当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「接客こそ人間形成である」という人材育成の信念の下に、創業時より一貫して、接客販売を基本とした固定客づくりを実践してまいりました。今後も接客・接遇の質を高めていくことに継続して取り組み、接客販売を通して、お客様に最良の商品・技術・サービス・情報を提供してまいります。
また、企業の社会的責任を常に意識し、コンプライアンス及びリスク管理や安全管理への徹底を期すとともに、適切なディスクロージャーによる透明性の高い経営と積極的かつ健全な事業活動により、ステークホルダーの皆さまの信頼に応えてまいります。
(2)経営環境
① 企業構造
当社グループは、「オートバックス事業」及び「飲食事業」の2つのセグメントから構成されており、統一の経営方針のもと、各事業会社の独自性を尊重し事業運営を行うことを基本としております。
オートバックス事業は、㈱バッファローにおいて、㈱オートバックスセブンが運営する「オートバックス」のフランチャイジーとして、埼玉県南西部から東京都北部において15店舗を展開し、カー用品の小売販売等を行っております。事業エリアを集約していることから統一した事業運営が可能となっており、業績も良好に推移しております。
飲食事業は、連結子会社㈱バッファローフードサービスにおいて、㈱焼肉ライクが運営する「焼肉ライク」のフランチャイジーとして都市部の繁華街を中心に6店舗を展開し、個人のお客様をメインターゲットとした焼肉店を運営しております。また、新たにイタリアンレストラン「PISOLA」を運営する㈱ピソラとフランチャイズ契約を締結し、2024年4月に第1号店となる「PISOLA三郷店」をオープンいたしました。「PISOLA」店舗は当連結会計年度末時点で3店舗を展開しており、新たな客層の取り込みによる飲食事業の本格化を推し進めております。
② 市場環境及び顧客の動向
オートバックス事業が所属するカー用品市場は、自動車保有台数の減少、消費者の節約志向及び若年層の車離れ等により市場規模の縮小傾向が継続しており、また、ネット通販事業者をはじめとした異業種の参入により価格競争が激化している等、今後も厳しい市場環境が続くものと予想しております。しかし、その一方で、昨今の自動車産業は変革期を迎えており、自動運転・運転支援機能等の先進安全技術の普及に伴いカーアフター市場においても高度な整備技術が求められており、車両メンテナンスを中心とした事業機会がさらに高まるものと考えております。
飲食事業につきましては、慢性的な人手不足や激しい価格競争により、厳しい事業環境が続いております。また、ライフスタイルの多様化や少子高齢化等の社会的要因から食のニーズの多様化が今後も一段と進むことが予想されおり、当社グループでは焼肉のファストフード「焼肉ライク」とイタリアンレストラン「PISOLA」の展開により、お客様の多様なニーズに応えてまいります。
③ 競合他社の状況及び優位性
オートバックス事業が所属するカー用品市場は既に成熟しており、各店舗の商圏エリアには複数の競合店が存在しております。また、近年はネット通販業者の参入による影響も顕在化している状況にあります。特にタイヤに関しては、同業他社やネット通販業者との競合が年々激しさを増しております。
オートバックス事業においては、創業時から社員の接客販売を通して、多くのお客様から支持され信頼される店舗営業を志してまいりました。今後も接客・接遇への取り組みを継続して、顧客満足度の向上を図り固定客を増やしてまいります。また、「クイック・エコ・リペア」等のピットサービスメニューを他社に先駆けて開発導入した実績もあり、今後もピットサービスメニューを中心としたオリジナルメニューの開発を継続し、競争力の強化を図ってまいります。
飲食事業につきましても、近隣飲食店との競合は不可避となっております。焼肉ライクでは、「1人で行ける焼肉屋」として1人1台の無煙ロースターを配置し、お客様のお好みの部位・量・たれを選べる、自分だけのカスタム焼肉を提供することにより、新感覚の「焼肉ファストフード」をコンセプトに店舗を展開してまいります。イタリアンレストラン「PISOLA」は、「南国(島)のリゾートホテルのダイニング」を空間コンセプトに、食事をするだけではなく「大切なひとと記憶に残るひととき」をお過ごしいただける癒しの空間を創出し「今までのファミレスにはなかった価値」を提供してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
■中期経営計画の推進
当社グループは、2025年3月期から2029年3月期までの5ヶ年を対象とする中期経営計画を策定し、2024年5月9日に公表しております。
1.中期経営計画の背景と概要
昨今、自動車産業は100年に一度といわれる変革期を迎え、自動運転・運転支援機能など先進安全技術の開発、普及が進んでおり、国内のカーアフター市場においては、次世代自動車の整備技術への対応が必須となる一方、自動車整備士の減少による人手不足といった懸念事項も顕在化しつつあります。また同業他社やディーラー、ネット販売関連企業との競合はより一層激しさを増しており、少子高齢化による顧客構成の変化、顧客ニーズの多様化など、当社を取り巻く環境は今後も大きく、急速に変化するものと予想されます。
このような状況の中で当社は、チェン本部のエリア戦略と連携しつつ、更なる成長戦略を推進していくことを目的に2025年3月期を初年度とする5ヶ年計画「中期経営計画2024」を策定致しました。
2.「中期経営計画2024」の基本方針
「クルマのことならオートバックス」の実践を通じ、オートバックスFCチェーン屈指の接遇・接客力とピットサービスの技術力を土台とする地域ナンバーワン店となり、お客様に安全と安心を提供し続け、オートバックス事業の更なる業容拡大と発展を目指します。
また新たな企業価値を生み出すべく、外食チェーン店による飲食事業を本格化させ、オートバックス事業とともに確固たる経営の柱へと構築し、より厳しさを増し急速に変化し続ける経営環境を乗り越えるための経営基盤を、企業グループとして確立することにより、業績の向上と更なる企業成長を目指してまいります。
3.経営目標と目標達成のための重点施策
(1)経営目標(2029年3月期)
(百万円)
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指標 |
2024年3月期実績 |
2029年3月期目標 |
増減率 |
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売上高 |
11,216 |
16,300 |
45.3%増 |
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経常利益 |
459 |
1,000 |
117.6%増 |
(2)事業戦略
a.オートバックス事業
<商品戦略>
① ピットサービス
・「安心と信頼のオートバックス車検」による車検・整備の顧客数拡大
・当社オリジナル商品「クイック・エコリペア」等による板金・塗装サービスの顧客数拡大
・車の「美観」に関わる各種ピットサービスメニューの拡販
② タイヤ販売
・競合店及びネット販売に負けない「安さと豊富な品揃え」により、リアル店舗の魅力を最大限に生かす売場展開
・低価格帯商品の品揃えと販売強化
・Web予約システムやデジタル販促、タブレットの活用による接客販売等、販売効率の向上
③ 自動車(中古車・新車)販売
・買取査定システムの活用による買取査定件数向上
・車検見積り、12ヶ月点検時での買取査定推進
・安心と信頼に基づくブランド訴求
<マーケティング戦略>
① オートバックス・チェングループ内、接遇優秀法人としての強みを更に進化させ、リアル店舗の利便性、快適性を追求
② オートバックス会員アプリとLINEアプリの活用による販促施策の推進と会員数の拡大
