第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、市場環境の変化に対し組織的に対応し、かつ、グローバルでの成長を確実なものとするため、ブランドビジョンを「Magnify Life」(人々の生き方を豊かに広げる)とし、このブランドビジョンを実践していく上での行動指針(Attitude)を「Progressive」、「Inspiring」、「Honest」と定めております。

当社グループでは、社内及び顧客との間で「Magnify Life」を共有し、「Magnify Life」に基づいた顧客体験を提供することでブランドビジョンの浸透を図り、持続的な成長を実現してまいります。
 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、メガネ等のアイウエアの企画、製造、販売を一貫して行うSPA体制により、メガネを必要とされるすべての方に高品質・高機能なメガネを市場最低・最適価格で提供してまいりました。アイウエア事業を推し進めていく中、商品力、接客力の向上に努めながら、イノベーティブなプロダクトの開発や様々なニーズに応えられるサービスの導入を進めるなど、顧客価値を高めるビジネスモデルを構築し、継続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

① 市場環境

 国内眼鏡小売市場につきましては、子どもの外遊びの減少やスマートフォン、タブレット端末等の利用増加による近視の低年齢化、近視リスクの増加が社会問題となっており、また、視力低下のリスクが高まる高齢人口も増加する等、視力矯正が必要な人口は増加しております。市場規模全体としては新型コロナウイルス感染症の影響等により一時期需要の減少がありましたが、足元では徐々に回復の傾向が見受けられます。国内における競合環境につきましては、市場全体の傾向は低価格志向が進んでおり、低価格均一料金をビジネスモデルとした事業者のシェアが増加しております。

 海外眼鏡小売市場につきましては、国内と同様にスマートフォン、パソコンの利用増加等により視力矯正が必要な人口が増加しています。中国をはじめとしたアジア圏では、近視人口が増加しており、眼鏡の市場規模は拡大しております。また当社を模倣した眼鏡チェーンも数多く出店しており、競合環境は激しさを増しております。米国においては、眼科での販売や眼科と提携した眼鏡店での販売及び全国規模の大型小売店舗内での販売が主流ですが、近年ではEC販売が伸長しております。

 

② 商品戦略

  商品戦略につきましては、高品質・高機能なメガネを市場最低・最適価格で提供することを基本方針としつつ、軽量素材を使用した「Air frame」シリーズ、花粉や飛沫から目を守る「JINS PROTECT」といった新しい価値をもたらす商品開発を継続的に進めてまいります。また、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器といったようなお客様により良い価値を提供できるイノベーティブなプロダクトの開発を進めてまいります。

 レンズにつきましては、大手レンズメーカーの薄型非球面レンズを標準装備としており、度数にかかわらず追加料金0円で提供しております。オプションレンズも、パソコンやスマートフォンから放出されるブルーライトをカットする「JINS SCREENレンズ」や紫外線や目に見える光でもカラー濃度が変化する「可視光調光レンズ」、カラーバリエーションを豊富に取り揃えている「ファッションカラーレンズ」など様々な機能が付いたレンズをお求めやすい価格で取り揃えております。

 

 

③ 店舗戦略

  店舗戦略につきましては、ECサイトでの販売を推進しながらも、度数測定やフィッティング調整など、まだ店舗でしか提供できないサービスがあること、また未進出の地域や認知度の低い地域があることから、引き続き店舗網の拡充に努めてまいります。

  国内アイウエア事業においては、前橋市に出店した「JINS PARK」をはじめとした地域に根差した店舗の出店に注力し、ロードサイド型店舗や小型のショッピングセンターへの出店を強化しております。また、スタッフがサポートしながらお客様ご自身の操作で視力測定ができる自動検眼機の導入や、完成したメガネをお客様の好きなタイミングで受け取ることができる「PICK UP LOCKER」の設置など、お客様の利便性が高い購買体験を提供できるよう進めてまいります。

  海外アイウエア事業においては、既存店の着実な増収及び適切な新規出店を行うことに加え、よりローコストで運営できるEC販売を強化することで収益性の向上に取り組んでいくとともに、さらなるグローバルネットワークの拡充に努めてまいります。

 

④ デジタル戦略

  当社グループを取り巻く社会環境においては、とりわけコロナ以降からリモートワークの定着やデリバリービジネスなど対面を伴わない商取引の拡大等により、消費者の価値観や購買行動が大きく変化しております。

  このような経営環境の変化が見られる中、当社グループがさらなる成長を実現していくために、デジタルの最新技術を取り入れた取り組みを推進し、顧客価値向上及び業務効率化に向けた施策強化を最重要課題として取り組んでいく方針です。進出している各国、各地域において、かねてより進めているECサイトでの販売やアプリの活用をさらに推し進め、操作性や機能の向上、新規サービスの導入等による利便性の高い購買体験を提供してまいります。また、店舗オペレーションに限らず、本部における商品管理、業績管理等の業務においてもより高度なデジタル化を図り、最適化、効率化を進めることで生産性の向上に努めてまいります。
 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、将来にわたる継続的な事業の拡大を通じて、当社グループの企業価値を向上させていくことを目指しております。その中で、経営指標としては国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業の収益性を重視しながら事業の成長性を高め、連結業績における営業利益及び売上高営業利益率並びに自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上の課題

