第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。

(1)経営の基本方針

 当社は、2005年9月1日に、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社デニーズジャパンの3社の共同株式移転により設立された純粋持株会社です。流通業を中心として、傘下に141社の連結子会社を擁する当社は、お客様のニーズ、マーケット、そして急速な社会の変化に迅速に対応し、業務改革、事業構造の革新を不断に進めてまいります。また、グローバルに展開するグループのネットワーク、情報力とともに、コンビニエンスストア、スーパーストア、百貨店、銀行、専門店、ネットビジネスなどあらゆるお客様のニーズに応える多業態を擁する世界に類を見ない小売グループとして、「信頼と誠実」、「変化への対応と基本の徹底」を基本方針に掲げ、総合的にシナジーを追求してまいります。そのために、当社は、ガバナンスの強化とグループシナジーの追求によりグループ企業価値の最大化に努めるとともに、グループを代表する上場会社としてステークホルダーに対する説明責任を果たしてまいります。また、各事業会社は与えられた事業範囲における責任を全うし、各々の自立性を発揮しながら、利益の成長及び資産効率の向上を追求してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュフローの創出力を高めることを基本方針とし、連結KPIとして、連結自己資本当期純利益率(ROE)、ROICスプレッド、EPS成長率、フリーキャッシュフロー水準及びDebt/EBITDAを設定しております。

なお、新中期経営計画は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界各国における拡大状況及び当社グループの国内外(特に日本と北米)における店舗の営業状況等を踏まえ、現時点では業績に影響を与える未確定要素が多く、適正かつ合理的な業績予想の算出が困難であるため、公表を延期しております。

 

(3)中長期的な経営戦略

様々な社会構造の変化を背景としたお客様の購買行動の変化に対応すべく、お客様のライフステージ・ライフシーンに寄り添いながら、商品・サービスの提供を通じて暮らしの利便性を高め、地域になくてはならない親しみのあるグループを目指してまいります。その実現に向け、お取引先様、世の中の技術革新など、あらゆるリソースを活用し、商品やサービスの絶対価値を追求することで、顧客満足度と社会価値の最大化を目指してまいります。

 

(4)経営環境及び経営課題

当社グループを取り巻く環境は、大きく変化しており、またその変化のスピードも加速しております。国内においては、高齢化、世帯人数の減少、共働き世帯の増加等の社会構造変化が進むとともに、時代の変化に合わせてお客様のライフスタイルや価値観が多様化しております。一方、最低賃金の上昇や社会保険加入の拡大を受け、雇用環境は引き続き厳しい状況が続くことが想定されます。加えて、国内外を問わず、気候変動、海洋汚染、フードロス、持続可能な調達等の社会課題が深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対してこれまで以上に真剣に向き合うべき時代を迎えております。

このような環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大による影響を踏まえ、当社は、一層のグループシナジーを発揮して、お客様・地域社会・お取引先様等のステークホルダーとともに持続的な成長と発展を目指すべく、以下の課題に対処してまいります。また、当社グループの国内外事業への影響を慎重に見極めてまいります。

① 構造改革の着実な推進

スーパーストア事業・百貨店事業においては、不採算店の譲渡・閉店を進めております。スーパーストア事業では構造改革店舗において、ライフスタイル売場を縮小し、食品・テナントを拡大することで一定の成果を上げており、百貨店事業でもプロパティマネジメントの導入・深耕による店舗構造改革を進めております。今後も要員構成の適正化も含め、事業構造改革を更に加速してまいります。

国内コンビニエンスストア事業においては、人件費の上昇をはじめとした国内労働市場の環境変化を受け、基本方針である「変化への対応と基本の徹底」に従い、従来のビジネスモデルの改善に着手しております。加盟店の持続的な成長に向けた行動計画を2019年4月に発表し、当該行動計画に沿って、オーナーヘルプ制度等の充実や、省力化投資の継続実施、加盟店アンケートの実施といったコミュニケーション強化などの施策を実施しております。

 

② グループシナジー創出に向けた施策の深耕

中期経営計画(2016年10月発表)から継続して取り組んできた首都圏食品戦略については、株式会社ヨークマートを2020年6月1日付で「株式会社ヨーク」に商号変更し、同社のもとで、株式会社イトーヨーカ堂が首都圏エリアで展開している「食品館」「ザ・プライス」の20店舗と株式会社フォーキャストがテスト展開している「コンフォートマーケット」を統合する再編を行い、首都圏のマーケット環境に適した新たな店舗フォーマットの確立と製配販一体型マーチャンダイジングの強化によるシナジーの最大化を図ってまいります。デジタル・金融戦略においては、更なるお客様満足度及びLTV(ライフ・タイム・バリュー(顧客生涯価値))の向上を図るため、CRM(顧客関係管理)の深耕や、ネットスーパー・ネットコンビニ等のサービス拡充、AI発注等の導入による生産性向上について取り組みを推進いたします。また、技術革新によるキャッシュレス社会の進展に合わせて、グループ全体で1日約2,500万人が来店する店舗網を持つ強みを活かした魅力的な金融サービスを提供してまいります。

③ 情報セキュリティ体制の強化

当社グループでは2019年7月、バーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」を開始いたしましたが、一部アカウントに対する不正アクセスが発生したことを受け、その対応について検討を重ねた結果、既存のスキームに基づいたサービス提供の継続が困難であるとの判断に至り、2019年9月30日をもって当該サービスを廃止いたしました。今回、一部アカウントに対する不正アクセスが発生したことを受け、再発防止策として、セキュリティに関するポリシー、ガイドライン等の再整備、セキュリティについて専門性を有する人財の拡充、セキュリティ意識をグループ内に浸透させるための社内教育等の取り組み等の対応を進めております。加えて、当社は、グループIT領域及びデジタル領域に関する戦略立案、共通インフラの整備、開発体制に加えてITセキュリティの強化を推進するために、「グループIT戦略推進本部(現:グループDX戦略本部)」を設置するとともに、業務執行から独立した組織として、グループの情報管理及び情報セキュリティに関する業務を統括する「セキュリティ統括室」を設置いたしました。当社は、情報セキュリティが、お客様に提供するサービスの一つとして欠かせないものであるという認識を踏まえ、情報セキュリティの強化をより一層図ってまいります。

④ 経済価値と社会価値の両立

当社グループは、様々な社会課題に対応し、豊かな社会づくりに貢献することを目指しながら成長してまいりました。その一方で、事業活動に伴い、CO2・廃プラスチック・フードロス等の環境負荷を発生させております。当社は2019年5月に環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を定め、CO2排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマで、お客様・地域社会・お取引先様等のステークホルダーとも連携しながら、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

