第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  当社グループは、「接客こそ人間形成である」という人材育成の信念の下に、創業時より一貫して、接客販売を基本とした固定客づくりを実践してまいりました。今後も接客・接遇の質を高めていくことに継続して取り組み、接客販売を通して、お客様に最良の商品・技術・サービス・情報を提供してまいります。

  また、企業の社会的責任を常に意識し、コンプライアンス及びリスク管理や安全管理への徹底を期すとともに、適切なディスクロージャーによる透明性の高い経営と積極的かつ健全な事業活動により、ステークホルダーの皆さまの信頼に応えてまいります。

 

(2)経営環境

①  企業構造

  当社グループは、「オートバックス事業」及び「飲食事業」の2つのセグメントから構成されており、統一の経営方針のもと、各事業会社の独自性を尊重し事業運営を行うことを基本としております。

  オートバックス事業は、㈱バッファローにおいて、㈱オートバックスセブンが運営する「オートバックス」のフランチャイジーとして、埼玉県南西部から東京都北部において15店舗を展開し、カー用品の小売販売等を行っております。事業エリアを集約していることから統一した事業運営が可能となっており、業績も良好に推移しております。

  飲食事業は、連結子会社㈱バッファローフードサービスにおいて、㈱焼肉ライクが運営する「焼肉ライク」のフランチャイジーとして、都市部の繁華街を中心に7店舗を展開し、個人のお客様をメインターゲットとした焼肉店を運営しております。また、イタリアンレストラン「PISOLA」を運営する㈱ピソラとフランチャイズ契約を締結し、埼玉県三郷市に当社運営1号店となる「PISOLA三郷店」の出店を行い、飲食事業の活動をより本格化するべく、2024年4月から営業を開始いたしました。

②  市場環境及び顧客の動向

  オートバックス事業が所属するカー用品市場は、自動車保有台数の減少、消費者の節約志向及び若年層の車離れ等により市場規模の縮小傾向が継続しており、また、ネット通販事業者をはじめとした異業種の参入により価格競争が激化している等、今後も厳しい市場環境が続くものと予想しております。しかし、その一方で、昨今の自動車産業は変革期を迎えており、自動運転・運転支援機能等の先進安全技術の普及に伴いカーアフター市場においても高度な整備技術が求められており、車両メンテナンスを中心とした事業機会がさらに高まるものと考えております。

  飲食事業につきましては、慢性的な人手不足や激しい価格競争により、厳しい事業環境が続いております。また、ライフスタイルの多様化や少子高齢化等の社会的要因から食のニーズの多様化が今後も一段と進むことが予想されおり、当社グループでは焼肉のファストフード「焼肉ライク」とイタリアンレストラン「PISOLA」の展開により、お客様の多様なニーズに応えてまいります。

③  競合他社の状況及び優位性

  オートバックス事業が所属するカー用品市場は既に成熟しており、各店舗の商圏エリアには複数の競合店が存在しております。また、近年はネット通販業者の参入による影響も顕在化している状況にあります。特にタイヤに関しては、同業他社やネット通販業者との競合が年々激しさを増しております。

  オートバックス事業においては、創業時から社員の接客販売を通して、多くのお客様から支持され信頼される店舗営業を志してまいりました。今後も接客・接遇への取り組みを継続して、顧客満足度の向上を図り固定客を増やしてまいります。また、「クイック・エコ・リペア」等のピットサービスメニューを他社に先駆けて開発導入した実績もあり、今後もピットサービスメニューを中心としたオリジナルメニューの開発を継続し、競争力の強化を図ってまいります。

  飲食事業につきましても、近隣飲食店との競合は不可避となっております。焼肉ライクでは、「1人で行ける焼肉屋」として1人1台の無煙ロースターを配置し、お客様のお好みの部位・量・たれを選べる、自分だけのカスタム焼肉を提供することにより、新感覚の「焼肉ファストフード」をコンセプトに店舗を展開してまいります。イタリアンレストラン「PISOLA」は、「南国(島)のリゾートホテルのダイニング」を空間コンセプトに、食事をするだけではなく「大切なひとと記憶に残るひととき」をお過ごしいただける癒しの空間を創出し「今までのファミレスにはなかった価値」を提供してまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

■中期経営計画の推進

 当社グループは、2025年3月期から2029年3月期までの5ヶ年を対象とする中期経営計画を策定し、2024年5月9日に公表いたしました。

 

1.中期経営計画の背景と概要

 昨今、自動車産業は100年に一度といわれる変革期を迎え、自動運転・運転支援機能など先進安全技術の開発、普及が進んでおり、国内のカーアフター市場においては、次世代自動車の整備技術への対応が必須となる一方、自動車整備士の減少による人手不足といった懸念事項も顕在化しつつあります。また同業他社やディーラー、ネット販売関連企業との競合はより一層激しさを増しており、少子高齢化による顧客構成の変化、顧客ニーズの多様化など、当社を取り巻く環境は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。

 このような状況の中で当社は、チェン本部のエリア戦略と連携しつつ、更なる成長戦略を推進していくことを目的に2025年3月期を初年度とする5ヶ年計画「中期経営計画2024」を策定致しました。

 

2.「中期経営計画2024」の基本方針

 「クルマのことならオートバックス」の実践を通じ、オートバックスFCチェーン屈指の接遇・接客力とピットサービスの技術力を土台とする地域ナンバーワン店となり、お客様に安全と安心を提供し続け、オートバックス事業の更なる業容拡大と発展を目指します。

 また新たな企業価値を生み出すべく、外食チェーン店による飲食事業を本格化させ、オートバックス事業とともに確固たる経営の柱へと構築し、より厳しさを増し急速に変化し続ける経営環境を乗り越えるための経営基盤を、企業グループとして確立することにより、業績の向上と更なる企業成長を目指してまいります。

 

3.経営目標と目標達成のための重点施策

(1)経営目標(2029年3月期)

(百万円)

