第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、市場環境の変化に対し組織的に対応し、かつ、グローバルでの成長を確実なものとするため、ブランドビジョンを「Magnify Life」(人々の生き方を豊かに広げる)とし、このブランドビジョンを実践していく上での行動指針(Attitude)を「Progressive」、「Inspiring」、「Honest」と定めております。
 当社グループでは、社内及び顧客との間で「Magnify Life」を共有し、「Magnify Life」に基づいた顧客体験を提供することでブランドビジョンの浸透を図り、持続的な成長を実現してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、将来にわたり企業価値向上を図るために国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業の収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績における営業利益及び営業利益率並びに自己資本当期純利益率(ROE)の向上を目指してまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、商品力、接客力の向上に努めながら、イノベーティブなプロダクトの開発や様々なニーズに応えられるサービスの導入を進めるなど、顧客価値を高めるビジネスモデルを構築し、継続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
 商品戦略につきましては、高品質・高機能メガネを市場最低・最適価格で提供することを基本方針としつつ、「エアフレーム」「JINS SCREEN」といった新しい価値をもたらす商品開発を継続的に進めてまいります。
 サービス戦略につきましては、常に新しい購買体験の提供を追究してまいります。デジタル技術を用いたこれまでにないメガネの新しい買い方を提供しつつ、店舗オペレーション及びイニシャルコストの効率化を図ってまいります。

店舗戦略につきましては、国内アイウエア事業においては、引き続き郊外ロードサイドへの出店を加速し、市場規模の大きいシニア層への浸透を進めてまいります。海外アイウエア事業においても、既存店の着実な増収及び適切な新規出店を行うことで収益性の向上に取り組んでいくとともに、更なるグローバルネットワークの拡充に努めてまいります。
 

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 商品ラインアップの多様化

当社グループは、ブランドビジョンである「Magnify Life」の実現に向け、お客様に価値ある商品を提供できるよう価格を見直し、商品ラインアップを拡充してまいりました。しかしながら、20代から30代のお客様には引き続き高い支持をいただいている一方で、眼鏡装着率の高い40代以降のお客様に向けた品揃えの更なる強化が重要な課題であると認識しております。
 そこで、視力矯正及び非矯正メガネの両面でクオリティやデザインを持続的に向上させ、全世代に向けた品揃えの充実に取り組んでまいります。

 

② 商品開発力の強化

当社グループは、これまで「JINS MEME」や「JINS Violet+」といったお客様に革新的な商品を提供できるよう開発に注力してまいりました。
 また、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行の抑制を目的としたメガネ型医療機器の開発の共同プロジェクトに着手いたしました。
 引き続き、お客様との双方向のコミュニケーションを重ねながら、お客様のニーズにマッチした商品を安定的かつ継続的に開発し提供できるよう取り組んでまいります。

 

③ 持続的な店舗展開の推進

当社グループは、国内の店舗展開として、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に出店を行うとともに、一部郊外ロードサイドの出店を行う等、ロケーションの多様化を推進してまいりましたが、単一フォーマットによる店舗展開を行っていたため、ロケーションに合わせた店舗フォーマットやMD(マーチャンダイジング)の多様化が重要な課題であると認識しております。
 そこで、今後の出店戦略を更に積極的に展開するためにも、ロケーションに沿った店舗フォーマットの構築やMD展開の確立を重点的に行い、新規出店に対する基盤強化を進めてまいります。
 

④  SPA体制の効率化と堅確化

当社グループは、高品質かつ圧倒的な低価格での商品提供を可能にしている最大の原動力は、企画から販売までを一貫して行うSPA体制にあると認識しております。
 そこで、このバリューチェーンを構成する各セクションの人材の育成・確保に注力するとともに、システム化を推進し、一層の効率化と堅確化に取り組んでまいります。

 

⑤ グローバル展開の推進

当社グループが、今後とも持続的な成長を成し遂げるためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、海外ビジネスを拡大していくためには人的リソースが不十分であると認識しております。
 今後、海外ビジネスに精通した人材の確保と海外人材の採用を積極的に行い、市場環境調査や経営管理面での充実を図り、効率的な海外展開が可能となるよう経営基盤を強化してまいります。

