第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間(平成27年3月1日~平成27年11月30日)の日本経済は、実質所得が持ち直す一方で消費マインドは持ち直しに足踏みが見られるなど個人消費はやや力強さに欠け、海外経済の先行き不透明感から設備投資においても伸び悩みましたが、政府や日本銀行の経済・金融政策の効果もあり、企業業績や雇用環境は総じて改善の動きが見られるなど、各項目にばらつきが見られるものの全般的には緩やかな回復基調が続きました。

小売業界では、3月は昨年の消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動により売上高が大幅に減少したものの、4月以降は回復し、加えて、都市部の百貨店を中心に訪日外国人による売上高が増加したこともあり、10月までは対前年プラスで推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、百貨店を核に複数の事業を展開するマルチリテイラーとしての発展に向けて、既存事業の競争力と収益力の一段の強化をはかるとともに、経営資源の成長分野への重点的な投入を進めました。

百貨店事業につきましては、幅広い顧客層に支持される魅力的な店づくりと収益性の高い店舗運営体制の構築による業態革新を目指す「新百貨店モデル」の確立に向けた取り組みを加速させました。その一環として、松坂屋名古屋店では平成28年春のグランドオープンを目指した第3期改装計画がスタートしており、3月から5月にかけて、婦人靴とバッグの新たな同一フロア展開、市内最大級の品揃えとなるLサイズコーナー、シニア世代向けサロンの新設などに続いて、10月末には、大型家電専門店「ヨドバシカメラ」の導入や、増加が著しい訪日外国人に対応して免税カウンターの移設拡大を行いました。なお、大丸心斎橋店につきましては、エリアの競争力向上、新たな賑わい創出、さらなる活性化をはかり、建物の安全性の向上、ヴォーリズ建築の価値の継承を通じて地域の発展に貢献していくため、平成31年秋に向けて本館の建替えを実施することを7月に決定いたしました。

パルコ事業につきましては、3月に福岡パルコ本館の増床部分をオープン、同じく3月に名古屋パルコに隣接して新館「PARCO midi」を開業いたしました。また、新館開業にあわせて名古屋パルコの既存の館を大規模リニューアルし、回遊性・買い回りの向上をはかりました。さらに、グループ一体となって街の魅力の創出に貢献するため、7月には、平成29年春の開業を目指し、大丸京都店の近接地への「京都ゼロゲート(仮称)」の出店、11月には、「三宮ゼロゲート(仮称)」の出店を決定いたしました。

 

グループとしての成長力強化につきましては、マルチリテイラーとしての発展ならびにオムニチャネル戦略の推進を目指し、4月に通信販売の優れたノウハウや商品開発力を持つ株式会社千趣会と資本業務提携契約を締結し、同社を持分法適用関連会社化いたしました。業務提携推進委員会を発足させ、両社のグループ資産、ノウハウを最大限に活用する具体策の検討を進めるとともに、商品の相互販売の取組みとして、千趣会で人気のブランド「Kcarat」の期間限定ショップを、9月に大丸神戸店、10月に松坂屋名古屋店で展開いたしました。

海外事業につきましては、事業提携を進めてきた中国での本格的な高級百貨店「上海新世界大丸百貨」が5月にグランドオープンいたしました。

あわせて、より強靭な経営体質の構築に向け、グループレベルで組織・要員構造の改革を進めるとともに、あらゆる経費構造の見直しをはかるなど、経営効率の向上に取り組みました。

以上のような諸施策に取り組みました結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は前年同四半期と比べ2.5%増の8,493億33百万円、営業利益は22.0%増の309億36百万円、経常利益は30.7%増の318億33百万円、四半期純利益は79.6%増の184億45百万円となりました。

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

<百貨店事業>

松坂屋名古屋店では、「地域のお客様に愛される上質な進化型百貨店」を目指して第3期改装計画をスタートさせております。その取組みの中で、10月には南館4階から6階に大型家電専門店「ヨドバシカメラ」が営業を開始いたしました。また、本館6階には新しい和の暮らしをプロデュースするコーナー「和らいふ小路」を、南館3階には免税カウンターを移設拡大してオープンいたしました。

また、大丸心斎橋店、大丸神戸店、大丸京都店、大丸福岡天神店に、訪日外国人のお客様向けに特化したショップ「ラオックス」をオープンいたしました。

併せまして新規の決済サービスとして、中国最大のSNSサービス「WeChat(微信)」の展開する「WeChat Payment」を日本の百貨店で初めて導入いたしました。

資本業務提携を行っております千趣会とは、商品の相互販売の取組みとして、来春からの本格的ショップ展開に向けて、千趣会で人気のブランド「Kcarat」の期間限定ショップを大丸神戸店、松坂屋名古屋店に展開いたしました。

外商における成長戦略としては、新規口座開拓を継続して推進してまいりました。富裕層マーケットは堅調に推移しており、今後のさらなるマーケット拡大に向け、商品、サービスの充実を進めてまいります。

以上のような諸施策に取り組みました結果、売上高は前年同四半期に比べ1.4%増の

5,505億1百万円、営業利益は42.5%増の167億36百万円となりました。

 

<パルコ事業>

ショッピングセンター事業では、福岡パルコ本館増床や名古屋「PARCO midi」の開業などで売場面積が増加したことや、既存パルコ店舗においてもターゲット層の拡大をテーマとした改装の推進が奏功し、好調に推移いたしました。また、専門店事業や総合空間事業も好調に推移した結果、売上高は前年同四半期に比べ3.7%増の2,077億87百万円、営業利益は

5.9%増の91億51百万円となりました。

 

<卸売事業>

電子デバイス部門や自動車部門が好調に推移し、売上高は前年同四半期に比べ3.3%増の

460億87百万円、営業利益は26.2%増の12億41百万円となりました。

 

<クレジット事業>

カード取扱高は増加したものの、グループ内取扱手数料率の見直しの影響で手数料収入が減少したため、売上高は前年同四半期に比べ0.4%減の77億62百万円、営業利益は16.4%減の21億76百万円となりました。

 

<その他事業>

その他事業では、.フロント建装が好調に推移し、売上高は前年同四半期に比べ7.5%増の769億25百万円、営業利益は16.4%増の17億34百万円となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1兆427億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ242億89百万円増加いたしました。一方、負債合計は6,056億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ174億58百万円増加いたしました。純資産合計は4,370億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ68億31百万円増加いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ175億32百万円減の146億円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

  営業活動によるキャッシュ・フローは229億23百万円の収入となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、法人税等の支払額が増加したことなどにより94億36百万円の収入減となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

  投資活動によるキャッシュ・フローは334億66百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、投資有価証券及び有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより155億80百万円の支出増となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

  財務活動によるキャッシュ・フローは69億88百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、社債の償還による支出があったものの、社債の新規発行を行ったことなどにより151億57百万円の支出減となりました。

 

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

    当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

    なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。

当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主の在り方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主又は特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。

しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、又は当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。

このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取組み

当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。

当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客さま及び社会との信頼関係にあるものと考えております。

 

そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客さま第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客さまの期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンである「百貨店事業を核とした、質・量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニーの地位の確立」を目指し、さまざまな施策に取り組んでおります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。

しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客さま・お取引先さま・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。

したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外役員及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。

 

④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客さま及び社会との信頼関係の更なる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。

また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対抗措置を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。

 

(5)研究開発活動

特記事項はありません。