第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 

当第1四半期連結累計期間(平成28年3月1日~平成28年5月31日)の日本経済は、政府及び日本銀行による各種政策の効果等により企業収益や雇用は改善に向かいましたものの、昨年後半からの中国の景気減速を起点とした世界経済の下振れ懸念に加えて、年明けからの急激な円高・株価下落により先行き不透明感が強まり、景気回復のペースは減速基調となりました。

小売業界におきましては、消費の二極化の進展や、昨年後半からの株価下落や先行き不透明感に加え、円安・原材料価格高騰等による商品値上げの浸透が家計への負担感を強めて節約志向が強まるなど、消費マインドが急速に低下し、個人消費全体は力強さを欠く展開となりました。

このような状況の中、当社グループは「2014~2016年度 中期経営計画」の最終年度として、百貨店を核に複数の事業を展開するマルチリテイラーとしての発展に向けて、既存事業の競争力と収益力の一段の強化をはかるとともに、経営資源の成長分野への重点的な投入を進めました。

百貨店事業につきましては、各店舗の地域特性に合わせたマーケット対応力の強化、収益性向上に向けた運営体制の見直しによる業態革新「新百貨店モデル」の確立に向けた取り組みを加速させました。その一環として、松坂屋名古屋店では4月下旬に、上質で高感度なものを求める大人に対応する館として、新・北館を「松坂屋ジェンタ」としてリスタートするとともに、本館・南館を含めた全館がグランドオープンいたしました。

また、インバウンドマーケットに対する取り組みとして、3月に訪日外国人富裕層に向けた「大丸松坂屋エクスクルーシブカード」を発行するとともに、4月には中国のモバイル決済サービス「QQ Wallet」を導入いたしました。

パルコ事業につきましては、今春、福岡パルコや名古屋パルコなどで幅広いお客様から支持されるビルを目指した改装を実施、特に福岡パルコにつきましては、同店の開業以来、最大規模となる50ショップ規模の改装を実施いたしました。また3月には、情報発信の強化に向けて、スマートフォンアプリ「ポケットパルコ」のリニューアル版を公開いたしました。加えて、管理床面積の拡大に向けた取り組みとして、2月末に「札幌ゼロゲート」を開業いたしました。

なお、渋谷パルコ(パート1・パート3)につきましては、パルコブランドの更なる強化に向けて、建替えのための一時休業を決定いたしました。同店舗にゆかりのある著名人とタイアップした「Last Dance_」キャンペーンをスタートし、今年8月7日の一時休業に伴う最終営業予定日まで、様々な企画を予定しております。

グループとしての成長力強化につきましては、昨年4月に資本業務提携契約を締結した株式会社千趣会と連携したオムニチャネル戦略を強化しており、商品の相互販売の具現化の取り組みとして、3月には、千趣会のオリジナルブランド「Kカラット」の直営店を大丸5店舗にオープンいたしました。

海外事業につきましては、3月にJFRプラザが台湾で展開する雑貨小売店「PLAZA TOKYO」の新規店舗がオープンし、合計9店舗となりました。

併せて、より強靭な経営体質の構築に向け、グループレベルで組織・要員構造の改革を進めるとともに、あらゆる経費構造の見直しをはかるなど、経営効率の向上に取り組みました。

以上のような諸施策に取り組みましたが、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は前年同四半期と比べ5.9%減の2,687億76百万円、営業利益は12.7%減の93億18百万円、経常利益は30.8%減の87億36百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、昨年度の法人税率引き下げ効果の反動もあり、50.3%減の84億84百万円となりました。

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

<百貨店事業>

松坂屋名古屋店では、昨年春から段階的に実施してまいりました第3期改装計画が今年4月にグランドオープンいたしました。最終段階として北館1階から3階にメンズを中心とした大人のファッションフロア「松坂屋ジェンタ」が誕生いたしました。また本館6階に新たにリビングフロアをオープンいたしました。今後も「いつも新しさと笑顔にあふれ、上質な生活と文化を発信する進化型百貨店」をめざしてまいります。

インバウンドマーケットにおける持続的・安定的な売上の確保を目指して、3月より新しい取り組みとして訪日外国人旅行客の中でも特に高額のお買上のあったお客様に「大丸松坂屋エクスクルーシブカード」を発行し、特別なサービスの提供をスタートさせました。

また、外商における成長戦略としての新規口座開拓を本年度も継続して推進してまいりました。富裕層マーケットの拡大に向け、商品、サービスの充実を進めてまいります。

さらに、オムニチャネルへの取り組みでは、ファッションECサイトの取り扱いブランドの拡大を進めております。また、資本業務提携を行いました千趣会のオリジナルブランド「Kカラット」をオムニファッションブランドとして再構築し、大丸松坂屋百貨店の5店舗、千趣会のカタログ、両社のECサイトでの販売をスタートさせました。

以上のような諸施策に取り組みましたが、売上高は前年同四半期に比べ6.9%減の1,722億31百万円、営業利益は27.5%減の44億36百万円となりました。

 

<パルコ事業>

ショッピングセンター事業では、既存パルコ店舗においてライフスタイルの変化やインバウンド需要の獲得に向けた、ターゲット層の拡大をテーマとした改装を推進いたしました。総合空間事業では、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の効率化により営業利益が好調に推移いたしました。

以上のような諸施策に取り組みましたが、売上高は前年同四半期に比べ3.4%減の694億

31百万円、営業利益は4.2%減の31億58百万円となりました。

<卸売事業>

食品部門、産業資材部門ならびに電子デバイス部門の不調により、売上高は前年同四半期に比べ28.8%減の107億71百万円、営業利益は35.7%減の2億15百万円となりました。

 

<クレジット事業>

カード会員口座の拡大、外部加盟店でのカード利用促進により、売上高は前年同四半期に比べ4.2%増の26億30百万円、営業利益は3.9%増の7億60百万円となりました。

 

<その他事業>

その他事業では、.フロント建装がグループ百貨店の大型改装工事に加え、客船やホテルの内装工事を受注したことなどにより、売上高は前年同四半期に比べ13.6%増の276億86百万円、営業利益は193.3%増の8億1百万円となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ81億16百万円増加し、1兆272億62百万円となりました。一方、負債合計は、前連結会計年度末に比べ24億84百万円増加し、5,810億36百万円となりました。純資産合計は4,462億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億31百万円増加いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

  当第1四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ62億90百万円減の218億57百万円となりました。

  当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

  営業活動によるキャッシュ・フローは40億97百万円の収入となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、法人税等の支払額が減少したことなどにより50億66百万円の収入増となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

  投資活動によるキャッシュ・フローは64億23百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、投資有価証券の取得による支出が減少したことなどにより127億66百万円の支出減となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

  財務活動によるキャッシュ・フローは39億61百万円の支出となりました。前第1四半期連結累計期間との比較では、長期借入金の返済による支出が増加したことなどにより109億98百万円の支出増となりました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。

当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主の在り方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主又は特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。

しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、又は当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。

このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取組み

当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。

当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客さま及び社会との信頼関係にあるものと考えております。

そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客さま第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客さまの期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンである「百貨店事業を核とした、質・量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニーの地位の確立」を目指し、さまざまな施策に取り組んでおります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。

しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客さま・お取引先さま・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。

したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外役員及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。

 

④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客さま及び社会との信頼関係の更なる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。

また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対抗措置を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。

 

(5)研究開発活動

特記事項はありません。