<出店戦略>
前中期経営計画において未達となった出店計画を当中期経営計画に持ち越し、2029年3月期までに5店舗の出店を計画し、20店舗体制によるオートバックス事業の展開を目指す。
<人材戦略>
① 「フレンドリー」で「プロフェッショナル」な人材の育成
・オートバックスカスタマーボイス・プログラム等、接客・接遇に関する教育への継続的な取組みにより接遇力向上を社風化
・高度化する車検・整備に対する知識と技術を備えた専門スタッフの育成② 接遇を社風化するための従業員のモチベーション向上
② 接遇を社風化するための従業員のモチベーション向上
・働きがいのある、いきいきとした明るい職場への整備
③ 国内及び海外からの人材確保・新規出店およびピットサービス部門の更なる業容拡大に向けた優秀且つ安定的な人材の確保
b.飲食事業
当社は2019年に100%子会社「㈱バッファローフードサービス」を立ち上げ、飲食事業を新たな事業領域とし、㈱焼肉ライクのフランチャイジーとして『焼肉ライク』の店舗運営を開始し、外食店ビジネスに関するノウハウを高めてまいりました。またイタリアンレストラン『PISOLA』をフランチャイズチェーン展開する㈱ピソラ(本社:滋賀県草津市/代表取締役:鬼界友則)と新たにフランチャイズ契約を締結し、2024年4月4日、1号店となる『PISOLA三郷店』をオープンいたしました。飲食事業店舗は現在(2025年3月末時点)、『PISOLA』3店舗、『焼肉ライク』6店舗、合計9店舗となりましたが、新たな事業の柱を確立させるべく、今後も事業計画を推進してまいります。
4.資本コストや株価を意識した経営の実践
当社の資本収益性はROEが資本コストを下回る水準であるものの、平均的には5~6%で安定的に推移しております。一方の市場評価の面では、中期的に株価は上昇傾向にあるものの、PBRが1倍を下回る常況となっております。
当社は創業からオートバックス事業を営み、店舗の出店地域に根差した事業運営と独立採算を志向し、地域のお客様やお取引企業様を始めとする皆さまと共に歩みを進めてまいりました。今後もこの思いは変わることはありませんが、当社が持続的な成長を継続していくためには、オートバックス事業への取り組みにとどまらず、新たな事業を育成していくことも当社の課題であるものと考えており、当「中期経営計画2024」におきまして、成長投資として、オートバックス店舗の出店推進とともに、新たな事業の柱を構築すべく、イタリアンレストラン『PISOLA』出店による飲食事業の確立に取り組む方針です。
株主還元につきましては、安定配当の継続を基本方針としつつも、事業の成長に応じた還元を行ってまいりたいと考えており、オートバックス事業および飲食事業の今後の出店資金につきましては、先ずは内部留保資金を活用し、状況に応じて有利子負債等を有効活用してまいります。
■その他の対処すべき課題
内部統制につきましては、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、企業倫理の重要性を認識し、経営の健全性、経営の意思決定と業務執行の透明性・公正性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスの充実及び法令遵守の徹底に努めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の継続的向上を実現する指標として、売上高経常利益率を重視しております。同指標は、販売活動や財務活動の結果を内包しており、事業・経営の効率性を総合的に表すものと考えております。今後も、商品の価格競争に左右されない企業体質を維持し、安定した収益の確保を行い、コスト削減に努めるとともに、指標の推移を注視し経営にフィードバックさせてまいります。また、中長期的にROEや株主還元の水準向上を図る方針であり、「中期経営計画2024」の進捗を注視してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、サステナビリティに関する課題は、環境・社会・従業員・人権尊重・腐敗防止・ガバナンス・セキュリティ等と多岐に亘るものと考えており、自然環境や人間社会が長期に亘り良好に持続するために、社会全体での取り組みを要するものであり、今後、当社グループが持続的な成長を続けるための重要な課題であるものと考えております。
(1)ガバナンス
サステナビリティへの対応は、監督側と執行側とが一丸となって取り組んでまいります。
当社グループの持続可能性に関わる中長期的なサステナビリティ課題については、そのリスク・機会の分析と取り組みの企画立案は、ガバナンス委員会・経営企画室で行い、取締役会での議論を経て、執行役員・営業会議により推進してまいります。また、監査等委員会・内部監査室において運用状況のモニタリングを行い、サステナビリティ推進における諸課題を取締役会に報告し、PDCAサイクルによりグループ全体で継続して取り組んでまいります。
(2)戦略
現在、世界中で脱炭素に向けて電気自動車への移行が加速しており、今後は、今まで以上に電気自動車の整備需要が増加することが見込まれます。長年に亘り自動車整備に携わってきた当社グループとしては、このような事業環境の変化に柔軟に適応し、今後も車社会に貢献し続けるべく、自動車整備士資格の取得を奨励するなど、日々、整備技術の研鑽・向上に取り組んでおります。また、DX推進も当社グループの課題であり、デジタル技術による業務変革は持続的な成長に不可欠ものであります。オートバックス事業では「待ち時間予約システム」を導入し、スマホアプリからオイル交換やタイヤ交換等の作業を予約いただくことにより、店頭での待ち時間低減を図り、お客様の満足度向上や受付業務の効率化に寄与しております。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針としては、人材採用にあたって、新卒・中途採用をはじめ特定技能労働者や技能実習生の受け入れを積極的に行う等人材確保の多様化を進めております。また、店舗販売においては、より一層お客様に感動体験をもたらすスタッフとなれるよう接客・接遇を重視しており、女性社員を「接遇リーダー」として積極的に登用するなど人材育成に努めております。接客・接遇への取り組みに関しては、フランチャイズ本部主催の「オートバックス アワード」において、当社グループの加盟14店舗が「カスタマーエクスペリエンス大賞(店舗部門)」を6年連続で受賞・全国上位30店舗に14店舗が入賞しており、また、「カスタマーエクスペリエンス大賞(スタッフ部門)」に全国26名の受賞のうち、当社グループから8名が入賞するなど、その取組をゆるぎないものにしております。
社内環境整備に関する方針としては、働き方改革の取り組みとして店舗定休日制度を採用し、2025年4月からは週休3日制を店舗勤務社員向けに導入しており、よりワークライフバランス重視した働きやすい職場環境づくりを推進しております。また、2024年3月期に一般社員向けベースアップを、2025年4月からは管理職向けベースアップの実施を予定しており、労働環境の向上に努めております。
当社グループのオートバックス事業が加盟するオートバックスフランチャイズ本部では、サステナビリティ基本方針として「人とクルマと環境が調和する安全・安心でやさしい社会」の実現を推進しております。当社といたしましても、フランチャイジーとしてフランチャイズ本部と緊密に連携を図り、事業運営を行ってまいる所存であります。
(3)リスク管理
リスク管理は、主に取締役会において、取締役ら監督側は大局的な見地から、執行役員を含む業務執行側は日々の業務の中から、それぞれの観点からサステナビリティ課題のリスクと機会に関する議題提起を行い、影響度・発生可能性・投資効果などを踏まえ優先順位の高いものについて議論を行い、対応策を事業計画に統合して実行してまいります。また、リスクについては、リスクマネジメントプロセス(1.リスクの特定、2.リスク評価、3.対応策の検討、4.リスクの低減とモニタリング)に則り、リスクを全社的に横断統括して管理することとしております。
