当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
重要事象等について
当社グループは、2014年4月に策定した経営改善計画に基づき、不採算店舗及び事業からの撤退や業態変更を進め、店舗及び事業の整理に一定の目途がついたことから、慎重な判断のもと、新規出店、業態変更、大規模改装等に少しずつシフトし、店舗数及び事業規模の回復を図ってまいりました。
2021年7月より始まりました中期経営計画において、既存事業の収益確保・向上、フランチャイズ本部事業の拡大、「食」に関連する新規事業推進の3つを掲げております。
既存事業の収益確保・向上については、当社グループの主要事業である飲食店舗のうち、高収益が見込める業態店舗の新規出店、老朽化が著しい店舗の改装・大規模修繕について慎重な計画のもと投資し、ブランドイメージと収益の双方を向上させるための活動を継続してまいります。
フランチャイズ本部事業の拡大については、当社グループのオリジナルブランドであります「かつてん」のフランチャイザー事業、「らーめんおっぺしゃん」の北海道・東北地区のエリアフランチャイザー事業の加盟開発及び出店を推進してまいります。
「食」に関連する事業推進として、2021年7月に北海道寿都郡黒松内町の「黒松内町特産物手づくり加工センター」(トワ・ヴェール)の指定管理者に指定され、同年10月より当該施設においてチーズ、ハム、ベーコン、アイスクリーム等の製造、加工及び販売の開始に続き、2022年8月より同町内で農地を賃借し農業に参入いたしました。また、2023年2月には株式会社TOMONIゆめ牧舎を株式の取得により連結子会社化し、酪農業にも参入いたしました。今後も慎重な判断のもと、新規事業への参入を行ってまいります。
当中間連結会計期間におきましては、営業利益35,006千円、親会社株主に帰属する中間純利益13,574千円を計上し、緩やかな回復傾向で推移しております。一方で、当社グループの有利子負債は2,123,175千円と負債純資産の77.8%を占め、手元流動性に比して高水準にあるため、一部の取引金融機関から返済条件の緩和を継続して受けている状況にあります。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該重要事象等を解消すべく、事業面及び資金面において対応策を講じております。
事業面におきましては、店舗において期間限定商品やサービスの訴求、スマートフォンのアプリやLINE等を使用した効率的な販売促進活動による収益確保と販売管理費等のコスト削減を両立し、収益力の強化に努めてまいります。当社グループのオリジナルブランドであり、フランチャイザーとして加盟店展開しております「かつてん」の積極的な加盟開発及び加盟店出店を進め、フランチャイザー事業を当社グループの収益の柱となる事業へと成長させてまいります。また、飲食・小売事業、製造・卸売事業に共通する原材料・消耗品をはじめとする全社的なコスト削減活動を継続してまいります。さらには、「食」に関連する事業展開につきましても、サステナビリティを意識しつつ、収益拡大に向けた取引先の新規開拓、ネット通販等の対面以外の販路の充実や海外での事業活動開始に向けた調査・トライアル販売にも着手しており、より多くのチャネルでの販売活動を行ってまいります。
資金面におきましては、これまで長期借入金元本の返済条件緩和を取引金融機関に要請し、同意を得て返済しておりましたが、取引金融機関と取引正常化に向けた取り組みを行った結果、一部の取引金融機関と取引正常化することとなり、財務基盤の強化及び今後の成長投資に向けた資金調達を目的として、2024年9月に取引銀行1行と資金の借入(借換)及び当座貸越契約を締結いたしました。その他の取引金融機関につきましては、長期借入金元本の返済条件緩和を継続することで同意を得ておりますが、今後もすべての取引金融機関との取引正常化に向けて活動を継続し、財務体質の改善を図ってまいります。
これらの具体的な対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、円安の継続やそれに伴う物価上昇が継続していることや、世界情勢の不安定による影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する飲食・小売、製造・卸売及び農畜産業におきましては、原材料及び光熱費の度重なる値上げや人件費高騰の影響が非常に大きく、大変厳しい経営環境で推移しております。
このような状況のもと当社グループにおきましては、中期経営計画に基づいて不採算店舗及び事業からの撤退が概ね完了し、高収益が見込める業態については慎重に検討を重ねたうえ、新規出店、譲受出店、大規模改装及び新規事業への参入を進めることとしており、当中間連結会計期間において飲食店舗2店舗の出店及び1店舗の大規模改装を実施いたしました。
当中間連結会計期間末における当社グループの飲食・小売部門の稼働店舗数は48店舗、製造・卸売部門1拠点、農畜産部門1拠点であります。当中間連結会計期間の経営成績は、売上高2,376,978千円(前年同期比8.6%増)、営業利益35,006千円(前年同期比36.5%増)、経常利益31,024千円(前年同期比0.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益13,574千円(前年同期比15.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
a.飲食・小売部門
当中間連結会計期間における飲食・小売部門におきましては、フランチャイジー事業はフランチャイズ本部主導の新商品の投入や販売促進活動を、オリジナルブランド事業は期間限定商品の開発及び販売を継続し、スマートフォンのアプリやLINE等及び店頭にて特定商品を訴求することで客単価増やリピート顧客の獲得に努めてまいりました。
飲食・小売部門の当中間連結会計期間の売上高は2,106,448千円(前年同期比10.4%増)、セグメント利益73,495千円(同31.1%増)となりました。
b.製造・卸売部門
当中間連結会計期間における製造・卸売部門におきましては、衛生管理に最大限の注意を払いつつ、製造数の達成目標を掲げ、効率的な製造スケジュールの策定・遂行や、新たな商品の開発・販売及び新規取引先の開拓による販路拡大の双方で収益の最大化に努めてまいりました。
