第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものになります。

(1)経営の基本方針

当社は、2005年9月1日に、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社デニーズジャパンの3社の共同株式移転により設立された純粋持株会社です。流通業を中心として、傘下に173の連結子会社を擁する当社は、お客様ニーズ、マーケット、そして急速な社会の変化に迅速に対応し、業務改革、事業構造の改革を不断に進めてまいります。また、グローバルに展開するグループのネットワーク、情報力とともに、コンビニエンスストア事業を中心に、スーパーストア事業、金融事業などお客様の様々な生活シーンのニーズに応える多様な業態を擁する世界に類を見ない流通グループとして、「信頼と誠実」、「変化への対応と基本の徹底」を基本方針に掲げ、総合的にシナジーを追求してまいります。そのために、当社は、ガバナンスの強化とグループシナジーの追求によりグループ企業価値の最大化に努めるとともに、グループを代表する上場会社としてステークホルダーに対する説明責任を果たしてまいります。また、各事業会社は与えられた事業範囲における責任を全うし、各々の自立性を発揮しながら、利益の成長及び資産効率の向上を追求してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針とし、以下の財務目標を設定しております。

 

(2025年度 主要連結財務数値目標)

 

2021年度 実績

2025年度 目標

EBITDA

7,514

億円

1

兆円以上

営業キャッシュ・フロー(除く金融)

6,308

億円

8,000

億円以上

フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)

2,795

億円

4,000

億円以上

ROE

7.5

10

%以上

ROIC(除く金融)

4.8

7

%以上

Debt/EBITDA倍率

3.9

2.0

倍未満

調整後Debt/EBITDA倍率

2.2

倍未満

EPS成長率(CAGR)

15

%以上

※営業キャッシュ・フロー(除く金融)は、金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値。

 フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)は、金融事業を除く管理会計ベース数値。

 なお、M&Aは戦略投資として投資キャッシュ・フローからは除外して算出。

 ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。

 調整後Debt/EBITDA倍率は、金融事業を除く管理会計ベース数値。

 Net Debt / EBITDAR (Net Debt:有利子負債+オンバランスリース-現預金等調整)

 EPS成長率(CAGR)は、2020年度に対してのCAGR(年平均成長率)にて試算。

 

(3)中長期的な経営戦略

当社グループは「信頼と誠実」の社是のもと「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」という基本姿勢により、様々な社会構造の変化を背景としたお客様の購買行動の変化に着実かつスピーディーに対応してまいります。

また、当社グループは、2030年の目指すグループ像として、「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する世界トップクラスのグローバル流通グループ」を掲げておりますが、この実現に向けて、2021年7月に公表した「中期経営計画2021-2025」を着実に推進してまいります。

 

(4)経営環境及び経営課題

当社グループを取り巻く環境は、大きく変化しており、またその変化のスピードも加速しております。国内においては、少子高齢化、世帯人数の減少、共働き世帯の増加等の社会構造変化が進むとともに、時代の変化に合わせてお客様のライフスタイルや価値観が多様化しております。一方、最低賃金の上昇や社会保険加入の拡大を受け、雇用環境は引き続き厳しい状況が続くことが想定されます。加えて、国内外を問わず、気候変動、海洋汚染、フードロス、持続可能な調達等、社会課題が深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対してこれまで以上に真剣に向き合う時代を迎えております。

2020年以降、全世界を覆っている新型コロナウイルス感染症は、消費市場に多大な影響をもたらし、私たちの事業の存在意義を根本から見直す機会となりました。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症によるお客様の消費行動の変化、サプライチェーンに与える影響は一過性のものではなく、今後へとつながる「消費の潮目」であるととらえ、新型コロナウイルス感染症によって生じた消費・価値観・労働環境・産業構造の変化を徹底的に分析し、グループ全体で迅速な対応に向けた取り組みを進めております。

 

「中期経営計画 2021-2025」によるグループ重点戦略の遂行

① 海外コンビニエンスストア事業戦略 ~新たな『成長領域』への挑戦~

海外コンビニエンスストア事業においては、米国でセブン‐イレブン事業を展開する7-Eleven, Inc.が、2000年以降成長を加速させており、近年では当社グループの利益成長の一端を担うまでになっています。7-Eleven, Inc.は、商品開発による商品力の強化やDXによるラストワンマイル(7NOW)のサービス拡充などを通じて、米国内での従来のコンビニエンスストアのイメージを一新し、顧客層の拡大に成果を上げております。

また、米国Marathon Petroleum Corporationからのコンビニエンスストア事業等に関する株式その他の持分の取得が完了し、Speedway事業との統合を進めております。同事業が持つブランドロイヤリティや立地を活かした集客力に加え、Speedway店舗への7-Eleven, Inc.のファスト・フード商品やプライベートブランド商品の導入推進によりシナジー発現の最大化及び早期化を図ります。さらに新たなサプライチェーンの構築による商品供給体制の強化も進めてまいります。併せて、このような食品事業の強化とともに、ガソリン事業への依存度の低減とEV化への対応強化を通じた脱炭素社会への適応を通じて、サステナブルな事業構造の確立と収益力の向上も推進いたします。今後も北米でのM&Aを含めた出店強化にも力を注ぎ、店舗展開における優位性の確保を図ってまいります。

さらに日米が連携し、7-Elevenグローバルブランド価値向上を図るために今般7-Eleven International LLCを設立しました。株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと7-Eleven, Inc.の連携による協創を強化し、既存ライセンシーとの連携強化、新規エリアへの出店促進、グローバル連携拡大をより一層推進してまいります。

② 国内コンビニエンスストア事業戦略 ~次の『便利』の扉を開く~

新型コロナウイルス感染症により顕著になった消費行動の変容により小商圏化が進み、個店ごとのお客様ニーズの違いが、より一層顕在化しました。株式会社セブン‐イレブン・ジャパンでは全店一律ではなく、個店ごとのきめ細かな品揃えに対応すべく、グループのスケールメリットを活用した直輸入や生鮮食品を含めた共同調達、グループ共通インフラを活用したミールキット等の共同開発を拡大するとともに、株式会社イトーヨーカ堂をはじめとするスーパーストア事業が有する産地把握、商品調達、生産管理等の知見やサプライチェーンを活かした品揃えの拡大にも着手しております。また、品揃えの変化に応じた店舗レイアウトの革新も進めており、2020年度からはさらにお客様ニーズの変化に対応した新レイアウトの導入を推進しております。また、これに加え、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンでは商品開発の強化や店舗の生産性向上への支援、DXによるセブン-イレブンネットコンビニは新たに「7NOW」としてブランドを統合し、ラストワンマイルへの取り組みやCRM(顧客関係管理)による新たな顧客体験の創出などにも力を注いでまいります。

また、不採算店舗の構造改革及び出店の際の候補地選定の精緻化・効率化を進めるとともに、次世代型店舗の開発・テストにも積極的に取り組み、新たな成長軌道に向かう取り組みを加速してまいります。

③ グループ食品戦略 ~いま求められる『食』への挑戦~

国内では少子高齢化等による消費市場の縮小が指摘される中、家計支出における食品の構成は増加しております。当社グループは、質を重視した商品開発体制、味・鮮度など商品価値の最大化を図るサプライチェーンや物流体制など、これまでグループが進めてきたさまざまなインフラ整備やノウハウの積み重ねがあります。また、新たな世の中の変化、お客様ニーズ・購買行動の変化に対応するため2021年9月、当社に海外調達部を新設しました。

今後もグループ事業の共通基盤となっている「食品」において、革新性及び認知度の高さ、お客様からのご支持等の点で競争力の源泉となっているPB商品「セブンプレミアム」をグループ一体となってさらに磨き込むとともに、セントラルキッチンやプロセスセンターなどの共通インフラを活用するとともに、当社グループのスケールメリットを活かした海外調達(直輸入)を促進するなど、高品質かつ効率の良い商品供給体制の実現を目指します。今後もさらにグループシナジーを活かした取り組みを進めることで、お客様の豊かな食生活に貢献してまいります。

④ 大型商業拠点戦略 ~豊かな『生活拠点』の創出~

当社は、現行の中期経営計画において、大型商業拠点戦略を「深化を目指す戦略」として位置付けていますが、各大型商業拠点について各地域のニーズに合わせた店づくりを通じ価値向上を図ってまいります。

株式会社イトーヨーカ堂では、構造改革店舗において商圏分析をあらためて行い、地域ニーズに合わせた品揃えへの見直しや、売場での生活シーン別の提案などにより一定の成果を上げております。さらに、ネットスーパーの大型センター化や、移動スーパー「とくし丸」との連携による移動販売も強化してまいります。不採算店の閉店や要員構成の適正化も含めた事業構造改革を2022年度までに完遂し、産地把握、商品調達、生産管理等の知見やサプライチェーンをグループの競争力・企業価値向上に活かすとともに、株式会社イトーヨーカ堂としての収益力も強化させるべく再成長戦略に集中してまいります。

なお、株式会社そごう・西武では、プロパティマネジメントの導入・深耕による店舗構造改革を進めており、また、プレミアムニーズに対応すべく外商の強化や商事事業等の非店舗事業の拡大を推進してきておりますが、厳しい経営環境が継続しており、後述の事業ポートフォリオの見直しの一環として、現在、ストラテジック・レビューを実施しております。

