当連結会計年度におけるわが国の経済は、「異次元の金融緩和」などの景気浮揚策が実施されましたが、あまり景況感の回復を実感することができませんでした。むしろ、先行きの不透明感が増しており、消費者の節約志向や低価格志向はますます強くなっております。このような状況の中、当社グループは消費者にとって「安くて、近くて、便利なドラッグストア」を目指して力を注いでまいりました。
当社グループ以外の日本の小売業では、「数品目だけを異常に安く売る日替わり特売」や「今日だけポイント5倍」といった“あの手この手の販売促進策”で集客を図る店舗が数多くあります。しかし、当社グループはそのような販売促進策を行わず、「毎日安い(エブリデイ・ロー・プライス)」政策に磨きをかけております。つまり、ごく限られた期間の「派手な安さ」ではなく、ご来店いただく全てのお客様が「安心の低価格」をいつも実感できるような店舗運営を目指しております。これにより、店舗運営コストを抑制し、さらなる低価格販売が可能となるよう努力を続けております。
また、自社競合による一時的な収益性の低下も厭わず、次々と新規出店を行いました。同時に、新商勢圏への店舗網拡大も図ってまいりました。これにより、新規出店につきましては、中部地区に4店舗、関西地区に16店舗、中国地区に20店舗、四国地区に9店舗、九州地区に40店舗、合計89店舗となりました。また、スクラップ&ビルドにより7店舗を閉鎖し、当連結会計年度末の店舗数は738店舗となりました。
なお、当社グループは事業区分が単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
以上の結果、当連結会計年度業績は、連結売上高447,273百万円(前年同期比9.5%増)、連結営業利益18,648百万円(前年同期比9.2%増)、連結経常利益20,691百万円(前年同期比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,435百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて8,647百万円増加し、当連結会計年度末には27,282百万円(前年同期比46.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、得られた資金は30,986百万円(前年同期比59.3%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益20,496百万円、仕入債務の増加11,699百万円、減価償却費9,588百万円等の増加要因、たな卸資産の増加3,604百万円、法人税等の支払額7,427百万円等の減少要因によるものであります。
投資活動の結果、使用した資金は28,550百万円(前年同期比2.5%減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出31,092百万円、敷金及び保証金の差入による支出760百万円、建設協力金の支払による支出438百万円、有形固定資産の売却による収入2,816百万円、補助金の受取額514百万円等によるものであります。
財務活動の結果、得られた資金は6,211百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入14,000百万円、長期借入金の返済による支出5,006百万円、配当金の支払額1,237百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,542百万円等によるものであります。
当社グループは単一セグメントであるため、仕入及び販売の実績は商品区分別により記載しております。
当連結会計年度における商品区分別仕入実績の状況は、次のとおりであります。
区 分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医 薬 品 | 44,414 | 104.9 |
化 粧 品 | 34,875 | 104.3 |
雑 貨 | 61,402 | 109.3 |
一 般 食 品 | 216,835 | 110.7 |
そ の 他 | 6,226 | 107.5 |
合 計 | 363,754 | 109.0 |
(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
① 商品区分別販売実績
当連結会計年度における商品区分別販売実績の状況は、次のとおりであります。
区 分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
医 薬 品 | 69,609 | 108.5 |
化 粧 品 | 47,593 | 106.7 |
雑 貨 | 75,889 | 109.4 |
一 般 食 品 | 247,126 | 110.4 |
そ の 他 | 7,054 | 108.4 |
合 計 | 447,273 | 109.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 地域別販売実績
当連結会計年度における地域別販売実績の状況は、次のとおりであります。
地 域 | 期末店舗数(店) | 売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
中 部 地 区 | 4 | (4) | 718 | - |
関 西 地 区 | 64 | (16) | 35,092 | 122.0 |
