(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)の経済概況は、期間の初め円高等により生産や
輸出に減速傾向が見られましたが、期間の中頃より海外経済の持ち直し等を背景に回復局面へと移行しました。ま
た、インバウンド消費のいわゆる爆買いは沈静化しましたが、米国大統領選挙の直後より、円安への急転換や、株
式相場の上昇等が見られました。
外食産業全般では、求人難とともにパート・アルバイト時給の高止まりは変わらない中、顧客の価格重視傾向も再び強まりを見せ、企業間競争は引き続き厳しいまま推移しました。また、夏場の繁忙期には、オリンピックや台風・降雨等による外出の抑制傾向がみられ、業績に影響を与えました。
このような環境下で当社グループは、引き続き抑制した投資姿勢を維持しつつ、当連結会計年度中に3店舗(愛知県3店舗)を新規に出店し、11店舗で改装を実施しました。また、不動産賃貸借契約の期間満了に伴い、3店舗(愛知県2店舗、静岡県1店舗)を退店しました。
これらの結果、当連結会計年度末のグループ店舗数は83店舗(前期末比増減無し)となりました。
営業面では、10月に一部商品の売価を若干値上げするとともに、引き続き商品・サービス・設備等の改善に努め、労務管理の徹底等も含め、営業運営体制の強化を図りました。また、ES(従業員満足)の向上によるCS(顧客満足)の向上を目的とした「サンクスカード制度(従業員同士を互いに褒め合う制度)」を強化推進する等、組織力の底上げやサービスレベルの向上にも努めましたが、残念ながら既存店売上高は前年同期比99.7%と、5期振りの前年割れとなりました。
原価面では、米・野菜等の原材料価格高に加え、値引き販売等の影響もあり、自社グループ工場で新たに2品目の製品を開発する等、原価低減にも努めましたが、売上原価率は前年同期比0.4ポイント悪化しました。
また、販売費及び一般管理費では、エネルギー単価が低位推移しましたが、時給単価の上昇等で人件費負担が増加したこと等により、販売費及び一般管理費の売上に占める割合は同0.3ポイント悪化しました。
以上により、当連結会計年度の売上高は6,637百万円(前期比0.3%の減収)となりました。
利益面では、原価および人件費の増加が重く、営業利益は148百万円(同24.1%の減益)となり、経常利益も150百万円(同17.3%の減益)となりました。
また、特別損失として、契約期間満了のため将来3店舗の退店を見込んだことによる減損損失68百万円、賃貸していた店舗の固定資産を売却したことによる固定資産売却損2百万円、および11店舗の改装に伴う固定資産除却損3百万円、以上合計74百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は40百万円(同3.6%の減益)となりました。
部門別の状況は、次のとおりです。
(クイックサービス部門)
当部門は、「一刻魁堂」業態、およびその派生業態の「一刻魁堂/真一刻」でありましたが、当連結会計年度中に「ロンフーエアーキッチン」業態を新たに開発し出店しました。同業態は、空港のフードコート立地という特性に合わせ、「一刻魁堂」業態のラーメンと、「ロンフーダイニング」業態のチャーハンを融合させ、特にチャーハンは新感覚の「混ぜて食べるカップチャーハン」を新規に開発しました。この結果、同店舗は、計画を大幅に上回る好調な売上で推移しました。
また、当期間の新規出店は、「一刻魁堂」1店舗(一宮インター店)、および「ロンフーエアーキッチン」1店舗(セントレア店)の計2店舗でした。また「一刻魁堂」7店舗(アピタタウン稲沢店・東海店・イオンモール神戸北店・豊田南店・みよし店・アピタ千代田橋店・土岐店)で改装を実施し、これまでと同様に老朽化した内外装の修繕等を進めた他、売上増加や提供時間の短縮を目指した客席増設やキッチンレイアウト変更にも重点を置きました。また、「一刻魁堂」3店舗(岡崎店・セントレア店・藤枝店)を退店しました。
これらの結果、当連結会計年度末の当部門の店舗数は60店舗(前期末比1店舗の減少)となり、内訳として、「一刻魁堂」56店舗(同2店舗の減少)、「一刻魁堂/真一刻」3店舗(同増減無し) 、および「ロンフーエアー
キッチン」1店舗(同1店舗の増加)となりました。
商品面では、「春の塩野菜タンメン」、「うなぎ冷麺」、そして昨年好評だった「一刻油そば」に続き、冬の定番メニュー「野菜みそバターラーメン」では広島県産の牡蠣を使用した「牡蠣入り野菜みそバターラーメン」等、季節商品を継続的に投入する一方で、麺・ラーメンタレ等の基礎食材の品質向上にも努めました。また、脇役の強化も図り、新開発ドレッシング等サラダ品質の向上、ギョーザやラーメン等にも合う自社製ラー油「一刻十一味辣油(いっこくじゅういちみらーゆ)」の新開発とテーブル設置等も進めました。
また、販売促進策として、クーポン付の新聞広告に加え、スマートフォン向けアプリを利用したリピーターの囲い込み等も推進しました。
以上の結果、当部門の既存店売上高は、平成25年10月より34か月の間、一貫して前年同月の売上高を超えていましたが、当連結会計年度中の平成28年8月に水面下に割り込み、その後、年度の終わり頃に再び水面上へと回復しました。この結果、通期の既存店売上高は、前期比100.0%となり、客数は同98.6%となりました。
また、新店を含めた部門合計の売上高は4,734百万円となり、前期比1.1%の減収となりました。
(カジュアルサービス部門)
当部門は、「ロンフーダイニング」業態、およびその派生業態である「ロンフービストロ」であり、当連結会計年度中の新規出店は、「ロンフービストロ」1店舗(KITTE名古屋店)でした。また、「ロンフーダイニング」4店舗(博多1番街店・ゆめタウン呉店・イオンモール岡山店・イオンモール木曽川店)で改装を実施しました。