(4)指標及び目標
人的資本に関する当社グループの課題は、労働者の男女の賃金の差異(
オートバックス事業においては、自動車用品販売・整備業という事業特性から、従業員に占める女性の比率が低く、かつ、課長級以上の役職者が不在であることが男女の賃金の差異の主な要因であり、持続的な成長に向け、新卒・中途を問わず女性の採用を積極的に行い、人材育成に努め、課長級への登用を進めることが課題であるものと認識しており、次の指標を目標値として定め推進してまいります。なお、本指標につきましては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、一般事業主行動計画として策定し、計画期間を2020年4月1日から2025年3月31日までと定めて取り組みを進めてまいりました。
①女性正社員の採用人数
求人募集において女性の応募者が少ないため、正社員に占める女性割合が低いことから、女性正社員の採用人数を20%増加する施策を推進する。
②女性の平均勤続年数
女性の勤続年数が短く、その結果として女性役職者が少ないことから、女性の平均勤続年数を1年延ばす施策を講じる。
<オートバックス事業> ㈱バッファロー
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指標 |
基準年度 |
目標年度 |
目標値 |
実績 (2025年3月期) |
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2020年3月期 |
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2020年3月期 |
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飲食事業においては、男性を中心に店長職が構成されております。持続的な成長に向けて、新卒・中途を問わず女性の採用を積極的に行い、人材育成に努めて店長職への登用を推進してまいります。この点を踏まえて、次の指標に目標値を定め行動してまいりました。
女性正社員の採用人数
求人募集において女性の応募者が少ないため、正社員に占める女性割合が低いことから、女性正社員の採用人数について2025年3月期を目途に20%増加する施策を推進する。
<飲食事業> ㈱バッファローフードサービス
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指標 |
基準年度 |
目標年度 |
目標値 |
実績 (2025年3月期) |
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2023年3月期 |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)競合等について (発生可能性:高 影響度:高)
当社グループが属するカー用品市場及び外食市場は、既に成熟しており、商圏エリアには多数の競合店が存在しております。当社グループの事業競争力が相対的に低下した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、接客・接遇への取り組みにより顧客満足度の向上を図り固定客の増加に努めてまいります。また、オートバックス事業においては、オリジナルのピット・サービスメニューを展開すること等により、競争力の強化を図ってまいります。飲食事業においては、焼肉のファストフード「焼肉ライク」とイタリアンレストラン「PISOLA」の展開により、お客様の多様なニーズに応えてまいります。
(2)フランチャイズチェン契約の出店計画への影響について (発生可能性:低 影響度:高)
当社グループは、フランチャイズ本部(フランチャイザー)とのフランチャイズ契約のもとで店舗を展開し事業を行っております。フランチャイズ契約においては、新規出店の際にフランチャイズ本部の許諾を得る旨が定められており、立地環境、地域特性及び採算性等を勘案し、出店の可否決定がなされます。フランチャイズ本部サイドの可否決定により、計画どおりの出店ができない場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性が有ります。
通常、出店案件の開発や企画につきましては、フランチャイズ本部サイドと連携し共同作業にて進めており、今後も、緊密に連携を図りつつ、出店計画の立案を積極的に行い、出店による事業領域の拡大を進めてまいります。
(3)出店に関する規制等について (発生可能性:低 影響度:高)
今後のオートバックス事業の運営に当たり、新規出店等に際して、「大規模小売店舗立地法」(以下、「大店立地法」という)の規制対象になる可能性があります。大店立地法は、売場面積1,000㎡超の店舗を新規出店する場合及び増床により売場面積が1,000㎡超の店舗になる場合に、騒音、交通渋滞、ゴミ処理問題等、出店近隣住民に対し生活環境を守る立場から都道府県又は政令指定都市が一定の審査・規制を行う目的で施行されたものであります。また、「大店立地法」と同時に成立した「改正都市計画法」において、地方自治体の裁量で出店規制地域が設定される等、今後の新規出店及び増床について法的規制が存在しており、法的規制等により計画どおりの出店ができない場合には、今後の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
現時点において、上記の法的規制を受けている店舗はありませんが、当社グループとしては、出店計画段階から地域住民、自治体との調整を図りながら出店していく方針であります。
(4)天候による影響について (発生可能性:中 影響度:中)
オートバックス事業において取り扱う商品のうち、スタッドレスタイヤ・タイヤチェーン等の冬季カー用品については、冬季の天候により販売量が大きく左右されることがあります。暖冬となれば販売量が減少し、降雪状況により特需が生じることがあります。
当社グループでは、天候に大きく左右されない安定した収益を確保するための取り組みの一環として、中期経営計画の課題に車検・整備、板金・塗装等の比較的季節変動の影響を受けにくいメンテナンス分野を対象とするピット・サービスの業容拡大を掲げ推進しております。また、自動車保険サービス(代理店業務)の取扱いにも注力しており、今後も様々なサービス提供により収益の拡大と安定化に努めてまいります。
(5)法令遵守・訴訟リスク (発生可能性:低 影響度:高)
役員及びグループ従業員の故意又は過失による法令に違反する行為が発生した場合、当社グループの業績に影響を与えるような損害賠償を求められる事案が発生する可能性があります。また、当社グループの保有する顧客情報は、その取り扱いについては十分注意を払っておりますが、不正行為などにより顧客情報が外部に漏洩した場合、社会的信用が失墜し、当社グループの業績に影響を与える場合があります。
当社グループでは、社会的責任と公共的使命を全うするために「㈱バッファロー コンプライアンスコード」、「内部通報規程」及び「個人情報保護規程」等を制定し、役員を含むグループ従業員の遵法意識向上を図っております。
(6)災害リスク (発生可能性:中 影響度:中)
当社グループが店舗を展開する地域において、火災、地震、台風その他の災害が発生し、当該店舗が損傷又は役職員の死亡・負傷による欠員があった場合、売上高の減少又は原状復帰や人員の補充にかかる費用によって、当社グループの業績に影響を与える場合があります。
