第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年9月1日~平成29年8月31日)における国内経済は、好調な企業業績に伴う設備投資回復の兆し、雇用、所得環境の改善、消費者マインドの持ち直しにより緩やかな回復基調が続いております。一方、世界経済に目を向けると、米国における政策運営、中国経済の動向、地政学的リスクの高まりなど、我が国の景気が下押しされる懸念もあり、先行きは不透明な状況であります。

また、国内眼鏡小売市場(視力矯正眼鏡)は、平成28年3月以降、前年同期比マイナスの傾向が継続しており、 足元は弱含みに推移しております。

このような市場環境の中で、当社グループのアイウエア事業では、引き続き重要な経営課題と掲げている商品戦略の再構築、店舗オペレーションの改善などの取り組みを重点的に推進いたしました。また、店舗戦略については、従来のショッピングモール形態での出店を継続しながらも、郊外ロードサイド型店舗開発における社内体制を強化し、出店加速に向けた基盤を強固なものといたしました。

国内アイウエア事業において更なる成長を実現していくためには、商品力の向上、接客力及び店舗マネジメント力の強化が必要不可欠と認識しており、引き続きこれらの諸課題に取り組んでまいります。

当連結会計年度末におけるアイウエア専門ショップの店舗数は、国内直営店323店舗(出店23店舗、退店7店舗)、中国直営店103店舗(出店25店舗、退店4店舗)、米国直営店4店舗(出店3店舗、退店なし)の合計430店舗となりました。

売上高総利益率につきましては、円高による効果もありましたが、フレームの生産工程の改善に取り組み、前年同期比0.5ポイント増の75.2%となりました。

売上高販売管理費比率につきましては、マス広告の見直しによる広告宣伝費の大幅な抑制が図れたこと、「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」の開発費用を適切にコントロールしたこと等により、前年同期比2.3ポイント減となる64.5%となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高50,451百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益5,402百万円(前年同期比46.7%増)、経常利益5,227百万円(前年同期比45.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,767百万円(前年同期比39.7%増)と増収増益となりました。

なお、当社は平成29年4月1日付にて、「株式会社ジンズ」に商号変更いたしました。

商号をブランド名と統一することにより、消費者に対するブランド認知の一層の向上を図り、グローバルブランドとして定着、確立させることを目的として商号を変更いたしました。

 

 

セグメント業績の概況

セグメント別の売上高は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年9月1日

至  平成29年8月31日)

構成比

前年同期比

国内アイウエア事業

42,206

百万円

83.7

108.0

海外アイウエア事業

5,203

百万円

10.3

125.8

その他    

3,042

百万円

6.0

102.0

合計

50,451

百万円

100.0

109.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「その他」の区分には、メンズ雑貨事業、レディス雑貨事業等の収入が含まれております。

 

〈国内アイウエア事業〉

国内アイウエア事業につきましては、外部のプロダクトデザイナー監修のもと、大幅にリニューアルした定番商品や新たにデザインしたスポット商品を投入するなど、質の高い商品を継続的に展開した結果、通期に亘り既存店増収を達成することができました。

平成29年3月より、3プライス制の新価格体系を導入したことにより、暫く低迷していた客数の伸張に向けた梃入れを図りました。また、春節、花見シーズンにおける訪日外国人のインバウンド需要も取り込みました。

一方、「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」につきましては、引き続き先行投資段階であるものの、大手スポーツクラブと「JINS MEME RUN(ジンズ・ミーム ラン)」を活用したヘルスケアソリューションの共同開発、集中力の可視化がもたらすパフォーマンス・生産性の改善等、事業化が期待される革新的な取組みを継続いたしました。

店舗展開につきましては、郊外ロードサイド店舗への出店を継続した他、メガネと様々なカルチャーを融合した旗艦店「ジンズ渋谷店」(平成29年5月)、アイウエアのグローバルトレンドを発信する「ジンズ原宿店」(平成29年7月)等、当社ブランドイメージ構築に資する店舗を出店改装し、国内直営店舗数は323店舗となりました。

以上の結果、国内アイウエア事業の業績は、売上高42,206百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益5,698百万円(前年同期比47.3%増)となりました。

 

〈海外アイウエア事業〉

海外アイウエア事業につきましては、中国における競争環境が激しさを増しているものの、出店環境等は引き続き良好に推移し、順調に事業の拡大が続いており、同地域における黒字の定着が図れたと認識しております。

