第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度における国内の経済状況は、政府・日銀による景気対策の実施を背景に、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国の景気下振れや、本年1月に発足した米国新政権の政策の不確実性等による影響が懸念されるなど、先行きについては不透明な状況が続いております。 

外食産業におきましては、食の安全・安心に対する社会的関心の高まりに伴って、高付加価値を求めるお客様層の獲得激化など、一層厳しさを増しております。さらにはメディア等での報道である通り、人口構造の変化から若年労働力の確保が厳しくなっており、採用難は深刻な問題となっております。

このような状況のもとで、当社は「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、コンセプトである「あったら楽しい」「手の届く贅沢」の提供に注力いたしました。

モノ消費からコト消費へとうつり、お客様がより付加価値を求める現在、椿屋珈琲店を中心に駅前ベストロケーション、ライトフード、女性ターゲットという独自の戦略に沿って既存店のブラッシュアップを中心に営業してまいりました。

メニュー政策におきましては、お客様からの使われ方の広がりに対応すべく、四季を八季に分けた季節感あふれるメニューに加え、「美と健康」「イベント性」をテーマに新メニューを続々と開発。また生産カンパニーが中心となり、椿屋ボトル缶珈琲、自家製パン等、店舗外販売においても多くの新商品開発を進めてまいりました。 

新規出店及びリニューアルにつきましては、路面店、ビルインの開発を中心に、3店舗の新規創店、4店舗のリニューアルを行った他、店顔(店頭)及び看板ロゴの変更により、より業態を際立たせる取り組みも行っております。

 

以上の結果、売上高は107億87百万円(前期比1.8%増)、営業利益は5億33百万円(同8.5%減)、経常利益は5億53百万円(同12.0%減)、当期純利益が1億87百万円(同42.7%減)となりました。

 

部門別の概況につきましては、以下のとおりです。

 

<カフェカンパニー>
『椿屋珈琲グループ』(期末店舗数41店舗、2店舗増加)

椿屋珈琲店 最高立地、最高級家具、食器を取り揃え「古き良き時代、大正ロマン」を感じさせる内装・雰囲気の中で、その時代にマッチしたユニフォーム、ブラウス、サロン、カチューシャを身につけ、ホスピタリティに溢れ落ち着きのある上品な接客のもと、自社焙煎のスペシャルティ珈琲、自社製ケーキ、特製カレーをゆっくりと嗜んで頂く、脱日常・時空間を提供しております。

椿屋カフェ・椿屋茶房 ターミナルショッピングセンターのファッションフロア等、幅広い客層(ファミリー等)に対応する良質のフードメニュー(ソース・生麺 全て自社生産で無添加)で親切な接客でおもてなししております。当事業年度は「椿屋カフェ北千住マルイ店」、「椿屋カフェ所沢駅前店」を創店オープンし、「自家焙煎 椿屋珈琲池上店」を「焼き立てパン・自家焙煎椿屋珈琲店」へと大規模リニューアルを行い、売上高は、38億49百万円(前期比5.7%増)となりました。  

 

『ダッキーダックグループ』(期末店舗数27店舗、1店舗減少)

幅広い年代の女性をメインターゲットとし、自社ケーキ工房や店内ケーキスタジオで作られるフレッシュなケーキ、トレンドを押さえた野菜豊富なフードメニューに加え、オムライス・ケーキを中心としたメニューや話題沸騰となったチョコミントを使用したケーキ・スイーツを提供しております。当事業年度は、「ダッキーダック新宿店」「ダッキーダック有楽町店」をリニューアルオープンし、売上高は、27億69百万円(前期比1.5%減)となりました。

 

<ダイニングカンパニー>

『イタリアンダイニング ドナグループ』(期末店舗数26店舗、2店舗減少)

前期より継続しているお得な6日間に加え、全店舗の看板ロゴ変更に伴い、お酒を楽しめる「イタリアンダイニング」として開放感あふれる外装にリニューアルいたしました。カップル・グループの増加により、良質なワインと一品料理に加え、自社製生パスタ、内製化に切り替えたピッツァ等、リーズナブルな価格でご利用いただいております。売上高は、19億18百万円(前期比3.2%減)となりました。

 

『ぱすたかん・こてがえしグループ』(期末店舗数16店舗、2店舗減少)

創作お好み焼き・鉄板焼きを中心に、厳選された素材、アンガス牛を使用した流行の肉料理など新メニューも豊富に、時には手品等のエンターテイメントのある元気な接客でおもてなししております。ハレの日にファミリーの方々を中心に、お酒やソフトドリンクで心ゆくまで楽しんでいただける店舗として、お客様にご利用いただいております。売上高は、12億1百万円(前期比0.1%増)となりました。

 