① イノベーティブなプロダクト開発の強化

 当社グループは、これまでも「エアフレーム」や「JINS SCREEN」といったアイウエアに新しい価値をもたらす商品の開発を進めてまいりましたが、競争環境の激しい市場の中ではすぐにコモディティ化してしまい、商品の競争優位性がなくなってしまうことが課題であると認識しています。
 そういった環境の中でも「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行の抑制を目的としたメガネ型医療機器の開発の共同プロジェクトを推進するなど、お客様との双方向のコミュニケーションを重ねながら、お客様のニーズにマッチした商品を安定的かつ継続的に開発し提供できるよう取り組んでまいります。

 

サプライチェーンの再構築

 当社グループは、店舗で販売している商品のデザインや企画は自社で行っていますが、フレームの製造は主に中国の協力工場に製造を委託しております。海外での生産拠点の一極集中はグローバルな経済動向や為替変動などのリスクにさらされており、将来に亘る継続的かつ安定的な商品調達に課題があると認識しています。
 そのため、福井県に拠点を置くヤマトテクニカル社を子会社化し、当社グループの主要な販売拠点である日本国内での商品生産の拡大を目指し、生産拠点の分散化を進めるとともに、店頭までのリードタイムを短縮できるよう取り組んでまいります。

 

 

持続的な店舗展開の推進

 当社グループは、国内の店舗展開として、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に出店を行うとともに、一部郊外ロードサイドの出店を行う等、ロケーションの多様化を推進してまいりましたが、単一フォーマットによる店舗展開を行っていたため、ロケーションやMD(マーチャンダイジング)の多様化に合わせた店舗の構築が重要な課題であると認識しております。
 そこで、今までどおり、未出店の地域や郊外ロードサイドへの出店を進めつつ、現状の広さでは充分なサービス、商品展開ができない狭小店舗から、お客様に最適な購買体験をしていただくことができ、かつ生産性の高い規模の店舗へのスクラップ&ビルドを進めるなど、更なる店舗基盤の強化を進めてまいります。

 

④ デジタル化の推進

 当社グループは、かねてよりECサイトでの販売やアプリの活用を進めておりますが、当社グループを取り巻く社会環境においては、ネットショップやデリバリービジネスなど対面を伴わない商取引が拡大しております。

 そういった環境の中で、ECサイトでの販売やアプリの活用を推し進めながら、店舗での接客、立ち寄りやすさといった長所も活かし、店舗とネットの相互の利点を組み合わせた取り組みを進めております。また、資本業務提携をしているフランスのデジタルアイウエアカンパニーであるFITTINGBOX社の保有するバーチャル試着及びAR(拡張現実)ソリューションをはじめとした先進的なデジタル技術を取り入れ、お客様のニーズに合わせた利便性の高い購買体験を提供してまいります。また、お客様との接点に限らず、本部における商品管理、業績管理等の業務においてもより高度なデジタル化を図り、最適化、効率化を進めることで生産性の向上に努めてまいります。

 

⑤ グローバル展開の推進

 当社グループが、今後とも持続的な成長を成し遂げるためには、グローバル展開の推進が重要でありますが、海外ビジネスを拡大していくためには人的リソースが不十分であると認識しております。
 今後、海外ビジネスに精通した人材の採用を積極的に行い、市場環境調査や経営管理面での充実を図るだけではなく、既存の事業展開にとらわれず、多様な知見、スキルを持ったグローバル人材の採用を促進し、各国の状況に即した新たなビジネスモデルの構築に取り組み、効率的な海外展開を進めてまいります。

 

⑥ サステナビリティ活動の推進

 当社グループは、新たに「アイウエアを通して、未来の景色を変えていく。」というサステナビリティ・ステートメントを定め、「Magnify Life」というビジョンを事業活動を通じて実現し、持続可能な社会作りと企業価値の向上を目指しております。
 新たなサステナビリティ・ステートメントのもと、今後取り組むべき重点領域を「環境への配慮」「安心の製品とサービス」「サプライチェーンの労働環境整備」「ヘルスケア・イノベーション」「社会への貢献」「健全なガバナンス」の6つと定め、社会的責任を果たすとともに、持続的な社会貢献に取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティの考え方

当社グループが掲げるビジョンである「Magnify Life」には、すべての人の人生が豊かに広がることを願い、そのきっかけを提供したいという強い思いが込められています。このビジョンを叶えるためには、事業活動を通じて様々な社会課題の解決に貢献しながら、持続可能な社会作りと企業価値の向上を実現していくことが必要と考えております。そのために「アイウエアを通して、未来の景色を変えていく。」というサステナビリティビジョンを定め、サステナビリティを重要な経営課題として取り組んでおります。

 

(2) ガバナンス

当社グループのサステナビリティ推進体制は次の通りです。


当社グループでは、サステナビリティに関する取組みは、サステナビリティ委員会やサステナビリティ委員会傘下のタスクフォースを中心に推進しています。

サステナビリティ委員会では、代表取締役を委員長とし、執行役員で気候変動を主要テーマとした中長期的な企業戦略の策定、サステナビリティ施策の実行管理状況についての討議を年2回程度開催することとしています。また、社内取締役1名をサステナビリティ推進担当役員として任命しております。

取締役会は、サステナビリティ委員会の監督を行い、目標に対する進捗状況をモニタリングすることとしています。サステナビリティ委員会にて討議された気候変動に関するリスクや機会とその評価や対応策、各種目標と目標に対する進捗状況などは、年2回程度取締役会に報告され、経営方針や事業計画を策定するにあたり考慮しています。