⑤ 人財育成及び働き方改革

当社は、これらの諸課題への取り組みを支える全ての従業員が、働きがいを持って仕事ができる環境を整備することは、将来にわたっての重要な課題と捉えております。法改正を踏まえた、長時間労働の抑制、多様かつ柔軟な働き方を支援する制度の拡大はもちろん、技術革新等も踏まえた生産性向上の施策も随時導入してまいります。併せて、仕事に対するモチベーションを高めつつ、社会構造の変化に迅速に対応できるよう、評価制度、研修・教育制度の強化も実施してまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループでは、定期的にリスクアセスメントを実施して、リスクの洗い出し・評価を行うことによりリスクを総体的に認識したうえで、その重大性及び喫緊性に応じて優先順位を付けて対策を立案・実行し、改善状況をモニタリングする仕組みを確立しています。

この仕組みにより認識されたリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、以下に記載しています。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、これらのリスクはそれぞれ独立したものではなく、ある事象の発生により、他の様々なリスクが増大する可能性があります。

当社グループの事業、業績及び財務状況は、これらのリスクのいずれによっても影響を受ける可能性があります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生を回避するための対策を講じるとともに、発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

(1)経済環境に関するリスク

既存事業リスク(経済状況の動向、商品・原材料の調達や仕入れ価格の変動等)

当社グループは、日本国内において主要な事業を行うほか、世界各地で事業を展開しています。そのため、日本及び事業を展開している国または地域の景気や個人消費の動向などの経済状態が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、地域の特性を重視した商品開発と品揃えを強化し、お客様のニーズに的確に対応するべく、販売戦略に基づいた商品の取扱い・開発を積極的に行っていますが、経済政策や異常気象等により予想外の消費行動の変化が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります

当社グループの事業活動にとって、十分な品質の商品・原材料等を適時に必要なだけ調達することが不可欠であり、特定の地域・取引先・製品・技術等に大きく依存しないよう、その分散化を図っています。特に、気温上昇や気象パターンの変化等の気候変動により、今後中長期的に農産品の栽培適地や漁場の変化が生じる可能性もあり、それらへの対応からも分散調達と一次生産者との収穫量向上に向けた協働等に努めています。しかし、気温上昇や気象パターンの変化等の気候変動により、仕入ルートの一部が寸断した場合、それにより当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。

当社グループの取扱商品の中には、天候による需給の変化や原油等原材料価格変動の影響を受ける商品等、外的な要因により仕入価格が変動する商品があります。加えて、将来的に、商品製造段階における電力を始めとするエネルギー価格が、気候変動に伴う規制・政策により高騰した場合にも仕入価格が影響を被る可能性があります。これら仕入価格の変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

市場リスク

当社グループでは、金利等の変動リスクの軽減、資金調達コストの低減、将来のキャッシュフローを最適化するために為替予約及び金利スワップ等のデリバティブ取引を行っておりますが、金利の変動は受払利息や金融資産・負債の価値に影響を与え、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。また、当社グループの販売商品の中には、為替変動の影響を受ける海外開発商品があるため、為替相場の変動により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)当社グループの事業活動に関するリスク

(グループ共通的なリスク)

成長戦略に関するリスク

当社グループは、お客様のあらゆるライフステージ、ライフスタイルに寄り添い、商品とサービスの提供においてグループシナジーを創出し、「ライフ・タイム・バリュー(顧客生涯価値)」の最大化を目指す成長戦略を推進していますが、様々な要因により期待する成果を達成できない可能性があります。

当社代表取締役社長をはじめ当社グループ経営陣が、より組織的な連携を強化し、グループ経営戦略を立案・実行しておりますが、何らかの事由により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

①デジタル戦略のリスク

当社グループでは、日々来店される約2,500万人の「お客様との関係性」を強化する戦略を推進しており、各社アプリ等を通じてグループ共通のID「7iD」に登録されたお客様のお買物に関するさまざまなデータの収集・分析を行っており、販促活動等の効果につなげております。2019年7月デジタル戦略を推進する中で「7pay(セブンペイ)」の不正アクセス問題が発生し、ステークホルダーの皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしました。この要因は、「7pay(セブンペイ)」独自の認証システム等及び不正検知・防止対策が必ずしも万全なものでなかったこと、グループで横断的にシステム開発を進める際に、セキュリティポリシーのガイドライン等が十分に機能しなかった点にありました。この事象を謙虚に受け止め、改めてデジタル戦略の基盤を再構築すべく、当社内に「グループIT戦略推進本部(現:グループDX戦略本部)」を新設し、グループのデジタル戦略推進に係る機能を統括、また社長直轄の組織として「セキュリティ統括室」を設置し、情報セキュリティの水準を高めてまいります。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為がますます高度化していることなど不正アクセスに対して、完全に安全な情報セキュリティを確保できる保証はありません。その結果、個人情報を含むビジネス情報が消失、破壊または外部へ流出する可能性があります。これらの事象が生じた場合には、それに起因して被害を受けた方に対して損害賠償責任を負ったり、多大な対策費用等が発生するほか、当社グループの事業やイメージが悪影響を受けたりする可能性があります。それにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②金融戦略のリスク

当社グループでは、お客様との関係性を強化するための基盤となる取り組みとして、グループ共通のID「7iD」を導入し、お客様のお買物に関するさまざまなデータの収集・分析を行っております。そこで得られた情報を活用し、「ローン」「資産運用」「貯蓄」「保険」など当社グループならではの、お客様の利便性に資する金融商品・サービスの開発を推進してまいります。将来的には、小売・金融を横断した、お客様への新たな価値の提供を目指しておりますが、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③グループ商品戦略のリスク

当社グループでは、食品ロスの問題、また、労働人口の減少、ドライバー不足による配送料の値上げ等の問題において、サプライチェーン全体を見直し、持続可能な新たな成長を目指しております。現在の調達のあり方、物流の問題点を精査し、お客様に喜んでいただける「価値ある新商品」を売場に送り出すための調達の仕組みの構築に取り組んでおりますが、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④首都圏食品戦略のリスク

当社グループの現在1都3県におけるスーパーストア事業の食品売上規模は年間約5,700億円に達しています。これは首都圏の食品スーパーの中でも有数の事業基盤であり、この基盤を有効に活かし500坪〜700坪といった従来型の食品スーパーだけでなく、都心部では300坪程度の小型店として魅力ある店舗フォーマットの構築に挑戦しております。グループの食品スーパー事業のノウハウを結集し、新しい店舗フォーマットの創出、商品調達プラットフォームの構築を推進しておりますが、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

事業継続リスク

当社グループの本社及び主要な事業の店舗等は日本にあるほか、世界各地で事業を展開しています。地震、台風、洪水、津波、気候変動に伴う異常気象の頻発等の自然災害、火災、停電、原子力発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為により、サプライチェーンの寸断や事業活動の停止、施設の改修に係る多額の費用が発生し、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、コンビニエンスストア事業やスーパーストア事業を始め主要な事業の店舗が集中している首都圏において大きな災害等が発生した場合、その影響も大きくなることが予想されます。