これらの結果、当連結会計年度末の当部門の店舗数は23店舗(前期末比1店舗の増加)となりました。内訳として、「ロンフーダイニング」20店舗(同増減無し)、および「ロンフービストロ」3店舗(同1店舗の増加)となりました。
商品面では、期間限定でのフェア開催や、冬季の「紅ずわい蟹と帆立のチャーハン」等、高付加価値商品の開発投入の他、「担々麺」等の主力商品のブラッシュアップにも取り組み、「麻婆豆腐」の辛さでは当社過去最強の辛さ「デビルスタイル」を開発し導入しました。また、週末ランチタイムに「選べるチャーハンのホリデーランチ」を、ディナータイムには人気メニューの「酢豚」等を「麻婆豆腐」とセットで食べられる定食メニューも展開しました。
販売強化策としては、ビルイン型の店舗でサンプルケースの内容変更やタペストリーの新設等、店頭プレゼンテーションの強化を図った結果、10月頃より各時間帯の客数が力強く回復してきました。また、フードコート型の店舗では、メニューボードの商品提案方法、および注文時の段階的なセールストーク等の新たな販売手順を導入した結果、導入後は客数・客単価ともに大幅に伸び、対象店3店舗の合計では売上高前年同月比で各月120%を超える水準を維持しました。
以上の結果、当部門の既存店売上高は、当初前年割れの傾向にありましたが、10月以降は回復基調が鮮明となった結果、前期比98.8%となり、客数は同99.6%となりました。
また、新店も含めた部門合計の売上高は1,829百万円となり、前期比2.0%の増収となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、551百万円になりました。
なお、連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は391百万円となりました。これは主に、減価償却費214百万円、税金等調整前当期純利益75百万円があった一方、法人税等の支払による支出83百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は197百万円となりました。これは主に、3店舗の新店および業態転換を含む11店舗のリニューアル改装等に伴う有形固定資産の取得による支出169百万円、敷金及び保証金の差入による支出27百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は170百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入700百万円があった一方、長期借入金の返済による支出840百万円、リース債務の返済による支出14百万円および配当金の支払による支出16百万円があったことによるものです。
当社グループは、中華の飲食事業ならびにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しています。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりです。
|
品目 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
麺 |
148,640 |
90.2 |
|
チャーシュー |
138,637 |
94.4 |
|
ギョーザ |
85,152 |
87.0 |
|
マーボーミンチ |
78,806 |
109.2 |
|
その他 |
460,008 |
105.0 |
|
合計 |
911,245 |
99.1 |
(注)1 上記は名古屋センター、有松工場における生産実績です。
2 金額は製造原価によって表示しています。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4 その他は、タレ・調味料等です。
(2)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりです。
|
品目 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
麺類 |
151,684 |
101.8 |
|
野菜類 |
189,357 |
104.4 |
|
スープ類 |
218,106 |
116.7 |
|
肉類 |
267,683 |
87.5 |
|
精米類 |
98,491 |
121.2 |
|
酒・ドリンク類 |
114,530 |
122.0 |
|
その他 |
839,776 |
98.3 |
|
合計 |
1,879,631 |
101.4 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 その他は、タレ・調味料等です。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりです。
|
部門 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
クイックサービス部門 |
4,734,968 |
98.9 |
|
カジュアルサービス部門 |
1,829,199 |
102.0 |
|
その他 |
73,693 |
97.4 |
|
合計 |
6,637,861 |
99.7 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 その他は、食材売上です。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、「おいしさと楽しさを創造し、笑顔あふれる社会づくりに貢献するとともに、一人ひとり
の成長と幸せを実現する」を経営理念に掲げ、事業展開を進めています。
