(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、円安と株価上昇を背景に、企業収益や雇用環境の改善が続き、景気は緩やかな
回復基調で推移いたしました。しかしながら、年明けからは、中国経済の減速懸念、原油の安値長期化などによる世
界的な株安の影響で、株価は下落を始め、また安全資産としての円が買われており、円高の動きが見られるなど、先
行きは不透明な状況となっております。衣料品小売業界におきましては、実質賃金の改善が進まず、個人消費の停滞
が続いており、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況のもと、当社は、販売面におきましては、より多くのお客様にご来店いただき、販売機会の拡大を
図るため、手配りチラシの活用、店頭ディスプレイでの賑わい演出などによる、集客力の向上に努めてまいりました
また、マンスリーキャンペーンとして、月ごとのテーマに沿った商品投入・販促の実施・販売手法の提案を行う取り
組みを実施し、各店舗の販売力強化を図ってまいりました。しかしながら、当事業年度において、具体的な成果を出
すまでには至らず、既存店の客数前年比は88.4%と前年を下回る結果となり、売上高前年比は既存店で93.1%、全社
の売上高前年比は92.0%となりました。
商品面におきましては、ブランド商品の拡充を行い、魅力ある品揃えを推進するとともに、販売ピーク時の店舗在
庫を質・量ともに最適化するため、商品投入の早期化を行い、プロパー販売の強化を図ってまいりました。しかしな
がら、第3四半期累計期間まで前年を上回っていた荒利率は、暖冬により防寒物の値下げ販売を強いられたこともあ
り通期では、前年を0.3ポイント下回る48.6%となりました。
コスト面におきましては、アルバイト店長の登用などによる、店舗運営の効率化を進め、人件費の見直しを図るな
ど、経費削減に努めてまいりました。その結果、人件費は前年より1億46百万円減少の13億64百万円となり、販管費
合計では前年より2億6百万円減少の31億44百万円となりました。
店舗戦略におきましては、「METHOD」3店舗、「流儀圧搾」1店舗、「METHOD COMFORT」1店舗(アウトレット
店)、「AGIT POINT」3店舗の合計8店舗を出店する一方で、「METHOD」5店舗、「流儀圧搾」3店舗、「AGIT
POINT」1店舗の合計9店舗を閉店いたしました。その結果、当事業年度末の店舗数は「METHOD」36店舗、「流儀圧
搾」30店舗、「METHOD COMFORT」2店舗(アウトレット店)、「AGIT POINT」4店舗、「誓文払い」1店舗(アウト
レット店)の合計73店舗となりました。
特別損益では、長期債権の一括回収によって64百万円の特別利益を計上し、店舗の減損損失等で42百万円の特別損
失を計上しております。また、法人税等では、繰延税金資産の取崩しによって1億70百万円の法人税等調整額を計上
しております。
以上の結果、当事業年度における売上高は62億85百万円(前年同期比8.0%減)、営業損失は87百万円(前年同期
比81百万円損失増)、経常損失は1億3百万円(前年同期比86百万円損失増)、当期純損失は2億59百万円(前年同
期比1億65百万円損失増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、営業活動により48百万円減少、
投資活動により1億86百万円減少、財務活動により1億3百万円減少し、12億23百万円となり、前事業年度末に比較
して3億39百万円の減少となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は48百万円(前期比1億72百万円減)となりました。
これは主に、税引前当期純損失82百万円に加え、償却費等の内部留保の合計1億76百万円、売上債権の減少76百万円
等による資金の増加、貸倒引当金の減少66百万円、その他の負債の減少66百万円、未払消費税等の減少70百万円等に
よる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1億86百万円(前期比1億18百万円減)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収90百万円等による資金の増加、新規出店等のため有形固定資産の取得2億8百万円
敷金及び保証金の差入による支出38百万円等による資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は1億3百万円(前期比2億16百万円減)となりました。
これは主に、社債の発行による収入1億95百万円等による資金の増加、長期借入金の返済による支出1億79百万円、
社債の償還による支出1億20百万円等によるものであります。
(1)仕入実績
商品別仕入高は次のとおりであります。
<商品別仕入高>
|
商 品 別 |
当事業年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比 (%) |
|
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
||
|
