文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、髪に関する悩みを抱える全てのお客様に対して、総合毛髪企業としてそのお客様に最も適した最高の品質と最良のサービスを提供することによって悩みの解決に努めるとともに、「お客様に満足頂ける毛髪文化を創造する」ことを経営理念としております。
この経営理念の実現に向けて当社グループでは、製品開発力の強化、生産体制の整備、カウンセリング、接客、技術等の営業面でのサービス体制の充実を図るとともに、コンプライアンス体制のさらなる強化、企業情報の積極的開示を行っていくことで株主や投資家を始めとしたステークホルダーから信頼され、支持される経営を目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上の拡大と効率的な経営を推進して、総合毛髪事業の拡大と収益力や資本効率の向上を目指し
ております。
そのため、売上高、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の3つを目標とする経営指標としております。
売上高につきましては、2020年3月期は営業基盤を継続的に拡大させることで売上高を着実に引き上げ、39,368百万円を計画しております。
また、引き続き収益構造を見直し、効率的かつ効果的な収益体制を実現することで売上高経常利益率の着実な引上げを目指してまいります。
さらには、株主の皆さまからお預かりした資本を効率的に活用し、企業価値の向上を目指すべく、自社の資本コストを的確に把握しROEを高めることを意識した経営を推進していきます。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、上記の目標とする経営指標をベースに2018年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「アートネイチャーREBORNプラン」を策定しております。
具体的には、「お客様満足」、「体制革新」、「人財育成」、「従業員満足」に基づく施策を確立していくことで、2020年3月期の連結売上高39,368百万円、売上高経常利益率8.7%、ROE8.0%を実現いたします。
(4)対処すべき課題とその対応策
当社グループの属する国内毛髪関連市場は、高齢化社会の進展、定年延長、女性労働の活性化、アンチエイジング志向の高まりなどにより需要の拡大が見込める一方で、毛髪業界のみならず、隣接業界との競合関係も厳しさを増していくものと推察されます。こうした環境下において、安定的な成長と企業価値の向上を目指すべく以下の課題に重点的に取組んでまいります。
第一に、国内外の市場において、お客様の数を増やすことです。当社はお客様のニーズに応えた最高の品質の製品と最良のサービスを開発し、定期的に市場投入すると同時に、お客様に対してより効果的な反響が得られるような広告宣伝を工夫し、需要の掘り起こしを図ってまいります。メンズ及びレディース部門では、お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで、安定的な成長を目指します。女性向け既製品ウィッグ(ジュリア・オージェ)部門は10周年を迎えましたが、女性向け営業体制の一本化によるレディース部門との連携の強化と、お客様一人ひとりに合った提案を徹底することで、業績の拡大を目指します。理容備品販売においても、新商品の投入により商品ラインアップを増やし、商品を拡充すると共に、当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指します。海外市場においては、中国、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要の掘り起こしを行い、業容の拡大に取組みます。
第二に、当社グループをより収益が生み出せる体制へ転換することです。当社グループの収益構造を見直し、あらゆる無駄を徹底的にそぎ落とすことで、固定費を圧縮し、損益分岐点を引き下げ、効率的かつ効果的な収益体制を実現してまいります。また、ペーパーレス化やシステム化等により効率化や合理化を進め、生産性を向上させてまいります。併せて、新領域の事業に踏み出してまいります。
第三に、多岐に亘るお客様ニーズへの対応力の引き上げです。当社では、正社員の約8割に当たる1,899名(2019年3月31日現在)が理容師または美容師の資格保有者です。これらの従業員の「技術力」「接客力」「商品提案力」といった基礎能力を引き上げ、お客様ニーズを満たし、お客様の信頼や満足度を高めていくことを目指してまいります。営業部門以外の従業員についても各分野のエキスパートになるために、教育研修制度の確立と自己研鑽を支援する仕組みを構築して、人財育成の充実を図ります。
第四に、高水準の人財を安定的に確保することです。当社では社員一人ひとりが活き活きと働いて、最大限のパフォーマンスを発揮できるように様々な施策を講じています。女性活躍推進法に基づく優良企業として「えるぼし」の認定を取得するなど、ダイバーシティマネジメントを推進しております。また、「働き方改革」の中での長時間労働の撲滅や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワークライフ・バランスを重視するとともに、健康経営を積極的に推進しております。今後も様々な施策を実践していくことで、従業員との一体感を醸成し、より働き甲斐のある職場を作ってまいります。
(5)株式会社の支配に関する基本方針について
当社が企業価値の維持・向上を実現するためには、中長期的な経営戦略に基づき、商品開発力の強化、人財の育成、グループ経営によるコスト低減、生産性向上を目指した事業展開を実施する等の種々の施策に継続的に取組むことが必要であり、また、取引先、従業員、地域住民等のステークホルダーとの信頼関係を維持していくことが不可欠であると考えております。