 

⑥ サスティナビリティ活動の推進

当社グループは、ブランドビジョンである「Magnify Life」に基づく持続的な企業価値の向上の一環として、ESGを意識した取り組みに注力してまいります。
 具体的には、フレームのリサイクル活動やリユース素材の活用の検討といった環境への取り組みを進めております。また、災害時の復興支援活動や見る育講座の実施等の社会貢献活動を通じて、すべてのステークホルダーの方々に豊かで広がりのある未来を提供できるよう取り組みを進めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

(1) 法的規制について

①  医師法第17条の規定に関連する規制について

日本国内においては、眼鏡販売の際に医師資格を有しない者が行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はありませんが、一般的には眼鏡を選択するための補助行為であって人体に害を及ぼすおそれが殆どない場合は医行為に該当しないと言われております。

当社グループでは、国内アイウエア店舗における眼鏡販売時に、顧客が自己の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定の補助を行っておりますが、目の診断及び検診等の医療行為は行っておりません。当社グループの行う度数測定の補助行為は、人体に保健衛生上の危害を生じさせない範疇にとどまるものであり、過去に人体に重要な影響を与えた事実もありません。更に、当社グループではこのような補助行為でも、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。

しかし、法令・諸規則改正やその解釈の変更等により、上記のような度数測定の補助行為が医行為に該当すると判断された場合、ビジネスモデルの転換に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に関する規制について

当社グループは、国内アイウエア事業において、眼鏡レンズ及び既成老眼鏡の一部を海外メーカーより直接輸入し、コンタクトレンズを国内企業より仕入れて販売しております。眼鏡レンズ及び既成老眼鏡は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」上の一般医療機器に、コンタクトレンズは薬機法上の高度管理医療機器に該当し、これらを輸入又は販売する行為は薬機法の規制を受けております。

当社グループでは、眼鏡レンズの輸入販売を統轄する東京本社において、薬機法第23条の2第1項に定める第三種医療機器製造販売業許可を取得し、眼鏡レンズの保管等を行う物流センターにおいて薬機法第23条の2の3第1項に定める医療機器製造業登録をしております。また、コンタクトレンズを販売する各店舗、東京本社及び物流センターにおいて、薬機法第39条第1項に定める高度管理医療機器等販売業許可を取得しております。

当社グループは、薬機法及び関連法令、各種省令の規制の下、レンズ等の適正な品質管理に努めておりますが、万一各種規制に抵触し、当該許可が取り消される等した場合、商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)について

当社グループは、事業活動において顧客の個人情報の提供を受けているため、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当します。そのため当社グループでは、社内管理体制の整備及び従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策にも万全を期しておりますが、万一個人情報が外部へ流出するような事態となった場合には、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  製造物責任法(PL法)について

当社グループは、販売する眼鏡、コンタクトレンズ及び雑貨商品等の製品に欠陥が発生しないよう細心の注意を払っておりますが、万一製品の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償金の支払、回収費用、代替品への対応費用等の多額のコスト負担のほか、社会的信頼の喪失等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 業界環境に係わるリスクについて

①  国内視力矯正眼鏡市場の成熟化について

当社グループの国内アイウエア事業が事業領域とする日本国内眼鏡小売市場のうち視力矯正眼鏡市場は成熟化が進み、今後の持続的な市場拡大は望めず、競合環境その他構造的な変化等により市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  代替商品・代替サービスの普及、及び出現について

レーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現し、眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  自然災害について

当社グループの店舗施設及び物流拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより同施設が甚大な被害を受け、長期間にわたり販売行為や店舗への商品供給等の事業活動を行うことができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金融環境の変化について

①  金利情勢の変動について

当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、一部銀行借入による資金調達を実施しており、今後も将来的な資金需要に応じて銀行借入等による資金調達を行う可能性があります。

現時点の当社グループの有利子負債依存度は比較的低水準でありますが、今後の有利子負債依存度の上昇や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  資金調達環境の変化について