また、米国においては、米国向けにデザインした商品の投入、店舗オペレーションの改善等早期黒字化に向け取り組んでまいります。

店舗展開につきましては、海外直営店舗数は107店舗となりました。

以上の結果、海外アイウエア事業の業績は、売上高5,203百万円(前年同期比25.8%増)、営業損失△327百万円(前年同期は営業損失△279百万円)となりました。

 

〈その他〉

その他につきましては、メンズ雑貨事業及びレディス雑貨事業等の収入により構成されております。

店舗展開につきましては、メンズ雑貨専門ショップ20店舗(出店2店舗、退店なし)、レディス雑貨専門ショップ20店舗(出店なし、退店2店舗)となりました。

以上の結果、その他の業績は、売上高3,042百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益31百万円(前年同期比67.0%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は6,860百万円となりました。

 

 

 

(単位:百万円)

 

平成28年8月期

平成29年8月期

増減

営業活動による
キャッシュ・フロー

2,449

6,339

3,889

投資活動による
キャッシュ・フロー

△2,629

△2,406

222

財務活動による
キャッシュ・フロー

△116

△1,548

△1,431

 

 

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ3,889百万円収入が増加し、6,339百万円の収入となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益4,465百万円の計上、減価償却費2,217百万円の計上によるものであります。

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ222百万円収入が増加し、2,406百万円の支出となりました。

これは主に、店舗の出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出1,667百万円、敷金及び保証金の差入による支出457百万円、ECアプリケーション開発等に伴う無形固定資産の取得による支出214百万円によるものであります。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,431百万円収入が減少し、1,548百万円の支出となりました。

これは主に、短期借入金の純増額378百万円による収入の増加はあったものの、リース債務の返済による支出683百万円、配当金の支払額599百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社は卸・小売業であり、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

国内アイウエア事業

10,726

104.2

海外アイウエア事業

1,380

170.0

その他

1,877

121.1

合計

13,985

110.5

 

(注) 1  金額は、仕入価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社は卸・小売業であり、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

セグメント別販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

国内アイウエア事業

42,206

108.0

海外アイウエア事業

5,203

125.8

その他

3,042

102.0

合計

50,451

109.2

 

(注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主要な輸出先並びに輸出販売高、及びこれらの割合は、総販売実績に対する輸出高の割合が、100分の10未満のため、記載しておりません。

3  相手先別の販売実績については、いずれも総販売実績の100分の10未満のため、記載しておりません。

4 「その他」の区分には、メンズ雑貨事業、レディス雑貨事業等の収入が含まれております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、市場環境の変化に対し組織的に対応し、かつ、グローバルでの成長を確実なものとするため、新たなブランドビジョンを「Magnify Life」(人々の生き方を豊かに広げる)と定めております。

また、ブランドビジョンを実践していく上での行動指針(Attitude)を「Progressive」、「Inspiring」、「Honest」と定めております。

当社グループでは、このブランドビジョンである「Magnify Life」に沿った文化を構築し、社内と顧客との間で「Magnify Life」を共有し、「Magnify Life」に基づいた理想的な顧客体験を提供し、ブランドビジョンの進化の様子を適切に評価していくことで、ビジネスにイノベーションを起こし、持続的な成長を実現してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、将来にわたり企業価値向上を図るために国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業の収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績における営業利益及び営業利益率並びに自己資本当期純利益率(ROE)の向上を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、戦略ワード「JINSは「想い」を売っていく。」に基づき、誰にも負けないメガネへの情熱を持ちながら、最先端の科学やデジタル、デザインなどの技術等を駆使し顧客に評価されうる商品設計及び接客を実践することで、企業の成長とブランド力の向上を実現していく所存であります。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 商品戦略の再構築

当社グループは、新たなブランドビジョンとして定義した「Magnify Life」に沿った価値の提供ができるようすべての商品を見直し、商品戦略の全面的な刷新を行いました。しかしながら、品揃えとしての商品は整ったものの、商品の質という点で魅力ある商品の提供が不十分との認識に至りました。

そこで、すべての定番商品について、外部のプロダクトデザイナー監修のもと、商品の見直しを行い、商品力の向上に取り組んでおります。

 

