当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
<コーポレートスローガン>
<ミッション> 本能が歓ぶ食の感動体験を探求し世界中をワクワクさせ続ける
<ビジョン> 予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニー
当社グループは、五感だけでなく本能までも揺さぶられるほど圧倒的な「食の感動体験」をお客様に提供し、世界中の人々を幸せで満たしながら、グローバルフードカンパニーに成長することを目指しています。
この志を端的な言葉で明文化し、グローバルで共有・浸透させていくために、上記のコーポレートスローガンを制定しました。このスローガンのもと、国内外のグループ会社と各国の「ローカルバディ」が協力して、食の世界の頂を目指してまいります。
※ローカルバディ:感動体験に共感した特別な知識とノウハウを持つ世界中の仲間
(2)2023-2028年3月期 中長期経営計画
当社グループは、名実ともに真のグローバルフードカンパニーとなることを目指して、2022年5月に「2023-2028年3月期 中長期経営計画」を策定し、2028年3月期に売上収益 3,000億円、事業利益率12%以上を目標に掲げています。
① 基本戦略
当社グループのこれまでの成長を振り返ると、主力業態である「丸亀製麺」は、セントラルキッチンを持たず、店頭で粉からうどんを打ち、「手づくり・できたて」で提供するという、一見すると非合理的な要素を抱えながら、圧倒的なスピードでグローバル外食チェーンへと上り詰めました。
本来であれば二律背反となるような矛盾をはらんだ活動を両立させ、「食の感動体験」によって新たなマーケットを創造し、世界中に拡大していくことができる「二律両立」こそが、当社グループの独自性であり強みです。
当社グループは自らを「KANDO Creators」と定義し、感動こそが私たちの成長の源泉であることを社内外にグローバルで浸透させていくために、敢えてローマ字で表記した「KANDOトレードオン戦略」を中長期経営計画の戦略に据えます。
当社グループの事業の根幹であり、お客様の来店動機そのものであると考えている「食の感動体験」が戦略の起点となり、これらの感動体験を体現する多様なブランド群を「ダイバースブランド」、世界各地で特別な知識・ノウハウ、ネットワークを持つパートナーを「ローカルバディ」と表現します。
この「ダイバースブランド」と「ローカルバディ」が掛け合わされて、世界中で網目状に張り巡らされたネットワークとして機能し、各地で複数の業態が同時に進化・出店し続けることが「KANDOトレードオン戦略」の骨子です。「二律両立」を実現しながら、「食の感動体験」を世界中に拡大し、想像のはるか先を行く予測不能な水準で成長することを目指していきます。
② 4つの重点テーマとその実現に向けた取り組み
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重点テーマ |
取り組みの概要 |
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感動体験 の追求 |
感動体験をさらに進化させると同時に、新たなシーン(中食、海外、ハラル・ヴィーガンなど)で感動体験を創出し続ける |
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① 感動体験の創出・磨きこみ |
テイクアウトや他国業態、新たな商品・サービスの展開など、新たなシーンで感動体験を創出・確立 |
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② 人材育成と定着化 |
人材投資、定着率向上による中長期的な売上理論値の引き上げ、費用の抑制 |
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③ 感動体験を生む舞台づくり |
店舗DX・設備導入などにより店舗従業員が顧客サービスに専念できる環境を整備 |
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事業ポートフォリオ の量・質 拡充 |
国内外のバラエティ豊かなブランド群を活かした、バランスの取れた成長を指向 |
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④ M&Aによる新たな業態獲得 |
1,000億円のM&A枠で、欧米/中華圏/東南アジアを重点ターゲットに業態を拡充 |
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⑤ 選択と集中 |
勝ち筋の定まった業態に重点投資で数百~千店舗単位の業態を複数創出 |
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⑥ ブランドインキュベーション |
グローバルブランド化を含めた業態の開発、モデル化 |
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ローカルバディ 布陣の 確立 |
各地のパートナーを単なるビジネス上の契約関係を超えた、いわば第2のヘッドクォーター チーム「ローカルバディ」として、複数業態並行で事業展開を進めていく |
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⑦ 新規有力ローカルバディの探索 |
世界の有望市場において、有力フランチャイジー、JVパートナーを含む新規バディを探索、早期に体制確立 |
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⑧ 重要市場のバディによる業態 同時展開 |
各地域のバディをハブに、複数業態を同時展開し、海外での出店スピードを大幅に加速 |
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N×N展開 を支える 基盤構築 |
業態・バディ、それらを支えるグローバルアドバイザリーボード、本社機能が、世界各地で 縦横無尽にネットワークとして、複数業態の同時展開を支えていく |
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⑨ ブランド基軸でのグローバル 連携 |
ブランド横断でのベストプラクティスの展開などを通じた相乗効果の創出 |
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⑩ グループ機能のグローバル化 |
グローバル展開を支える本社・営業機能の確立 |
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⑪ 出店力の強化 |
