第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営の基本方針

当社グループは、「SHⅠP」(incere(誠実な心)、umanity(「情」の心)、nnovation(革新者の気概)、artnerSHIP(パートナーシップ精神))の経営理念のもと“生命を守る人の環境づくり”をグループミッションとして、医療・保健・介護・福祉を事業ドメインと定め、医療機関のインフラを一括してエンジニアリングする「トータルパックプロデュース」による病院づくりを中心に、医療消耗品の販売、老人ホーム等の介護施設・調剤薬局の運営等、グループ全体でヘルスケア事業領域におけるあらゆるニーズを一括してソリューションいたします。

 

(2)経営環境

新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界規模で社会的・経済的に危機的状況に至り、我が国においても感染拡大の阻止とそれに伴う医療崩壊を回避するために緊急事態宣言が発布されました。当社グループの属する医療業界におきましては、同感染症患者への対策に向けた社会的要請に応えるため、人員の確保及び感染症対策の徹底や新たな設備投資が同時に求められる等、医療機関の経営状況は厳しさを増しており、外来患者の受診控えや手術症例の一時的減少、感染患者治療を優先するための一時的入院制限等の影響もあり、特に病院の経営悪化が社会問題化しつつあります。このため、感染症対策用の医療設備・機器・診療材料等の国の施策に後押しされた特需がある一方で、医療機器の買い控えや手術関連診療材料等の一時的需要減少、外来患者の一時的減少による処方箋応需枚数の減少等の影響が出ることが懸念される経営環境となっております。また、ミャンマー国においてミャンマー軍による非常事態が宣言されているため、状況を注視しております。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループは創業以来、一貫して事業拡大を行っておりますが、グループ売上高1兆円の企業集団を目指して取り組んでまいります。今後とも海外への展開を含めた成長路線をベースとして資産の効率的活用、有利子負債と資産のバランス・財務基盤の強化を図り今後さらにキャッシュ・フロー重視の経営に取り組んでまいります。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略

① トータルパックプロデュース事業

当社グループといたしましては、医療機関全体をコーディネートするヘルスケアエンジニアリングとこれを可能にするコンサルテーションを、どこにも負けない当社唯一のビジネスモデルとしてさらに進化させ、新規プロジェクトの拡大及びグループ間のシナジーを先導するとともに、ストックビジネスの開拓も図ってまいります。

また、商社系・メーカー系が連動した戦略的海外展開を図ってまいります。

② メディカルサプライ事業

当社グループといたしましては、医師との信頼関係・人脈を構築することに加えて付加価値を高めるとともに、資本提携を進めてまいります。

③ ライフケア事業

当社グループといたしましては、有料老人ホーム事業において介護施設の運営管理機能・効率性の向上、介護従事者へのグループ理念をはじめとする再教育の徹底を実践してまいります。加えて他のセグメントとの連携を図れる体制を強化してまいります。食事提供サービス事業におきましても、他のセグメントと連携して医療機関との契約獲得数を伸ばしてまいります。

④ 調剤薬局事業

当社グループといたしましては、店舗運営の効率化を図っていくとともに、メディカルモール等の企画案件の強化、ジェネリック医薬品の活用、新規店舗開発を進めてまいります。

 

 

(5)優先的に対処すべき課題

① トータルパックプロデュース事業

経営の基本方針に記載のソリューションを継続すべく、日々進化する医療技術に対応する機器やシステムに関するコンサルティング能力の向上を図るとともに、既存病院の新築・増築案件や統廃合等の機能集約に対する需要増加に対応するための人材の投入及び育成が重要な課題であります。併せて、長期管理体制を必要とされるプロジェクト案件に対する適正なチーム配置と、既存の固定得意先の機器更新に関する効率的な体制づくりも重要な課題であります。また、継続した成長のための海外展開・医療施設への投資や運営など、新規事業の開発及び収益化・これに伴うリスクマネジメントも重要な課題であります。

② メディカルサプライ事業

病院経営の経営改善策の模索から、診療材料の納入価格引下げの要求は厳しさを増しており、同業他社との価格競争も激化して利益確保は困難な状況が続いております。また、病院内で使用される診療材料は、膨大な数に上ることからこれらの管理体制の構築と仕組みづくりが重要な課題であります。