② 店舗オペレーション力の向上

店舗オペレーションに関しては、「Magnify Life」ビジョンに沿った理想的な顧客体験を提供することでロイヤルカスタマーの創造に取り組んでおりますが、現在、その効果が徐々に現れつつあるものの、この点が課題と認識しております。

そこで、今後さらに取り組みを強化するためにも、接客力、店舗マネジメント力の向上は必要不可欠であり、店舗スタッフへの教育を強化してまいります。また、店舗生産性の向上に関しては、レンズ自動加工機の導入も進め、効率化に取り組んでまいります。

 

③ 持続的な店舗展開の推進

当社グループは、国内の店舗展開として、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に出店を行うとともに、一部郊外ロードサイドタイプにも出店を行う等、ロケーションの多様化を推進してまいりましたが、単一フォーマットによる店舗展開を行っていたため、ロケーションに合わせた店舗フォーマットやMD(マーチャンダイジング)の多様化が重要な課題であると認識しております。

そこで、今後の出店戦略を更に積極的に展開するためにも、ロケーションに沿った店舗フォーマットの構築やMD展開の確立を重点的に行い、新規出店に対する基盤強化を進めてまいります。

 

④ マーケティング戦略の転換

当社グループは、過去タレントを起用したテレビCMを中心に展開することで、認知度が向上し、大きな集客に成功してまいりました。一方で認知度の上昇とともに、テレビCMの費用対効果の低下が認識され、また顧客(潜在的顧客を含む)にブランドビジョンを適切にお伝えできていないという課題を認識するに至りました。

そこで、今後は「Magnify Life」ビジョンに基づいた顧客体験を提供するとともに、当社の企業姿勢を適切に評価いただけることを目指したマーケティング戦略の展開を実施し、店舗オペレーション力の向上に注力するとともに、持続的な集客力の上昇を実施してまいります。

 

 

⑤ グローバル展開の推進

当社グループが、今後とも持続的な成長を成し遂げるためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、海外ビジネスを拡大していくためには人的リソースが不十分であると認識しております。

今後、海外ビジネスに精通した人材の確保と海外人材の採用を積極的に行い、市場環境調査や経営管理面での充実を図り、効率的な海外展開が可能となるよう経営基盤を強化してまいります。

 

⑥ SPA体制の効率化と堅確化

当社グループは、高品質かつ圧倒的な低価格での商品提供を可能にしている最大の原動力は、企画から販売までを一貫して行うSPA体制にあると認識しております。

そこで、このバリューチェーンを構成する各セクションの人材の育成・確保に注力するとともに、システム化を推進し、一層の効率化と堅確化に取り組んでまいります。

 

⑦ 経営管理機能の拡充

当社グループは、今後のビジネスを展開していく上で、全社的な戦略の構築、内部統制の充実、予算統制等経営管理機能全般の充実・強化は極めて重要な課題であると認識しております。

そのためには、研修を通じた当社グループ社員の能力向上に加え、外部からの人材登用も積極的に推進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

(1) 法的規制について

①  医師法第17条の規定に関連する規制について

日本国内においては、眼鏡販売の際に医師資格を有しない者が行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はありませんが、一般的には眼鏡を選択するための補助行為であって人体に害を及ぼすおそれが殆どない場合は医行為に該当しないと言われております。

当社では、国内アイウエア店舗における眼鏡販売時に、顧客が自己の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定の補助を行っておりますが、目の診断及び検診等の医療行為は行っておりません。当社の行う度数測定の補助行為は、人体に保健衛生上の危害を生じさせない範疇にとどまるものであり、過去に人体に重要な影響を与えた事実もありません。更に、当社ではこのような補助行為でも、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。

しかし、法令・諸規則改正やその解釈の変更等により、上記のような度数測定の補助行為が医行為に該当すると判断された場合、ビジネスモデルの転換に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に関する規制について

当社グループは、国内アイウエア事業において、眼鏡・サングラスのレンズ等の一部を海外メーカーより直接輸入しております。

このうち、眼鏡レンズ及び既成老眼鏡等の一部商品は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」上の一般医療機器に該当し、これらを輸入して販売する行為は同法の規制を受けております。