指標

2024年3月期実績

2029年3月期目標

増減率

売上高

11,216

16,300

45.3%増

経常利益

459

1,000

117.6%増

 

(2)事業戦略

a.オートバックス事業

<商品戦略>

① ピットサービス

・「安心と信頼のオートバックス車検」による車検・整備の顧客数拡大

・当社オリジナル商品「クイック・エコリペア」等による板金・塗装サービスの顧客数拡大

・車の「美観」に関わる各種ピットサービスメニューの拡販

② タイヤ販売

・競合店及びネット販売に負けない「安さと豊富な品揃え」により、リアル店舗の魅力を最大限に生かす売場展開

・低価格帯商品の品揃えと販売強化

・Web予約システムやデジタル販促、タブレットの活用による接客販売等、販売効率の向上

③ 自動車(中古車・新車)販売

・買取査定システムの活用による買取査定件数向上

・車検見積り、12ヶ月点検時での買取査定推進

・安心と信頼に基づくブランド訴求

 

<マーケティング戦略>

① オートバックス・チェングループ内、接遇優秀法人としての強みを更に進化させ、リアル店舗の利便性、快適性を追求

② オートバックス会員アプリとLINEアプリの活用による販促施策の推進と会員数の拡大

<出店戦略>

 前中期経営計画において未達となった出店計画を当中期経営計画に持ち越し、2029年3月期までに5店舗の出店を計画し、20店舗体制によるオートバックス事業の展開を目指す。

 

<人材戦略>

① 「フレンドリー」で「プロフェッショナル」な人材の育成

・オートバックスカスタマーボイス・プログラム等、接客・接遇に関する教育への継続的な取組みにより接遇力向上を社風化

・高度化する車検・整備に対する知識と技術を備えた専門スタッフの育成② 接遇を社風化するための従業員のモチベーション向上

② 接遇を社風化するための従業員のモチベーション向上

・働きがいのある、いきいきとした明るい職場への整備

③ 国内及び海外からの人材確保・新規出店およびピットサービス部門の更なる業容拡大に向けた優秀且つ安定的な人材の確保

 

b.飲食事業

 当社は2019年に100%子会社「株式会社バッファローフードサービス」を立ち上げ、飲食事業を新たな事業領域とし、㈱焼肉ライクのフランチャイジーとして『焼肉ライク』の店舗運営を開始し、外食店ビジネスに関するノウハウを高めてまいりました。またイタリアンレストラン『PISOLA』をフランチャイズチェーン展開する㈱ピソラ(本社:滋賀県草津市/代表取締役:鬼界友則)と新たにフランチャイズ契約を締結し、2024年4月4日、『PISOLA三郷店』をオープンいたしました。飲食事業店舗は現在(2024年4月末時点)、『焼肉ライク』と合わせ、8店舗となりましたが、『PISOLA』のスタートとともに外食チェーン店による飲食事業の活動をより本格化し、新たな事業の柱を確立させるべく、当中期経営計画において事業計画を織り込み推進してまいります。

 

4.資本コストや株価を意識した経営の実践

 当社の資本収益性はROEが資本コストを下回る水準であるものの、平均的には5~6%で安定的に推移しております。一方の市場評価の面では、中期的に株価は上昇傾向にあるものの、PBRが1倍を下回る常況となっております。

 当社は創業からオートバックス事業を営み、店舗の出店地域に根差した事業運営と独立採算を志向し、地域のお客様やお取引企業様を始めとする皆さまと共に歩みを進めてまいりました。今後もこの思いは変わることはありませんが、当社が持続的な成長を継続していくためには、オートバックス事業への取り組みにとどまらず、新たな事業を育成していくことも当社の課題であるものと考えており、当「中期経営計画2024」におきまして、成長投資として、オートバックス店舗の出店推進とともに、新たな事業の柱を構築すべく、イタリアンレストラン「PISOLA」出店による飲食事業の確立に取り組む方針です。

 株主還元につきましては、安定配当の継続を基本方針としつつも、事業の成長に応じた還元を行ってまいりたいと考えており、オートバックス事業および飲食事業の今後の出店資金につきましては、先ずは内部留保資金を活用し、状況に応じて有利子負債等を有効活用してまいります。

 

■その他の対処すべき課題

 内部統制につきましては、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、企業倫理の重要性を認識し、経営の健全性、経営の意思決定と業務執行の透明性・公正性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスの充実及び法令遵守の徹底に努めてまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、企業価値の継続的向上を実現する指標として、売上高経常利益率を重視しております。同指標は、販売活動や財務活動の結果を内包しており、事業・経営の効率性を総合的に表すものと考えております。今後も、商品の価格競争に左右されない企業体質を維持し、安定した収益の確保を行い、コスト削減に努めるとともに、指標の推移を注視し経営にフィードバックさせてまいります。また、中長期的にROEや株主還元の水準向上を図る方針であり、「中期経営計画2024」の進捗を注視してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループでは、サステナビリティに関する課題は、環境・社会・従業員・人権尊重・腐敗防止・ガバナンス・セキュリティ等と多岐に亘るものと考えており、自然環境や人間社会が長期に亘り良好に持続するために、社会全体での取り組みを要するものであり、今後、当社グループが持続的な成長を続けるための重要な課題であるものと考えております。

 

(1)ガバナンス

 サステナビリティへの対応は、監督側と執行側とが一丸となって取り組んでまいります。

 当社グループの持続可能性に関わる中長期的なサステナビリティ課題については、そのリスク・機会の分析と取り組みの企画立案は、ガバナンス委員会・経営企画室で行い、取締役会での議論を経て、執行役員・営業会議により推進してまいります。また、監査等委員会・内部監査室において運用状況のモニタリングを行い、サステナビリティ推進における諸課題を取締役会に報告し、PDCAサイクルによりグループ全体で継続して取り組んでまいります。

 