また、ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループは、感染症の流行に備えて、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で、地域及び社会への責任を果たすため、感染症流行時における営業継続への対策を講じていますが、感染拡大や蔓延状況に応じて、営業時間の短縮、営業店舗の限定等の措置をとる可能性やサプライチェーンの操業中断等により商品を提供できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクについては、その影響等を現在精査中であり、同様の認識に基づき、適切な対応を図っておりますが、今後の経過によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

システムリスク

当社グループは、事業活動を遂行するために多数のITシステムを保有しております。各種システムが安定的に稼働できるように、システムの冗長化、ネットワークの冗長化、定期的な修正プログラムの適用、リリース前の十分なテストの実施、IT資産の適切な管理などの対策を講じております。加えて、外部からのシステム攻撃に備え、ファイアウォールの設置、アンチウィルスソフトウェアのインストールといったセキュリティ対策を実施しております。また、不測の事態発生時に、業務を継続できる体制の整備に取り組んでおります。しかしながら、これらの対策を講じていたとしても、台風、地震等の災害、停電、ソフトウェアの不具合、ハードウェアの2重障害、人為的なミス、サイバー攻撃によるネットワークやシステムへの不正アクセス等によりシステム障害が起こりえます。システム障害が発生した場合、事業運営に支障をきたすことになり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

商品の品質管理・表示リスク

当社グループは、関係法令の規制に基づき、食品衛生に関わる設備の充実、取引先を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報を伝えるよう努めていますが、当社グループの取組みを超えた問題が発生した場合には、それによる当社グループの商品に対する信頼の低下、対応コストの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、セブンプレミアムやグループ各社のオリジナル商品をさらに拡大して、新しい価値、上質の商品やサービスをお客様に提供し続けることに挑戦していますが、当社グループの取扱商品について重大な事故等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

国連にて、2011年に「ビジネスと人権に関する指導原則」、2015年には「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ(Sustainable Development Goals:SDGs)」が採択され、企業は、取り扱う商品・サービスにおけるお取引先様を含めたサプライチェーン全体の人権の尊重と保護、法令遵守、労働安全、地球環境保全、情報管理などへ責任をもって取り組むことが、社会的使命として求められています。当社グループは社是の「信頼と誠実」の精神を基礎とし、ステークホルダーのみなさまとのエンゲージメントに努め、持続可能な社会の実現に貢献するため、お取引先様に「セブン&アイグループお取引先サステナブル行動指針」のご理解と遵守をお願いしておりますが、当社グループの取組みを超えた問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

人事労務関連リスク

当社グループが主要な事業を行う日本では、少子高齢化による労働力人口減少への対応が社会的課題である中、多くの店舗を展開する当社グループでは、店舗従業員の人数を確保することに加え、多様な人財に意欲をもって能力を発揮していただくために、一人ひとりの従業員の主体的な能力向上を支援していくこと、さらには、これらを通して企業としての生産性の向上に結びつけていくことが重要な課題であると捉えております。当社グループでは、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「生産性向上に向けた働き方改革」「人財育成体系の整備」を人財政策の柱として掲げ、積極的に推進しておりますが、法令や制度の改正など何らかの事由により、その目的を達成できない場合に当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの各事業には、お客様を始めとする様々なステークホルダーとの良好なコミュニケーション力を有する人材が不可欠ですが、今後、各事業分野及び地域における人材獲得競争の激化等により、相応しい人材の獲得が困難となる場合や、人材の社外流出が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

投資回収リスク

当社グループは、M&A及び他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、新規事業の展開やグループ事業の再編を行っています。しかし、これら戦略的投資について、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

事業信用リスク

当社グループは、店舗賃借にあたり、賃貸人へ敷金・保証金を差し入れています。店舗賃貸人の経済環境の悪化や債権保全のために担保設定した物件の価値が下落した場合等には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

資産リスク

当社グループは、有形固定資産やのれん等多くの固定資産を保有しており、減損会計を適用しています。今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

既存事業リスク(店舗出店に関する規制)

当社グループの店舗出店に際しては、「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」「建築基準法」等様々な法令に基づく規制を受けています。これらの法令の改正やこれらに関して各都道府県等が定めた規制の変更に伴い、当初策定した計画どおりの新規出店や既存店舗の改装等を行うことが困難となった場合や、将来の潜在的な出店候補地が減少した場合、及び新たな対応コストが発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(セグメント別のリスク)

国内コンビニエンスストア事業

当社グループの国内コンビニエンスストア事業は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを中心に、主にフランチャイズ・システムからなり、「セブン‐イレブン」という同一店舗名でチェーン展開を行っています。同システムは、加盟店と当社グループが対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同事業であるため、加盟店もしくは当社グループのいずれかがその役割を果たせないことにより、多くの加盟店との間で契約が維持できなくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

日本では少子高齢化による労働力人口減少などといった厳しい雇用環境が続くなど、店舗経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。このような消費市場及び店舗経営の環境を踏まえ、それぞれの地域におけるお客様の社会的なインフラとして持続可能な成長を実現していくためにビジネスモデルの見直しに着手しておりますが、予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、常に変化し続けるお客様のニーズに対して、取引先各社と製造・物流・販売・それらを支える情報システムの仕組みを革新しながら、差別化された高品質の商品や生活をサポートする便利なサービスを構築してきました。このための独自の事業インフラは、フランチャイズ・システムの理念を共有する取引先各社と構築しているため、取引先各社との業務上の関係が維持できない状況が発生した場合、または取引先各社の技術力等が著しく低下した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

海外コンビニエンスストア事業

当社グループの海外コンビニエンスストア事業である7-Eleven, Inc.は、主にガソリンスタンドを併設した店舗を米国及びカナダで積極的に展開しており、同社のチェーン全店売上に占めるガソリン売上が、約半分を占めるようになっています。ガソリンのサプライチェーンの垂直統合等により、ガソリン小売価格の変動に伴う利益率の低下リスクをヘッジしていますが、急激な価格の変動等、事業環境の予期しない変化により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

7-Eleven, Inc.は、当社グループに属さないエリアライセンシー及び当該エリアライセンシーが展開する店舗において、不祥事その他の事由により、ロイヤリティの減少・売上の減少が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

スーパーストア事業

当社グループのスーパーストア事業は、主として株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル、株式会社ヨークマート等で構成され、GMS(総合スーパー)事業と食品スーパー事業からなります。当社グループでは、お客様のニーズの変化に的確に対応していくため、GMS事業においては、個々の店舗が地域のマーケットに合致した商品の品揃えを主導する個店主義を推し進めるとともに、引き続き、MD(商品政策)改革の推進や接客の強化によるお客様とのコミュニケーションを強化する一方、不採算店舗の閉店を実行し、事業構造改革に取組んでおります。食品スーパー事業においては、新しい生活提案型スーパーマーケットの確立を目指し、出来立て、作り立ての美味しさを追求した店内製造やMD改革の推進、生産性の向上に取組んでおります。しかしながら、万一製品の品質について何らかの問題が発生した場合や予期しない要因により、その目的を完全には達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、経済環境の変化に伴うテナントの売上低下、賃料の支払の延滞、賃料の減額要求による賃料の値下げ、退去による空室率の上昇などにより不動産賃貸収入が減少することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