<その他>

外食事業としてのソース・焙煎珈琲豆・焼き菓子・ケーキ・ドレッシング等の販売に加え、椿屋ボトル缶珈琲、自家製食パン等でさらに販路を拡大いたしました。平成28年10月に出店した「プロントイルバール横浜ジョイナス店」を含む「プロント」8店舗の運営を行っており、売上高は、10億47百万円(前期比9.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、14億92百万円で前事業年度末に比較して、1億54百万円増加しました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、9億74百万円で前事業年度と比較して1億円増加しました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、3億87百万円で前事業年度と比較して2億77百万円減少しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が2億83百万円減少したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュフロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、4億32百万円で前事業年度と比較して23百万円減少しました。これは主に社債の償還による支出が20百万円減少したことによるものです。

 

2 【店舗数・生産・仕入・販売等の状況】

当社は、フードサービス事業の単一セグメントであるため、生産実績は製品別、仕入実績は品目別、販売実績は部門別に記載しております。

 

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

 

製品名

当事業年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

生産金額
(千円)

前年同期比
(%)

自社製フレッシュケーキ

472,365

96.8

スパゲッティ生麺、ソース、ドレッシング

582,318

107.6

コーヒー豆

73,838

95.4

合計

1,128,521

102.0

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目

当事業年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

仕入金額
(千円)

前年同期比
(%)

飲料・食材類

2,247,628

102.8

その他

152,149

104.8

合計

2,399,777

102.9

 

(注) 1 金額は、仕入価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

売上金額
(千円)

前年同期比
(%)

椿屋珈琲グループ

東京都

3,000,129

105.7

 

神奈川県

493,348

107.2

 

埼玉県

59,474

94.4

 

千葉県

296,270

106.3

小計

 

3,849,223

105.7

ダッキーダック

東京都

1,452,737

98.5

 

神奈川県

407,715

98.6

 

埼玉県

381,454

98.9

 

千葉県

527,695

98.1

小計

 

2,769,602

98.5

ドナ

東京都

1,233,991

98.2

 

神奈川県

264,104

98.6

 

埼玉県

355,796

91.0

 

千葉県

64,968

97.4

小計

 

1,918,862

96.8

ぱすたかん・こてがえし

東京都

600,792

112.1

 

神奈川県

369,351

85.4

 

埼玉県

127,842

105.7

 

千葉県

103,970

93.0

小計

 

1,201,957

100.1

その他

東京都

665,226

102.3

 

神奈川県

267,474

110.7

 

埼玉県

58,319

578.9

 

千葉県

56,341

98.4

小計

 

1,047,362

109.2

合計

東京都

6,952,878

102.9

 

神奈川県

1,801,994

99.2

 

埼玉県

982,888

101.2

 

千葉県

1,049,247

99.7

総合計

 

10,787,009

101.8

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 ダッキーダックには、アリスカフェ・ダッキーダックカフェ・ダッキーダックキッチン・カフェダッキーダックおよびケーキショップを含んでおります。

 

 

(4) 地域別店舗数及び客席数の状況

 

 

当事業年度
(平成29年4月30日現在)

期末店舗数(店)

前期末比増減

客席数(席)

椿屋珈琲グループ

東京都

28

1

2,368

 

神奈川県

6

446

 

埼玉県

2

1

96

 

千葉県

5

230

小計

 

41

2

3,140

ダッキーダック

東京都

14

1,042

 

神奈川県

4

△1

398

 

埼玉県

4

337

 

千葉県

5

422

小計

 

27

△1

2,199

ドナ

東京都

16

829

 

神奈川県

5

257

 

埼玉県

4

△2

209

 

千葉県

1

73

小計

 

26

△2

1,368

ぱすたかん・こてがえし

東京都

7

439

 

神奈川県

5

△2

293

 

埼玉県

2

118

 

千葉県

2

132

小計

 

16

△2

982

その他

東京都

3

248

 

神奈川県

3

1

199

 

埼玉県

1

49

 

千葉県

1

54

小計

 

8

1

550

合計

東京都

68

1

4,926

 

神奈川県

23

△2

1,593

 

埼玉県

13

△1

809

 

千葉県

14

911

総合計

 

118

△2

8,239

 

(注) ダッキーダックには、アリスカフェ・ダッキーダックキッチン・ダッキーダックカフェ・カフェダッキーダックおよびダッキーダックケーキショップを含んでおります。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

①メニュー・接客サービスの向上

味わう美味しさの前に、目で見る楽しさ・美しさ、さらに食するイメージを求めたメニュー開発(価格・サイズ・見た目等)、開発されたメニューを店舗で忠実に再現するために、社内調理士制の活用により、日々のトレーニングを欠かすことなく、精度向上に努めてまいります。また、接客も商品であるという考えのもと、お客様から「ありがとう」をいただける接客サービスを進化させ、競合他社との差異化を図り、さらにリピーターを広げられる店づくりを目指してまいります。