シ ャ ツ |
150,661 |
4.6 |
82.7 |
|
ニ ッ ト (セーター・トレーナー等) |
1,014,998 |
31.3 |
91.5 |
|
ボ ト ム ス |
400,554 |
12.3 |
82.3 |
|
ブ ル ゾ ン |
867,051 |
26.7 |
101.1 |
|
小 物 ・ 雑 貨 |
664,675 |
20.5 |
95.6 |
|
そ の 他 |
147,261 |
4.5 |
85.7 |
|
合 計 |
3,245,202 |
100.0 |
92.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
商品別及び地区別の売上高は次のとおりであります。
<商品別売上高>
|
商 品 別 |
当事業年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比 (%) |
|
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
||
|
シ ャ ツ |
299,992 |
4.8 |
78.3 |
|
ニ ッ ト (セーター・トレーナー等) |
2,053,801 |
32.7 |
95.9 |
|
ボ ト ム ス |
806,539 |
12.8 |
83.8 |
|
ブ ル ゾ ン |
1,610,907 |
25.6 |
94.3 |
|
小 物 ・ 雑 貨 |
1,271,965 |
20.2 |
96.6 |
|
そ の 他 |
242,121 |
3.9 |
75.6 |
|
合 計 |
6,285,328 |
100.0 |
92.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
<地区別売上高>
|
地 区 別 |
当事業年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比 (%) |
|
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
||
|
北 海 道 |
262,254 |
4.2 |
87.9 |
|
関 東 |
2,749,232 |
43.7 |
92.9 |
|
中 部 |
781,206 |
12.4 |
81.4 |
|
近 畿 |
1,629,569 |
25.9 |
93.0 |
|
中 国 ・ 四 国 |
321,826 |
5.1 |
99.9 |
|
九 州 |
541,238 |
8.6 |
99.9 |
|
合 計 |
6,285,328 |
100.0 |
92.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 現状の認識について
当社の属するカジュアルウェア市場におきましては、消費者のモノ・サービスに対する選別は厳しさを増し、企業は更なる経営努力が要求されております。このような状況において、今後の成長を図るためには、常に新しい価値を提供し、消費者の選択を得ることが必要不可欠な状況にあると認識しております。
(2) 当面の対処すべき課題
当社は今後の長期安定的な成長を図るために対処すべき課題として、大量販売店とは一線を画した事業戦略の推進、新規業態の育成およびブランド力の強化、人材の育成と環境変化への対応力の強化に取組むことが必要である
と認識しております。
消費税の増税、高齢者層の増加、人口の減少、消費嗜好の多様化等の環境変化により、当社が属するカジュアル
ウェア市場において、企業間競争が更に激化するものと考えており、これらの課題についても、対処が必要である
と認識しております。
(3) 対処方針
大量販売店とは一線を画した事業戦略の推進につきましては、適時適量の商品投入によるコントロールを徹底し、
在庫を抑制、少数の売れ筋商品を大量販売するのではなく、多種多様な商品を回転させて売場に変化を与え、鮮度を
保つことによって魅力あるショップを構築してまいります。ブランド力の強化につきましては「AGIT POINT」ブラン
ドの確立に注力を行ってまいります。「AGIT POINT」店は、バッグを中心として特徴のある雑貨商品群を取り揃えた
ショップブランドであり、売場面積20坪から30坪程度の小型店舗で多店舗展開することによりブランド認知度を高め
雑貨分野において当社の優位性を確立することを目指しております。
また、新たな分野への進出を目指して新規事業の開拓を進めてまいります。
(4) 具体的な取組状況等
AGIT POINTの出店を進め、新店3店舗を出店いたしました。その結果、当事業年度におけるAGIT POINTの店舗数は
4店舗となりました。また、インターネットによる販売等の事業に取り組んでまいりました。
当社の経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものが存在します。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日(平成28年5月25日)現在において、当社が判断したものであります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避、および発生した場合の対応に努める所存であります。
