第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営戦略の現状と見通し

会社の経営の基本方針

当社を取り巻く厳しい経営環境に対応すべく、収益基盤を支えるリストラ策の着実な実行と事業横断型のCRM施策の強化を核として、各事業において抜本的な事業構造改革を行なってまいります。当社の根幹であるレストラン事業の競争力を磨き直し、レストランの価値をベースとした成長を目指します。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループにとって非常に厳しい事業環境となりましたが、その中においても、店内環境や従業員の行動など200以上の項目を定めた当社独自の安全基準である「Hiramatsuスタンダード」を徹底することで、お客様に安心してレストランやホテルをご利用頂く取組みを他社に先駆けて実行してまいります。

当社グループは、これまでの歴史の中で、食のパイオニア企業として本物の質を追求し、お客様の人生に寄り添い、共に成長しながら、さまざまな「時」を提供してきました。2020年6月に発足した経営体制において、新ミッション「食の可能性を広げ、心ゆさぶる「時」を提供する」、新ビジョン「この世界を、食の感動でつながる大きなテーブルに」を掲げ、中期経営計画の達成に向け推進しております。

 


 

①リストラ策の着実な実施

新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるマーケット需要の減少に対応するため、営業時間の見直しや休業・閉店等の戦略的な店舗配置の最適化を進めてまいります。これに伴う人員配置の適正化に加えて、経営陣の給与カット及び定期昇給の停止、新規採用の凍結などの人件費の適正化を行います。加えて、経費執行のコントロール強化と当社保有資産の売却を促進することでキャッシュ・フローの改善を行なってまいります。

 

②全社横断でのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)強化

当社の強みである約20万人のメンバーシップを最大限活用し、事業横断型のCRMを促進いたします。お客様の利用頻度や利用額に応じて魅力のある特典を提供するロイヤリティ・プログラムを開発し、ひらまつコンシェルジュ(仮称)によるお客様の個別ニーズへのきめ細かい対応など、会員様への圧倒的な特別感を提供してまいります。魅力的なプログラムを通じて新規会員の獲得を行うとともに、会員様の嗜好に合わせたOne to Oneのご提案をすることで、休眠会員の掘り起こしとリピーター化、更には事業間の相互送客を促進いたします。

 

 

③レストラン事業

レストラン事業においては、既存店の磨き込みによる体験価値の向上と店舗ポートフォリオの最適化による売上及び収益の最大化を目指します。各店の位置付け(フラッグシップ/コア/エントリー)を明確にし、フラッグシップ店には戦略的なリモデル投資を行い、全社のブランドイメージを引き上げます。当社グループの主力であるコア店においては、老朽化した店舗に対するリフレッシュ投資を行い、顧客の体験価値の抜本的な向上を図ると共に、シフトの最適化などの生産性向上を実現することで収益性の向上を図ります。エントリー店においては、カフェ・テイクアウトへの取り組みを本格化させ、当社グループの顧客層の裾野を広げてまいります。

 

④ブライダル事業

厳しいマーケットの縮小が続いているブライダル事業においては、抜本的な事業構造改革を進めます。これまでの婚礼のあり方を見直し、ニューノーマルに適した新たな婚礼のニーズ(少人数婚やフォト婚)を着実に取り込んでまいります。また挙式のみに囚われず、お客様の人生の様々な晴れの日や節目のお祝い、大切な人と過ごす『時』の価値を最大化させる“ライフタイムバリュー(LTV)”事業への転換を図ります。例えば、プロポーズや両家の会食など婚礼前後のライフイベントへのご提案やベビーシャワーやバウ・リニューアルのご提案など、お客様の生涯に寄り添い、お客様が大切な人と過ごすかけがえのない時間の価値を高める当社ならではの演出を提案してまいります。

 

⑤ホテル事業

ホテル事業においては、新たなオーベルジュの体験価値の創造と高収益モデルへの転換を図ってまいります。2021年3月16日に開業したTHE HIRAMATSU 軽井沢御代田で進めている『食』をベースとした滞在価値の構築を各拠点に展開すると共に、年間マーケティングカレンダーに基づく戦略的な企画推進により繁閑差の縮小を図ります。国内需要の取り込みはもとより、将来のインバウンド需要の回復を見据えた準備と取組みを加速させます。一方で、システム化などの業務の効率化やシフト・スタッフィングの見直し等のオペレーションモデルの変革により、収益性を高めてまいります。