製造・卸売部門の当中間連結会計期間の売上高は、前年同期のふるさと納税の駆け込み需要の反動が大きく、170,154千円(前年同期比12.8%減)となり、セグメント損失8,390千円(前年同期 セグメント損失1,002千円)となりました。
c.農畜産部門
当中間連結会計期間における農畜産部門におきましては、乳牛購入を段階的に行って頭数増加と並行して栄養管理や牛舎環境を改善し、搾乳量の向上と牧草の自社栽培等によるコスト削減に努めてまいりました。
農畜産部門の当中間連結会計期間の売上高は100,375千円(前年同期比17.2%増)となったものの、飼料価格の高止まりや光熱費高騰の影響により、セグメント損失22,585千円(前年同期 セグメント損失21,158千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は668,779千円となり、前連結会計年度末に比べ185,784千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が165,679千円減少したこと等によるものであります。固定資産は2,058,720千円となり、前連結会計年度末に比べ64,381千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が78,561千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は2,727,500千円となり、前連結会計年度末に比べ121,402千円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は758,919千円となり、前連結会計年度末に比べ22,089千円増加いたしました。これは主に未払金が23,859千円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が89,023千円増加したこと等によるものであります。固定負債は1,815,227千円となり、前連結会計年度末に比べ157,416千円減少いたしました。これは主に長期借入金が150,863千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は2,574,146千円となり、前連結会計年度末に比べ135,327千円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は153,353千円となり、前連結会計年度末に比べ13,924千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益13,574千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は5.6%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、349,178千円となっております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は57,370千円となり、前年同期に比べ8,556千円増加いたしました。
これは主に、税金等調整前中間純利益27,082千円、非資金科目である減価償却費64,253千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は149,077千円となり、前年同期に比べ142,900千円増加いたしました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出153,468千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は73,972千円となり、前年同期に比べ68,260千円減少いたしました。
これは主に、長期借入金の返済による支出962,716千円があるものの、長期借入れによる収入900,876千円等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、市場動向、原材料及び光熱費の価格動向、人材の確保等があります。
市場動向については、当社グループが属する飲食・小売業界においては、多くの同業他社との競争が今後も続くことが予想されることから、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。
原材料及び光熱費の価格動向については、当社グループのすべての事業に関わることから、経営成績に与える影響が大きく、価格の上昇を最小限に抑える必要があります。このため、事業横断的に使用する食材・消耗品等については、年間契約等により安定した価格で仕入できるように取り組むとともに、光熱費については供給先の単価を意識しつつ、契約先の変更や地域別に供給先を変更するなどして、削減努力を継続してまいります。
人材の確保については、当社グループだけではなく、あらゆる方面で直面している問題でもあります。人材の確保だけではなく、育成・強化していく必要があります。人材の定着が収益の安定に繋がることから、多様な働き方を検討・提案していくことが必要不可欠であると認識しております。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、原材料等仕入、人件費、地代家賃等の一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、新規出店及び改装等に係る設備投資のほか、既存店舗の修繕費等の維持管理費等があります。
② 財政政策
当社グループの事業活動の維持に必要な資金は、内部資金及び金融機関からの借入により賄っております。
当社グループの有利子負債は当中間連結会計期間末現在、2,123,175千円と負債純資産の77.8%を占め、手元流動性に比して高水準であるため、一部の取引金融機関から返済条件の緩和を継続して受けている状況にあります。そのため設備投資には慎重を期しております。また、当中間連結会計期間末現在における現金及び現金同等物の残高は349,178千円となっております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。