一方で、各事業部メンバーが参加するサステナビリティ委員会傘下のタスクフォースにおいてサステナビリティ推進に向けた実務面の対応及び必要な活動を実施し、サステナビリティ委員会あるいは取締役会で決定した重点領域に基づくサステナビリティ施策を推進・管理し、サステナビリティ委員会へ報告することとしています。

 

(3) リスク管理

当社グループのリスク管理体制全般については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」のうち、「③企業統治に関するその他の事項」c項を参照下さい。

サステナビリティ関連のリスクについては、サステナビリティ委員会が情報収集、分析、評価を行っております。サステナビリティ委員会は、シナリオ毎の世界観や法令等に基づき、顕在化しているリスク及び将来の発生が予測されるリスクの財務面に与える影響や影響範囲について評価しております。また、気候変動に関するリスク・機会は、移行リスク(政策、評判、技術、市場)、物理リスク(急性、慢性)、機会(製品及びサービス、市場、エネルギー源、資源効率、レジリエンス)に識別し、財務的影響の確立、大きさ、及び発生時期を考慮し、対応(緩和、移転、統制、受容等)の優先度と計画を決めております。この識別・評価プロセスは、サステナビリティ委員会において定期的に見直しを行っていくこととしております。

 

(4) 戦略

当社グループは、気候変動やそれに伴う各国の施策などの影響を少なからず受ける可能性が高いため、シナリオ分析を実施し、明確化されたリスク・機会に対し、対応策を検討いたしました。シナリオ分析では、全ての執行役員およびサステナビリティ・タスクフォースメンバーを中心に取締役会や各事業部門と連携して実施いたしました。

分析は、国内アイウエア事業(商品開発部門、流通・調達部門、店舗オペレーション部門が関与)を対象に、当事業が位置・関与する地域の特性を踏まえて、1.5/2℃シナリオ、4℃シナリオの2つの温度帯ごとに、当社事業に影響を与える可能性のあるリスク・機会を特定したうえで、一部項目については2030年における財務影響を含め検討いたしました。検討に際して前提としたそれぞれの温度帯の世界観、及び参照シナリオは以下の通りです。

複数シナリオ下における、リスクを最小化し、機会を最大化していくためにも、今回検討した対応策は、全社戦略に反映するとともに、各事業部門の事業計画に落とし込み気候変動に伴うリスクの軽減と機会の拡大を図り、経営のレジリエンス強化に努めてまいります。

特に発生までの期間が短く、かつインパクトの大きいリスク機会に関しては、優先事項とし、財務的な手当ても含め、気候変動への配慮、自然資源への循環への取組みなどの施策を講じてまいります。今後の、定量分析結果の開示範囲の拡大・精緻化を推進していくとともに、社会の動向に応じ、シナリオ分析の定期的な見直しを行ってまいります。

 

 

 

評価項目

時間軸

1.5℃/2℃

インパクト

4℃

インパクト

JINSの対策

炭素税の

導入/規制強化

中期

店舗、製品の生産工場、本社オフィスにおける炭素税支払いによるコスト増

炭素税の導入はほとんど進まないため、新たなコスト増とはならない

スコープ1+2のCO2排出量目標の設定

再エネ・省エネに係る規制強化

中期

店舗や本社オフィスにおける再生可能エネルギーの導入や省エネルギー推進に向けた設備投資や運用管理などのコスト増

再エネ・省エネに係る規制強化は進まないため新たなコスト増にはならない

・太陽光パネルなどの創エネ設備導入による中長期的なエネルギーコストの削減

・環境省や経済産業省支出のGHG排出量削減に係る助成金の活用

原材料調達コストの上昇

中期

化石由来素材からサステナブル素材への移行に伴うコスト増

化石由来素材の需要増加及び原油価格の高騰による調達コストの増加、それに伴う製品製造コスト増

化石由来原材料の使用量の縮小化

エシカル消費者の離反

中期

エシカル商品開発の遅れによる売り上げの減少、評判が低下するリスク

エシカル製品の需要は伸びない

サステナブル素材の製品開発

気象事象の激甚化

短期

被害頻度の増加による店舗オペレーションに対する悪影響

気象事象の甚大化による店舗の被災やサプライチェーンの寸断、浸水による在庫棄損のリスク

自社拠点の災害のリスク評価およびそれを踏まえたBCPの策定・強化

渇水の発生

中期~長期

委託工場周辺における渇水の発生による製品製造の停止・停滞

委託工場周辺における渇水の発生による製品製造の停止・停滞

委託製造工場の渇水リスク評価及びそれを踏まえた委託先変更及び委託先のBCP見直しに向けた支援

気温上昇

短期

空調にかかる電力使用量が増加し、電気料金が増加

空調にかかる電力使用量が増加し、電気料金が増加

店舗や本社における省エネ推進

エシカル消費者の獲得

中期

脱炭素型製品の開発・販売によるエシカル消費者の獲得、売上の増加

エシカル製品の需要は伸びない

サステナブル素材の製品開発

気象変化による商品需要増

短期

日照時間の増加により、サングラス需要による売上拡大

日照時間の増加により、サングラス需要による売上拡大

フレーム・レンズ製品開発の強化

 

 