百貨店事業

当社グループの百貨店事業は、主として株式会社そごう・西武を中心に構成されています。株式会社そごう・西武は、首都圏店舗を中心に、地域マーケットに合わせた店舗改革(成長戦略)を推進するとともに、今後の業績改善が見込めない店舗の閉店等、事業構造改革に取組んでおります。しかしながら、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

金融関連事業

当社グループでは、銀行業・カード事業等の金融関連事業を行っています。

株式会社セブン銀行の収入は、ATM事業に大きく依存していますが、現金に代替する決済の普及、ATMサービスに関する競争の激化、ATMネットワーク拡大の限界等の事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

カード事業については、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」及び「クラブ・オン/ミレニアムカード セゾン」と電子マネー「nanaco」の発行と運営を通じて、流通サービスと融合した利便性の高い金融サービスの実現に取組んでおります。クレジットカード事業においては、貸倒率の増大・予想外の貸倒損失の発生、貸金業法に基づく総量規制等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、電子マネー事業においては、独自のシステムを構築して差別化を図っておりますが、我が国における電子マネーの急速な普及の過程で、汎用性の増大等の質的変化によって、競争力を維持できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

専門店事業

当社グループは、特徴のある商品・サービスを提供する専門店事業を行っています。マタニティ・ベビー・キッズ用品専門店の株式会社赤ちゃん本舗、生活雑貨専門店の株式会社ロフト、レストラン事業、ファストフード事業、コントラクトフード事業(給食事業)を行う株式会社セブン&アイ・フードシステムズは、使われ方やニーズの変化に対応した商品開発の強化、及び生産性の向上による成長戦略を推進しておりますが、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、カタログ・インターネットによる通信販売事業を行う株式会社ニッセンホールディングスは、商品競争力の低下、配送コスト増等の経営環境の変化に対して、商品力の強化と販促効率向上を軸とする改革に取組んでおりますが、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない可能性があります。この場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)その他の法的規制・訴訟に関するリスク

会計リスク・税務リスク

当社グループが予期しない会計基準や税制の新たな導入・変更により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

環境リスク

当社グループは、食品廃棄物、プラスチックをはじめとする容器包装リサイクル、廃棄物処理及び気候変動対策などに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。将来、これらの法令による規制は、例えば気候変動対策では、温室効果ガス排出規制が強化されたり、炭素税などの新しい法規制・政策が導入されたりする可能性があり、当社グループにとって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限されたりする可能性があります。

また、規制強化によって電力・水・ガスなどエネルギー費用が変動することで、店舗運営に関わる費用が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

情報管理リスク

当社グループは、小売業や金融事業を始めとする各種事業において、お客様やお取引先様などの個人情報や営業秘密情報など、業務に必要な重要情報を取り扱っております。これらの情報を統括して管理するため、情報管理に関する規程を整備するとともに、各社において情報管理統括責任者を任命し、情報管理委員会による重要情報の整備、及び人的、組織的、物理的、技術的な安全対策を統合的に実施しております。

しかしながら、このような対策を行ったとしても、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入、システムの不具合、人為ミスや委託先の管理不備などによる重要な情報が外部に流出するリスクや改ざんされるリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によってはお客様やお取引先様などからの損害賠償請求や信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

法務リスク

当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟等及び規制当局による様々な法的手続きに服するリスクを有しています。現在までのところ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、より厳格な法規制が導入されたり、規制当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、多大な法的責任、不利な措置が課された場合や、法的手続きへの対応に多大なコストがかかる場合、当社グループの事業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

知的財産権(商標権等)に係るリスク

当社グループは、国内外で登録済の商標等の知的財産権を保有し、これらの知的財産権の保全に取り組んでいますが、知的財産権に関する第三者との間の紛争等により、当社グループが当該知的財産権を行使できなくなり、当社グループの事業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが多額の損害賠償責任を負う可能性があります。

(4)その他のリスク

退職給付債務・退職給付費用

当社グループの退職給付債務や退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の基礎率を加味し算出していますが、これらの前提となる国内外の株価・為替・金利について予想外の変動が生じた場合や、それらにより年金資産の運用成績が悪化した場合、また、年金制度の変更が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

繰延税金資産

当社グループの繰延税金資産については、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき計上しているグループ会社があります。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積もりを減額された場合等には、繰延税金資産を取崩す必要が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社及び一部の連結子会社は、2012年度より連結納税制度を適用しております。

風評リスク(ブランドイメージ)

本編の他の項目に記載している諸事象及び子会社・関連会社・フランチャイズビジネスにおける加盟店等の不祥事件、サプライチェーンにおける人権問題・環境問題等の発生により、結果として、当社グループ全体のブランドイメージが低下した場合、それによる当社グループに対するお客様の信頼低下、人材の流出、人材確保の困難化等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

また、米国会計基準を適用する在外連結子会社において、ASU第2016-18号「キャッシュ・フロー計算書:拘束性現金」を当連結会計年度より適用しており、キャッシュ・フローの状況については遡及処理後の前連結会計年度の数値で比較を行っております。

 

(1)経営成績等の概要

① 経営成績

当連結会計年度における国内経済は緩やかな景気回復基調で推移したものの、2019年10月に実施された消費税率引き上げによる消費者心理への影響が尾を引くなど、個人消費におきましては依然として先行き不透明な状況が続きました。お客様の選別の目が一層厳しくなるこのような環境の中、当社グループは「信頼と誠実」「変化への対応と基本の徹底」を基本方針とし、7-Eleven, Inc.による北米及びグローバル展開の強化を目指した成長戦略をはじめ、デジタル、金融、調達・物流及び首都圏食品戦略を掲げ、中長期的な企業価値向上と更なる成長の実現に取り組んでおります。

また、2019年10月に、株式会社イトーヨーカ堂及び株式会社そごう・西武におきましては組織のスリム化による収益安定化を、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンにおきましては再成長に向けた基盤づくりを目的に、一段と踏み込んだ事業構造改革を発表いたしました。

一方、商品面では、様々な社会環境の変化やお客様の心理変化を捉え、付加価値の高い商品及び地域の嗜好に合わせた商品の開発・販売を継続するとともに、接客の質を改善するなど、引き続きお客様満足度の向上に取り組みました。

これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。

(単位:百万円)

 

2019年2月期

2020年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

営業収益

6,791,215

112.5%

6,644,359

97.8%

営業利益

411,596

105.1%

424,266

103.1%

経常利益

406,523

104.0%

417,872

102.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

203,004

112.1%

218,185

107.5%

 

為替レート

U.S.$1=110.44円

U.S.$1=109.03円

1元=16.71円

1元=15.78円

 

