第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、政府や日本銀行による各種政策の効果等により、企業収益や雇用環境は緩やかな回復が続きました。一方、中国の景気減速や英国のEU離脱問題を起点に世界経済の先行き不透明感が高まる中、為替相場や株式市場が安定感を欠いた状況で推移いたしました。また、個人消費は、高額品に持ち直しの動きが見られたものの、将来不安を背景とした節約志向の強まりに加え、インターネットなどの流通チャネルやライフスタイルの多様化に伴う消費行動の変化などもあり、力強さを欠く展開となりました。

このような状況の中、当社グループは、百貨店を核に複数の事業を展開するマルチリテイラーとしての発展に向け、店舗を核に地域とともに成長するビジネスモデルの構築(アーバンドミナント戦略)や、リアル店舗の強みを活かしたオムニチャネル・リテイリングの推進など既存事業の競争力・収益力の一段の強化をはかるとともに、経営資源の成長分野への重点的な投入を進めました。

マルチリテイラーとしての発展を目指し、一昨年4月に資本業務提携契約を締結した株式会社千趣会との連携においては、M&Aによるシナジー創出に向け、同社のファッションブランド「Kカラット」やオリジナル婦人靴ブランド「ベネビス」を再構築し、共同開発ブランドとして百貨店基幹店舗、千趣会カタログ及び両社のECサイトにおいて相互販売をスタートいたしました。

アーバンドミナント戦略においては、銀座六丁目10地区市街地再開発、松坂屋上野店南館建替え計画のほか、大丸心斎橋店本館建替え計画、宇田川町14・15番地区第一種市街地再開発(渋谷パルコ建替え計画)などの大型プロジェクトを推進いたしました。このうち、銀座六丁目10地区市街地再開発については、本年4月、銀座地区最大の商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」としてオープンいたしました。また、アーバンドミナント戦略の一層の推進に向け、魅力的な商業施設の企画・開発、運営管理の一元的な推進等、不動産開発力の抜本的強化をはかるため、大丸松坂屋百貨店が大丸コム開発を吸収合併し、不動産事業部を新設いたしました。

オムニチャネル・リテイリングの推進においては、より一層使いやすく、多様なニーズに対応したショッピングサイトを目指し、従来の中元・歳暮ギフトを中心としたサイトから、ご自身でお使いになるお品物の購入にも便利なサイトに変更するとともに、「あたらしい暮らしの形を提案する」提案型サイトの導入によりコンテンツの充実をはかりました。

また、海外事業では、技術支援を進めてまいりました「上海新世界大丸百貨」が5月に開業一周年を迎え、イベントの好調や認知度の向上もあり、業績は順調に推移いたしました。

あわせて、より強靭な経営体質の構築に向け、グループレベルで事業構造の改革に取り組みました。9月には、重複する業務運営コストの削減や組織横断的な業務革新を通じたさらなる効率化、ならびにグループ各社への支援機能の高度化を実現するため、グループ内のシェアードサービス会社3社を1社に再編いたしました。また、シニア層女性を中心とした顧客基盤を持つ通信販売業のJFRオンラインについては、30代から50代の女性を主要顧客とする千趣会の通信販売事業との顧客基盤の連続性をはかることが効果的であるとの判断から、本年3月1日付でJFRオンライン全事業を千趣会子会社へ譲渡いたしました。台湾において雑貨小売業を展開するJFRプラザについては、競合環境が激化する中、今後も黒字化は困難であるとの判断から、解散・清算を決定いたしました。大丸浦和パルコ店についても、営業赤字が継続し、今後も黒字化は困難であると判断いたしましたことから、本年7月末日をもって営業終了することを決定いたしました。

経営管理体制の強化に向けた取り組みとして、資産効率の向上及びコーポレートガバナンス体制の強化をはかりました。資産効率向上に向けた取り組みでは、百貨店基幹9店舗において、店舗別B/S(貸借対照表)の予算化に基づく業績管理を2017年度からスタートするための体制を整備いたしました。コーポレートガバナンス体制の強化に向けた取り組みでは、一層のガバナンス体制の強化をはかるため、監督と執行を分離し、「指名委員会等設置会社」へと移行する方針を決定いたしました。

