文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「価値ある食文化の提案」を企業理念とし、ともに働く仲間の幸福を最大限に追求し、当社で働く一人ひとりの経済的利益と精神的成長を達成することで、お客様へ最大の満足を提供し、地域社会へ貢献してまいります。
社会に必要とされる「食ブランド」を創造するために、社会の変化の中で新たに生まれたニーズに合った新業態開発、既存業態のブラッシュアップを行い、お客様に喜びと驚きを提供することを目指して事業を行っております。当社は常にお客様起点で、価値ある食文化を提案し続けることで、持続的な成長を図り、企業価値の拡大に取り組んでまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、持続的な成長と安定的な収益性を重視する観点から、既存業態の営業活動の強化、新業態の開発により、中期的に売上高営業利益率5%以上を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
外食産業において、新型コロナウイルス感染拡大による店内飲食への影響は大きく、収束時期が見えない中、経営環境は以前にも増して厳しい状況であります。このような状況を踏まえ、当社の中期的な経営戦略といたしましては、大型・空中階及び地下階の早期閉店、「Withコロナ時代」を見据えた店舗運営や、事業の開拓を行ってまいります。主な内容は以下のとおりです。
① 大型・空中階及び地下階の店舗の早期閉店
当事業年度におきまして、今後不採算となることが予想される店舗だけではなく、店舗収支の改善に時間を要する店舗、売上高賃料比率が高い店舗、及び大型・空中階及び地下階の店舗を中心に、2020年6月期においては40店舗の閉店を実施いたしました。これまで当社の強みであった首都圏駅前一等立地が、いまや弱みになっており、とりわけ新宿、渋谷といったエリアの集客力が著しく悪化していることから、さらに踏み込んだ閉店を実施いたします。
② 「新しい生活様式」に沿った店舗運営
新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化することを想定し、3密を避けた店舗運営に取り組んでまいります。具体的には、アルコール消毒液による店内消毒、扉や窓の開放や換気設備による定期的な換気を行い、各業態の特性に合わせて、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保した配席を行います。コロナ禍においても、お客様から一定の支持をいただいている「アカマル屋」「焼肉万里」「東京チカラめし」につきましては、引き続き業態の磨き上げを行ってまいります。また、テイクアウト・デリバリー需要が高まる背景を受け、既存の業態だけではなく世の中の変化に合わせた商品の開発を進めてまいります。
③ お客様に「届ける」事業の開拓
当期において、既存店舗の厨房でWEBからの注文に応じて調理しデリバリーする、店舗を持たない業態を複数開発いたしました。今後、こうしたデリバリーサービスを強化すべく、WEB上のブランドポートフォリオマネジメントを強化してまいります。また、2020年5月に開設した自社で運営する通信販売サイト「通販SHOP金の蔵」においては、自社のオリジナル商品を中心に、お客様に訴求する商品の充実を図ってまいります。
前事業年度から取り組んでいる弁当及びケータリング販売等について、新型コロナウイルス感染拡大に伴いオフィスワーカーのテレワーク化が進んでおり、都心のオフィスビルの一部区画における販売が伸び悩んでいることから、「お客様の手元に届ける」サービスを研究・開発いたします。
④ 資産をもたない運営受託事業の拡大
大きな投資を要しない運営受託事業に関して、前事業年度から継続して取り組んでおりますが、安定した客数が見込める店舗を中心に順調に店舗数を伸ばしており、今後、さらなる事業拡大を目指してまいります。
(4) 経営環境
当社が属する外食産業を取り巻く環境は、お客様の価値観や行動様式、ニーズの変化、中食市場の成長に加え、2020年2月下旬以降の新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした各自治体からの営業自粛や営業時間短縮等の要請があり、来店客数が大幅に減少する等、依然として厳しい経営環境が続くものと予想されます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題
<新型コロナウイルス感染症への対応について>
当社は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、お客様をはじめ、お取引先様、従業員の安全を最優先とし、政府・自治体の方針に沿った店舗営業の他、全従業員一人ひとりが行うことができる感染予防対策の徹底並びに出勤の自粛や時差出勤の活用等を推進し、感染拡大を防ぐ取り組みを行っております。また、「(3) 中長期的な会社の経営戦略 ② 「新しい生活様式」に沿った店舗運営」に記載のとおり、時差通勤、テレワークといった急速に変化する生活様式に柔軟に対応し、食を通じて多くの方に幸せを感じていただける、新たな商品とサービスの形を提案してまいります。