 

⑥新規領域(外販)事業

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響をヘッジできる事業構造を構築すべく、レストラン、ブライダル、ホテルに続く4本目の柱である新規領域(外販)事業を強化します。スイーツやパスタソース、お弁当など、外販事業向けの新規商品開発と生産体制(OEM)の構築を進めるとともに、テイクアウトやデリバリー、EC、百貨店等でのインショップ販売、法人営業など、販売チャネルの開拓を行ってまいります。将来的には、教育事業やYoutubeでの動画配信等のコンテンツサービス分野へのチャレンジも視野に入れて取り組んでまいります。

 

 これらの経営方針を着実に実行するためには、当社の財産である人材が鍵となります。業界トップクラスの技量と陣容を誇るプロフェッショナル人材(シェフ・サービス・パティシエ・ソムリエ・コンシェルジュ)のマリアージュと事業間・部門間連携により、他社では実現できない差別化された体験価値を創造してまいります。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①事業構造の変革

当社を取り巻く厳しい経営環境に対応すべく、収益基盤を支えるリストラ策の着実な実行と事業横断型のCRM施策の強化を核として、各事業において抜本的な事業構造改革を行なってまいります。当社の根幹であるレストラン事業の競争力を磨き直し、レストランの価値をベースとした成長を目指します。

 

 

②新型コロナウイルス感染症に伴う事業への影響

 当社は、「緊急事態宣言」を踏まえ、お客さま並びに従業員の健康と安全確保、新型コロナウイルス感染症拡大防止への社会的責任を第一に考え、緊急事態宣言発出期間においては、政府・自治体からの要請並びに入居する商業施設の運営方針に従い、一部店舗の臨時休業や営業時間を短縮することといたしました。一方、衛生管理、清掃、及びソーシャルディスタンスを考慮した席配置やオペレーションなど、政府の提案する「新しい生活様式」を踏まえた当社独自に200項目を超える安全基準を設定し、全社をあげてお客様に安心してひらまつ各店をご利用いただく環境の整備に全力を尽くしてまいります。

 

③財務基盤の安定化

 当社は、取引金融機関と密接なコミュニケーションを取ることで追加融資や借入元本の返済の猶予等継続的な支援を頂いております。

 なお、財務制限条項に抵触している長期借入金(シンジケートローン契約を含む)については、取引金融機関から期限の利益喪失の権利行使をしないことについて承諾を得ておりますが、転換社債型新株予約権付社債については、社債権者と継続的に協議を進めており、財務基盤の安定化に努めております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、危機管理規程に基づき危機管理委員会において管理しています。危機管理委員会は、その下部組織として危機管理推進会議を設置し、リスクの洗い出し及び評価を行っており、2021年9月には下期の危機管理計画を策定することになっています。

有価証券届出書提出日(2021年7月16日)現在において当社グループは当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて主として以下のようなものがあると認識しています。

 

1.当社グループ事業について

当社グループでは、レストラン事業を中核としながらホテル事業、ウェディング事業、ケータリング・デリバリー事業、ワイン事業を展開しております。

今後の景況感、市場動向、外食に係る顧客の消費、嗜好の変化、環境リスク等により、当社グループが提供するレストラン・ホテルのコンセプト、料理、サービスが受入れられない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

2.自然災害 障害について

当社グループの店舗や本店所在地を含む地域で、大規模な地震や洪水や台風等の自然災害、感染症の蔓延などが発生した場合、被災状況によっては正常な事業活動が困難な状態となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

特にホテル事業においては、当社ホテルが観光地に多く存在していることから、それぞれ台風、津波、火山の噴火等の自然災害のリスクを抱えております。

このようなリスクに対応するため、自然災害発生時においてお客様や従業員の生命・身体を守ることを最重要の課題として、危機管理計画の策定を推進いたします。

 

3.衛生管理

当社はレストラン営業を行っており、衛生管理が重要な課題となっております。特に今般の新型コロナウィルス感染症の影響や食中毒、異物混入、アレルギー等、多数の対処すべき課題がございます。

当社においては、HiramatsuスタンダードやHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の考え方に基づき、衛生管理を推進し、このようなリスクを低減するよう活動を推進します。

 

4.個人情報保護について

当社グループは、個人情報保護法に定められた個人情報を取り扱っており、管理体制の整備及び個人情報の取り扱いについては細心の注意を払っておりますが、当社グループが保有する顧客情報等の個人情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の提起等により当社グループのブランドイメージを大きく損ね、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に当社は、主に富裕層を顧客としており、個人情報が流出したときの被害も甚大となる恐れがあります。

当社において、昨年9月に発生したコンピュータウィルス感染に伴うメール情報の流出をきっかけに、緊急対策本部を設置し、当社の情報システムのセキュリティレベルを向上させました。また、下期にISMS(Information Security Management System)の考え方に沿って個人情報保護の仕組みを充実させるため、活動を推進いたします。

 

5.労働時間の管理について

当社が属するレストラン事業、ホテル事業については、慢性的な長時間労働が課題となっており、当社においても例外ではありません。当社は人員の採用や間接業務の一元化、店舗休業日の設定等で長時間労働の課題を解消するよう活動を推進してまいりました。

今後も、働き方改革を実行することにより、長時間労働のリスクを低減するよう、引き続き活動を推進してまいります。

 

 

6.ハラスメントについて

当社が属するレストラン事業、ホテル事業については、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント等のハラスメントが課題となっており、当社においても例外ではありません。当社は2020年7月にハラスメント撲滅宣言を全社に向けて行い、内部通報窓口を充実させることによりハラスメント撲滅に努めてまいりました。今後もハラスメントのない会社にするよう、引き続き活動を推進してまいります。

 

7.ブランドの毀損リスクについて

海外シェフとの提携契約に基づき当社グループが展開するブランドにおいて、何らかの要因により契約の持続ができなくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

8.原材料価格の上昇リスクについて

天候不順や自然災害の発生、原油の高騰、為替の変動等による原材料価格の上昇は、当社グループにおける原価の上昇につながる可能性があります。一定の範囲においては、メニュー価格の改定等により対応可能でありますが、その影響が一定の範囲を超え、コストの上昇を十分に吸収できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

9.法的規制について

当社グループでは、食品衛生法、労働基準法、消防法等レストラン・ホテル営業に関わる各種法的規制を受けております。これらの法的規制に変更が生じた場合、それに対応するための新たな費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

10.固定資産の減損について

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しておりますが、消費動向や事業環境の変動等により収益性が著しく悪化した場合、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、日本政府による緊急事態宣言の発令や地方自治体からの飲食業・宿泊業への営業自粛の要請に従い、営業時間やアルコール提供時間の短縮等を実施しました。これに加えコロナ禍での会食やブライダルの自粛ムードによる消費の落ち込みやリモートワークの浸透などライフスタイルの大きな変化が、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼしており、営業債務の支払い及び借入金等の返済の資金繰りに懸念が生じ、金融機関に返済猶予を要請していることなどから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

さらに、2021年3月連結会計期間においては、過年度決算の修正、収益構造改革を実施する過程で発生した減損損失や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより特別損失が発生いたしました。

当社グループは当該状況を解消するため、衛生管理の強化・徹底と共に、コロナ禍及びアフターコロナでの消費動向を踏まえ、WEB販売やデリバリー販売の強化など売上の多角化を図っております。また、ビジネスリストラクチャリング(店舗の再配置、人件費や採用コストの削減・適正化、家賃や広告宣伝費を中心とした経費の見直し、遊休資産の売却等)を推進し、収益構造の改善を進めております。

また、取引金融機関とは、密接なコミュニケーションを取ることで追加融資や借入元本の返済の猶予等継続的な支援を頂くほか、財務基盤の安定化のために、新たな資金調達手段を検討しております。

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,005百万円減少し、19,377百万円となりました。これは主に、現金及び預金が3,991百万円減少した一方、有形固定資産が1,811百万円増加したことによるものであります。