なお、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、連結会計年度としてそれぞれ過去最高益を達成し、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄及び7-Eleven,Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は、11,997,643百万円(前年同期比99.8%)となりました。また、当連結会計年度における為替レート変動に伴い、営業収益は429億円、営業利益は14億円減少しております。

当連結会計年度における事業部門別の営業概況は以下のとおりです。

(セグメント別営業収益)                                 (単位:百万円)

 

2019年2月期

2020年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

955,443

102.9%

971,236

101.7%

海外コンビニエンスストア事業

2,821,053

142.4%

2,739,833

97.1%

スーパーストア事業

1,902,507

100.1%

1,849,121

97.2%

百貨店事業

592,100

90.0%

577,633

97.6%

金融関連事業

215,007

105.9%

217,367

101.1%

専門店事業

355,474

85.3%

339,660

95.6%

その他の事業

23,720

100.8%

25,202

106.2%

調整額(消去及び全社)

△74,093

△75,695

合 計

6,791,215

112.5%

6,644,359

97.8%

 

(セグメント別営業利益)                                 (単位:百万円)

 

2019年2月期

2020年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

246,721

100.6%

256,601

104.0%

海外コンビニエンスストア事業

92,266

116.7%

102,001

110.6%

スーパーストア事業

21,173

99.6%

21,307

100.6%

百貨店事業

3,737

69.6%

797

21.3%

金融関連事業

52,874

106.4%

53,610

101.4%

専門店事業

6,680

4,690

70.2%

その他の事業

2,659

72.4%

1,554

58.5%

調整額(消去及び全社)

△14,515

△16,296

合 計

411,596

105.1%

424,266

103.1%

 

(a)国内コンビニエンスストア事業

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は971,236百万円(前年同期比101.7%)、営業利益は256,601百万円(同104.0%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人件費の上昇をはじめとした国内労働市場の環境変化を受け、従来のビジネスモデルの見直しに着手しております。加盟店の持続的な成長に向けた行動計画を2019年4月に発表したことに加え、同年10月には不採算店の閉店加速や本部人員適正化による収益性改善施策も打ち出すとともに、加盟店が安心して経営に専念できる環境づくりの一環として、2020年3月より適用のインセンティブ・チャージ見直しを公表いたしました。

一方で、社会環境の変化に伴うお客様ニーズの変化に対応するため、店内レイアウトを刷新した店舗数の拡大に加え、新商品の開発・販売及び既存商品の品質向上にも引き続き取り組みました。

当連結会計年度における既存店売上は、2019年10月の消費税率引き上げに合わせて政府が推進しているキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風もあったことから前年を上回り、営業利益は253,980百万円(前年同期比103.6%)、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は5,010,273百万円(同102.3%)となりました。

なお、2019年7月には株式会社セブン‐イレブン・沖縄が、将来に向けたより効率的なサプライチェーンの構築も視野に、全国で最後の出店エリアとなる沖縄県への店舗展開をスタートさせました。

(b)海外コンビニエンスストア事業

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は2,739,833百万円(前年同期比97.1%)、営業利益は102,001百万円(同110.6%)となりました。

北米の7-Eleven, Inc.は、収益性の低い既存店舗の閉店を進めるとともに、ファスト・フードやプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発・販売に引き続き注力した結果、当連結会計年度におけるドルベースの米国内既存店商品売上は前年を上回り、営業利益は121,654百万円(前年同期比109.5%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、商品売上の伸長はあったものの、ガソリン売上の減少に伴い3,936,217百万円(同98.6%)となりました。

(c)スーパーストア事業

スーパーストア事業における営業収益は1,849,121百万円(前年同期比97.2%)、営業利益は21,307百万円(同100.6%)となりました。

総合スーパーである株式会社イトーヨーカ堂は、当連結会計年度における既存店売上が前年を下回ったものの、荒利率改善や販管費の適正化に伴う収益性向上により営業利益は6,522百万円(前年同期比138.5%)となりました。同社は、2016年10月に発表した中期経営計画に基づき、閉店や改装を伴う店舗構造改革を実施しておりますが、選択と集中を一層推進し、商業施設としての価値を更に向上させるため、2019年10月に、店舗政策、MD政策、組織改編、人員政策からなる事業構造改革を発表いたしました。

食品スーパーである株式会社ヨークベニマルは、当連結会計年度における既存店売上は前年を下回りましたが、主に荒利率の改善による収益性向上に努めた結果、営業利益は13,100百万円(同102.3%)となりました。

 

(d)百貨店事業

百貨店事業における営業収益は577,633百万円(前年同期比97.6%)、営業利益は797百万円(同21.3%)となりました。

株式会社そごう・西武は、株式会社イトーヨーカ堂同様中期経営計画に基づく閉店や店舗譲渡を伴う店舗構造改革を実施してきましたが、選択と集中を一層推進し、商業施設としての価値を更に向上させるため、店舗政策、人員政策、売場政策からなる事業構造改革を2019年10月に発表いたしました。同年11月にはその一環として、店舗の新しいオペレーションモデル確立に向け、百貨店と専門店の融合を目指した西武所沢S.C.をリニューアルいたしました。しかしながら、2019年10月の消費税率引き上げによる消費者心理への影響が長引いていることなどにより、当連結会計年度における既存店売上は前年を下回り、営業利益は172百万円(前年同期比5.3%)となりました。

(e)金融関連事業

金融関連事業における営業収益は217,367百万円(前年同期比101.1%)、営業利益は53,610百万円(同101.4%)となりました。

株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は、25,194台(前連結会計年度末差111台増)まで拡大し、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回ったものの、一部提携金融機関による手数料体系変更や決済手段の多様化等の影響により、1日1台当たりの平均利用件数は92.0件(前年同期差0.4件減)となりました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて8,462億円となりました。

また、当社グループにおけるクレジットカード事業に付随するセキュリティ対策強化に向けたカードのIC化や、バーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」に関する費用の計上はあったものの、当事業の営業利益は前連結会計年度と比べ増益となりました。

なお、7payにおきましては、一部アカウントに対する不正アクセスが発生したことにより、既存のスキームに基づいたサービス提供の継続が困難であるとの判断に至り、2019年9月末をもって当該サービスを廃止いたしました。

(f)専門店事業

専門店事業における営業収益は339,660百万円(前年同期比95.6%)、営業利益は4,690百万円(同70.2%)となりました。

引き続きお客様のニーズに対応した商品政策を実行いたしましたが、前連結会計年度と比べ減益となりました。

(g)その他の事業

その他の事業における営業収益は25,202百万円(前年同期比106.2%)、営業利益は1,554百万円(同58.5%)となりました。

(h)調整額(消去及び全社)

