(1)業績
当連結会計年度における小売業を取り巻く経済環境は、政府の景気対策等の効果もあり緩やかな回復基調で推移したものの、世界経済の下振れリスクなど不透明感が継続いたしました。個人消費におきましては、お客様の選別の目は一層厳しくなるとともに、成熟社会における生活の質の向上を重視する消費傾向はより顕著になってきております。
このような環境の中、当社グループにおきましては、「質を重視した経営」の方針のもと、過去のチェーンストア理論から脱却した店舗主体の運営を推進するとともに、お客様の心理変化を捉えた付加価値の高い商品や地域の嗜好に合わせた商品の開発および品揃え、接客力の向上に取り組んでまいりました。グループ共通のプライベートブランド商品である「セブンプレミアム」やグループ各社のオリジナル商品につきましては、新商品の開発を推進するとともに既存商品のリニューアルを計画的に実施することで、品質の向上と新しい価値の提案を図りました。なお、当連結会計年度における「セブンプレミアム」の売上は1兆10億円(前年同期比122.8%)となり、年間計画1兆円を上回りました。
また、当社グループは「成長の第2ステージ」に向けたグループ横断的な取り組みとしてオムニチャネル戦略を推進しております。コンビニエンスストア、総合スーパー、食品スーパーマーケット、百貨店、専門店、レストランなど様々な業態に亘る国内約20,000店の店舗網とネットを融合した新しい小売環境の創出を目指し、当連結会計年度におきましては平成27年11月に、「あらゆるお店が、あなたの近くに。」をコンセプトとしたグループ統合ポータルサイト「omni7(オムニセブン)」をグランドオープンいたしました。当該サイトで購入した商品のセブン‐イレブン店頭受取率が伸長するなど、お客様の購買行動に変化が見られ始めております。
これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。
営業収益は主に原油安に伴うガソリン価格の下落により、北米コンビニエンスストア事業でのガソリン売上が3,358億円減少したものの、6,045,704百万円(前年同期比100.1%)と前年度を上回りました。
営業利益は主にコンビニエンスストア事業の好調な業績がスーパーストア事業等の苦戦を補い352,320百万円(前年同期比102.6%)、経常利益は350,165百万円(前年同期比102.5%)とそれぞれ過去最高の数値を達成いたしました。当期純利益は特別損失の増加等により160,930百万円(前年同期比93.0%)となりました。
なお、当連結会計年度における海外子会社連結時の為替レート変動に伴う影響により、営業収益を2,490億円、営業利益を82億円押し上げております。また、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと7-Eleven,Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は、10,703,064百万円(前年同期比104.6%)となりました。
当連結会計年度における事業部門別の営業概況は以下のとおりです。
① コンビニエンスストア事業
コンビニエンスストア事業における営業収益は2,675,890百万円(前年同期比98.1%)、営業利益は304,110百万円(前年同期比109.9%)となりました。
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、平成27年3月に高知県、6月に青森県、10月には鳥取県へ出店地域を拡大するなど1,651店舗の積極的な出店を推進した結果、当連結会計年度末時点の店舗数は46都道府県で18,572店舗(前期末比1,081店舗増)となりました。商品面では、おにぎりやサンドイッチ等の基本的な商品の更なる品質向上を推進するとともに、地域のお客様の嗜好に合わせた商品開発を強化いたしました。平成26年10月より導入を開始した「SEVEN CAFÉ Donut(セブンカフェ ドーナツ)」は平成27年9月までに全国展開を完了し、平成28年1月には更なる品質の向上を図るため、全面刷新を行いました。また、「omni7」のオープンに合わせて、店舗留め置き商品の管理や引き渡し業務を効率的に実施するため、各店の店内体制強化を進めました。
これらの結果、既存店売上伸び率は平成24年8月以来43ヶ月連続でプラスとなりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は4,291,067百万円(前年同期比107.1%)となりました。
北米の7-Eleven,Inc.は、平成27年12月末時点で8,500店舗(前年同月比203店舗増)を展開しております。店舗面におきましては、都市部への出店を推進するとともに、同年8月には、既存出店エリアでのドミナントを強化すべくTedeschi Food Shops,Inc.の181店舗を取得いたしました。販売面におきましては、フレッシュフードやプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発および販売に引き続き注力した結果、当連結会計年度におけるドルベースの米国内既存店商品売上伸び率は前年度を大きく上回って推移いたしました。自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、原油安に伴うガソリン小売価格の下落等によるガソリン売上の減少がありながらも、商品売上が好調に推移し2,950,422百万円(前年同期比104.1%)となりました。
中国におきましては、平成27年12月末時点で北京市に187店舗、天津市に70店舗、四川省成都市に60店舗を運営しております。
② スーパーストア事業
スーパーストア事業における営業収益は2,060,516百万円(前年同期比102.4%)、営業利益は7,234百万円(前年同期比37.4%)となりました。
国内の総合スーパーである株式会社イトーヨーカ堂は、当連結会計年度末時点で182店舗(前期末比1店舗増)を運営しております。平成27年5月には本部主導のチェーンストア理論から脱却し、店舗が主体となり個店・地域特性に合わせた品揃えを推進するための組織変更を実施したことに加え、同年10月に発表した店舗閉鎖や人員配置の適正化を含めた事業構造改革の実行に向けた取り組みを進めました。店舗面におきましては、グループ内外の有力テナントの誘致や、デリカテッセンの強化および生鮮食品の対面販売推進を目的とした売場改装を進めました。特に地方店におきましては、資本・業務提携先との連携を強化し、食品分野を中心に地域の嗜好に合わせた品揃えを拡大いたしました。販売面におきましては、「セブンプレミアム」や衣料品の新たなプライベートブランド商品「SEPT PREMIÈRES(セットプルミエ)」等のグループ力を活かした差別化商品の開発および販売に注力いたしました。また、「omni7」のオープンに伴い、ネットで商品を確認したお客様がご来店してお買い求めいただく「WEBルーミング」効果が見受けられました。これらの結果、当連結会計年度における既存店売上伸び率は、3月における前連結会計年度の消費税増税前の駆け込み需要の反動を4月以降の伸長が補い前年度を上回りました。しかしながら、衣料品を中心に在庫削減を推進したことなどにより、収益性が悪化いたしました。
国内の食品スーパーにおきましては、当連結会計年度末時点で株式会社ヨークベニマルが南東北地方を中心に205店舗(前期末比5店舗増)、株式会社ヨークマートが首都圏を中心に76店舗を運営しております。株式会社ヨークベニマルは「生活提案型食品スーパー」を目指し、生鮮食品の販売を強化するとともに、子会社の株式会社ライフフーズによる即食・簡便のニーズに対応した惣菜の品揃えを拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度における既存店売上伸び率は前年度を上回りました。
ベビー・マタニティ用品を販売する株式会社赤ちゃん本舗は、当連結会計年度末時点で103店舗(前期末比4店舗増)を運営しております。
中国におきましては、平成27年12月末時点で四川省成都市に総合スーパー6店舗、北京市に総合スーパー5店舗をそれぞれ展開しております。
③ 百貨店事業
百貨店事業における営業収益は884,716百万円(前年同期比101.1%)、営業利益は3,832百万円(前年同期比54.3%)となりました。