当社グループは、運転資金及び店舗出店等に関する設備資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しておりますが、今後の金融情勢の変化や当社グループの損益状況並びに純資産額の推移等により必要な資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  為替変動の影響について

当社グループは、主要商品である眼鏡フレームの大部分とレンズの一部を中国等の海外から直接輸入しているため、仕入原価は為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは、当連結会計年度末現在において、海外連結子会社9社(うち事業会社6社)を有しており、海外連結子会社の外貨建ての財務諸表金額は、当社連結財務諸表において日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場が急激に変動した場合、輸入仕入原価の高騰や海外連結子会社の日本円建て財務諸表数値の変動等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて

①  競合業者の出現について

当社グループは、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業において、明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発による持続的な新商品の提供により他の眼鏡小売業者に対する差別化を進めた結果、消費者や商業施設運営事業者の支持を得ることに成功してまいりました。

しかしながら、同業他社の業態転換、異業種または海外からの新規参入等により、当社グループより高い付加価値を提供する競合業者が出現し、当社グループの競争力が低下した場合は、売上高の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

②  中国の社会、経済、政治情勢の著しい変化について

当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。

当社グループの商品仕入に占める中国からの輸入の割合は一定の水準に達しており、その影響力も少なくないことから、中国国内での工場の分散化や中国以外の国への委託先の開拓等によるリスク分散を行っております。

しかしながら、中国国内の社会的、経済的変動及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により生産に支障が生じた場合、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等が発生した場合には、販売機会の喪失や輸入仕入原価の高騰等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  出店政策について

当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に店舗を展開しております。

従って、当社グループでは集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  敷金及び保証金等について

当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者に対して、賃貸借契約に基づき敷金・保証金・建設協力金などを差入れております。出店時にこれら土地所有者等の信用状況や権利関係については十分確認を行っておりますが、土地所有者等が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となることも想定され、このような場合には当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  人材の確保及び育成について

当社グループは、アイウエア専門ショップの積極的な新規出店の展開による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには企画、開発、生産管理部門の充実が重要と考えております。そこで、当社グループでは、即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、新卒者の採用を継続的に行っており、また東京本社、前橋本社並びに全国4箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修を行っております。

しかしながら、計画している店舗数の拡大及び企画、開発、生産管理部門の充実に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥  知的財産権について

 当社グループは、常に先進的な商品を市場に提案するため、第三者の知的財産権を尊重しつつ、自社単独開発のみでなくパートナー企業や大学等研究機関との連携により、継続的に新商品・新技術の開発を進めております。その中でも特に重要な技術やアイデア、ノウハウおよびデザインについては、特許等の知的財産権を取得しまたは営業秘密等として保護を図っております。

 また、当社グループは「JINS」等の自社ブランドで商品のデザイン、企画及び販売を行っていることから、ブランド保護のため主要なブランド名・商品名について商標権を取得しております。

 しかし、当社グループの知的財産の保護や権利行使に何らかの障害が生じ、第三者による当社商品の模倣を効果的に排除できなかった結果、市場シェアを失った場合や、あるいは第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦  決済方法及びセキュリティについて

当社グループは、自社で運営するオンラインショップにおいて、利用者がインターネット上でクレジットカードによる商品購入代金を決済するためのシステムを採用しているため、クレジットカード情報の非保持化・ファイヤーウォール(注1)・SSL(注2)といったセキュリティ技術により、利用者のクレジットカード情報のセキュリティ確保を行っております。  

しかし、いかなる対策を講じても第三者によりクレジットカード情報等が盗用される可能性をゼロにすることはできず、万一、クレジットカード情報等が流出・漏えいした場合、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注1) ファイヤーウォール

ネットワークを外部からの不正侵入から保護する仕組み

(注2) SSL

インターネット上で、パソコンとサーバ間の通信データを暗号化する技術

 

⑧  海外進出について

当社グループは、海外アイウエア事業において、2010年に中国、2015年に米国及び台湾、2018年にフィリピン及び香港に進出しており、今後他の海外市場への進出も検討しております。