中 国 地 区 | 109 | (20) | 62,003 | 114.6 |
四 国 地 区 | 85 | (9) | 54,813 | 107.8 |
九 州 地 区 | 476 | (33) | 294,644 | 107.2 |
合 計 | 738 | (82) | 447,273 | 109.5 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.期末店舗数欄の( )内の数値は、前連結会計年度末に対する増減数であります。
当社グループは、積極的な店舗展開による更なる飛躍を目指しております。しかし、これを可能とするには、店舗運営のマネジメントレベルの向上が不可欠と考えます。これを実現するために、①人材教育、②マニュアルの整備、③コンピュータシステムの充実、この3つを重要課題と認識し組織改革に取り組んでまいります。
チェーンストアは、規模の拡大によって段階的な組織の再構築・情報システムの見直しが必要と考えます。今後も永続的な成長を実現するために、将来にわたってその時点の企業規模よりも常に先を見据えた組織・システムの構築を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、現実的にリスク要因として発生しないであろうという事項につきましても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。また、当社グループでは、これらのリスク発生の可能性がある事項につきましては充分に認識した上で、発生の回避あるいは発生後の速やかな対応に努める所存でありますが、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありませんので、ご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 法的規制について
① 「薬事法」による規制について
当社グループは、「薬事法」で定義する医薬品等を販売するにあたり、各都道府県の許可、登録、指定、免許または届出を必要としております。今後、当該規制改正の内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 出店に関する規制等について
当社グループは、ドラッグストア(及び調剤薬局)の多店舗展開を行っておりますが、売場面積が1,000㎡超の店舗を新規出店する場合、または増床により1,000㎡超の店舗となる場合、「大規模小売店舗立地法」(以下、「大店立地法」という)の規定に基づき、当該店舗の周辺地域における生活環境保持のために、都道府県または政令指定都市が主体となって一定の審査が行われます。
当社グループでは、売場面積が1,000㎡を超える新規出店または既存店の増床を積極的に行っていく方針でありますが、その場合には、地域住民・自治体との調整を図りながら、地域環境を考慮した店舗等の構造及び運営を図るなど、「大店立地法」を遵守する方針であります。しかしながら、物件の確保や上記審査の進捗状況等によっては、新規出店または増床計画の変更・遅延により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 人材の確保・育成について
① 店舗運営スタッフの確保・育成について
当社グループにおきましては、積極的な人材採用を進めており、並行して新入社員からマネジメント職まで様々な教育プログラムを実行しております。しかしながら、店舗数の拡大ペースに対応した人材の確保・育成に支障をきたす状況が発生した場合には、出店ペースの減速、顧客サービスの低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営幹部・組織の体制について
当社グループの経営は、少数精鋭の経営スタッフで迅速な意思決定を行いながら、次期経営幹部の育成を進めております。しかしながら、代表取締役社長をはじめ各経営幹部は当社経営に重要な役割を果たしており、業務執行ができない事態となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 「薬事法」における有資格者の確保について
当社グループは、医薬品販売業務・調剤業務を行うにあたり、薬剤師または登録販売者(平成21年6月より施行された「改正薬事法」にて新設された資格制度)の有資格者を従事させることが義務付けられております。そのため、ドラッグストアの店舗展開を進めていく上で、これら有資格者の確保は重要な課題であり、確保の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 敷金及び保証金並びに建設協力金について
当社グループでは、賃貸による出店を基本としております。このため、店舗用物件の契約時に賃貸人に対し敷金、保証金及び建設協力金を差し入れております。また、一部の仕入先に対しては取引保証金を差し入れております。
当連結会計年度末現在において、敷金の残高は8,936百万円(連結総資産に対する割合4.4%)、建設協力金の残高は3,629百万円(連結総資産に対する割合1.8%)、及び差入保証金の残高は2,619百万円(連結総資産に対する割合1.3%)であります。当該敷金は、期間満了等による賃貸借契約解約時に契約に従い返還されることとなっております。また、建設協力金及び差入保証金の一部は、支払家賃と相殺する形で契約期間満了時までに全額回収する契約となっております。