株式会社そごう・西武は、当連結会計年度末時点で23店舗(前期末比1店舗減)を運営しております。店舗面におきましては、平成27年8月に同社の情報発信基地として高感度なライフスタイルを提案すべく、西武渋谷店を8年ぶりに改装いたしました。販売面におきましては、「リミテッドエディション」を中心とした自主企画商品および自主編集売場の取り組みを強化し、同年3月には地域色を活かした新プライベートブランド「リミテッドエディション エリアモード」を投入いたしました。また、同年11月には「omni7」グランドオープンに合わせ、日本で初めて正規輸入品のみを取り扱うラグジュアリーブランド専用サイト「e.CASTEL(イー キャステル)」を開設いたしました。加えて、百貨店ならではの質の高い接客と、ファッションアドバイザーなどの専門販売員によるトータルアドバイス機能の強化を図りました。これらの結果、当連結会計年度における既存店売上伸び率は、前連結会計年度での消費税増税前の駆け込み需要の反動がありながらも、前年度を上回りました。
なお、平成28年2月末日をもって西武春日部店を閉店いたしました。
生活雑貨専門店を展開する株式会社ロフトは、当連結会計年度末時点で102店舗(前期末比8店舗増)を運営しております。
④ フードサービス事業
フードサービス事業における営業収益は83,839百万円(前年同期比103.5%)、営業利益は前連結会計年度と比べ872百万円増の917百万円となりました。
株式会社セブン&アイ・フードシステムズは、レストラン事業部門が当連結会計年度末時点で469店舗(前期末比5店舗減)を運営しております。当連結会計年度におけるレストラン事業部門の既存店売上伸び率は、付加価値の高いメニューの販売強化や接客力の向上等が奏功したことにより前年度を上回りました。
⑤ 金融関連事業
金融関連事業における営業収益は192,487百万円(前年同期比108.0%)、営業利益は49,697百万円(前年同期比105.3%)となりました。
株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点のATM設置台数は、主に株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの積極的な出店に伴い前年度末比1,449台増の22,388台まで拡大いたしました。その結果、ATMに装填される現金を含め、株式会社セブン銀行における現金及び預金は6,769億円となりました。当連結会計年度中のATM1日1台当たり平均利用件数は、一部提携銀行の顧客手数料有料化の影響等により99.2件(前年同期比2.0件減)となりましたが、ATM設置台数の増加に伴い期間総利用件数は前年度を上回りました。また、平成27年7月には同社の米国子会社であるFCTI,Inc.が7-Eleven,Inc.との間で、平成29年7月以降に米国セブン‐イレブン店舗内のATMの設置運営を行う契約を締結いたしました。
カード事業会社2社におけるクレジットカード事業につきましては、株式会社セブン・カードサービスが発行する「セブンカード・プラス」と株式会社セブンCSカードサービスが発行する「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」の取扱高はショッピングを中心に前年度を上回って推移いたしました。電子マネー事業につきましては、株式会社セブン・カードサービスが「nanaco」のグループ内外への拡大を積極的に推進した結果、当連結会計年度末時点の発行総件数は4,542万件(前期末比825万件増)となり、利用可能店舗数は約215,300店舗(前期末比約47,600店舗増)となりました。
⑥ 通信販売事業
通信販売事業における営業収益は158,732百万円(前年同期比85.4%)、8,451百万円の営業損失となりました。
株式会社ニッセンホールディングスは、平成27年8月に早期黒字化に向けた経営合理化策を発表し、収益性の改善に努めるとともにグループシナジー効果の実現に向けた取り組みを進めました。
⑦ その他の事業
その他の事業における営業収益は61,582百万円(前年同期比114.3%)、営業利益は5,559百万円(前年同期比151.5%)となりました。
なお、平成27年2月に完全子会社化した株式会社バーニーズジャパンにつきましては、当連結会計年度よりその他の事業セグメントに含めております。
⑧ 消去および当社
消去および当社(調整額)における営業損失は、10,578百万円となりました。
当社グループで推進しているオムニチャネル戦略におきまして、販売促進費やソフトウエアに係る減価償却費等のグループ全体に係る費用につきましては消去および当社にて計上しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ146,323百万円増加したことにより、1,147,086百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、488,973百万円の収入(前年同期比117.3%)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が303,775百万円、減価償却費が195,511百万円となりましたが、法人税等の支払額が125,668百万円となったことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、335,949百万円の支出(前年同期比124.3%)となりました。これは、店舗の新規出店や改装などに伴う有形固定資産の取得による支出が304,501百万円となったことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,312百万円の支出(前年同期比2.9%)となりました。これは、当社における社債の発行による収入119,679百万円はあったものの、社債の償還による支出が60,000百万円となったことや、配当金の支払額が66,289百万円となったことなどによるものであります。
(1)生産及び受注の状況
該当事項はありません。
(2)仕入の状況
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
コンビニエンスストア事業 |
1,458,164 |
89.0 |
|
スーパーストア事業 |
1,515,689 |
103.5 |
|
百貨店事業 |
662,508 |
101.2 |
|
フードサービス事業 |
29,999 |
108.1 |
|
金融関連事業 |
15,699 |
119.1 |
|
通信販売事業 |
93,474 |
78.7 |
|
その他の事業 |
20,036 |
166.5 |
|
計 |
3,795,572 |
96.6 |
(注)1 上記仕入実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売の状況
当連結会計年度における売上実績(営業収益のうちの売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
コンビニエンスストア事業 |
1,718,335 |
91.7 |
|
スーパーストア事業 |
2,017,439 |
102.4 |
|
百貨店事業 |
869,009 |
101.1 |
|
フードサービス事業 |
82,934 |
103.6 |
|
金融関連事業 |
16,262 |
121.7 |
|
通信販売事業 |
156,981 |
84.7 |
|
その他の事業 |
31,169 |
218.4 |
|
計 |
4,892,133 |
97.9 |
(注)1 株式会社セブン‐イレブン・ジャパンおよび7-Eleven,Inc.のチェーン全店売上は、それぞれ4,291,067百万円、2,950,422百万円であります。上表コンビニエンスストア事業の売上高には、これらのうち自営店売上のみが含まれております。なお、加盟店売上(チェーン全店売上から自営店売上を差引いた金額)を加えた場合、合計売上は、10,476,030百万円になります。
2 上記売上実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 主要な子会社の売上状況は、次のとおりであります。
(1)コンビニエンスストア事業
① 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
|
区分 |