③ ライフケア事業

老人ホーム・グループホーム等の運営に関しましては、他社施設との差別化を図りながら各施設の入居者獲得に注力していくことが重要な課題であります。また、新規投資をいかに効率的に実践していくかも重要な課題であります。

④ 調剤薬局事業

研修教育機能の強化による薬剤師の政策的確保を行ってまいります。また、薬価改定を見据えた業務展開に注力すること、新店舗の効率的な出店を実施することが重要な課題であります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境等について

当社グループは、人口動態及び人口構造の変化、疾病構造の変化、医療技術革新、行政による各種規制の動向等により事業戦略及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、各業界団体、地域組織等への加盟、各種統計の活用、取引先とのコミュニケーション等により必要な情報を的確に把握し、変化に対応した経営に努めております。

 

(2)トータルパックプロデュース事業に関するリスクについて

① 医療施設等の施設需要の動向について

医療機関等の移転新築・増改築動向で業績が変動する可能性があります。また、これにより他の事業の拡大にも影響を及ぼす可能性があります。

② コンサルティング等に関する人員の確保及び育成について

当社の想定どおりの人材の確保及び育成に支障が生じた場合は事業拡大の制約要因となる可能性があります。また、現在在籍する人材の社外流出が生じた場合も同様のリスクがあります。

③ 外部の協力企業等との連携について

外部の金融機関、設計事務所等との十分な連携が確保できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 大型案件への取組について

大型プロジェクト案件のスケジュールの遅延や変更又は中止等が生じた場合には業績に悪影響が生じる可能性があります。なお、医療施設等の予算執行の関係上1月から3月に売上計上が集中する傾向があり、業績の上半期又は下半期及び四半期ごとの偏重等が生じる可能性があります。

また、大型プロジェクト案件に必要となる専任人員の配置には限界があり、これが事業拡大の制約要因となる可能性があります。

⑤ 法的規制について

トータルパックプロデュース事業は、薬事法の規制を受けており、何らかの理由により当該法上の許可・届出等の取消事由が生じた場合には、主要な事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 医療設備工事等の施工について

医療設備工事等の施工に伴い事故が生じた場合、顧客に対する安全性への信用が低下し、業績に影響を与える可能性があります。また、医療機関等から損害賠償請求を受け、多大な損害賠償金及び訴訟費用を必要とする可能性があります。

⑦ 自社製品について

自社製品に対して、医療関連製品であることからも、より高度な安全性が求められます。当社グループのメーカー系子会社は、リスクの最小化を図るべく品質管理等の最善を尽くしておりますが、自社製品に予期しがたい欠陥や不具合が発生した場合、医療機関等から損害賠償請求を受け、多大な損害賠償金及び訴訟費用を必要とする可能性があります。

⑧ 知的財産権について

当社グループにおいて、電子カルテ等の医療情報システムに関わるプログラム開発を行っておりますが、知的財産権の出願・取得を行っておりません。ソフトウェアにかかわる技術革新は日進月歩しており、場合によっては第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当該第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性があります。

⑨ コンピュータウイルス等について

ソフトウエアは常にコンピュータウィルス等の脅威に晒されているといえ、顧客医療機関から当社グループの医療情報システム開発会社への感染及び当社グループが感染源にならないようにシステムの構築をしておりますが、現時点で万全と考えられる対策を講じていても新種のコンピュータウィルスにより当社グループ企業が感染源となり顧客先病院が感染したことにより損害賠償請求を受ける可能性があります。

⑩ 電子カルテ等の個人情報の管理について

当社グループの電子カルテ等の医療情報システム等開発会社は、顧客医療機関が保有するカルテをはじめとする大量の個人情報を取り扱っており、これらの情報が漏洩しないようなセキュリティシステムの導入、社員の情報管理教育等を徹底し、情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じておりますが、万一このような対策にもかかわらず当社グループ企業から情報漏洩が発生した場合、当社グループ企業が損害賠償を負う可能性があり、かつ当社グループ企業の社会的信用の失墜を招き、業績に影響を受ける可能性があります。

