第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当事業年度(平成28年7月1日~平成29年6月30日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が進む中、企業収益の持続的な改善も見られ、緩やかな回復基調が続いております。

  外食業界におきましては、食に対する価値観やニーズが質的に変化し、消費形態が多様化する中、当該市場への新たな参入者が登場しており、「業種・業態の垣根のない新たな競争環境」が生まれてきています。また、「原材料価格の高止まり」「物流費の上昇」「人材採用難」「人件費の上昇」等が、大きな経営圧迫要因になっており、経営環境はますます厳しさを増しております。

 

  このようなかつてない経営環境の変化に直面している中、当社は、“今まで”の事業認識ややり方にとらわれず、“今から”を見据えて、業種・業態を質的・構造的に進化させること、そして、慣れ親しんできた仕事のやり方・働き方を変えることが必須かつ喫緊の課題であると認識しております。

 

 この認識のもと、当社は、店舗主導型経営への変革に踏み出す新たな一歩として、本年1月に本社移転を実施いたしました。この本社移転を機に、風通しの良い活発な組織風土を醸成することを目的として、壁やパーティションのないフリーアドレス制を導入し、部門間におけるコミュニケーションの活性化に注力いたしました。また、管理部門の名称をサポートセンターと改め、事業構造、仕組み、諸制度の変革やシステム化に向けた業務の見直しに着手し、準備を行ってまいりました。
 
 まず、事業構造変革の第一歩として、安定した収益が見込める「金の蔵」「月の雫」および今後の成長が期待できる「アカマル屋」への積極的な資源集中をはかるとともに、「東方見聞録」から「金の蔵」や「月の雫」への統廃合等、業態・店舗の再編に取り組んでまいりました。
 女性のお客様からご支持いただいている「月の雫」については、時代の流れを踏まえて、業態コンセプトのあり方を見直し、非日常空間の再創出を目的として「脱居酒屋」に向けた施策を講じてまいりました。特に、メニューについては、お客様に湯葉からお豆冨までを卓上で作っていただく体験型メニューを導入したほか、食事性メニューの充実をはかりました。
 若年層から気軽さや使いやすさをご支持いただいている「金の蔵」については、さらなるお客様数増加に向け、平日にご来店されるお客様を確保することを目的として、曜日・時間帯別によって移ろうお客様ニーズに対応するきめ細やかな販促施策や、新たなお客様層の確保を目的にスマホゲームとのコラボレーション企画を実施いたしました。
 また、一部店舗の深夜営業時間短縮やセルフ式飲み放題のトライアル導入等、1店舗1店舗の効率や収益性に目を向けた諸策を講じてまいりました。
 こうした構造転換やオペレーションの改善等に取り組む中、人事施策として、次代を担う経営人材育成のためのジョブローテーションや新たなポジションへの積極的な登用を行ったほか、店舗で働くアルバイトクルーに「仕事を通じて働く喜び」「仕事を通じて成長する喜び」を再認識してもらい、店舗の活性化をはかることを目的としたアルバイトクルーによるアルバイトクルーのためのフェスティバル(第4回「さんくるFes」)を実施いたしました。
 また、当事業年度における直営店舗の出退店につきましては、「アカマル屋」を2店舗、新たな市場ニーズに対応するブランドとして、蕎麦酒場「ゑびや」を1店舗、「バリバリ鶏」を1店舗出店いたしました。他方で駅前再開発や契約満了等により、4店舗を閉店いたしました。

 

 以上の取り組みにより売上高は、134億36百万円(前年同期比2.2%減)となりました。営業利益につきましては、原材料価格の高騰や人件費の上昇もあり、23百万円(同91.4%減)、経常利益は42百万円(同86.8%減)となりました。
 当期純損失は、店舗の将来収益を再精査し、減損損失等を計上したことにより、2億98百万円(前年同期は当期純利益2億94百万円)となりました。
 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて6億90百万円減少し、33億94百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、2億8百万円(前年同期比66.2%減)となりました。これは主に、税引前当期純損失を2億68百万円計上したものの、非現金支出項目である減価償却費を4億59百万円、減損損失を2億82百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果支出した資金は、6億68百万円(前年同期は27百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が6億4百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果支出した資金は、2億30百万円(前年同期比0.2%増)となりました。これは、配当金の支払額
が2億30百万円あったことによるものであります。

なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減要因は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、業態別により記載しております。