(1) 消費者の嗜好の変化などに伴うリスク
当社が取扱う衣料品や雑貨などのファッション商品は、景気の変動による個人消費の低迷や他社との競合に伴う市場の変化といった要因に加えて、ファッショントレンドの移り変わりにより消費者の嗜好の変化による影響を受けやすく、当初計画した売上を見込めない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 気象状況などによるリスク
当社が取扱う衣料品や雑貨などのファッション商品は、気象状況により売上が変動しやすいため、商品の投入サイクルを短縮するなどの対応を行っております。しかし、冷夏暖冬など天候不順、台風などの予測できない気象状況により、本来大きな売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩む場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新規業態に伴うリスク
当社は、企業価値を高めていくために、顧客や市場の変化に柔軟に対応した業態開発やブランド開発に積極的に取組んでおります。事業投資については、十分な調査・研究をしておりますが、市場環境が急速に変化する場合もあり当初計画した売上を見込めない場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 仕入先に関するリスク
当社は、仕入先の経営状況については、信用度を把握するための内部体制強化を図っております。しかしながら仕入先の信用不安や経営環境の悪化、経営破綻などにより商品供給能力が著しく減少し、当社への商品納入が滞り売上減少等の損失が発生する場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 店舗賃借に伴うリスク
当社の店舗は、全て賃貸物件であり、店舗賃借のために貸主に対して保証金を差し入れております。貸主によりその内容は異なりますが、基本的に保証金は契約期間が満了しなければ返還されないこととなっております。また貸主により売上代金を一定期間、貸主に預ける契約となっている場合があります。従いまして、契約期間中における貸主の倒産やその他の事由により、差し入れた保証金の一部もしくは全部が回収できなくなる場合や、売上代金の一部を回収できなくなる場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 顧客情報の流出に関するリスク
当社は、お客様から得た個人情報に関しては絶対に漏洩が生じないよう、社員教育の徹底等、万全の対策を講じております。しかし、何らかの事情により、お客様の個人情報が漏洩した場合は、信頼の毀損により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 出退店に関するリスク
出店につきましては、当社は今後も積極的に新規出店を行い業容の拡大に努めてまいりますが、新規出店候補先のショッピングセンターの出店計画の変更などで当社の出店ペースが鈍化したり、新規出店店舗の業績が計画値と乖離した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
退店につきましては、スクラップアンドビルドまたは、収益力の低下等の理由により実施してまいりますが、固
定資産除却損等の一時費用が発生する可能性があります。収益力の低下の理由による場合は、退店前に減損損失が
発生する場合があります。
また、賃貸店舗につきましては定期建物賃貸借契約を締結している場合がありますが、借地借家法第38条により
契約期間満了後、当社に再契約の意思があっても、相手方の意思により再契約締結ができない可能性があります。
この場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 臨時従業員のコストに関するリスク
当社は多数の臨時従業員を雇用しております。臨時従業員は当社の従業員に占める比率が高いため、法令の改正改雇用条件の変化等の要因により臨時従業員に係る費用が増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき重要な事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成28年5月25日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部 企業情報、第5 経理の状況、財務諸表等 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態及び経営成績の分析
① 財政状態の分析
(資産)
1)現金及び預金
当期の現金及び預金の残高は、前期と比べて3億39百万円減少の12億23百万円となりました。これは、当期における事業活動の結果、営業活動によるキャッシュ・フローが48百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが1億86百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1億3百万円の支出となった結果であります。