(5) 指標及び目標

当社グループは、2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、日本国内のバリューチェーン全体における温室効果ガス(GHG)を2030年までに30%(2020年比/SCOPE1+2)、国内店舗の約半数の再生可能エネルギー率を2030年までに100%、廃棄物の削減目標において、2030年までに本社の廃棄物30%(2019年8月期比)削減、1店舗当たりの運営廃棄物30%削減(2022年8月期比)店舗改装に伴う什器等の再利用率30%を目指す目標を設定いたしました。特に、アイウエア事業では、2030年までに、販売アイウエアの50%をサステナブル素材に、デモレンズのリサイクル率100%とする目標を掲げ、毎年進捗を確認しながら着実に取組みを推進してまいります。目標達成のために気候変動に起因する機会に対して、優先的に経営資源を配分する等、積極的に取り組んでおり、機会がもたらす財務的インパクトを算出しております。なお、過去のGHG排出量や、各種指標に関するデータは以下の通りです。

 

 

1.5/2℃

4℃

時間軸

2030年

2030年

世界観

気温上昇を抑えるために、

大胆な政策や技術革新が進められ、

産業革命時期比で1.5℃/2℃程度の上昇に抑える

経済活動を優先し、

温暖化緩和のための対応をせず、

2100年に産業革命時期比で4℃上昇する

参照

シナリオ

IEA:NZE,SDS

IPCC:RCP1.9,2.6,4.5

IEA:STEPS

IPCC:RCP8.5

 

 

(6) 人的資本と多様性

当社グループは、企画、製造、販売において、本部や店舗で働く従業員およびサプライチェーンの労働環境整備は重要なテーマであると考えております。当社グループに関わるすべての従業員の人権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保する責任があると考え、取組みを進めております。

多様な従業員が働きやすい環境を作ることで、アイウエアに関する様々なニーズに対応できると考えており、ダイバーシティを推進する様々な取組みを行っております。また、正社員の基本給の増額や、昨年には全国の準社員(主にフルタイムの時給制社員)・パート従業員のベース時給を改定し、東京水準への一律化を行い、従業員の待遇改善と地域経済への寄与を進めております。このように多様な価値観や発想を組織の力にするとともに、人的資本に注目した取組みを行うことで、新たな価値を創造する組織・環境作りに注力しています。

人材育成においては、即戦力としての積極的な中途採用と、新卒採用を継続的に行うとともに、店舗スタッフや本部社員向けに、能力やキャリアに応じたあらゆる研修制度の充実に努めています。

2022年に新設された眼鏡の国家資格「眼鏡作製技能士」の取得を目的とした社内教育機関「JINS Academy」の設立及び従業員の教育研修担当者に対する外部眼鏡専門学校への就学支援を行うなど、人材資源開発にも力を入れております。

 

 

項目

2030年目標

2023年8月時点の実績

女性管理職比率

30.0%

18.2%

国内の外国籍従業員比率

10.0%

2.3%

育児休暇取得率

100.0%(男女とも)

男性35.4% / 女性100.0%

障がい者雇用率

法定の150.0%

法定の97.4%

 

 (注)対象法人は1~3が株式会社ジンズホールディングスと株式会社ジンズ、4が株式会社ジンズホールディングスと株式会社ジンズと株式会社ジンズノーマとなります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制について

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

医師法第17条の規定に関連する規制について

日本国内においては、眼鏡販売の際に医師資格を有しない者が行う度数測定が医行為に該当するか否かについて、法律上明確な規定はありませんが、一般的には眼鏡を選択するための補助行為であって人体に害を及ぼすおそれが殆どない場合は医行為に該当しないと言われております。

当社グループの行う度数測定の補助行為は、人体に保健衛生上の危害を生じさせない範疇にとどまるものであり、過去に人体に重要な影響を与えた事実もありません。さらに、当社グループではこのような補助行為でも、充分な技術や知識の裏づけが必要であると考え、社内研修制度の充実に注力しております。

しかし、法令・諸規則改正やその解釈の変更等により、上記のような度数測定の補助行為が医行為に該当すると判断された場合、ビジネスモデルの転換に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

国内アイウエア店舗における眼鏡の販売時に、お客様の目に合った度数のレンズを選択するための度数測定の補助を行っておりますが、医行為に該当する目の診断及び検診等は行っておりません。通常の営業活動においても、医行為ととられかねない行為をして医師法に違反しないように注意を払っております。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)に関する規制について

当社グループは、国内アイウエア事業において、眼鏡レンズ及び既製老眼鏡の一部を海外メーカーより直接輸入し、コンタクトレンズを国内企業より仕入れて販売しております。眼鏡レンズ及び既製老眼鏡は、薬機法上の一般医療機器に、コンタクトレンズは薬機法上の高度管理医療機器に該当し、これらを輸入又は販売する行為は薬機法の規制を受けております。

当社グループは、薬機法及び関連法令、各種省令の規制の下、レンズ等の適正な品質管理に努めておりますが、万一各種規制に抵触し、当該許可が取り消される等した場合、商品の供給に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

眼鏡レンズの輸入販売を統轄する株式会社ジンズの東京本社において、薬機法第23条の2第1項に定める第三種医療機器製造販売業許可を取得し、眼鏡レンズの保管等を行う同社の物流センターにおいて薬機法第23条の2の3第1項に定める医療機器製造業登録をしております。また、コンタクトレンズを販売する同社の各店舗及び物流センターにおいて、薬機法第39条第1項に定める高度管理医療機器等販売業許可を取得しております。また、それぞれの専門部署を設け、薬機法及び関連法令の規制に従い、レンズ等の適正な品質管理に努めており、各種規制に違反しないように注意を払っております。

 