なお、当社グループは、災害による不測の事態に備えるため、緊急時の対応に関する経営危機対策規程を整備するとともに、避難・消防用設備の維持管理をはじめ、消防に関する計画・訓練を日々の業務に落とし込むなど、社内コンプライアンス体制を構築し、リスクの低減に努めております。
(7)店舗営業 (発生可能性:低 影響度:高)
当社グループの店舗運営において、廃棄物の処理、有害物の取り扱い、ピット作業における事故発生、顧客の個人情報に関する取扱い、店舗敷地内でのその他の事故の発生、食品衛生管理等におけるリスクがあります。これらは直接的、もしくは顧客の店舗に対する心証悪化に伴う客数減少等によって、間接的に当社グループの業績に影響を与える場合があります。
フランチャイズチェン本部より、当該リスクを防止するために、事例情報による注意喚起や指導が随時行われている他、各種法令及び社内ルールの遵守・徹底に努め、リスク顕在化の低減を図っております。
(8)人材確保 (発生可能性:高 影響度:中)
当社グループの属する小売・外食業界は、少子高齢化等の要因により採用難・人手不足の傾向が強まっております。今後の業界全体における労働需給の変化により人材確保に係る各種コストが上昇し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業が継続して成長していくためには、人材の確保と育成が不可欠であると考えており、人材の採用にあたっては、新卒・中途採用をはじめ、外国人技能実習生の雇用を行うなど、採用活動の多様化を図り、優秀な人材の確保に取組むとともに、人材の育成については、社内及び社外の研修へ積極的に参加し、商品知識・接客技術・専門技術の習得を行っております。また、働き方改革の一環として、店舗定休日制度を採用し、2025年4月からは週休3日制を店舗勤務社員向けに導入しており、よりワークライフバランス重視した働きやすい職場環境づくりを推進しております。また、2024年3月期に一般社員向けのベースアップを、2025年4月からは管理職向けのベースアップを実施を予定しており、労働環境の向上・人材の定着化を図り、全従業員が安心して働くことができる職場環境の整備に努めております。
(9)大規模な感染症の流行 (発生可能性:中 影響度:中)
未知のウイルス等による大規模な感染症の流行により、社会・経済活動が制限され事業運営が困難となるなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、大規模な感染症が流行した場合に備え、緊急時の対応に関する経営危機対策規程を整備しており、政府・自治体の対応を早期に把握し、店舗での感染症対策を迅速に行うこととしております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出産業を中心とした好調な企業業績と訪日外国人の増加による旺盛なインバウンド消費を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で国内個人消費につきましては、雇用・所得環境の改善による持ち直しが一部で見られたものの、円安の進行による生活必需品の価格上昇が購買力を押し下げる形となり、本格的な消費拡大には至っていない状況にあります。また、米国の関税政策が世界貿易に及ぼす影響に対する懸念から株式市場・為替市場の動向は不安定なものとなっており、今後の経済情勢は不透明感を高めております。
このような環境の中、当社グループにおきましては、2024年5月9日に公表いたしました「中期経営計画2024」のもと、厳しさを増し急速に変化し続ける経営環境を乗り越えるための経営基盤の確立と更なる企業成長を目指すとともに、生活インフラである車関連事業及び外食事業を通じ地域社会に寄与すべく営業活動を行ってまいりました。
当社グループのセグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<オートバックス事業>
当連結会計年度末におけるオートバックス事業の店舗数は、15店舗であります。当連結会計年度中における店舗の新設及び廃止はございません。
オートバックス事業が属する国内カー用品市場の環境につきましては、新車販売台数が前年同期の水準を上回るなど底堅く推移しました。長期連休となった年末年始をはじめ自動車での外出需要が増加したことにより、タイヤ・オイル・バッテリーを中心に消耗品の販売が伸長しております。
このような環境の中で当社グループは、「クルマのことならオートバックス」の実践を通じ、お客様に安全と安心を提供し続けるべく、顧客満足度向上のための接遇・接客力の強化、技術力を備えた専門スタッフの育成に取り組んでおります。販売施策といたしましては、「安心と信頼のオートバックス車検」による車検・整備の顧客数拡大を図るとともに、中期的な重点分野と位置付けるボディコーティングやヘッドライトコーティングメニュー等、車の「美観」に関わるピットサービスメニューの業容拡大を推し進めてまいりました。タイヤ販売につきましては、競合店及びネット販売に負けない「安さと豊富な品揃え」により、リアル店舗の魅力を最大限に生かす売場展開と、低価格帯商品の品揃えと販売強化に注力した結果、販売数量・金額実績とも前年同期比で上回ることとなりました。またオイル・バッテリー部門も、Web予約システムによるオイル交換の即日作業予約などにより受け入れ態勢の強化が進み、オイル・バッテリーとも売上が増加しました。一方、車販売部門につきましては、個人向け販売が増加したものの、オークション市場における売上台数が前年同期を下回り、減収となりました。
これらの取り組みにより、オートバックス事業の売上高は11,037,083千円(前年同期比4.4%増)となりました。
なお、当社が加盟するFCのチェン本部である㈱オートバックスセブンにおいて、オートバックスフランチャイズチェンパッケージ等の変更が行われ、2024年4月1日からFCチェン本部からFC加盟店舗への卸売価格を引き下げるとともに、小売に付随するロイヤリティ料率の引き上げが行われております。本変更により、当連結会計年度において、売上原価の減少にともなう売上総利益と、ロイヤリティ料率引き上げにより販売費及び一般管理費が、従来の水準から増加しております。
<飲食事業>
飲食事業が属する外食業界は、インバウンド需要等を取り込みつつ景況は改善傾向にあるものの、米価格をはじめとした原材料費の高騰から価格改定などの対応を要する状況にあり、また、慢性化する人手不足問題への対応も重要な課題となっております。
当社グループは、子会社である「㈱バッファローフードサービス」において、焼肉ライクのフランチャイジーとして運営を行ってきた『焼肉ライク』とともに、イタリアンレストラン『PISOLA』をチェン展開する㈱ピソラと新たにフランチャイズ契約を締結し、2024年4月4日に1号店となる「PISOLA三郷店」、2024年9月1日に「PISOLA成田店」、2025年2月1日に「PISOLA横須賀三春店」をオープンいたしました。これにより当連結会計年度末における飲食事業の店舗数は、『PISOLA』3店舗、『焼肉ライク』6店舗の計9店舗となりました。
『PISOLA』は、「南国(島)のリゾートホテルのダイニング」を空間コンセプトに、食事をするだけではなく「大切なひとと記憶に残るひととき」をお過ごしいただける癒しの空間を創出し「今までのファミレスにはなかった価値」の提供を志向しており、「焼肉のファストフード」をコンセプトとして展開している『焼肉ライク』とともに、新たな客層の獲得に取り組んでまいる所存であります。
当社グループといたしましては、新たに営業を開始した『PISOLA』業態店舗の周辺地域への認知度向上を図るとともに、既存店舗につきましては、特定技能外国人の受け入れをはじめとした効率的な人員の配置、食材管理の徹底によるロスの削減等により、収益体質の改善を推し進めてまいります。
