第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度における国内の経済状況は、政府による経済政策や日銀による金融緩和を背景に、企業収益や雇用環境の改善、インバウンド(訪日外国人)による消費拡大により緩やかな回復基調で推移しました。

 

外食産業におきましては、円安による原材料価格の高騰や、中国をはじめとする新興国経済の下振れが国内景気を下押しする可能性、加えて消費税増税に対する不安感も含んでおり、依然として不透明な状態が続いております。また食の安全・安心に対する社会的関心の高まりに伴って、高付加価値を求めるお客様層の獲得激化など、一層厳しさを増しております。

 

このような中、当社におきましては「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、コンセプトである「あったら楽しい」「手の届く贅沢」の提供を具現化しながら、常に「内装・雰囲気にあわせた心地よい接客」と「美味しいお食事と珈琲(ドリンク)の2つを訴求する「W訴求」を推進、中でも「笑顔トレーニング」を出勤する全従業員が毎日実施し、常に明るくホスピタリティ溢れる接客が出来るよう全従業員が積極的に取り組んでまいりました。目立つ黄色いベンチコートでの店顔でのお声掛けやお会計時に綺麗な10円玉をお渡しする等の取り組みも成果を上げております。

 

メニュー政策におきましては、メニューによってお客様の使われ方が広がる事に着目し、メニュー開発室からメニュー・業態開発室へと組織を改定。味・見た目の美味しさはもちろん、自家製の食パンに湘南鎌倉野菜をふんだんに使用したミックスサンドを筆頭に、食感でも楽しめるメニュー開発にも注力し、ご好評を得ております。

 

2015年7月に認証取得したISO22000(食品安全マネジメントシステム)の合理的な考え方を取り入れ、ワンフロア化したコンフェクショナリー(ケーキ工房)と椿屋ロースターが深川事業所内での運用となり、食品安全を前提とした生産部門の競争力向上と経費面では配送費削減に繋がっております。

 

2015年7月に認証取得したISO22000(食品安全マネジメントシステム)の合理的な考え方を取り入れ、ワンフロア化したコンフェクショナリー(ケーキ工房)と椿屋ロースターが深川事業所内での運用となり、食品安全を前提とした生産部門の競争力向上と経費面では配送費削減に繋がっております。

 

新規出店及びリニューアルでは、当事業年度も椿屋ブランディングを推進し、椿屋珈琲グループで5店舗の新規出店を行いました。特に路面店の出店に力を入れ、平成27年12月東京の玄関口にオープンした椿屋珈琲店八重洲茶寮は3フロアの大型店ながらも特に順調なスタートを切っております。合計で8店舗の新規創店、1店舗のリニューアルを行いましたが、入口の増設により回遊性を高め入店客数を上げる施策等も行ってまいりました。

 

以上の結果、売上高は105億97百万円(前期比2.3%増)、営業利益は5億82百万円(同6.6%増)、経常利益は6億28百万円(同12.2%増)、当期純利益が3億27百万円(同20.8%増)となりました。

 

部門別の概況につきましては、以下のとおりです。

 

<カフェカンパニー>
『椿屋珈琲グループ』(期末店舗数39店舗、増減なし)

椿屋珈琲店 最高立地、最高級家具、食器を取り揃え「古き良き時代、大正ロマン」を感じさせる内装・雰囲気の中で、その時代にマッチしたユニフォーム、ブラウス、サロン、カチューシャを身につけ、ホスピタリティに溢れ落ち着きのある上品な接客のもと、自社焙煎のスペシャリティ珈琲、自社製ケーキ、特製カレーをゆっくりと嗜んで頂く、脱日常・時空間を提供しております。

椿屋カフェ・椿屋茶房 ターミナルショッピングセンターのファッションフロア等、幅広い客層(ファミリー等)に対応する良質のフードメニュー(ソース・生麺 全て自社生産で無添加)で親切な接客でおもてなししております。当事業年度は「椿屋珈琲店八重洲茶寮」、「椿屋珈琲店神楽坂茶房」、「椿屋カフェ新宿東口店」、「椿屋カフェ横浜店」、「椿屋茶房千葉そごう店」を創店オープンし、売上高は、36億41百万円(前期比9.8%増)となりました。  

 

『ダッキーダックグループ』(期末店舗数28店舗、2店舗減少)

幅広い年代の女性をターゲットとし、自社ケーキ工房や店内ケーキスタジオで作られるフレッシュなケーキ、トレンドを押さえた野菜豊富なフードメニューを提供しております。当事業年度は、「EggEggキッチンイオンレイクタウン店」を創店オープンし、売上高は、28億12百万円(前期比0.0%減)となりました。

 

<ダイニングカンパニー>

『ドナグループ』(期末店舗数28店舗、1店舗減少)

1人でも、カップル・グループでも楽しんで頂ける「スパゲッティ食堂」をコンセプトに、健康にも気を配り、新鮮な湘南鎌倉野菜をふんだんに使用した自社製生パスタのメニューから、お洒落なピッツァと一品料理、良質なワインをリーズナブルな価格でご利用いただいております。売上高は、19億82百万円(前期比4.1%減)となりました。