上記施策の継続的実施や取引先を始めとするステークホルダーとの信頼関係の維持が当社の株式の買付を行う者によって中長期的に確保されない場合は、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社取締役会は、上記の施策の継続的な実施及び取引先を始めとするステークホルダーとの信頼関係の維持が確保されない、即ち、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資さない当社株式の大量取得や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって当社に具体的な脅威が発生している訳ではなく、また、当社として、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めるものではありません。
しかしながら、当社としましては、株主・投資家の皆様から負託されました当然の責務として、当社株式取引や株主の異動を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と判断する措置を取るものとします。
具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や株式取得者との交渉を行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定し、実行する体制を整えるものとします。
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性のある事項について記載しております。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとは考えられない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在(2019年6月21日)において判断したものであります。
(1)海外生産について
当社の主力製品であるオーダーメードかつらの製造においては、手工業の工程が大きな割合を占めるため、その全量を人件費の低いフィリピン国に所在するANフィリピン社およびANMP社にて生産を行っております。
しかしながら、フィリピン国における、政治的・経済的・社会的情勢や、自然災害および政府当局が課す法的な規制または制限によって生産活動が影響を受ける可能性があります。さらには、海外子会社との取引が外貨建てであることから、為替相場の変動によって当社業績が影響を受ける可能性があります。
(2)特定商品への依存及び技術革新について
当社グループの売上高の内、お客様の注文に応じて個別に製作するオーダーメードかつらの売上高全体に占める割合が高く、当連結会計年度では56.4%を占めております。
発毛剤や植毛は当社主力製品であるオーダーメードかつらと競合関係にある商品、技術ですが、発毛剤はその効果に個人差があり、植毛技術にも植毛できる本数に限界があるなどの理由から、現在までのところ当社製品に対する大きな脅威にはなっておりません。しかし発毛に関して画期的な効果を有する発毛剤等が開発され市場に投入された場合、また本数に制限のない植毛や毛髪再生等の医療技術が開発されて事業化された場合には、当社グループの業績に与える影響は重大なものと考えられます。
(3)仕入先の集中について
当社はオーダーメードかつら等に使用する主要な原材料である人工毛髪の仕入について、品質面および安定供給確保等の観点から、国内メーカー2社からその大部分を仕入れており、原材料の仕入先が集中するリスクが内在しております。上記2社から仕入れている人工毛髪について一定量のストックを保有しておりますが、供給が何らかの事情でそれ以上の長期間に亘って停止した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(4)特定物流拠点への集中について
当社では、物流における納期短縮、経費削減を目的として、ヤマトロジスティクス株式会社の神奈川クイック通販ロジセンターと、大阪クイック通販ロジセンターの2拠点に当社商品の配送をアウトソーシングしております。この物流センターは通常想定される災害には十分耐えうる強度を備えておりますが、大規模災害等により、建物が全壊したり、交通手段が遮断されたような場合は、国内の当社店舗、連結子会社および当社グループ外の製造委託先との間の受発注および物流業務の一部に支障を来すことが予想されるために、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
こうした状態に備えるため、新潟県村上市に所在する従来の商品物流センターに、備品・毛髪等について、BCP(事業継続計画)のため一定量の在庫を置いております。
(5)顧客情報の漏洩、情報セキュリティについて
A.当社本体の情報管理体制について
当社のお客様は髪に関する悩みを有する一般個人であり、その情報は重要な情報です。したがって、その情報管理には細心の注意を払っております。
当社は、「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項(JIS Q 15001)」に準拠した個人情報保護マネジメントシステムを策定し、2006年8月に一般財団法人 日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)に対してプライバシーマークの取得申請を行いプライバシーマークを取得し、以降定期的に更新取得しております。
お客様に関するデータについては、顧客管理システムにてお客様情報の電子化、集中管理を実施する等、お客様情報管理体制の強化に万全を期しておりますが、万一、お客様データが外部流出した場合はお客様の個人情報の不正使用等が考えられ、社会問題化した場合には当社グループのブランド・イメージ低下によって事業活動および業績に重大な影響が出る可能性があります。