海外進出にあたっては、事前に当該国の市場規模、競合環境及び法規制等の諸条件を十分に調査、検討しておりますが、海外での事業運営には次にあげるようないくつかのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

・各種法律、規制への違反・抵触

・想定外の法律改正、規制強化

・事業活動に不利な内容の政策変更

・人件費の高騰及び採用難

・未整備なインフラ

・潜在的な国際税務リスク

・テロ、戦争、疾病、災害、その他の要因による社会的又は経済的混乱

 

⑨  固定資産の減損について 

当社グループは、店舗出店にあたって、賃借した敷地上に店舗用建物を建設し、または賃借した建物や建物の一部区画の内部に造作・設備を施しており、これらの建物、造作及び設備を固定資産として計上しております。店舗等の収益性が著しく悪化し、当該店舗等にかかる固定資産の減損処理を行うことが必要になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

① 財政状態及び経営成績の状況

当期における国内経済は、相次ぐ自然災害を背景にした消費者マインドの低下およびインバウンド需要の減少があったものの個人消費は持ち直しており、景気は緩やかに回復しました。一方、世界経済に目を向けると、米国と中国間の貿易摩擦の深刻化があり、中国では景気の緩やかな減速が続いているものの、全体として景気回復傾向が続きました。

また、国内眼鏡小売市場(視力矯正眼鏡)は、2016年3月以降、前年同期比マイナスの傾向が継続しており、引き続き足元は弱含みに推移しております
 このような市場環境の中で、当社グループのアイウエア事業では、経営課題として掲げている商品ラインアップの多様化および接客力、店舗オペレーション力の向上などの取り組みを進めてまいりました。また国内アイウエア事業において更なる成長を実現していくために、イノベーティブなプロダクトの開発や店舗オペレーションの効率化に注力しました。商品開発につきましては、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトに着手しました。これにより、当連結会計年度の研究開発費の総額は88百万円となりました。店舗戦略につきましては、ショッピングモール形態での出店を継続しながらも郊外ロードサイドへの出店を加速し、更なる店舗基盤の強化に努めてまいりました。
 なお、前連結会計年度まで当社の非連結子会社でありました台灣睛姿股份有限公司につきましては、重要性が増したため、第1四半期連結会計期間より連結の範囲に含めており、報告セグメントは「海外アイウエア事業」であります。
 店舗展開につきましては、当連結会計年度末におけるアイウエア専門ショップの店舗数は、国内直営店379店舗、海外直営店181店舗(中国144店舗、台湾28店舗、香港4店舗、米国5店舗)の合計560店舗となりました。
 この結果、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。

 

(イ) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高61,893百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益7,459百万円(前年同期比22.9%増)、経常利益7,015百万円(前年同期比24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,869百万円(前年同期比25.0%増)と増収増益となりました。

なおセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

国内アイウエア事業の業績につきましては、売上高48,155百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益7,242百万円(前年同期比16.1%増)となりました。

海外アイウエア事業の業績は、売上高11,095百万円(前年同期比53.8%増)、営業利益360百万円(前年同期比409.0%増)となりました。

雑貨事業の業績は、売上高2,642百万円(前年同期比2.0%増)、営業損失144百万円(前年同期は営業損失235百万円)となりました。

 

(ロ) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は36,628百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,129百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は14,258百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,466百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は22,370百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,662百万円増加いたしました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,479百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,947百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(イ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2,134百万円増加し、6,877百万円の収入となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益6,238百万円の計上、減価償却費2,529百万円の計上による資金の増加があったものの、たな卸資産の増減額293百万円、法人税等の支払額2,216百万円による資金の減少があったことによるものであります。

(ロ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ227百万円減少し、2,836百万円の支出となりました。

これは主に、店舗の出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出1,939百万円、貸付けによる支出183百万円、敷金及び保証金の差入による支出443百万円によるものであります。

 

(ハ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,272百万円減少し、1,724百万円の支出となりました。