 

『ぱすたかん・こてがえしグループ』(期末店舗数18店舗、増減なし)

創作お好み焼き・もんじゃ焼きを中心に、時には手品等のエンターテイメントのある元気な接客でおもてなししております。ハレの日にファミリーの方々を中心にセルフクッキングでの共食、もんじゃバーなどの新しい取り組みを通じて、お酒やソフトドリンクで心ゆくまで楽しんでいただける店舗として、お客様にご利用いただいております。当事業年度は、「仙川ぱすたかん」を創店オープンし、売上高は、12億1百万円(前期比6.0%減)となりました。

 

<その他>

外食事業としてのソース・焙煎珈琲豆・焼き菓子・ケーキ・ドレッシング等の販売に加え、平成28年3月に出店した「プロント武蔵浦和マーレ」を含む「プロント」7店舗の運営を行っており、売上高は、9億59百万円(前期比18.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、13億37百万円で前事業年度末に比較して、2億47百万円減少しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、8億74百万円で前事業年度と比較して12百万円減少しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、6億65百万円で前事業年度と比較して2億37百万円増加しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1億84百万円増加したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュフロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、4億55百万円で前事業年度と比較して2億7百万円減少しました。これは主に長期借入金の返済による支出が3億78百万円減少したこと等によるものです。

 

2 【店舗数・生産・仕入・販売等の状況】

当社は、フードサービス事業の単一セグメントであるため、生産実績は製品別、仕入実績は品目別、販売実績は部門別に記載しております。

 

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

 

製品名

当事業年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

生産金額
(千円)

前年同期比
(%)

自社製フレッシュケーキ

488,030

105.6

スパゲッティ生麺、ソース、ドレッシング

541,396

102.4

コーヒー豆

77,406

117.3

合計

1,106,832

104.7

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

仕入金額
(千円)

前年同期比
(%)

飲料・食材類

2,186,886

98.1

その他

145,197

127.8

合計

2,332,084

99.5

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

売上金額
(千円)

前年同期比
(%)

椿屋珈琲グループ

東京都

2,839,906

112.0

 

神奈川県

460,065

103.0

 

埼玉県

62,980

110.8

 

千葉県

278,835

100.7

小計

 

3,641,788

109.8

ダッキーダック

東京都

1,475,477

99.8

 

神奈川県

413,632

102.5

 

埼玉県

385,830

97.1

 

千葉県

537,796

100.6

小計

 

2,812,736

100.0

ドナ

東京都

1,257,129

94.2

 

神奈川県

267,942

102.5

 

埼玉県

390,936

96.5

 

千葉県

66,720

100.4

小計

 

1,982,728

95.9

ぱすたかん・こてがえし

東京都

535,826

93.2

 

神奈川県

432,504

96.6

 

埼玉県

120,943

89.8

 

千葉県

111,743

92.9

小計

 

1,201,017

94.0

その他

東京都

650,285

107.6

 

神奈川県

241,694

109.3

 

埼玉県

10,074

 

千葉県

57,259

101.9

小計

 

959,313

108.8

合計

東京都

6,758,625

103.5

 

神奈川県

1,815,838

102.0

 

埼玉県

970,764

97.7

 

千葉県

1,052,355

99.8

総合計

 

10,597,584

102.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 ダッキーダックには、アリスカフェ・ダッキーダックカフェ・ダッキーダックキッチン・カフェダッキーダックおよびケーキショップを含んでおります。

 

 

(4) 地域別店舗数及び客席数の状況

 

 

当事業年度
(平成28年4月30日現在)

期末店舗数(店)

前期末比増減

客席数(席)

椿屋珈琲グループ

東京都

27

2,241

 

神奈川県

6

446

 

埼玉県

1

42

 

千葉県

5

230

小計

 

39

2,959

ダッキーダック

東京都

14

△1

1,042

 

神奈川県

5

398

 

埼玉県

4

△1

337

 

千葉県

5

422

小計

 

28

△2

2,199

ドナ

東京都

16

△1

829

 

神奈川県

5

257

 

埼玉県

6

322

 

千葉県

1

73

小計

 

28

△1

1,481

ぱすたかん・こてがえし

東京都

7

439

 

神奈川県

7

425

 

埼玉県

2

118

 

千葉県

2

132

小計

 

18

1,114

その他

東京都

3

248

 

神奈川県

2

172

 

埼玉県

1

1

49

 

千葉県

1

54

小計

 

7

1

523

合計

東京都

67

△2

4,799

 

神奈川県

25

1,698

 

埼玉県

14

868

 

千葉県

14

911

総合計

 

120

△2

8,276

 

(注) ダッキーダックには、アリスカフェ・ダッキーダックキッチン・ダッキーダックカフェ・カフェダッキーダックおよびダッキーダックケーキショップを含んでおります。

 

 