(2)戦略

 現在、世界中で脱炭素に向けて電気自動車への移行が加速しており、今後は、今まで以上に電気自動車の整備需要が増加することが見込まれます。長年に亘り自動車整備に携わってきた当社グループとしては、そのような事業環境の変化に柔軟に適応し、今後も車社会に貢献し続けるべく、自動車整備士資格の取得を奨励するなど、日々、整備技術の研鑽・向上に取り組んでおります。

 当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針としては、人材採用にあたって、新卒・中途採用をはじめ外国人技能実習生の雇用を積極的に行うなど採用活動の多様化を進めております。また、店舗販売においては、より一層お客様に感動体験をもたらすスタッフとなれるよう接客・接遇を重視しており、女性社員を「接遇リーダー」として積極的に登用するなど人材育成に努めております。接客・接遇への取り組みに関しては、フランチャイズ本部主催の「オートバックス アワード」において、当社グループの加盟15店舗全店が「カスタマーエクスペリエンス大賞(店舗部門)」を5年連続で受賞・全国上位10店舗に8店舗が入賞しており、また、「カスタマーエクスペリエンス大賞(スタッフ部門)」に全国29名の受賞のうち、当社グループから7名が入賞するなど、その成果をゆるぎないものにしております。

 社内環境整備に関する方針としては、働き方改革の取り組みとして店舗定休日制度を導入し、より働きやすい職場環境づくりを推進しており、休暇取得の促進や株式報酬制度を社員向けに導入するなど、労働環境の向上に努めております。

 当社グループのオートバックス事業が加盟するオートバックスフランチャイズ本部では、サステナビリティ基本方針として「人とクルマと環境が調和する安全・安心でやさしい社会」の実現を推進しております。当社といたしましても、フランチャイジーとしてフランチャイズ本部と緊密に連携を図り、事業運営を行ってまいる所存であります。

 

(3)リスク管理

 リスク管理は、主に取締役会において、取締役ら監督側は大局的な見地から、執行役員を含む業務執行側は日々の業務の中から、それぞれの観点からサステナビリティ課題のリスクと機会に関する議題提起を行い、影響度・発生可能性・投資効果などを踏まえ優先順位の高いものについて議論を行い、対応策を事業計画に統合して実行してまいります。また、リスクについては、リスクマネジメントプロセス(1.リスクの特定、2.リスク評価、3.対応策の検討、4.リスクの低減とモニタリング)に則り、リスクを全社的に横断統括して管理することとしております。

 

(4)指標及び目標

 人的資本に関する当社グループの課題は、労働者の男女の賃金の差異(第1部企業情報 第1企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異)に表れており、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関す方針について、次の指標を用いてまいります。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

 オートバックス事業においては、自動車用品販売・整備業という事業特性から、従業員に占める女性の比率が低く、かつ、課長級以上の役職者が不在であることが男女の賃金の差異の主な要因であり、持続的な成長に向け、新卒・中途を問わず女性の採用を積極的に行い、人材育成に努め、課長級への登用を進めることが課題であるものと認識しており、次の指標を目標値として定め推進してまいります。なお、本指標につきましては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、一般事業主行動計画として策定し、計画期間を2020年4月1日から2025年3月31日までと定めて取り組みを進めているものであります。

 

①女性正社員の採用人数

 求人募集において女性の応募者が少ないため、正社員に占める女性割合が低いことから、女性正社員の採用人数を20%増加する施策を推進する。

②女性の平均勤続年数

 女性の勤続年数が短く、その結果として女性役職者が少ないことから、女性の平均勤続年数を1年延ばす施策を講じる。

 

<オートバックス事業> ㈱バッファロー

指標

基準年度

目標年度

目標値

実績

(2024年3月期)

①女性正社員の採用人数

2020年3月期

2025年3月期

20.0

0.0

②女性の平均勤続年数

2020年3月期

2025年3月期

6.0

6.0

 

 飲食事業においても正規労働者において男女の賃金の差異が生じており、主に店長職が男性を中心に構成されており、就業時間の長短が差異の一因となっております。持続的な成長に向け、新卒・中途を問わず女性の採用を積極的に行い、人材育成を努め、店長級への登用を推進してまいります。これらを踏まえ、次の指標に目標値を定め行動してまいります。

 

女性正社員の採用人数

 求人募集において女性の応募者が少ないため、正社員に占める女性割合が低いことから、女性正社員の採用人数について2025年3月期を目途に20%増加する施策を推進する。

 

<飲食事業> ㈱バッファローフードサービス

指標

基準年度

目標年度

目標値

実績

(2024年3月期)

女性正社員の採用人数

2023年3月期

2025年3月期

20.0

50.0%

 

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)競合等について (発生可能性:高  影響度:高)

  当社グループが属するカー用品市場及び外食市場は、既に成熟しており、商圏エリアには多数の競合店が存在しております。当社グループの事業競争力が相対的に低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループとしては、接客・接遇への取り組みにより顧客満足度の向上を図り固定客の増加に努めてまいります。また、オートバックス事業においては、オリジナルのピット・サービスメニューを展開すること等により、競争力の強化を図ってまいります。飲食事業においては、焼肉のファストフード「焼肉ライク」とイタリアンレストラン「PISOLA」の展開により、お客様の多様なニーズに応えてまいります。

 

(2)フランチャイズチェン契約の出店計画への影響について (発生可能性:低  影響度:高)

  当社グループは、フランチャイズ本部(フランチャイザー)とのフランチャイズ契約のもとで店舗を展開し事業を行っております。フランチャイズ契約においては、新規出店の際にフランチャイズ本部の許諾を得る旨が定められており、立地環境、地域特性及び採算性等を勘案し、出店の可否決定がなされます。フランチャイズ本部サイドの可否決定により、計画どおりの出店ができない場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性が有ります。

  通常、出店案件の開発や企画につきましては、フランチャイズ本部サイドと連携し共同作業にて進めており、今後も、緊密に連携を図りつつ、出店計画の立案を積極的に行い、出店による事業領域の拡大を進めてまいります。

 

(3)出店に関する規制等について (発生可能性:低  影響度:高)