5,500店舗を支える立地・モデル開発の体制強化 |
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(3)経営指標
中長期経営計画は、2028年3月期を最終年度とする中長期目標と3か年計画で構成しています。2023-2025年3月期の3か年計画については、当期の好調な進捗を受けて、2024-2025年3月期の連結の売上収益と事業利益の計画を引き上げました。また、2026年3月期を最終年度とする新3か年計画を策定しました。3か年計画は毎年見直しを図る予定です。(2026年3月期までの3か年計画はM&Aにおける上積みは考慮していません。)
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項目 |
初年度実績 |
新3か年計画 |
中長期目標 |
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2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
2026年3月期 |
2028年3月期 |
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売上高 |
1,883億円 |
2,120億円 |
2,350億円 |
2,620億円 |
3,000億円 |
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店舗数 |
1,770店舗 |
2,023店舗 |
2,400店舗 |
3,000店舗 |
5,500店舗超 |
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事業利益 |
70億円 |
97億円 |
144億円 |
195億円 |
360億円以上 |
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事業利益率 |
3.7% |
4.6% |
6.1% |
7.4% |
12%以上 |
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営業利益 |
75億円 |
67億円 |
114億円 |
165億円 |
約300億円 |
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営業利益率 |
4.0% |
3.1% |
4.9% |
6.3% |
10%程度 |
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当期利益 |
38億円 |
26億円 |
55億円 |
87億円 |
200億円以上 |
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EPS(非支配持分調整後) |
39.6円 |
25.5円 |
63.8円 |
100.1円 |
200円以上 |
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ROE |
5.8% |
- |
8%以上 |
10%以上 |
12%以上 |
上記の成長性・収益性・効率性の指標に加えて、健全性についてもバランスを追求することが重要だと考え、ROICを重要な経営指標としています。ROICの管理によって資本効率性を改善し、キャッシュ・フロー創出力の一層の強化を図るとともに、大規模な投資等に備えて一定の財務健全性と調達余力を確保していきます。
当社グループは「食の感動で、この星を満たせ。」をスローガンに掲げ、予測不能な進化で未来を拓くグローバルフードカンパニーとして価値を創造し続けることを目指しています。そのために、中期経営計画に基づいた事業戦略と、ESG戦略であるESGマテリアリティ(重要課題)に基づいたサステナビリティ活動を統合した取り組みを進めていきます。これらの推進により、当社グループは社会とともに持続可能な成長を続け、すべてのステークホルダーに対し財務非財務両面の価値を創出していきます。
また、気候変動への対応に関しては、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークを踏まえてリスクと機会の分析、対策を検討し、情報開示による透明性の向上と、ステークホルダーとの対話に努めています。
TCFD提言への取り組みについてはこちらを参照してください。
(https://www.toridoll.com/sustainability/environment/consumption/)
(1)ガバナンス
当社グループでは、代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、各部門長、国内子会社社長、海外子会社主管部門長を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。同委員会は、気候変動を含む環境問題や、その他の社会問題など多岐にわたる経営課題に企業として対応していくための全社横断組織であり、課題への対応について方針・計画を検討し、各組織と連携して進捗状況の把握・評価を行っています。
また、以下の委員会を設置しています。
・リスクマネジメント委員会:
詳細は、「
・環境委員会:
「サステナビリティ推進委員会」の下位組織として、サステナビリティ推進部部長を委員長とし、部門長等を委員とする「環境委員会」を設置しています。同委員会は気候変動への対応としてCO2排出抑制や省エネルギー活動、その他廃棄物の削減やリサイクル推進等の環境負荷低減に向けて取り組んでいます。また、事業年度毎に環境目標と環境行動計画を定め、毎月の委員会にて進捗状況の把握・評価を行っています。活動実務はテーマごとにプロジェクト化し、各組織体が実働していますが、その事務取りまとめを同委員会が行っています。
・働き方改革委員会:
当社グループはこれまで、働き方改革の一環として、有給休暇の計画的付与制度の制定や、社員の創造性を高める本社オフィス環境作りなど、さまざまな取り組みを行ってきました。
2019年に複数部署のメンバーで構成される「働き方改革委員会」を設置し、従業員が働きやすく、働きがいのある職場にすることを目的として、働き方の見直しや労働における課題の改善、限られた時間の中で高い付加価値を生み出すための取り組みを進めています。
現在は代表取締役を委員長として、長時間労働の改善やダイバーシティの推進、人権に関する課題解決に取り組んでいます。
(2)戦略
①ESGマテリアリティ(重要課題)
当社グループはグローバルに事業展開しており、多岐にわたる社会課題との関わりがあります。多くの社会課題の中で優先順位をつけ、選択と集中により活動を効果的に行う必要があることから、2022年3月に、社会からの関心度が高く、自社にとって影響度の高い社会課題を、ESGマテリアリティとして特定しました。