3 【対処すべき課題】

①メニュー・接客サービスの向上

味わう美味しさの前に、目で見る楽しさ・美しさ、さらに食するイメージを求めたメニュー開発(価格・サイズ・見た目等)と、社内調理士制度の活用により調理技術の向上に努めてまいります。また、競合他社との差異化を図り、現在取り組み中である、お客様から「ありがとう」をいただける接客サービスを進化させ、さらにリピーターが広まる店づくりを目指してまいります。

②ローコストオペレーション

自社生産拠点である、カミサリー(生麺・ソース・ドレッシング製造)、コンフェクショナリー(ケーキ、焼き菓子製造)、椿屋ロースター(コーヒー豆焙煎)での内製化率を高め、FLコスト(売上原価と人件費の合計、FOODとLABORに係るコスト)の売上高比率低減を目指してまいります。またフレックス社員、キャスト(アルバイト)の採用、教育、訓練を強化し、接客・調理のクオリティーを高めるとともに、ワンマネージャー制や地区ごとの一体運営をさらに進めてまいります。

③衛生管理・食品安全の向上

平成27年7月に取得したISO22000(食品安全マネジメントシステム)の合理的な考えを取り入れ、店舗と店舗への製品供給拠点であるカミサリー、コンフェクショナリー、椿屋ロースターの合理的業務推進と食品安全の徹底に努めてまいります。

④路面店・ビルインへの出店

大型商業施設は、定期賃貸借契約が増えたことにより、退店のリスクが高まる傾向にあり、また、営業時間も制約を受けることから、引き続き路面店やビルインタイプの店舗の開発を強化してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年4月30日)現在において当社が判断したものです。
 
①食材の調達と安全性に係るリスク
  当社は、安全で安心な食材を提供するため、信頼性の高い仕入先から継続して食材を調達し、また通関時の検査結果の確認に加え、定期的に自主検査も実施して安全性を確認しております。
 しかし、鳥インフルエンザ問題に代表されるような疫病の発生、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達不安や食材価格の高騰などが起こり、一部のメニューの変更を余儀なくされるケースも想定され、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
②セントラルキッチンおよび店舗での衛生管理に係るリスク
  当社は、セントラルキッチンを所有し、スパゲッティの生麺とソース、ドレッシングおよびフレッシュケーキ・焼き菓子を製造し、店舗へチルド配送しております。
 セントラルキッチンおよび店舗においては、厳しい品質管理と衛生検査を実施しておりますが、万一当社店舗において食中毒が発生した場合には、営業停止処分などにより当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
③自然災害のリスク
  当社の営業活動や工場所在地を含む地域で大規模な地震や洪水等の災害が発生した場合、被災状況によっては、正常な事業活動ができなくなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
④店舗の賃借物件への依存に係るリスク
  当社の大部分の店舗は、賃借しております。賃貸借契約のうち、特に、定期賃貸借契約は、契約終了後再契約されない可能性があります。このような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
⑤財政状態に係るリスク
  当社は賃借による出店を基本としているため、家主に対する差入保証金・敷金残高が当事業年度末で、それぞれ、4億67百万円、14億64百万円あります。
 差入保証金・敷金が家主の財政状態の変化によって返還されない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
⑥減損会計に係るリスク
  当社において、今後経営環境の変化により、店舗の収益性が悪化し、固定資産の減損会計に基づき減損損失を計上することになった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成28年4月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、第5経理の状況 1財務諸表等の「重要な会計方針」に記載のとおりであります。

当社の財務諸表作成において、損益または資産の評価等に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行なっておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(単位:千円)

勘定科目

前事業年度
平成27年4月期

構成比

当事業年度
平成28年4月期

構成比

増減額

現金及び預金

1,584,938

22.4%

1,337,906

18.8%

△247,032

有形固定資産

2,783,772

39.3%

2,923,765

41.0%

139,992

土地

1,118,599

 

1,118,599

 

投資その他の資産

2,140,109

30.2%

2,182,925

30.6%

42,815

差入保証金

477,521

 

467,623

 

 

敷金

1,454,196

 

1,464,704

 

 

長期借入金

381,742

5.4%

257,130

3.6%

△124,612

1年内

124,612

 

42,860

 

 

1年超

257,130

 

214,270

 

 

資本金

673,341

9.5%

673,341

9.4%

資本準備金

683,009

9.6%

683,009

9.6%

利益剰余金

3,091,331

43.7%

3,347,050

46.9%

255,719

 

 

 

(3) 経営成績の分析

当事業年度の経営成績は、第2事業の状況 1業績等の概要(1)業績に記載のとおりであります。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

(5) 投資資金の確保と財政状態の改善に向けた取り組みについて

当社の資金需要はそのほとんどが新規出店と既存店改装のための設備投資資金であり、営業開始より当事業年度までは、これを主に、営業活動の結果得られた資金、金融機関からの借入金及び公募増資によって調達した資金によって賄いました。

今後についても、通常ベースの新規出店と既存店改装は、営業活動によって得られる資金によって賄う方針でありますが、製造設備の拡充や、計画外で大型出店を実施するとの判断に至った場合には、金融機関からの借入または資本市場からの直接資金の調達によって、必要資金の確保を進めていきたいと考えております。