  今後のオートバックス事業の運営に当たり、新規出店等に際して、「大規模小売店舗立地法」(以下、「大店立地法」という)の規制対象になる可能性があります。大店立地法は、売場面積1,000㎡超の店舗を新規出店する場合及び増床により売場面積が1,000㎡超の店舗になる場合に、騒音、交通渋滞、ゴミ処理問題等、出店近隣住民に対し生活環境を守る立場から都道府県又は政令指定都市が一定の審査・規制を行う目的で施行されたものであります。また、「大店立地法」と同時に成立した「改正都市計画法」において、地方自治体の裁量で出店規制地域が設定される等、今後の新規出店及び増床について法的規制が存在しており、法的規制等により計画どおりの出店ができない場合には、今後の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  現時点において、上記の法的規制を受けている店舗はありませんが、当社グループとしては、出店計画段階から地域住民、自治体との調整を図りながら出店していく方針であります。

 

(4)天候による影響について (発生可能性:中  影響度:中)

  オートバックス事業において取り扱う商品のうち、スタッドレスタイヤ・タイヤチェーン等の冬季カー用品については、冬季の天候により販売量が大きく左右されることがあります。暖冬となれば販売量が減少し、降雪状況により特需が生じることがあります。

  当社グループでは、天候に大きく左右されない安定した収益を確保するための取り組みの一環として、中期経営計画の課題に車検・整備、板金・塗装等の比較的季節変動の影響を受けにくいメンテナンス分野を対象とするピット・サービスの業容拡大を掲げ推進しております。また、自動車保険サービス(代理店業務)の取扱いにも注力しており、今後も様々なサービス提供により収益の拡大と安定化に努めてまいります。

 

(5)法令遵守・訴訟リスク (発生可能性:低  影響度:高)

  役員及びグループ従業員の故意又は過失による法令に違反する行為が発生した場合、当社グループの業績に影響を与えるような損害賠償を求められる事案が発生する可能性があります。また、当社グループの保有する顧客情報は、その取り扱いについては十分注意を払っておりますが、不正行為などにより顧客情報が外部に漏洩した場合、社会的信用が失墜し、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

  当社グループでは、社会的責任と公共的使命を全うするために「㈱バッファロー  コンプライアンスコード」、「内部通報規程」及び「個人情報保護規程」等を制定し、役員を含むグループ従業員の遵法意識向上を図っております。

 

(6)災害リスク (発生可能性:中  影響度:中)

  当社グループが店舗を展開する地域において、火災、地震、台風その他の災害が発生し、当該店舗が損傷又は役職員の死亡・負傷による欠員があった場合、売上高の減少又は原状復帰や人員の補充にかかる費用によって、当社グループの業績に影響を与える場合があります。

  なお、当社グループは、災害による不測の事態に備えるため、緊急時の対応に関する経営危機対策規程を整備するとともに、避難・消防用設備の維持管理をはじめ、消防に関する計画・訓練を日々の業務に落とし込むなど、社内コンプライアンス体制を構築し、リスクの低減に努めております。

 

(7)店舗営業 (発生可能性:低  影響度:高)

  当社グループの店舗運営において、廃棄物の処理、有害物の取り扱い、ピット作業における事故発生、顧客の個人情報に関する取扱い、店舗敷地内でのその他の事故の発生、食品衛生管理等におけるリスクがあります。これらは直接的、もしくは顧客の店舗に対する心証悪化に伴う客数減少等によって、間接的に当社グループの業績に影響を与える場合があります。

  フランチャイズチェン本部より、当該リスクを防止するために、事例情報による注意喚起や指導が随時行われている他、各種法令及び社内ルールの遵守・徹底に努め、リスク顕在化の低減を図っております。

 

(8)人材確保 (発生可能性:高  影響度:中)

  当社グループの属する小売・外食業界は、少子高齢化等の要因により採用難・人手不足の傾向が強まっております。今後の業界全体における労働需給の変化により人材確保に係る各種コストが上昇し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループの事業が継続して成長していくためには、人材の確保と育成が不可欠であると考えており、人材の採用にあたっては、新卒・中途採用をはじめ、外国人技能実習生の雇用を行うなど、採用活動の多様化を図り、優秀な人材の確保に取組むとともに、人材の育成については、社内及び社外の研修へ積極的に参加し、商品知識・接客技術・専門技術の習得を行っております。また、働き方改革の一環として、店舗定休日制度を導入し、より働きやすい職場環境づくりへの取組みを推進しており、休暇取得の促進や譲渡制限付株式報酬制度を社員に導入するなど、人材の定着化を図り、全社員が安心して働くことができる職場環境の整備に努めております。

 

(9)大規模な感染症の流行 (発生可能性:中  影響度:中)

  未知のウイルス等による大規模な感染症の流行により、社会・経済活動が制限され事業運営が困難となるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

  当社グループでは、大規模な感染症が流行した場合に備え、緊急時の対応に関する経営危機対策規程を整備しており、政府・自治体の対応を早期に把握し、店舗での感染症対策を迅速に行うこととしております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法2類から5類への移行に伴い、経済活動の平常化が進むこととなりました。2024年1月に発生した能登半島地震の地域経済への影響が懸念されつつも、好調な企業業績を背景に日経平均株価が34年ぶりに高値を更新するなど、国内経済は緩やかな回復基調で推移しております。その一方で、ウクライナ・中東地域の地政学的リスクによる原材料やエネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締め政策による円安の進行から物価の上昇傾向が続いており、景気の先行きは不透明な状況となっております。

 このような環境の中、当社グループにおきましては、「アフターコロナ」における新たな社会的ニーズの変化に対応すべく業容改革を推し進め、生活インフラである車関連事業及び外食事業を通じ地域社会に寄与すべく営業活動を行ってまいりました。

 