B. 業務委託先における情報管理体制について
当社の広告宣伝の主要な媒体の一つであるお客様向けダイレクトメールは、人件費効率を考慮して外部委託先に発送までの業務を委託しており、それに伴ってお客様の住所、氏名のデータを一時的に委託先に預けております。当社がお客様情報を外部に委託するに当たっては、「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項(JIS Q15001)」により、業務委託先における個人情報管理体制が当社の定める個人情報保護基準を充足していることを事前に確認した上で、秘密保持に関する契約書を取り交わしております。
さらに当社の担当者が訪問調査等を実施し、定期的に委託先の見直しを行っておりますが、万一、業務委託先での情報漏洩が発生した場合には、お客様の個人情報の不正使用等が考えられるため、当社グループの業務運営および業績に影響を与える可能性があります。
(6)人材確保について
当社の店舗で実施している業務には理容師法または美容師法の適用があり、お客様の対応に当るスタイリストは理容師または美容師の免許を有していることが必要です。そのため、当社では正社員の約8割に当る1,899名(2019年3月31日現在)が、理・美容師の資格を有しております。こうした人材確保のため、スタイリストの中途採用に当たっては、理容師または美容師の有資格者を採用しております。今後、必要な員数の理・美容師を確保出来ない場合には、要員不足によるサービスの低下を招き、当社の業績に影響が出る可能性があります。
(7)研究開発について
当社グループでは、毛髪に関する悩みを抱えるお客様に満足頂ける製品・サービスを提供することを企業戦略の要と位置づけて、「かつら・増毛商品」、「育毛・備品」の研究開発に注力しております。
しかしながら、当社の新製品・新サービスの提供は他社の新製品・新サービスと競合することから、常に当社の新製品・新サービスが市場に受け入れられるとは限りません。当社がお客様ニーズを読み間違えたり、技術革新に遅れを取った場合、当社グループの業績および成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8)製品の欠陥、品質管理、製造物責任について
当社グループが開発、製造する全ての製品について製造物責任賠償のリスクを内包しております。当社グループの主力製品であるオーダーメードかつらは頭部に直接装着するため、製品の欠陥、品質管理の不良などの理由によってお客様の頭皮等に悪い影響を及ぼした場合、当社はお客様より製造物責任を問われる可能性があります。製造物責任による損害賠償請求が行われた場合に、加入している製造物責任賠償についての保険でカバーされない損害賠償額については、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)ブランド力の維持について
当社が創業以来50年をかけて築いてきた「アートネイチャー」ブランドは、オーダーメードかつらを始めとする総合毛髪事業を展開する上で不可欠なものであります。また、著名な芸能人などを使った広告宣伝によって製品および当社の認知度を維持・向上させていくことは、当社グループの事業基盤拡大を図る上で非常に重要です。さらに、競合する他社の製品との差別化をより強固なものにしていくためにも、当社のブランド力の向上は重要であると認識しております。
しかしながら、当社が提供する製品やサービスがお客様ニーズの変化によってお客様の支持を得られなくなった場合、あるいはお客様の信頼獲得に悪影響を及ぼすような事態が生じた場合には、当社ブランド力の低下に繋がります。さらに、当社グループの各社において、コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の問題が発生した場合には、当社ブランドの毀損に繋がり、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(10)当社営業部員の訪問相談行為の特定商取引法への抵触について
当社では特定商取引法の目的とする消費者保護の観点から、同法を遵守した営業活動を行うよう、営業部員が訪問相談時に遵守すべき事項について教育研修の徹底、お客様との契約書等の整備を進めております。
しかしながら万一、当社の営業部員の訪問相談時の行為が、特定商取引法の定める訪問販売に関する規定に抵触した場合には、業務改善の指導、業務停止命令を受けることもあり、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(11)今後の法的規制強化の可能性について
当社の行っている毛髪事業は、上記の特定商取引法の他、消費者契約法、理容師法、美容師法、景品表示法、割賦販売法等による法的規制を受けております。今後これらの法令が変更された場合や新たな法令の制定があった場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)震災等大規模災害について
