第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、市場環境の変化に対し組織的に対応し、かつ、グローバルでの成長を確実なものとするため、ブランドビジョンを「Magnify Life」(人々の生き方を豊かに広げる)とし、このブランドビジョンを実践していく上での行動指針(Attitude)を「Progressive」、「Inspiring」、「Honest」と定めております。

当社グループでは、社内及び顧客との間で「Magnify Life」を共有し、「Magnify Life」に基づいた顧客体験を提供することでブランドビジョンの浸透を図り、持続的な成長を実現してまいります。
 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、メガネ等のアイウエアの企画、製造、販売を一貫して行うSPA体制により、メガネを必要とされるすべての方に高品質・高機能なメガネを市場最低・最適価格で提供してまいりました。アイウエア事業を推し進めていく中、商品力、接客力の向上に努めながら、イノベーティブなプロダクトの開発や様々なニーズに応えられるサービスの導入を進めるなど、顧客価値を高めるビジネスモデルを構築し、継続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

① 市場環境

 国内眼鏡小売市場につきましては、子どもの外遊びの減少やスマートフォン、タブレット端末等の利用増加による近視の低年齢化や視力低下のリスクが高まる高齢人口の増加等、近視リスクの増加が社会問題となっております。しかしながら、足元の市場規模全体としては新型コロナウイルス感染症の影響等により需要は減少しております。国内における競合環境につきましては、市場全体の傾向は低価格志向が進んでおり、低価格均一料金をビジネスモデルとした事業者のシェアが増加しております。

 海外眼鏡小売市場につきましては、国内と同様にスマートフォン、パソコンの利用増加等により視力矯正が必要な人口が増加しています。中国をはじめとしたアジア圏では、近視人口が増加しており、眼鏡の市場規模は拡大しております。また当社を模倣した眼鏡チェーンも数多く出店しており、競合環境は激しさを増しております。米国においては、眼科での販売や眼科と提携した眼鏡店での販売及び全国規模の大型小売店舗内での販売が主流ですが、近年ではEC販売が伸長しております。

 

② 商品戦略

  商品戦略につきましては、高品質・高機能なメガネを市場最低・最適価格で提供することを基本方針としつつ、「エアフレーム」「JINS 花粉CUT」といった新しい価値をもたらす商品開発を継続的に進めてまいります。また、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器といったようなお客様により良い価値を提供できるイノベーティブなプロダクトの開発を進めてまいります。

 レンズにつきましては、大手レンズメーカーの薄型非球面レンズを標準装備としており、度数にかかわらず追加料金0円で提供しております。オプションレンズも、パソコンやスマートフォンから放出されるブルーライトをカットする「JINS SCREENレンズ」や主にお子様向けに眼に必要とされているバイオレットライトを取り込むことができる「JINS VIOLET+」など豊富な種類をお求めやすい価格で取りそろえております。

 

 

③ 店舗戦略

  店舗戦略につきましては、ECサイトでの販売を推進しながらも、度数測定やフィッティング調整など、まだ店舗でしか提供できないサービスがあること、また未進出の地域や認知度の低い地域があることから、引き続き店舗網の拡充に努めてまいります。

  国内アイウエア事業においては、前橋市に出店した「JINS PARK」をはじめとした地域に根差した店舗の出店に注力し、ロードサイド型店舗や小型のショッピングセンターへの出店を強化しております。また、アプリで商品選びから決済まで完結し、待ち時間なく店舗でメガネの受け取りが可能になるサービスの提供やスタッフがサポートしながらお客様ご自身の操作で検眼することができる自動検眼機の導入など、新たな購買体験を提供できるよう進めてまいります。

  海外アイウエア事業においては、既存店の着実な増収及び適切な新規出店を行うことに加え、よりローコストで運営できるEC販売を強化することで収益性の向上に取り組んでいくとともに、さらなるグローバルネットワークの拡充に努めてまいります。

 