 当社グループのセグメントごとの業績は、次のとおりであります。

<オートバックス事業>

 当連結会計年度末におけるオートバックス事業の店舗数は、15店舗であります。当連結会計年度中における店舗の新設及び廃止はございません。

 オートバックス事業が属する国内カー用品市場の環境につきましては、半導体の供給不足解消に伴い国内新車販売台数は前年比増で推移しておりましたが、年末に発生した自動車メーカーの認証不正問題により減速を余儀なくされました。一方で、ゴールデンウィークやお盆・年末帰省等の外出需要はコロナ禍前の水準まで回復し、オイル・バッテリーを中心に消耗品の販売が好調に推移しております。反面、冬商戦期において全国的に温暖な気候となったことから、冬タイヤ・タイヤチェーン等の販売が低迷することとなりました。

 このような環境の中で当社グループは、「クルマのことならオートバックス」の実践を通じた地域ナンバーワンの店づくりを目指し、顧客満足度向上のための接遇・接客力の強化、技術力を備えた専門スタッフの育成に取り組んでおります。また、快適で鮮度が高い魅力的な売場による集客力の向上を図るべく、2023年5月にスーパーオートバックス環七王子神谷の店内全面改装を行い、より利便性の高い、回遊性に優れた売場へのレイアウト変更、ウェイティングルームのリニューアルなど既存店リノベーションへの取組みを推進いたしました。販売施策といたしましては、中期的な重点分野と位置付けるボディコーティングやヘッドライトコーティングメニュー等、車の美観向上に関するピットサービスメニューの業容拡大のため、施工設備の導入・技術スタッフの育成に注力し、順調に売上を伸ばしております。タイヤ販売につきましては、原価高騰による販売価格の上昇とともに暖冬の影響から冬タイヤの需要が低迷する厳しい環境となりましたが、低価格帯商品を充実させた売場づくりによる拡販に努めた結果、前年同期比で販売数量は下回ったものの金額実績では同水準を確保することとなりました。オイル・バッテリー部門につきましては、前連結会計年度にてWeb予約システムによるオイル交換の即日作業予約を可能とし、作業レーンを拡大する等、ピットでの受け入れ体制を強化したことにより、オイル・バッテリーとも売上が増加しております。車販売部門につきましては、オークション市場における販売台数が伸長し増収となりました。

 これらの取り組みにより、オートバックス事業の売上高は10,567,740千円(前年同期比4.6%増)となりました。

 

<飲食事業>

 当社グループは、2019年7月に設立した子会社「株式会社バッファローフードサービス」において、飲食事業を運営しております。当連結会計年度末における飲食事業の店舗数は、7店舗であります。飲食事業におきましては、㈱焼肉ライクのフランチャイジーとして運営を行ってきた『焼肉ライク』とともに、イタリアンレストラン『PISOLA』をチェーン展開する㈱ピソラと新たにフランチャイズ契約を締結し、当連結会計年度終了後の2024年4月4日、1号店となる「PISOLA三郷店」をオープンすることとなりました。

 飲食事業が属する外食業界は、「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」への転換を経て、インバウンド需要等を取り込みつつ景況は改善傾向にあるものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の価格上昇が逆風となっており、またコロナ禍による消費者のライフスタイルの変化や人手不足等を要因に売上の回復状況は業態や地域ごとに差が生じる状況となっております。

 当社グループといたしましては、お客様・取引先様・従業員の安全と健康に引き続き配慮をしつつ、周辺地域への認知度向上とサービス充実に努めるとともに、特定技能外国人の受け入れをはじめとした効率的な人員の配置、食材管理の徹底によるロスの削減等により、収益体質の改善を推し進めております。

 これらの取り組みにより、飲食事業の売上高は649,063千円(前年同期比6.8%減)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

a. 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は5,410,652千円となり、前連結会計年度末に比べ337,030千円(前連結会計年度末比6.6%)増加しました。これは主に商品86,257千円の減少に対して、現金及び預金275,110千円、売掛金82,791千円の増加があったためであります。固定資産は3,082,597千円となり、前連結会計年度末に比べ81,440千円(同2.6%)減少しました。これは主に繰延税金資産の増加52,965千円に対して、有形固定資産60,760千円及び差入保証金50,583千円が減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は8,493,250千円となり、前連結会計年度末に比べ255,590千円(同3.1%)増加しました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は1,618,156千円となり、前連結会計年度末に比べ210,331千円(前連結会計年度末比14.9%)増加しました。これは主に未払法人税等36,447千円の減少に対し、流動負債のその他に含まれる未払金が191,456千円増加したことによるものであります。固定負債は880,883千円となり、前連結会計年度末に比べ47,277千円(同5.7%)増加しました。これは主に固定負債のその他に含まれる長期未払金20,079千円の減少に対し、退職給付に係る負債40,653千円及び固定負債のその他に含まれる長期リース債務12,539千円が増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は2,499,039千円となり、前連結会計年度末に比べ257,608千円(同11.5%)増加しました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は5,994,210千円となり、前連結会計年度末に比べ2,018千円(前連結会計年度末比0.0%)減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益114,988千円の計上と配当金の支払い117,171千円の結果、利益剰余金が2,183千円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は70.6%となりました。

 

b. 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高11,216,804千円(前年同期比3.9%増)、営業利益413,180千円(同21.4%減)、経常利益459,607千円(同18.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114,988千円(同64.6%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ274,610千円増加し、2,947,187千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、543,877千円となりました。これは主に、法人税等の支払額231,459千円及び売上債権の増加82,791千円に対して、税金等調整前当期純利益の計上256,351千円、減損損失の計上203,256千円及び減価償却費の計上169,509千円等があったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、131,238千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入207,200千円に対して、定期預金の預入による支出206,000千円及び有形固定資産の取得による支出142,661千円等があったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、138,028千円となりました。これは主に、セール・アンド・リースバックによる収入15,893千円及び短期借入れによる収入14,700千円に対して、配当金の支払額117,171千円、リース債務の返済による支出23,573千円及び設備関係割賦債務の返済による支出19,758千円があったためであります。

 

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

自己資本比率(%)

76.5

76.6

73.2

72.8

70.6

時価ベースの自己資本比率(%)