⑤ ラストワンマイル施策

新型コロナウイルス感染症により、お届け・移動販売のニーズが飛躍的に高まっています。当社グループは多様な業態を持つ優位性を最大限に活かし、地域インフラとしての移動販売から、大型センター化を進めるネットスーパーによる定時配送、新たに「7NOW」としてブランドを統合した株式会社セブン‐イレブン・ジャパンのネットコンビニなどのオンデマンド配送まで幅広いお客様ニーズに対応すべく、商品開発・商品供給体制を整え取り組みを拡大してまいります。

⑥ DX・金融戦略 ~お客様接点の拡大とセキュリティ基盤の構築~

グループ共通の価値基盤であるお客様接点の強化のため、DXの推進を通じて新たな体験価値の創造を図っております。当社グループではDXの推進を、大きく分けて2つの方向でとらえています。第一は、デジタル技術の活用により仕事の生産性を高め、人でなくてはできない創造性の高い業務に人の力を集中することです。第二は、お客様にいままでにない便利さなど新しい体験価値をお届けすることです。この点では当社グループの共通IDである7iDを基軸としてお客様からご提供いただいたデータをCRM等に活かすことでお客様お一人おひとりとの関係強化を進めるとともに、ラストワンマイル等のサービスの機能強化などに取り組んでおります。こうしたDXの推進に向け、2020年には「グループDX戦略本部」を立ち上げましたが、さらに2021年には「グループDX推進本部」「グループDXソリューション本部」に分割し、迅速かつ着実な施策の実行を図っております。

また、金融関連事業においては、上記により関係を強化したお客様との接点を通して、お客様の利便性に資する金融商品・サービスの開発を推進することで、小売・金融を横断したお客様への新たな価値の提供を目指しております。

さらに、強固なセキュリティを構築するために「情報セキュリティ基本方針」を改定し、各事業会社のセキュリティ環境の構築支援や統制評価などを実施しております。さらに情報管理委員会のもとグループ全体のセキュリティを強化するとともにデジタル技術の進化に合わせてつねに見直しを進め、グループ全体で安全・安心の確保と徹底を図ってまいります。

 

事業ポートフォリオの不断の見直し

「中期経営計画2021-2025」では事業ポートフォリオに関する考え方を明示し、グループ企業価値の最大化に向けて、これに沿った事業ポートフォリオの見直しと最適運営に向けたアクションの加速に努めています。事業ごとの効率性・成長性をふまえ、重点構造改革分野に位置づけられた事業に関しては、抜本的な事業構造改革の断行、投資規律の厳格化、グループシナジーでの利益底上げ等により、経営再建を図ることとし、その上で、グループ内で十分な価値向上に向けた施策を継続することが困難と判断される事業に関してはベストオーナーの検討を並行して進め、当社グループとして重点成長分野に経営資源をシフトするなど、事業ポートフォリオの不断の見直しを進めてまいります。

 

戦略を支える確かな経営基盤

① 持続可能な社会の実現に向けて

当社グループでは、これまでも社会課題解決と企業価値向上の両立を経営の基本におき、積極的に取り組んできました。2012年には「国連グローバル・コンパクト」に署名し、その10原則の実践に継続的に取り組んでおります。また、これまで当社グループの事業領域と特に親和性の高い社会課題を「5つの重点課題(マテリアリティ)」として特定しておりましたが、ステークホルダーとの対話を通して、2022年3月「7つの重点課題(マテリアリティ)」へと改定いたしました。SDGs(国連「持続可能な開発目標」)の17の目標と関連づけながら、課題解決に向けて取り組みを進めております。これらにより、本業を通じての社会課題及び重点課題を起点とした新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいます。

「7つの重点課題(マテリアリティ)」

・お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する

・安全・安心で健康に配慮した商品・サービスを提供する

・地球環境に配慮し、脱炭素・循環経済・自然と共生する社会を実現する

・多様な人々が活躍できる社会を実現する

・グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する

・お客様との対話と協働を通じてエシカルな社会を実現する

・パートナーシップを通じて持続可能な社会を実現する

2019年5月に公表した環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」の達成に向け、CO₂排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマで、お客様・地域社会・お取引先様等のステークホルダーとも連携しながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。

グローバル展開の強化に合わせ2020年には、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言が求める項目をホームページへ開示し、CO₂排出量削減目標の国際的認定「SBT」の認定に向けた登録も完了いたしました。また、セブン-イレブンESGグローバルフォーラムを開催し、世界のセブン-イレブンライセンシーとの共同によるCO₂の排出削減、プラスチック対策なども推進してまいります。

また、企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっています。当社グループでは企業行動指針をベースに人権を守る活動を行ってまいりましたが、今般国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関の宣言、国連グローバル・コンパクトの10原則、及び「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをもとに、「セブン&アイグループ人権方針」を定めました。これからも従業員やサプライチェーン、地域社会に対する働きかけを行うなど、人権尊重の取り組みを一層強化してまいります。

② コーポレートガバナンスの更なる強化

当社グループでは、これまでも、コーポレートガバナンスについて、すべてのステークホルダーの皆様との対話に基づき、つねにその改善と拡充に努めてまいりました。2020年5月には従来の指名・報酬委員会を指名委員会と報酬委員会に分離し、それぞれの委員会は独立社外取締役を過半数としました。これは経営の透明性及び客観性の確保に向けた改善の一例です。今後も、紙媒体やWEB媒体など広範なツールを通じて情報開示の拡充を進め、対話がより一層実り豊かなものとなるよう努めてまいります。また、当社取締役会メンバーについては、2021年度よりスキル・マトリックスを活用し、当社グループの中長期的企業価値向上に関する取り組みを、より一層推進するために必要な知識・経験・能力及び多様性を確保する観点から選定しております。

これらの取り組みに加えて、2030年のグループ像として世界トップクラスのグローバル流通グループを目指すにあたり、これにふさわしいガバナンス体制を構築すべく、今般、取締役会の多様性をさらに向上させるとともに、独立社外取締役を増員し、過半数とする体制に変更いたしました。

今後も、グローバルマーケットにおける持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現すべく、適切な意思決定を行うとともに実効性の高い監督を実施し、取締役会としての役割・責務を適切に果たしてまいります。

また収益機会、投資機会ともグローバルに広がる中で、財務の基本方針に基づいて財務規律の一層の強化を図っています。株主の皆様への還元につきましては、1株当たりの配当金を安定的・継続的に向上させることを基軸とし、フリーキャッシュ・フローの水準や株価等を勘案して、機動的に検討してまいります。

③ 経営戦略と連動した人財政策

当社の成長力の源泉は人財です。とりわけ、DX及びグローバル戦略の推進や社会価値と企業価値の両立を追求するうえで、経営戦略と人財戦略は不可分であると考えております。当社では経営戦略の推進と一体となった人財戦略に取り組み、専門的な知見や技能を有する人財を社外から求めるだけでなく、グループ内でも積極的に育成してまいります。人財育成にあたっては、「人財とともに成長する企業」という考え方に立ち、2020年8月には人事教育機能を独立させた「人財共育部」を新設いたしました。

積極的に社員に成長機会を提供することで、自ら学び続け、つねにスキルアップを図り続ける人財の育成を図り、社員と会社の相互成長を目指してまいります。

また、働き方改革や生産性の向上を図ることで、誰もが働きやすい職場づくりを推進してまいります。2012年に発足した「ダイバーシティ推進プロジェクト」は、社会環境等の変化を踏まえて活動を革新し続けており、現在「ダイバーシティ&インクルージョン推進プロジェクト」として、働く人々の多様性や違いを認め合う環境づくりや柔軟な働き方を支援する体制を整えてまいりました。とりわけ、女性のお客様を多くお迎えする当社グループの主要事業の在り方を踏まえ、女性をはじめ多様な人財が活躍できる組織・企業文化の育成に注力してまいります。

さらに2021年には当社グループでは各社社長のもと「エンゲージメント向上委員会」を設置し、従業員エンゲージメント向上に向けた行動計画の策定とモニタリングを実施しております。従業員のエンゲージメントや貢献意欲が高まることが組織の活性化につながり、企業の競争力強化につながると考え、今後も活動を推進してまいります。

 

中長期的な企業価値向上による持続的成長に向け、今後とも当社グループでは、グループシナジーを強化して当社グループの強みを一層拡大し、すべてのステークホルダーの皆様にさらなる価値提供と適正な利益還元を進めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社は、経営の健全性と事業の効率性を確保しつつ、当社グループの永続的な維持・発展のため、事業継続に関わる各種リスクの適切な管理に取り組んでいます。この取り組みにより認識されたリスクのうち、リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び影響の程度を踏まえて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを以下に記しています。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、これらのリスクはそれぞれ独立したものではなく、ある事象の発生により、他の様々なリスクが増大する可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

 

<リスクの定義>

当社グループのリスク管理プロセスでは、管理すべきリスクをガバナンスリスク、業務リスク、B/Sリスク及び事業リスクの4つの大分類に分けて管理しております。有価証券報告書においては、投資者の判断に資する情報開示を目的に、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類し、それぞれ以下のように定義いたします。

「戦略リスク」・・・事業戦略の計画及び遂行により期待する成果に対して実現する成果が上振れまたは下振れする程度及びその発生可能性であり、戦略に大きく影響するリスク、または健全な範囲で敢えて選択して取るリスク。

「オペレーショナルリスク」・・・戦略遂行を支えるオペレーションに起因する損失額及びその発生可能性であり、発生を回避・低減すべきリスク。

 

<グループリスク管理体制>

当社グループは、自社のリスク管理全体を統括する部署を事務局とするリスクマネジメント委員会等の会議体を設置しています。リスクマネジメント委員会は、原則半期に1回開催され、各種リスク管理統括部署より自社のリスク管理状況に関する報告を受け、リスクの網羅的な把握、その評価・分析及び対策について協議し、今後の方向性を定めています。

