文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「価値ある食文化の提案」を企業理念とし、ともに働く仲間の幸福を最大限に追求し、当社で働く一人ひとりの経済的利益と精神的成長を達成することで、お客様へ最大の満足を提供し、地域社会へ貢献してまいります。
社会に必要とされる「食ブランド」を創造するために、社会の変化の中で新たに生まれたニーズに合った新業態開発、既存業態のブラッシュアップを行い、お客様に喜びと驚きを提供することを目指して事業を行っております。当社は常にお客様起点で、価値ある食文化を提案し続けることで、持続的な成長を図り、企業価値の拡大に取り組んでまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、持続的な成長と安定的な収益性を重視する観点から、既存業態の営業活動の強化、新業態の開発により、中期的に売上高営業利益率5%以上を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
外食業界におきましては、若者のアルコール離れや中食の増加、宴会需要の減少などによるお客様ニーズの変化に加え、業種・業態の垣根を越えた競争が激化しております。目まぐるしく変化する市場・競争環境に組織として事業を的確かつ迅速に質的転換させていくことが課題と認識し、以下の5つの方針のもと、変革を推し進めてまいります。
① お客様満足に焦点を当てたお店づくり(お客様起点経営)
② 店舗の三現力(現場、現実、現物)の磨き上げ(現場起点経営)
③ 業態別分権化組織の導入
④ 次世代リーダーの育成
⑤ 企業理念「価値ある食文化の提案」の深掘りと原点回帰
当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、発生した場合に適切に対応する所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 経済事情の急変
年度初めには予想も出来なかった経済事情の急変があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 食材の調達について
BSEや鳥インフルエンザ等の疫病の発生、異常気象、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達が難しくなり、調達価格が上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 食の安全性
食材の安全性確保に支障が生じた場合、調達先の見直し、調達先の分散、メニューの主要食材の見直し、原産地表示などのトレーサビリティーを確立し、お客様の不安を抑える必要があります。当社といたしましては、取引先の協力を仰ぎながら、産地、加工工場及び工程管理、添加物、微生物検査基準の遵守を徹底し、食材の安全を確保しておりますが、万一、表示内容に重大な誤り等が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上の減少など、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 営業店舗での食品事故
当社の各営業店舗は食中毒の発生を未然に防ぐために、品質管理及び衛生管理を徹底し、お客様に安心していただける料理の提供に努めております。万一、不可抗力的な食品事故が発生した場合、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止などにより当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害等の影響について
当社の店舗は、首都圏を中心とした都市部の駅前に集中しており、地震、台風、津波等により、首都圏の駅周辺の被害が甚大な場合や、火災等により営業の継続が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 店舗賃借物件について
当社は、店舗の多くを賃借しており、賃貸借契約は更新可能なものも多くありますが、賃貸人側の事情により賃貸借契約期間終了前に解約された場合、業績好調な店舗であっても閉店を余儀なくされる可能性があります。
また、新規出店に際して、商圏の人口、賃料などを総合的に判断した結果、条件に合致する物件が調達できない場合、新規出店の計画が達成できない可能性があります。
さらに、当社は、賃貸借契約締結の際に敷金又は保証金等を支払うことが通常でありますので、賃貸人の与信審査を行うなど、賃貸人の信用不安に備えておりますが、これらの敷金又は保証金等のうち全部又は一部が倒産その他の賃貸人側の事情により回収不能となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制について
当社が営む外食産業は、食品衛生法、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、健康増進法、消防法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)及びその他の店舗の運営に関する各種法令による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が増加すること等により、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
当社は、営業店舗を中心に土地、設備等を保有しており、直営店舗について営業活動から生ずる損益が、継続してマイナスとなる場合や土地等の市場価格が著しく下落した場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 外食業界の動向について
当社が属する外食産業市場は縮小傾向にあります。当社は、お客様のニーズの変化を考慮した新規出店や業態開発を行っておりますが、想定以上の市場規模の縮小などが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度(平成29年7月1日~平成30年6月30日)における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用および所得環境の改善が続く中、企業収益や個人消費に改善の動きが見られ、緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、海外経済の不確実性もあり、不透明な状況です。