32.4

39.5

30.6

31.7

37.6

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.6

0.2

0.2

0.4

0.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

233.1

458.9

98.7

61.9

56.4

自己資本比率:株主資本/総資産

時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

3.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

4.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しております。

 

③仕入及び販売の実績

  当連結会計年度の仕入及び販売の実績は次のとおりであります。

 

a. 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

    至 2023年3月31日)

 

 

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

 

対前期

増減率

(△は減少)

(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

オートバックス事業

5,334,861

94.9

5,543,890

95.5

3.9

飲食事業

284,524

5.1

260,126

4.5

△8.6

合計

5,619,386

100.0

5,804,016

100.0

3.3

 

b. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

    至 2023年3月31日)

 

 

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

 

対前期

増減率

(△は減少)

(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

オートバックス事業

10,099,560

93.6

10,567,740

94.2

4.6

飲食事業

696,076

6.4

649,063

5.8

△6.8

合計

10,795,636

100.0

11,216,804

100.0

3.9

 

c. 品目別販売実績

当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

    至 2023年3月31日)

 

 

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

    至 2024年3月31日)

 

対前期

増減率

(△は減少)

(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

ピット・サービス工賃

3,090,619

28.6

3,274,912

29.2

6.0

タイヤ・ホイール

2,632,953

24.4

2,636,611

23.5

0.1

アクセサリー・メンテナンス用品

1,669,367

15.5

1,725,079

15.4

3.3

オイル・バッテリー

896,226

8.3

1,044,461

9.3

16.5

車販売

828,025

7.7

912,340

8.1

10.2

カーエレクトロニクス

906,685

8.4

907,485

8.1

0.1

飲食

696,076

6.4

649,063

5.8

△6.8

その他

75,682

0.7

66,849

0.6

△11.7

合計

10,795,636

100.0

11,216,804

100.0

3.9

(注)各品目の主な内容は、次のとおりであります。

 

品目

主な内容

ピット・サービス工賃

オイル交換、タイヤ交換、各種用品取付、板金・塗装、車検・整備、ボディーコーティング、ヘッドライトコーティング、車内クリーニング

タイヤ・ホイール

夏用タイヤ、冬用タイヤ、アルミ・スチールホイール

アクセサリー・メンテナンス用品

チャイルドシート、キャリア、チェーン、車内アクセサリー、ドレスアップ用品(ステアリング、シート、ランプ等)、チューンナップ用品(エアロパーツ、マフラー、サスペンション等)、省燃費用品等

オイル・バッテリー

国産・輸入エンジンオイル、国産車用・外車用バッテリー

車販売

新車及び中古自動車

カーエレクトロニクス

カーナビゲーション、カーTV、ドライブレコーダー、DVD・CD・MDプレーヤー、スピーカー、アンプ、接続具等

飲食

店舗における飲食サービス

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 

当連結会計年度のポイント

<オートバックス事業>

・ メンテナンス需要を背景に来店客数が増加(前年同期比3.2%増)。Web予約システムやオートバックスの公式アプリの普及によりピットサービスの作業予約の利便性が向上したこともあり、車検・整備等ピットサービスをはじめ、タイヤ、オイル、バッテリー等が堅調に推移した。

・ タイヤ販売については、前年に続きタイヤメーカーの一斉値上げを受け、5月に販売価格を改定。オートバックスグループのプライベートブランドタイヤを中心に低価格帯商品の拡販に取り組み、タイヤ全体の売上高は前年同期比1.7%増となった。夏用タイヤが(販売数量ベース)3.7%増と堅調に推移する一方、冬タイヤが第3四半期における暖冬気候が影響し(同)14.7%減と低迷した。

・ ピットサービスは前年同期比6.0%増。車検・整備(前年同期比17.5%増)、板金・塗装(同9.1%増)が、ともに高伸張した他、ボディーコーティングを中心とする車の美観向上に関するピットサービスメニューが順調に売上を伸ばした。

・ 半導体不足の解消に伴い、国内の新車販売が回復した結果、中古車の流通も活発化し、中古車登録台数が3年ぶりに前年を上回る状況の中、車販売は買取り・オークション販売台数が順調に伸び、売上高は大幅に増加(前年同期比10.2%増)した。

・ オートバックス事業としては売上高が堅調に推移する一方、カー用品・車販売ともに売上原価率が前年より上昇したこと、またベースアップの実施や採用コストの増加等、人件費を中心に店舗運営コストが上昇したことから、営業利益(前年同期比8.5%減)は前年を下回った。

 

<飲食事業>

・ 「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」への転換を経て、外食業界はインバウンド需要等を取り込みつつ、景況は全体として改善傾向にあるものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の価格上昇が逆風となり、また、コロナによる消費者のライフスタイルの変化や人手不足等を要因に売上の回復状況は業態や地域により差が生じる状況となっている。

・ 24/3月期の売上高は、通期営業となった3店舗が増収に寄与したものの、既存店(4店舗)の売上高が、来店客数の前年割れに伴い、前年を下回る実績(前年同期比7.1%減)となった他、1店舗の閉店(吉祥寺南口店)により、前年同期比6.8%減の減収となった。

・ 営業利益は、原価率および人件費を中心とするコスト面の管理体制を強化し、売上総利益率及び売上高人件費率の改善を図る等、収益改善への取り組みが進む一方、人件費、エネルギー物流コスト等の価格が高騰した影響等により、営業損失額は前年同期に対し、14百万円増加した。

・ 株式会社バッファローフードサービス(連結子会社)が保有する固定資産の一部について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、184百万円の減損損失を特別損失として計上。

 

 

a. 財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末における資産合計は、8,493,250千円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。資産合計の増減の主な内訳は、次のとおりであります。

・ 現金及び預金は、営業活動による資金獲得により、前連結会計年度末と比較し275,110千円増加し3,051,587千円となりました。

・ 商品が86,257千円減少しております。これはオートバックス事業において、在庫商品に対しての値引リベートの計上により在庫金額が減少したことが主な要因となっております。