一方、各種リスクについては、当社リスク管理統括部署を主体とするグループ横断の会議体等を通じて、該当するリスクに係わる対応の方向性や各社リスク低減の取り組み、さらにリスクが顕在化する兆候を示す社内外の各種事例等の共有を図っています。

 

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<リスク管理のPDCA>

当社グループでは、グループ共通のリスク調査票をもとに、網羅的なリスクの洗い出しと定量化を行い、「リスクの評価と改善策の立案」「優先順位付け」「改善活動とモニタリング」を実施しています。

また、各社監査室は、自社のリスク管理全体を担当する部署及び各種リスク管理統括部署に対する定期的な内部監査を通じ、独立した立場で、リスク管理が効果的に実施されていることを検証し、必要に応じて各部署に対し、リスク管理向上のために必要な助言を行っています。

 

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<グループの主要な成長戦略>

当社グループは5つの事業戦略を定めております。

① 海外コンビニエンスストア事業戦略

② 国内コンビニエンスストア事業戦略

③ グループ食品戦略

④ 大型商業拠点戦略

⑤ DX・金融戦略

以下に記載するリスク毎に、関連する戦略を①から⑤の数字で示しています。

 

<主要なリスク>

■ 戦略リスク

1.新型コロナウイルス感染症のリスク 関連する戦略:①②③④⑤

新型コロナウイルスの新たな変異による感染拡大等、今後も中長期にわたって当社グループの事業活動へ影響が発生することが想定されます。ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループとしては、会社レベルでは時差出勤・在宅勤務の実施やオンライン会議の活用、外出・出張ルールの変更等、従業員レベルでは出勤前及び出社時の検温、通勤時・勤務時におけるマスク着用や手洗い・アルコール消毒の実施等の新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で、地域及び社会への責任を果たすため、営業継続に努めてまいります。なお、営業継続に対してはお取引先様との緊密な連携体制の構築等によりサプライチェーンの維持を図り、合わせて感染拡大による差別や不当解雇の有無についても確認し、人権保護を推進いたします。

しかしながら、感染拡大や蔓延状況に応じて、店舗営業時間の短縮、店舗営業の停止、営業店舗の限定等の措置をとる可能性やサプライチェーンの操業中断等により商品を提供できない状況も想定され、そのような場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症によるお客様の消費行動の変化、サプライチェーンに与える影響は一過性のものではなく、今後へとつながる「消費の潮目」であるととらえ、新型コロナウイルス感染症によって生じた消費・価値観・労働環境・産業構造の変化を徹底的に分析し、グループ全体で迅速な対応に向けた取り組みを進めておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりお客様の購買力又は消費意欲の減退、予想外の消費行動の変化等が生じた場合、売上の低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.グループの成長戦略に関わるリスク 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループは、「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」を当社グループの基本姿勢と定め、2030年の目指すグループ像として「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する世界トップクラスのグローバル流通グループ」の実現を目指し、2021年7月に公表した「中期経営計画2021‐2025」に基づいた中長期的な企業価値創造と持続的成長の具現化に傾注してまいります。

海外コンビニエンスストア事業戦略について、当社グループの海外コンビニエンスストア事業の中心である7-Eleven, Inc.は、米国Marathon Petroleum Corporation(以下、「MPC社」といいます。) から、同社が主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業 (但し、MPC社の小売部門のうちダイレクト・ディーラーに対する燃料小売事業等を除きます。) を運営する複数の会社の株式その他持分を取得するとともに、取得した店舗への今後15年間におけるガソリン供給契約を同社と締結いたしました。

 

上記統合後の事業において、事業環境や競合状況の変化等により本件取引により取得した事業から得られる成長機会もしくは統合によるシナジー効果等が当初の想定通りに実現されない場合、統合に係る追加的かつ不測の費用が発生した場合、多額ののれんや減損損失などの計上により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、上記取引に必要な資金の調達のための金融機関からの多額の借入れを含め、当社は多額の債務を負っております。当初想定した利益の創出、その他資産の処分等を通じて、レバレッジの低下が速やかに実現されない場合には、信用格付けが引き下げられる可能性があり、その結果、既存の債務の借り換えや新規借入れの条件にも影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの債務には財務制限条項が付されているものがあり、かかる財務制限条項に抵触した場合には、債務の早期返済等により当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

7-Eleven, Inc.は、店舗にガソリンスタンドを併設したガソリンの小売りと卸売事業を運営しておりますが、本件取引によりガソリン売上の同社チェーン全店売上に占める比率は上昇することが想定されます。ガソリン事業のリスクについては、サプライチェーンの垂直統合等により、ガソリン小売価格の変動に伴う利益率の低下リスクをヘッジしていますが、急激な価格の変動等、事業環境の予期しない変化により、売上低下や原価率上昇を招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、米国における自動車排出ガス規制や一部州での中長期的なガソリン車販売規制の方針等の影響及び電気自動車等の浸透等により、米国市場におけるガソリン需要が縮小する場合、ガソリン販売量の減少を招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

7-Eleven, Inc.は、当社グループに属さないエリアライセンシー及び当該エリアライセンシーが展開する店舗において、不祥事その他の事由により、ロイヤリティの減少・売上の減少が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、7-Eleven, Inc.と株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの連携強化を通じて、グローバル戦略の展開を推進するために2021年に7-Eleven International LLCを設立しました。このグローバル戦略は、第一に既存ライセンシーとの連携強化、第二に戦略的JV・M&Aも取り入れることで新規エリアへの出店機会の拡大、第三に原材料調達やSDGs施策等に関するシナジーの最大化を戦略の柱としています。世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商慣習の相違、パートナー選定その他のリスクに直面する可能性があり、その結果当初想定した買収効果や利益が実現されない可能性があります。買収後も統合によるシナジー効果を最大限発揮する事業モデルを構築し、統合の進捗状況をモニタリングしていますが、取得した資産の価値が下落し、評価損発生などが生じた場合や、買収した事業の統合から得ることが期待されている利益が実現されない場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

国内コンビニエンスストア事業戦略について、当社グループにおいて国内コンビニエンスストア事業の中核を担う株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、主にフランチャイズ・システムにて事業を展開しています。同システムは、加盟店と当社グループが対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担う共同事業であり、加盟店オーナーの皆様とともに持続可能な成長を実現するため、加盟店オーナーの皆様のお考えや加盟店の実態をお伺いする加盟店全店を対象にしたアンケートに加えて、オーナー様専用窓口の設置、オーナー様意見交換会の実施により加盟店オーナーの皆様のご意見やご相談など生の声をしっかりと伺い、より良い経営環境を築いていくための様々な取り組みを実施しております。

しかしながら、加盟店及び当社グループ間の信頼関係が適切に構築・維持できないことにより、多くの加盟店との間で契約が維持できなくなった場合、もしくは加盟店のパフォーマンス・生産性及び「セブン‐イレブン」ブランドの支持が損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

従来から起きている少子高齢化や単身世帯の増加、働く女性の増加といった国内の社会構造変化に加え、コロナ禍による消費行動の変化に対応するために、商圏を踏まえた商品の選定や陳列、店内の体制づくり、売場レイアウトの刷新、グループ力を活用した商品調達、次世代型店舗の開発やテストなどを進め出店を再加速させていく基盤を構築していきます。また、DXの推進による新たな体験価値としてセブン‐イレブン ネットコンビニは新たに「7NOW」としてブランドを統合し本格稼働していきます。

しかしながら、お客様のニーズは絶えず変化しており、新たな価値を提供できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

グループ食品戦略について、当社グループでは食品事業の競争力強化により食品市場におけるシェア拡大を目指しており、業態を越えてグループ総力を結集し、ブランドの育成強化を図っています。とりわけ、2007年より展開しているグループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」は、革新性及び認知度の高さ、お客様からのご支持等の点で、競争力の源泉となっています。また、セントラルキッチンやプロセスセンター等のグループインフラやノウハウを構築・共有することによる、高効率な商品供給体制の構築にも挑戦しております。商品開発においては、直輸入を含む海外調達の促進、原材料やレシピの共有、ミールキットなどの差別化商品の開発を通じ、グループ商品力を強化してまいります。

しかしながら、気候変動や政治・経済・社会的混乱等の影響により商品の原材料及び仕入価格の高騰や調達が困難となった場合等の要因により、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。また、セントラルキッチンやプロセスセンター等のグループ共通インフラの構築においては、建築資材の価格高騰や工期の延長、計画通りの人財確保が困難となる等の要因により、結果として当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

大型商業拠点戦略について、当社グループではお客様の購買行動が大きく変化するなかで、大型商業施設を展開するスーパーストア事業、百貨店事業の事業構造改革を一段と加速させる必要があります。事業構造改革では、不採算店舗の閉店や収益性の精査、人員の適正化を図るとともに、商圏分析をもとに優良な立地を見極めながら既存店舗網の見直しを行っております。店舗構造改革では、一店一店の商圏の徹底的な分析を行い、これに基づいて商品構成・フロアレイアウトの見直しを行っています。株式会社イトーヨーカ堂では生活シーン別の買い回りしやすい売場展開と、新しい生活様式に応じた商品政策・テナント拡充を進めています。これらの改革はwithコロナで高まるワンストップショッピングのニーズにも合致し、集客力の向上、収益性の改善といった成果をあげています。