チェーン全店売上(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
加工食品 |
1,115,677 |
107.9 |
26.0 |
|
ファスト・フード |
1,278,738 |
107.8 |
29.8 |
|
日配食品 |
579,294 |
112.0 |
13.5 |
|
食品計 |
2,973,710 |
108.6 |
69.3 |
|
非食品 |
1,317,357 |
103.7 |
30.7 |
|
合計 |
4,291,067 |
107.1 |
100.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。また、チェーン全店売上は、フランチャイズ・ストア(加盟店)とトレーニング・ストア(自営店)の売上の合計金額であります。
② 7-Eleven,Inc.
|
区分 |
チェーン全店売上(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
加工食品 |
695,119 |
122.5 |
23.6 |
|
ファスト・フード |
261,947 |
120.8 |
8.9 |
|
日配食品 |
110,427 |
118.0 |
3.7 |
|
食品計 |
1,067,493 |
121.6 |
36.2 |
|
非食品 |
661,355 |
119.4 |
22.4 |
|
商品計 |
1,728,848 |
120.8 |
58.6 |
|
ガソリン |
1,221,573 |
87.1 |
41.4 |
|
合計 |
2,950,422 |
104.1 |
100.0 |
(注) チェーン全店売上は、加盟店と自営店の売上の合計金額であります。
(2)スーパーストア事業
① 株式会社イトーヨーカ堂
|
区分 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
衣料 |
187,047 |
96.7 |
14.9 |
|
住居 |
142,811 |
93.0 |
11.4 |
|
食品 |
601,672 |
101.5 |
47.9 |
|
商品計 |
931,531 |
99.1 |
74.2 |
|
テナント |
314,612 |
104.4 |
25.1 |
|
その他 |
9,464 |
77.9 |
0.8 |
|
合計 |
1,255,608 |
100.2 |
100.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 株式会社ヨークベニマル
|
区分 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
生鮮食品 |
139,489 |
105.6 |
34.3 |
|
加工食品 |
95,761 |
103.9 |
23.6 |
|
デイリー食品 |
77,433 |
104.9 |
19.1 |
|
食品計 |
312,683 |
104.9 |
77.0 |
|
衣料 |
15,887 |
95.6 |
3.9 |
|
住居 |
20,398 |
98.6 |
5.0 |
|
商品計 |
348,970 |
104.0 |
85.9 |
|
テナント |
57,253 |
104.0 |
14.1 |
|
合計 |
406,223 |
104.0 |
100.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)百貨店事業
株式会社そごう・西武
|
区分 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
衣料 |
317,260 |
96.7 |
40.1 |
|
雑貨 |
81,115 |
101.1 |
10.3 |
|
食品 |
163,059 |
101.0 |
20.6 |
|
商品計 |
561,435 |
98.5 |
71.0 |
|
テナント |
188,554 |
104.7 |
23.8 |
|
法人外商部 |
40,718 |
100.7 |
5.1 |
|
合計 |
790,708 |
100.1 |
100.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)フードサービス事業
株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
|
区分 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
レストラン事業部 |
62,797 |
100.5 |
75.0 |
|
給食事業部 |
15,227 |
124.5 |
18.2 |
|
ファストフード事業部 |
5,655 |
94.9 |
6.8 |
|
合計 |
83,680 |
103.7 |
100.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営課題
当社は、「新しい今日がある」をグループのブランドメッセージとして新しいライフスタイルの創造、提案をするこれまでにない魅力を持った新しい流通サービスを目指し、社会・経済環境の変化に迅速に対応するとともに、多様な業態を持つ小売グループとしての総合力を活かした新規事業の創出と既存事業の活性化を推進し、グループ企業価値の最大化を推進してまいります。その目的達成のため、以下の行為計画を掲げております。
① リアル店舗とネットの融合を目指したオムニチャネル戦略の推進
(a) 新しい価値ある商品の開発
(b) マーケットの変化に対応した売場
(c) 上質な接客サービスの提供
② 地域特性に対応した品揃えと売場の実現
③ 個店が主体となる運営体制の構築
④ グループ機能の高度化
(a) 調達、物流、商品開発、販売等における、マーチャンダイジング面でのシナジー効果の追求
(b) 高付加価値サービスの提供とコスト削減を目指した管理部門の統合
(c) 知的財産の一元管理
(d) CSRを重視した企業行動の徹底
特に、シナジー効果の追求につきましては、グループ共通のプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の開発を行っている「グループMD改革プロジェクト」において、各事業会社が業態の違いを超えた新たなマーチャンダイジングに挑戦しております。これらの取り組みを中心にグループ内で情報を共有することでコストの効率化を図るとともに、マーチャンダイジングにおける精度の向上と一層のスケールメリットの活用を図ってまいります。さらに、オムニチャネル戦略はグループの「成長の第2ステージ」を牽引する、大きなシナジーを実現する戦略として推進してまいります。
当社は、現時点では、「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(会社法施行規則第118条第3号)を明確な形では定めておりませんが、業績の更なる改善やコーポレート・ガバナンスの強化等を通じたグループ企業価値の最大化を目指しており、当社グループの企業価値を毀損させるおそれのある当社株式の大量取得行為等については適切な対応が必要と考えております。当該基本方針については、今後の法制度や裁判例等の動向および社会的な動向を踏まえ、引き続き慎重に検討を進めてまいります。
(2)CSRに関する取り組み
当社は、社会課題の多様化、事業領域の拡大などを踏まえ、これまでのCSR活動の検証を行うとともに、ステークホルダーとの対話を通じて当社が注力すべき重点課題の特定を行い、グループのCSR活動の方向性をより明確にしました。本業を通じて、これら重点課題や、社会と企業の双方に価値を生み出すCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)に積極的に取り組むことで持続可能な社会、持続可能な成長を目指してまいります。
5つの重点課題
・高齢化、人口減少時代の社会インフラの提供
・商品や店舗を通じた安全・安心の提供
・商品、原材料、エネルギーのムダのない利用
・社内外の女性、若者、高齢者の活躍支援
・お客様、お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと資源の持続可能性向上
当社グループでは、定期的にリスクアセスメントを実施して、リスクの洗い出し・評価を行うことによりリスクを総体的に認識したうえで、その重大性および喫緊性に応じて優先順位を付けて対策を立案・実行し、改善状況をモニタリングする仕組みを確立しています。