<財務体質の改善>
機動的な経営を実現するために、財務的基盤を安定させることが重要であると考え、キャッシュ・フローの改善を推進いたします。設備投資や経費の適正な見直し等を基本に収益力の向上に努め、財務体質の改善に取り組んでまいります。主な取り組みといたしましては、マスマーケティングを従来型メディアであるペイドメディアからSNS等のアーンドメディア及び自社運営型のオウンドメディアへの移行をさらに徹底し、販売促進費を削減いたします。また、店舗数が減少していることから、人材の出向・転籍等を促進し店舗規模に見合った人員数へ見直す他、ITシステムの入替によって業務の大幅な省力化を実現することで、人件費を圧縮します。さらに、役員報酬の減額や支払報酬の削減を実施する等、会社全体のあらゆるコストを見直しいたします。また、売上高の減少を受けて、キャッシュ・フローを最重要視し、出店・改装等の投資も抑制してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する可能性に備え、安定的な経営に資するよう、手許資金を確保すべく、固定資産を売却いたしました。また、政府が実施するコロナ対応緊急対策融資を活用し、無担保かつ一定期間において実質無利息の借入を行いました。
② その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
喫緊で対処すべき課題は以下のとおりです。
<既存店舗の成長促進>
飲食産業では、外食産業における企業間競争が激化する中、当社はお客様のニーズに合った商品開発、商品クオリティの向上及び「人」によるおもてなしの付加価値の向上を追求し、衛生管理の強化をしながら、顧客リピート率の向上を図ることで店舗収益力の維持、向上を図っていく方針であります。
<衛生管理・環境問題への対応の強化>
外食産業においては、食中毒や食品アレルギーなどの食品事故の発生の危惧があることを鑑み、食品の安全性の確保や商品(特に原材料)の情報提供に対する社会的な要請が強くなってきております。また、プラスチック製包装容器やストローなどへの環境配慮についても、より強く求められるようになっております。
当社では、HACCPの考え方に基づいた衛生管理を徹底するとともに、定期的に内部監査室及びお客様相談室による店舗監査を実施する他、外部専門家による検査や講習を行っております。また、食品表示や環境問題への配慮についても、啓発を行い、社会からの要請に応じて対応を強化してまいります。
<人材の育成>
企業価値の向上、業績の拡大と事業の安定の為には正社員、パート・アルバイトの人材の育成が必要不可欠な要素であり、重要な課題であると考えております。人材の育成に関して、階層別の社内研修制度を強化し、調理技術の向上及び店舗におけるサービスレベルの均一化を図るとともに、経営者視点を持ちながら、マネジメントできる人材へと育成してまいります。
パート・アルバイトに関しても、社内の勉強会やサービスコンテストなどの教育及び表彰の場を拡充することにより、働きながら学べる環境を整え、ロイヤリティの高い人材へと育成してまいります。
<仕入れ・物流体制の見直し>
当社では、鮮魚を中心に、全国の第一次産業の生産地と直接提携し、卸売市場や仲卸を通さない仕入れ・物流体制の構築に取り組んでおります。これにより、外食及び中食事業を支える柱の一つである、食材に関する仕入・物流体制の見直しを実施し、原材料価格のコスト削減に取り組むとともに、お客様により新鮮な食材を提供することで付加価値の向上に努め、さらには、生産者や生産地のさらなる発展に寄与してまいります。
<経営管理体制の強化>
さらなる事業規模の拡大を目指す中で、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠だと考えております。その基盤となる経営管理組織の拡充のため、今後も組織体制の最適化、内部監査体制の強化及び監査役会・会計監査人による監査の連携を強化し、全従業員に対し継続的にコーポレート・ガバナンス及び経営管理の啓発・教育活動を行っていく方針であります。
当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避に努め、発生した場合に適切に対応する所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 新型コロナウイルス感染症拡大によるリスクについて
当社において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じています。感染拡大や長期化に伴い、臨時休業・営業時間短縮や消費の低迷などが懸念され、当社の業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染による事業リスクを最小限に抑えるため、従業員に対する感染予防策の周知、3密(密閉・密集・密接)を避けた店舗運営、在宅勤務の推進等により感染拡大防止に努めております。
② 外食業界の動向及び競合の激化について