しかしながら、建築内装資材の価格高騰などによって改装投資コストが増大した場合、或いは、構造改革による効果が計画通りに達成出来なかった場合などにおいては、投入した投資に対して回収が出来ず収益性が低下する可能性があります。 また、株式会社そごう・西武では、店舗改革による業務・要員の見直しや人員適正化、店舗構造改革として、郊外店舗で実施してきたPM(プロパティマネジメント)化で得たノウハウを2025年度までに基幹店にも広げていきます。同時に商圏分析精度を向上し、より商圏特性に合わせた館づくりを進め、各館の魅力向上とDXを活用した顧客接点の拡大、及び非店舗事業として、外商の強化による富裕層ビジネスや、商事事業を拡大していきます。

しかしながら、事業環境の変化等予期しない要因により、その目的を完全には達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

DX戦略について、当社グループではグループDX戦略マップを策定し、グループ全社で横断的に取り組む領域を定め、そのために必要な施策を推進しています。グループのお客様、ひいてはグループ全社を守るDX施策として、グループ共通でのセキュリティ対策やグループ共通インフラの整備等に取り組みながら、一方で運用の効率化やグループシナジーの発揮を目的とした基盤構築に向けた施策も推進しております。グループ各社のビジネスを加速させるDX施策としては、急速に変化する環境を捉えた対応を行うため、PoC(Proof of Concept)による新たなサービスの実現性や競争力の検証を行い、案件の推進にあたっては段階毎にゲートを設け、投資判断等の組織としての意思決定を経て実行しています。そうしたDX戦略を支える体制の更なる強化に向け、内製化の推進及び専門性の高い人財の獲得に継続的に努めております。

特に、当社グループではあらゆる食のニーズに対応するため、店舗にお客様をお迎えすることを前提とした販売だけでなく、お客様が希望する日時と場所に商品をお届けするラストワンマイルへの対応が今後ますます重要性を増すと考えております。当社グループの持つ安全・安心・新鮮な商品提供力と店舗を持つ強みを活かして、ネットスーパーにおいては大型センター化による事業規模拡大、専用アプリを活用したお客様との接点の拡充と買物体験の向上、店頭受取や店内ロッカー等の受取方法の多様化に挑戦しております。食材・定期宅配においては鮮度と質にこだわった生鮮商品や子育て世帯向け商品の展開にも挑戦しております。移動販売においては株式会社とくし丸と連携し、日常のお買物にお困りの方へ、お買物体験を提供することで社会的意義・役割を果たすとともに、当社グループの価値向上を図っております。飲食店による出前においては、実店舗に頼らない宅配専用店舗の設置や、出来立て惣菜を始めとした品揃え豊富で高品質な中食のお届けに挑戦しております。

しかしながら、お客様のニーズは絶えず変化しております。また、競合他社においてもそれぞれの顧客基盤や新しい技術を活用し、ラストワンマイルへの対応を強化しております。そのような環境下において、当社グループが現在の競争力を維持できない場合、売上の低下等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

金融戦略においては、お客様の利便性に資する金融商品・サービスの開発を推進するため、グループ共通のID「7ⅰD」の活用を軸としたDX戦略や事業会社と緊密に連携する金融戦略室を新設し、小売・金融を横断したお客様への新たな価値の提供を目指しております。

当社グループの金融・決済関連システムについては、各種情報管理に関する規程類の整備やセキュリティ対策を講じておりますが、特に金融事業においては、お客様にご提供をいただく情報の重要性を踏まえ、グループの基準も遵守し、各金融事業会社においては各種法令、ガイドライン等に基づく規程類の整備並びに十分な対策の構築・運用に努めております。

しかしながら、このような対策を行ったとしても、外部からの攻撃は日々多様化・高度化しており、また内部の人為ミスや委託先への管理不備などにより重要な情報が外部に流出するリスク、改ざんされるリスクは完全に回避できるものではなく、被害の規模によってはお客様やお取引先様などからの損害賠償請求や信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.既存事業リスク 関連する戦略:①②③④⑤

<商品調達・価格変動リスク>

当社グループの事業活動にとって、十分な品質の商品・原材料等を適時に必要なだけ調達することが不可欠であり、特定の地域・取引先・製品・技術等に大きく依存しないよう、その分散化を図っています。特に、気温上昇や降水・気象パターンの変化等の気候変動により、今後中長期的に農畜水産物の収量の減少や品質の低下、農産品の栽培適地や漁場の変化が生じる可能性もあります。これら変化への対応として分散調達と一次生産者との収穫量向上に向けた協働等に努めていますが、気温上昇や気象パターンの変化等の気候変動により、仕入ルートの一部が寸断した場合、それにより当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。

当社グループの取扱商品の中には、商品生産国や地域または事業展開国や地域における、政治・経済情勢の変動、テロ・紛争などによる治安状態の悪化や社会的混乱、天候による需給の変化や原油等原材料価格変動の影響を受ける商品等、外的な要因により仕入価格が変動する商品があります。加えて、将来的に、商品製造段階における電力をはじめとするエネルギー価格が、気候変動に伴う規制・政策・紛争などにより高騰した場合にも仕入価格が影響を被る可能性があります。これら仕入価格の変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

<ビジネスモデルリスク>

当社グループは、日本国内において主要な事業を行うほか、世界各地で事業を展開しています。そのため、日本及び事業を展開している国または地域の景気や個人消費の動向などの経済状態が悪化した場合、お客様の購買力又は消費意欲が減退し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。この点、当社グループは、地域の特性を重視した商品開発と品揃えを強化し、お客様のニーズに的確に対応するべく、販売戦略に基づいて様々な分野のメーカー様やベンダー様とチームMD(マーチャンダイジング)による商品開発を行うほか、各社アプリ等を通じてグループ共通のID「7ⅰD」に登録されたお客様のお買物に関する様々なデータの収集・分析を行い、販促活動等を効果的に行っておりますが、経済政策や異常気象等により予想外の消費行動の変化が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、お客様のニーズの変化に的確に対応していくため、より高品質で魅力的な商品開発を推進するとともに、お客様とのコミュニケーション強化、生産性の向上に取り組んでおります。また、スーパーストア事業や百貨店事業においては事業構造改革にも取り組んでおります。

しかしながら、日本では少子高齢化による労働力人口減少などといった厳しい雇用環境が続くなど、店舗経営を取り巻く環境は激化しております。そのような環境下において、競合他社との価格競争に伴う商品・サービス価格低下圧力及び人件費を始めとしたコスト上昇圧力に晒されることにより、当社の競争力が減退し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.環境リスク 関連する戦略:①②③④

当社グループは、これまでさまざまな社会環境の変化に対応し、価値ある商品やサービスの提供を通じて、お客様の豊かで便利なくらしへの貢献に努めてまいりました。一方、世界では気候変動、プラスチック問題などのさまざまな環境問題や人権問題などの社会課題が顕在化しています。2015年の第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において「パリ協定」が採択され、産業革命前からの世界の気温上昇を2℃より充分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することが決まりました。さらに2021年の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の成果文書に、産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが明記され、「1.5℃目標」を目指すことが、世界的潮流となっています。こうした社会の動きに対応するべく、当社グループは環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定し、「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」を目指すべき社会の姿と定めて、取り組みを推進しています。特に喫緊の課題である気候変動に関しては、2050年のCO2排出量ネットゼロを目指し、TCFDへの賛同と情報開示、RE100への参画、水素バリューチェーン推進協議会への参画等、お客様やお取引先様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様と連携して取り組んでいます。

一方で、当社グループは、エネルギー使用の削減やCO2排出量の削減など気候変動対策をはじめとして、食品廃棄物、プラスチック等の容器包装リサイクル、廃棄物処理などに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。将来、これらの法令による規制は、例えば気候変動対策では、温室効果ガス排出規制が強化されたり、炭素税などの新しい法規制・政策が導入されたりする可能性があり、当社グループにとって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限されたりする可能性があります。加えて、規制強化によって電力・ガスなどエネルギー費用が変動することで、店舗運営に関わる費用が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5.人事・労務関連リスク 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループが主要な事業を行う日本では、少子高齢化による労働力人口減少への対応が社会的課題である中、多くの店舗を展開する当社グループでは、店舗従業員の人数を確保することに加え、多様な人財に意欲をもって能力を発揮していただくために一人ひとりの従業員の主体的な能力向上を支援していくこと、さらには、これらを通して企業としての生産性の向上に結び付けていくことが重要な課題であると捉えております。人財育成にあたっては、「人財とともに成長する企業」という考え方に立ち、積極的に社員に成長機会を提供して、自ら学び続け、つねにスキルアップを図り続ける人財の育成を図り、社員と会社の相互成長を目指しております。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を掲げ、働く人々の多様性や違いを認め合う環境づくりや柔軟な働き方の実現に向けて積極的に取り組んでおります。

しかしながら、法令や制度の改正など何らかの事由により、その目的を達成できない場合に当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの各事業には、お客様を始めとする様々なステークホルダーとの良好なコミュニケーション力を有する人財が不可欠ですが、今後、各事業分野及び地域における人財獲得競争の激化等により、人財を確保するため従業員の報酬・賃金水準が上昇し相応しい人財の獲得が困難となる場合や、人財の社外流出が生じた場合、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.人権に関するリスク 関連する戦略:①②③④⑤

企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっています。当社グループではセブン&アイグループ企業行動指針、お取引先サステナブル行動指針をベースに人権尊重に取り組んでまいりましたが、2021年10月、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関の宣言、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをもとに、「セブン&アイグループ人権方針」を定めました。当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、人権への悪影響を防止または軽減することに努めます。