また、従業員一人ひとりが具体的にESGマテリアリティに取り組めるよう、KPIを設定し、活動の進捗を測っています。ESGマテリアリティは社会環境の変化を踏まえて定期的な見直しを行っていきます。
ESGマテリアリティ
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[食の感動体験を世界に] ・食の楽しさ・豊かさの提供 ・食品安全 |
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[人と社会とともに] ・人材育成 ・雇用維持・創出 ・多様性の尊重と働き甲斐のある環境づくり |
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[地球とともに] ・資源循環の推進 |
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環境経営目標(2018-2025年3月期)
・食品廃棄物排出量削減:排出量原単位130(kg/百万円)
・食品リサイクル率の向上:再生利用等実施率(55%)
・CO2排出量削減(Scope1・2):総排出量(150kt-CO2)、排出量原単位(0.60t-CO2/百万円)
・水資源の有効活用:使用量原単位(49.9m3/百万円)
・環境マネジメントシステムの導入:株式会社丸亀製麺、株式会社トリドールジャパン、株式会社肉のヤマキ商店、株式会社KONA’Sの全店舗
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[責任ある経営基盤の構築] ・サプライチェーン・マネジメント ・リスクマネジメントシステム構築 |
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②人材の育成に関する方針
当社グループのコーポレートスローガン、ミッション、ビジョンを実現するために、グループ全役職員が持つべき成長哲学として「トリドール3頂」を2022年11月に策定しました。
外食・サービス産業においては、おもてなしの心をもって、あらゆる国の文化・地域性を尊重して事業を展開する必要があります。さらに、コロナ下で人々のライフスタイルや価値観は大きく変わり、一方では、原材料費やエネルギーコストが高騰するなど、事業環境は厳しさを増しています。このような状況においてもこれまで築き上げてきた強みを失わないために、当社グループが大切に守り抜いてきた独自の競争戦略を成長哲学「トリドール3頂」と名付けて文言に落とし込み、全役員・従業員に周知、徹底しています。
(ア)成長哲学「トリドール3頂」
「トリドール3頂」は時代が変わっても守り抜くこと、これ以外は時代に応じて変え続けることとしており、これを骨子として、人材育成と事業拡大を進めています。当社グループの現状の課題と成長哲学「トリドール3頂」の関連性は以下のとおりです。
今後、施策を評価する指標としてKPIの設定を検討していきます。
(イ)社内環境整備に関する方針
役員・従業員一人ひとりの中で「KANDO」実態化サイクルを回すための組織として2022年12月に「KANDO開拓コミッティ」を設立しました。併せて、ミッション・ビジョン・成長哲学「トリドール3頂」の浸透を推進する「KANDOコミュニケーション本部」と、全てのスタッフが快適に働き成長できるよう、様々なアクションを実施していく部門として「KANDOリソース本部」を設置しました。
「KANDO」を創造できる人材こそが当社グループの武器であり、持続的成長に大きく寄与するものとして、人材育成を最重要課題の一つと位置付け、当社グループ独自の「KANDO実態化サイクル」を稼働させていきます。
「KANDO実態化サイクル」
(3)リスク管理
代表取締役社長を委員長とし、取締役、執行役員、各部門長、国内子会社社長、海外子会社主管部門長を委員とする「リスクマネジメント委員会」を設置しています。同委員会はリスク管理の統括機関として、リスクについて対応の優先度を決定し、迅速に意思決定と指示を行っています。また、ステークホルダーからの意見、質問、相談等を受け付ける窓口として情報を直接収集しており、同委員会に遅滞なく課題提起を行うことが可能です。
(4)指標及び目標
当社グループは、サステナビリティ戦略であるESGマテリアリティのKPIを設定しています。また、人材育成や社内環境整備に関する進捗に関しても、「人と社会とともに」のKPIにつながっています。
ESGマテリアリティ
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カテゴリー |
重要課題 |
2023年3月期KPI・目標 |
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食の感動体験を 世界に |
食の楽しさ・ 豊かさの提供 |
出店数1,864店 |
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食品安全 |
・外部衛生検査機関による年2回の衛生監査の実施 ・食品衛生法上の行政処分が0件(重大な食品事故0件) ・デジタルフードセーフティの丸亀製麺全店導入 |
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人と社会と ともに |
人材育成 |
・麺職人資格合格者数(約1,180名) ・研修体系の見直し |
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雇用維持・創出 |
・離職者数に占める早期離職者率(※) 社員70%以下、パートナースタッフ:50%以下 ※社員:3年未満離職者数/離職者数 パートナースタッフ:6か月未満離職者数/離職者数 |
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多様性の尊重と 働き甲斐のある 環境づくり |
・女性の管理職比率12% ・労働災害度数率:2.0未満 ・千人率:2.0未満 |
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地球とともに |
資源循環の推進 |
・食品廃棄排出量(原単位):170(kg/百万円) ・食品再生利用等実施率:30% ・水使用量(原単位):51.4(m3/百万円) ・環境マネジメントシステム認証:丸亀製麺全店 |
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責任ある経営基盤 の構築 |
サプライチェーン・ マネジメント |
CSR調達における自社基準の見直し |
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リスクマネジメント システム構築 |