当社グループでは、レンズの輸入販売を統轄する東京本社において、薬機法第23条の2第1項に定める第三種医療機器製造販売業許可を取得し、またレンズの保管等を行う各物流センターにおいて薬機法第23条の2の3第1項に定める医療機器製造業登録をしており、薬機法及び関連法令、各種省令の規制の下、レンズの適正な品質管理に努めておりますが、万一各種規制に抵触し、当該許可が取り消される等した場合、商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  個人情報保護法について

当社グループは、事業活動において顧客の個人情報の提供を受けているため、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当します。そのため当社グループでは、社内管理体制の整備及び従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策にも万全を期しておりますが、万一個人情報が外部へ流出するような事態となった場合には、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  製造物責任法(PL法)について

当社グループが販売する眼鏡は、フレームとレンズを組み合わせて製作する製造物であり、また、その他事業で販売する雑貨商品に関しても、当社グループで企画し海外の協力工場で委託生産した製造物を輸入し販売していることから、当社グループは製造業者としてPL法の適用を受けます。当社グループは、製造物の欠陥が発生しないよう細心の注意を払っておりますが、万一製造物の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償義務の負担等が当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) 業界環境に係わるリスクについて

①  国内視力矯正眼鏡市場の成熟化について

当社グループの国内アイウエア事業が事業領域とする日本国内眼鏡小売市場のうち視力矯正眼鏡市場は成熟化が進み、今後の持続的な市場拡大は望めず、競合環境その他構造的な変化等により市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  代替商品・代替サービスの普及、及び出現について

コンタクトレンズの普及やレーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現し、眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  自然災害について

当社グループの店舗施設及び物流拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより同施設が甚大な被害を受け、長期間にわたり販売行為や店舗への商品供給等の事業活動を行うことができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金融環境の変化について

①  金利情勢の変動について

当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、一部銀行借入による資金調達を実施しており、今後も将来的な資金需要に応じて銀行借入等による資金調達を行う可能性があります。

現時点の当社グループの有利子負債依存度は比較的低水準でありますが、今後の有利子負債依存度の上昇や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  資金調達環境の変化について

当社グループは、運転資金及び店舗出店等に関する設備資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行等との間で複数のコミットメントライン契約を締結しておりますが、今後の金融情勢の変化や当社グループの損益状況並びに純資産額の推移等により必要な資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  為替変動の影響について

当社グループは、主要商品である眼鏡フレームの大部分とレンズの一部を中国等の海外から直接輸入しているため、仕入原価は為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは、当連結会計年度末現在において、海外連結子会社7社(うち事業会社4社)を有しており、海外連結子会社の外貨建ての財務諸表金額は、当社連結財務諸表において日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場が急激に変動した場合、輸入仕入原価の高騰や海外連結子会社の日本円建て財務諸表数値の変動等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて

①  競合業者の出現について

当社グループは、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業において、明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発による持続的な新商品の提供により他の眼鏡小売業者に対する差別化を進めた結果、消費者や商業施設運営事業者の支持を得ることに成功してまいりました。

しかしながら、同業他社の業態転換、異業種または海外からの新規参入等により、当初より高い付加価値を提供する競合業者が出現し、当社の競争力が低下した場合は、売上高の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

②  中国の社会、経済、政治情勢の著しい変化について

当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。

当社グループの商品仕入に占める中国からの輸入の割合は一定の水準に達しており、その影響力も少なくないことから、中国国内での工場の分散化や中国以外の国への委託先の開拓等によるリスク分散を行っております。しかしながら、中国国内の社会的、経済的変動、及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により生産に支障が生じた場合、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等が発生した場合には、販売機会の喪失や輸入仕入原価の高騰等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  出店政策について

当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に店舗を展開しております。

従って、当社グループでは集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  敷金及び保証金等について

当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者に対して、賃貸借契約に基づき敷金・保証金・建設協力金などを差入れております。出店時にこれら土地所有者等の信用状況や権利関係については十分確認を行っておりますが、土地所有者等が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となることも想定され、このような場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  人材の確保及び育成について

当社グループは、アイウエアショップの積極的な新規出店の展開による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには企画、開発、生産管理部門の充実が重要と考えております。そこで、当社グループでは、即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、新卒者・第二新卒者の通年採用を行っており、また東京本社、前橋本社並びに全国4箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修を行っております。

しかしながら、計画している店舗数の拡大及び企画、開発、生産管理部門の充実に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥  知的財産権について