グループCRM(顧客関係管理)戦略に係る費用等を計上しております。営業損失は前連結会計年度と比べ1,780百万円増の16,296百万円となりました。

② 財政状態の状況

(a)資産、負債及び純資産の状況

総資産は、前連結会計年度末に比べ201,822百万円増の5,996,887百万円となりました。

流動資産は、曜日要因によるATM仮払金の増加や閏年による営業日数増加に伴う受取手形及び売掛金の増加により、前連結会計年度末に比べ145,462百万円増加いたしました。

固定資産は、償却及び為替レートの変動等に伴うのれんの減少はあったものの、新規出店や既存店への投資に伴う有形固定資産取得等に付随し建物及び構築物が増加したことなどにより、54,037百万円増加いたしました。

負債は、当社及び株式会社セブン銀行による社債の償還はあったものの、曜日要因に伴う預り金の増加等により、前連結会計年度末に比べ117,086百万円増の3,239,665百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定の減少等はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ84,735百万円増の2,757,222百万円となりました。

(b)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ44,126百万円増加したことにより、1,354,856百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、576,670百万円の収入(前年同期比99.8%)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が346,469百万円、減価償却費が226,475百万円となりましたが、法人税等の支払額が92,629百万円となったことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、318,047百万円の支出(前年同期比57.0%)となりました。これは、店舗の新規出店や改装などに伴う有形固定資産の取得による支出が297,693百万円となったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、213,204百万円の支出(前年同期比4,004.0%)となりました。これは、長期借入れによる収入が53,580百万円あったものの、長期借入金の返済による支出が98,555百万円、配当金の支払額が83,976百万円となったことなどによるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産及び受注の実績

該当事項はありません。

 

②仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

国内コンビニエンスストア事業

112,414

94.2

海外コンビニエンスストア事業

2,086,334

95.3

スーパーストア事業

1,342,702

97.1

百貨店事業

440,654

97.8

金融関連事業

22,842

100.5

専門店事業

192,505

95.7

その他の事業

2,032

85.8

4,199,487

96.1

(注)1 上記仕入実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。

 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における売上実績(営業収益のうちの売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

国内コンビニエンスストア事業

158,347

94.5

海外コンビニエンスストア事業

2,445,543

96.6

スーパーストア事業

1,803,721

97.1

百貨店事業

560,567

97.5

金融関連事業

22,978

106.6

専門店事業

336,447

95.4

その他の事業

2,315

80.0

5,329,919

96.8

(注)1 上表国内及び海外コンビニエンスストア事業の売上高には、自営店売上のみが含まれております。

2 上記売上実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

   4 主要な子会社の売上状況は、次のとおりであります。

    (1)国内コンビニエンスストア事業

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

区分

チェーン全店売上(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

 加工食品

1,297,660

101.5

25.9

 ファスト・フード

1,533,143

102.3

30.6

 日配食品

661,356

103.1

13.2

食品計

3,492,160

102.1

69.7

 非食品

1,518,112

102.6

30.3

合計

5,010,273

102.3

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。また、チェーン全店売上は、フランチャイズ・ストア(加盟店)とトレーニング・ストア(自営店)の売上の合計金額であります。

 

    (2)海外コンビニエンスストア事業

7-Eleven, Inc.

区分

チェーン全店売上(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

 加工食品

802,806

103.1

20.4

 ファスト・フード

289,052

102.4

7.3

 日配食品

95,111

92.2

2.4

食品計

1,186,971

102.0

30.1

 非食品

753,802

100.3

19.2

商品計

1,940,773

101.3

49.3

 ガソリン

1,995,444

96.1

50.7

合計

3,936,217

98.6

100.0

(注) チェーン全店売上は、加盟店と自営店の売上の合計金額であります。

 

    (3)スーパーストア事業

① 株式会社イトーヨーカ堂

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

 ライフスタイル

285,985

92.0

24.8

 専門店

13,488

102.1

1.2

 食品

516,120

95.8

44.7

商品計

815,594

94.5

70.7

 テナント

335,359

99.7

29.1

 その他

3,420

52.0

0.3

合計

1,154,374

95.7

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 株式会社ヨークベニマル

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

 生鮮食品

154,442

100.6

35.2

 加工食品

106,140

101.1

24.2

 デイリー食品

87,235

100.8

19.9

食品計

347,818

100.8

79.3

 衣料

11,747

92.1

2.7

 住居

19,005

98.6

4.3

商品計

378,571

100.4

86.3

 テナント

60,066

100.0

13.7

合計

438,637

100.3

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    (4)百貨店事業

株式会社そごう・西武

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

 衣料

214,255

93.3

36.4

 雑貨

58,679

99.3

10.0

 食品

123,649

98.9

21.0

商品計

396,584

95.9

67.3

 テナント

161,037

102.1

27.3

 法人外商

31,788

96.6

5.4

合計

589,410

97.5

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

② 経営成績の分析

(a)営業収益及び営業利益

当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ146,855百万円減少の6,644,359百万円(前年同期比97.8%)、営業利益は、12,669百万円増加の424,266百万円(前年同期比103.1%)となりました。

 

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

増減額

営業収益(百万円)

 

 

 

国内コンビニエンスストア事業

955,443

971,236

15,792

海外コンビニエンスストア事業

2,821,053

2,739,833

△81,220

スーパーストア事業

1,902,507

1,849,121

△53,386

百貨店事業

592,100

577,633

△14,466

金融関連事業

215,007

217,367

2,359

専門店事業

355,474

339,660

△15,814

その他の事業

23,720

25,202

1,481

消去及び全社

△74,093

△75,695

△1,601

合  計

6,791,215

6,644,359

△146,855

営業利益(百万円)

 

 

 

国内コンビニエンスストア事業

246,721

256,601

9,879

海外コンビニエンスストア事業

92,266

102,001

9,734

スーパーストア事業

21,173

21,307

133

百貨店事業

3,737

797

△2,940

金融関連事業

52,874

53,610

736

専門店事業

6,680

4,690

△1,989

その他の事業

2,659

1,554

△1,104

消去及び全社

△14,515

△16,296

△1,780

合  計

411,596

424,266

12,669

 

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は971,236百万円(前年同期比101.7%)、営業利益は256,601百万円(同104.0%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人件費の上昇をはじめとした国内労働市場の環境変化を受け、従来のビジネスモデルの見直しに着手しております。加盟店の持続的な成長に向けた行動計画を2019年4月に発表したことに加え、同年10月には不採算店の閉店加速や本部人員適正化による収益性改善施策も打ち出すとともに、加盟店が安心して経営に専念できる環境づくりの一環として、2020年3月より適用のインセンティブ・チャージ見直しを公表いたしました。

一方で、社会環境の変化に伴うお客様ニーズの変化に対応するため、店内レイアウトを刷新した店舗数の拡大に加え、新商品の開発・販売及び既存商品の品質向上にも引き続き取り組みました。

当連結会計年度における既存店売上は、2019年10月の消費税率引き上げに合わせて政府が推進しているキャッシュレス・ポイント還元事業の追い風もあったことから前年を上回り、営業利益は253,980百万円(前年同期比103.6%)、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は5,010,273百万円(同102.3%)となりました。