これは主に、短期借入金の純増額841百万円による資金の増加があったものの、割賦債務の返済による支出422百万円、リース債務の返済による支出715百万円、配当金の支払額1,150百万円による資金の減少があったものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社は卸・小売業であり、生産活動を行っておりませんので、生産実績、受注実績は該当事項がありません。

販売実績につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りにより作成されております。

当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示ならびに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

これらの連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は61,893百万円(前年同期比12.8%増)となりました。
 国内アイウエア事業につきましては、3プライス制の価格戦略における高価格帯商品のバリエーションを拡充し、1本で簡単にメガネにもサングラスにもなるアイウエア「JINS Switch(ジンズ・スイッチ)」および12,000円の価格帯で発売している「Combi Slim Airframe」等が順調な売れ行きだったことにより、一式単価が上昇いたしました。
 また、郊外ロードサイドにコーヒーショップや書店といった他業態と協働した集客力の高い出店を推し進めるなど、店舗基盤の強化を図ることで、前期から30店舗純増し国内直営店は379店舗となりました。これにより国内アイウエア事業の売上高は前期同期比6.9%増加しました。

海外アイウエア事業につきましては、中国事業においては競争環境が激しさを増しているものの、新規出店を進め前期から14店舗純増し店舗数は144店舗になりました。米国においても、米国向けデザイン商品の投入及び店舗オペレーションの改善等により既存店売上高が大幅に増加しました。また、当連結会計年度より台湾事業および香港事業が連結の範囲に加わったこともあり、海外アイウエア事業の売上高は前年同期比53.8%増加しました。

雑貨事業につきましては、通販サイトおよび中古市場の台頭等により厳しさを増しておりますが、市況の変化に対応できるよう店舗オペレーションおよび商品戦略の見直しを行っており、業績は回復基調にあります。

これにより雑貨事業の売上高は前年同期比2.0%増加しました。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は7,459百万円(前年同期比22.9%増)となりました。

国内アイウエア事業は、高価格帯商品が好調だったことによる一式単価の上昇およびセールの抑制により売上高総利益率が改善しました。販売管理費についても、下期に「JINS Switch」のプロモーションをTVCMを中心に展開したこと等により広告宣伝費が増加したものの、既存店売上高が好調だったことにより売上高対販売管理費率が下がったことが増益要因となりました。

海外アイウエア事業は、順調に利益を伸ばしている台湾事業が連結の範囲に加わったことが増益要因となりました。

雑貨事業は、店舗オペレーションの見直しとともに販売管理費の削減を進めたことが増益要因となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は7,015百万円(前年同期比24.6%増)となりました。

これは主に、不動産賃貸費用が309百万円、支払利息が155百万円あったことにより、営業利益7,459百万円から444百万円の減少となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,238百万円(前年同期比27.1%増)となりました。
 これは主に、店舗資産等の減損損失が592百万円、固定資産除却損が121百万円あったことにより、経常利益7,015百万円から776百万円の減少となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,869百万円(前年同期比25.0%増)となりました。

これは主に、法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額があったことによるもので、税金等調整前当期純利益6,238百万円から2,369百万円の減少となりました。

 

財政状態及びキャッシュフローの分析

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は36,628百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,129百万円増加いたしました。

これは主に、現金及び預金が2,947百万円、受取手形及び売掛金が978百万円、商品及び製品が454百万円増加したこと、また新規出店等に伴い建物及び構築物等の有形固定資産が168百万円、システム投資によりソフトウェアが464百万円、敷金及び保証金が288百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は14,258百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,466百万円増加いたしました。

これは主に、短期借入金が755百万円、未払金及び未払費用が667百万円、未払法人税等が538百万円、長期未払金が316百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は22,370百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,662百万円増加いたしました。

これは主に、配当金の支払により1,150百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益3,869百万円を計上したことによるものであります。

 

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

セグメント別の業績の概況

(国内アイウエア事業)