この仕組みにより認識されたリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、以下に記載しています。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、これらのリスクはそれぞれ独立したものではなく、ある事象の発生により、他の様々なリスクが増大する可能性があります。
当社グループの事業、業績および財務状況は、これらのリスクのいずれによっても影響を受ける可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生を回避するための対策を講じるとともに、発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経済環境に関するリスク
経済状況の動向等
当社グループは、日本国内において主要な事業を行うほか、世界各地で事業を展開しています。そのため、日本および事業を展開している国または地域の景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、お客様のニーズに的確に対応するべく、販売戦略に基づいた商品の取扱い・開発を積極的に行っていますが、経済政策や異常気象等により予想外の消費行動の変化が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
金利の変動
金利の変動は、受払利息や金融資産・負債の価値に影響を与え、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
為替の変動
海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。また、当社グループの販売商品の中には、為替変動の影響を受ける海外開発商品があります。したがって、為替相場の変動により当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)当社グループの事業活動に関するリスク
(グループ共通的なリスク)
商品・原材料等の調達と価格の変動
当社グループの事業活動にとって、十分な品質の商品・原材料等を適時に必要なだけ調達することが不可欠であり、特定の地域・取引先・製品・技術等に大きく依存しないよう、その分散化を図っています。しかし、仕入ルートの一部が中断した場合、それにより当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの取扱商品の中には、原油等原材料価格変動の影響を受ける商品等、外的な要因により仕入価格が変動する商品があります。これら仕入価格の変動が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
商品の安全性および表示
当社グループは、関係法令の規制に基づき、食品衛生に関わる設備の充実、取引先を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報を伝えるよう努めていますが、当社グループの取組みを超えた問題が発生した場合には、それによる当社グループの商品に対する信頼の低下、対応コストの発生等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、セブンプレミアムやグループ各社のオリジナル商品をさらに拡大して、新しい価値、上質の商品やサービスをお客様に提供し続けることに挑戦していますが、当社グループの取扱商品について重大な事故等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
地域制を重視した商品開発
当社グループは、お客様の嗜好の多様性に対応すべく、効率性を限りなく追求したチェーンストア経営から脱却し、地域の特性を重視した商品開発と品揃えを強化しておりますが、お客様からの支持を、期待どおりには得られない場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
出店政策
当社グループの店舗出店に際しては、「大規模小売店立地法」「都市計画法」「建築基準法」等様々な法令に基づく規制を受けています。これらの法令の改正やこれらに関して各都道府県等が定めた規制の変更に伴い、当初策定した計画どおりの新規出店や既存店舗の改装等を行うことが困難となった場合や、将来の潜在的な出店候補地が減少した場合、および新たな対応コストが発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
M&Aや業務提携等の成否
当社グループは、M&Aおよび他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、新規事業の展開やグループ事業の再編を行っています。しかし、これら戦略的投資について、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
債権管理
当社グループは、店舗賃借に当たり、賃貸人へ敷金・保証金を差し入れています。店舗賃貸人の経済環境の悪化や債権保全のために担保設定した物件の価値が下落した場合等には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産やのれん等多くの固定資産を保有しています。減損会計を適用しておりますが、今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理がさらに必要になった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
オムニチャネル戦略
当社グループは、社会構造の変化を背景としたお客様の購買行動の変化に対応すべく、グループの全国店舗網、物流基盤等を活用し、お客様が、いつでも、どこでも、あらゆる商品やサービスを利用できるという新しい小売環境の創造を目指して、オムニチャネル戦略を推進しております。
昨年11月、新たな統合ECサイトを基軸とする「omni7」をグランドオープンするとともに、質の高い商品開発や接客サービスの強化を図り、お客様の潜在ニーズを喚起することに挑戦していますが、何らかの内外要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
人材
当社グループの各事業には、お客様を始めとする様々なステークホルダーとの良好なコミュニケーション力を有する人材が不可欠ですが、今後、各事業分野および地域における人材獲得競争の激化等により、相応しい人材の獲得が困難となる場合や、人材の社外流出が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後は、新たに当社代表取締役社長に就任した井阪隆一をはじめとする当社グループ経営陣が、より組織的な連携を強化して、グループ事業戦略を立案・実行してまいりますが、何らかの事由により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(セグメント別のリスク)
コンビニエンスストア事業
当社グループのコンビニエンスストア事業は、主にフランチャイズ・システムからなり、「セブン‐イレブン」という同一店舗名でチェーン展開を行っています。同システムは、加盟店と当社グループが対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同事業であるため、加盟店もしくは当社グループのいずれかがその役割を果たせないことにより、多くの加盟店との間で契約が維持できなくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのコンビニエンスストア事業は、常に変化し続けるお客様のニーズに対して、取引先各社と製造・物流・販売・それらを支える情報システムの仕組みを革新しながら、差別化された高品質の商品や生活をサポートする便利なサービスを構築してきました。このための独自の事業インフラは、フランチャイズ・システムの理念を共有する取引先各社と構築しているため、取引先各社との業務上の関係が維持できない状況が発生した場合、または取引先各社の技術力等が著しく低下した場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ会社の7-Eleven,Inc.は、特に、ガソリンスタンドを併設した店舗を米国およびカナダで積極的に展開しており、同社のチェーン全店売上に占めるガソリン売上が、約半分を占めるようになっています。ガソリンのサプライチェーンの垂直統合等により、ガソリン小売価格の変動に伴う利益率の低下リスクをヘッジしていますが、急激な価格の変動等、事業環境の予期しない変化により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、「セブン‐イレブン」は、世界17の国と地域で59,000店を超える店舗(7-Eleven,Inc.とのライセンス契約に基づき展開されている当社グループ外の店舗を含む)を展開する世界的なチェーン店へ成長しています。当社グループに属さないエリアライセンシーおよび当該エリアライセンシーが展開する店舗において、不祥事その他の事由により、ロイヤリティの減少・売上の減少が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