9月には、グループ人事部を新設し、グループ人事政策・戦略の立案、推進機能の強化・適正化をはかるとともに、グループ経営人材の育成・登用、グループレベルでの適正配置、人材開発・活用の実現に向けてスピードを上げて取り組みました。また、先進情報の収集能力の向上やオープンイノベーションによる成長の実現に向け、米国ベンチャーキャピタルへの出資と当社人材の派遣を実施いたしました。

環境・社会活動においては、循環型社会構築への貢献に向け、エネルギー使用量、包装資材使用量などの削減に継続的に取り組みました。また、熊本地震被災地支援では、行政との連携により被災地域の生産品販売を行うなど、復興支援に協力いたしました。

以上のような諸施策に取り組みましたものの、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1兆

1,085億12百万円(対前年4.7%減)、営業利益は445億80百万円(同7.2%減)、経常利益は444億25百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は269億50百万円(同2.4%増)、自己資本当期純利益率(ROE)は6.8%(同0.1pt減)となりました。

期末配当金につきましては、1株につき14円とさせていただきました。なお、中間配当金14円を加えた年間配当額は1株につき28円となり、前年に対して1円の増配となります。

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

 

<百貨店事業>

百貨店事業においては、各店舗の地域特性に合わせたマーケット対応力の強化、収益性向上に向けた運営体制の見直しによる業態革新「新百貨店モデル」の確立に向けた取り組みを加速させました。

松坂屋名古屋店においては、上質で高感度なものを求める大人に対応する館として、昨年4月、北館にメンズフロアを移設し「松坂屋 ジェンタ」としてオープンいたしました。これにより、3期にわたる改装が完了し、「上質な生活と文化を発信する進化型百貨店」として、全館グランドオープンをいたしました。

大丸京都店においては、10月にセルフ型ビューティショップ「アミューズ ボーテ」を地下2階にオープンさせ、従来の流通チャネルの壁を越えた多彩な化粧品ブランドを展開するとともに、気軽に試して自由に選べる快適なサービス環境を整えました。また、11月には、アーバンドミナント戦略の一環として、「大丸京都店 祇園町家」をオープンし、第一弾として「エルメス祇園店」を期間限定で展開いたしました。

大丸東京店においては、東京駅へのアクセス向上による乗降客数の増加や、駅周辺の再開発によるオフィス人口の増加など、店舗を取り巻く環境が大きく変化したことを踏まえ、オリジナル商品の開発・販売などの希少性を打ち出した営業活動の実施により入店客数が増加したことから、業績は順調に推移いたしました。

 

外商においては、新規口座開拓を継続して推進するとともに、富裕層マーケットに対応した商品の開発・提案に取り組みました。また、インバウンドマーケットにおいては、訪日外国人富裕層などリピート顧客の利便性向上をはかるため、「大丸松坂屋エクスクルーシブカード」の新規発行や決済手段の多様化への対応として、中国のモバイル決済サービス「QQ Wallet(キューキューウォレット)」「Alipay(アリペイ)」を導入いたしました。

以上のような諸施策に取り組みましたものの、大丸心斎橋店本館建替え工事に伴う売場面積の減少や訪日外国人客による購買単価の低下などもあり、売上高は7,279億94百万円(対前年4.6%減)、営業利益は245億92百万円(同14.6%減)となりました。

 

<パルコ事業>

ショッピングセンター事業(パルコ、ゼロゲート)においては、7月に「仙台パルコ 2」、9月に「広島ゼロゲート 2」を開業させたほか、福岡パルコや名古屋パルコなど既存のパルコ店舗においては、ライフスタイルの変化やインバウンド需要の獲得に向け、ターゲット層の拡大をテーマとした改装を推進いたしました。また、ICT活用への取り組みを強化し、パルコ公式スマートフォンアプリ「POCKET PARCO」と「PARCOカード」を連携させたCRM施策を実施いたしました。なお、渋谷パルコ(パート1、パート3)については、パルコブランドのさらなる強化に向けて、8月より建替えのため一時休業するとともに、千葉パルコについては、11月末日をもって営業終了いたしました。

内装・電気工事やビルマネジメントの総合空間事業(パルコスペースシステムズ)は、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の効率化などにより、営業利益は好調に推移いたしました。