外食業界は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした各自治体からの営業自粛や営業時間短縮等の要請があり、来店客数が大幅に減少する等、引き続き厳しい経営環境が続いております。
このような環境のもと、当社はお客様のニーズの変化を考慮した新規出店や業態開発を行っておりますが、外食市場の縮小、競争の激化などにより既存店の売り上げ収益が当社の想定以上に減少した場合、または経費削減策が奏功しなかった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 店舗賃借物件について
当社の直営店舗は、賃借物件であり、その賃貸借契約は主に更新可能なものでありますが、賃貸人側のやむを得ない事情により解約または解除された場合、業績好調な店舗であっても閉店を余儀なくされる可能性があります。
また、新規出店に際して、商圏の人口、賃料などを総合的に判断した結果、条件に合致する物件が調達できない場合、新規出店の計画が達成できない可能性があります。
さらに、当社は、賃貸借契約締結の際に敷金又は保証金を預託する場合、事前に賃貸人の与信審査を行うなど、賃貸人の信用不安に備えておりますが、これらの敷金又は保証金のうち全部又は一部が倒産その他の賃貸人側の事情により回収不能となった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、定期借家契約の規定により賃貸借契約が早期に解約できない場合、また解約に伴う違約金等の発生、後継テナントがつかないことによる原状回復費用が発生する場合等、店舗閉鎖に伴い想定していなかった費用が発生する可能性があります。
④ 食材の調達について
BSEや鳥インフルエンザ等の疫病の発生、異常気象、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達が難しくなり、調達価格が上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 食の安全性
当社は、食材の安全性確保のため、取引先の協力を仰ぎながら、食品のトレーサビリティーを確立しております。加えて、産地、加工工場の現地確認及び添加物、微生物検査基準を遵守した食材を選定するなど、食材の安全を確保するとともに、お客様へ正確な情報の提供に努めております。万一、表示内容に重大な誤り等が発生した場合には信用低下等を招き、店舗売上が減少する他、調達先やメニューの主要食材の見直し等を実施するためのコストが発生するなど、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 営業店舗での食品事故
当社の各店舗では、食品衛生法に基づき、所轄の保健所より飲食店営業許可を受け、食品衛生責任者を設置しております。食中毒の発生を未然に防ぐために、品質管理及び衛生管理を徹底し、お客様に安心していただける料理の提供に努めておりますが、万一、食品事故が発生した場合、食材の廃棄処分、損害賠償による損失の発生、一定期間の営業停止などにより当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 人材の確保及び教育について
当社は、中長期的な店舗出店や運営受託店舗などの各事業拡大を見据え、新卒採用・中途採用の他、アルバイト従業員からの社員登用も含めた人材の確保を行っております。また、階層別研修や評価制度を含めた人事制度のさらなる拡充に注力をしていく方針です。しかしながら、人材の確保及び教育が計画どおりに進まない場合には、各事業の拡大計画の遅延または中止により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ アルバイト従業員に対する社会保険加入の義務化について
当社は、主に店舗にて多数のアルバイト従業員を雇用しております。今後、アルバイト従業員への社会保険適用範囲の拡大が実施された場合、社会保険料負担の増加などにより人件費が上昇し、当社の経営成績に影響が生ずる可能性があります。
⑨ 経済事情の急変
年度初めには予想も出来なかった経済事情の急変があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 自然災害等の影響について
当社の店舗は、首都圏を中心とした都市部の駅前に集中しており、地震、台風、津波等により、首都圏の駅周辺の被害が甚大な場合や、火災等により営業の継続が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 商標権の管理について
当社は、複数の業態を保有しております。業態の名称については、使用に先立ち、外部の専門家などを通じて、第三者の商標権を侵害する恐れがないか確認し、可能な限り、当社においてその名称を商標登録することで、第三者に対する権利侵害を回避するとともに、当社権利の確保に努めております。しかしながら、当社の使用する名称が第三者のものと類似するなどの理由により、第三者の商標権を侵害していると認められた場合には、当該商標の使用差止め、使用料または損害賠償の支払い請求がなされる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ インターネットなどによる風評被害について