④ デジタル戦略

  当社グループを取り巻く社会環境においては、新型コロナウイルスの影響による新しい生活様式の浸透やリモートワークの定着等により、消費者の価値観や購買行動が大きく変化しております。

  このような経営環境の変化が見られる中、当社グループがさらなる成長を実現していくために、デジタルトランスフォーメーションを加速させ、顧客価値向上及び業務効率化の推進を最重要課題として取り組んでいく方針です。進出している各国、各地域において、かねてより進めているECサイトでの販売やアプリの活用をさらに推し進め、操作性や機能の向上、新規サービスの導入等による利便性の高い購買体験を提供してまいります。また、店舗オペレーションに限らず、本部における商品管理、業績管理等の業務においてもより高度なデジタル化を図り、最適化、効率化を進めることでコスト削減に努めてまいります。
 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、将来にわたる継続的な事業の拡大を通じて、当社グループの企業価値を向上させていくことを目指しております。その中で、経営指標としては国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業の収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績における営業利益及び売上高営業利益率並びに自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上の課題

① イノベーティブなプロダクト開発の強化

 当社グループは、これまでも「エアフレーム」や「JINS SCREEN」といったアイウエアに新しい価値をもたらす商品の開発を進めてまいりましたが、競争環境の激しい市場の中ではすぐにコモディティ化してしまい、商品の競争優位性がなくなってしまうことが課題であると認識しています。
 そういった環境の中でも、独自のテクノロジーによりセンサーで心と体の状態を捉え、連動するアプリで可視化できるアイウエア「JINS MEME」の開発や「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行の抑制を目的としたメガネ型医療機器の開発の共同プロジェクトを推進するなど、お客様との双方向のコミュニケーションを重ねながら、お客様のニーズにマッチした商品を安定的かつ継続的に開発し提供できるよう取り組んでまいります。

 

サプライチェーンの再構築

 当社グループは、店舗で販売している商品のデザインや企画は自社で行っていますが、その製造は主に中国の協力工場に製造を委託しております。海外での生産拠点の一極集中はグローバルな経済動向や為替変動などのリスクにさらされており、将来に亘る継続的かつ安定的な商品調達に課題があると認識しています。
 そのため、当社の主たる販売網を持つ日本国内での商品生産拠点を開拓し、生産拠点の分散化を進めるとともに、店頭までのリードタイムを短縮できるよう取り組んでまいります。

 

 

持続的な店舗展開の推進

 当社グループは、国内の店舗展開として、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に出店を行うとともに、一部郊外ロードサイドの出店を行う等、ロケーションの多様化を推進してまいりましたが、単一フォーマットによる店舗展開を行っていたため、ロケーションやMD(マーチャンダイジング)の多様化に合わせた店舗の構築が重要な課題であると認識しております。
 そこで、今までどおり、未出店の地域や郊外ロードサイドへの出店を進めつつ、現状の広さでは充分なサービス、商品展開ができない狭小店舗から、お客様に最適な購買体験をしていただくことができ、かつ生産性の高い規模の店舗へのスクラップ&ビルドを進めるなど、更なる店舗基盤の強化を進めてまいります。

 

④ デジタルトランスフォーメーションの推進

 当社グループは、かねてよりECサイトでの販売やアプリの活用を進めておりますが、当社グループを取り巻く社会環境においては、ネットショップやデリバリービジネスなど対面を伴わない商取引が拡大しております。

 そういった環境の中で、ECサイトでの販売やアプリの活用を推し進めながら、店舗での接客、立ち寄りやすさといった長所も活かし、店舗とネットの相互の利点を組み合わせた取り組みを進めております。また、フランスのデジタルアイウエアカンパニーであるFITTINGBOX社と資本業務提携し、同社の保有するバーチャル試着及びAR(拡張現実)ソリューションをはじめとした先進的なデジタル技術を取り入れ、お客様のニーズに合わせた利便性の高い購買体験を提供してまいります。また、お客様との接点に限らず、本部における商品管理、業績管理等の業務においてもより高度なデジタル化を図り、最適化、効率化を進めることでコスト削減に努めてまいります。

