保証金が11億2百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

イ 流動負債

前事業年度末と比べて、17.6%減少し、19億10百万円となりました。これは主に店舗数減少に伴い買掛金が2億76百万円、未払費用が82百万円それぞれ減少したことによるものであります。

ロ 固定負債

前事業年度末に比べて、2.6%減少し、14億14百万円となりました。これは主に見積額の変更に伴い資産除去債務が3億20百万円増加したものの、その他固定負債が4億72百万円減少したことによるものであります。
 

③ 純資産

前事業年度末に比べて、9.8%減少し、82億27百万円となりました。これは主に利益剰余金が8億93百万円減少したことによるものであります。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高

前年同期比25.2%減少し、144億92百万円となりました。
この主な減少要因は、前事業年度に実施した大幅店舗再編によるものであります。
 

② 売上原価

前年同期比38.6%減少し、36億88百万円となりました。
この主な減少要因は、前事業年度に実施した大幅店舗再編によるものであります。
 

③ 売上総利益

前年同期比19.2%減少し、108億3百万円となりました。
 

④ 販売費及び一般管理費

前年同期比30.2%減少し、108億80百万円となりました。
この主な減少要因は、前事業年度に実施した大幅店舗再編により、従業員給与が17億12百万円、地代家賃が10億34百万円、減価償却費が5億91百万円それぞれ減少したことによるものであります。
 

⑤ 営業損失

以上の結果、営業損失は76百万円(前年同期は営業損失22億17百万円)となりました。
 

⑥ 営業外収益

前年同期比5.7%増加し、1億45百万円となりました。
 

⑦ 営業外費用

前年同期比144.6%増加し、55百万円となりました。
 

⑧ 経常利益

以上の結果、経常利益は14百万円(前年同期は経常損失21億2万円)となりました。
 

⑨ 特別利益

前年同期比64.9%減少し、32百万円となりました。
この主な減少要因は、受取和解金が64百万円減少したことによるものであります。

 

 

⑩ 特別損失

 

前年同期比71.8%減少し、5億88百万円となりました。
この主な減少要因は、減損損失が4億41百万円、店舗閉鎖損失が2億99百万円、固定資産除却損が1億90百万円それぞれ減少したこと及び前期計上した事業整理損2億60百万円が当事業年度は計上されなかったことによるものであります。
 

⑪ 当期純損失

以上の結果、当期純損失は6億59百万円(前年同期は当期純損失47億35百万円)となりました。

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて1億97百万円増加し、34億87百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、26百万円(前年同期は8億13百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失を5億42百万円計上、その他の固定負債の減少額が4億59百万円あったものの、その他の流動資産の減少額が1億76百万円、非現金支出項目である減価償却費を4億42百万円、減損損失を3億61百万円、固定資産除却損を1億13百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果得られた資金は、4億6百万円(前年同期比85.1%減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が4億47百万円あったものの、差入保証金の回収による収入が9億31百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果支出した資金は、2億35百万円(同23.4%減)となりました。これは、配当金の支払額2億29百万円及びリース債務の返済による支出6百万円があったことによるものであります。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

 

平成25年6月期

平成26年6月期

平成27年6月期

自己資本比率(%)

77.1

70.7

71.2

時価ベースの自己資本比率(%)

72.4

100.9

115.7

債務償還年数(年)

0.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

189.8

1,111.4

 

 

1 上記指標の算出方法は、以下のとおりであります。

① 自己資本比率 : 自己資本/総資産

② 時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産

(株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。)

③ 債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

④ インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも財務数値により計算しております。

3 営業キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

5 平成26年6月期の債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。また、平成27年6月期の債務償還年数につきましては、有利子負債が存在しないため表示しておりません。