(1)業績
当事業年度におけるわが国の経済は、穏やかな回復基調で推移したものの、生活物価の上昇等により、消費者の生活防衛意識が高まりを見せている等、景気は足踏み状態で推移いたしました。
外食産業におきましては、「価格重視と付加価値重視の二極化傾向」と「他業種他業態との顧客獲得競争」が一層強まるとともに、原材料や人件費といった主要コストは引き続き増加傾向にあり、経営環境は厳しい状態が続いております。
このような状況において、「私達の『真心』を提供し、お客様の『感謝と喜び』を頂くことを私達の使命と致します。」の経営理念のもと、「お客様に愛される店舗づくり」の実現に向けて商品開発、接客サービス、清潔感等の一層の充実による当社ならではの商品価値のご提供と、独自性の確立を重点施策として、全社一丸となって取り組んでまいりました。
販売促進につきましては、希少価値の高いプレミアム本まぐろに代表される、当社の主力食材である「まぐろ」にこだわったイベントメニューの充実をはじめ、「九州フェア」等の産地直送イベントに注力するとともに、銚子丸らしい「高品質」かつ時節の「旬」な食材による継続的なイベントを開催しました。
人材育成につきましては、銚子丸の新たな取り組みとして、従業員のやる気を高め、活気あふれる店舗づくりのために、より実践的なプログラムによる「職種別・階層別研修」に加えて技術習得に特化した「自主的勉強会」を継続的に開催しました。
店舗開発につきましては、杉並宮前店(平成27年6月)、武蔵小杉店(平成27年7月)、松戸岩瀬店(平成27年8月)、東大和店(平成28年3月)及び南千住店(平成28年4月)の5店舗を新規に出店した結果、当事業年度末の店舗数は92店舗になりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は197億30百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は9億10百万円(同18.2%減)、経常利益9億74百万円(同15.1%減)、当期純利益は5億13百万円(同19.9%減)となり、増収減益となりました。
(注)金額に消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ6億10百万円減少し46億91百万円(11.5%減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果によって得られた資金は、6億60百万円(前期比49.5%減)となりました。これは、税引前当期純利益8億83百万円、減価償却費2億81百万円による資金の獲得及び、法人税等の支払額4億81百万円による資金の使用等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4億7百万円(同16.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億29百万円、敷金保証金等の差入による支出82百万円による資金の使用によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億63百万円(同685.0%増)となりました。これは自己株式の取得による支出7億45百万円、配当金の支払額78百万円による資金の使用によるものであります。
(1)生産実績
当社は一般顧客(最終消費者)へ直接販売する飲食業を行っておりますので、生産実績は記載しておりません。
(2)受注状況
当社は一般顧客(最終消費者)へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注状況は記載しておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年5月16日 至 平成28年5月15日) |
前年同期比(%) |
|
寿司事業(千円) |
19,730,555 |
103.4 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
外食産業におきましては、消費者の節約志向、仕入れコストの増加傾向、人材不足や人件費の上昇等、依然とし
て厳しい状況が続くものと予想されます。
このような状況の下、当社は経営理念であります「私達の『真心』を提供し、お客様の『感謝と喜び』を頂くことを私達の使命と致します。」を徹底し、企業体質の一層の強化と、商品のレベルアップ、お客様への「おもてなし」の充実を図るため、当社の対処すべき課題として以下の項目を中心に取り組んでまいります。
① 新規出店の推進
当社は従来のロードサイドを中心としたドミナント戦略に加え、商業施設内、駅前・駅中、地下街等の繁華街
立地も視野に入れた出店候補地を開拓してまいりました。
平成28年4月に駅前立地に新規出店した南千住店は、連日の盛況を維持しており、この成功事例を新たな出店候補地選定基準に加えたドミナント戦略を踏襲し、1都3県での地域拡大と店舗空白地帯をターゲットに、堅実的な新規出店を推進してまいります。
② 人財確保と育成強化
即戦力となる寿司職人の経験者を対象とした中途採用者の募集地域を、従来の1都3県中心から1都6県に拡大し、積極的なリクルート活動を展開するとともに、特に留学生をターゲットとした外国人の活用と育成強化により、都市部を中心とした人材不足および、今後ますます増大が予想されるインバウンドに対応してまいります。
また、優れた技術と経験を有するパートタイマーの正社員化制度の導入に取り組み、雇用条件等の改善により、特に女性パートタイマーの定着率向上を図ります。
③ ブランド強化政策
お客様の求める価値感が、価格重視と付加価値重視に二極化する傾向が強まる中、「お客様の期待を超える価値ある商品」と「お客様が満足される納得の価格」を実現するために、『お客様の声』を迅速・的確に捉えた商品開発に努めてまいります。
当社は長年にわたる生産者との信頼関係により、厳選した食材を、鮮度そのままに確保する極めて強力な調達力を持っております。今後も、既存食材の安定調達を目指すとともに、産地直送食材を一層充実させ、「品質」と「鮮度」において他社との圧倒的な差別化を図ってまいります。
以上の取り組みにより、当社の商品およびサービスの高度化を図り、強固な経営基盤の確立と企業価値の増大に努めてまいります。
以下において、当社の事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項およびその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスク発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①当社の事業に影響を与える外的要因について