・ISO22301認証の取得 ・リスク評価基準の見直し |
※出店数は連結ベース、それ以外は国内主要会社のKPI・目標
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであり、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意ください。
・当社のリスクマネジメント体制
当社グループは、リスクマネジメント規程に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、業務執行に関わるリスクを総合的に抽出・評価した上で、リスクへの対応策を計画し、その進捗を定期的に確認しております。
経営を取り巻く内外環境の変化等を受け、法令定款違反その他の事由に基づくリスクが顕在化し、かつ問題が発生した場合、危機管理規程に基づき、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会を設置し、事実関係を把握した上で対策を指示しております。また発生した問題の内容や、それがもたらす損失の程度等について、直ちに担当部門から報告を受ける体制を整えております。
・リスクマネジメントのプロセス
当社グループは、リスクに対する優先順位付けをし、リスクマネジメントを行っております。取締役や担当部門から情報を収集し、リスクの全体像を把握した後、その発生頻度と影響度の大きさを評価し、優先順位を総合的に判断しております。このように特定したハイリスク・シビアリスクに対し、リスクマネジメント体制の中で積極的に対策を講じております。
・当社グループのリスクに関する定義
<リスクの被害・影響度>
ハイリスク(最高):経営者は詳細な調査を行い、管理計画を作成する必要がある
シビアリスク(高):経営者は管理責任者を任命し、常にリスクの動向に注意を払う必要がある
ミドルリスク(中):経営者は管理責任者を任命する必要がある
ローリスク(低) :担当者が決まった手順で管理する
<リスクの発生頻度>
高:既に発生している、または、発生することが確実である/1年に複数回発生する
中:発生する可能性がある(顕在化した懸念材料あり)/1年に0~1回発生する
低:発生する可能性がある(顕在化した懸念材料なし)/数年に1回未満発生する可能性がある
洗い出しを行った全リスクについて、上記の被害・影響度と発生頻度の2軸で表現したリスクマップを作成し、優先順位を整理しております。
① 外食業界の動向および競合の激化について
当社グループが属する外食業界では様々なジャンルのレストラン、ファストフードチェーン等が競合しております。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、テイクアウトやデリバリーの利用が増加し、中食需要が高まるなど飲食スタイルが大きく変化し、さらには消費者の行動・意識・心理も目まぐるしく移り変わっております。
市場が当社の想定を大きく上回って変化したり、競争が激化する中で当社グループが優位性を発揮できなかったりする場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、このような環境において当社グループは、新スローガン「食の感動で、この星を満たせ。」を掲げ、お客様に感動体験を提供することを最重視して同業他社との差別化を図っております。
新型コロナウイルス感染症に対しては、店内の衛生管理の徹底や、高性能店内換気システムの導入など、運営と設備の両面から感染拡大防止対策を講じ、お客様が安心して飲食できる店舗の運営に努めております。
さらに、テイクアウト用商品の開発、テイクアウト専用窓口の設置、モバイルオーダーやキャッシュレス決済の導入など、飲食スタイルの変化に対応した施策を推進し、競争優位性を維持・強化しております。
② 原材料調達について
当社グループの業態は小麦、野菜、食肉、油脂等を原材料として使用しております。異常気象等による生産量減少や世界情勢に伴う穀物市況の変動など様々な原因により、仕入価格が上昇したり、十分な量の原材料の確保や適切な価格での調達が困難になったりする場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に備えて、当社グループは複数の産地やベンダーからの購買を推進し、リスク分散と安定調達を図っているほか、仕入価格の適正化に努めております。
③ 店舗展開について
(ア)店舗展開の基本方針について
当社グループの事業において店舗数の増加は、市場シェアや企業規模の拡大につながる重要な要素と考えております。しかし、当社グループが期待する立地、賃借条件、採算性などを満たす出店候補地が不足したり、許認可手続きが遅延したりすることにより、計画通りに出店が進まない場合、当社グループの成長・拡大に影響を及ぼす可能性があります。
また、出店後に周辺環境が大きく変化した場合、来店客数の変動などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは立地開発の専門部署を設置して、出店候補地の情報収集や各種条件の精査を行い、適切な候補地の選定に努めております。
(イ)ショッピングセンター出店に関わる契約について
ショッピングセンターとの契約には、最低売上収益の未達、資本構成や役員構成の重要な変更、その他営業に関する重大な変更等を原因として解除される可能性のあるものが存在し、契約が解除された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸人と多数の店舗に係る契約を締結している場合、賃貸人との複数の契約が解除されることにより、当社グループの業績に重大な影響が及ぼす可能性があります。
当社グループは、ディベロッパーなど施設側との良好な関係構築に努めているほか、投資回収検証や売上予測の精度を向上させることによりリスク低減を図っております。
(ウ)敷金、保証金、建設協力金について
当社グループは賃借物件(土地・建物)において店舗開発を行っております。物件によっては賃貸人に敷金、保証金、建設協力金を預け入れる場合があり、賃貸人の経営状況の悪化等によって敷金、保証金、建設協力金の返還や店舗運営の継続に支障が生じる可能性があります。
また、当社グループの都合による中途解約等において、敷金、保証金、建設協力金の全部または一部が返還されない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは専門部署において相手先の信用情報等に基づく社内審査や与信管理を実施しているほか、中途解約等に伴う損失の軽減に努めております。
(エ)主要事業会社への依存について