震災等の大規模災害が発生した場合においても、当社の生産・物流・販売等の機能を一定水準確保し、お客様に対する商品・サービス提供を継続することで社会的責任を果たすべく、事業継続計画を策定しております。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響に鑑み、事業継続計画の一部改定を実施しておりますが、災害の規模が想定を大きく上回る場合においては当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内における企業収益の改善、雇用環境の改善が続き、消費動向も緩やかながら拡大傾向で推移しましたが、各地での記録的な豪雨や台風、地震などの災害が相次いだことや米中の貿易摩擦の動向による世界経済の不確実性など先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社では2018年3月期を初年度とする「アートネイチャーREBORNプラン」の実現に向けて「お客様満足」、「体制革新」、「人財育成」、「従業員満足」の「4つのこだわり」を必ず実現させるべく「4つの実現」に進化させ、各種諸施策を実行してまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、37,985百万円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。売上高の増加、経費の効率的な使用により営業利益は3,227百万円(同25.1%増)、経常利益は3,308百万円(同22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,864百万円(同107.8%増)で増収増益となりました。
<男性向け売上高>
男性向け売上高については、お客様担当制強化によるお客様の定着推進、お客様満足度向上に向けた販売スタッフの技術力・接客力の強化等の営業基盤の整備強化が進んだことにより、リピート売上が増加したため22,086百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。
<女性向け売上高>
女性向け売上高については、展示試着会の効率的かつ効果的な開催、販売スタッフの技術・接客・商品提案力などのスキル強化、長期的かつ継続的にお客様とのつながりを持てる体制づくり等の諸施策を実施し、リピート売上が増加したため11,541百万円(同0.2%増)となりました。
<女性向け既製品売上高>
女性向け既製品ウィッグを販売する「ジュリア・オージェ」の売上高については、店舗毎のきめ細かなプロモーション、販売スタッフの技術・接客・商品提案力などのスキル強化等の諸施策を実施するとともに10周年キャンペーンが奏功し、既存店舗の売上高が増加し3,199百万円(同3.1%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2,082百万円増加し、42,971百万円となりました。これは、現金及び預金、売掛金等が増加したこと等により流動資産が1,780百万円増加し、繰延税金資産の増加等により固定資産が302百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ1,336百万円増加し、18,203百万円となりました。これは、未払法人税等の増加等により流動負債が1,424百万円増加した一方、長期借入金の減少等により固定負債が87百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べ746百万円増加し、24,767百万円となりました。これは利益剰余金が950百万円増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであり、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末比1,585百万円増加し、17,986百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益3,000百万円に加え、減価償却費975百万円、減損損失307百万円、退職給付に係る負債の増加225百万円、前受金の増加194百万円があった一方、法人税等の支払415百万円、売上債権の増加217百万円等により4,449百万円の資金収入(前連結会計年度は3,686百万円の資金収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出1,112百万円、無形固定資産の取得による支出151百万円等により1,333百万円の資金支出(前連結会計年度は1,000百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出400百万円、自己株式の取得による支出147百万円、配当金の支払914百万円等により1,481百万円の資金支出(前連結会計年度は1,756百万円の資金支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
A.生産実績
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の生産実績を示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
枚数(枚) |
前年同期比(%) |
|
|
オーダーメードかつら |
67,538 |
98.3 |
(注) 当社グループは、取り扱う品種が多品種であり、販売価格による表示が困難なため、生産数量にて記載しております。
B.受注実績
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の受注状況を示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|||
|
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
オーダーメードかつら |
21,639 |
100.9 |
8,286 |
105.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
C.販売実績
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
|
前年同期比(%) |
|
|
男性向け事業(百万円) |
22,086 |
102.4 |
|
|
女性向け事業(百万円) |
11,541 |
100.2 |
|
|
女性向け既製品事業(百万円) |