 

⑤ グローバル展開の推進

 当社グループが、今後とも持続的な成長を成し遂げるためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、海外ビジネスを拡大していくためには人的リソースが不十分であると認識しております。
 今後、海外ビジネスに精通した人材の確保と海外人材の採用を積極的に行い、市場環境調査や経営管理面での充実を図るだけではなく、既存の事業展開にとらわれず、海外展開後の新たなビジネスモデルを構築し、効率的な海外展開が可能となるよう経営基盤を強化してまいります。

 

⑥ サステナビリティ活動の推進

 当社グループは、新たに「アイウエアを通して、未来の景色を変えていく。」というサステナビリティ・ステートメントを定め、「Magnify Life」というビジョンを事業活動を通じて実現し、持続可能な社会作りと企業価値の向上を目指しております。
 今までの取り組みを振り返ると、外部評価を踏まえれば決して十分な状況ではないと認識しております。新たなサステナビリティ・ステートメントのもと、今後取り組むべき重点領域を「環境への配慮」「安心の製品とサービス」「サプライチェーンの労働環境整備」「ヘルスケア・イノベーション」「社会への貢献」「健全なガバナンス」の6つと定め、社会的責任を果たすとともに、持続的な社会貢献に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

医師法第17条の規定に関連する規制について

日本国内においては、眼鏡販売の際に医師資格を有しない者が行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はありませんが、一般的には眼鏡を選択するための補助行為であって人体に害を及ぼすおそれが殆どない場合は医行為に該当しないと言われております。

当社グループの行う度数測定の補助行為は、人体に保健衛生上の危害を生じさせない範疇にとどまるものであり、過去に人体に重要な影響を与えた事実もありません。さらに、当社グループではこのような補助行為でも、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。

しかし、法令・諸規則改正やその解釈の変更等により、上記のような度数測定の補助行為が医行為に該当すると判断された場合、ビジネスモデルの転換に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

国内アイウエア店舗における眼鏡の販売時に、お客様の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定の補助を行っておりますが、医行為に該当する目の診断及び検診等は行っておりません。通常の営業活動においても、医行為ととられかねない行為をして医師法に違反しないように注意を払っております。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に関する規制について

当社グループは、国内アイウエア事業において、眼鏡レンズ及び既製老眼鏡の一部を海外メーカーより直接輸入し、コンタクトレンズを国内企業より仕入れて販売しております。眼鏡レンズ及び既製老眼鏡は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」上の一般医療機器に、コンタクトレンズは薬機法上の高度管理医療機器に該当し、これらを輸入又は販売する行為は薬機法の規制を受けております。

当社グループは、薬機法及び関連法令、各種省令の規制の下、レンズ等の適正な品質管理に努めておりますが、万一各種規制に抵触し、当該許可が取り消される等した場合、商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

眼鏡レンズの輸入販売を統轄する株式会社ジンズの東京本社において、薬機法第23条の2第1項に定める第三種医療機器製造販売業許可を取得し、眼鏡レンズの保管等を行う同社の物流センターにおいて薬機法第23条の2の3第1項に定める医療機器製造業登録をしております。また、コンタクトレンズを販売する同社の各店舗、東京本社及び物流センターにおいて、薬機法第39条第1項に定める高度管理医療機器等販売業許可を取得しております。また、それぞれの専門部署を設け、薬機法及び関連法令の規制に従い、レンズ、コンタクトレンズ等の適正な品質管理に努めており、各種規制に違反しないように注意を払っております。

 

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)について

当社グループは、事業活動において顧客の氏名及び住所等の個人情報の提供を受けているため、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当します。そのため当社グループでは、社内管理体制の整備及び従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策にも万全を期しておりますが、万一個人情報が外部へ流出するような事態となった場合には、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

「プライバシーポリシー」「個人情報保護規程」「情報セキュリティポリシー」「情報セキュリティ規程」等を制定しており、情報の重要度により適切な管理ができるよう定め、個人情報の管理を徹底しております。