SNSの普及に伴い、インターネット上の書き込みや、それを発端とするマスコミの報道による風評被害が発生・拡散された場合において、当社業態の価値が棄損され、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
当社は、営業店舗を中心に設備等を保有しており、直営店舗について営業活動から生ずる損益が、継続してマイナスとなる場合には、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により減損損失が計上され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 法的規制について
当社は、食品衛生法、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、健康増進法、消防法、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器リサイクル法)及びその他の当社事業に関する各種法令による規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、当社は社会的責任を第一に考え、法令や各行政機関からの要請には応じる方針であることからも、それに対応するための新たな費用が増加すること等により、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、「総合居酒屋」への需要が近年減少傾向にあることから、前事業年度まで2期連続の営業損失を計上しております。また、当事業年度においては、この状況に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う日本政府による緊急事態宣言及び各自治体からの営業自粛要請や営業時間短縮要請を受け、一部店舗で臨時休業や時短営業等を実施した影響等による売上高の減少、人件費率の増加、減損損失の計上に伴い、営業損失20億9百万円、経常損失19億98百万円、当期純損失27億13百万円を計上いたしました。
以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しておりますが、当事業年度末の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はありません。加えて、以下に記載のとおり、当該事象を改善するための対応策を実施していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(収益改善施策の実施)
現在、当社は短・中期的な事業構造改革を推し進めており、収益の改善を目指し次の施策に取り組んでおります。
(a) 不採算店舗の閉店
当社は、キャッシュの流出を防ぐことが当面の優先課題であると認識し、当事業年度において不採算店舗を40店舗閉店いたしました。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大による経済や企業活動への広範な影響が一定期間継続するものと想定し、店舗収益の回復に相当程度時間を要する店舗について、2020年9月までに、55店舗の閉店を意思決定いたしました。本施策により、お客様からご支持いただける店舗(主に郊外店や「アカマル屋」「焼肉万里」「東京チカラめし」等の特定業態)が、安定して利益を確保できる店舗として残り、これら店舗の顧客満足度を向上させていくことで、可及的速やかな営業収支の改善を進めてまいります。
(b) 運営受託店舗等の出店
投資を極力抑えつつ、なおかつ早期に営業収支に貢献する店舗を増やすため、初期の設備投資が非常に少ない運営受託店舗及び新型コロナウイルス感染症の影響が少ないブランドに絞り新規出店を行うことにより、一層の収益基盤強化を図ります。
(c) コストの削減
全社的な取り組みとして、あらゆるコストの見直し及び削減をより強力に進めてまいります。
機動的な経営を実現するために、財務的基盤を安定させることが重要であると考え、キャッシュ・フローの改善を推進いたします。設備投資や経費の適正な見直し等を基本に収益力の向上に努め、財務体質の改善に取り組んでまいります。主な取り組みは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
以上のように、翌事業年度において進める構造改革の効果が経常的に見込まれることから、収益改善及び財務基盤の強化が図られ、これによって安定的に営業収支が改善する見込みであります。
当事業年度(2019年7月1日~2020年6月30日)における我が国経済は、雇用及び所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向にありましたが、2020年2月下旬以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界的規模で経済活動が抑制されました。また、同年4月には日本政府から緊急事態宣言が発令され、各自治体からの外出自粛要請等により、一層経済が停滞し、先行きが見通せない状況が続いております。