外食業界におきましては、若者のアルコール離れや中食の増加、宴会需要の減少に加え、業種・業態の垣根を越えた競争が激化しており、居酒屋の売上高が継続して前年を下回っております。また、原材料価格の高止まりや物流費の上昇、人材採用難や人件費の増加などが経営圧迫要因となっており、厳しい経営環境にあります。
このような環境の中、当社におきましては、従来の事業認識や価値観にとらわれず、現事業を質的・構造的に変化させることが緊急の経営課題となっております。
このことから、以下の経営施策に取り組んでまいりました。
主力業態であり、主に20代~30代のお客様からご支持をいただいている「金の蔵」につきましては、よりお客様満足を向上させることを目的として、「集い場、笑い場、しゃべり場」のコンセプトのもと、グランドメニューを抜本的に変更いたしました。
また、当社の店舗立地は、首都圏駅前立地が中心であることから、「高固定費型の損益構造」になっております。そのため、賃料の減額に注力するとともに、新規出店は売上高賃料比率の低い首都圏近郊立地へと変更するなどして損益構造の転換に取り組んでまいりました。
さらに、人事施策につきましては、「店舗力は店長力である」との認識のもと、店長育成・強化に焦点を当て、「店長塾」(店長として重要な知識や考え方を学ぶための研修)を定期開催するとともに、店長が主体となり、自主的に店舗運営ができるよう、人事制度の変更を行いました。
なお、出店につきましては、当社の主力業態である「金の蔵」を2店舗、カフェスタイルを取り入れた「カフェ&ダイニングKinKura」を1店舗、堅調に推移している「焼肉万里」を1店舗、新規に出店いたしました。
退店につきましては、再開発によって契約期間満了を迎えた店舗や、商圏の変化などにより利益を確保することが困難と判断した計11店舗を閉店いたしました。このうち、大型店舗である「吉今TOKYO」大手町店が定期借家契約期間の満了に伴って閉店したことにより、多額の退店費用を計上することになりました。
上記のとおり各施策を講じたものの、目まぐるしく変化する市場・競争環境に組織としてダイナミックかつスピーディーに事業を改革することができませんでした。
以上により売上高は、124億64百万円(前年同期比7.2%減)となりました。営業利益につきましては、原材料価格の高騰や人件費の上昇もあり、4億93百万円の損失(前年同期は営業利益23百万円)、経常利益は4億24百万円の損失(前年同期は経常利益42百万円)となりました。
当期純損失は、営業損失の計上や店舗の減損損失等を計上したことなどにより、16億56百万円(前年同期は当期純損失2億98百万円)となりました。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて18.4%減少し、87億13百万円となりました。
流動資産は前事業年度末に比べて18.1%減少し、33億48百万円となりました。これは主に現金および預金が5億83百万円減少したことによるものであります。固定資産は前事業年度末に比べて18.6%減少し、53億64百万円となりました。これは主に有形固定資産が9億92百万円減少したことによるものであります。
流動負債は前事業年度末と比べて4.7%増加し、15億69百万円となりました。これは主に資産除去債務が65百万円増加したことによるものであります。固定負債は前事業年度末に比べて10.3%減少し、12億69百万円となりました。これは主に繰延税金負債が77百万円、資産除去債務が68百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
純資産合計は前事業年度末に比べて24.3%減少し、58億73百万円となりました。これは主に利益剰余金が18億86百万円減少したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて5億83百万円減少し、28億10百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、2億74百万円(前年同期は2億8百万円の収入)となりました。これは主に、非現金支出項目である減価償却費を3億43百万円、減損損失を9億98百万円計上したものの、税引前当期純損失を16億95百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、78百万円(前年同期比88.3%減)となりました。これは、主に差入保証金の回収による収入が2億56百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出が2億37百万円、差入保証金の差入による支出が91百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2億30百万円(前年同期比0.0%減)となりました。これは、配当金の支払額が2億30百万円あったことによるものであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
|
|
平成28年6月期 |
平成29年6月期 |
平成30年6月期 |
|
自己資本比率(%) |
73.1 |
72.7 |
67.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
114.2 |
130.9 |
165.1 |
|
債務償還年数(年) |
- |
- |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
- |
- |
- |
上記指標の算出方法は、以下のとおりであります。
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
(株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。)
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
各指標は、いずれも財務数値により計算しております。