これは、おいしさと楽しさに関する事業分野において、顧客満足を通じて地域貢献を果たすとともに、収益
向上と納税正義により社会貢献を果たすこと、また働く社員がともに成長し幸せになっていくことが、当社グ
ループ経営の根本であるという考えを示したものです。
この基本方針に基づき、業態および商品力、店舗営業力、生産技術、社内管理技術等々の向上を図り、企業
価値の拡大に向け、全力を傾注していきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、健全な成長と経営の安定性を確保するため、経営指標として①1店舗当たりの平均月商、
②売上高対経常利益率、③ネットDEレシオを採用しています。
平成29年3月期の1店舗当たりの平均月商は661万円でしたが、これを早期に750万円まで引き上げることを
目標としています。同様に売上高経常利益率は同2.3%でしたが、同5%を当面の目標としています。また、
ネットDEレシオにつきましても、同1.35でしたが、引き続き目標値1.0の達成を目指します。
当社グループは、これらの数値目標を達成するため、業態力・商品力の強化、営業力・組織力の向上、M&A
の実施、労務環境の整備等の施策を推進していきますが、今後は更なるブラッシュアップを継続し、数値目標
を実現していきます。
(3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略
国内の外食マーケットは、マクロ的な観点では大きな拡大は見込めず、更には同業他者や中食との競合激
化も避けられない状況にありますが、独自性に強みがある業態には伸びる余地があると考えます。また、イン
バウンド消費や、海外マーケットにも成長の可能性を見出すことが出来ます。
当社グループは、企業規模拡大が収益拡大に直結できるよう、業態力基盤、組織力基盤、人材育成基盤、お
および内部管理体制を創り、既存店売上高の向上、着実なスクラップアンドビルド、内製化利益確保により、
収益力の向上を図っていく方針です。また、M&Aにより周辺事業および新たな業態への事業領域拡大も推進
し、これまでの「中華・ラーメンのレストランチェーン展開企業」という事業領域を、「ニッポンの美味し
さ・楽しさを提供する企業グループ」へと再定義し、グループの成長を図ってまいります。
加えて、企業規模拡大における重点課題としても、また人手不足時代への対応としても、労働環境に十分な
配慮をして積極的な整備を推進することを経営戦略であると捉え、推進してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは、次の各項目を重要施策として取り組み、規模の拡大、収益力の向上および財務体質の改善
を進めます。
① グループとしてのコーポレートガバナンスの強化に努めつつ、次世代経営者の育成を図ることで、M&Aを重点
課題として捉え、事業領域の拡大を進める。
② 既存の業態力を絶えずイノベーションし、業態のブランド価値を高めると共に、商品を中心とした業態の持
つ独自性(優位性)により、顧客から優先的に選択される競争力を確立し、収益力を高める。
③ 既存店舗に対しても適時適切な設備投資を継続実行することで陳腐化を防止しつつ、店舗の組織力およびオ
ペレーション力の底上げを図り、1店舗当たりの平均月商を高める。
④ 財務規律を重視しつつ、スクラップアンドビルドを推進し、出店エリアを守りながら着実な新規出店を進め
る。
⑤ 製造部門(名古屋センター・有松工場)を引き続き強化するとともに、食材産地にまでさかのぼった品質管
理体制を構築し、競争力を持った商品力の基盤を整備するとともに、食材の外部販売も拡大していく。
⑥ 理念の共有をベースに働きがいの創造と全員参加による経営を目指し、環境変化に即した人事労務管理制度
の積極的な拡充と、女性活躍の推進も重点課題とし、人材の育成および労働力の安定確保を図る。
以下において、当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載をしています。
また、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存ですが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項および本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、下記の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、その点も併せてご留意願います。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因によって実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 当社グループの事業展開について
① 経営成績の変動について
当社グループは、「一刻魁堂」(「一刻魁堂/真一刻」を含む)、「ロンフーダイニング」(「ロンフービストロ」を含む)の2業態に経営資源を集中し、商品を中心とした業態力を磨き上げることで、お客様から優先的に選択される業態競争力の確立に努めるとともに、両業態の新規出店に取り組む計画です。
しかしながら、この戦略が事業環境の変化により思いどおりの成果をあげることができなかった場合や、より付加価値の高い品質・サービス・価格を提供する競合店舗が出現した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、それら既存事業の補完および相乗効果、成長性を高めるための投資案件(「M&A」「グローバル化」
を含む)に取り組んでいくことによる、新たなリスク発生の可能性もあります。