以上のような諸施策に取り組みましたものの、渋谷パルコの一時休業や千葉パルコ営業終了の影響などもあり、売上高は2,733億77百万円(対前年2.7%減)、営業利益は125億20百万円(同0.5%減)となりました。

 

<卸売事業>

食品部門の事業縮小による減収や産業資材部門の不調がありましたものの、電子デバイス部門が年度後半から回復したことや自動車部品部門が好調に推移したことに加え、売上総利益率の向上と販売費及び一般管理費の見直しの効果もあり、売上高は472億91百万円(対前年18.3%減)、営業利益は15億29百万円(同16.3%増)となりました。

 

<クレジット事業>

百貨店売上高の減少に伴いカード会員による購買が前年を下回る推移となり、百貨店からの手数料収入は減少いたしましたものの、会員数の拡大に伴う年会費収入に加え、加盟店手数料収入、利息収入などの増加により、売上高は109億円(対前年4.3%増)、営業利益は28億44百万円(同5.2%増)となりました。

 

<その他事業>

人材派遣業のディンプルは、グループ外企業の受託契約増加に伴い売上高が拡大したことから増収増益となり、.フロント建装は、高収益物件の増加により増益となりました。しかしながら、同社の前年度のグループ百貨店大型改装工事に伴う売上増加による反動減の影響が大きく、売上高は975億75百万円(対前年6.8%減)、営業利益は28億81百万円(同2.7%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ36億99百万円増の318億46百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は362億39百万円の収入となりました。前連結会計年度との比較では、渋谷パルコの再開発事業に伴う補償金の受取りがあった一方、たな卸資産の増加などにより億60百万円の収入減となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は303億53百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、前年に投資有価証券を取得したことの反動などにより9億88百万円の支出減となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は21億89百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、配当金支払額の増加などにより11億48百万円の支出増となりました。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

その他事業

713

104.0

(注)1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

(2)受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

その他事業

44,317

106.6

(注)1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品名

販売高(百万円)

前年同期比(%)

百貨店事業

衣料品

291,690

95.2

身回品

70,056

90.4

家庭用品

30,112

89.5

食料品

174,840

96.2

食堂・喫茶

21,643

95.0

雑貨

108,641

97.2

サービス・その他

31,011

105.3

727,994

95.4

 

 

パルコ事業

 

 

 

ショッピングセンター事業

239,447

96.5

専門店事業

14,302

100.7

総合空間事業

13,298

107.0

その他事業

6,329

99.6

273,377

97.3

卸売事業

化成品・資材

23,908

91.5

食品

11,821

63.7

電子・家電

11,348

88.1

その他

213

75.7

47,291

81.7

クレジット事業

クレジットカードの発行及び運営等

10,900

104.3

その他事業

建装工事請負・家具製造販売業

33,601

87.7

通信販売業

22,231

91.6

情報サービス・事務処理業務受託業

5,254

87.1

不動産賃貸・駐車場・リース業

8,209

100.8

人材派遣業

21,405

101.6

その他

6,874

99.5

97,575

93.2

調整額

△48,628

合計

1,108,512

95.3

(注)1 セグメント間の取引については、「調整額」欄で調整しております。

   2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1) 対処すべき課題

グループを取り巻く経営環境

速に進行する少子高齢化と人口減少に加え、所得の二極化に伴う中間層の減少、ECの台頭やモノからコトへの消費のシフト、シェアリングエコノミーをはじめとする新たな消費形態の浸透など実店舗を中心とする既存事業の経営環境は、今後ますます厳しさを増すことが予想されます。また、さらなる消費増税も予定されており消費への影響も懸念されます

一方、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け訪日外国人旅行客の増加が見込めるほか、女性の社会進出やシニア層の拡大、ICTの進化や人々のライフスタイル・価値観の多様化などマーケット変化への対応により、新たなビジネスチャンスを捉えることができると考えております。

 