イ 外食業界の動向及び競合他社との競争について
当社の属する外食産業は、消費者の支出抑制意識継続により個人消費が低迷傾向にあるなかで、業界各社は値下げ競争がより激しさを増しております。寿司業界においても、大手チェーン店の相次ぐ出店や異業種からの参入等により、競争が激化しております。
このような状況の中で当社は、経営理念に掲げる「私達の真心を提供し、お客様の『感謝と喜び』を頂くことを私達の使命と致します。」を徹底し、今後も競合他社との差別化に向けた諸施策を講じながら収益力の向上に努めてまいる所存であります。しかしながら、今後、外食市場の縮小、他の外食事業者や中食事業者を含めた競合他社との競争が更に激化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ 食材について
当社は寿司事業のみの単一事業を営んでいるため、水産物や米等、原材料となる食材に関して市場価格変動に伴う当社仕入価格の変動や市場流通量の大幅な減少にともなう定番品目の欠品等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。特に「まぐろ」については、全世界的に漁獲高が減少傾向にあり、市場価格が継続的に上昇する事態も想定されるものと考えております。当社では「まぐろ」の仕入に関して、固定価格での長期契約の締結や仕入経路の多様化等によって、仕入価格上昇や欠品が発生するリスクの低減を図る方針でありますが、こうした施策が必ずしも当社の期待どおりの効果を生む保証はありません。
また、当社が取り扱う食材、特に水産物の安全性に係る問題が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ その他の外的要因について
当社は寿司事業のみの単一事業を営んでいるため、寿司に関する消費者の嗜好の変化が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また天候の変動は、当社店舗への来店客数動向、ひいては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 出店について
イ 出店戦略について
当社は、平成28年5月15日現在、千葉県内に35店舗、東京都内に34店舗、埼玉県内に16店舗、神奈川県内に7店舗の計92店舗(すべて直営「すし銚子丸」及び「江戸前すし百萬石」業態)を有しております。今後におきましても、これら一都三県の地域のロードサイドを中心に、ドミナント方式による出店を推進する方針であります。
当社は、出店にあたって、出店候補地の周辺人口、近隣道路環境、敷地状況、競合店状況、および契約条件等の諸条件を総合的に検討した上で、出店用地の選定を行っております。当社では、予め当社の希望する条件で絞り込んだ出店候補地に対して、物件所有者との交渉を行っており、当該交渉期間は長期化する場合があります。
また、当社の出店条件に合致した物件がなく計画通りの出店ができない場合や、出店後において立地環境等に多大な変化が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ 敷金・保証金等について
当社は、出店に際して、敷金・保証金等を差し入れた上で土地、建物を賃借しており、賃借物件の地主・家主の経済的破綻等により敷金・保証金等の回収が不能となった場合や、当社の都合による賃貸借契約の中途解約により契約上の返済条件の規定から敷金・保証金等を放棄せざるを得なくなった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業体制について
イ 人財確保および育成について
当社は今後も積極的な店舗開発を行う方針であり、店舗数増加等の業容拡大に応じた組織拡大において、これを担う人財の量的・質的な確保および育成が重要な課題と考えております。会社財産としての「人財」の定着・活性化と当社の理念を実現する戦力化を推進するために、求人・採用のレベルアップ、当社独自の研修・教育システムの充実および成果主義型人事評価制度の構築を推進しております。また、店舗での優良なパート・アルバイトの安定的な採用及び教育も重要と考えております。しかしながら、当社が想定している以上の退職者があった場合や、新規出店を担う人財確保および育成ができない場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ 鮮魚の配送について
当社では、水産物卸売市場の休業日を除き、早朝に水産物卸売市場で仕入れた鮮魚を、当日中に店舗で加工して提供するために仕入および物流体制を構築しております。当社では、このような体制を具備していることが他社の回転寿司店舗との差別化要因の一つであると考えており、今後こうした体制が維持継続できなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの体制を維持するためには、水産物卸売市場から開店前に仕入品を店舗に配送できることが前提となるため、出店用地の選定に制約が生じる場合があります。
④ 法的規制等について
イ 法的規制について
当社の事業に関連する法的規制としては、「食品衛生法」「消防法」および「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(いわゆる食品リサイクル法)等があります。このうち食品衛生法においては、飲食店を経営するにあたり厚生労働省令が定めるところの都道府県知事の許可を受けなければならない旨が規定されています。
今後、これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用の発生等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ロ 衛生管理について
当社では、衛生管理を最も重要な経営管理項目として位置づけており、環境整備部に衛生管理担当者を配置し、各店舗の衛生評価・教育ならびに外部の専門業者との連携による食材・調理器具の検体採取や従業員の検便検査等を定期的に実施しております。さらに、その実施結果に基づく各店舗に対する衛生管理指導を行うなど衛生管理体制を整備しております。
当社は、今後とも一層の衛生面の管理を強化していく方針でありますが、外食産業の中でも生鮮食材を取り扱う業態として食中毒事件等が発生した場合には、企業としての存続そのものに重大な影響を及ぼす可能性があります。