負債合計は前連結会計年度末に比べ1,990百万円増加し、16,192百万円となりました。これは主に、有利子負債が1,579百万円増加したことによるものであります。

純資産は前連結会計年度末に比べ3,995百万円減少し、3,185百万円となりました。これは主に、利益剰余金が4,111百万円減少したことによるものであります。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大により、政府による緊急事態宣言が発出された2020年4月-6月期のGDP成長率が戦後最大のマイナス成長となるなど深刻な影響を被りました。個人消費につきましては、緊急事態宣言の解除以降段階的に社会経済活動レベルが引き上げられ、徐々に持ち直しの動きがみられていたものの、2021年1月には再度緊急事態宣言が発出されたこともあり、先行きは予断を許さない状況にあります。日本国内においてもワクチン接種は始まっておりますが、新型コロナウイルス感染症が完全に収束するまで一定の時間を要することが想定されるなど、先行きが不透明で極めて厳しい環境が継続しており、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高6,266百万円(前年同期比36.6%減)、営業損失2,458百万円(前年同期は営業損失49百万円)、経常損失2,440百万円(前年同期は経常損失70百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失4,111百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,097百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

 

(レストラン事業)

当連結会計年度におけるレストラン事業の売上高は3,939百万円(前年同期比51.2%減)、営業損失は935百万円(前年同期は営業利益934百万円)となりました。第1四半期連結会計期間に大きく毀損した売上高が、当社独自の安全基準となる「Hiramatsuスタンダード」を強化したことへの評価が下支えとなり、2020年夏以降回復基調に転じました。座席数や予約数を限定する中で、ブランド価値向上を目的としたプライシングの見直しにより単価が上昇したことや、フランスのワイナリーとオンラインで繋ぐイベントの開催など、新たな体験価値を創造する取り組みにより第3四半期には昨年比80%程度まで回復いたしました。その後、2021年1月には2回目の緊急事態宣言が発出された影響を受けたものの、3月には中期経営計画の重点項目のひとつとなる、マーケティング戦略に基づく全レストラン一気通貫での取り組みがスタートし、全社一丸となった連携施策の実行がレストラン・カフェの単価と集客アップにつながるなど、既存店の磨きこみによる顧客の体験価値向上の取り組みが着実な結果に結びついております。

レストランにおける婚礼につきましては、イベント、大人数での会食の自粛が続き、挙式の延期や一部キャンセルになるなど業界的にも苦戦を強いられ、11月には当期における単月最高売上を更新したものの、前年を大きく下回る結果となりました。婚礼に対する価値観が大きく変化する中、コロナ禍において1年かけて行ってきた新規獲得強化に向けた人財育成や、顧客お一人おひとりに提案ができるひらまつコンシェルジュの展開を開始するなどの各施策効果により、3月には成約率が当期最高の42%となるなど、来期にむけた新たな契約を獲得することができました。マーケットの縮小の続くブライダルは抜本的な事業構造改革が急務であり、新たな事業価値の創造に取り組んでおります。

店舗ポートフォリオ最適化による売上と収益最大化に取り組む中で、契約満了に伴い「ブラッスリー ポール・ボキューズ博多」(福岡)、「リストランテ オルケストラータ」(奈良)を閉店いたしました。従来の婚礼を前提とした出店戦略を見直すなど、事業モデルの再配置にも取り組んでまいります。
一方、2021年2月より当社による運営を開始することとなりました、「レストランひらまつ高台寺」、「高台寺十牛庵」は2020年3月に開業いたしましたホテル「THE HIRAMATSU 京都」との事業間連携により、高台寺での食事付き宿泊プランや宿泊付き婚礼プランなど、新たな提供価値の構築を進めております。
京都高台寺の2店舗を当社のフラッグシップ店として体験価値を引き上げる取り組みをスタートさせるとともに、春のキャンペーンでの「Hiramatsu POPスライダー」の展開やテイクアウト・デリバリーの強化を通じて、新たな顧客層の取り込みを促進してまいりました。
 

(ホテル事業)

当連結会計年度におけるホテル事業の売上高は2,190百万円(前年同期比27.7%増)、営業損失は415百万円(前年同期は営業損失282百万円)となりました。

ホテルの新規出店による成長からレストランの競争力をベースとした成長にシフトすべく、京都岡崎への新規出店を中止し、新規開業を目前に控えた軽井沢御代田と既存店の磨き込みに経営資源を集中投下しました。