 

当社グループでは、医療機関や協力企業等との関係を保ちつつ、移転新築、増改築、統廃合等の情報を適切に把握するとともに、大型案件に必要となる専任人材の確保及び育成に取り組んでおります。

 

(3)メディカルサプライ事業に関するリスクについて

① 診療材料及び医療用消耗品における償還価格引下げの影響等について

特定保険医療材料価格の引き下げ等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 院外SPD形態への注力について

院外SPDシステム業務を他社が受注した場合には、医療機関等との取引の大きな制約要因となります。また、今後他社がより優れたシステムの提供により、医療機関等の受注を獲得していった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制等について

メディカルサプライ事業は、薬事法の規制を受けており、何らかの理由により当該法上の許可・届出等の取消事由が生じた場合には、主要な事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、価格引下げ、診療材料等の適切な管理を実施するため、物流センターの新設をはじめグループ内での機能集約等による管理体制の効率化に取り組んでおります。

 

(4)ライフケア事業に関するリスクについて

① 介護部門について

a 法的規制について

ライフケア事業における介護部門においては、介護保険法及び老人福祉法の規制を受けており、今後計画する各施設について許認可・指定等を受けることが困難となった場合、又は、何らかの要因により指定取消や行政処分を受ける事象が生じた場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、各市町村・都道府県の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の見直しや各種要件の改定により、当該事業の展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。

b 介護にかかる人員確保について

老人ホーム・グループホーム等の人材獲得等が困難となった場合、事業拡大に支障が生じることや当社グループが提供する介護サービスの量的、質的な低下を招くおそれがあり、業績等に影響を与える可能性があります。

c 施設利用者の安全及び健康管理等について

老人ホーム・グループホーム等の入居者は高齢者・要介護者であることから、徘徊や転倒等によって入居者の生命に関わる重大な事故に発展する可能性があります。また、給食や入浴等を共有する集団生活が行われていることから、入居者の食中毒・集団感染等の可能性や管理体制の不備による入居者とのトラブル等が発生する可能性があります。万一、事故等が発生し当社グループの管理責任が問われた場合には、事業の存続等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

d 今後における事業展開及び多額の設備投資について

新規施設の開設には、多額の設備投資が必要となるため、今後において資金調達が困難となった場合、当該事業展開に重大な支障が生じる可能性があります。また、新規開設までに長期間を要するものであり、外部環境の変化等により計画通りに推移する保証はなく、また、当該事業の多額の投資に対して、何らかの要因により当社グループの想定どおりの収益が得られない場合には、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

② 個人情報の管理について

特にプライバシー性の高い個人情報が蓄積されるため、万一個人情報の漏洩等が生じた場合には、多額の賠償金額の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により業績等が影響を受ける可能性があります。

③ 病院・福祉施設向け食事提供サービス業務について

a 法的規制について

当該事業においては、医療法、介護保険法、食品衛生法及びその他関連法令等の規制を受けており、何らかの理由により当該法上の許可・届出の取り消し事由が生じた場合には主要な事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

b 食事提供サービスにかかる人員確保について

事業展開に必要な管理栄養士・調理師等の人員数が確保されない場合には、事業展開に支障を及ぼす可能性があります。

c 食事提供業務について

食中毒が発生し、多額の賠償金の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下があった場合には業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、施設利用者の安全管理、健康管理を徹底するとともに、介護サービス及び食事提供サービスを適切に提供できる人材の確保、及び他施設との差別化を図るうえでの人材の育成に取り組んでおります。

 

(5)調剤薬局事業に関するリスクについて

① 法的規制について

調剤薬局の開設及び運営にあたり法的規制を受けた場合、当社の出店計画及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、事業展開に必要な法定薬剤師の人員数が確保されない場合には、事業展開に支障を及ぼす可能性があります。

② 出店方針について

出店条件に合致する物件が確保できない場合、既存店舗における医療機関等の移転又は廃業等、又は他社店舗の出店等による競合等が生じた場合、業績等に影響を受ける可能性があります。