これらの取り組みにより、飲食事業の売上高は1,148,571千円(前年同期比77.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は5,671,121千円となり、前連結会計年度末に比べ260,468千円(前連結会計年度末比4.8%)増加しました。これは主に流動資産のその他に含まれる未収入金の減少62,942千円に対して、現金及び預金が331,117千円増加したことによるものであります。固定資産は3,437,431千円となり、前連結会計年度末に比べ354,833千円(同11.5%)増加しました。これは主に繰延税金資産の減少18,576千円に対して、有形固定資産が366,736千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は9,108,552千円となり、前連結会計年度末に比べ615,301千円(同7.2%)増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,771,337千円となり、前連結会計年度末に比べ153,180千円(前連結会計年度末比9.5%)増加しました。これは主に買掛金96,122千円及び流動負債のその他に含まれる未払金75,740千円の減少に対して、短期借入金264,710千円及び1年内返済予定の長期借入金69,588千円が増加したことによるものであります。固定負債は1,139,828千円となり、前連結会計年度末に比べ258,945千円(同29.4%)増加しました。これは主に、長期借入金が240,150千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,911,165千円となり、前連結会計年度末に比べ412,125千円(同16.5%)増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,197,387千円となり、前連結会計年度末に比べ203,176千円(前連結会計年度末比3.4%)増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益343,880千円の計上と配当金の支払い140,605千円の結果、利益剰余金が203,274千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は68.0%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,185,655千円(前年同期比8.6%増)、営業利益512,737千円(同24.1%増)、経常利益544,420千円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益343,880千円(同199.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ331,617千円増加し、3,278,804千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、595,601千円となりました。これは主に、法人税等の支払額186,265千円及び仕入債務の減少96,122千円に対して、税金等調整前当期純利益の計上544,420千円及び減価償却費の計上172,267千円等があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、657,412千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入204,800千円に対して、有形固定資産の取得による支出619,183千円及び定期預金の預入による支出204,000千円等があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、393,428千円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出545,300千円及び配当金の支払額140,605千円に対して、短期借入れによる収入810,010千円、長期借入れによる収入348,000千円があったためであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
76.6 |
73.2 |
72.8 |
70.6 |
68.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
39.5 |
30.6 |
31.7 |
37.6 |
33.5 |
|
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) |
0.2 |
0.2 |
0.4 |
0.4 |
1.3 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
458.9 |
98.7 |
61.9 |
56.4 |
45.2 |
自己資本比率:株主資本/総資産
時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
4.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しております。
③仕入及び販売の実績
当連結会計年度の仕入及び販売の実績は次のとおりであります。
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
対前期 増減率 (△は減少) (%) |
||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
||
|
オートバックス事業 |
5,543,890 |
95.5 |
5,426,517 |
92.9 |
△2.1 |
|
飲食事業 |
260,126 |
4.5 |
413,127 |
7.1 |
58.8 |
|
合計 |
5,804,016 |
100.0 |
5,839,644 |
100.0 |
0.6 |
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメント |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
対前期 増減率 (△は減少) (%) |
||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
||
|
オートバックス事業 |
10,567,740 |
94.2 |
11,037,083 |
90.6 |
4.4 |
|
飲食事業 |
649,063 |
5.8 |
1,148,571 |
9.4 |
77.0 |
|
合計 |
11,216,804 |
100.0 |
12,185,655 |
100.0 |
8.6 |
c. 品目別販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
対前期 増減率 (△は減少) (%) |
||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
||
|
ピット・サービス工賃 |
3,274,912 |
29.2 |
3,454,514 |
28.3 |
5.5 |
|
タイヤ・ホイール |
2,636,611 |
23.5 |
2,937,776 |
24.1 |
11.4 |
|
アクセサリー・メンテナンス用品 |
1,725,079 |
15.4 |
1,756,240 |
14.4 |
1.8 |
|
飲食 |
649,063 |
5.8 |
1,148,571 |
9.4 |
77.0 |
|
オイル・バッテリー |
1,044,461 |
9.3 |
1,131,274 |
9.3 |
8.3 |
|
カーエレクトロニクス |