緊急事態宣言発出の影響を大きく受けたものの、当社独自の安全基準の徹底と、高付加価値のコンセプトがコロナ禍における消費者ニーズにマッチしたことや、海外旅行から国内旅行への転換需要が増加したことなどにより前年を大きく上回る結果となりました。「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」(三重)、「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS宜野座」(沖縄)の需要が強く好調に推移し、「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」(静岡)、「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」(神奈川)、「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」(奈良)においても前年を上回る結果となりました。

「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 宜野座」(沖縄)においては、観光先進国の実現を目指して観光庁が進めている「上質なサービス提供に向けた宿泊施設」として選定されました(国内で選定されたのは当社を含めて全8施設)。また、フォーブズトラベルガイド派遣の専門家によるトレーニングを受け、訪日外国人旅行者への対応力を高めました。「THE HIRAMATSU 京都」では、京都における観光客回復の遅れの影響を受けたものの、ミシュランガイド京都2021版において当社初となる4レッドパビリオンの評価をいただきました。2021年3月16日には、ホテル事業におけるフラッグシップとなる「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」(長野)が開業いたしました。当初2020年11月に開業を予定しておりましたが、開業を4ヶ月間遅らせて、コンセプトの再設計とオペレーションの磨き込みを行いました。森の“グラン・オーベルジュ”“One Stay, One Full course”のコンセプトの下で、食と人と土地の持つ価値をマリアージュすることで生まれる御代田ならではの食をベースとした体験価値の提供を行うことで、お客様から非常に高い評価を得ることができ、順調なスタートとなりました。

 

ホテル事業においても「Hiramatsuスタンダード」の強化徹底を図り、お客様に「安心」「安全」とコロナ禍における新たな体験価値の提供により国内旅行需要の取込みを強化してまいります。

 

(その他)

当連結会計年度におけるその他の売上高は230百万円(前年同期比30.0%減)、営業損失は45百万円(前年同期は営業損失19百万円)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による生活方式の変化に対応するため、オンラインによるワイン販売の強化と、中期経営計画にて取り組みを本格化したテイクアウトやデリバリーをはじめとする「新規ビジネス・プラットフォーム開発」を前倒しして推進いたしました。レストランのブランド力をベースとした新たな成長戦略の柱として取り組んでいく外販事業において、一部の店舗で通信販売をスタートし、事業化に向けた手応えを掴むことができました。また、外販事業だけでなく、アフターコロナを見据えた新たな事業の開発を担う新規事業チームを発足させ、今後の収益多様化を加速してまいります。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 ①生産実績

  該当事項はありません。

 

 ②受注実績

 該当事項はありません。

 

 ③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

収入実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

レストラン

3,939,436

△51.2

ホテル

2,190,851

+27.7

その他

136,073

△30.0

合計

6,266,361

△36.6

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 上記の収入実績(合計)に対する婚礼営業の構成比は、20.2%であります。

 

(3)キャッシュ・フロー及び資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から3,991百万円減少し640百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動の結果、支出した資金は2,695百万円(前連結会計年度は555百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失を3,914百万円(同税金等調整前当期純損失2,072百万円)計上した一方、非資金費用項目である減価償却費が647百万円(同604百万円)あったことによるものであります。

 

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動の結果、支出した資金は2,874百万円(前連結会計年度は4,781百万円)となりました。これは主に、新規出店等のための有形及び無形固定資産の取得により2,977百万円(同4,916百万円)の支出となった一方、差入敷金・保証金の回収による収入により27百万円(同151百万円)獲得したことによるものであります。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動の結果、獲得した資金は1,577百万円(前連結会計年度は1,742百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が2,800百万円(同2,400百万円)、短期借入金の純増加額が1,100百万円(同実績無し)、となった一方、長期借入金の返済による支出が2,111百万円(同3,508百万円)となったことによるものであります。

 