スーパーストア事業
当社グループのスーパーストア事業は、主としてGMS(総合スーパー)事業と食品スーパー事業からなります。当社グループでは、お客様のニーズの変化に的確に対応していくため、GMS事業においては、個々の店舗が地域のマーケットに合致した商品の品揃えを主導する個店主義を推し進めるとともに、引き続き、MD(商品政策)改革の推進や接客の強化によるお客様とのコミュニケーションを強化する一方、不採算店舗の閉店を実行し、事業構造改革に取組んでおります。食品スーパー事業においては、新しい生活提案型スーパーマーケットの確立を目指して、MD改革の推進や生産性の向上に取組んでおります。しかしながら、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
百貨店事業
当社グループの百貨店事業は、商品部の機能を強化して、オムニチャネル戦略に対応した自主商品開発を推進するとともに、地域特性に合わせた地方店改革を進める一方、不採算店舗の閉店を実行し、新しい百貨店づくりに向けた事業構造改革に取組んでおりますが、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
フードサービス事業
レストラン事業、給食事業、ファストフード事業からなる当社グループのフードサービス事業は、使われ方やニーズの変化に対応した商品開発の強化、および生産性の向上による成長戦略を推進しておりますが、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
金融関連事業
当社グループでは、銀行業・カード事業等の金融関連事業を行っています。
株式会社セブン銀行の収入は、ATM事業に大きく依存していますが、現金に代替する決済の普及、ATMサービスに関する競争の激化、ATMネットワーク拡大の限界等の事態が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
カード事業については、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」および「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」と電子マネー「nanaco」の発行と運営を通じて、流通サービスと融合した利便性の高い金融サービスの実現に取り組んでおりますが、クレジットカード事業においては、貸倒率の増大・予想外の貸倒損失の発生、貸金業法に基づく総量規制等が、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、電子マネー事業においては、独自のシステムを構築して差別化を図っておりますが、我が国における電子マネーの急速な普及の過程で、汎用性の増大等の質的変化によって、競争力を維持できない場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
通信販売事業
当社グループの通信販売事業は、商品競争力の低下、ネット化の進行によるカタログ販売効率悪化、配送コスト増等の経営環境の変化に対して、事業構造改革の断行と早期の収益改善を図るべく、商品力の強化と販促効率向上を軸とする改革を推進するとともに、グループの各事業とのシナジー具現化に取組んでおりますが、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他の法的規制・訴訟に関するリスク
会計制度・税制等の変更
当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
環境に関する規制等
当社グループは、食品リサイクル、容器包装リサイクル、廃棄物処理および地球温暖化対策などに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。これらの法令による規制はより強化されたり、または将来的に新たな規制が導入される可能性があり、当社グループにとって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限されたりする可能性があります。
情報の流出
当社グループは、金融事業を始めとする各種事業において、お客様等のプライバシーや信用に関する情報(個人情報を含む)を取り扱っており、また、他企業等の情報を受け取ることがありますが、これらの情報が誤ってまたは不正により外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合、被害者に対して損害賠償義務を負ったり、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの営業秘密が不正または過失により流出する危険もあり、その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
訴訟および法的規制等
当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟等および規制当局による様々な法的手続きに服するリスクを有しています。
現在までのところ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、より厳格な法規制が導入されたり、規制当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、多大な法的責任、不利な措置が課された場合や、法的手続きへの対応に多大なコストがかかる場合、当社グループの事業活動や業績、財務状況および評判に影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害等に関するリスク
災害等による影響
当社グループの本社および主要な事業の店舗等は日本にあるほか、世界各地で事業を展開しています。地震、台風、洪水、津波等の自然災害、火災、停電、原子力発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為等により、事業活動の停止や施設の改修に係る多額の費用が発生し、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、コンビニエンスストア事業やスーパーストア事業を始め主要な事業の店舗が集中している首都圏において大きな災害等が発生した場合、その影響も大きくなることが予想されます。
加えて、当社グループの事業活動においてネットワークや情報システムの役割がさらに大きくなる中、停電、災害、テロ行為、ソフトウエア・ハードウェアの欠陥、コンピュータウィルスやネットワークへの不正侵入等によりシステム障害が発生した場合、事業運営に支障をきたすことになり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型インフルエンザ等の感染症の流行による影響
ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループは、新型インフルエンザのような感染症の流行に備えて、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で、地域および社会への責任を果たすため、感染症流行時における営業継続への対策を講じていますが、感染拡大や蔓延状況に応じて、営業時間の短縮、営業店舗の限定等の措置をとる可能性があります。この場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