株式会社丸亀製麺は、2023年3月期において連結売上収益の約54%を占めております。同社がお客様の嗜好の変化やブランド力の低下等によって期待通りに成長しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは新業態の育成や新市場の開拓に注力しており、カフェ事業等が着実に成長しております。また、海外でブランドを確立している企業のグループ化や、丸亀製麺等の国内発ブランドの海外進出を進めることで、海外事業の拡大を進めております。
(オ)減損損失および不採算店舗の閉鎖について
当社グループは、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、減損会計を適用して事業用固定資産の投資の回収可能性を判断しております。事業環境の変化等によって店舗の収益性が著しく低下した場合、減損損失を計上する可能性があります。
また、不採算店舗の閉鎖においては、賃貸借契約およびリース契約の解約に伴う損失等の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、適時減損兆候の判定などを行い、不採算店舗の把握や投資の早期回収に努めております。
(カ)商標権について
当社グループは商標権を重要な資産と位置付けております。当社グループが使用している商標が第三者の登録済商標権を侵害していることが判明した場合、店舗名の変更等に伴う費用が発生する可能性があります。また、商標の使用差止や、使用料および損害賠償等の支払請求が認められた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、登録が困難なものを除き、原則として商標の登録を行うことにより、商標権を維持・保護しております。
④人材について
(ア)人材の確保と育成について
当社グループにおいて、人材確保および人材育成が計画通りに進まない場合、当社グループの業績および出店計画に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各領域において豊富な経験や高い専門性を有する人材を確保し、経営人材として育成していくことは重要な課題であると考え、求人・採用方法のレベルアップ、採用後の従業員に対するフォローの充実、OJT等による教育、人事考課制度の充実による実力主義の浸透などに取り組んでおります。
また社員のみならず、質の高い店舗スタッフの安定的な確保および育成も重要な課題であると考え、採用フロー、待遇、人材育成システムなどの改善を図っております。
(イ)労務管理や安全衛生管理について
当社グループでは、関連法案を遵守した適切な労務管理や安全衛生管理を実施しておりますが、社員だけでなく幅広く活躍する店舗スタッフを含め、実務の中で適切な管理が実施されなかった場合、安全管理上の問題が生じるほか、店舗での営業継続の困難、訴訟リスクや社会的信頼の失墜など、当社グループの業績および出店計画に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、労務や安全衛生に関し継続的なモニタリングによる確認や従業員・店舗スタッフへの定期的な教育・研修などのトレーニングや通知により、労務や安全衛生に対する理解促進と遵守の徹底に努めております。
⑤法的規制について
(ア)法的規制全般について
当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法、労働基準法等の一般的な法令に加え、食品衛生法をはじめとする食品衛生関係のほか、環境関係、建築設備関係などの様々な法的規制を受けております。これらの法規制が変更または強化された場合、それらに対応するための新たな費用が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各種法規制の制定・改廃状況を継続的にモニタリングして法令を遵守し、経営に重大な影響を与えることなく対応する体制を整えております。
(イ)食品の安全性について
当社グループが運営する店舗で食品事故等が発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、各種法的規制に対し、法令に加えて自主基準を徹底することで法令を遵守し、経営に重大な影響を与えることなく対応する体制を整えております。
⑥食品の安全管理について
飲食店営業の特有の問題点として、衛生問題が発生した場合、各店舗における営業停止等による直接的な影響に加え、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは食の安全への対応を重視しており、店舗における衛生状態に関する調査を外部専門業者に依頼し、また当社品質管理担当者による直接指導を実施するなど、その対策を順次強化しております。また、仕入食材への更なる対策の必要性を認識し、国内外の仕入先工場に対する当社規格書・当社指定の品質および衛生管理基準の遵守状況等の調査、特定の輸入食材の輸出用衛生証明書の確認等に加え、PB(プライベート・ブランド)商品等に対する品質・安全性に対する確認を強化しております。
⑦海外事業について
当社グループは海外において、直営店舗の運営のほか、現地企業とフランチャイズ契約を締結して、地域に根付いた店舗運営とスムーズな多店舗展開を図っております。
海外子会社、共同支配企業および関連会社の進出国の政情、経済、法規制、ビジネス慣習等の特有なカントリーリスクなどにより、計画的に事業展開を行うことができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社グループは海外において、フランチャイズ加盟企業からロイヤリティ収入を得ております。フランチャイズ加盟企業の減少や業績悪化等により、チェーン展開が計画どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現地に精通した事業パートナーや現地社員からの情報収集に努め、リスクの低減を図っております。
⑧為替変動について
当社グループは、海外のグループ会社への投融資を行っております。このため、為替相場が大幅に変動した場合は、為替差損益が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、連結財務諸表の作成にあたり、海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用等は、日本円に換算しております。このため、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対し、外貨建て投融資資金の需要が明確に見込める際は、外部環境等を勘案し為替予約などによるヘッジ策を講じることで、為替リスクの低減に努めております。
⑨のれん、無形資産について
当社グループは、のれんおよび耐用年数を確定できない無形資産について償却は行わず、毎期または減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施し、余裕率を把握しております。減損損失の計上により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは定期的に兆候を把握し、状況に応じて改善策を講じることで、リスク軽減に努めております。