<資本の財源及び資金の流動性についての分析>

当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」であります。一方、当社グループの主な資金需要は、主に店舗運営にかかる原材料費や人件費等の運転資金、並びに新規出店や既存店舗の改修にかかる設備投資資金であるため、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローで充当し、必要に応じて資金調達を実施しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症については、その収束時期を見通すことは困難であるものの、昨今の政府によるワクチン接種に関する報道等を考慮し、当該感染症の影響は2021年末頃まで残るものとみて会計上の見積りを行っております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(a)固定資産の減損損失

 当社グループは、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループについては、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額の算定にあたっては、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束に更に時間を要する場合など、消費動向や事業環境の変動等により、利益計画の見直しが必要となった場合、当社グループの翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。

 

(b)繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束に更に時間を要する場合など、消費動向や事業環境の変動等により、利益計画及び課税所得の見直しが必要となった場合、当社グループの翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産の金額に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)海外ブランドレストランの日本における展開契約

① 「プルセル」ブランド

フランス、モンペリエのレストラン「ル・ジャルダン・デ・サンス」のオーナーシェフであるローラン・プルセル氏が代表を務めるJDS HOLDING(現JLO HOLDINGS)と「プルセル」ブランドのレストランを展開する契約を締結しております。

なお、提携契約の要旨は、下記のとおりであります。

 

概要

ジャック・プルセル氏及びローラン・プルセル氏により、メニュー企画、店舗コンセプト企画、技術指導を行い、プルセル両氏と当社が日本の市場にあわせて料理、サービス、コンセプトについての協議を行ったうえで、当社が指名するシェフにより業務運営を行う。

契約日

2001年12月11日

契約期間

当該レストラン開店日(2002年9月6日)より5年とする。ただし、契約期間満了日より6ヶ月前までに契約解除通告がなされない限り5年ごとに自動更新される。

契約先

JLO HOLDINGS(フランス・カイヤール)

出店場所

東京都千代田区丸の内2丁目4―1  丸の内ビルディング35階「サンス・エ・サヴール」

排他条項

契約期間において、当社は独占的に日本で「プルセル」に係わるブランドが使用できる。一方、当社は、JLO HOLDINGSの了解なくして、別の場所における当該ブランドを用いた営業行為を行うことはできない。

 

 

② 「エーベルラン」ブランド

フランス、アルザスのレストラン「オーベルジュ・ド・リル」のオーナーシェフであるマルク・エーベルラン氏と「エーベルラン」ブランドのレストランを展開する契約を締結しております。

なお、提携契約の要旨は、下記のとおりであります。

 

概要

マルク・エーベルラン氏により、メニュー企画、店舗コンセプト企画、及び技術指導を行い、マルク・エーベルラン氏と当社が日本の市場にあわせて料理、サービス、コンセプトについての協議を行ったうえで、当社が指名するシェフにより業務運営を行う。

契約日

2005年12月4日

契約期間

2005年12月4日より3年とする。ただし、契約期間満了日より6ヶ月前までに契約解除通告がなされない限り3年ごとに自動更新される。

契約先

マルク・エーベルラン氏

出店場所

愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7―1  ミッドランド スクエア42階「オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ」

東京都港区西麻布1丁目―6―4「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」

北海道札幌市中央区南1条西28―3―1「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」

排他条項

契約期間において、当社は独占的に日本で「マルク・エーベルラン」に係わるブランドが使用できる。一方、当社は、マルク・エーベルラン氏の了解なくして、別の場所における当該ブランドを用いた営業行為を行うことはできない。

 

 

 

③ 「ボキューズ」ブランド

フランス、リヨンのレストラン「ポール・ボキューズ」を運営するProduits Paul BOCUSEと、日本国内において「ボキューズ」ブランドのレストランを展開する契約を締結しております。

なお、提携契約の要旨は、下記のとおりであります。

 

概要

Produits Paul BOCUSEのスタッフにより、メニュー企画、店舗コンセプト企画の提案、及び技術指導を行い、Produits Paul BOCUSEと当社が料理、サービス、コンセプトについての協議を行ったうえで、当社が指名するシェフにより業務運営を行う。

契約日

2005年12月1日

契約期間

2005年12月1日より5年とする。ただし、期間中の6ヶ月前までに契約解除通告がなされない限り5年ごとに自動更新される。

契約先

Produits Paul BOCUSE(フランス・リヨン)