② 事業用定期借地契約および定期借家契約の満了による退店について
当社グループは、店舗出店用地確保およびテナント入居時において、通常、賃貸人との間でそれぞれ事業用定期借地契約、定期借家契約を締結しています。これらの契約は、契約期間の満了時に、当社グループ側の継続契約意志の有無にかかわらず、賃貸人から一方的に当初契約期間の満了とともに契約が打ち切られることもあります。
当社グループは、当初の契約時に契約期間内に投資額を回収できるかどうかの事前検証を実施し適切な投資を実行するとともに、契約後も適法適切な早期の資産償却を進めていますが、当初の契約期間内に全ての資産償却を完了するものではありません。
また、契約期間満了後も店舗営業を継続すべく賃貸人とのコミュニケーションを図り友好関係を構築していますが、賃貸人の都合により契約の継続が出来なかった場合には、移転利用等の出来ない資産の残存簿価に対する損失が発生することとなり、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 営業不振による退店および減損会計の適用について
当社グループは、経営の健全性を保つためスクラップアンドビルドを重要な経営戦略の一つと考えており、新規出店を進める一方で、収益性の低い店舗の撤退を進めています。
新規出店物件の選定に当たっては、商圏人口・交通量・競合店状況等の立地条件や賃借料・敷金(保証金)等の経済条件を基に、売上および利益等の業績予想を勘案し出店を決定していますが、出店した店舗が当初の計画通りの収益を計上できず、販売促進等による売上の拡大、また、経費の削減に努めても業績の回復が図れない場合には、業態転換、店舗転貸または退店等撤退(スクラップ)する方針としています。
このような場合には、店舗撤退に伴う損失が発生することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同様の問題で減損会計の適用により減損損失を計上した場合も、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーコストの高騰について
当社グループは、各拠店において省エネ対策とエネルギーコスト削減に随時施策を講じていますが、原油価格の高騰等の影響により、電気料金、ガス料金等のエネルギーコストが大幅に上昇した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 中華料理と中国産食材・加工食品との関連について
中国産食材・加工食品において、残留農薬、抗菌剤など使用禁止物質の混入等の事実が発覚し、更には衛生管理など「安心・安全」に関する諸問題の多発で中国製品の信頼性が問われています。近年でも、大手ファストフードチェーンに関係する中国の食品工場での食品安全管理の報道もあり、現時点においては中国産食材の信頼性が大幅に改善した状況にはなく、日本の消費者からは敬遠される傾向にあります。
当社グループは、ラーメン、ギョーザ、チャーハンを主力商品とする中華料理の分野で事業展開していますが、今後新たな中国産食材の問題発生があった場合には、中国産食材に対して不安と風評が広がり、中華料理を敬遠する傾向が強まることで、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 食材の安全性および安定供給について
食品の不正表示・偽装表示等、消費者の信頼を損なう不祥事が相次ぎ、食の安全に対する関心が一段と高まり、以前にも増して安全な食材の確保が重要になってきました。
当社グループは、仕入先から各食材の製品規格書の提出を求め、原産地・アレルギー物質・添加物などの確認を行うとともに、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・管理の徹底、衛生監査の実施および食品安全委員会の設置により、お客様の信頼に応えるべく努力をしています。
しかしながら、食材の安全性に関わる不安・風評などにより、お客様に不安感を持たれた場合等には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 原材料価格の高騰について
当社グループは、豚肉・小麦等の主要原材料に輸入品を使用しており、その価格は国際商品市場等の影響を受けて変動しています。為替相場の大幅な円安や政府のインフレターゲット政策等の影響により、輸入原材料の価格が高騰した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定取引先への依存について
当社グループは、平成15年8月より主要食材の仕入れに関して、発注業務合理化および食材の安定供給を目的として、尾家産業株式会社に仕入先を集約したことにより、同社からの仕入高割合が平成27年3月期76.7%、平成28年3月期79.9%、当連結会計年度79.3%と非常に高くなっています。
従いまして、同社からの仕入れが何らかの要因により継続できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 当社グループの名古屋センターおよび有松工場の運営について
当社グループの店舗が使用する食材の内、当社グループ会社の生産拠点である名古屋センターおよび有松工場への内製加工食材の比率が上昇し、当期においては店舗仕入額の45.0%を占めています。当社グループは、今後においても売上原価の低減を図るため、名古屋センターおよび有松工場での内製化を積極的に拡大する計画です。
しかしながら、名古屋センターおよび有松工場において、地震等の大規模災害に罹災する等、また加工設備の停止など何らかの事故が発生し、店舗への供給遅れあるいは供給停止が生じた場合に、特定商品の販売中止や、回復に時間を要して店舗休業などに至ったときは、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人件費について