・ 売掛金が82,791千円増加しております。キャッシュレス化による現金取引の減少傾向とともに、オートバックス事業において3月度の販売が好調に推移したことが主な要因となっております。

・ 固定資産は81,440千円の減少となりました。オートバックス事業における主な設備投資は、スーパーオートバックス環七王子神谷57,687千円(店内改装)、オートバックス北浦和店17,090千円(店内装備)、スーパーオートバックス大宮バイパス16,131千円(店内装備)等であり、飲食事業における主な設備投資は、2024年4月のピソラPISOLA三郷店の新規出店に伴う店内装備及び保証金134,526千円であります。一方で、収益性の低下に伴う固定資産の減損損失を計上しており、減損損失の計上額はオートバックス事業が19,073千円、飲食事業が184,182千円となっております。

(負債合計)

 当連結会計年度末における負債合計は、2,499,039千円(前連結会計年度比11.5%増)となりました。負債合計の増減の主な内訳は、次のとおりであります。

・ 飲食事業における新規出店に伴う店内装備の取得に伴い、流動資産のその他に含まれる未払金が191,456千円増加しております。

・ 長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)は、当連結会計年度中の約定返済の履行(8,120千円)により、全ての借入契約を完済しており、残高はございません。また、当連結会計年度中に、当社グループ子会社の所要資金として、金融機関より短期借入金14,700千円の調達を行いました。

・ 設備関係割賦債務の返済の履行により、固定負債のその他に含まれる長期未払金(1年内返済予定の長期未払金含む)が17,968千円減少しております。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、5,994,210千円(前連結会計年度比0.0%減)となりました。純資産の増減の主な内訳は、次のとおりであります。

・ 親会社株主に帰属する当期純利益114,988千円を計上しました。

・ 当連結会計年度における配当金の支払額は117,171千円(第41期期末配当58,585千円、第42期中間配当58,585千円)となっております。

 

b. 経営成績

(売上高)

 オートバックス事業の売上高は10,567,740千円(前年同期比4.6%増)の増収となりました。各品目における売上高の増減要因は次のとおりであります。

 ピット・サービス工賃部門の売上高は、3,274,912千円(前年同期比6.0%増)の増収となりました。車検・整備の販売が件数・単価とも好調に推移し、板金・塗装も前連結会計年度を上回る実績となりました。また、ボディコーティングをはじめ、ヘッドライトクリーニング、洗車及び車内清掃といった「車の美観」に関するサービスメニューを主な商材とするリフレッシュ工賃も、施工設備の導入等による受け入れ体制の強化が奏功し、中期的な成長基調を維持しております。

 タイヤ・ホイールの売上高は、2,636,611千円(前年同期比0.1%増)となりました。全国的に温暖な気候となった影響によるスタッドレスタイヤの需要低迷もあり、タイヤ販売数量は前連結会計年度を下回ることとなりましたが、メーカー各社の出荷価格改定を受けての値上げ実施により販売単価が上昇し、結果、数量の減少を補い前年並みの水準となりました。

 アクセサリー・メンテナンス用品部門の売上高は、1,725,079千円(前年同期比3.3%増)となりました。ゴールデンウィークやお盆・年末帰省等の外出需要の回復を背景に、芳香・消臭剤及びカーケア用品等の販売が伸長しております。

 オイル・バッテリー部門の売上高は1,044,461千円(前年同期比16.5%増)の増収となりました。増収の主な要因は、保有車買い替えサイクルの長期化傾向による堅調な需要、価格改定によるバッテリーの販売単価上昇、Web予約システムによるオイル交換作業の受け入れ態勢の強化などであります。

 車販売部門の売上高は912,340千円(前年同期比10.2%増)となりました。新車販売中古車買取を積極的に推し進めたことでオークション販売が伸長し、増収となっております。

 カーエレクトロニクス部門の売上高は、907,485千円(前年同期比0.1%増)となりました。自動車メーカーの減産解消により新車販売に対する取付需要がやや持ち直しましたが、主要な商材であるカーナビゲーション・ドライブレコーダーは、普及率の高まりとともに市場規模の縮小が続いており、微増に留まっております。

 来店客数につきましては、行楽・帰省シーズンにおける需要回復等がプラス要因となり、前連結会計年度から3.2%の増加となりました。

 

 飲食事業につきましては、前連結会計年度中に開設した3店舗が通期での営業となる一方で、2023年10月に「焼肉ライク 吉祥寺南口店」を閉店したことにより店舗数が1店舗減少し、また既存店舗の売上も前連結会計年度の水準を下回ったことで、売上高は649,063千円(前年同期比6.8%減)の減収となっております。

 飲食事業の来店客数につきましては、新型コロナウイルス感染症が感染症法2類から5類に移行し事業環境の正常化が進む一方で、物価の高騰による節約志向の高まりが需要を押し下げる要因となっており、結果、前連結会計年度を下回ることとなりました。

 

(売上原価及び売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度より352,511千円増加し5,890,274千円となりました。これは主にオートバックス事業において、メーカー各社の価格改定による仕入価格の上昇と、オイル・バッテリー及びピット・サービス工賃等の売上高の増加を反映した結果となっております。これにより、売上総利益は前連結会計年度より68,656千円増加し5,326,530千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より180,880千円増加し4,913,350千円となりました。前連結会計年度との比較では、電気価格の高騰が一服し水道光熱費が減少する一方で、オートバックス事業、飲食事業ともに人件費が増加しております。これにより営業利益は、前連結会計年度より112,224千円減少し413,180千円となりました。

 

(営業外収益及び営業外費用並びに経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度より6,927千円増加し59,598千円となりました。営業外収益の主な内訳は、受取協賛金等23,242千円、受取利息及び配当金8,728千円、受取手数料8,664千円等であります。営業外費用は、前連結会計年度より288千円減少し13,171千円となりました。営業外費用の主な内訳は、支払利息9,640千円等であります。これにより経常利益は、前連結会計年度より105,008千円減少し459,607千円となりました。