出店場所

東京都港区六本木7丁目22―2  国立新美術館 3階「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」
東京都渋谷区猿楽町17―16  代官山フォーラム地下1階「メゾン ポール・ボキューズ」
東京都中央区銀座2丁目2―14  マロニエゲート10階「ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座」
東京都千代田区丸の内1丁目9―1  グラントウキョウノースタワー12階「ブラッスリー ポール・ボキューズ 大丸東京」

石川県金沢市広坂2丁目1―1  石川県政記念  しいのき迎賓館内「ジャルダン ポール・ボキューズ」「カフェ&ブラッスリー ポール・ボキューズ」

排他条項

契約期間において、当社は独占的に日本で「ポール・ボキューズ・ビストロ」及び「ブラッスリー  ポール・ボキューズ」に係わるブランドを使用できる。ただし、当社はProduits Paul BOCUSEの了解なくして、別の場所における当該ブランドを用いた営業行為を行うことはできない。

 

 

④ 「フィリップ・ミル」ブランド

シャンパーニュ地方・ランスのシャトー「レ・クレイエール」のレストラン「ル・パルク」とブラッスリー「ル・ジャルダン」のシェフ、フィリップ・ミル氏との業務提携契約を締結しております。

なお、提携契約の要旨は、下記のとおりであります。

概要

フィリップ・ミル氏及びフィリップ・ミル氏のスタッフによりメニュー企画、店舗コンセプト企画の提案、及び技術指導を行い、フィリップ・ミル氏及びフィリップ・ミル氏のスタッフと当社が料理、サービス、コンセプトについての協議を行ったうえで、当社が指名するシェフにより業務運営を行う。

契約日

2016年12月20日

契約期間

2016年12月20日より6年とする。ただし、契約期間満了日より6ヶ月前までに契約解除通告がなされない限り6年ごとに自動更新される。

契約先

PM CONSULTING(フランス・ランス)

出店場所

東京都港区赤坂9丁目7―4  東京ミッドタウン  ガーデンテラス4階「フィリップ・ミル東京」

排他条項

契約期間において、当社は独占的に日本で「フィリップ・ミル」に係わるブランドが使用できる。一方、当社は、フィリップ・ミル氏の了解なくして、別の場所における当該ブランドを用いた営業行為を行うことはできない。

 

 

 

(2)マルハン太平洋クラブインベストメント及び太平洋クラブとの業務提携契約

当社は、本割当予定先との間で、主として、当社のレストラン事業等において、当社と本割当予定先及びそのグループ会社との間で相互に協力し共同することを目指した業務提携の実現を目指し、本日付で業務提携契約を締結する予定です。なお、業務提携契約の要旨は、下記のとおりであります。

概要

当社及び本割当予定先は、本資本業務提携を達成するため、本業務提携の一環として、①顧客基盤の拡大と新規顧客獲得、②マーケティング戦略の実現によるブランド価値の向上、③人材の相互活用による接客サービス、店舗運営をはじめとする経営ノウハウの共有、顧客満足度の向上、④原材料の共通仕入による仕入コストの削減、⑤商品の共同開発、PBの立上げなど新規事業の開発、⑥デジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用した顧客管理等システムの開発、業務効率の向上、⑦戦略的PR強化による集客力の向上、⑧当社の人員強化を目的とした本割当予定先から当社に対する人員派遣、⑨本割当予定先から当社に対する経営管理全般についての指導、サポート等を通じた業務提起を行う。

契約日

2021年7月16日(予定)

契約期間

本株式引受契約及び本新株予約権引受契約に従って、本割当予定先が引き受ける本普通株式及びマルハン太平洋クラブインベストメントが引き受ける本新株予約権に係る払込金額の全額が、当社に対して支払われたことを条件に、当該各支払が全て行われた日に効力を生じる。
契約年数の定めはなし。なお、本割当予定先が当社の株式を一切保有しなくなり、且つ、マルハン太平洋クラブインベストメントが当社の新株予約権を一切保有しなくなった場合等により終了する。

契約先

マルハン太平洋クラブインベストメント
太平洋クラブ

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。