退職給付債務・退職給付費用
当社グループの退職給付債務や退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の基礎率を加味し算出していますが、これらの前提となる国内外の株価・為替・金利について予想外の変動が生じた場合や、それらにより年金資産の運用成績が悪化した場合、また、年金制度の変更が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産
当社グループの繰延税金資産については、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき計上しているグループ会社があります。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積もりを減額した場合等には、繰延税金資産を取崩す必要が生じ、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社および一部の連結子会社は、平成24年度より連結納税制度を適用しております。
ブランドイメージ
本編の他の項目に記載している諸事象および子会社・関連会社・フランチャイズビジネスにおける加盟店等の不祥事件により、結果として、当社グループ全体のブランドイメージが低下した場合、それによる当社グループに対するお客様の信頼低下、人材の流出、人材確保の困難化等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)グループ経営管理契約
当社は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社セブン&アイ・フードシステムズおよびその他の子会社25社との間で、当社が各社に対して行う経営管理に関し、それぞれ「グループ経営サービス等の提供に関する基本契約書」を締結しております。
(2)加盟店契約
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンとコンビニエンスストア加盟店との加盟店契約の要旨は、次のとおりであります。
① 当事者(株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと加盟者)の間で、取り結ぶ契約
(a)契約の名称
加盟店基本契約(書)およびその付属契約(書)
(b)契約の本旨
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの許諾によるコンビニエンスストア経営のためのフランチャイズ契約関係を加盟者と形成すること。
② 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、開業時在庫の買取りを求める以外、爾後商品の販売はせず、加盟者は株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの推薦する仕入先その他任意の仕入先から商品を買取ります。
③ 経営の指導に関する事項
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは継続的に担当者を派遣して、店舗・商品・販売の状況を観察させて助言・指導をする他、販売情報等の資料の提供、効果的な標準小売価格の開示、各種仕入援助、広告宣伝、経営相談、計数管理のための計数等の作成提供を行い、商品仕入等についての与信をします。
④ 使用させる商標、商号その他の表示に関する事項
コンビニエンスストア経営について“セブン‐イレブン”の商標その他営業シンボル、著作物の使用をすることが許諾されます。
⑤ 契約の期間等に関する事項
契約の期間は、加盟店として新規開店の初日から向こう15ヶ年間です。契約の更新は、協議し、合意にもとづいて行われます。
⑥ 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項
月間売上総利益(月間売上高から、月間売上商品原価(商品の総売上原価から品減り、不良品各原価および仕入値引金を差引いた純売上原価)を差引いたもの)を基に一定の計算をして算出した金額を、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが実施するサービスの対価として支払います。
該当事項はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績の分析
① 営業収益および営業利益
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ6,756百万円増加の6,045,704百万円(前年同期比100.1%)、営業利益は、8,988百万円増加の352,320百万円(前年同期比102.6%)となりました。
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前連結会計年度 (平成27年2月28日) |
当連結会計年度 (平成28年2月29日) |
増減額 |
|
営業収益(百万円) |
|
|
|
|
コンビニエンスストア事業 |
2,727,780 |
2,675,890 |
△51,889 |
|
スーパーストア事業 |
2,012,176 |
2,060,516 |
48,340 |
|
百貨店事業 |
875,027 |
884,716 |
9,689 |
|
フードサービス事業 |
80,980 |
83,839 |
2,858 |
|
金融関連事業 |
178,221 |
192,487 |
14,266 |
|
通信販売事業 |
185,802 |
158,732 |
△27,070 |
|
その他の事業 |
53,897 |
61,582 |
7,685 |
|
消去および当社 |
△74,937 |
△72,061 |
2,876 |
|
合 計 |
6,038,948 |
6,045,704 |
6,756 |
|
営業利益(百万円) |
|
|
|
|
コンビニエンスストア事業 |
276,745 |
304,110 |
27,365 |
|
スーパーストア事業 |
19,340 |
7,234 |
△12,106 |
|
百貨店事業 |
7,059 |
3,832 |
△3,227 |
|
フードサービス事業 |
44 |
917 |
872 |
|
金融関連事業 |
47,182 |
49,697 |
2,514 |
|
通信販売事業 |
△7,521 |
△8,451 |
△930 |
|
その他の事業 |
3,669 |
5,559 |
1,889 |
|
消去および当社 |
△3,188 |
△10,578 |
△7,390 |
|
合 計 |
343,331 |
352,320 |
8,988 |
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、平成27年3月に高知県、6月に青森県、10月には鳥取県に出店地域を拡大するなど1,651店舗の積極的な出店を推進した結果、18,572店舗(前期末比1,081店舗増)となりました。商品面では、おにぎりやサンドウィッチ等の基本的な商品の更なる品質向上を推進するとともに、地域のお客様の嗜好に合わせた商品開発を強化いたしました。また、平成26年10月より導入を開始した「SEVEN CAFÉ Donut(セブンカフェ ドーナツ)」は平成27年9月までに全国展開を完了し、平成28年1月には更なる品質の向上を図るため、全面刷新を行いました。これらの結果、既存店売上伸び率は前年を上回りました。また、自営店と加盟店の売上を合計した国内チェーン全店売上は4,291,067百万円(前年同期比107.1%)となり、商品別では、ソフトドリンク、菓子類他で構成される加工食品で1,115,677百万円(前年同期比107.9%)、弁当、おにぎり等の米飯や麺類、惣菜他で構成されるファスト・フードで1,278,738百万円(前年同期比107.8%)、パン、ペストリー、牛乳他で構成される日配食品で579,294百万円(前年同期比112.0%)、タバコ、日用雑貨他で構成される非食品で1,317,357百万円(前年同期比103.7%)となりました。また、加盟店からの収入と自営店の売上を合計した営業総収入は793,661百万円(前年同期比107.8%)、営業利益は235,033百万円(前年同期比105.2%)となりました。