⑩自然災害等、パンデミックについて
当社グループは、営業地域またはバリューチェーン上において大規模な地震、風水害、火災による事故等が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症を含む感染症拡大の影響により、営業活動の継続が困難となった場合も同様です。
当社グループは、事業継続計画の策定、防災訓練の実施、従業員安否確認システムの導入等、有事の初動対応マニュアルを整備しております。また、新型コロナウイルス感染症による事業リスクを最小限に抑えるため、従業員に対する新型コロナウイルスガイドラインの策定およびその徹底に努めております。
⑪気候変動への緩和と適応について
世界的な気候変動により異常気象が多発し、その影響は企業にとって看過できない状況となっています。当社グループは自然資源に依存する事業を行っており、気候変動への取り組みは経営において重要なインパクトを持つものと認識しています。当社グループの気候変動の影響の緩和と適応の対策が不十分である場合、原材料の必要量の確保や、仕入価格変動への対応、異常気象による店舗被災など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはTCFDの提言への賛同を表明しており、気候変動の影響への緩和として、CO2排出量を環境経営目標に設定し、削減に向けた取り組みを進めております。また適応として、TCFD勧告に則ったリスクと機会の分析を行い、対応策についての検討を進めております。
⑫環境・社会活動について
当社グループが環境問題や人権を含む社会問題への対応の不備や遅れにより問題が生じた場合には、当社グループのブランドイメージの低下や社会的信用の失墜につながり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、ESGにおけるマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ推進委員会の判断と指示のもと、リスク低減に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
① 連結業績
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における当社グループの経営環境は、国内については、新型コロナウイルス感染拡大防止のため緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施された前期と比較して、人の移動量が大幅に増加し、外食の客数も回復基調で推移しました。海外においては、欧米では行動規制がほぼ撤廃され、アジアでも規制緩和が進んだことで商況の回復が見られました。
このような環境において当社グループは、国内では訴求力の高い商品開発、店舗設計と来店動機の訴求に取り組みました。海外ではアジア、欧州、北米を中心に積極的に出店したことに加えて、グローバル展開を視野に入れたリブランディングや新しい事業パートナー(ローカルバディ(注1))の開拓に注力しました。
これらの結果、本格讃岐うどん専門店の丸亀製麺、海外事業が過去最高の売上収益を達成し、その他を含む全セグメントで増収となったことにより、売上収益は過去最高の1,883億20百万円(前期比22.8%増)となりました。
利益面では、世界的な原材料、人件費、水道光熱費の高騰の影響を受けましたが、増収で吸収し、丸亀製麺、海外事業に加えて、過去最高となったその他の全セグメントで増益となり、全社費用である調整額が増加したものの、事業利益(注2)は69億84百万円(前期比28.6%増)と大幅な増益となりました。
一方、前期は新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金などの政府補助金128億66百万円を計上しましたが、当期は44億3百万円に留まったことにより、その他の営業収益は前期比99億66百万円減少しました。また、その他の営業費用に中国事業にかかる一過性の事業整理費用12億27百万円を計上しました。これらの結果、営業利益(注3)は74億66百万円(前期比47.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は38億27百万円(前期比57.4%減)と減益となりました。
(注1)ローカルバディ:感動体験に共感した特別な知識とノウハウを持つ世界中の仲間
(注2)事業利益:売上収益-売上原価-販売費及び一般管理費
(注3)営業利益:事業利益-減損損失+その他の営業収益-その他の営業費用
(単位:百万円)
|
|
2022年 3月期 実績 |
2023年 3月期 実績 |
前期比 |
2023年 3月期 修正計画 (注4) |
修正計画比 |
||
|
|
増減額 |
増減率 |
増減額 |
増減率 |
|||
|
売上収益 |
153,355 |
188,320 |
+34,965 |
+22.8% |
191,900 |
△3,580 |
△1.9% |
|
事業利益 |
5,431 |
6,984 |
+1,553 |
+28.6% |
7,300 |
△316 |
△4.3% |
|
営業利益 |
14,243 |
7,466 |
△6,777 |
△47.6% |
7,100 |
+366 |
+5.2% |
|
親会社の所有者に 帰属する当期利益 |
8,979 |
3,827 |
△5,151 |
△57.4% |
4,000 |
△173 |
△4.3% |
(注4)2022年11月11日修正
② セグメント別業績
(単位:百万円)
|
売上収益 |
2022年 3月期 実績 |
2023年 3月期 実績 |
前期比 |
2023年 3月期 修正計画 (注4) |
修正計画比 |
||
|
|
増減額 |
増減率 |
増減額 |
増減率 |
|||
|
丸亀製麺 |
92,129 |
102,100 |
+9,971 |
+10.8% |
103,500 |
△1,400 |
△1.4% |
|
海外事業 |
41,069 |
61,483 |
+20,414 |
+49.7% |
65,000 |
△3,517 |
△5.4% |
|
その他 |
20,156 |
24,737 |
+4,581 |
+22.7% |
23,400 |
+1,337 |
+5.7% |
|
連結 |
153,355 |
188,320 |
+34,965 |
+22.8% |
191,900 |
△3,580 |
△1.9% |
(単位:百万円)
|
事業利益 |
2022年 3月期 実績 |
2023年 3月期 実績 |
前期比 |