③ 調剤業務について

調剤過誤が発生し、多額の賠償金額の支払いや、それに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等があった場合には業績等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 個人情報の管理について

特にプライバシー性の高い個人情報が蓄積されるため、万一個人情報の漏洩等が生じた場合には、多額の賠償金額の支払いや行政処分、それらに伴う既存顧客の信用及び社会的信用の低下等により業績等が影響を受ける可能性があります。

 

当社グループでは、政策的な薬剤師を確保するとともに、調剤を安心・安全に実施していくための教育に取り組んでおります。また、医療機関等の移転等に備えた情報収集も行っております。

 

(6)医療機関等との取引等について

① 医療機関等に対する与信・債権管理について

医療機関等の中には、近年の医療制度改革や外部環境の変化等の影響により、潜在的な貸倒れリスクが存在するものと考えられます。

また、医療機関等の性格上、人命に関わる問題もあり、人道的な観点から取引停止・縮小等の対応が困難な場合も想定され、今後における取引先医療機関等の経営状況の悪化等が業績等に影響を与える可能性があります。

② 取引先に対する経済的支援について

当社グループは、取引先からの要請等により取引先に対する資金の貸付、販売取引に係る決済条件の優遇(工事代金等の延払割賦)等の経済的支援を行う場合があり、当社グループにおける資金負担等が増加する可能性があります。また、各相手先の資金返済に支障が生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 信頼性の低下によるリスクについて

当社グループにおいて、何らかの要因による重大な事故、トラブル、クレーム等が生じた場合やコンプライアンス上の問題が発生した場合、又は社会的な批判等が生じた場合には、取引停止等の対応が取られる可能性があり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&Aについて

当社グループは、M&Aを事業拡大手段のひとつと考えており、今後も多額の資金が必要となる可能性があります。また、今後においてM&Aにより子会社化等を実施した場合においても当社グループが想定する事業展開又は業績への寄与が図れるか否か不透明であり、場合によっては業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、M&A前に実施するデューデリジェンスに基づき潜在的なリスクの把握、譲渡価格の交渉を行うとともに、取締役会で十分な審議を行っております。また、子会社化後はグループとの連携を強化するとともに業績管理を徹底し、想定していた計画の実現に向けて努めております。

 

 

(8)財政状態等について

有利子負債及び今後の資金需要について

当社グループの今後の事業計画においては、M&Aに関わる資金需要やライフケア事業における介護部門の資金需要等、今後も有利子負債を増加させる可能性があり、資金調達が当社にとって好ましい条件となる保証がなく、これが当社事業の制約要因となる可能性があります。

なお、当連結会計年度末時点での有利子負債の残高は、42,246百万円であります。

 

(9)固定資産の減損について

① 固定資産の減損について

当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当社グループが保有する貸与資産、賃貸不動産、建物、土地、リース資産及びのれん等について、今後市場価格下落等により資産価値が著しく低下した場合、及び外部環境の変化等により将来キャッシュ・フローの見積もりが下落する等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、保有する資産については、継続的に時価や回収状況等について確認することで管理を行っております。また、固定資産取得の際には投資計画を十分に検証し、将来キャッシュ・フローの確保に努めております。

② 大阪重粒子線センターの固定資産について

大阪重粒子線センターでは2018年3月より診療を開始し、同年10月より重粒子線装置による治療を開始、2019年10月には治療室3室全てで治療を行っております。当社グループで保有する大阪重粒子線センターの施設建物、治療装置等の固定資産について、2022年3月期以降、市場価格下落等により資産価値が著しく低下した場合、及び保険適用となるがん治療範囲の変動や、外部環境の変化等により将来キャッシュ・フローの見積もりが下落する等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は減損の兆候が発生することとなり、必要な減損処理を行う結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、時価や治療件数等の状況を含めた将来キャッシュ・フローの見積りについて継続的に確認を行っております。なお、当該固定資産の帳簿価額は、当連結会計年度末時点で8,222百万円であります。

 

(10)カントリーリスクについて

当社グループは、ミャンマー国、バングラデシュ国等の海外において事業活動を実施しており、これらの国・地域の政治、経済及び社会的情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令等の変更等によるカントリーリスクを有しております。このようなリスクが顕在化した場合には、事業活動の制限、債権回収等の遅延または不能等が起こる可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)為替レートの変動について