 

(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益)

 当連結会計年度は特別損失として、収益性が低下した営業店舗の固定資産について減損損失203,256千円を計上しました。なお、前連結会計年度における減損損失の計上額は30,446千円であり、これにより税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より277,818千円減少し256,351千円となりました。

 

(法人税等合計及び親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の税効果会計適用後の法人税等合計は前連結会計年度と比較し67,690千円減少し141,363千円となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より210,128千円減少し114,988千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

a. キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、543,877千円の収入となり、前連結会計年度に比べ3,605千円資金収入が増加しました。減少の主な要因は税金等調整前当期純利益の計上額の減少277,819千円であり、増加の主な要因は、減損損失の計上額の増加172,810千円、未払金の増加額の増加67,370千円、棚卸資産の増減額の減少44,127千円などとなっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、131,238千円の支出となり、前連結会計年度に比べ13,702千円資金支出が増加しました。主な要因は、飲食事業における「焼肉ライク 吉祥寺南口店」の閉店に伴い、差入保証金の返還による収入が14,654千円増加した一方で、有形固定資産の取得による支出が29,794千円増加したことによるものであります。なお、当連結会計年度において実施した設備投資は、オートバックス各店舗における設備改装などであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、138,028千円の支出となり、前連結会計年度に比べ77,968千円資金支出が増加しました。長期借入金の返済による支出の減少21,400千円に対して、前連結会計年度に新株発行の資金調達による収入76,774千円が発生しており、また、配当金の支払額が26,248千円増加したことが主な要因となっております。

 

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金の財源は、自己資金により賄っております。設備投資資金の財源は、増資、金融機関からの借入金、リース契約及び延払売買契約により調達しております。短期借入金につきましては、当連結会計年度中に借入契約を締結しており、当連結会計年度末における残高は14,700千円となっております。長期借入金につきましては、当連結会計年度中に全ての借入契約を完済しており、残高はございません。また、リース債務の残高は91,152千円(1年内返済予定のリース債務を含む)、固定負債のその他に含まれる長期未払金の残高は101,834千円(1年内返済予定の長期未払金含む)となっております。

 運転資金の使途は、主に店舗における商品仕入・人件費・諸経費の支払資金であります。

設備投資資金の使途は、主に新規出店に伴う店舗建物・設備・保証金・建築協力金であります。当連結会計年度において、オートバックス事業の一部店舗における店内改装、店内装備・ピット設備の取り替えと、飲食事業における新規出店に伴う設備投資を行っており、設備投資総額は303,259千円となっております。当社グループは、今後も持続的な成長に向け、営業活動から得られるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案のうえ、資金調達を行ってまいります。なお、当連結会計年度末において自己資金として現金及び預金を3,051,587千円保有しており、この先短期間で手元流動性に支障は生じないものと判断しております。

 

c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高経常利益率を重視しております。

 

売上高経常利益率の推移

指標

前連結会計年度
(2023年3月期)

当連結会計年度
(2024年3月期)

前連結会計年度比

売上高

10,795,636千円

11,216,804千円

3.9%増

経常利益

564,616千円

459,607千円

18.6%減

売上高経常利益率

5.2%

4.1%

1.1ポイント減

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績等を勘案し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表を作成するにあたって行った会計上の見積りのうち、当該会計上の見積りが翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクを有するものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

  当社グループでは、主に次に掲げる会計上の見積りが財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすものと考えております。

 

a. 固定資産の減損

  当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、店舗を基本単位としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
  減損の兆候、認識、測定において使用した営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの見込みや将来キャッシュ・フローは、翌期以降の損益計画に基づいて見積りを行っており、当該損益計画には来店者数・客単価・売上原価・人件費等の一定の仮定が含まれております。
  これらの見積り及び仮定には、不確実性が伴っており、市場環境の変化等によりその見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合には、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローや将来キャッシュ・フローが変動することにより、追加の減損損失の計上が必要となることがあります。

 

b. 繰延税金資産

  当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしております。評価性引当額の計上要否の評価にあたっては、将来の課税所得の慎重な検討を要しますが、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。また、同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後において実現できるものと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上いたします。
  将来の課税所得は、翌期以降の損益計画に基づいて見積りを行っており、当該損益計画には来店者数・客単価・売上原価・人件費等の一定の仮定が含まれております。
  これらの見積り及び仮定には、不確実性が伴っており、市場環境の変化等によりその見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合には、将来の課税所得が変動することにより、追加の繰延税金資産の調整額の計上が必要となることがあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  フランチャイズ契約

契約会社名

㈱バッファロー(当社)

相手先の名称

㈱オートバックスセブン(フランチャイザー)

契約概要

㈱オートバックスセブンが保有する商標の使用許諾並びに経営ノウハウ及び商材の提供。

契約期間

「オートバックス」フランチャイズ契約

 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年間の自動更新。

「スーパーオートバックス」フランチャイズ契約

 契約締結日から7年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年間の自動更新。

ロイヤリティ

毎月の売上高の一定料率

店舗数

オートバックス12店舗、スーパーオートバックス3店舗

 

契約会社名

㈱バッファローフードサービス(連結子会社)

相手先の名称

㈱焼肉ライク(フランチャイザー)

契約概要

㈱焼肉ライクが保有する商標の使用許諾及び経営ノウハウの提供。

契約期間

「焼肉ライク」フランチャイズ契約

 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、当社からの申出により更新可能。

ロイヤリティ

毎月の売上高の一定料率

店舗数

7店舗

 

契約会社名

㈱バッファローフードサービス(連結子会社)

相手先の名称

㈱ピソラ(フランチャイザー)

契約概要

㈱ピソラが保有する商標の使用許諾及び経営ノウハウの提供。

契約期間

「PISOLA」フランチャイズ契約

 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、5年間の自動更新。

ロイヤリティ

毎月の売上高の一定料率

店舗数

1店舗

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。