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)について

当社グループは、事業活動において顧客の氏名及び住所等の個人情報の提供を受けているため、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当します。そのため当社グループでは、社内管理体制の整備及び従業員への周知徹底とともに、個人情報の流出防止対策にも万全を期しておりますが、万一個人情報が外部へ流出するような事態となった場合には、信用失墜に伴う売上高の減少その他の理由により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

「プライバシーポリシー」「個人情報保護規程」「情報セキュリティポリシー」「情報セキュリティ規程」等を制定しており、情報の重要度により適切な管理ができるよう定め、個人情報の管理を徹底しております。

また月に1度、「個人情報委員会」及び「情報セキュリティ委員会」を実施し、運用・管理について監視し、常に改善を図っております。

製造物責任法(PL法)について

当社グループが販売する眼鏡及びコンタクトレンズ等の製品の欠陥により顧客の身体、財産等を毀損した場合、損害賠償金の支払、回収費用、代替品への対応費用等の多額のコスト負担のほか、社会的信頼の喪失等により当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

販売する製品に安全上の欠陥が生じないよう、品質管理部門を設置し、細心の注意を払うとともに、顧客からの相談窓口を設置し、製品販売後の苦情等にも対応しております。製品事故に関し顧客に対する損害賠償責任が生じた場合に備え、賠償責任保険にも加入をしております。

 

 

(2) 業界環境に係わるリスクについて

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

国内視力矯正眼鏡市場の成熟化について

当社グループの国内アイウエア事業が事業領域とする日本国内眼鏡小売市場のうち視力矯正眼鏡市場は成熟化が進んでおりますが、競合環境その他構造的な変化等により市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

当社グループのアイウエア商品に対する市場のニーズは強く、また出店形態、販売形態を見直し再構築することにより、国内市場における収益向上の余地はまだあると考えておりますが、同時に、海外市場への事業拡大及び新規事業への進出も図っています。

代替商品・代替サービスの普及、及び出現について

レーザー装置による視力矯正手術等の代替商品・代替サービスの普及や、予想を上回る技術革新等により新たな視力矯正手段が出現し、眼鏡小売市場全体が大きく縮小した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

視力矯正目的以外のブルーライトカット、花粉カット等の機能性商品の拡充を図るとともに、眼鏡小売事業だけでなく、JINS MEME事業や地域共生事業を含め、常に新たな事業の展開を模索しております。

自然災害について

当社グループの店舗施設及び物流拠点の周辺地域において、地震、津波等の大規模災害が発生したことにより同施設が甚大な被害を受け、長期間にわたり販売行為や店舗への商品供給等の事業活動を行うことができなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、BCP計画を策定し、緊急時における速やかな情報収集と全社的対応態勢が取れるよう綿密な事前準備を整えております。事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、物流拠点を関東と関西の2か所に設置しております。

感染症の流行

 

新型コロナウイルス等の感染症が急速に拡大し、パンデミックが発生した場合、当社グループの生産拠点及び事業所の営業停止や店舗の休業が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

当社グループは、事業継続計画に基づき、特定の生産拠点、物流拠点等において感染症が発生した場合でも、その影響を極小化するべく体制を構築しており、パンデミックが起こった場合でも当社グループ全体で影響を軽減できるようビジネスモデルの変革を図っております。

また本社部門においては、社内・社外のウェブ会議・在宅勤務制度の導入、時差出勤の推奨等のフレキシブルな働き方を実現しています。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

情報セキュリティについて

IT利活用を推進して間接業務の効率化・生産性の向上を図る一方で、情報化の進展に伴い情報セキュリティリスクが高まっています。重要な会社の情報資産の漏洩、情報システムの停止、データの消失・改ざん等の事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

情報セキュリティに関する最大のリスクは、サイバー攻撃と内部関係者による情報漏洩であると考えております。当社グループでは、ITガバナンス専門部署を設置し、リスクを引き起こす要因ごとにセキュリティ対策を講じることにより、情報セキュリティリスクを低減し、セキュリティインシデント対策を強化しております。

 

 

(3) 金融環境の変化について

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

金利情勢の変動について

当社グループは、出店等の設備資金及び運転資金について、一部銀行借入による資金調達を実施しており、今後も将来的な資金需要に応じて銀行借入等による資金調達を行う可能性があります。

今後の有利子負債依存度の上昇や金融情勢の変化により金利水準が上昇した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

有利子負債依存度を引き下げる努力をするとともに、金利情勢に柔軟に対応できるよう、機動的な資金調達を行っております。

資金調達環境の変化について

当社グループは、運転資金及び店舗出店等に関する設備資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しておりますが、今後の金融情勢の変化や当社グループの損益状況並びに純資産額の推移等により必要な資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、当社は、2020年2月12日に、2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行しております。当社株価が転換価額を下回る水準で推移する等により、上記の転換社債の株式への転換が進まなかった場合には、満期において残存する転換社債につき額面での一括償還が必要となり、当社は他の資金調達手法によることを含め、リファイナンス等の対応が必要となる可能性があります。

設備資金及び運転資金等を機動的かつ安定的に調達するため、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しており、また、取引銀行と良好な関係を維持し、必要な資金調達に支障をきたさないようにしております。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

為替変動の影響について

当社グループは、主要商品である眼鏡フレームの大部分とレンズの一部を中国等の海外から直接輸入しているため、仕入原価は為替相場変動の影響を受けます。また、当社グループは、当連結会計年度末現在において、海外連結子会社8社(うち事業会社5社)及び海外持分法適用関連会社1社(以下海外関係会社)を有しており、海外関係会社の外貨建ての財務諸表金額は、当社連結財務諸表において日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場が急激に変動した場合、輸入仕入原価の高騰や海外連結子会社の日本円建て財務諸表数値の変動等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