当社グループは、海外事業に係る外貨建ての資産・負債を有するとともに、国内外において海外の取引先との間で外貨建ての取引を行う場合があります。また、在外連結子会社の個別財務諸表については現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表作成時に円換算しております。

その結果、現地通貨ベースで経営成績に変動がない場合も含め、為替レートの変動が当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12)自然災害について

大規模な地震等の自然災害、火災等の事故災害、新型コロナウイルス等の感染症の流行等が発生した場合は、当社グループの提供するサービスに重大な影響を与える可能性があります。

① 物的・人的損害について

当社グループの所有及び賃借している本社・営業所、倉庫、工場、店舗施設等が被災し、事業拠点や保管する商品、また周辺地域のライフライン等に影響がある場合、及び当社グループの従業員や居住する家屋等が被災し勤務が困難な状況となった場合には、経常的な事業運営に支障を及ぼす可能性があります。

② 得意先への影響について

医療機関等の得意先、仕入先やその他関連する会社に影響がある場合には、販売活動及び仕入活動に支障を及ぼすとともに、在庫の滞留、回収の遅延等の影響を及ぼす可能性があります。

③ 行政指導について

自然災害が発生した場合の災害対策として行政からの要請・指導があり、事業活動が制限される場合には、当社グループの提供するサービスを含め経済活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症及びその変異種の拡大により、感染者数が依然として高止まりしていることに伴い、経済・社会活動が引き続き大幅に制限され、個人消費や企業収益が減少したことで景況感の改善の兆しは未だ不透明な状況が続いております。

当社グループの属する医療業界におきましては、特に期初において同感染症拡大の影響から受診抑制・手術件数減少により減収となる医療機関が増加するとともに、同感染症患者への対策に向けた社会的要請に応えるため、人員の確保及び感染症対策の徹底や新たな設備投資が同時に求められる等、厳しい状況が続いております。

このような経済状況の下、当社グループにおきましては、トータルパックプロデュース事業において感染症対策関連の受注が増加いたしました。また、低濃度オゾン発生装置「エアネス」や、国産にこだわったオリジナルブランドマスク「SHIPマスク」等の感染症対策商品の販売が堅調に推移し、概ね計画通り推移いたしました。有料老人ホーム事業におきましても感染症対策を徹底した結果、高い稼働率を維持することが出来ました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は497,156百万円前連結会計年度比2.6%増)、営業利益は21,800百万円前連結会計年度比16.0%増)、経常利益は21,761百万円前連結会計年度比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,280百万円前連結会計年度比4.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a トータルパックプロデュース事業

トータルパックプロデュース事業におきましては、例年と比べ小型のプロジェクト案件が多く従来型のビジネスは低調に推移いたしましたが、感染症対策商品・仮設の発熱外来ユニットや簡易型陰圧装置の開発・販売等、新たな取り組みが奏功いたしました。また、ミャンマー連邦共和国における治安悪化の影響が広がりつつありましたが、概ね計画通り推移いたしました。

以上の結果、売上高は99,959百万円前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益(営業利益)は9,634百万円前連結会計年度比0.1%増)となりました。

b メディカルサプライ事業

メディカルサプライ事業におきましては、償還価格の改定及び期初の新型コロナウイルス感染症拡大による医療機関の受診抑制や診療材料需要減少の影響を受けましたが、感染症対策商品の販売強化、グループ内の連携、経営効率化に努めた結果、業績は堅調に推移いたしました。また、業界初となる自動倉庫「大阪ソリューションセンター」が竣工いたしました。

以上の結果、売上高は337,244百万円前連結会計年度比3.6%増)、セグメント利益(営業利益)は6,715百万円前連結会計年度比33.4%増)となりました。

c ライフケア事業

ライフケア事業におきましては、全国一体経営による経営効率化が進むとともに、厳重な感染症対策が奏功し、高い入居率を維持することができました。

以上の結果、売上高は24,571百万円前連結会計年度比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2,237百万円前連結会計年度比26.4%増)となりました。

d 調剤薬局事業

調剤薬局事業におきましては、薬価改定の影響がありましたが、経営効率化や小型店舗のM&Aの積み重ね等により、業績は堅調に推移いたしました。

以上の結果、売上高は27,070百万円前連結会計年度比0.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2,884百万円前連結会計年度比8.4%増)となりました。