なお、2019年7月には株式会社セブン‐イレブン・沖縄が、将来に向けたより効率的なサプライチェーンの構築も視野に、全国で最後の出店エリアとなる沖縄県への店舗展開をスタートさせました。

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は2,739,833百万円(前年同期比97.1%)、営業利益は102,001百万円(同110.6%)となりました。

北米の7-Eleven, Inc.は、収益性の低い既存店舗の閉店を進めるとともに、ファスト・フードやプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発・販売に引き続き注力した結果、当連結会計年度におけるドルベースの米国内既存店商品売上は前年を上回り、営業利益は121,654百万円(前年同期比109.5%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、商品売上の伸長はあったものの、ガソリン売上の減少に伴い3,936,217百万円(同98.6%)となりました。

スーパーストア事業における営業収益は1,849,121百万円(前年同期比97.2%)、営業利益は21,307百万円(同100.6%)となりました。

総合スーパーである株式会社イトーヨーカ堂は、当連結会計年度における既存店売上が前年を下回ったものの、荒利率改善や販管費の適正化に伴う収益性向上により営業利益は6,522百万円(前年同期比138.5%)となりました。同社は、2016年10月に発表した中期経営計画に基づき、閉店や改装を伴う店舗構造改革を実施しておりますが、選択と集中を一層推進し、商業施設としての価値を更に向上させるため、2019年10月に、店舗政策、MD政策、組織改編、人員政策からなる事業構造改革を発表いたしました。

食品スーパーである株式会社ヨークベニマルは、当連結会計年度における既存店売上は前年を下回りましたが、主に荒利率の改善による収益性向上に努めた結果、営業利益は13,100百万円(同102.3%)となりました。

百貨店事業における営業収益は577,633百万円(前年同期比97.6%)、営業利益は797百万円(同21.3%)となりました。

株式会社そごう・西武は、株式会社イトーヨーカ堂同様中期経営計画に基づく閉店や店舗譲渡を伴う店舗構造改革を実施してきましたが、選択と集中を一層推進し、商業施設としての価値を更に向上させるため、店舗政策、人員政策、売場政策からなる事業構造改革を2019年10月に発表いたしました。同年11月にはその一環として、店舗の新しいオペレーションモデル確立に向け、百貨店と専門店の融合を目指した西武所沢S.C.をリニューアルいたしました。しかしながら、2019年10月の消費税率引き上げによる消費者心理への影響が長引いていることなどにより、当連結会計年度における既存店売上は前年を下回り、営業利益は172百万円(前年同期比5.3%)となりました。

金融関連事業における営業収益は217,367百万円(前年同期比101.1%)、営業利益は53,610百万円(同101.4%)となりました。

株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は、25,194台(前連結会計年度末差111台増)まで拡大し、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回ったものの、一部提携金融機関による手数料体系変更や決済手段の多様化等の影響により、1日1台当たりの平均利用件数は92.0件(前年同期差0.4件減)となりました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて8,462億円となりました。

また、当社グループにおけるクレジットカード事業に付随するセキュリティ対策強化に向けたカードのIC化や、バーコード決済サービス「7pay(セブンペイ)」に関する費用の計上はあったものの、当事業の営業利益は前連結会計年度と比べ増益となりました。

なお、7payにおきましては、一部アカウントに対する不正アクセスが発生したことにより、既存のスキームに基づいたサービス提供の継続が困難であるとの判断に至り、2019年9月末をもって当該サービスを廃止いたしました。

専門店事業における営業収益は339,660百万円(前年同期比95.6%)、営業利益は4,690百万円(同70.2%)となりました。

引き続きお客様のニーズに対応した商品政策を実行いたしましたが、前連結会計年度と比べ減益となりました。

(b)営業外損益及び経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の5,073百万円の損失(純額)から6,393百万円の損失(純額)となりました。これは受取利息が減少したことなどによるものです。

この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ11,348百万円増加の417,872百万円となりました。

(c)特別損益及び税金等調整前当期純利益

特別損益は、前連結会計年度の89,111百万円の損失(純額)から71,403百万円の損失(純額)となりました。これはデジタル・決済サービス関連損失が増加した一方、減損損失が減少したことなどによるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ29,057百万円増加の346,469百万円となりました。

(d)法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等は、前連結会計年度に比べ6,912百万円増加の111,263百万円となりました。また、税効果会計適用後の負担率は32.1%となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ15,181百万円増加の218,185百万円となりました。1株当たり当期純利益は、246.95円となり、前連結会計年度の229.50円に比べ17.45円増加しました。

③ 財政状態の分析

(a)資産、負債及び純資産の状況

 

前連結会計年度

(2019年2月28日)

当連結会計年度

(2020年2月29日)

増減額

総資産(百万円)

5,795,065

5,996,887

201,822

負 債(百万円)

3,122,578

3,239,665

117,086

純資産(百万円)

2,672,486

2,757,222

84,735

総資産は、前連結会計年度末に比べ201,822百万円増加して5,996,887百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が43,169百万円、受取手形及び売掛金が15,845百万円、ATM仮払金が57,362百万円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ145,462百万円増加し、2,471,921百万円となりました。

有形固定資産及び無形固定資産は、新規出店や既存店投資などによりそれぞれ64,744百万円及び395百万円の増加となりました。また、投資その他の資産においては、株式会社セブン銀行が取得する地方債や社債が減少したことなどにより11,103百万円減少しております。これらの結果、固定資産は前連結会計年度末に比べ54,037百万円増加し、3,522,541百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ117,086百万円増加し、3,239,665百万円となりました。

流動負債は、銀行業における預金が66,640百万円、預り金が54,372百万円、1年内償還予定の社債が30,000百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ164,408百万円増加し、2,157,172百万円となりました。

固定負債は、社債が一年内振替により79,998百万円、長期借入金が40,274百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ47,321百万円減少し、1,082,492百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ84,735百万円増加し、2,757,222百万円となりました。

利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による218,185百万円の増加、配当金の支払いによる84,037百万円の減少及び米国会計基準を適用する在外連結子会社において、ASU第2014-09号「顧客との契約から生じる収益」を当連結会計年度より適用したことによる期首残高43,794百万円減少などにより、前連結会計年度に比べ91,290百万円増加しております。

為替換算調整勘定は、主に7-Eleven, Inc.の財務諸表の換算などより、6,252百万円減少しております。

これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ96.41円増加し2,946.83円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の43.5%から43.4%となりました。

(b)キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

当連結会計年度

(自 2019年3月1日

至 2020年2月29日)