外食産業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした各自治体からの営業自粛や営業時間短縮等の要請があり、来店客数が大幅に減少する等、厳しい経営環境が続いております。
当社は、このような状況はお客様の価値観や行動様式、ニーズが大きく変化する転換期であると認識し、大胆な変革を行う絶好の機会と捉え、「事業の質的転換を図ること」、「既存店舗の思いきった整理・再編に踏み込むこと」が最重要課題であると認識し、以下の施策に取り組んでまいりました。
当社は、事業の質的転換策の一環として、「総合居酒屋からの脱却」と「大型店の整理・再編」を推し進めてまいりましたが、さらに踏み込んだ施策が必要であると判断し、今後不採算となることが予想される店舗だけではなく、店舗収支の改善に時間を要する店舗、売上高賃料比率が高い店舗、及び大型・空中階及び地下階の店舗を中心に、2020年6月期においては40店舗の閉店を実施いたしました。
運営を継続する店舗については、お客様・従業員の安全、感染拡大防止への社会的責任を第一に考え、各自治体からの営業時間の短縮要請等に従うとともに、従業員に対して感染予防策の周知を行い、出勤前の検温・体調チェック、適切な手洗い、勤務時のマスク着用等を励行いたしました。また、アルコール消毒液による店内消毒、扉や窓の開放や換気設備による定期的な換気を行い、各業態の特性に合わせて、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保した配席を行う等、3密(密閉・密集・密接)を避けた運営に取り組んでまいりました。また、既存店舗の厨房を利用したデリバリーサービスやランチ時間帯の営業を強化した他、店内にオンライン飲み会専用席を設置する等、生活スタイルの変化に適応すべく店舗の活用方法の拡大を図りました。これに加えて、単身者や共働き世帯の増加、働き方改革等の影響により中食・デリバリー市場が拡大している背景を受け、自社の人材活用と遊休設備の活用の観点から、既存設備を弁当及びケータリングの製造拠点とし、WEB上や当社店舗の店頭、都心のオフィスビルの一部区画における弁当及びケータリング販売等を拡大いたしました。さらに、お客様に店舗へお越しいただくことを前提とした従来の事業に加え、各業態の名物料理等を当社がお客様の手元へお届けする事業を展開していくため、自社で運営する通信販売サイト「通販SHOP金の蔵」(https://kinkura.com/)を開設いたしました。
コスト面については、経費支出の削減や、店舗の賃料減額交渉を行う等、会社全体のあらゆるコストを見直しいたしました。また、売上高の減少を受けて、キャッシュ・フローを最重要視し、当初計画していた出店・改装等の投資を大幅に抑制いたしました。
当事業年度における出退店につきましては、商圏の変化等により、利益を確保することが困難であると判断した店舗に加え、新型コロナウイルス感染拡大による影響が長期化した場合を想定し、直営店40店舗を閉店いたしました。また、新規出店につきましては、「アカマル屋」を1店舗、「焼肉万里」を1店舗、大きな投資を必要としない運営受託事業において、温浴施設や官公庁施設内の食堂15店舗を新たに受託いたしました。これにより当事業年度末における店舗数は、直営店65店舗、運営受託店舗15店舗、フランチャイズ店8店舗となりました。
資金面については、新型コロナウイルス感染拡大による影響が長期化するリスクに備えて、安定的な経営に資するよう、手許資金を確保すべく、固定資産を売却いたしました。
以上の取り組みにより、売上高は73億91百万円(前期比30.9%減)となりました。営業利益につきましては、20億9百万円の損失(前期は営業損失9億95百万円)となりました。経常利益は19億98百万円の損失(前期は経常損失9億75百万円)、当期純利益は、27億13百万円の損失(前期は当期純損失15億69百万円)となりました。
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて33.1%減少し、45億46百万円となりました。流動資産は前事業年度末に比べて11.1%増加し、22億93百万円となりました。これは主に現金及び預金が2億14百万円増加したことによるものであります。固定資産は前事業年度末に比べて52.4%減少し22億52百万円となりました。これは主に差入保証金が8億24百万円、有形固定資産が16億1百万円減少したことによるものであります。
流動負債は前事業年度末と比べて16.8%増加し、17億28百万円となりました。固定負債は前事業年度末に比べて27.1%減少し、8億21百万円となりました。