 

e その他

その他におきましては、動物病院の運営、セキュリティサポート会社及び建物総合管理会社の業績は概ね計画通り推移いたしました。

以上の結果、売上高は8,309百万円前連結会計年度比17.7%増)、セグメント利益(営業利益)は591百万円前連結会計年度比31.5%増)となりました。

 

当社グループのにおける財政状態は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,624百万円増加し、334,498百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,202百万円増加し、219,394百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,422百万円増加し、115,103百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末残高の82,810百万円から9,859百万円減少し、72,950百万円となっております。

 

a 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは 19,772百万円の収入前連結会計年度比4,238百万円収入減)となりました。これは主に、売上債権が12,344百万円増加し、法人税等を7,304百万円支払った一方、税金等調整前当期純利益を21,235百万円計上し、仕入債務が11,598百万円増加、減価償却費を3,170百万円計上したこと等によるものであります。

b 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは 19,289百万円の支出前連結会計年度比15,025百万円支出増)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出が9,797百万円、有形固定資産の取得による支出が4,632百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4,122百万円あったこと等によるものであります。

c 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは 10,465百万円の支出前連結会計年度比2,048百万円支出増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が1,586百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が4,555百万円、配当金の支払額が3,556百万円あり、短期借入金が2,542百万円減少したこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

トータルパックプロデュース事業

14,603

+1.4

メディカルサプライ事業

ライフケア事業

調剤薬局事業

その他

合計

14,603

+1.4

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

トータルパックプロデュース事業

100,328

△2.1

10,890

+3.5

メディカルサプライ事業

337,244

+3.6

ライフケア事業

24,571

+2.7

調剤薬局事業

27,070

+0.1

その他

8,309

+17.7

合計

497,524

+2.3

10,890

+3.5

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

トータルパックプロデュース事業

78,153

△4.0

メディカルサプライ事業

290,745

△2.3

ライフケア事業

2,429

△1.9

調剤薬局事業

46,790

+78.0

その他

1,933

+1.1

合計

420,052

+2.5

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

トータルパックプロデュース事業

99,959

△0.7

メディカルサプライ事業

337,244

+3.6

ライフケア事業

24,571

+2.7

調剤薬局事業

27,070

+0.1

その他

8,309

+17.7

合計

497,156

+2.6

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は497,156百万円売上総利益は54,486百万円営業利益は21,800百万円経常利益は21,761百万円親会社株主に帰属する当期純利益は12,280百万円となりました。

売上高の構成は、トータルパックプロデュース事業が99,959百万円で全体の20.1%、メディカルサプライ事業が337,244百万円で全体の67.8%、ライフケア事業が24,571百万円で全体の4.9%、調剤薬局事業が27,070百万円で全体の5.4%、その他が8,309百万円で全体の1.7%となりました。また、営業利益につきましては、消去または全社費用控除前でトータルパックプロデュース事業が9,634百万円、メディカルサプライ事業が6,715百万円、ライフケア事業が2,237百万円、調剤薬局事業が2,884百万円、その他が591百万円となりました。(セグメント別の内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」の項目をご参照下さい。)

営業外損益につきましては、金融収支(受取利息配当金と支払利息の純額)が269百万円の収入、補助金収入として298百万円の収入となっております。また、貸倒引当金繰入額を631百万円計上しております。

特別損失につきましては、減損損失を271百万円計上しておりますが、これは連結子会社に係るのれんの未償却残高及び閉鎖を決定した事業資産について減損損失を認識したことによるものであります。

 

b 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、221,890百万円(前連結会計年度末残高は210,499百万円)となり、前連結会計年度末に比べ11,390百万円増加いたしました。

その主な要因は、有価証券が4,998百万円、現金及び預金が4,810百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が18,097百万円、商品及び製品が2,109百万円増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、112,607百万円(前連結会計年度末残高は98,373百万円)となり、前連結会計年度末に比べ14,234百万円増加いたしました。