新グループビジョンの策定について

こうした経営環境の大きな変化により、現状のビジネスモデルの延長線上での成長が難しくなる中、今がグループ経営の舵を大きく切る転換期と捉えております。

少子高齢化の進展や家族のあり方の変化に伴う「暮らし方の多様化」、またモノからコトへの消費の変化やICTの進化などによる「楽しみ方の多様化」が、今後ますます進展することが予想されます。そうした中、当社グループは人々の幸せのあり方を考え、「暮らし方」と「楽しみ方」の両面から新たな価値提供を実現するため、事業領域の拡大と既存事業の変革を戦略的に進めることにより、人々の心豊かな生活の実現に貢献する企業グループを目指した新グループビジョン

“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”

を策定いたしました。

このグループビジョンで目指すべき将来の方向性を示すことにより、グループを大きく変革させるとともに、非連続な成長の実現を目指してまいります。

 

2017~2021年度 グループ中期経営計画について

中期経営計画の位置づけと基本方針

2014~2016年度中期経営計画で着手した大型開発計画が完成し、収益として成果が表れる2017~2021年度までの5か年を当中期経営計画の期間と定めます。これらの開発計画の完成により飛躍的な成長を実現するとともに、新たなグループビジョンに基づく非連続な成長の実現に向け、グループ経営の舵を大きく切る転換期、すなわち「グループ構造変革期」と位置づけ、2021年度のROE8%実現を目指してまいります。

そのため、これまでのマルチリテイラーの考え方から一歩進め、小売業の枠を超えた“マルチサービスリテイラー”として新たな事業領域への拡大をはかる一方、不採算事業領域の見極めなどにさらにスピードを上げて取り組み、事業の入れ替えを積極的に推進してまいります

 

国際会計基準(IFRS)への移行

適正な資産評価に基づいた効率経営の実践や当期利益重視の経営管理、財務情報の国際的な比較可能性の向上による国内外の投資家に対するアカウンタビリティの強化を目的とし、今中期経営計画期間のスタートとなる2017年3月から、国際会計基準(以下、IFRS)を任意適用することといたしました。今後、当社グループが発表する業績予想及び実績値などについては、中期経営計画の経営数値目標を含め、IFRSで開示いたします。

 

経営数値目標

新グループビジョン実現に向けた取り組みを通じ、中期経営計画・最終年度である2021年度には、営業利益560億円、営業利益率10%、ROE8%の達成を目指してまいります。

重点財務指標として、資本効率性はROE、事業収益性は営業利益、収益性・安全性はフリーキャッシュ・フロー(FCF)、財務健全性は親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)の各指標を重視してまいります。

 

 

2021年度目標

2016年度実績(概算)

連結営業利益 (IFRS)

560億円

417億円

連結営業利益率(IFRS)

 10.0%

9.2%

連結ROE(親会社所有者帰属持分

当期利益率)

 8.0%以上

7.6%

 

5年間で2,600億円以上の営業キャッシュ・フローを創出し、うち2,000億円を主に設備投資のほか、事業ポートフォリオの再構築に向けた新規事業拡大など成長戦略投資に投入した上で、連結配当性向30%以上を目処に株主還元を実施し、自己株式取得も適宜検討してまいります。

 

 

2017~2021年度累計

営業キャッシュ・フロー

2,600億円以上

設備投資及び成長投資

2,000億円

株主還元

配当性向30%以上を目処に自己株式取得も適宜検討

 

コーポレートガバナンス強化(指名委員会等設置会社への移行)

・指名委員会等設置会社への移行決定に基づき、経営監督機能の強化、機動的な経営の推進、監査精度の維持・向上に取り組んでまいります。

・グループの成長実現に向け、持株会社と事業子会社の権限・責任の明確化をはかるとともに、各社における経営監督機能の強化、迅速な経営の意思決定による機動的な経営を推進し、グループ全体のコーポレートガバナンスの強化をはかってまいります。

・移行後に設置する指名委員会・報酬委員会の活動を通じ、透明性・客観性の高い経営人事機能の強化に取り組んでまいります。あわせて、監査委員会による監査については、組織監査の実効性を高めるため、内部統制システムの見直し・強化をはかってまいります。

 

事業ポートフォリオの考え方

・2017年度より報告セグメントを「百貨店事業」「パルコ事業」「不動産事業」「クレジット金融事業」の4つといたします。

・これまでグループ営業利益の約9割近くを占めていた百貨店事業とパルコ事業のシェアを7割程度にする一方、不動産事業の強化及び新規事業領域の拡大によりそのシェアを伸ばしてまいります。