純資産合計は前事業年度末に比べて52.3%減少し、19億97百万円となりました。これは主に利益剰余金が27億13百万円減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて2億85百万円減少し、11億34百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、17億99百万円(前年同期は9億39百万円の支出)となりました。これは主に税引前当期純損失を27億16百万円計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、9億99百万円の収入(前年同期は3億35百万円の支出)となりました。これは、主に有形固定資産の売却により18億38百万円の収入があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、5億14百万円の収入(前年同期は1億15百万円の支出)となりました。これは主に、新株式の発行により5億15百万円の収入があったことによるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
上記指標の算出方法は、以下のとおりであります。
自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
(株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。)
債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
各指標は、いずれも財務数値により計算しております。
債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、有利子負債が存在しないため表示しておりま
せん。
(3)生産、受注及び販売の状況
当社は、主に飲食事業でありますが、飲食事業以外のセグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略し、業態別に記載しております。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 客席数は、各月末現在の各店舗客席数×営業日数として算出しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかし、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 (追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における当社の経営成績は、売上高につきましては、前年同期比30.9%減少し、73億91百万円になりました。この主な要因は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う伴う緊急事態宣言の発令や各自治体からの営業時間短縮要請を受け、営業時間の短縮及び臨時休業等の対応、影響が長期化した場合を想定し、直営店40店舗を閉店した結果によるものであります。売上原価につきましては、前年同期比28.0%減少し、20億76百万円となりました。売上総利益につきましては、前年同期比32.0%減少し、53億14百万円となりました。営業利益につきましては、20億9百万円の損失(前年同期は9億95百万円の営業損失)、経常利益につきましては19億98百万円の損失(前年同期は9億75百万円の経常損失)となりました。
③ 財政状態の分析
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ22億49百万円減少し、45億46百万円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は22億93百万円となり、前事業年度末に比べ2億28百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2億14百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は22億52百万円となり、前事業年度末に比べ24億77百万円減少いたしました。これは主に差入保証金が8億24百万円、有形固定資産が16億1百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は17億28百万円となり、前事業年度末に比べ2億48百万円増加いたしました。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は8億21百万円となり、前事業年度末に比べ3億5百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は19億97百万円となり、前事業年度末に比べ21億92百万円減少いたしました。
これは、利益剰余金が27億13百万円減少したことによるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金の源泉は主に、「現金及び現金同等物」と「営業活動によるキャッシュ・フロー」であります。
一方、当社の主な運転資金需要は、当社販売商品に係る原材料費、店舗運営に係る人件費及び店舗オーナーへの支払賃借料等であり、主な設備投資需要は、新規出店、店舗改修に係る投資資金であります。
したがいまして、運転資金と設備投資資金については、営業キャッシュ・フローで充当しております。
なお、詳細は「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
該当事項はありません。
5 【研究開発活動】
該当事項はありません。