907,485 |
8.1 |
851,008 |
7.0 |
△6.2 |
|
車販売 |
912,340 |
8.1 |
845,781 |
6.9 |
△7.3 |
|
その他 |
66,849 |
0.6 |
60,488 |
0.5 |
△9.5 |
|
合計 |
11,216,804 |
100.0 |
12,185,655 |
100.0 |
8.6 |
(注)各品目の主な内容は、次のとおりであります。
|
品目 |
主な内容 |
|
ピット・サービス工賃 |
オイル交換、タイヤ交換、各種用品取付、板金・塗装、車検・整備、ボディーコーティング、ヘッドライトコーティング、車内クリーニング |
|
タイヤ・ホイール |
夏用タイヤ、冬用タイヤ、アルミ・スチールホイール |
|
アクセサリー・メンテナンス用品 |
チャイルドシート、キャリア、チェーン、車内アクセサリー、ドレスアップ用品(ステアリング、シート、ランプ等)、チューンナップ用品(エアロパーツ、マフラー、サスペンション等) |
|
飲食 |
店舗における飲食サービス |
|
オイル・バッテリー |
国産・輸入エンジンオイル、国産車用・外車用バッテリー |
|
カーエレクトロニクス |
カーナビゲーション、カーTV、ドライブレコーダー、DVD・CDプレーヤー、スピーカー、アンプ、ETC車載器、接続具等 |
|
車販売 |
新車及び中古自動車 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
|
当連結会計年度のポイント <オートバックス事業> ・ Webによるピットサービスの予約システムやオートバックスの公式アプリからの作業予約の利便性が向上したこと等により、来店客数が前年同期比1.0%増。各種メンテナンス需要の取り込み強化により、車検・整備等のピットサービスをはじめ、タイヤ、オイル、バッテリー等の販売が堅調に推移した。 ・ タイヤ販売については、オートバックスグループのプライベートブランドタイヤを中心に低価格帯商品の品揃えの充実化や、各種セール企画やイベントを開催するなど販促活動を強化して拡販に努めた結果、売上高は前年同期比12.0%増と高伸張。一方、カーナビ、ドライブレコーダーを主力とするカーエレクトロニクス部門は、前年同期比6.2%減と、依然減少の傾向。 ・ ピットサービスは前年同期比5.5%増。タイヤ・ホール工賃が前年比8.6%増となった他、車検整備(同10.3%増)、板金塗装(同4.7%増)等が前年を上回った。また、リフレッシュ工賃(同11.9%増)も、ボディコーティングを中心とする車の美観向上に関するピットサービスメニューが順調に売上を伸ばした。 ・ 車販売は、個人向け販売が好調に推移する一方、買取オークション販売の台数が伸びなかったことにより売上高は前年を下回る水準(前年同期比7.3%減)となった。 ・ FCチェン本部である㈱オートバックスセブンは、FC加盟店舗とFCチェン本部が共に小売をより一層重視する経営を目指すべく、2024年4月よりFC加盟店舗への卸売価格を引き下げると共に、小売に付随するロイヤリティ料率を引き上げる内容のFCチェンパッケージの変更を実施。当社としては、売上原価の減少に伴う売上総利益と、ロイヤリティ料率引き上げによる販売費及び一般管理費が、従来の水準と比べ増加しているが、これによる営業利益の変動は僅少。
<飲食事業> ・ 円安や観光需要の回復により、訪日外国人観光客<インバウンド>の増加が見られ、外食業界の売上や客数の増加に寄与する一方、円安による物価高やエネルギー価格、物流コストの上昇、人件費高騰に加え、米不足等もマイナスインパクトとなっている。原材料費や光熱費の高騰により、多くの飲食店が価格改定を実施。またコロナ禍で潜在化していた人手不足問題が再び浮上、深刻化しており、小・零細規模の事業者を中心に飲食業倒産数が増加している。 ・ 『焼肉ライク』 は、前期末(7店舗)から1店舗退店し、6店舗にて運営。売上高が減少ながら利益面が改善。新規業態としてイタリアンレストラン 『PISOLA』 にフランチャイズ加盟し、当連結会計年度にて3店舗を新規出店。結果、飲食事業のセグメント売上高は前年同期比77.0%増と大幅に増加した。 ・ 『焼肉ライク』においては、店舗オペレーションの見直し、コスト低減に努め、営業赤字が大幅に減少。『PISOLA』は、各店、売上・客数ともに順調なスタートとなる一方、新規出店に伴う初期費用の計上等により、飲食事業全体の営業損失額は前年同期に対し、7百万円増加した。
|
a. 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、9,108,552千円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。資産合計の増減の主な内訳は、次のとおりであります。
・ 現金及び預金は、営業活動による資金獲得及び金融機関からの借入れ等により、前連結会計年度末と比較し331,117千円増加し3,382,704千円となりました。
・ 流動資産のその他に含まれる未収入金が62,942千円減少しております。これはオートバックス事業において、前連結会計年度末に在庫商品に対しての値引リベートが計上されていたことが主な要因となっております。
・ 固定資産は354,833千円の増加となりました。当連結会計年度の設備投資総額は589,549千円であり、飲食事業における新規出店等により前連結会計年度から286,290千円増加しております。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は、2,911,165千円(前連結会計年度比16.5%増)となりました。負債合計の増減の主な内訳は、次のとおりであります。
・ 買掛金が96,122千円減少となりました。これはオートバックス事業において、チェン本部である㈱オートバックスセブンとのフランチャイズチェンパッケージ等の変更により、FC加盟店舗への卸売価格の引き下げが行われたことが主な要因となっております。
・ 流動負債のその他に含まれる未払金が75,740千円減少しております。これは前連結会計年度末において、飲食事業の新規出店に関連した未払費用が計上されていたことによるものであります。
・ 当連結会計年度中において、当社グループの所要資金として金融機関より借入金の調達を行っております。借入金の調達及び返済の結果、短期借入金264,710千円、1年内返済予定の長期借入金69,588千円及び長期借入金240,150千円が増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、6,197,387千円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。純資産の増減の主な内訳は、次のとおりであります。
・ 親会社株主に帰属する当期純利益343,880千円を計上しました。
・ 当連結会計年度における配当金の支払額は140,605千円(第42期期末配当70,302千円、第43期中間配当70,302千円)となっております。
b. 経営成績
(売上高)
オートバックス事業の売上高は11,037,083千円(前年同期比4.4%増)の増収となりました。各品目における売上高の増減要因は次のとおりであります。
ピット・サービス工賃部門の売上高は、3,454,514千円(前年同期比5.5%増)の増収となりました。消費者の保有車買い替えサイクルの長期化に伴い、車検・整備件数及び車の美観に関するサービスメニューを主な商材とするリフレッシュ工賃の販売が伸長しており、また、タイヤの販売好調によりタイヤ・ホイール工賃も前年同期から増加することとなりました。
タイヤ・ホイール部門の売上高は、2,937,776千円(前年同期比11.4%増)となりました。メーカー各社の出荷価格改定を受けての値上げを実施することとなりましたが、自動車による外出機会の増加を背景とした底堅い需要から販売数量は前年水準を上回り、増収となりました。