海外においては、北米で8,500店舗(平成27年12月末時点)を展開する7-Eleven,Inc.は、フレッシュフードやプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発および販売に引き続き注力した結果、米ドルベースの米国内既存店商品売上伸び率は前年度を大きく上回って推移いたしました。なお、チェーン全店売上は、原油安に伴うガソリン小売価格の下落等によるガソリン売上の減少がありながらも、商品売上が好調に推移し2,950,422百万円(前年同期比104.1%)となりました。中国においては、平成27年12月末時点で北京市に187店舗、天津市に70店舗、四川省成都市に60店舗を運営しております。
これらの結果、コンビニエンスストア事業の営業収益は2,675,890百万円(前年同期比98.1%)、営業利益は304,110百万円(前年同期比109.9%)となりました。
スーパーストア事業の営業収益は2,060,516百万円(前年同期比102.4%)、営業利益は7,234百万円(前年同期比37.4%)となりました。
株式会社イトーヨーカ堂は当連結会計年度末時点で182店舗(前期末比1店舗増)を運営しております。店舗面におきましては、グループ内外の有力テナントの誘致や、デリカテッセンの強化および生鮮食品の対面販売推進を目的とした売場改装を進めました。特に地方店におきましては、資本・業務提携先との連携を強化し、食品分野を中心に地域の嗜好に合わせた品揃えを拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度における既存店売上伸び率は、3月における前連結会計年度の消費税増税前の駆け込み需要の反動を4月以降の伸長が補い前年度を上回りました。しかしながら、衣料品を中心に在庫削減を推進したことなどにより、収益性が悪化いたしました。
また、株式会社ヨークベニマルでは、「生活提案型食品スーパー」を目指し、生鮮食品の販売を強化するとともに、子会社の株式会社ライフフーズによる即食・簡便のニーズに対応した惣菜の品揃えを拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度における既存店売上伸び率は前年度を上回りました。
百貨店事業の営業収益は884,716百万円(前年同期比101.1%)、営業利益は3,832百万円(前年同期比54.3%)となりました。
株式会社そごう・西武は、「リミテッドエディション」を中心とした自主企画商品および自主編集売場の取り組み強化に加え、百貨店ならではの質の高い接客と、ファッションアドバイザーなどの専門販売員によるトータルアドバイス機能の強化を図ったことにより、既存店売上伸び率は、前連結会計年度で消費税増税前の駆け込み需要の反動がありながらも、前年を上回りました。
フードサービス事業の営業収益は83,839百万円(前年同期比103.5%)、営業利益は872百万円増の917百万円となりました。
フードサービス事業の根幹となるレストラン事業部門では、付加価値の高いメニューの販売強化や接客力の向上等が奏功したことにより、既存店売上伸び率は前年を上回って推移いたしました。
金融関連事業の営業収益は192,487百万円(前年同期比108.0%)、営業利益は49,697百万円(前年同期比105.3%)となりました。
株式会社セブン銀行では、当連結会計年度末のATM設置台数が22,388台(前期末比1,449台増)に拡大いたしました。1日1台当たりの平均利用件数は、一部提携銀行の顧客手数料有料化の影響等により99.2件(前年同期比2.0件減)となりましたが、ATM設置台数の増加に伴い期間総利用件数は前年度を上回りました。また、カード事業会社2社におきましても、クレジットカード事業、電子マネー事業とも好調に推移しました。
通信販売事業の営業収益は158,732百万円(前年同期比85.5%)、営業損失は8,451百万円となりました。
株式会社ニッセンホールディングスは、平成27年8月に早期黒字化に向けた経営合理化策を発表し、収益性の改善に努めるとともにグループシナジー効果の実現に向けた取り組みを進めました。
② 営業外損益および経常利益
営業外損益は、前連結会計年度の1,847百万円の損失(純額)から2,154百万円の損失(純額)となりました。これは為替差損が増加したことなどによるものです。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ8,681百万円増加の350,165百万円となりました。
③ 特別損益および税金等調整前当期純利益
特別損益は、前連結会計年度の31,288百万円の損失(純額)から46,389百万円の損失(純額)となりました。これは事業構造改革費用および減損損失が増加したことなどによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ6,419百万円減少の303,775百万円となりました。
④ 法人税等(法人税等調整額を含む)および当期純利益
法人税等は、前連結会計年度に比べ7,450百万円増加の135,094百万円となりました。また、税効果会計適用後の負担率は44.5%となりました。
この結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ12,049百万円減少の160,930百万円となりました。1株当たり当期純利益は、182.02円となり、前連結会計年度の195.66円に比べ13.64円減少しました。
(3)財務状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
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前連結会計年度 (平成27年2月28日) |
当連結会計年度 (平成28年2月29日) |
増減額 |
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総資産(百万円) |
5,234,705 |
5,441,691 |
206,985 |
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負 債(百万円) |
2,803,788 |
2,936,508 |
132,720 |
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純資産(百万円) |
2,430,917 |
2,505,182 |
74,265 |
総資産は、前連結会計年度末に比べ206,985百万円増加して5,441,691百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が166,030百万円増加したことに加え、営業貸付金が15,678百万円、受取手形及び売掛金が13,761百万円増加、ATM仮払金が74,960百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ116,781百万円増加し、2,249,966百万円となりました。
有形固定資産は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンや株式会社イトーヨーカ堂における新規出店や既存店の改装などにより95,413百万円の増加となりました。無形固定資産は、オムニ対応システムの増加などにより38,666百万円増加しております。また、投資その他の資産においては、株式会社セブン銀行が国債を償還したことなどにより43,787百万円減少しております。これらの結果、固定資産は前連結会計年度末に比べ90,292百万円増加し、3,191,716百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ132,720百万円増加し、2,936,508百万円となりました。
流動負債は、株式会社セブン銀行において銀行業における預金が42,918百万円増加したことに加え、1年内返済予定の長期借入金が31,315百万円増加、当社における1年内償還予定の社債が19,999百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ54,112百万円増加し、1,880,903百万円となりました。