仕入原価については、為替の変動をモニタリングするとともに、吸収できない為替影響に関しては、競合他社の動向を見つつ、適切に販売価格の見直しを行う等、当社グループの業績及び財政状態への影響が最小限になるよう為替変動リスクを抑えております。また、国内生産体制の確立を進めることにより、仕入原価に対する為替相場変動の影響の低減を図ってまいります。

 

 

(4) 当社グループのビジネスモデルに係わるリスクについて

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

競合業者の出現について

当社グループは、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業において、明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発による持続的な新商品の提供により他の眼鏡小売業者に対する差別化を進めた結果、消費者や商業施設運営事業者の支持を得ることに成功してまいりました。

しかしながら、同業他社の業態転換、異業種または海外からの新規参入等により、当社グループより高い付加価値を提供する競合業者が出現し、当社グループの競争力が低下した場合は、売上高の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

今後も明瞭かつリーズナブルな価格設定と積極的な商品開発等による持続的な新商品の提供、DXを活用した販売形態の見直し等による消費者との接点の増加等により、差別化を進め、高い付加価値を提供し、競争力の維持を図ってまいります。

 

中国の社会、経済、政治情勢の著しい変化について

 

当社グループは、自社で商品のデザインや企画を行っておりますが、その製造は外部の企業に委託しており、委託先の多くは中国の協力工場及び協力会社(貿易公司)であります。

当社グループの商品仕入に占める中国からの輸入の割合は一定の水準に達しており、その影響力も少なくないことから、中国国内での工場の分散化や中国以外の国への委託先の開拓等によるリスク分散を行っております。

しかしながら、中国国内の社会的、経済的変動及び政治情勢の変化や、中国当局が課す法的規制や制限等により生産に支障が生じた場合、または中国国内の急激な人件費の上昇や為替相場の急激な変動等が発生した場合には、販売機会の喪失や輸入仕入原価の高騰等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

眼鏡の製造を中国の協力工場及び協力会社に委託しており、影響が少なくないことから、中国国内での地域・拠点の分散化を行っております。また、国内生産体制の確立を進めることにより、商品の製造に対する中国の情勢等の影響の低減を図ってまいります。

 

 

 

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

資材等の高騰について

当社グループは、委託先の協力工場及び協力会社において自社商品の製造を行い、かかる商品を販売する場所として、郊外ロードサイド店舗を自社で設計・建築し、ショッピングセンター等への出店に際しては自社独自の内装を施しております。しかしながら、災害、気候変動、国内外の社会的、経済的又は政治的情勢の動向等により、原材料価格や資材価格が高騰した場合には、仕入原価や出店費用の高騰により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

商品構成及び販売価格の変更や店舗設計等の見直し、並びにサプライチェーンにおいては製造ロス及び物流費の低減に努めることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じないように留意しております。

出店政策について

 

 

当社グループは、都心部や地方の中核都市及びその近郊、広域型ショッピングセンター、百貨店や駅ビル等を中心に店舗を展開しております。従って、当社グループでは集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めておりますが、商業施設の開発件数や既存商業施設内のテナントの入替えが大幅に減少した場合には、計画通りの出店ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

集客力の向上による店舗当たり売上高の増加や商業施設のリーシング部門とのコミュニケーションの緊密化を図り、商業施設からの誘致機会の拡充に努めております。また、商業施設以外のロードサイドへの出店も推進しております。

 

敷金及び保証金等について

 

当社グループは、賃借による出店を基本方針とし、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者に対して、賃貸借契約に基づき敷金・保証金・建設協力金などを差入れております。土地所有者等が破綻した場合、また当社グループが契約期間満了前に撤退した場合には、上記敷金及び保証金等の全部又は一部の回収が困難となることも想定され、このような場合には当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

賃貸借契約に基づく出店時に、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の信用状況や権利関係について十分確認を行っており、その後も敷金及び保証金等債権回収・管理に留意をしております。なお、土地所有者やショッピングセンター等商業施設の事業の運営者が上場企業でない場合は、回収すべき債権につき信用保険に加入しております。

 

人材の確保及び育成について

当社グループは、アイウエア専門ショップの積極的な新規出店による事業の拡大を計画しておりますが、出店を可能とするには質の高い店舗従業員及び店舗マネジャー等の人材の確保並びに育成が必須であります。また、競合他社との差別化を推進するためには、経営執行体制の強化のほか、企画、開発、生産管理部門の充実が重要と考えております。

計画している店舗数の拡大及び企画、開発、生産管理部門の充実に見合った人材の確保が困難となった場合には、計画通りの出店や競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

即戦力としての中途採用を積極的に進めると同時に、新卒者の採用を継続的に行い、人材を確保しております。また、有期雇用労働者である準社員及びパートタイマーのベース時給(スキルに応じた手当等が加算される前の最低時給)を東京水準で一律化し、地域間の所得格差を是正して、従業員が自分らしく地域で働ける環境の実現を図ってまいります。

また東京本社、前橋本社並びに全国数箇所の拠点で店舗従業員を対象とした継続的な集合研修やWeb研修を行い、人材の育成を図っております。加えて、国家検定である眼鏡作製技能士の資格取得を目指して、社内教育機関「JINS Academy」を設立するとともに、社内教育研修等を担当している従業員に対する外部眼鏡専門学校への就学支援を行うなどの教育体制を構築しております。