当社グループは、従業員の短時間労働者が多くを占めており、出店エリアにおいて同業他社等の増加により労働需給が逼迫している地域があります。そのため、従業員の時間給を引き上げることで確保せざるを得ない地域があり、人件費の増加要因となっています。
当社グループは、既存の従業員の業務処理能力を高めるために必要な教育を行い、定着率を高めるため労働環境の改善に取り組んでいますが、人員の確保ができなくなった場合、時間給の引き上げが必要となり、給与や保険料の負担の増加等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人材の確保と育成について
当社グループは、今後も事業展開を積極的に行う方針であり、事業展開に必要な人材を確保していく必要があります。そのため、当社グループは中期経営計画に基づいた人員計画を策定し、さまざまな雇用形態の社員を採用する等の人事制度を導入し、より効果的に人材を確保し、早期戦力化を実現するための採用ならびに育成を行っています。
しかしながら、人材の確保および育成が計画どおりに進まない場合には、一部営業の休止をせざるを得なかったりする等、当社グループの事業展開が制約される可能性があり経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ ショッピングセンターへの出店について
近年、ショッピングセンター等の大規模な商業施設が全国的に多数展開され、多くの集客をする一方で、商業施設同士の競合が激しさを増しショッピングセンターを取り巻く環境は年々厳しくなっています。
当社グループは、今後においても郊外店の出店と同時にショッピングセンター等へも出店する計画ですが、ショッピングセンター等商業施設に出店を検討する場合は、他の商業施設との競合状態等の把握に努め、優位にあると認められる物件を選定し出店する方針です。
しかしながら、出店先のショッピングセンター等が他の商業施設との競合により集客力が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 敷金・保証金について
当社グループは、土地・建物等の賃貸借契約による出店を方針としており、当連結会計年度末の営業店舗83店舗中、23店につき土地を賃借りし、57店(内、40店はビルイン)は土地建物を賃借しています。当連結会計年度末現在の差入保証金および建設協力金の合計は566,237千円となっており、資産合計に占める割合は、13.2%となっています。当該差入保証金は賃貸借契約の終了をもって返還されますが、賃貸先の状況によっては、当該店舗に係る差入保証金返還や建設協力金回収、店舗営業継続に支障が生じる可能性があります。
また、店舗の不採算等により賃貸借契約満了前に契約解除を行った場合には、当該契約に基づく差入保証金の一部または全部が返還されないこと等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 危機管理体制について
当社グループは、以下の事項に対し、危機管理体制の確立により体系的なリスク管理を行い、経営の安定を図る必要があると考えております。
・自然災害リスク
地震、台風、津波、噴火、異常気象、感染症の流行(パンデミック)等
・法務リスク
知的財産権等に関する紛争、各種訴訟など
・サービス・製造物・販売物等の責任リスク
食中毒事故、サービス上のミス・トラブル・クレーム、商品上の不良・欠陥、返品・リコールなど
・システムリスク
コンピュータなどの管理システムの故障・誤動作・停止、システム不備など
・社会的リスク
情報の漏洩、報道、風評、反社会的組織対応、社員の不正・犯罪行為、各種ハラスメントなど
・政治・カントリーリスク
海外を含む法律の制定・改正、税制の改正、通商問題、戦争・争乱など
以上の危機問題に対して、食品安全委員会等委員会の設置やプロジェクトチームを編成する等、発生防止の訓練や具体的対策を含む危機管理体制の構築を進めています。
しかしながら、当社グループの現時点における対策は必ずしも万全なものではなく、今後更に検討を加え各対策の充実に向けて努力を継続しますが、その対策にもかかわらず実際に予測不可能な危機問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 重要な訴訟事件等について
現時点では会社の経営成績に重要な影響を与える訴訟は発生していません。当社グループではコンプライアンスを重視し、リスク管理体制を強化していますが、今後、事業を遂行していくうえで取引先・お客様等から事業に重要な影響を与える訴訟を起こされた場合、これらの訴訟の帰趨によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 従業員の悪質なイタズラ行為について
外食店やコンビニ店で働く店員等による、店内での悪ふざけ行為や悪質なイタズラ画像のツイッターやフェイスブックへの投稿により、顧客からの苦情が殺到するといった不祥事が相次ぎ、食品の安全管理が問われています。
当社グループは、常に安全な食事を提供するために衛生管理マニュアル等に基づく教育・指導を実施するとともに、従業員による悪質なイタズラ行為等については、賞罰委員会を通じて懲戒処分とする等、従業員の規律を高め、顧客の信頼に応えるべく努力をしていますが、不祥事が発生した場合には、企業ブランドの失墜、当該店舗の閉店へと派生する場合もあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
① 食品衛生法について