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

577,878

576,670

△1,207

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△557,497

△318,047

239,449

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△5,324

△213,204

△207,879

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

1,310,729

1,354,856

44,126

現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを中心とする店舗の新規出店及び改装などに伴う支出がありましたが、国内及び海外コンビニエンスストア事業を中心とした高い営業収益力によりキャッシュ・フローを創出したことなどにより、前連結会計年度末に比べ44,126百万円増加し、1,354,856百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得た資金は、前連結会計年度に比べ1,207百万円減少し、576,670百万円となりました。これは、預り金の増減額が52,763百万円増加した一方、銀行業における社債の純増減が35,000百万円、ATM未決済資金の純増減が26,153百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ239,449百万円減少し、318,047百万円となりました。これは、主に海外コンビニエンスストア事業における事業取得等が減少したことに伴い、有形固定資産の取得による支出が180,757百万円、事業取得による支出が161,131百万円それぞれ減少したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ207,879百万円増加し、213,204百万円となりました。これは、主に海外コンビニエンスストア事業における事業取得等に伴う資金調達等が減少したことにより、長期借入れによる収入が107,116百万円減少したこと、また、社債の発行による収入が66,478百万円減少したことなどによるものであります。

④ 戦略的現状と見通し

2021年2月期は、2019年10月の消費税率引き上げ影響が長引いていることに加え、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響等により、個人消費におきましては先行き不透明な状態が続くと想定されます。また、海外経済では米中貿易摩擦等に伴う不確実性や金融資本市場の変動による影響にも留意する必要があります

(a)国内コンビニエンスストア事業

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、高齢化や単身世帯の増加、働く女性の増加といった国内の社会構造変化を、コンビニエンスストアの存在価値が益々高まる成長機会と捉えており、引き続き、価値ある新たな商品提案や継続的な品質の向上を追求してまいります。

一方で、同社を取り巻く雇用環境は最低賃金の上昇や社会保険加入の拡大等を受け、厳しい状況が続くと想定されます。このような中、お客様ニーズに合わせた新たな店舗レイアウトの展開加速や店舗の作業効率改善に伴うお客様へのサービスの質向上に加え、廃棄ロスの削減に向けた取り組みにも注力するなど、環境負荷の低減にも積極的に取り組んでまいります。

また、2020年3月には、加盟店が安心して経営に専念できる環境づくりの一環として、インセンティブ・チャージの見直しを実施し、加盟店と本部のコミュニケーションを深耕することで、より「近くて便利」なお店への更なる進化と拡大均衡を目指してまいります。

(b)海外コンビニエンスストア事業

北米の7-Eleven, Inc.は、チームマーチャンダイジングの手法を取り入れたファスト・フード商品や、プライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発及び販売に継続して取り組み、お客様ニーズへの対応に努めるとともに、デジタル技術の積極的な活用により、アプリを通じた宅配や決済等のサービスを拡充させることで利便性向上にも注力いたします。

また、自営店の改装及びフランチャイズ化の促進や、不採算店の閉店を推進することにより、収益性の改善にも努めてまいります。

(c)スーパーストア事業

株式会社イトーヨーカ堂は、中期経営計画(2016年10月発表)及び事業構造改革(2019年10月発表)に基づき、引き続き選択と集中を進めます。自営売場面積の縮小、集客力向上に向けた魅力的なテナントの誘致及び食品営業力強化等の店舗構造改革と、閉店も視野に入れた不採算店舗のグループ内外企業との連携、食品館等の分社化及びこれら施策に付随する人員適正化等経費削減にも注力し、収益性改善に努めてまいります。

株式会社ヨークベニマルは、子会社である株式会社ライフフーズとの連携による生鮮食品及びデリカテッセンでの差別化を徹底し、地域のニーズに対応した品揃えの強化を継続いたします。また、積極的な既存店の活性化に加え、新規出店につきましては一層効率性を重視してまいります。

(d)百貨店事業

株式会社そごう・西武は、中期経営計画(2016年10月発表)及び事業構造改革(2019年10月発表)に基づく選択と集中を進め、2021年2月期中には5店の閉店を予定しております。また、ローコストオペレーションモデルとして2019年11月にリニューアルオープンした西武所沢S.C.の店舗運営ノウハウを他店に展開することで一層のコスト削減による収益性改善と、商業施設としての価値向上に努めてまいります。

(e)金融関連事業

金融関連事業におきましては、引き続きATMサービスの拡充に加え、電子マネー及びクレジットカード事業等に注力してまいります。

(f)専門店事業

専門店事業におきましては、株式会社赤ちゃん本舗や株式会社ロフト、株式会社セブン&アイ・フードシステムズなどを中心に、専門的な品揃えでお客様ニーズにお応えしてまいります。

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店、店舗改装及びソフトウェア投資等の設備投資、M&A等によるものであります。

 

財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っております。

長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。

財務方針については、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターンを拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針としております。また、グループ内でキャッシュ・マネジメントシステムを整備しており、グループ内資金を活用することでバランスシートを圧縮し、金融収支の改善、連結総資産当期純利益率の向上にもつなげております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,019,112百万円となっております。

 

⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、グループ企業価値の最大化のための経営目標として、2020年2月期を最終年度とした中期経営計画において連結営業利益及び連結自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

なお、当連結会計年度における連結営業利益は、2019年4月4日に公表した連結業績予想の420,000百万円に比べ4,266百万円増益の424,266百万円(前年同期比103.1%)となりました。また、ROEは8.5%(前年同期比0.3ポイント改善)となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)グループ経営管理契約

当社は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社セブン&アイ・フードシステムズ及びその他の子会社23社との間で、当社が各社に対して行う経営管理に関し、それぞれ「グループ経営サービス等の提供に関する基本契約書」を締結しております。

(2)加盟店契約

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンとコンビニエンスストア加盟店との加盟店契約の要旨は、次のとおりであります。

① 当事者(株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと加盟者)の間で、取り結ぶ契約

(a)契約の名称

加盟店基本契約(書)及びその付属契約(書)

(b)契約の本旨

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの許諾によるコンビニエンスストア経営のためのフランチャイズ契約関係を加盟者と形成すること。

② 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、開業時在庫の買取りを求める以外、爾後商品の販売はせず、加盟者は株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの推薦する仕入先その他任意の仕入先から商品を買取ります。

③ 経営の指導に関する事項

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは継続的に担当者を派遣して、店舗・商品・販売の状況を観察させて助言・指導をする他、販売情報等の資料の提供、効果的な標準小売価格の開示、各種仕入援助、広告宣伝、経営相談、計数管理のための計数等の作成提供を行い、商品仕入等についての与信をします。

④ 使用させる商標、商号その他の表示に関する事項

コンビニエンスストア経営について“セブン‐イレブン”の商標その他営業シンボル、著作物の使用をすることが許諾されます。

⑤ 契約の期間等に関する事項

契約の期間は、加盟店として新規開店の初日から向こう15ヶ年間です。契約の更新は、協議し、合意にもとづいて行われます。

⑥ 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項

月間売上総利益(月間売上高から、月間売上商品原価(商品の総売上原価から品減り、不良品各原価及び仕入値引金を差引いた純売上原価)を差引いたもの)を基に一定の計算をして算出した金額を、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが実施するサービスの対価として支払います。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。