2023年 3月期 修正計画 (注4) |
修正計画比 |
||
|
|
増減額 |
増減率 |
増減額 |
増減率 |
|||
|
丸亀製麺 |
10,586 |
11,624 |
+1,038 |
+9.8% |
11,800 |
△176 |
△1.5% |
|
海外事業 |
1,448 |
1,809 |
+361 |
+24.9% |
1,600 |
+209 |
+13.1% |
|
その他 |
836 |
3,044 |
+2,208 |
+264.2% |
2,700 |
+344 |
+12.8% |
|
調整額(注5) |
△7,439 |
△9,494 |
△2,055 |
- |
△8,800 |
△694 |
- |
|
連結 |
5,431 |
6,984 |
+1,553 |
+28.6% |
7,300 |
△316 |
△4.3% |
(注5)調整額は各報告セグメントに配分していない全社費用であります。
(単位:店)
|
店舗数 |
丸亀製麺 |
海外 |
その他 |
連結 |
||||
|
事業形態 |
直営 |
直営 |
FC等 (注6) |
計 |
直営 |
FC等 (注6) |
計 |
|
|
2022年3月末 店舗数 |
832 |
254 |
390 |
644 |
236 |
8 |
244 |
1,720 |
|
2023年3月期 出店 |
14 |
76 |
84 |
160 |
29 |
0 |
29 |
203 |
|
2023年3月期 閉店 |
13 |
14 |
83 |
97 |
39 |
4 |
43 |
153 |
|
2023年3月末 店舗数 |
833 |
316 |
391 |
707 |
226 |
4 |
230 |
1,770 |
(注6)フランチャイズ、合弁会社など直営以外の形態
(注7)当連結会計年度においてToridoll and Heyi Holding Limitedが運営する店舗をFC等から直営に移管したため、海外事業セグメントの直営出店に17店、FC等閉店に17店、移管分が含まれています。
<丸亀製麺>
丸亀製麺セグメントにおいては、ブランド戦略と商品戦略をハイブリッド型で組み合わせ、オフライン(店舗)とオンライン(TVCM、デジタルマーケティング、SNS等)をマージして展開する統合マーケティングが奏功したことにより、年間を通して好調に推移しました。
2022年6月15日から「うどんで、あなたを驚かせたい。」をキャッチフレーズに新たなブランドキャンペーンを開始し、打ち立てのうどんのおいしさと職人による手づくりの価値を訴求するとともに、ブランドへの共感と好意度を高めるコミュニケーションを強化しました。
商品戦略においては、お客様から多くの支持をいただいたシーズナルの人気フェア商品をさらに改良し、品質を高めただけでなく、新作も投入して食材や味の違いを楽しんでいただき、リピート促進やシリーズ認知の強化につなげました。
共創型パートナーである株式会社TOKIOの松岡昌宏さんと共同開発した新商品「俺たちの豚汁うどん」と「俺たちのニラバタ豚汁うどん」は、うどんに最も合う独自の豚汁を追究し、松岡昌宏さんならではのアイデアと丸亀製麺の商品開発力およびマーケティング力が融合した結果、2023年1月23日までに255万食を販売する大ヒットとなりました。続いて販売した「肉がさね玉子あんかけうどん」も2023年3月6日までに163万食を販売し、冬季の大ヒット商品となりました。
当期においては原材料費、水道光熱費、人件費の高騰に対処するため、2022年10月25日に一部商品の価格改定を実施、さらに2023年3月7日に看板商品の釜揚げうどんを含む価格改定を実施しました。また既存店70店舗で老朽化した店舗の改修・改装を実施しました。
これらの取り組みにより、売上収益は1,021億円(前期比10.8%増)と過去最高を達成しました。原価、人件費、電気料金、広告宣伝費も増加しましたが、増収で吸収し、事業利益は116億24百万円(前期比9.8%増)と大幅な増益となりました。
<海外事業>
世界各国で人の移動量が回復する中、2023年1月に中国でゼロコロナ規制が撤廃され、周辺国にも経済効果の波及が期待されました。このような環境において、香港を拠点とするスパイシーヌードル業態のTam Jaiはアジアで40店舗増加し、大幅な増収となりました。利益面では当第4四半期連結会計期間に徐々に回復したものの、第3四半期まで中国の行動規制の影響を強く受けたことにより減益となりました。
Marugame Udonは、米国ではハワイ店の好調が持続したことに加えて新店も順調に推移し、大幅な増収となりました。台湾はコロナ影響下で人材教育に注力した成果やプロモーションが奏功したことなどにより大幅な増収増益となりました。英国では当期6店出店して計10店舗となり、現地メディアに掲載されたりアワードに選出されたりするなど認知度が高まりました。
これらの結果、為替影響もあって売上収益は614億83百万円(前期比49.7%増)と大幅な増収となり、過去最高を達成しました。利益面では、原材料高騰や人件費上昇に加えて、複数業態においてグローバル展開に伴うマーケティング費用などの先行投資が増加しましたが、増収で吸収し、事業利益は18億9百万円(前期比24.9%増)と増益となりました。
<その他>
その他セグメントには、「コナズ珈琲」、「肉のヤマキ商店」、「豚屋とん一」、「とりどーる」、「長田本庄軒」、「天ぷらまきの」、「らー麺ずんどう屋」、「晩杯屋」等が含まれております。
「らー麺ずんどう屋」「晩杯屋」「とりどーる」は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により休業・時短営業を余儀なくされた前期と比較して事業環境が改善したことにより、増収増益となりました。特に姫路発祥の濃厚豚骨ラーメン業態の「らー麺ずんどう屋」は、当期19店舗出店して大幅な増収となり、原価および人件費の比率低下により事業利益率が大きく上昇し、当セグメントの増収増益を牽引しました。
「いちばん近いハワイの食卓」をコンセプトとする「コナズ珈琲」は、期間限定のフェアメニューやイベントなどの施策が奏功したほか、2022年10月にオープンした多摩ニュータウン店も好調に推移し、増収増益となりました。
「とりどーる」は「もも一枚焼き弁当」の看板商品化に成功し、客数が大幅に増加したことで、大幅な増収増益となりました。
「豚屋とんー」は、注文を受けてから肉を切り、その都度店内で製造したパン粉を付けるなど手の込んだ職人技を訴求する店舗作りに注力した一方で、不採算店の整理も進めたことから大幅な増益となりました。
「肉のヤマキ商店」は手作り出来立ての焼き肉丼と総菜を日常使い出来る価格で提供する商品戦略が顧客の支持を獲得し、2022年11月にオープンした新店もグローサラントモデルを早期確立するなど堅調に推移し、増収増益となりました。