(1) 原材料仕入実績

業態別

第41期

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

金の蔵・黄金の蔵

 2,031,344千円

99.6

月の雫・東方見聞録・吉今

 496,647

75.1

アカマル屋・バリバリ鶏

 358,311

164.1

その他

606,963

101.2

合計

3,493,268

99.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

業態別

第41期

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

金の蔵・黄金の蔵

8,062,950千円

97.4

月の雫・東方見聞録・吉今

1,918,376

72.7

アカマル屋・バリバリ鶏

1,349,091

158.1

その他

2,106,453

106.6

合計

13,436,871

97.8

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 収容能力及び収容実績

業態別

第40期

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

第41期(当事業年度)

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

客席数
(千席)

構成比
(%)

来店客数
(千人)

構成比
(%)

客席数
(千席)

構成比
(%)

来店客数
(千人)

構成比
(%)

金の蔵・黄金の蔵

3,933

63.3

3,826

45.9

3,977

66.0

3,864

50.0

月の雫・東方見聞録・吉今

1,487

24.0

1,040

12.5

1,031

17.1

619

8.0

アカマル屋・バリバリ鶏

392

6.3

361

4.3

567

9.4

659

8.5

 その他

396

6.4

3,112

37.3

449

7.5

2,590

33.5

合計

6,210

100.0

8,340

100.0

6,026

100.0

7,733

100.0

 

(注) 客席数は、各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 (1) 会社の経営の基本方針

 当社は、「価値ある食文化の提案」を企業理念とし、ともに働く仲間の幸福を最大限に追求し、当社で働く一人ひとりの経済的利益と精神的成長を達成することで、お客様へ最大の満足を提供し、地域社会へ貢献してまいります。
  社会に必要とされる「食ブランド」を創造するために、社会の変化の中で新たに生まれたニーズに合った新業態開発、既存業態のブラッシュアップを行い、お客様に喜びと驚きを提供することを目指して事業を行っております。当社は常にお客様起点で、価値ある食文化を提案し続けることで、持続的な成長を図り、企業価値の拡大に取り組んでまいります。

 (2) 目標とする経営指標

  当社は、持続的な成長と安定的な収益性を重視する観点から、既存業態の営業活動の強化、新業態の開発により、中期的に売上高営業利益率5%以上を目標としております。

 (3) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

  「業種・業態の垣根のない新たな競争環境」が生まれていることに加え、「原材料価格の高止まり」「物流費の上昇」「人材採用難」「人件費の上昇」等が、大きな経営圧迫要因になっており、経営環境はますます厳しさを増しております。
 新たな中期経営計画においては、“今まで”の事業認識ややり方にとらわれず、“今から”を見据えて、業種・業態を質的・構造的に進化させること、そして、慣れ親しんできた仕事のやり方・働き方を変えることが必須かつ喫緊の課題であるとの認識のもと、3年後に飛躍するために事業構造・仕組み・組織風土の変革に取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、発生した場合に適切に対応する所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 
① 経済事情の急変
 年度初めには予想も出来なかった経済事情の急変があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
② 食材の調達について
 BSEや鳥インフルエンザ等の疫病の発生、異常気象、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達が難しくなり、調達価格が上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
③ 食の安全性
 食材の安全性確保に支障が生じた場合、調達先の見直し、調達先の分散、メニューの主要食材の見直し、原産地表示などのトレーサビリティーを確立し、お客様の不安を抑える必要があります。当社といたしましては、取引先の協力を仰ぎながら、産地、加工工場及び工程管理、添加物、微生物検査基準の遵守を徹底し、食材の安全を確保しておりますが、万一、表示内容に重大な誤り等が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上の減少など、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
④ 営業店舗での食品事故
 当社の各営業店舗は食中毒の発生を未然に防ぐために、品質管理及び衛生管理を徹底し、お客様に安心していただける料理の提供に努めております。万一、不可抗力的な食品事故が発生した場合、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止などにより当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑤ 自然災害等の影響について
 当社の店舗は、首都圏を中心とした都市部の駅前に集中しており、地震、台風、津波等により、首都圏の駅周辺の被害が甚大な場合や、火災等により営業の継続が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑥ 店舗賃借物件について
 当社は、店舗の多くを賃借しており、賃貸借契約は更新可能なものも多くありますが、賃貸人側の事情により賃貸借契約期間終了前に解約された場合、業績好調な店舗であっても閉店を余儀なくされる可能性があります。
 また、新規出店に際して、商圏の人口、賃料などを総合的に判断した結果、条件に合致する物件が調達できない場合、新規出店の計画が達成できない可能性があります。
 さらに、当社は、賃貸借契約締結の際に敷金又は保証金等を支払うことが通常でありますので、賃貸人の与信審査を行うなど、賃貸人の信用不安に備えておりますが、これらの敷金又は保証金等のうち全部又は一部が倒産その他の賃貸人側の事情により回収不能となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