債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、有利子負債が存在しないため表示しておりま
せん。
③生産、受注及び販売の状況
当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、業態別により記載しております。
|
業態別 |
第42期 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
金の蔵・黄金の蔵 |
2,001,460千円 |
98.5 |
|
月の雫・東方見聞録・吉今 |
448,376 |
90.3 |
|
アカマル屋・バリバリ鶏 |
387,797 |
108.2 |
|
その他 |
522,345 |
86.1 |
|
合計 |
3,359,979 |
96.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
|
業態別 |
第42期 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
金の蔵・黄金の蔵 |
7,744,484千円 |
96.0 |
|
月の雫・東方見聞録・吉今 |
1,656,612 |
86.3 |
|
アカマル屋・バリバリ鶏 |
1,417,218 |
105.1 |
|
その他 |
1,646,029 |
78.1 |
|
合計 |
12,464,344 |
92.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
|
業態別 |
第41期 (自 平成28年7月1日 至 平成29年6月30日) |
第42期(当事業年度) (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) |
||||||
|
客席数 |
構成比 |
来店客数 |
構成比 |
客席数 |
構成比 |
来店客数 |
構成比 |
|
|
金の蔵・黄金の蔵 |
3,977 |
66.0 |
3,864 |
50.0 |
4,141 |
67.5 |
3,762 |
51.5 |
|
月の雫・東方見聞録・吉今 |
1,031 |
17.1 |
619 |
8.0 |
923 |
15.1 |
581 |
8.0 |
|
アカマル屋・バリバリ鶏 |
567 |
9.4 |
659 |
8.5 |
732 |
11.9 |
662 |
9.1 |
|
その他 |
449 |
7.5 |
2,590 |
33.5 |
337 |
5.5 |
2,294 |
31.4 |
|
合計 |
6,026 |
100.0 |
7,733 |
100.0 |
6,135 |
100.0 |
7,300 |
100.0 |
(注) 客席数は、各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかし、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における当社の経営成績は、売上高につきましては、前年同期比7.2%減少し、124億64百万円になりました。この主な要因は、既存店の売上高の減少や店舗閉店、出店計画未達によるものであります。売上原価につきましては、前年同期比3.8%減少し、33億58百万円となりましたが、売上原価率は上昇いたしました。売上総利益につきましては、前年同期比8.5%減少し、91億5百万円となりました。この主な要因は、売上高の減少及び原材料価格の高止まり等により売上原価率が上昇したことによるものであります。営業利益につきましては、4億93百万円の損失(前年同期は23百万円の営業利益)、経常利益につきましては4億24百万円の損失(前年同期は42百万円の経常利益)となりました。この主な要因は、店舗地代家賃の減額等を実現させたものの、売上高人件費率が上昇したことや売上総利益が減少したことによるものであります。
③ 財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ19億62百万円減少し、87億13百万円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は33億48百万円となり、前事業年度末に比べ7億38百万円減少いたしまし
た。これは主に現金及び預金が5億83百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は53億64百万円となり、前事業年度末に比べ12億23百万円減少いたしまし
た。これは主に、減損損失の計上により有形固定資産が9億92百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は15億69百万円となり、前事業年度末に比べ70百万円増加いたしました。こ
れは主に、資産除去債務が65百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は12億69百万円となり、前事業年度末に比べ1億45百万円減少いたしまし
た。これは主に、繰延税金負債が77百万円、資産除去債務が68百万円、それぞれ減少したことによるものであ
ります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は58億73百万円となり、前事業年度末に比べ18億86百万円減少いたしました。
これは、利益剰余金が18億86百万円減少したことによるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金の源泉は主に、「現金及び現金同等物」と「営業活動によるキャッシュ・フロー」であります。
一方、当社の主な運転資金需要は、当社販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費及び店舗オーナー
への支払賃借料等であり、主な設備投資需要は、新規出店、店舗改修に係る投資資金であります。
したがいまして、運転資金と設備投資資金については、営業キャッシュ・フローで充当しております。
なお、詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
該当事項はありません。
5 【研究開発活動】
該当事項はありません。