アクセサリー・メンテナンス用品部門の売上高は、1,756,240千円(前年同期比1.8%増)となりました。販売増加の主な内訳は、ワイパー、芳香・消臭剤等となっております。
オイル・バッテリー部門の売上高は1,131,274千円(前年同期比8.3%増)となりました。Web予約システムの認知度向上とオイル交換作業の受け入れ態勢強化により取扱件数は引き続き増加基調で推移しており、また、販売単価の向上も増収に寄与することとなりました。
カーエレクトロニクス部門の売上高は、851,008千円(前年同期比6.2%減)となりました。主要な商材のであるカーナビゲーションは、新車における標準装備化・携帯端末による機能代替が進んでおり、市場規模の縮小が続いております。
車販売部門の売上高は845,781千円(前年同期比7.3%減)となりました。中古車の買取件数が伸び悩んだことでオークション市場における販売台数が減少し、結果、減収となりました。
オートバックス事業の来店客数につきましては、外出需要の回復傾向が持続し前連結会計年度から1.0%の増加となりました。
飲食事業は、当連結会計年度よりイタリアンレストラン『PISOLA』の運営を新たに開始しました。『PISOLA』は、2024年4月にオープンした「PISOLA三郷店」を1号店として当連結会計年度末までに3店舗を展開しており、「食事に留まらない癒しの空間」を訴求力として新たな客層の獲得を目指し、周辺地域への認知度アップとサービスの質的向上に注力しております。既存店舗となります『焼肉ライク』につきましては、原材料費と人件費の高騰に対応しての価格改定を反映し販売単価が上昇しましたが、消費者の節約志向が強まりにから来店客数への影響が懸念材料となっております。
当連結会計年度の業績につきましては、店舗数の増加を反映し売上高1,148,571千円(前年同期比77.0%増)の大幅な増収となり、また客数につきましても、前連結会計年度の実績を上回ることとなりました。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度より71,769千円減少し5,818,505千円となりました。当連結会計年度は飲食事業における店舗数の増加等を背景に売上高が増加しましたが、オートバックス事業においてチェン本部である㈱オートバックスセブンのFC加盟店舗への卸売価格が引き下げられた影響により、売上原価は前連結会計年度の水準を下回ることとなりました。これにより、売上総利益は前連結会計年度より1,040,619千円増加し6,367,149千円となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より941,062千円増加し5,854,412千円となりました。オートバックス事業において、チェン本部である㈱オートバックスセブンとのロイヤリティ料率が引き上げられた結果、支払ロイヤリティが増加しました。また、飲食事業における店舗数の増加と、慢性的な人手不足による賃金水準及び採用コストの上昇等により人件費が増加しております。これにより営業利益は、前連結会計年度より99,556千円増加し512,737千円となりました。
(営業外収益及び営業外費用並びに経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度より882千円減少し58,716千円となりました。営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金10,014千円、受取手数料8,374千円及び受取協賛金等7,902千円等であります。営業外費用は、前連結会計年度より13,862千円増加し27,033千円となりました。営業外費用の主な内訳は、支払利息12,531千円、貸倒引当金繰入額5,866千円及び固定資産除却損5,974千円等であります。これにより経常利益は、前連結会計年度より84,812千円増加し544,420千円となりました。
(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益及び特別損失はございません。税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より288,069千円増加し544,420千円となりました。
(法人税等合計及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の税効果会計適用後の法人税等合計は前連結会計年度と比較し59,176千円増加し200,539千円となりました。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より228,892千円増加し343,880千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a. キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、595,601千円の収入となり、前連結会計年度に比べ51,724千円資金収入が増加しました。増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上額の増加288,069千円、売上債権の増減額の減少54,391千円であり、減少の主な要因は前連結会計年度における減損損失の計上203,256千円、仕入債務の増減額の減少114,863千円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、657,412千円の支出となり、前連結会計年度に比べ526,174千円資金支出が増加しました。主な要因は、飲食事業における新規出店等により有形固定資産の取得による支出が476,521千円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、393,428千円の収入となり、前連結会計年度に比べ531,457千円資金収入が増加しました。増加の主な要因は、金融機関からの借入金の調達によるものであり、借入金の調達及び返済の結果、短期借入金の返済による支出が530,600千円、長期借入金の返済による支出が30,142千円増加する一方で、短期借入れによる収入780,610千円、長期借入れによる収入348,000千円が増加しております。また、配当金の支払額は、23,434千円増加し140,605千円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金の財源は、自己資金により賄っております。設備投資資金の財源は、増資、金融機関からの借入金、リース契約及び延払売買契約により調達しております。当連結会計年度末における借入金の残高は、短期借入金279,410千円、1年内返済予定の長期借入金69,588千円及び長期借入金240,150千円となりました。また、リース債務の残高は86,492千円(1年内返済予定のリース債務を含む)、固定負債のその他に含まれる長期未払金の残高は85,334千円(1年内返済予定の長期未払金含む)となっております。
運転資金の使途は、主に店舗における商品仕入・人件費・諸経費の支払資金であります。
設備投資資金の使途は、主に新規出店に伴う店舗建物・設備・保証金・建築協力金であります。当連結会計年度において、オートバックス事業の一部店舗における店内改装、店内装備・ピット設備の取り替えと、飲食事業における新規出店に伴う設備投資を行っており、設備投資総額は589,549千円となっております。当社グループは、今後も持続的な成長に向け、営業活動から得られるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や調達コストを勘案のうえ、資金調達を行ってまいります。なお、当連結会計年度末において自己資金として現金及び預金を3,382,704千円保有しており、この先短期間で手元流動性に支障は生じないものと判断しております。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高経常利益率を重視しております。