その主な要因は、建設仮勘定が1,043百万円減少した一方、投資有価証券が11,590百万円、のれんが1,056百万円、差入保証金が938百万円増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、151,942百万円(前連結会計年度末残高は133,115百万円)となり、前連結会計年度末に比べ18,827百万円増加いたしました。

その主な要因は、支払手形及び買掛金が12,087百万円、電子記録債務が1,883百万円、未払法人税等が1,767百万円増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、67,451百万円(前連結会計年度末残高は71,076百万円)となり、前連結会計年度末に比べ3,624百万円減少いたしました。

その主な要因は、繰延税金負債が732百万円増加した一方、長期借入金が4,266百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、115,103百万円(前連結会計年度末残高は104,681百万円)となり、前連結会計年度末に比べ10,422百万円増加いたしました。

その主な要因は、配当金の支払により利益剰余金が3,556百万円減少し、自己株式を1,078百万円取得した一方、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が12,280百万円、その他有価証券評価差額金が1,904百万円増加したこと等によるものであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項目をご参照下さい。

 

b 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については、銀行借入の他、連結会社間での資金融通を行う事で資金効率を高め、流動性を保持しております。

一方、設備資金、投資資金等の長期的な資金については、国内外で資金調達について、市場金利動向や為替動向、既存借入金の償還時期、あるいは株式市場動向、機関投資家動向、株主還元等を総合的に勘案し、長期借入金による安定的な資金確保を主としつつ、社債の発行、株式市場からの調達も含め、低コストで調達しつつ安定的な財務基盤を維持できる方法を柔軟に検討・選択してまいります。

なお、当社の持続的成長に向けた資金需要に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤の一層の安定を図ることを目的として、2020年4月30日にコミットメントライン契約を締結しております。

 

c 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、売上高及び営業利益を重要な経営指標として位置付けており、経営目標として、2022年3月期において売上高530,000百万円、営業利益22,500百万円の達成を計画しております。

 

2021年3月期(当連結会計年度)

2022年3月期

 

(予想)

(実績)

(予想比)(%)

(予想)

売上高(百万円)

500,000

497,156

99.4

530,000

営業利益(百万円)

21,000

21,800

103.8

22,500

 

 

d 今後の事業戦略と財政状態及び経営成績への影響について

トータルパックプロデュース事業につきましては、大学病院を始めとした地域中核病院における新築移転・増改築の中長期的なニーズに的確に対応していくとともに、海外、特に新興国において高度化する医療ニーズに応えるためのノウハウを蓄積してまいります。また、メーカー系子会社による新製品開発や新システムの構築を進めて、さらなる経営資源の有効活用を進めてまいります。

メディカルサプライ事業につきましては、SPDシステムや専門領域の特定診療材料の取り扱い拡大による棚卸資産の増加、適正な在庫管理を行うとともに、償還価格改定に備えた販売価格と仕入価格交渉を継続して、安定した収益の確保を進めてまいります。

ライフケア事業につきましては、社員教育を徹底し入居率・利用率向上に注力するとともに、施設の効果的な新規開設を実践してまいります。

調剤薬局事業につきましては、訪問調剤などによる既存店舗の運営効率化を図るとともに、新店舗開発による取り扱い数量を確保し、仕入効率化を図ってまいります。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症による事業計画等の将来に関する事項への影響につきましても、当連結会計年度末時点で入手可能な情報により検証を行っております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、常に顧客に基づく課題解決を捉えて積極的に製品開発を行っております。そのためユーザーである医療現場から問題点の情報収集を行い、これに対応する製品開発を行っております。

また、経営効率面から現状調査・分析による課題対策等の提案を行っております。

当連結会計年度における主な研究開発は、トータルパックプロデュース事業における使い易さと安全性を追求した高機能医療設備機器、リハビリ機器及び特殊浴槽の開発であり、その研究開発費の金額は318百万円であります。また、メディカルサプライ事業に係る整形外科分野での自社製品の開発による研究開発費の金額は42百万円であります。