3,199 |
103.1 |
|
|
報告セグメント計(百万円) |
36,828 |
101.8 |
|
|
その他(百万円) |
1,157 |
108.8 |
|
|
合計(百万円) |
37,985 |
102.0 |
|
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度における収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
A.貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。連結子会社については、個々の債権の回収可能性を検討して計上しております。
B.賞与引当金
従業員の賞与支給に備えるため、賞与支給見込額の当連結会計年度負担額を引当計上しております。
C.役員賞与引当金
役員の賞与支給に備えるため、賞与支給見込額の当連結会計年度負担額を引当計上しております。
D.商品保証引当金
商品の無償保証契約に基づく修理費に充てるため、過去の修理実績に基づきその必要額を見積もり計上しております。
E.ポイント引当金
ポイント制度に基づき付与したポイントの利用に備えるため、使用実績率に基づき将来利用されると見込まれるポイントに対し、その費用負担額を計上しております。
F.退職給付に係る負債
従業員に対する退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
G.固定資産の減損
当連結会計年度において、収益性低下などにより投資額の回収が困難と見込まれる事業用資産について減損処理を行っております。
H.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討して回収可能見積額を計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A.経営成績等の分析
2018年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の2019年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりです。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の売上高については、37,985百万円(期初計画比0.0%減)となりました。利益について営業利益は3,227百万円(同15.4%増)、経常利益は3,308百万円(同17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,864百万円(同22.9%増)となりました。
ROEは、計画比1.4ポイント増の7.7%となりました。
|
指標 |
2019年3月期(計画) |
2019年3月期(実績) |
2019年3月期(計画比) |
|
売上高 |
38,000百万円 |
37,985百万円 |
0.0%減 |
|
営業利益 |
2,796百万円 |
3,227百万円 |
15.4%増 |
|
経常利益 |
2,813百万円 |
3,308百万円 |
17.6%増 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
1,517百万円 |
1,864百万円 |
22.9%増 |
|
ROE(自己資本利益率) |
6.3% |
7.7% |
1.4ポイント増 |
(注) 2019年3月期(計画)には、2018年5月15日に発表いたしました業績予想を記載しております。
B.キャッシュ・フローの状況の分析
a.キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
|
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
55.8 |
58.0 |
58.5 |
58.6 |
57.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
88.4 |
82.4 |
59.2 |
57.0 |
48.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
59.9 |
51.6 |
27.9 |
21.7 |
9.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
2,889.2 |
261.3 |
468.3 |
566.6 |
1,161.7 |
(注)各指標の算出は、以下の算式によります。
自己資本比率=自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率=時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式除く)を乗じて算出しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.契約債務
2019年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
|
年度別要支払額(百万円) |
||||
|
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
|
短期借入金 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
398 |
398 |
- |
- |
- |
|
リース債務 |
7 |
7 |
- |
- |
- |
上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
c.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