当社グループの主な法的規制として、工場および店舗での営業全般に関して、食品衛生法の規制を受けています。当社グループでは、食品衛生法に基づき、所轄保健所から営業許可を取得し、名古屋センター、有松工場および直営店舗に食品衛生責任者を配置しています。また、衛生管理マニュアル、スタッフハンドブック等で全従業員に対し、衛生管理について周知徹底させていますが、当社グループ営業活動において、当該法令に抵触した場合は営業停止等の行政処分を受けることになります。
現在のところ、会社設立以来行政処分の対象となる事由は発生していませんが、衛生管理諸施策にもかかわらず、行政処分がなされた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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許認可等 |
営業許可証 |
|
有効期間 |
5~8年 |
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関連法令 |
食品衛生法 |
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関連諸官庁等 |
厚生労働省・各保健所 |
② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
平成13年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(以下「食品リサイクル法」という)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食事業者は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、排出する食品残渣物の20%を削減することが義務付けられています。平成19年6月には食品関連事業者(特に食品小売業、外食事業)に対する指導監督の強化と取組みの円滑化を目的として改正され、定期報告などの措置が創設されました。
当社グループは、食品リサイクル法の対象となる外食事業者であり、同法に基づき食品廃棄物の減量等に努めています。しかしながら、再生利用等の目標が達成できず当局の指導を受けた場合や自社で処理を行うための設備を新たに購入する等の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 産業廃棄物について
当社グループの店舗、名古屋センターおよび有松工場にて排出される事業系産業廃棄物は、認可を受けた産業廃棄物業者に収集運搬および処理を委託していますが、委託した業者が認可取り消しになり当社グループが知らずに委託していた場合、または委託した業者が不法投棄した場合、あるいは委託した業者が無認可の下請け業者を使用していた場合等、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の違反行為をしたとき、当社グループも排出事業者責任があるとして罰則を受けた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)について
当社グループの店舗、本社、名古屋センターおよび有松工場は、当該施設で使用するエネルギー使用量を正確に計測集計し、各種届出書ならびに報告書を提出していますが、届出を失念した場合や錯誤により正確な届出が出来なかった場合等により、社名が公表されたときは社会的に信用を失い、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 個人情報について
当社グループは、事業の過程において顧客、株主、取引先および従業員等の個人情報を保有しています。当社グループは、個人情報の漏洩および個人情報への不正なアクセスを重大なリスクと認識し、情報セキュリティに最善の対策を講じ、周知徹底しています。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債への依存について
当社グループの新規出店および業態転換等による改装の設備投資資金は、主に金融機関からの借入金により調達しており、総資産に対する有利子負債比率は下表のとおり高水準です。今後は、資金効率の改善と自己資本の充実により、財務体質の強化に努める方針ですが、店舗収益悪化により借入金の返済額負担の増加、また、金融情勢の変化による借入金に対する金利負担の増大により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
最近における当社グループの総資産に占める有利子負債比率等は、下表のとおりで推移しています。
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平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
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有利子負債残高(千円) |
2,192,051 |
2,212,437 |
2,408,168 |
2,303,203 |
2,148,088 |
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(対総資産比率) |
55.6% |
55.3% |
55.0% |
53.3% |
50.2% |
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純資産額(千円) |
1,000,243 |
1,080,052 |
1,119,952 |
1,150,141 |
1,183,650 |