これらの結果、売上収益は247億37百万円(前期比22.7%増)となり、増収に加えて、人員配置の適正化などにより原価率と販管費率がともに低下したことから、事業利益は過去最高の30億44百万円(前期比264.2%増)と大幅な増益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
35,118 |
32,595 |
△7.2 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,659 |
△11,863 |
109.6 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,903 |
△8,783 |
202.6 |
|
現金及び現金同等物 |
53,463 |
67,456 |
26.2 |
営業活動により得られた資金は325億95百万円(前期比7.2%減)となりました。これは主に減価償却費及び償却費が255億59百万円、税引前利益が77億26百万円あったこと等によるものです。
投資活動により使用した資金は118億63百万円(前期比109.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が114億10百万円あったこと等によるものです。
財務活動により使用した資金は87億83百万円(前期比202.6%増)となりました。これは主に長期借入れによる収入が209億78百万円あった一方で、リース負債の返済による支出が185億95百万円、長期借入金の返済による支出が139億86百万円あったこと等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ139億93百万円増加し、674億56百万円(前期比26.2%増)となりました。
(3)財政状態の分析
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
資産合計 |
240,840 |
266,235 |
10.5 |
|
負債合計 |
170,862 |
188,078 |
10.1 |
|
資本合計 |
69,978 |
78,158 |
11.7 |
|
親会社所有者帰属持分比率(%) |
25.8 |
26.1 |
1.5 |
|
1株当たり親会社所有者帰属持分(円) |
714.46 |
798.90 |
11.8 |
|
純有利子負債 |
90,371 |
89,923 |
△0.5 |
|
ネットレバレッジ・レシオ |
3.30 |
2.76 |
△16.5 |
※ネットレバレッジ・レシオ=純有利子負債(有利子負債-現預金)÷調整後EBITDA
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ253億95百万円増加し、2,662億35百万円(前期比10.5%増)となりました。これは主に現金及び現金同等物、無形資産及びのれんがそれぞれ前連結会計年度末に比べ139億93百万円、28億74百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ172億15百万円増加し、1,880億78百万円(前期比10.1%増)となりました。これは主に1年以内返済予定の長期借入金、社債がそれぞれ前連結会計年度末に比べ42億47百万円、31億84百万円増加した一方で、未払法人所得税が前連結会計年度末に比べ17億94百万円減少したことによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ81億80百万円増加し、781億58百万円(前期比11.7%増)となりました。これは主にその他の資本の構成要素、利益剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ47億84百万円、28億69百万円増加したことによるものです。
親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ1.5%増加し、26.1%となりました。これは主にその他の資本の構成要素、利益剰余金がそれぞれ前連結会計年度末に比べ47億84百万円、28億69百万円増加したことによるものです。
1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度末に比べ84.44円増加し、798.90円(前期比11.8%増)となりました。
また、ネットレバレッジ・レシオは前連結会計年度末に比べて0.54回復し、2.76となりました。これは主に調整後EBITDAが52億29百万円増加したことによるものです。
(4)生産、受注および販売の実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績と受注実績は記載しておりません。
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
丸亀製麺 |
24,164 |
111.4 |
|
海外事業 |
16,536 |
156.1 |
|
その他 |
7,489 |
120.1 |
|
合計 |
48,189 |
125.1 |
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
丸亀製麺 |
102,100 |
110.8 |
|
海外事業 |
61,483 |
149.7 |
|
その他 |
24,737 |
122.7 |
|
合計 |
188,320 |
122.8 |
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(6)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎(4)見積りおよび判断の利用 3.重要な会計方針」に記載されているとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(8)当社グループの資本の財源および資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース負債を含む有利子負債の残高は1,573億79百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は674億56百万円となっております。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による事業環境の急速な変化の経験から、運転資金および財政基盤の安定性向上のために機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することの重要性を再認識し、主要取引行と当座貸越契約による短期借入金40億円を継続しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。