また月に1度、「個人情報委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を実施し、運用・管理について監視し、常に改善を図っております。

製造物責任法(PL法)について

当社グループが販売する眼鏡及びコンタクトレンズ等の製品の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償金の支払、回収費用、代替品への対応費用等の多額のコスト負担のほか、社会的信頼の喪失等により当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

販売する眼鏡及びコンタクトレンズ等に安全上の欠陥が生じないよう、品質管理部門を設置し、細心の注意を払うとともに、顧客からの相談窓口を設置し、製品販売後の苦情等にも対応しております。製品事故に関し顧客に対する損害賠償責任が生じた場合に備え、賠償責任保険にも加入をしております。

 

 

(2) 業界環境に係わるリスクについて

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

国内視力矯正眼鏡市場の成熟化について

当社グループの国内アイウエア事業が事業領域とする日本国内眼鏡小売市場のうち視力矯正眼鏡市場は成熟化が進んでおりますが、競合環境その他構造的な変化等により市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

当社グループのアイウエア商品に対する市場のニーズは強く、また出店形態、販売形態を見直し再構築することにより、国内市場における収益向上の余地はまだあると考えておりますが、同時に、海外市場への事業拡大及び新規事業への進出も図っています。

代替商品・代替サービスの普及、及び出現について

レーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現し、眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

視力矯正目的以外のブルーライトカット、花粉カット等の機能性商品の拡充を図るとともに、眼鏡小売事業だけでなく、JINS MEME事業や地域共生事業を含め、常に新たな事業の展開を模索しております。

自然災害について

当社グループの店舗施設及び物流拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより同施設が甚大な被害を受け、長期間にわたり販売行為や店舗への商品供給等の事業活動を行うことができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、物流拠点を関東と関西の2か所に設置するとともに、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めております。

感染症の流行

 

新型コロナウイルス等の感染症が急速に拡大し、パンデミックが発生した場合、当社グループの生産拠点及び事業所の営業停止や店舗の休業が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

当社グループは、事業継続計画に基づき、特定の生産拠点、物流拠点等において感染症が発生した場合でも、その影響を極小化するべく体制を構築しております。

本社部門においては、在宅勤務が可能な環境を整備しており、また、時差出勤の推奨、職場でのマスク着用の徹底、社内会議のウェブ会議やウェブ配信への切り替えを実施しております。

店舗の休業に対しては、EC販売への誘導を図る等、当社グループ全体で影響を軽減できるようビジネスモデルの変革を図っております。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

情報セキュリティについて

IT利活用を推進して間接業務の効率化・生産性の向上を図る一方で、情報化の進展に伴い情報セキュリティリスクが高まっています。重要な会社の情報資産の漏洩、情報システムの停止、データの消失・改ざん等の事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

情報セキュリティに関する最大のリスクは、サイバー攻撃と内部関係者による情報漏洩であると考えております。当社グループでは、ITガバナンス専門部署を設置し、リスクを引き起こす要因ごとにセキュリティ対策を講じることにより、情報セキュリティリスクを低減し、セキュリティインシデント対策を強化しております。

 

 

(3) 金融環境の変化について

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

金利情勢の変動について

当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、一部銀行借入による資金調達を実施しており、今後も将来的な資金需要に応じて銀行借入等による資金調達を行う可能性があります。

今後の有利子負債依存度の上昇や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

有利子負債依存度を引き下げる努力をするとともに、金利情勢に柔軟に対応できるよう、機動的な資金調達を行っております。

資金調達環境の変化について

当社グループは、運転資金及び店舗出店等に関する設備資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しておりますが、今後の金融情勢の変化や当社グループの損益状況並びに純資産額の推移等により必要な資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、当社は、2020年2月12日に、2023年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債及び2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しております。当社株価が転換価額を下回る水準で推移する等により、上記の各転換社債の株式への転換が進まなかった場合には、各満期において残存する転換社債につき額面での一括償還が必要となり、当社は他の資金調達手法によることを含め、リファイナンス等の対応が必要となる可能性があります。