⑦ 法的規制について
 当社が営む外食産業は、食品衛生法、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、健康増進法、消防法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)及びその他の店舗の運営に関する各種法令による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加すること等により、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 
 
⑧ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
 当社は、営業店舗を中心に土地、設備等を保有しており、直営店舗について営業活動から生ずる損益が、継続してマイナスとなる場合や土地等の市場価格が著しく下落した場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 
⑨ 外食業界の動向について
 当社が属する外食産業市場は縮小傾向にあります。当社は、お客様のニーズの変化を考慮した新規出店や業態開発を行っておりますが、想定以上の市場規模の縮小などが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

  該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

① 資産

イ 流動資産

前事業年度末に比べて11.2%減少し、40億87百万円となりました。これは主に現金および預金が6億90百万円減少したことによるものであります。

ロ 固定資産

固定資産は前事業年度末に比べて2.0%減少し、65億87百万円となりました。これは主に差入保証金が1億72百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

イ 流動負債

前事業年度末と比べて13.7%減少し、14億99百万円となりました。これは主に前受収益が53百万円、買掛金が51百万円それぞれ減少したことによるものであります。

ロ 固定負債

前事業年度末に比べて8.5%増加し、14億14百万円となりました。これは主に資産除去債務が1億9百万円増加したことによるものであります。

 

 ③ 純資産            前事業年度末に比べて6.3%減少し、77億60百万円となりました。これ
                                   は主に利益剰余金が5億28百万円減少したことによるものであります。
    
(2) 経営成績の分析

① 売上高

前年同期比2.2%減少し、134億36百万円となりました。
この主な減少要因は、1.業績等の概要に記載の通りであります。

② 売上原価

前年同期比0.7%減少し、34億90百万円となりました。
この主な減少要因は、1.業績等の概要に記載の通りであります。

③ 売上総利益

前年同期比2.8%減少し、99億46百万円となりました。
 

④ 販売費及び一般管理費

前年同期比0.4%減少し、99億23百万円となりました。
 

⑤ 営業利益

以上の結果、営業利益は23百万円(前年同期比91.4%減)となりました。

⑥ 営業外収益

前年同期比40.9%減少し、39百万円となりました。
この主な減少要因は、前期計上した保険解約返戻金27百万円が当期は発生しなかったことによるものであります。

⑦ 営業外費用

前年同期比87.4%増加し、19百万円となりました。
 

⑧ 経常利益

以上の結果、経常利益は42百万円(前年同期比86.8%減)となりました。

⑨ 特別利益

前年同期比99.5%減少し、0百万円となりました。
この主な減少要因は、前期計上した受取補償金67百万円、抱合せ株式消滅差益25百万円が当期は発生しなかったことによるものであります。

 

 

⑩ 特別損失

 

前年同期比236.1%増加し、3億12百万円となりました。
この主な増加要因は、減損損失が2億13百万円増加したことによるものであります。

⑪ 当期純利益

以上の結果、当期純損失は2億98百万円(前年同期は当期純利益2億94百万円)となりました。

 

 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて6億90百万円減少し、33億94百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、2億8百万円(前年同期比66.2%減)となりました。これは主に、税引前当期純損失を2億68百万円計上したものの、非現金支出項目である減価償却費を4億59百万円、減損損失を2億82百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果支出した資金は、6億68百万円(前年同期は27百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が6億4百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果支出した資金は、2億30百万円(前年同期比0.2%増)となりました。これは、配当金の支払額
が2億30百万円あったことによるものであります。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

 

平成27年6月期

平成28年6月期

平成29年6月期

自己資本比率(%)

71.2

73.1

72.7

時価ベースの自己資本比率(%)

115.7

114.2

130.9

債務償還年数(年)

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1,111.4

 

 

1 上記指標の算出方法は、以下のとおりであります。

① 自己資本比率 : 自己資本/総資産

② 時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産

(株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。)

③ 債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

④ インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも財務数値により計算しております。

3 営業キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

5 平成27年6月期の債務償還年数につきましては、有利子負債が存在しないため表示しておりません。平成28年6月期及び平成29年6月期の債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、有利子負債が存在しないため表示しておりません。