2019年3月31日現在、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の残高は398百万円であります。また、当連結会計年度末において、取引銀行3行と5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高5,000百万円)。
(3)経営者の問題認識と今後の方針
当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループを取り巻く外部環境は、国内経済や消費動向は緩やかに拡大しているものの、隣接業界を含め新規参入企業や同業他社との競争激化などの影響も加わって、引き続き厳しいものと考えております。
このような経営環境の中、2019年3月期は当初予定通りに増収増益を達成し、引き続いて将来に亘って持続的な成長を果たすために、新規のお客様の獲得に加え、既存のお客様の定着に向けた諸施策を、全社一丸となって取組んでいく所存です。
メンズ部門については、業界トップ企業として地位を確固たるものとすべく安定的な成長を目指します。レディース部門については、ウィッグの新規ユーザーの裾野が広がり、今後も需要が拡大していく市場と考えており、経営資源を重点的に投下することで、継続的な成長を図ってまいります。
これらを実現するための戦略として、営業面では、メンズ・レディース部門とも、お客様にとって魅力ある新商品を定期的に市場投入するとともに、効率的な広告宣伝によってお客様に当社製品の品質の高さを訴求してまいります。また、お客様の数を増やすと共に、お客様満足度の向上によるお客様の定着化を高めることで、リピート販売の推進を図ってまいります。
女性向け既製品ウィッグ(ジュリア・オージェ)部門は10周年を迎えましたが、女性向け営業体制の一本化によるレディース部門との連携の強化と、お客様一人ひとりに合った提案を徹底することで、業績の拡大を目指します。理容備品販売においても、新商品の投入により商品ラインアップを増やし、商品を拡充すると共に、当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指します。海外市場においては、中国、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要の掘り起こしを行い、業容の拡大に取組みます。
製品開発・生産に関しては、確立された開発フローに沿って新製品の開発を計画的に進めるとともに、海外生産子会社での一層の生産性向上と、さらなる原価低減に取組み、生産から販売までの一貫体制の充実を図ってまいります。
さらに、上記の戦略を実現していくため、お客様のニーズに的確に対応できるカウンセラー、スタイリストや販売スタッフの育成に向けた研修の充実と、マネジメント層の育成など人財教育に注力してまいります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、総合毛髪事業において、最高の品質と最良のサービスを提供することにより、お客様に満足頂ける毛髪文化を創造していくために、「かつら・増毛商品」、「育毛・備品」の研究開発に注力しております。なお、研究開発活動をセグメントに配分することは困難なため、「かつら・増毛商品」、「育毛・備品」に分けて以下記載しております。
(1)「かつら・増毛商品」
「かつら・増毛商品」分野では、当社商品開発部を中核としてANMP社の研究開発セクションと連携して、高度化・多様化するお客様ニーズに対応することにより、お客様の満足を得られる商品を提供することが出来るよう、メンズ・レディース製品、かつらのベース及び毛髪素材の開発やかつらのベースに対する植毛方法の改良に取り組んでおります。
また、各製造子会社では、当社商品開発部の依頼による試作の他、製造子会社独自に製品の開発及び既存製品の改良を行っております。
当連結会計年度における「かつら・増毛商品」の研究開発の成果としましては、男性向け新増毛商品として、2018年9月に、増やしたいところに増やしたい分だけ髪が増やせ、さらに、自毛が伸びても増毛位置を元に戻すこともできる「マープコントロールシステム」を発売しました。続く2019年3月には、結び目を従来よりも小さくする新技術を取り入れた新増毛「マープアドバンス」を開発し、自毛を育てる育毛施術と自毛を増やす増毛施術のどちらにも取り組むことで、育てながら増やす次世代ヘア・トータルサポート「ワープ」を発売しました。
女性向けには2018年9月、パフィールシリーズから、「軽い」、「柔らかい」、「薄い」の三大特徴を継承しつつ、ボリューム感やふんわり感がさらにアップした「パフィールふわり」を発売しました。2019年3月には、ブラシで軽くとかすだけでスピーディに自毛と絡んでフィットさせる「キャッチベース」(つかんdeレース)と、フロントラインが見えにくくなり、より自毛となじむ「うぶ毛構造フロント」(うぶ毛レース)を採用した「パフィールモアリッチ」を発売しました。
(2)「育毛・備品」
「育毛・備品」分野では、かつらの装着部材(粘着剤・テープ・ストッパー等)やメンテナンス商品(トリートメント、スタイリング剤等)の開発に加え、お客様の毛髪や頭皮の状態にあったシャンプー、トリートメント、コンディショナーや、育毛剤、健康食品等、通販向け商品を含めたヘアケア及びスキンケア関連商品の開発を幅広く行っております。
当連結会計年度においては、2018年6月、LABOMOシリーズから夏向けの冷感ヘアケアシリーズ「LABOMO cool cubeシリーズ」を発売しました。同じく2018年11月、手荒れに悩むスタイリストの声を参考に開発した、医薬部外品のハンドクリーム「LABOMO silky softハンドクリーム(ローズの香り)」を発売しました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は