設備資金及び運転資金等を機動的かつ安定的に調達するため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しており、また、取引銀行と良好な関係を維持し、必要な資金調達に支障をきたさないようにしております。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

為替変動の影響について

当社グループは、主要商品である眼鏡フレームの大部分とレンズの一部を中国等の海外から直接輸入しているため、仕入原価は為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは、当連結会計年度末現在において、海外連結子会社9社(うち事業会社6社)及び海外持分法適用関連会社1社(以下海外関係会社)を有しており、海外関係会社の外貨建ての財務諸表金額は、当社連結財務諸表において日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場が急激に変動した場合、輸入仕入原価の高騰や海外連結子会社の日本円建て財務諸表数値の変動等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

仕入原価については、為替の変動を注意してチェックし、円高時に支払通貨を確保しておく等、当社グループの業績及び財政状態への影響が最小限になるよう為替変動リスクを抑えております。また、国内生産体制の確立を進めることにより、仕入原価に対する為替相場変動の影響の低減を図ってまいります。

 

 

(4) 当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

競合業者の出現について

当社グループは、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業において、明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発による持続的な新商品の提供により他の眼鏡小売業者に対する差別化を進めた結果、消費者や商業施設運営事業者の支持を得ることに成功してまいりました。

しかしながら、同業他社の業態転換、異業種または海外からの新規参入等により、当社グループより高い付加価値を提供する競合業者が出現し、当社グループの競争力が低下した場合は、売上高の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

今後も明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発等による持続的な新商品の提供、DXを活用した販売形態の見直し等による消費者との接点の増加等により、差別化を進め、高い付加価値を提供し、競争力の維持を図ってまいります。

 

中国の社会、経済、政治情勢の著しい変化について

 

当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。

当社グループの商品仕入に占める中国からの輸入の割合は一定の水準に達しており、その影響力も少なくないことから、中国国内での工場の分散化や中国以外の国への委託先の開拓等によるリスク分散を行っております。

しかしながら、中国国内の社会的、経済的変動及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により生産に支障が生じた場合、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等が発生した場合には、販売機会の喪失や輸入仕入原価の高騰等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

眼鏡の製造を中国の協力工場及び協力会社に委託しており、影響が少なくないことから、中国国内での地域・拠点の分散化を行っております。また、国内生産体制の確立を進めることにより、商品の製造に対する中国の情勢等の影響の低減を図ってまいります。

 

 

 

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

資材等の高騰について

当社グループは、委託先の協力工場及び協力会社において自社商品の製造を行い、かかる商品を販売する場所として、郊外ロードサイド店舗を自社で設計・建築し、ショッピングセンター等への出店に際しては自社独自の内装を施しております。しかしながら、災害、気候変動、国内外の社会的、経済的又は政治的情勢の動向等により、原材料価格や資材価格が高騰した場合には、仕入原価や出店費用の高騰により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

商品構成及び販売価格の変更や店舗設計等の見直しにより、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じないように留意しております。

出店政策について

 

 

当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に店舗を展開しております。従って、当社グループでは集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めております。また、商業施設以外のロードサイドへの出店も推進しております。

 

敷金及び保証金等について

 

当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者に対して、賃貸借契約に基づき敷金・保証金・建設協力金などを差入れております。土地所有者等が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となることも想定され、このような場合には当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

賃貸借契約に基づく出店時に、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の信用状況や権利関係について十分確認を行っており、その後も敷金及び保証金等債権回収・管理に留意をしております。なお、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者が上場企業でない場合は、回収すべき債権につき信用保険に加入しております。

 

人材の確保及び育成について

当社グループは、アイウエア専門ショップの積極的な新規出店による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには、経営執行体制の強化のほか、企画、開発、生産管理部門の充実が重要と考えております。