売上高経常利益率の推移
|
指標 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度比 |
|
売上高 |
11,216,804千円 |
12,185,655千円 |
8.6%増 |
|
経常利益 |
459,607千円 |
544,420千円 |
18.5%増 |
|
売上高経常利益率 |
4.1% |
4.5% |
0.4ポイント増 |
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績等を勘案し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表を作成するにあたって行った会計上の見積りのうち、当該会計上の見積りが翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクを有するものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループでは、主に次に掲げる会計上の見積りが財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすものと考えております。
a. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、店舗を基本単位としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
減損の兆候、認識、測定において使用した営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの見込みや将来キャッシュ・フローは、翌期以降の損益計画に基づいて見積りを行っており、当該損益計画には売上高、粗利率、経費等に一定の仮定が含まれております。
これらの見積り及び仮定には、不確実性が伴っており、市場環境の変化等によりその見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合には、営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローや将来キャッシュ・フローが変動することにより、追加の減損損失の計上が必要となることがあります。
b. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしております。評価性引当額の計上要否の評価にあたっては、将来の課税所得の慎重な検討を要しますが、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。また、同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後において実現できるものと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上いたします。
将来の課税所得は、翌期以降の損益計画に基づいて見積りを行っており、当該損益計画には売上高、粗利率、経費等に一定の仮定が含まれております。
これらの見積り及び仮定には、不確実性が伴っており、市場環境の変化等によりその見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合には、将来の課税所得が変動することにより、追加の繰延税金資産の調整額の計上が必要となることがあります。
フランチャイズ契約
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契約会社名 |
㈱バッファロー(当社) |
|
相手先の名称 |
㈱オートバックスセブン(フランチャイザー) |
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契約概要 |
㈱オートバックスセブンが保有する商標の使用許諾並びに経営ノウハウ及び商材の提供。 |
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契約期間 |
「オートバックス」フランチャイズ契約 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年間の自動更新。 「スーパーオートバックス」フランチャイズ契約 契約締結日から7年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、3年間の自動更新。 |
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ロイヤリティ |
毎月の売上高の一定料率 |
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店舗数 |
オートバックス12店舗、スーパーオートバックス3店舗 |
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契約会社名 |
㈱バッファローフードサービス(連結子会社) |
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相手先の名称 |
㈱焼肉ライク(フランチャイザー) |
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契約概要 |
㈱焼肉ライクが保有する商標の使用許諾及び経営ノウハウの提供。 |
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契約期間 |
「焼肉ライク」フランチャイズ契約 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、当社からの申出により更新可能。 |
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ロイヤリティ |
毎月の売上高の一定料率 |
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店舗数 |
6店舗 |
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契約会社名 |
㈱バッファローフードサービス(連結子会社) |
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相手先の名称 |
㈱ピソラ(フランチャイザー) |
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契約概要 |
㈱ピソラが保有する商標の使用許諾及び経営ノウハウの提供。 |
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契約期間 |
「PISOLA」フランチャイズ契約 契約締結日から5年間。ただし期間満了6ヶ月前までに、一方当事者の解約申出のない時は、5年間の自動更新。 |
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ロイヤリティ |
毎月の売上高の一定料率 |
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店舗数 |
3店舗 |
該当事項はありません。