しかしながら、これらの方針を逸脱した行為が発生した場合には、当社グループに対するお客様及びお取引先様の信頼低下などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

7.市場リスク(為替・金利等) 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループでは、為替・金利等の変動リスクの軽減、資金調達コストの低減、将来のキャッシュフローを最適化するために為替予約及びスワップ等のデリバティブ取引を行っておりますが、金利の変動は受払利息や金融資産・負債の価値に影響を与え、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。また、当社グループの販売商品の中には、為替変動の影響を受ける海外開発商品があるため、為替相場の変動により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

8.法務リスク 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループは、日本及び米国をはじめとする世界各地で、それぞれの国・地域における消費者保護、公正競争、食品衛生、労働環境、環境等に法規制を遵守し、必要な許認可を得て事業を遂行しております。これらの法規制の改正動向については目を配り、必要な対応を適切に実施するべく、体制を整えておりますが、関係する法解釈の相違等により、行政機関・司法機関から当社グループに不利な判断が下された場合等には、課徴金、損害賠償金その他の金銭負担の発生やブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、より厳格な法規制が導入されたり、行政機関・司法機関の法令解釈が厳格化の方向に変更されることなどにより、法令遵守するためのコストが増加する場合、当社グループの事業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの店舗出店についても、各国で様々な法規制が存在し、例えば日本においては「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」「建築基準法」に基づく法規制を受けています。店舗出店に際してはこれらの関連法令を遵守して実施しておりますが、これらの法令の改正やこれらに関して各都道府県等が定めた規制の変更に伴い、当初策定した計画通りの新規出店や既存店舗の改装等を行うことが困難となった場合や、新たな対応コストが発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.資産リスク(固定資産等) 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループは、有形固定資産やのれん等多くの固定資産を保有しており、減損会計を適用しています。店舗等の収益管理を実施しておりますが、今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

■ オペレーショナルリスク

10.情報管理リスク 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループは、小売業や金融事業を始めとする各種事業において、お客様に新たな価値やサービスを

提供するために、お客様やお取引先様などの個人情報や営業秘密情報など、業務に必要な重要情報を取り扱っております。これらの情報を正しく管理するため、情報管理に関する規程をグループ全体として整備するとともに、各社において情報管理統括責任者を任命し、情報管理委員会による重要情報の整備、及び人的、組織的、物理的、技術的な安全対策を統合的に実施しております。

当社グループではサイバー攻撃など情報セキュリティの脅威に対して、セキュリティに関するポリシー、ガイドライン等の環境の変化に応じた見直し、セキュリティについて専門性を有する人財のさらなる拡充を行いながら、セキュリティ意識をグループ内に浸透させるために階層別や専門教育、情報セキュリティマネジメントシステムのフレームワークの展開等の取り組みを進めております。特に、サイバーセキュリティへの対策強化として、サイバーセキュリティを担う専門組織において、情報システム及びその運用のセキュリティレビューを行うとともに、第三者機関による脆弱性診断や不正アクセスの監視、脆弱性への対応、標的型攻撃メール訓練など、セキュリティ事故を防ぐためのサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。

また、グループの情報セキュリティに関する業務を統括する「セキュリティ統括室」においては、各社の推進事務局と連携して、国際規格であるISO27001や改正個人情報保護法への準拠に取り組んでいます。

当社グループでは、情報セキュリティが、お客様に提供するサービスとして欠かせないものであるという認識を踏まえ、情報セキュリティの強化をより一層図ってまいります。

しかしながら、このような対策を行ったとしても、外部からの攻撃は日々多様化・高度化しており、また内部の人為ミスや委託先の管理不備などにより重要な情報が外部に流出するリスクや改ざんされるリスクは完全に回避できるものではなく、被害の規模によってはお客様やお取引先様などからの損害賠償請求や信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

11.事業継続リスク(災害、パンデミックを含む) 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループの本社及び主要な事業の店舗等は日本にあるほか、世界各地で事業を展開しています。また、ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループでは、大地震・風水害などによる被害が発生した場合、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で早期の店舗復旧及び営業再開が求められます。当社では大地震・風水害・富士山噴火・新型コロナウイルス感染症対策などの対策書を策定しており、当社及び当社の連結子会社一体となって事前対策会議を実施し、想定する被害状況、対策本部の設置及び営業継続判断等を検討する仕組みを運用しております。

しかしながら、地震、台風、洪水、津波、気候変動に伴う異常気象の頻発等の自然災害、火災、停電、原子力発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為により、サプライチェーンの寸断や店舗営業停止などの事業活動の停止、施設の改修に係る多額の費用の発生など、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、コンビニエンスストア事業やスーパーストア事業を始め主要な事業の店舗等が集中している首都圏において大きな災害等が発生した場合、その影響も大きくなることが予想されます。

 

12.商品の品質管理・表示リスク 関連する戦略:①②③④

当社グループは、関係法令の規制に基づき、食品衛生に関わる設備の充実、QC説明会、CSR監査のチェック体制の確立等、お取引先様を含む一貫した商品管理を徹底し、お客様への安全な商品の供給と正確な情報の伝達に努めております。当社グループの取り組みを超えた問題が発生した場合には、それによる当社グループの商品に対する信頼の低下、対応コストの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、セブンプレミアムやグループ各社のオリジナル商品をさらに拡大して、新しい価値、上質の商品やサービスをお客様に提供し続けることに挑戦していますが、当社グループの取扱商品について重大な事故等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

13.システムリスク 関連する戦略:①②③④⑤

当社グループは、事業活動を遂行するために多数のITシステムを保有しております。各種システムが適切に管理され安定的に稼働できるように、要件定義・設計段階からのレビュー、リリース前の十分なテスト、リリース後の運用状況のモニタリング等を実施しております。加えて、SOC(Security Operation Center)によるサイバー攻撃の監視、監視結果に基づく対応、セキュリティ専門組織による定期的なセキュリティリスク評価等を実施しております。また、事業を継続するための体制の整備、グループ全体のシステムリスク管理状況の定期的な確認に取り組んでおります。

しかしながら、これらの対策を講じていたとしても、台風、地震等の自然災害、高度なサイバー攻撃等の不測の事態や人的なミスにより、システム障害やセキュリティインシデント等が起こりえます。これらのシステムリスクが顕在化した場合、事業運営に支障をきたすことになり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

① 経営成績

当連結会計年度における国内及び海外経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中、ワクチン接種の普及や各国政府が実施する各種施策等の効果もあり、一部に弱さがみられたものの持ち直しの動きが続きました。しかしながら、国内個人消費においては、新たな変異株(オミクロン株)による感染拡大の影響もあり依然として先行き不透明な状況で推移しております。

このような環境の中、当社グループの基本姿勢を「常にお客様の立場に立って、新たな体験価値を提供することで、国内外の地域社会に貢献したい」と定め、2030年の目指すグループ像として「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する世界トップクラスのグローバル流通グループ」の実現を目指し、2021年7月に公表した「中期経営計画2021‐2025」に基づいた中長期的な企業価値創造と持続的成長の具現化に傾注してまいります。

また、2021年5月14日付で米国Marathon Petroleum Corporationから主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業等に関する株式その他の持分を取得したことにより、連結業績にそれ以降のSpeedway事業の業績を取り込んでおります。

これらの結果、当連結会計年度における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2021年2月期

2022年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

営業収益

5,766,718

86.8%

8,749,752

151.7%

営業利益

366,329

86.3%

387,653

105.8%

経常利益

357,364

85.5%

358,571

100.3%

親会社株主に帰属する当期純利益

179,262

82.2%

210,774

117.6%

 

為替レート

U.S.$1=106.76円

U.S.$1=109.90円

1元=15.48円

1元=17.04円

 

なお、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄及び7-Eleven, Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は、14,243,270百万円(前年同期比129.0%)となりました。また、当連結会計年度における為替レート変動に伴い、営業収益は1,580億円、営業利益は46億円増加しております。

 

当連結会計年度における事業部門別の営業概況は以下のとおりです。

なお、第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値と比較しております。

 

(セグメント別営業収益)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2021年2月期

2022年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

858,776

873,239

101.7%

海外コンビニエンスストア事業

2,253,355

5,194,327

230.5%

スーパーストア事業

1,810,884

1,810,728

100.0%

百貨店・専門店事業

684,660

712,282

104.0%

金融関連事業

198,927

194,399

97.7%

その他の事業

17,323

20,340

117.4%

5,823,927

8,805,319

151.2%

調整額(消去及び全社)

△57,209

△55,567

合 計

5,766,718

86.8%

8,749,752

151.7%

 

(セグメント別営業利益)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2021年2月期

2022年2月期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

233,700

223,396

95.6%

海外コンビニエンスストア事業

98,664

159,866

162.0%

スーパーストア事業

29,681

18,791

63.3%

百貨店・専門店事業

△17,444

△8,153

金融関連事業

48,077

37,549

78.1%

その他の事業

△570

△115

392,109

431,334

110.0%

調整額(消去及び全社)

△25,779

△43,681

合 計

366,329

86.3%

387,653

105.8%

 