計画している店舗数の拡大及び企画、開発、生産管理部門の充実に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、新卒者の採用を継続的に行い、人材を確保しております。また、有期雇用労働者である準社員及びパートタイマーのベース時給(スキルに応じた手当等が加算される前の最低時給)を東京水準で一律化し、地域間の所得格差を是正して、従業員が自分らしく地域で働ける環境の実現を図ってまいります。

また東京本社、前橋本社並びに全国数箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修やWeb研修を行い、人材の育成を図っております。加えて、国家検定である眼鏡作製技能士の資格取得を目指して、社内教育機関「JINS Academy」を設立するとともに、社内教育研修等を担当している従業員に対する外部眼鏡専門学校への就学支援を行うなどの教育体制を構築しております。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

知的財産権について

当社グループの知的財産の保護や権利行使に何らかの障害が生じ、第三者による当社商品の模倣を効果的に排除できなかった結果、市場シェアを失った場合や、あるいは第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

常に先進的な商品を市場に提案するため、第三者の知的財産権を尊重しつつ、自社単独開発のみでなくパートナー企業や大学等研究機関との連携により、継続的に新商品・新技術の開発を進めております。その中でも特に重要な技術やアイデア、ノウハウ及びデザインについては、特許等の知的財産権を取得し、または営業秘密等として保護を図っております。

また、「JINS」等の自社ブランドで商品のデザイン、企画及び販売を行っていることから、ブランド保護のため主要なブランド名・商品名について商標権を取得しております。

海外進出について

当社グループは、海外アイウエア事業において、2010年に中国、2015年に米国及び台湾、2018年にフィリピン及び香港に進出しており、今後他の海外市場への進出も検討しております。

海外での事業運営には次にあげるようないくつかのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

・各種法律、規制への違反・抵触

・想定外の法律改正、規制強化

・事業活動に不利な内容の政策変更

・人件費の高騰及び採用難

・未整備なインフラ

・潜在的な国際税務リスク

・テロ、戦争、疾病、災害、その他の要因による社会的又は経済的混乱

海外進出にあたっては、事前に当該国の市場規模、競合環境及び法規制等の諸条件を十分に調査、検討しております。また、進出後においても、事業運営に関する環境の変化をチェックし、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じないように留意しております。

 

 

 

固定資産の減損について

 

当社グループは、店舗出店にあたって、賃借した敷地上に店舗用建物を建設し、または賃借した建物や建物の一部区画の内部に造作・設備を施しており、これらの建物、造作及び設備を固定資産として計上しております。店舗等の収益性が著しく悪化し、当該店舗等にかかる固定資産の減損処理を行うことが必要になった場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

店舗等の収益性を注意してチェックし、収益性の悪化の兆候が認められる場合は、当社グループの業績及び財政状態への影響を最小限に抑えられるよう回収可能性を適切に判断し、随時減損処理をしております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年9月1日~2022年8月31日)における国内経済は、期初において都心部を中心に発令されていた新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等が2021年10月以降全面的に解除されたものの、変異株の流行に伴い2022年1月中旬から再びまん延防止等重点措置が発令されるなど、周期的に感染者数の増減が続き、個人消費への影響も一進一退の状況が続いておりました。また足許では、原油価格の高騰や為替の影響に伴う物価上昇が続いており、景気への影響が懸念されております。世界経済においては、新型コロナウイルス感染症の対応は各国、各地域によって異なり、感染者数の全数把握を取りやめ、経済活動を再開している国がある一方、中国ではゼロコロナ政策による都市封鎖が断続的に行われているなど、各国、各地域の政策や対応により経済活動に影響が生じております。またロシアのウクライナ侵攻による経済的影響が長期化しており、原油や原材料の価格高騰による世界的なインフレ、各国間での金利格差拡大などによる今後の景気の悪化が懸念されております。

国内眼鏡小売市場(視力矯正眼鏡)は、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年同期比は一進一退の状況が継続しており、足許では回復の傾向が見受けられるものの、新型コロナウイルス感染症発生以前の水準にはまだ回復していない状況です。