また同業他社における食中毒事件等が発生した場合には、消費者による寿司業界全体に対する不安感を与えてしまうことから、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
平成13年5月に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により、年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食事業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量および再生利用を通じて平成25年度以降も引続き排出する食品廃棄物の再利用等の実施率を40%以上にすることが義務づけられております。
当社におきましては、排出量の把握とその抑制策、再生利用策、および減量策等の具体的な対応策を実施しておりますが、今後同法に関して追加的な対応が必要となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ニ 短時間労働者の雇用について
当社では従業員に占める短時間労働者の比率が高いため、今後、労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合には、人件費負担が増加する可能性があるため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 個人情報の管理について
当社は、顧客からのアンケート情報等を収集し、顧客満足度の把握およびサービス向上に努めております。個人情報の管理に関しては万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が漏洩した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
特記事項はありません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。また、この財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積りと異なる場合があります。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当事業年度末における資産は89億6百万円(前期比4.7%減、4億36百万円減少)となりました。主な要因は次のとおりであります。
流動資産は58億16百万円(同7.7%減、4億82百万円減少)となりました。主な要因は、当座資産及び棚卸資産の減少5億92百万円であります。
固定資産は30億89百万円(同1.5%増、46百万円増加)となりました。これは主に、敷金及び保証金の増加によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は33億2百万円(同3.7%減、1億25百万円減少)となりました。主な要因は次のとおりであります。
流動負債は27億8百万円(同4.0%減、1億12百万円減少)となりました。主な要因は、未払金の減少であります。
固定負債は5億93百万円(同2.2%減、13百万円減少)となりました。これは主に、新規出店に伴う資産除去債務の増加及びリース料支払いによる長期リース債務の減少によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は56億3百万円(同5.2%減、3億10百万円減少)となりました。主な要因は、繰越利益剰余金の増加4億35百万円と自己株式の取得7億46百万円であります。
(3)経営成績の分析について
当事業年度は5店舗の新規出店を行い、これにより期末時点の店舗数は92店舗となりました。
売上高につきましては、前事業年度と比較して6億44百万円増の197億30百万円(前年比3.4%増)となりました。これは主に新規出店による増収によるものであります。
売上原価は前事業年度と比較して3億75百万円増の82億15百万円(前期比4.8%増)で原価率は41.6%(前期は41.1%)となりました。これは主要食材を含む仕入コストの上昇によるものです。
販売費及び一般管理費は前事業年度と比較して4億71百万円増の106億4百万円(前期比4.6%増)となりました。これは新規出店に伴う従業員増加と、食事券発行による販売促進費増加によるものです。
以上により営業利益は前事業年度と比較して2億2百万円減の9億10百万円(前期比18.2%減)、営業利益率は4.6%(前期は5.8%)となりました。
経常利益は前事業年度と比較して1億73百万円減の9億74百万円(前年比15.1%減)、経常利益率は4.9%(前期は6.0%)となりました。
当期純利益は前事業年度と比較して1億27百万円減の5億13百万円(前期比19.9%減)、当期純利益率は2.6%(前期は3.4%)となりました
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(5)経営戦略の現状と見通し
回転寿司業界においては、競合他社との差別化のために大きくはグルメ回転寿司の業態と低価格均一回転寿司の業態の二極化が今後も続くものと考えております。当社はグルメ回転寿司及び立ち寿司業態に属しておりますが、同業態の競合他社との差別化を図るために、より高価な食材を新鮮で食べ応え充分な状態で市場価格よりもずっと安くを目指して産地の開拓、素材の吟味、商品開発など当社独自の商品力の向上、さらに、立ち寿司により近い技術の向上取り組んでいくことがこの業態では顧客から支持を得られる最善の施策であると考えております。
一方、百萬石の2店舗につきましては、「江戸前立ち寿司」として、より本格的な寿司を求める顧客のニーズに柔軟に対応し、物流・商品開発におけるグルメ回転寿司とのシナジー効果を発揮し、より質の高い商品・サービスを提供する事で顧客の支持を得ようと考えております。
(6)資本の源泉及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況について
当事業年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金調達及び流動性
当事業年度は新規出店及び店舗改装の設備資金は、原則として自己資金で賄っており借入金による資金調達は行っておりませんが、納税資金は金融機関からの借入金で資金調達をしております。当事業年度末の有利子負債残高は1億95百万円(前事業年度末残高は2億34百万円)となっております。
当社は、将来の営業活動並びに債務の返済等に備えるため、資金の流動性の確保に努めております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。