(a)国内コンビニエンスストア事業

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は873,239百万円(前年同期比101.7%)、営業利益は223,396百万円(同95.6%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、加盟店の持続的な成長に向けて2019年4月に発表した「行動計画」を遂行し、加盟店が安心して経営に専念できる環境作りに引き続き努めております。また、新型コロナウイルス感染症の影響により一層の小商圏化が進み、個店ごとのお客様ニーズの違いが顕在化する中で、当連結会計年度ではさらなるワンストップショッピングニーズへの対応強化、高付加価値商品の品揃え拡充に加え、来店頻度向上・新規顧客獲得に向けたプロモーション強化に傾注してまいりました。併せて、デリバリーサービスへの需要の高まりを受け、スマートフォンで注文した商品が、最短30分で指定の場所に届けられるサービス「7NOW」の取扱店舗を拡大する等、多様化するニーズに対応し、すべての地域社会に利便性を提供することを念頭に、加盟店や取引先も含めたバリューチェーン全体での持続的な成長の実現に取り組んでまいりました。

これらの結果、当連結会計年度における既存店売上は、夏場の天候不順による消費の下押し影響以降弱含みで推移したものの、前年の新型コロナウイルス感染症拡大抑止に伴う外出自粛の反動等により前年を上回りました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は4,952,782百万円(前年同期比101.7%)となりました。しかしながら、商品販売動向変化に伴う商品荒利率の低下と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は223,091百万円(同95.6%)となりました。

(b)海外コンビニエンスストア事業

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は5,194,327百万円(前年同期比230.5%)、営業利益は159,866百万円(同162.0%)となりました。

北米においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大があった一方で、消費者物価指数が上昇する中、各種施策の実施等により個人消費は安定した伸びを示し堅調に推移しております。

7-Eleven, Inc.は、生活様式の変化に対応し、デリバリーサービス「7NOW」やデジタルウォレット、モバイルチェックアウトなどの取扱い店舗拡大により新たなサービスの拡充に努めると同時に、ファスト・フードやプライベートブランド商品の開発・販売に引き続き注力いたしました。

また、2021年5月14日付で米国Marathon Petroleum Corporationから主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業等に関する株式その他の持分を取得し、それ以降のSpeedway事業の業績を取り込むとともに、さらなるシナジー創出を目指した経営・業務・従業員意識等、統合に関する全てのプロセスを順調に推進してまいりました。

これらの結果、当連結会計年度のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を上回り、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は6,463,940百万円(前年同期比189.7%)となりました。また、営業利益は224,864百万円(同188.6%)となりました。

(c)スーパーストア事業

スーパーストア事業における営業収益は1,810,728百万円(前年同期比100.0%)、営業利益は18,791百万円(同63.3%)となりました。

総合スーパーである株式会社イトーヨーカ堂は、引き続き事業及び店舗構造改革を推進しております。前年、巣籠り需要に伴い伸長した食品売上は、当連結会計年度においてもお客様ニーズの変化にきめ細かく対応したことで高止まりが続きました。

 

テナント含む既存店売上は、前年の営業時間短縮やアリオのテナント部分休業等の反動もあり、前年を上回りました。しかしながら、前年に特別損失に振替えた新型コロナウイルス感染症拡大による休業に係る固定費の影響等もあり、営業利益は1,620百万円(前年同期比20.8%)となりました。

また、食品スーパーである株式会社ヨークベニマルは、前年の外出自粛に伴う巣籠り需要の反動等により当連結会計年度における既存店売上は前年を下回り、営業利益は14,704百万円(同88.9%)となりました。

(d)百貨店・専門店事業

百貨店・専門店事業における営業収益は712,282百万円(前年同期比104.0%)、営業損失は8,153百万円(前年同期は17,444百万円の営業損失)となりました。

当セグメントは、グループ戦略の一環として大型商業拠点戦略を推進するため、旧「百貨店事業」、旧「専門店事業」を統合し、「百貨店・専門店事業」へと変更いたしました。

百貨店においては前年の営業時間短縮や入店者数の制限の反動等により既存店売上が前年を上回りましたが、レストランにおいては当連結会計年度も営業時間の短縮や酒類提供の制限等、厳しい環境が続きました。

株式会社そごう・西武は、2021年9月1日付で西武池袋本店の不動産管理会社であった株式会社セブン&アイ・アセットマネジメントを吸収合併いたしました。

なお、「中期経営計画2021‐2025」で示した事業ポートフォリオに関する考え方に基づき、2022年3月1日付で当社が保有する株式会社オッシュマンズ・ジャパンの発行済株式の全部を株式会社エービーシー・マートに譲渡いたしました。

(e)金融関連事業

金融関連事業における営業収益は194,399百万円(前年同期比97.7%)、営業利益は37,549百万円(同78.1%)となりました。

株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は26,194台(前連結会計年度末差508台増)となりました。また、前年の新型コロナウイルス感染症拡大抑止による外出自粛の反動や各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引件数の増加により、1日1台当たりのATM平均利用件数は96.7件(前年同期差7.0件増)となり、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9,346億円となりました。

(f)その他の事業

その他の事業における営業収益は20,340百万円(前年同期比117.4%)、営業損失は115百万円(前年同期は570百万円の営業損失)となりました。

(g)調整額(消去及び全社)

主に、グループ共通基盤システム構築に係る費用等を計上しており、営業損失は43,681百万円(前年同期は25,779百万円の営業損失)となりました。

② 財政状態の状況

(a)資産、負債及び純資産の状況

総資産は、前連結会計年度末に比べ1,792,446百万円増の8,739,279百万円となりました。

流動資産は、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSpeedway取得に伴う現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ745,449百万円減少いたしました。

固定資産は、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSpeedway取得に伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加等により、2,538,636百万円増加いたしました。

負債は、主にSpeedway取得資金の一部を、7-Eleven, Inc.が社債及び借入で調達したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,476,049百万円増の5,591,546百万円となりました。

純資産は、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ316,397百万円増の3,147,732百万円となりました。

(b)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ768,946百万円減少したことにより、1,414,890百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、736,476百万円の収入(前年同期比136.4%)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が311,854百万円、減価償却費が292,561百万円となりましたが、法人税等の支払額が67,411百万円となったことなどによるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,505,566百万円の支出(前年同期比635.7%)となりました。これは、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSpeedway取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,295,563百万円、店舗の新規出店や改装などに伴う有形固定資産の取得による支出が337,505百万円となったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、937,077百万円の収入(前年同期比135.7%)となりました。これは、短期借入金の純増減額が△479,923百万円、長期借入金の返済による支出が261,954百万円、社債の償還による支出が231,768百万円となったものの、主にSpeedway取得に伴う資金調達等により、社債の発行による収入が1,192,710百万円、長期借入れによる収入が832,298百万円となったことなどによるものであります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産及び受注の実績

該当事項はありません。

 

②仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

国内コンビニエンスストア事業

67,149

111.1

海外コンビニエンスストア事業

4,055,475

257.9

スーパーストア事業

1,318,317

101.2

百貨店・専門店事業

497,664

105.6

金融関連事業

21,722

96.8

その他の事業

869

75.2

5,961,199

173.8

(注)1 海外コンビニエンスストア事業の主な変動理由は、7-Eleven, Inc.によるSpeedway LLC他20社の株式その他持分の取得によるものであります。

2 上表国内及び海外コンビニエンスストア事業の仕入高には、自営店仕入のみが含まれております。

3 上記仕入実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。

4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における売上実績(営業収益のうちの売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

国内コンビニエンスストア事業

93,311

110.8

海外コンビニエンスストア事業

4,847,972

245.8

スーパーストア事業

1,767,081

100.0

百貨店・専門店事業

698,368

104.1

金融関連事業

21,328

95.5

その他の事業

1,514

84.9

7,429,576

164.4

(注)1 海外コンビニエンスストア事業の主な変動理由は、7-Eleven, Inc.によるSpeedway LLC他20社の株式その他持分の取得によるものであります。

2 上表国内及び海外コンビニエンスストア事業の売上高には、自営店売上のみが含まれております。

3 上記売上実績は、連結会社間の取引高を消去した金額となっております。

4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   5 主要な子会社の売上状況は、次のとおりであります。

    (1)国内コンビニエンスストア事業

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

区分

チェーン全店売上(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

加工食品

1,258,006

100.9

25.4

ファスト・フード

1,456,118

101.3

29.4

日配食品

638,908

98.6

12.9

食品計

3,353,033

100.6

67.7

非食品

1,599,748

103.9

32.3

合計

4,952,782

101.7

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。また、チェーン全店売上は、フランチャイズ・ストア(加盟店)とトレーニング・ストア(自営店)の売上の合計金額であります。

 

    (2)海外コンビニエンスストア事業

7-Eleven, Inc.