一方、差入保証金のうち商品の取引保証に関する残高は34百万円であり、商取引を停止した時点で返還される契約となっております。
しかしながら、敷金、差入保証金、建設協力金については預託先の経済的破綻等により、その一部または全額が回収できなくなる可能性があります。また、敷金、差入保証金、建設協力金については、契約時に定められた期間満了前に中途解約をした場合は契約条件によって返還されない可能性があります。
(4) 自然災害について
当社グループの展開地域において、地震や台風等の自然災害が発生し、当社グループの店舗及びその他の施設に物理的な損害が生じた場合、並びに取引先や流通ネットワークに影響を及ぼす何らかの事故等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。
売上高は、積極的な新規出店により医薬品部門で前年同期比8.5%増加し69,609百万円、化粧品部門で前年同期比6.7%増加し47,593百万円、雑貨部門で前年同期比9.4%増加し75,889百万円、一般食品部門で前年同期比10.4%増加し247,126百万円、その他部門で前年同期比8.4%増加し7,054百万円となり、全体で前年同期比9.5%増加し447,273百万円となりました。
売上総利益率は、過度なチラシ特売を抑制して「毎日安い(エブリデイ・ロー・プライス)」政策を徹底したことで前連結会計年度より0.3ポイント改善し、19.4%となりました。また、新規出店等による売上高の増加により、売上総利益は前年同期比11.2%増加し86,853百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、新規出店による店舗数の増加等により前年同期比11.8%増加し、68,205百万円となりました。この結果、営業利益は、前年同期比9.2%増加し18,648百万円となりました。
また、営業外費用が197百万円増加しましたが、営業外収益が293百万円増加したことに加え、営業利益の増加により、経常利益は前年同期比8.7%増加し20,691百万円となりました。
なお、熊本地震に伴う災害による損失やスクラップ&ビルドに伴う店舗閉鎖損失等713百万円を特別損失に計上いたしました。しかし、経常利益が増加したことに加え、補助金収入518百万円を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比6.3%増加し12,435百万円となりました。
詳細は、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
流通小売業は、比較的大きな商圏を設定して広域から集客を図る企業が多い中で、当社では商圏人口1万人をターゲットとした店舗展開を行っております。また、自社競合を厭わずに自ら商圏を分割し、その小さな商圏内にお住まいの消費者にとって、日々の生活で最も便利な買い物の拠点となる店づくりを進めております。
この当社のビジネスモデルは、日常生活の消耗品を主とした商品構成とし、来店頻度と買上点数を同時に追求したものであるため、商圏を小さく設定でき、出店候補地に窮することなく多店舗展開が可能です。今後もこのビジネスモデルの精度を更に高めながら、消耗品の販売市場において限定商圏における高密度占有率の獲得に力を注いでまいります。
なお、当面の出店政策としては、当社が地盤としている九州地区の深耕を進めると同時に、中部・関西・中国・四国地区への出店も進め、西日本での圧倒的シェア獲得を目指してまいります。
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金、商品、未収入金等の増加により、前連結会計年度から12,483百万円増加し、70,905百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物、土地、工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得等により前連結会計年度から21,194百万円増加し、131,690百万円となりました。
流動負債は、買掛金、短期借入金、未払金、未払法人税等の増加、未払消費税等の減少により前連結会計年度から13,832百万円増加し、103,457百万円となりました。固定負債は、長期借入金、リース債務等の増加により前連結会計年度から8,720百万円増加し、22,959百万円となりました。
純資産合計は、利益剰余金が11,197百万円増加したこと等により76,179百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度から0.9ポイント低下し、37.6%となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載しております。
ドラッグストア業界におきましては、激しい企業間競争の中で、上位企業を中心とした大量出店や合併・提携等が顕著であることから、今後は寡占化を伴いながら市場の拡大が続くものと思われます。そのような中で成長を続けるためには、他社と明確な差別化を行い消費者の支持を得ることが重要であると認識しております。
そのような状況の中で、当社グループは「小商圏型メガドラッグストア」という独自戦略で店舗網の拡大を図り、更なる飛躍を目指しております。それを実現するための課題は、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。