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(自己資本比率) |
25.4% |
27.0% |
25.6% |
26.6% |
27.6% |
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総資産額(千円) |
3,940,544 |
3,999,453 |
4,377,958 |
4,322,293 |
4,280,353 |
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支払利息(千円) |
30,233 |
26,199 |
23,093 |
20,821 |
15,882 |
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相手先 |
締結年月日 |
契約期間 |
契約の内容 |
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株式会社グルメ杵屋 |
平成17年2月14日 |
自平成17年2月14日 至平成18年2月13日 以降1年ごとの自動更新 |
業務・資本・人事提携に係わる基本協定 |
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元気寿司株式会社 |
平成22年9月15日 |
自平成22年9月15日 至平成23年9月14日 以降1年ごとの自動更新 |
業務提携 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、会計方針の選択・適用と、資産・負債の評価等の会計上の判断・見積りを必要とし、会社はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる事項」に記載しています。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末における流動資産は930百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円減少しました。主な要因は、未収入金が105百万円減少した一方、現金及び預金が23百万円増加したことによるものです。
固定資産は3,349百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が56百万円、繰延税金資産が20百万円、差入保証金が17百万円増加した一方、建物が56百万円減少したことによるものです。
流動負債は1,586百万円となり、前連結会計年度末に比べ99百万円増加しました。主な要因は、未払金が74百万円、未払消費税等が37百万円増加した一方、未払法人税等が53百万円減少したことによるものです。
固定負債は1,509百万円となり、前連結会計年度末に比べ174百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が175百万円減少したことによるものです。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、店舗食材などの原材料の仕入、販売費および一般管理費等の営業・本社費用であります。また、設備資金需要の主なものは、新規出店・店舗改装、名古屋センターおよび有松工場の投資費用等です。
運転資金および設備資金については主に金融機関からの借入れにより調達しています。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金については、主に金融機関からの借入れにより資金調達することとしており、借入れによる資金調達に関しては、当連結会計年度末現在、1年内返済予定の長期借入金の残高は795百万円となっています。また、設備資金につきましては、長期借入金で調達しており、当連結会計年度末現在、長期借入金の残高は1,348百万円となっています。
なお、当社グループではバランスシートの改善として下記のとおり取り組んでいます。
(イ)新規出店先条件の的確な判断や収益性の向上が図れない店舗の業態転換、または退店などの設備投資の効率的な配分。
(ロ)「一刻魁堂」「ロンフーダイニング」業態の成長性および収益性の一層の向上と多店舗化を推進する一方、借入金返済等により有利子負債を削減し、健全な財務体質確立。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは当連結会計年度末現在、「一刻魁堂」、「ロンフーダイニング」へ集約した2業態の更なる強化を進めることで収益力向上を図りつつ、財務体質向上と並行して、徐々に新規出店の拡大に積極的に取り組む計画です。
しかしながら、当社グループのこの戦略が事業環境の変化により思いどおりの成果をあげることができなかった場合や、より付加価値の高い品質・サービス・価格を提供する競合店舗が出現した場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(6)経営戦略と今後の見通しについて
当社グループは、「おいしさと楽しさを創造し、笑顔あふれる社会づくりに貢献するとともに、一人ひとりの成長と幸せを実現する」を経営理念に掲げ、事業展開を進めていきます。
これは、おいしさと楽しさに関する事業分野において、顧客満足を通じて地域貢献を果たすとともに、収益向上と納税正義により社会貢献を果たすこと、また、働く社員がともに成長し幸せになっていくことが企業経営の根本であるという考えを示したものです。
この基本方針に基づき、業態力および商品力、店舗営業力、生産技術、社内管理技術等々の向上を図り、企業価値の拡大に向け、全力を傾注していきます。