 

 

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

知的財産権について

当社グループの知的財産の保護や権利行使に何らかの障害が生じ、第三者による当社商品の模倣を効果的に排除できなかった結果、市場シェアを失った場合や、あるいは第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償請求や差止請求などを受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

常に先進的な商品を市場に提案するため、第三者の知的財産権を尊重しつつ、自社単独開発のみでなくパートナー企業や大学等研究機関との連携により、継続的に新商品・新技術の開発を進めております。その中でも特に重要な技術やアイデア、ノウハウ及びデザインについては、特許等の知的財産権を取得し、または営業秘密等として保護を図っております。

また、「JINS」等の自社ブランドで商品のデザイン、企画及び販売を行っていることから、ブランド保護のため主要なブランド名・商品名について商標権を取得しております。

海外進出について

当社グループは、海外アイウエア事業において、2010年に中国、2015年に米国及び台湾、2018年にフィリピン及び香港に進出しており、今後他の海外市場への進出も検討しております。

海外での事業運営には次にあげるようないくつかのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

・各種法律、規制への違反・抵触

・想定外の法律改正、規制強化

・事業活動に不利な内容の政策変更

・人件費の高騰及び採用難

・未整備なインフラ

・潜在的な国際税務リスク

・テロ、戦争、疾病、災害、その他の要因による社会的又は経済的混乱

海外進出にあたっては、事前に当該国の市場規模、競合環境及び法規制等の諸条件を十分に調査、検討しております。また、進出後においても、事業運営に関する環境の変化を注視し、リスクのコントロールに努めております。

 

 

 

固定資産及び投資有価証券の減損について

 

当社グループは、店舗出店にあたって、賃借した敷地上に店舗用建物を建設し、または賃借した建物や建物の一部区画の内部に造作・設備を施しており、これらの建物、造作及び設備を固定資産として計上しておりますが、店舗等の収益性が著しく悪化した場合、当該店舗等にかかる固定資産の減損処理が必要になります。

加えて、事業拡大や新規事業の展開に伴う出資等により投資有価証券を保有しておりますが、出資決定時に想定した収益に未達成の場合及び収益や効果が見込めない場合に減損処理が必要になります。これらの処理により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

店舗等の収益性をモニタリングし、収益性の悪化の兆候が認められる場合は、当社グループの業績及び財政状態への影響を最小限に抑えられるよう回収可能性を適切に判断し、随時減損処理をしております。

投資有価証券については出資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年9月1日~2023年8月31日)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響については、周期的な感染者数の増減が続いていたものの足許では減少傾向となり、5月から感染症法上の位置づけが変わったことにより影響は収束しつつあります。また、ウクライナ情勢の影響等から原材料の高騰や為替の影響に伴う物価上昇が続いておりますが、個人消費は旅行や外食を中心に持ち直しつつあります。世界経済においては、新型コロナウイルス感染症の対応は引き続き各国、各地域によって異なり、とりわけ中国では12月上旬までゼロコロナ政策による都市封鎖が断続的に行われたため、経済活動に影響が生じておりました。またロシアのウクライナ侵攻による経済的影響が長期化しており、原材料等の価格高騰による世界的なインフレ、各国間での金利格差拡大などによる景気の下振れリスクの高まりが懸念されております。

国内眼鏡小売市場(視力矯正眼鏡)は、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年同期比は一進一退の状況が継続しており、新型コロナウイルス感染症発生以前の水準にはまだ回復していない状況です。

このような市場環境の中で、当社グループのアイウエア事業では、経営課題として掲げているサプライチェーンの再構築及びイノベーティブなプロダクト開発の強化などの取り組みを進めてまいりました。サプライチェーンの再構築につきましては、海外での生産拠点の一極集中の解消や店頭までのリードタイムの短縮を目的に、株式会社ヤマトテクニカルを子会社化し、国内生産体制の強化に着手しております。商品開発につきましては、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器の共同プロジェクトを進めており、当連結会計年度の研究開発費の総額は60百万円となりました。

店舗展開につきましては、当連結会計年度末におけるアイウエアショップの店舗数は、国内473店舗、海外240店舗(中国172店舗、台湾55店舗、香港9店舗、米国4店舗)の合計713店舗となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。

 

(イ) 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高73,264百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益4,847百万円(前年同期比46.2%増)、経常利益3,739百万円(前年同期比1.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,762百万円(前年同期比134.6%増)となりました。

なおセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

国内アイウエア事業の業績につきましては、売上高56,144百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益4,464百万円(前年同期比12.5%増)となりました。

海外アイウエア事業の業績は、売上高17,119百万円(前年同期比25.9%増)、営業利益382百万円(前年同期は営業損失651百万円)となりました。

 

(ロ) 財政状態

当連結会計年度末における資産合計は44,863百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,858百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は23,083百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,230百万円減少いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は21,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,372百万円増加いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,202百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,227百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(イ) 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,663百万円収入が増加し、6,054百万円の収入となりました。

これは主に、法人税等の支払額1,437百万円による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益2,884百万円、減価償却費2,918百万円及び棚卸資産の減少額1,272百万円の計上による資金の増加があったことによるものであります。

 

(ロ) 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ4百万円支出が減少し、3,849百万円の支出となりました。

これは主に、店舗の出店及び改装に伴う有形固定資産の取得による支出2,916百万円、無形固定資産の取得による支出678百万円によるものであります。

 

 