 

②自社生産・店舗外販売の推進

自社生産拠点である、コンフェクショナリー(ケーキ、焼き菓子、パン製造)、カミサリー(生麺・ソース・ドレッシング製造)、椿屋ロースター(コーヒー豆焙煎)での内製化率及び店舗外販売比率を高め、FLコスト(売上原価と人件費の合計、FOODとLABORに係るコスト)の売上高比率低減を目指してまいります。

 

③路面店・ビルインへの出店

大型商業施設は、定期賃貸借契約が増えたことにより、退店のリスクが高まる傾向にあり、営業時間も制約を受けることから、路面店やビルインタイプの店舗開発を強化してまいります。

 

④業務効率化にむけたシステム構築

人口構造の変化から若年労働力不足という課題に対し、本部・本社のシステムの合理化による、業務効率向上を図ってまいります。店舗におきましては、地区ごとの一体管理をさらに推進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は、当事業年度末(平成29年4月30日)現在において当社が判断したものです。
 
①食材の調達と安全性に係るリスク
  当社は、安全で安心な食材を提供するため、信頼性の高い仕入先から継続して食材を調達し、また通関時の検査結果の確認に加え、定期的に自主検査も実施して安全性を確認しております。
 しかし、鳥インフルエンザ問題に代表されるような疫病の発生、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達不安や食材価格の高騰などが起こり、一部のメニューの変更を余儀なくされるケースも想定され、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
②セントラルキッチンおよび店舗での衛生管理に係るリスク
  当社は、セントラルキッチンを所有し、スパゲッティの生麺とソース、ドレッシングおよびフレッシュケーキ・焼き菓子を製造し、店舗へチルド配送しております。
 セントラルキッチンおよび店舗においては、厳しい品質管理と衛生検査を実施しておりますが、万一当社店舗において食中毒が発生した場合には、営業停止処分などにより当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
③自然災害のリスク
  当社の営業活動や工場所在地を含む地域で大規模な地震や洪水等の災害が発生した場合、被災状況によっては、正常な事業活動ができなくなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
④店舗の賃借物件への依存に係るリスク
  当社の大部分の店舗は、賃借しております。賃貸借契約のうち、特に、定期賃貸借契約は、契約終了後再契約されない可能性があります。このような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
⑤財政状態に係るリスク
  当社は賃借による出店を基本としているため、家主に対する差入保証金・敷金残高が当事業年度末で、それぞれ、4億60百万円、15億8百万円あります。
 差入保証金・敷金が家主の財政状態の変化によって返還されない場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 
⑥減損会計に係るリスク
  当社において、今後経営環境の変化により、店舗の収益性が悪化し、固定資産の減損会計に基づき減損損失を計上することになった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成29年4月30日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、第5経理の状況 1財務諸表等の「重要な会計方針」に記載のとおりであります。

当社の財務諸表作成において、損益または資産の評価等に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行なっておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(単位:千円)

勘定科目

前事業年度
平成28年4月期

構成比

当事業年度
平成29年4月期

構成比

増減額

現金及び預金

1,337,906

18.8%

1,492,744

21.1%

154,838

有形固定資産

2,923,765

41.0%

2,617,608

37.1%

△306,157

土地

1,118,599

 

1,118,599

 

投資その他の資産

2,182,925

30.6%

2,271,951

32.2%

89,026

差入保証金

467,623

 

460,909

 

△6,714

敷金

1,464,704

 

1,508,872

 

44,168

長期借入金

257,130

3.6%

214,270

3.0%

△42,860

1年内

42,860

 

42,860

 

1年超

214,270

 

171,410

 

△42,860

資本金

673,341

9.4%

673,341

9.5%

資本準備金

683,009

9.6%

683,009

9.7%

利益剰余金

3,347,050

46.9%

3,469,074

49.1%

122,023

 

 

 

(3) 経営成績の分析

当事業年度の経営成績は、第2事業の状況 1業績等の概要(1)業績に記載のとおりであります。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

(5) 投資資金の確保と財政状態の改善に向けた取り組みについて

当社の資金需要はそのほとんどが新規出店と既存店改装のための設備投資資金であり、営業開始より当事業年度までは、これを主に、営業活動の結果得られた資金、金融機関からの借入金及び公募増資によって調達した資金によって賄いました。

今後についても、通常ベースの新規出店と既存店改装は、営業活動によって得られる資金によって賄う方針でありますが、製造設備の拡充や、計画外で大型出店を実施するとの判断に至った場合には、金融機関からの借入または資本市場からの直接資金の調達によって、必要資金の確保を進めていきたいと考えております。