区分

チェーン全店売上(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

加工食品

1,148,690

135.4

17.8

ファスト・フード

346,667

141.9

5.4

日配食品

91,062

108.0

1.4

食品計

1,586,420

134.8

24.6

非食品

1,070,400

137.7

16.5

商品計

2,656,820

135.9

41.1

ガソリン

3,807,119

262.0

58.9

合計

6,463,940

189.7

100.0

(注) チェーン全店売上は、加盟店と自営店の売上の合計金額であります。

 

    (3)スーパーストア事業

① 株式会社イトーヨーカ堂

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

ライフスタイル

219,985

92.1

21.2

専門店

11,791

86.7

1.1

食品

506,270

97.9

48.7

商品計

738,046

95.9

71.1

テナント

297,225

106.8

28.6

その他

3,392

63.5

0.3

合計

1,038,664

98.6

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 株式会社ヨークベニマル

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

生鮮食品

167,111

98.8

35.6

加工食品

114,763

100.4

24.5

デイリー食品

95,394

100.5

20.3

食品計

377,269

99.7

80.4

衣料

10,314

95.9

2.2

住居

18,500

93.0

3.9

商品計

406,085

99.3

86.5

テナント

63,330

105.4

13.5

合計

469,415

100.1

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

    (4)百貨店・専門店事業

株式会社そごう・西武

区分

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

衣料

134,286

100.6

30.0

雑貨

45,707

105.5

10.2

食品

96,580

100.7

21.6

商品計

276,573

101.4

61.9

テナント

143,361

113.1

32.1

法人外商

27,038

86.5

6.0

合計

446,973

103.8

100.0

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

(a)営業収益及び営業利益

当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ2,983,033百万円増加の8,749,752百万円(前年同期比151.7%)、営業利益は、21,323百万円増加の387,653百万円(前年同期比105.8%)となりました。

 

  前連結会計年度

(自 2020年3月1日

 至 2021年2月28日)

  当連結会計年度

(自 2021年3月1日

 至 2022年2月28日)

増減額

営業収益(百万円)

 

 

 

国内コンビニエンスストア事業

858,776

873,239

14,462

海外コンビニエンスストア事業

2,253,355

5,194,327

2,940,972

スーパーストア事業

1,810,884

1,810,728

△155

百貨店・専門店事業

684,660

712,282

27,621

金融関連事業

198,927

194,399

△4,527

その他の事業

17,323

20,340

3,017

5,823,927

8,805,319

2,981,391

消去及び全社

△57,209

△55,567

1,642

 合  計

5,766,718

8,749,752

2,983,033

営業利益(百万円)

 

 

 

国内コンビニエンスストア事業

233,700

223,396

△10,304

海外コンビニエンスストア事業

98,664

159,866

61,201

スーパーストア事業

29,681

18,791

△10,890

百貨店・専門店事業

△17,444

△8,153

9,291

金融関連事業

48,077

37,549

△10,528

その他の事業

△570

△115

454

392,109

431,334

39,224

消去及び全社

△25,779

△43,681

△17,901

 合  計

366,329

387,653

21,323

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は873,239百万円(前年同期比101.7%)、営業利益は223,396百万円(同95.6%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、加盟店の持続的な成長に向けて2019年4月に発表した「行動計画」を遂行し、加盟店が安心して経営に専念できる環境作りに引き続き努めております。また、新型コロナウイルス感染症の影響により一層の小商圏化が進み、個店ごとのお客様ニーズの違いが顕在化する中で、当連結会計年度ではさらなるワンストップショッピングニーズへの対応強化、高付加価値商品の品揃え拡充に加え、来店頻度向上・新規顧客獲得に向けたプロモーション強化に傾注してまいりました。併せて、デリバリーサービスへの需要の高まりを受け、スマートフォンで注文した商品が、最短30分で指定の場所に届けられるサービス「7NOW」の取扱店舗を拡大する等、多様化するニーズに対応し、すべての地域社会に利便性を提供することを念頭に、加盟店や取引先も含めたバリューチェーン全体での持続的な成長の実現に取り組んでまいりました。

 

これらの結果、当連結会計年度における既存店売上は、夏場の天候不順による消費の下押し影響以降弱含みで推移したものの、前年の新型コロナウイルス感染症拡大抑止に伴う外出自粛の反動等により前年を上回りました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は4,952,782百万円(前年同期比101.7%)となりました。しかしながら、商品販売動向変化に伴う商品荒利率の低下と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は223,091百万円(同95.6%)となりました。

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は5,194,327百万円(前年同期比230.5%)、営業利益は159,866百万円(同162.0%)となりました。

北米においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大があった一方で、消費者物価指数が上昇する中、各種施策の実施等により個人消費は安定した伸びを示し堅調に推移しております。

7-Eleven, Inc.は、生活様式の変化に対応し、デリバリーサービス「7NOW」やデジタルウォレット、モバイルチェックアウトなどの取扱い店舗拡大により新たなサービスの拡充に努めると同時に、ファスト・フードやプライベートブランド商品の開発・販売に引き続き注力いたしました。

また、2021年5月14日付で米国Marathon Petroleum Corporationから主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業等に関する株式その他の持分を取得し、それ以降のSpeedway事業の業績を取り込むとともに、さらなるシナジー創出を目指した経営・業務・従業員意識等、統合に関する全てのプロセスを順調に推進してまいりました。

これらの結果、当連結会計年度のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を上回り、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は6,463,940百万円(前年同期比189.7%)となりました。また、営業利益は224,864百万円(同188.6%)となりました。

スーパーストア事業における営業収益は1,810,728百万円(前年同期比100.0%)、営業利益は18,791百万円(同63.3%)となりました。

総合スーパーである株式会社イトーヨーカ堂は、引き続き事業及び店舗構造改革を推進しております。前年、巣籠り需要に伴い伸長した食品売上は、当連結会計年度においてもお客様ニーズの変化にきめ細かく対応したことで高止まりが続きました。

テナント含む既存店売上は、前年の営業時間短縮やアリオのテナント部分休業等の反動もあり、前年を上回りました。しかしながら、前年に特別損失に振替えた新型コロナウイルス感染症拡大による休業に係る固定費の影響等もあり、営業利益は1,620百万円(前年同期比20.8%)となりました。

また、食品スーパーである株式会社ヨークベニマルは、前年の外出自粛に伴う巣籠り需要の反動等により当連結会計年度における既存店売上は前年を下回り、営業利益は14,704百万円(同88.9%)となりました。

百貨店・専門店事業における営業収益は712,282百万円(前年同期比104.0%)、営業損失は8,153百万円(前年同期は17,444百万円の営業損失)となりました。

当セグメントは、グループ戦略の一環として大型商業拠点戦略を推進するため、旧「百貨店事業」、旧「専門店事業」を統合し、「百貨店・専門店事業」へと変更いたしました。

百貨店においては前年の営業時間短縮や入店者数の制限の反動等により既存店売上が前年を上回りましたが、レストランにおいては当連結会計年度も営業時間の短縮や酒類提供の制限等、厳しい環境が続きました。

これらの結果、百貨店・専門店事業の営業損失は前連結会計年度と比べ9,291百万円減の8,153百万円となりました。

株式会社そごう・西武は、2021年9月1日付で西武池袋本店の不動産管理会社であった株式会社セブン&アイ・アセットマネジメントを吸収合併いたしました。

なお、「中期経営計画2021‐2025」で示した事業ポートフォリオに関する考え方に基づき、2022年3月1日付で当社が保有する株式会社オッシュマンズ・ジャパンの発行済株式の全部を株式会社エービーシー・マートに譲渡いたしました。

金融関連事業における営業収益は194,399百万円(前年同期比97.7%)、営業利益は37,549百万円(同78.1%)となりました。

株式会社セブン銀行における当連結会計年度末時点の国内ATM設置台数は26,194台(前連結会計年度末差508台増)となりました。また、前年の新型コロナウイルス感染症拡大抑止による外出自粛の反動や各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引件数の増加により、1日1台当たりのATM平均利用件数は96.7件(前年同期差7.0件増)となり、当連結会計年度のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9,346億円となりました。

(b)営業外損益及び経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の8,965百万円の損失(純額)から29,081百万円の損失(純額)となりました。これは7-Eleven, Inc.による社債利息が増加したことなどによるものであります。

この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1,207百万円増加の358,571百万円となりました。

 

(c)特別損益及び税金等調整前当期純利益

特別損益は、前連結会計年度の98,588百万円の損失(純額)から46,716百万円の損失(純額)となりました。これは新型コロナウイルス感染症による損失が減少したことなどによるものであります。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ53,078百万円増加の311,854百万円となりました。

(d)法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等は、前連結会計年度に比べ24,174百万円増加の88,613百万円となりました。また、税効果会計適用後の負担率は28.4%となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ31,512百万円増加の210,774百万円となりました。1株当たり当期純利益は、238.68円となり、前連結会計年度の203.03円に比べ35.65円増加しました。

② 財政状態の分析

(a)資産、負債及び純資産の状況

 

前連結会計年度

(2021年2月28日)

当連結会計年度

(2022年2月28日)

増減額

総資産(百万円)

6,946,832

8,739,279

1,792,446

負 債(百万円)

4,115,497

5,591,546

1,476,049

純資産(百万円)

2,831,335

3,147,732

316,397

総資産は、前連結会計年度末に比べ1,792,446百万円増加して8,739,279百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が768,498百万円、ATM仮払金が108,587百万円それぞれ減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ745,449百万円減少し、2,604,774百万円となりました。

有形固定資産は、新規出店や既存店投資などにより1,026,324百万円の増加となりました。無形固定資産は、Speedway取得に伴うのれんの増加などにより1,494,128百万円の増加となりました。また、投資その他の資産においては、株式会社セブン銀行が取得する地方債や社債が増加したことなどにより18,183百万円増加しております。これらの結果、固定資産は前連結会計年度末に比べ2,538,636百万円増加し、6,132,658百万円となりました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,476,049百万円増加し、5,591,546百万円となりました。

流動負債は、未払費用が111,203百万円増加した一方、短期借入金が479,806百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ301,707百万円減少し、2,480,725百万円となりました。

固定負債は、社債がSpeedway取得に伴う社債の発行などにより1,017,906百万円増加し、長期借入金が631,807百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,777,757百万円増加し、3,110,820百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ316,397百万円増加し、3,147,732百万円となりました。

利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による210,774百万円の増加、配当金の支払いによる87,576百万円の減少などにより、前連結会計年度に比べ120,349百万円増加しております。

為替換算調整勘定は、主に7-Eleven, Inc.の財務諸表の換算などにより、188,405百万円増加しております。

これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ352.82円増加し3,375.50円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の38.4%から34.1%となりました。

 

(b)キャッシュ・フローの状況

 