(ハ) 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ8,733百万円支出が増加し、11,502百万円の支出となりました。

これは主に、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出10,000百万円、割賦債務の返済による支出689百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループは卸・小売業であり、生産活動を行っておりませんので、生産実績、受注実績は該当事項がありません。
販売実績につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りにより作成されております。

当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

これらの連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高) 

当連結会計年度の売上高は73,264百万円(前年同期比9.5%増)となりました。

国内アイウエア事業につきましては、約7年ぶりに刷新した「JINS CLASSIC」シリーズ、「STANDARD」シリーズをはじめとした定番商品から販売価格を改定し、11月中旬以降は既存商品も同一の価格帯にしたことにより一式単価が順調に伸長したことに加え、外出する機会が増えたことにより、バリエーションを増やしたカラーレンズや紫外線や目に見える光でもカラー濃度が変化する可視光調光レンズをはじめとした外出に適したオプションレンズの売上が好調だったこと等により、売上高は堅調に推移しました。なお、JINSアプリの会員数が2023年8月末現在で約1,372万人となりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染者数の増減による影響は徐々に縮小し、足許ではほぼ影響はなくなりました。また、店舗展開につきましては、引き続き郊外ロードサイドを中心に出店を進めたことにより、前期から9店舗純増し国内直営店は473店舗となりました。

以上の結果、国内アイウエア事業の売上高は前年同期比5.3%増加しました。

海外アイウエア事業につきましては、中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響は、12月上旬に実質的にゼロコロナ政策が撤廃となり、その直後には一時的に業績は回復しました。足許では不動産市場の低迷や雇用情勢の悪化に伴い景気が減速しているものの、前年の新型コロナウイルス感染症の影響の反動により増収となりました。

台湾においては、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり、オプションとして取り揃えている日本製レンズが好評を博していること等により業績は順調に推移しておりました。

香港においても、新型コロナウイルス感染症の影響は限定的であり、業績は出店等により伸長しておりました。

米国においては、前期末に不採算店舗を閉店し、EC事業を中心とした事業規模の拡大を目指した事業構造改革を進めておりました。

以上の結果、海外アイウエア事業の売上高は前年同期比25.9%増加しました。

 

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は4,847百万円(前年同期比46.2%増)となりました。

国内アイウエア事業につきましては、売上原価については、円安による仕入れ価格の上昇は販売価格の変更をしたこと等により影響は限定的ではありましたが、期末において商品評価損を計上したことにより原価率は上昇しました。販売管理費については、人件費は出店数の増加や時給改定等により増加しましたが、広告宣伝費を抑制したこと等により売上高販管費率は改善しました。

海外アイウエア事業につきましては、いずれの国、地域においても前年の新型コロナウイルス感染症の影響の反動により増収となったことにより、コストの増加はあったものの営業利益は大幅に改善し、前年の赤字から黒字に改善しました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は3,739百万円(前年同期比1.3%減)となりました。

これは主に、持分法適用関連会社の投資損失を計上したことによるものであります。

 

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2,884百万円(前年同期比37.0%増)となりました。
 これは主に、減損損失等を計上したことによるものであります。前年比については、前年発生していた特別損失の反動によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,762百万円(前年同期比134.6%増)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益が増益になったことによるものです。

 

財政状態及びキャッシュ・フローの分析

(資産)

流動資産は、23,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,416百万円減少いたしました。

これは主に、転換社債型新株予約権付社債の償還等により現金及び預金が9,227百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、21,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ441百万円減少いたしました。

これは主に、新規出店等に伴い建物及び構築物等の有形固定資産が1,372百万円増加したものの、投資有価証券が1,153百万円、東京本社の移転等により敷金及び保証金が809百万円減少したことによるものであります。

以上により、総資産は、44,863百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,858百万円減少いたしました。

 

(負債)

流動負債は、11,270百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,428百万円減少いたしました。

これは主に、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が10,033百万円、買掛金が790百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、11,813百万円となり、前連結会計年度末に比べ198百万円増加いたしました。

これは主に、長期未払金が284百万円、長期借入金が120百万円減少したものの、資産除去債務が804百万円増加したことによるものであります。

以上により、負債合計は23,083百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,230百万円減少いたしました。

 

 

(純資産)

純資産合計は、21,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,372百万円増加いたしました。

これは主に、配当金の支払いにより303百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,762百万円を計上したことによるものであります。

 

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、出店等の設備投資によるものです。
 また、当社グループの運転資金及び出店資金については自己資本を基本としておりますが、必要に応じて設備投資や長期運転資金の調達について銀行借入及びリース契約を使用する場合があります。
 当連結会計年度においては、取引銀行5行と極度額10,800百万円、120百万元、15百万香港ドル及び13百万台湾ドルの当座貸越契約、取引銀行4行と総額8,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な投資資金の調達の実現を図っております。

加えて、2020年2月にアイウエア事業のさらなる拡大及び新規事業の開発や持続的成長を可能にするための投資等を目的とした総額20,000百万円のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。
 なお、当連結会計年度末における短期借入金は1,887百万円、長期借入金は45百万円、リース債務は569百万円であります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループで行っている主な研究開発活動は、国内アイウエア事業及び海外アイウエア事業に関するものであります。
 当連結会計年度において、「近視のない世界の実現」に向けた取り組みの一環として、バイオレットライトを用いた近視進行抑制メガネ型医療機器開発の共同プロジェクトを進めております。

これにより、当連結会計年度の研究開発費の総額は60百万円となりました。