2)商品
当期の商品の残高は、前期と比べて16百万円増加の8億19百万円となりました。これは主としてボトムスが前期と比べて20百万円減少の1億10百万円、ニットが前期と比べて4百万円減少の1億84百万円、ブルゾンが前期と比べて25百万円増加の2億72百万円、シャツが前期と比べて6百万円増加の35百万円等によるものであります。
(負債)
3)長期借入金(一年内返済予定の長期借入金含む)
当期の長期借入金の残高は前期と比べて1億79百万円減少の4億2百万円となりました。これは主として返済によるものであります。
4)社債(一年内償還予定の社債含む)
当期の社債の残高は前期と比べて80百万円増加の5億5百万円となりました。これは主として社債の発行及び償還によるものであります。
(純資産)
5)利益剰余金合計
当期の利益剰余金合計の残高は前期と比べて2億59百万円減少の12億31百万円となりました。これは主として当期純損失によるものであります。
② 経営成績の分析
1)売上高
当期の売上高につきましては、前期と比べて5億47百万円減(前期比8.0%減)の62億85百万円となりま
した。これは主として、既存店の売上高が前年比で6.9%減になったことによるものであります。
2)売上総利益
当期の売上総利益につきましては、前期と比べて2億87百万円減(前期比8.6%減)の30億57百万円とな
りました。これは主として、売上高が前期比8.0%減になったことによるものであります。
3)販売費及び一般管理費
当期の販売費及び一般管理費につきましては、前期と比べて2億6百万円減(前期比6.2%減)の31億44百万円となりました。これは主として、人件費の減少等によるものであります。
4)営業外損益
当期の営業外費用につきましては、前期と比べて2百万円増(前期比11.8%増)の21百万円となりまし
た。これは主として、社債利息等の増加によるものであります。
5)特別損益
当期の特別利益につきましては、前期と比べて64百万円増(前期実績なし)の64百万円となりました。これは、長期債権の一括回収によるものであります。特別損失につきましては、前期と比べて52百万円減(前期比55.2%減)の42百万円となりました。これは主として、減損損失の減少等によるものであります。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
カジュアルウェア市場全般について、外的要因として、国内の景気動向、消費環境、天候、気温、流行等が大きく変動する場合に影響を受けます。
(4)経営戦略の現状と見通し
現状は、長期安定的な成長を遂げていくことを重要な経営課題として、大量販売とは一線を画した事業戦略の推
進、将来の成長に向けたブランド力の強化、新規業態の成長戦略を進めております。次期の経済情勢につきまして
は、世界的な経済環境は引き続き不安定な状況で推移し、国内においても、景気を押し下げる要因である、株価の
下落、円高の進行、個人消費の停滞などのリスクが存在しており、厳しい経営環境で推移するものと予想されます。
このような状況において、当社は、商品力の強化、販売戦略の徹底、構造改革をテーマとする取り組みを進め、
業績の回復を図ってまいります。また、店舗戦略は、既存店の強化を中心として、改装・不採算店舗の撤退などの
施策を推進し、利益体質の強化を目指してまいります。
その結果、次期の業績の見通しにつきましては、売上高60億40百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益50百万円
(前年同期比1億37百万円増)、経常利益30百万円(前年同期比1億33百万円増)、当期純利益10百万円(前年同期比
2億69百万円増)を見込んでおります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当期の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて48百万円の支出、投資活動のキャッシュ・フローにおいて2億77百万円の投資を実施、退店並びに契約変更に伴う敷金及び保証金の返還、長期債権の一括回収等により90百万円を回収し、差引きで1億86百万円の支出となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて1億95百万円の資金調達を実施、長期借入金1億79百万円を返済、社債1億20百万円を償還し、1億3百万円の支出となりました。その結果、現金及び現金同等物の当期末における残高は前期と比べて3億39百万円減少の12億23百万円となり、今後の経営に必要な資金は十分に確保しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
高齢者層の増加、人口の減少、消費嗜好の多様化等の環境変化により、当社が属するカジュアルウェア市場につ
きましても企業間競争はさらに激化するものと考えております。
これに対応するため、コンサルティングセールス、付加価値の高い商品など、当社の強みを生かせる分野に経営
資源を投入して、その分野におけるブランドイメージを確立させ、「METHOD」、「流儀圧搾」に続く核となるブラ
ンドを育成・展開することにより長期安定的な成長戦略を実施してまいります。