このような市場環境の中で、当社グループのアイウエア事業では、経営課題として掲げているデジタル化の推進及びイノベーティブなプロダクト開発の強化等の取り組みを進めてまいりました。しかしながら、販売実績を基にした商品展開を進めた結果、商品の同質化を招くこととなり、訴求力の低下を引き起こしておりました。そのため、商品構成の見直しをすすめ、8月より順次定番商品を刷新することといたしました。なお、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として進めている、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトにかかる当連結会計年度の研究開発費の総額は167百万円となりました。

店舗展開につきましては、当連結会計年度におけるアイウエアショップの店舗数は、国内464店舗、海外236店舗(中国174店舗、台湾49店舗、香港7店舗、米国6店舗)の合計700店舗となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。

 

(イ) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高66,901百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益3,315百万円(前年同期比34.3%減)、経常利益3,789百万円(前年同期比24.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円(前年同期比77.2%減)となりました。

なおセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

国内アイウエア事業の業績につきましては、売上高53,303百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益3,967百万円(前年同期比18.8%減)となりました。

海外アイウエア事業の業績は、売上高13,597百万円(前年同期比6.8%増)、営業損失651百万円(前年同期は営業利益162百万円)となりました。

 

(ロ) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は54,721百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,714百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は34,314百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,527百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は20,406百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21,430百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,775百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(イ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ667百万円収入が減少し、4,391百万円の収入となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益2,105百万円、減価償却費2,879百万円の計上による資金の増加があったものの、法人税等の支払額1,149百万円による資金の減少があったことによるものであります。

 

(ロ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ678百万円支出が増加し、3,853百万円の支出となりました。

これは主に、店舗の出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出2,661百万円、無形固定資産の取得による支出549百万円によるものであります。

 

 

(ハ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ988百万円支出が減少し、2,769百万円の支出となりました。

これは主に、割賦債務の返済による支出727百万円、配当金の支払額863百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社は卸・小売業であり、生産活動を行っておりませんので、生産実績、受注実績は該当事項がありません。
販売実績につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りにより作成されております。

当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

これらの連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高) 

当連結会計年度の売上高は66,901百万円(前年同期比4.7%増)となりました。

国内アイウエア事業につきましては、「ポケットモンスター(ポケモン)」をJINSならではの視点でデザインした「JINS ポケモンモデル」の第2弾や、8月より約7年ぶりに刷新する定番商品の第1弾として166種類の販売を順次開始した「JINS CLASSIC」を展開しました。しかしながら、商品の訴求力低下とともに、セールの増加や円安の影響による原価の上昇も相まって粗利率の低下を招くこととなりました。なお、JINSアプリの会員数が前期末比257万人増加し、2022年8月末現在で約1,127万人となりました。「JINS 1DAY(ジンズワンデー)」を展開しているコンタクトレンズも定期購買が拡大し、計画どおり売上を伸ばしております。新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、客足は期を通じて感染者数の増減により一進一退が繰り返されており、徐々に影響は縮小しつつあるものの、業績は新型コロナウイルス感染症の発生以前の水準には至っておりません。また、店舗展開につきましては、引き続き郊外ロードサイドを中心に出店を進めたことにより、前期から30店舗純増し国内直営店は464店舗となりました。

以上の結果、国内アイウエア事業の売上高は前年同期比4.2%増加しました。

海外アイウエア事業につきましては、中国においては、政府による新型コロナウイルス感染症の対策による行動制限が強化され、2022年4月には上海、北京などの主要都市でも都市封鎖がされるなど、局地的、断続的に都市封鎖が実施されたことにより、個人消費が停滞しておりました。

台湾、香港においては、新型コロナウイルス感染症の感染者数の増減により客数に影響があったものの、前期ほどの大きな落ち込みは見られず、売上高は好調に推移しました。

米国においては、新型コロナウイルス感染症の影響により休業していた店舗は全店で営業を再開し、客足は店舗ごとにばらつきがありましたが、前年の休業の反動もあり増収となりました。