当社グループは、常に先進的な商品を市場に提案するため、自社単独開発のみでなくパートナー企業や大学等研究機関との連携により、継続的に新商品・新技術の開発を進めております。その中でも特に重要な技術やアイデア・ノウハウについては特許等の知的財産権を取得し当該技術の保護を図っております。

また、当社グループは「JINS」等の自社ブランドで商品のデザイン、企画及び販売を行っていることから、ブランド保護のため主要なブランド名・商品名について商標権を取得しております。

しかし、当社グループの知的財産権の保護や行使に何らかの障害が生じ、第三者による当社商品の模倣を効果的に排除できなかった結果、市場シェアを失った場合や、あるいは第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦  決済方法及びセキュリティについて

当社グループは、自社で運営するオンラインショップにおいて、利用者がインターネット上でクレジットカードによる商品購入代金を決済するためのシステムを採用しているため、クレジットカード情報の非保持化・ファイヤーウォール(注1)・SSL(注2)といったセキュリティ技術により、利用者のクレジットカード情報のセキュリティ確保を行っております。  

しかし、いかなる対策を講じても第三者によりクレジットカード情報等が盗用される可能性をゼロにすることはできず、万一、クレジットカード情報等が流出・漏えいした場合、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注1) ファイヤーウォール

ネットワークを外部からの不正侵入から保護する仕組み

(注2) SSL

インターネット上で、パソコンとサーバ間の通信データを暗号化する技術

 

⑧  海外進出について

当社グループは、海外アイウエア事業において、2010年に中国、2015年にアメリカに進出し現地でアイウエアの販売事業を行っており、今後他の海外市場への進出も検討しております。

海外進出にあたっては、事前に当該国の市場規模、競合環境及び法規制等の諸条件を十分に調査、検討しておりますが、海外での事業運営には次にあげるようないくつかのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・各種法律、規制への違反・抵触

・想定外の法律改正、規制強化

・事業活動に不利な内容の政策変更

・人件費の高騰及び採用難

・未整備なインフラ

・潜在的な国際税務リスク

・テロ、戦争、疾病、災害、その他の要因による社会的又は経済的混乱

 

⑨  固定資産の減損について 

当社グループは、店舗出店にあたって、賃借した敷地上に店舗用建物を建設し、または賃借した建物や建物の一部区画の内部に造作・設備を施しており、これらの建物、造作及び設備を固定資産として計上しております。店舗の収益性が著しく悪化し、当該店舗にかかる固定資産の減損処理を行うことが必要になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループで行っている主な研究開発活動は、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業に関するものであります。

なお、当連結会計年度において研究開発費は発生しておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の分析

経営成績の分析につきましては、「第2  事業の状況  1業績等の概要  (1)業績」及び「2生産、受注及び販売の状況」の項をご参照ください。

 

(2) 財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

平成28年8月期末

平成29年8月期末

増減

増減率(%)

総資産

26,232

30,354

4,122

15.7

負債

10,999

12,838

1,838

16.7

純資産

15,232

17,515

2,283

15.0

 

 

(イ)総資産

流動資産は、15,696百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,196百万円増加いたしました。

これは主に、現金及び預金が2,511百万円増加したこと、売掛金が314百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、14,559百万円となり、前連結会計年度末に比べ950百万円増加いたしました。

これは主に、新規出店等に伴い建物及び構築物等の有形固定資産が212百万円増加したこと、敷金及び保証金が303百万円増加したこと、ECアプリケーション開発等によりソフトウェア等の無形固定資産が273百万円増加したことによるものであります。

繰延資産は、98百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円減少いたしました。

これは主に、開業費の償却を行ったことによるものであります。

以上により、総資産は、30,354百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,122百万円増加いたしました。

 

(ロ)負債

流動負債は、9,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,681百万円増加いたしました。

これは主に、未払法人税等が614百万円が増加したこと、買掛金が439百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、3,510百万円となり、前連結会計年度末に比べ156百万円増加いたしました。

これは主に、長期未払金が360百万円増加したことによるものであります。

以上により、負債合計は、12,838百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,838百万円増加いたしました。

 

(ハ)純資産

純資産合計は、17,515百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,283百万円増加いたしました。

これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益2,767百万円の計上があったことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は6,860百万円となりました。

なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2  事業の状況  1業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」の項をご参照ください。