  前連結会計年度

(自 2020年3月1日

 至 2021年2月28日)

  当連結会計年度

(自 2021年3月1日

 至 2022年2月28日)

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

539,995

736,476

196,480

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△394,127

△2,505,566

△2,111,439

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

690,542

937,077

246,534

現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

2,183,837

1,414,890

△768,946

現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、国内及び海外コンビニエンスストア事業を中心とした高い営業収益力によりキャッシュ・フローを創出したものの、Speedway取得に伴う資金支出や株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを中心とする店舗の新規出店及び改装などに伴う支出等があったため、前連結会計年度末に比べ768,946百万円減少し、1,414,890百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得た資金は、前連結会計年度に比べ196,480百万円増加し、736,476百万円となりました。これは、売上債権の増減額が40,699百万円増加した一方、税金等調整前当期純利益が53,078百万円増加、法人税等の支払額が35,281百万円減少、法人税等の還付額が21,229百万円増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ2,111,439百万円増加し、2,505,566百万円となりました。これは、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSpeedway取得により、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得が2,253,589百万円増加したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって得た資金は、前連結会計年度に比べ246,534百万円増加し、937,077百万円となりました。これは、短期借入金の純増減額が970,429百万円減少した一方、主にSpeedway取得に伴う資金調達等により、長期借入れによる収入が706,505百万円、社債の発行による収入が843,403百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

③ 戦略的現状と見通し

国内において新型コロナウイルス感染症拡大予防対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種施策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待されるものの、個人消費におきましては、依然として先行き不透明な状態が想定され、感染拡大による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による消費の下振れリスクが懸念されております。

北米においては高インフレが続く中、消費を中心に景気は堅調に推移してきたものの、人手不足や物流障害による供給制約等から、そのペースの鈍化が懸念されております。

また国内外ともに地政学リスクや金融資本市場の変動の影響にも留意する必要があります。

(a)国内コンビニエンスストア事業

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、少子高齢化や単身世帯の増加、働く女性の増加といった国内の社会構造変化に加え、コロナ禍で顕在化、加速化した購買行動の変化に引き続き対応してまいります。

日常生活を彩る充実した商品構成を実現するための売場レイアウトの革新や高付加価値商品の品揃え拡充等、店舗のトランスフォーメーションを加速させることで、この時代環境の変化に自らを適合させ加盟店との共存共栄を図ってまいります。また、需要が高まっているラストワンマイルの取り組みとして、デリバリーサービス「7NOW」の取扱店舗を積極的に拡大してまいります。これにより、一層の利便性向上と社会課題解決を図ってまいります。

(b)海外コンビニエンスストア事業

北米の7-Eleven, Inc.は、2021年5月に米国Marathon Petroleum Corporationから主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業等に関する株式その他の持分を取得し、Speedway事業とのシナジー創出に向けた統合を進めております。Speedwayが持つブランドロイヤリティや好立地を活かした集客力に加え、Speedway店舗に7-Eleven, Inc.のフレッシュフードやプライベートブランドの商品導入を推進することなどにより、シナジー発現の最大化及び早期化を図ります。またコロナ禍を契機に変化した消費者心理とコンビニエンスストアの使われ方に対応すべく商品開発を通じた品質向上と品揃え改革に加え、デリバリーサービス「7NOW」、デジタル、パーソナライゼーション強化による顧客ロイヤリティの向上に傾注してまいります。このような取り組みにより、お客様の潜在ニーズを顕在化させ、新たな顧客層を拡大し店舗の販売力強化に結び付けてまいります。

また、今般設立した7-Eleven International LLCでは、7-Eleven, Inc.が北米で培った強みと、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが日本で培った強みを掛け合わせることで商品開発力、デジタル技術、ESGなどの要素に力点を置きながら、グローバルブランドとしての価値向上に努め、全世界におけるセブン‐イレブンブランドの成長と、既存のエリアライセンシーとの連携強化、新規エリアへの出店促進、グローバル連携拡大をより一層推進してまいります。

(c)スーパーストア事業

株式会社イトーヨーカ堂は、2021年7月に発表した「中期経営計画2021‐2025」に基づき、成長戦略及び事業構造改革に引き続き取り組んでおります。不採算店舗の閉店及び外部連携を含めた検討や本部人員の適正化等、事業構造改革を2023年2月期に完遂させ、収益安定化に向けた基盤作りに傾注してまいります。併せて、ラストワンマイルの取り組みとして、ネットスーパー、移動販売「とくし丸」を拡大し更なるマーケットニーズの深掘りに努めてまいります。

株式会社ヨークベニマルは、主に店舗において総菜を製造、販売していた同社100%子会社の株式会社ライフフーズを2022年3月1日付けで吸収合併いたしました。成長性の高いデリカテッセンの製販一体のビジネスモデルの強化を通じ、今後も予想される厳しいマーケット環境の中で優位性を確保することで、生活提案型の食品スーパーとして持続的に成長することを目指してまいります。

(d)百貨店・専門店事業

株式会社そごう・西武では、グループ戦略の一環として大型商業拠点戦略を推進すべく、個店ごとの商圏ニーズに対応した商業施設の具現化と「中期経営計画2021‐2025」に基づいた事業構造改革の完遂による収益性の改善を目指してまいります。

また、専門店については、経営効率の改善と併せて、各カテゴリーの専門店としての強みをグループ戦略に活かすべく、より一層の連携を図ってまいります。コロナ禍の状況により業績への影響を受けやすい特性を踏まえ、状況に応じた営業体制を構築するとともに、多様化するニーズに対応したサービスの提供を強化してまいります。

(e)金融関連事業

金融関連事業におきましては、引き続きATMプラットフォーム事業の拡大に加え、電子マネー及びクレジットカード事業等に注力してまいります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店、店舗改装及びソフトウェア投資等の設備投資、M&A等によるものであります。

なお、当連結会計年度中に実施した設備投資に必要な資金は、金融機関からの借入金及び自己資金により充当いたしました。また、7-Eleven, Inc.はSpeedway取得資金の一部として、普通社債の発行により1,192,710百万円を調達しております。

 

財務政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っております。

長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。

財務方針については、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターンを拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針としております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,955,670百万円となっております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、持続的に企業価値を向上させるため、資本コストを上回るリターン(利益)を拡大するとともに、キャッシュ・フローの創出力を高めることを基本方針とし、以下の財務目標を設定しております。

 

(2025年度 主要連結財務数値目標)

 

2021年度 実績

2025年度 目標

EBITDA

7,514

億円

1

兆円以上

営業キャッシュ・フロー(除く金融)

6,308

億円

8,000

億円以上

フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)

2,795

億円

4,000

億円以上

ROE

7.5

10

%以上

ROIC(除く金融)

4.8

7

%以上

Debt/EBITDA倍率

3.9

2.0

倍未満

調整後Debt/EBITDA倍率

-

2.2

倍未満

EPS成長率(CAGR)

-

15

%以上

※営業キャッシュ・フロー(除く金融)は、金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値。

 フリーキャッシュ・フロー水準(除く金融)は、金融事業を除く管理会計ベース数値。

 なお、M&Aは戦略投資として投資キャッシュ・フローからは除外して算出。

 ROIC(除く金融)は、{純利益+支払利息×(1-実効税率)}/{自己資本+有利子負債(ともに期首期末平均)}にて算出。

 調整後Debt/EBITDA倍率は、金融事業を除く管理会計ベース数値。

 Net Debt / EBITDAR(Net Debt:有利子負債+オンバランスリース-現預金等調整)

 EPS成長率(CAGR)は、2020年度に対してのCAGR(年平均成長率)にて試算。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)グループ経営管理契約

当社は、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、株式会社ヨークベニマル及びその他の子会社20社との間で、当社が各社に対して行う経営管理に関し、それぞれ「グループ経営サービス等の提供に関する基本契約書」を締結しております。

(2)加盟店契約

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンとコンビニエンスストア加盟店との加盟店契約の要旨は、次のとおりであります。

① 当事者(株式会社セブン‐イレブン・ジャパンと加盟者)の間で、取り結ぶ契約

(a)契約の名称

加盟店基本契約(書)及びその付属契約(書)

(b)契約の本旨

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの許諾によるコンビニエンスストア経営のためのフランチャイズ契約関係を加盟者と形成すること。

② 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、開業時在庫の買取りを求める以外、爾後商品の販売はせず、加盟者は株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの推薦する仕入先その他任意の仕入先から商品を買取ります。

③ 経営の指導に関する事項

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは継続的に担当者を派遣して、店舗・商品・販売の状況を観察させて助言・指導を行い、または経営上生じた諸問題の解決に協力する他、販売情報等の資料の提供、効果的な標準小売価格の開示、各種仕入援助、広告宣伝、経営相談、計数管理のための計数等の作成提供を行い、商品仕入等についての与信等のサービスを継続的に行います。

④ 使用させる商標、商号その他の表示に関する事項

コンビニエンスストア経営について“セブン‐イレブン”の商標その他営業シンボル、著作物の使用をすることが許諾されます。

⑤ 契約の期間等に関する事項

契約の期間は、加盟店として新規開店の初日から向こう15ヶ年間です。契約の更新は、協議し、合意にもとづいて行われます。

⑥ 加盟者から定期的に徴収する金銭に関する事項

月間売上総利益(月間売上高から、月間売上商品原価(商品の総売上原価から品減り、不良品各原価及び仕入値引金を差引いた純売上原価)を差引いたもの)を基に一定の計算をして算出した金額を、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが実施するサービスの対価として支払います。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。