固定負債は、当社における社債の発行が120,000百万円(40,000百万円は1年内返済社債へ振替)、長期借入金が6,603百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ78,607百万円増加し、1,055,605百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ74,265百万円増加し、2,505,182百万円となりました。
利益剰余金は、当期純利益の計上による160,930百万円の増加および配当金の支払いによる66,309百万円の減少などにより、前連結会計年度に比べ95,680百万円増加しております。
為替換算調整勘定は、主に7-Eleven,Inc.の財務諸表の換算などより、9,414百万円減少しております。
これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ81.88円増加し2,683.11円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の43.9%から43.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度 (平成27年2月28日) |
当連結会計年度 (平成28年2月29日) |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
416,690 |
488,973 |
72,283 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△270,235 |
△335,949 |
△65,714 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△79,482 |
△2,312 |
77,169 |
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現金及び現金同等物の期末残高(百万円) |
1,000,762 |
1,147,086 |
146,323 |
現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを中心として、店舗の新規出店および改装などに伴う支出がありましたが、コンビニエンスストア事業を中心とした高い営業収益力によりキャッシュ・フローを創出したことなどにより、前連結会計年度末に比べ146,323百万円増加し、1,147,086百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得た資金は、前連結会計年度に比べ72,283百万円増加し、488,973百万円となりました。これは、減価償却費が23,273百万円増加したこと、法人税等の支払額が20,732百万円減少したこと、株式会社セブン銀行におけるコールマネーの純増減が20,000百万円増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ65,714百万円増加し、335,949百万円となりました。これは、主に事業取得による支出が47,569百万円増加したこと、有形固定資産の取得による支出が28,149百万円増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は、前連結会計年度に比べ77,169百万円減少し、2,312百万円となりました。これは、当社において、社債の発行による収入が119,679百万円増加した一方、償還による支出が60,000百万円増加したこと、長期借入金の返済による支出が26,634百万円減少したことなどによるものであります。
(4)戦略的現状と見通し
次期の見通しにつきましては、政府の景気対策等の効果を引き続き見込むものの、平成29年4月には消費税再増税が予定されるなど、個人消費の動向につきましては先行きに対して不透明な状態が想定されます。
このような環境の中、当社グループにおきましては過去の発想にとらわれない新しい挑戦を推進するとともに、付加価値の高い商品やサービスの提供と接客力の向上により質を重視した経営を実践してまいります。加えて、地域および個店毎の商圏特性に合わせた売場づくりを実践し、きめ細かにお客様のニーズに対応することを目的として、本部が主導する過去のチェーンストア理論から脱却し、店舗が主体となった個店の運営を実施してまいります。
また、グループシナジー効果の最大化を図るべく、「成長の第2ステージ」に向けたグループ横断的な取り組みとしてオムニチャネル戦略を更に推進してまいります。様々な業態に亘る国内約20,000店の店舗網を擁する当社グループの優位性を活かした新しい買い物体験の提供を目指してまいります。当社および各事業会社におきましては、グループ統合ポータルサイト「omni7」を通じ、付加価値の高い商品の販売やサービスの拡充を推進し、企業価値の更なる向上に努めてまいります。また、グループ共通のプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の売上高は1兆2,000億円(前年度比19.9%増)を計画しております。
国内のコンビニエンスストア事業の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンにつきましては、高齢化や単身世帯の増加、中小小売店舗数の減少、働く女性の増加といった社会構造の変化を成長機会と捉え、コンビニエンスストアに求められる役割を果たすため、「近くて便利」なお店への更なる進化を目指してまいります。店舗面では、既存エリアへの新規出店強化に加え、地域のお客様への更なる利便性提供とドミナント強化を目的とした既存店舗の立地移転を積極的に推進し、過去最高となる1,800店舗を出店してまいります。商品面では、ファスト・フード商品の更なる品質向上を図るとともに、お客様の潜在ニーズを捉えた新しい商品や地域のお客様の嗜好に合わせた商品の開発にも注力してまいります。
海外のコンビニエンスストア事業につきましては、北米の7-Eleven,Inc.はファスト・フード商品とプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発および販売に注力するとともに、ドミナントエリアにおける新規出店と自営店のフランチャイズ化を推進してまいります。
スーパーストア事業の株式会社イトーヨーカ堂につきましては、平成27年10月および平成28年3月に発表した事業構造改革を実行し、過去のチェーンストア理論から脱却し店舗を主体とする運営を推進してまいります。食品の強化を軸に個店毎の商圏に合わせた売場構成への転換を進めるとともに、プライベートブランド商品の開発および接客販売の強化による販売力の向上、地域特性に対応した品揃えを実践し、既存店の活性化に注力してまいります。加えて、今後計画している40店舗の閉店のうち、平成29年2月期におきましては20店舗の閉店を実施することにより収益性の改善を図ってまいります。また、株式会社ヨークベニマルにつきましては、子会社である株式会社ライフフーズと連携して生鮮食品とデリカテッセンでの差別化を徹底し、地域のニーズに対応した品揃えの強化を継続するとともに、既存店の活性化とドミナント出店に取り組んでまいります。
百貨店事業の株式会社そごう・西武につきましては、商品面では自主企画商品ならびに自主編集売場の取り組み強化およびオムニチャネルを活用した価値ある商品の拡充による差別化を実行し、店舗面におきましては西武池袋本店をはじめとする基幹店の営業力を一層強化するとともに、地方店においては地域に根ざした品揃え強化等による活性化を図ってまいります。また、平成28年3月に発表した事業構造改革に基づき、本部要員の適正化や商品部ならびに販売部の体制見直し等の組織改革を進めることに加え、業績改善が見込めない西武旭川店およびそごう柏店につきましては、同年9月末日をもって閉店し収益性の改善を進めてまいります。
フードサービス事業の株式会社セブン&アイ・フードシステムズにつきましては、引き続き付加価値の高いメニューの強化や接客力の向上による収益性の改善に取り組んでまいります。
通信販売事業の株式会社ニッセンホールディングスにつきましては、平成27年8月に発表した経営合理化策を推進し収益性の改善に努めるとともにグループシナジー効果の実現に向けた取り組みを進めてまいります。