以上の結果、海外アイウエア事業の売上高は前年同期比6.8%増加しました。

 

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は3,315百万円(前年同期比34.3%減)となりました。

国内アイウエア事業につきましては、セールの増加及び急激な円安等が影響し原価率が上昇しました。販売管理費については、新規出店に伴う募集採用費、単価上昇による消耗品費が増えたこと及び東京本社移転に伴う内装設備等の加速度償却を減価償却費に計上したこと等により、売上高販管費率が上昇し、減益となりました。

海外アイウエア事業につきましては、中国においては、局地的、断続的に都市封鎖が実施されたことにより、業績に大きく影響がありました。

台湾においては、5月から6月にかけて新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加により客数に影響があったものの、前期ほどの大きな落ち込みは見られず、業績は好調に推移しました。

香港においては、2月から3月にかけて新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加により客数に影響があったものの、業績は堅調に推移し、通期での黒字化を達成しました。

米国においては、物価の高騰や人件費の上昇により店舗コストが大幅に増加したことも相まって、不採算店舗を閉鎖し、EC事業を中心とした事業規模の拡大を目指した事業構造改革を推し進めることといたしました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は3,789百万円(前年同期比24.5%減)となりました。

これは主に、期末にかけて急激な円安があったことによる為替差益の増加があったものの、営業利益が減益になったことによるものであります。

 

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,105百万円(前年同期比51.8%減)となりました。
 これは主に、経常利益が減益になったこと、及び米国の事業構造改革費用引当金繰入額及び東京本社の移転に伴う事務所移転費用引当金繰入額等を特別損失に計上したこと等によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円(前年同期比77.2%減)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益が減益になったことによるものです。

 

財政状態及びキャッシュ・フローの分析

(資産)

流動資産は、33,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円減少いたしました。

これは主に、商品及び製品が890百万円、売掛金が720百万円増加したものの、現金及び預金が1,775百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、21,547百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,745百万円増加いたしました。

これは主に、新規出店等に伴い建物及び構築物等の有形固定資産が857百万円、敷金及び保証金が396百万円増加したこと、及び投資有価証券が326百万円増加したことによるものであります。

以上により、総資産は54,721百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,714百万円増加いたしました。

 

(負債)

流動負債は、22,699百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,197百万円増加いたしました。

これは主に、償還期限が1年以内となった転換社債型新株予約権付社債を固定負債より10,066百万円振り替えたこと、及び買掛金が1,029百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、11,615百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,670百万円減少いたしました。

これは主に、償還期限が1年以内となった転換社債型新株予約権付社債を流動負債に10,066百万円振り替えたことによるものであります。

以上により、負債合計は34,314百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,527百万円増加いたしました。

 

 

(純資産)

純資産合計は、20,406百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加いたしました。

これは主に、配当金の支払いにより863百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円を計上したこと、及びその他の包括利益累計額が312百万円増加したことによるものであります。

 

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、出店等の設備投資によるものです。
 また、当社グループの運転資金及び出店資金については自己資本を基本としておりますが、必要に応じて設備投資や長期運転資金の調達について銀行借入及びリース契約を使用する場合があります。
 当連結会計年度においては、取引銀行5行と極度額10,800百万円、120百万元、25百万香港ドル及び13百万台湾ドルの当座貸越契約、取引銀行4行と総額8,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な投資資金の調達の実現を図っております。

加えて、2020年2月にアイウエア事業のさらなる拡大及び新規事業の開発や持続的成長を可能にするための投資等を目的とした総額20,000百万円のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。
 なお、当連結会計年度末における短期借入金は1,869百万円、1年以内長期借入金は70百万円、長期借入金は131百万円、リース債務は688百万円であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 【研究開発活動】

当社グループで行っている主な研究開発活動は、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業に関するものであります。
 当連結会計年度において、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトを進めております。

これにより、当連結会計年度の研究開発費の総額は167百万円となりました。