国内アイウエア事業につきましては、3プライス制の価格戦略における高価格帯商品のバリエーションを拡充し、1本で簡単にメガネにもサングラスにもなるアイウエア「JINS Switch(ジンズ・スイッチ)」および12,000円の価格帯で発売している「Combi Slim Airframe」等が順調な売れ行きだったことにより、一式単価が上昇いたしました。また、売上総利益率は一式単価の上昇およびセールの抑制により改善いたしました。

店舗展開につきましては、国内直営店舗数は379店舗(出店32店舗、退店2店舗)となりました。

以上の結果、国内アイウエア事業の業績は、売上高48,155百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益7,242百万円(前年同期比16.1%増)となりました。

 

(海外アイウエア事業)

海外アイウエア事業につきましては、中国において、出店政策を見直した結果、足元では既存店売上高の成長率は改善傾向にあります。

第1四半期連結会計期間より連結の範囲に追加いたしました台湾においては、2015年11月の台湾1号店の出店から順調に伸長しております。

香港においては、2018年9月に九龍区に出店した1号店を皮切りに4店舗を出店し好評をもって受け入れられておりますが、政情不安等の影響もあり、出店による先行費用を補うには至りませんでした。

米国においては、引き続き既存店売上高の高成長が継続していることから出店を再開し、2018年8月にカリフォルニア州トーランス市に新店を出店しました。

店舗展開につきましては、中国直営店144店舗(出店20店舗、退店6店舗)、台湾直営店28店舗(出店7店舗、退店なし)、香港直営店4店舗(出店4店舗、退店なし)、米国直営店5店舗(出店1店舗、退店なし)の合計181店舗となりました。

以上の結果、海外アイウエア事業の業績は、売上高11,095百万円(前年同期比53.8%増)、営業利益360百万円(前年同期比409.0%増)となりました。

 

(雑貨事業)

雑貨事業を取り巻く環境は、通販サイトおよび中古市場の台頭等により厳しさを増しておりますが、市況の変化に対応できるよう店舗オペレーションおよび商品戦略の見直しを行っており、業績は回復基調にあります。

店舗展開につきましては、メンズ雑貨専門ショップ20店舗(出店なし、退店1店舗)、レディス雑貨専門ショップ18店舗(出店なし、退店1店舗)となりました。

以上の結果、雑貨事業の業績は、売上高2,642百万円(前年同期比2.0%増)、営業損失144百万円(前年同期は営業損失235百万円)となりました。

 

 

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、出店等の設備投資によるものです。
 また、当社グループの運転資金及び出店資金については自己資本を基本としておりますが、必要に応じて設備投資や長期運転資金の調達について銀行借入及びリース契約を使用する場合があります。
 当連結会計年度においては、取引銀行5行と極度額8億円及び120百万元の当座貸越契約、取引銀行4行と総額8,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な投資資金の調達の実現を図っております。
 なお、当連結会計年度末における上記契約を含む金融機関からの資金調達額は3,296百万円、リース債務残高は1,505百万円であります。

 

経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、アイウエア事業に参入以降、眼鏡を必要とされるすべての方に高品質・高機能メガネを市場最低・最適価格で提供してまいりました。また「JINS SCREEN」、「JINS 花粉CUT」を始めとした機能性アイウエアを開発し、新しい市場を創出してまいりました。

しかしながら、JINSが率先して世に提案してきたサービスやイノベーティブな商品のコモディティー化が進んできております。当社グループがさらにお客様の期待に応えるために、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器の共同研究をはじめとした新しい価値をもたらすプロダクトの開発、デジタル技術を用いたこれまでにないメガネの新しい買い方を提案する次世代型店舗などのこれまでにないエクスペリエンスの提供、「JINSオリジナルアプリ」を使用したお客様の視力数値・購買情報を基にしたパーソナルデータベースの強化を推し進め、年間600万人を超える顧客基盤を持つ当社グループでしかできない変革に挑戦してまいります。 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 【研究開発活動】

当社グループで行っている主な研究開発活動は、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業に関するものであります。
 当連結会計年度において、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトに着手しました。

これにより、当連結会計年度の研究開発費の総額は88百万円となりました。