 

中期経営計画戦略骨子

グループ構造変革に向けた成長戦略の推進

①マルチサービスリテイラー戦略

・小売業の枠を超えた事業領域の拡大に向け、「マルチサービスリテイラー戦略」を推進してまいります。

1)新グループビジョン実現に向けた新規事業領域の拡大

・子育て世帯、共働き世帯、シニアなどのお客さまが抱える課題解決やニーズに応えるため、小売業の枠を超えてサービス分野を含めた新規事業領域の拡大を進めてまいります。

2)経営効率の高い事業領域の拡大

・クレジット金融事業、人材派遣業、建装事業など高効率で、かつ当社の持つリソースの活用やマーケットの成長が期待できる事業において事業領域拡大を進めてまいります。

 

②アーバンドミナント戦略

・店舗を核に地域とともに成長するビジネスモデルの構築を目指す「アーバンドミナント戦略」の取り組みをさらに加速させてまいります。昨年9月、百貨店に新設した不動産事業部とパルコの不動産開発部門との連携強化をはかるとともに、新たな商業施設の開発と賃貸借面積の拡大により不動産事業をグループセグメントの柱として強化してまいります。

1)不動産賃貸事業の拡大

・都市部の好立地の強みを活かし、既存店舗の周辺エリアを中心に賃貸借面積の拡大に取り組んでまいります。

2)新たな商業施設モデルの具現化

・不動産開発による新たな事業モデルを本年4月20日に開業いたしました「GINZA SIX(ギンザ シックス)」や「上野店新南館」で実現させるとともに、今後計画が進む「心斎橋店新本館」や「新生渋谷パルコ」の開業に向け、さらに進化させてまいります。

3)基幹店舗を中心としたまちづくりの推進

・各エリア戦略やコンセプトにもとづき、地域と連携した新しいサービスやイベントによる来街動機の創出に取り組んでまいります。

 

③IoT時代に向けたICT戦略

・「あらゆるモノがネットにつながるIoT時代のライフスタイル」に対応するため、Eコマースの強化による収益性向上、ICTを活用したお客さまとの関係性強化、新規事業の具現化に取り組んでまいります。

1)Eコマースの強化による収益性向上

・千趣会のフルフィルメントを活用し、百貨店ECサイトの刷新をはかるとともに、百貨店事業のプライベートブランドにおいて、店頭との在庫一元化によるオムニチャネル販売の拡大による収益性向上をはかってまいります。

2)ICTを活用したお客さまとの関係性強化

・スマートフォンの活用などによる、お客さまごとにカスタマイズされたコミュニケーション手法の確立に取り組んでまいります。

3)オープンイノベーションによる新規事業の具現化

・先進情報の収集力強化のため、ベンチャーキャピタル(VC)への出資を継続するとともに、VCへのグループ人材派遣など人材育成を推進してまいります。あわせてVCの先進情報や知見を活用したオープンイノベーションの取り組みを通じ、新たなサービスや事業の具現化を進めてまいります。

 

④既存事業の革新に向けた取り組み

・店舗の提供価値向上に向けた取り組みを通じ、グループ営業利益の過半を占める百貨店事業、パルコ事業など既存事業の変革を強力に進めてまいります。

<百貨店事業の革新>

・店舗戦略の基軸を集客力の強化、顧客基盤の拡大と位置づけ、多様化する顧客ニーズを先取りしグループビジョンの具現化を通じ、店舗の提供価値向上、収益力向上を推進してまいります。

1)クリエイティブ改革の推進

・百貨店に「未来定番研究所」を設立し、オープンイノベーションの推進により店舗の提供価値向上をはかってまいります。

2)店舗別ブランディングの再構築

・暮らし方、楽しみ方の多様化に対応するため、各店舗の立地や強みを活かした店舗別ブランディングの再構築に取り組んでまいります。

・新たな成長に向け、小型店・地方店の構造改革を進めてまいります。

3)幅広いテナント導入の推進(新編集売場の拡大)

・魅力的な体験価値を提供する店舗への変革に向け、コト・サービスなど物販に止まらない幅広いテナント導入に加え、既存編集売場の見直しによる新たな編集売場の導入、拡大などを推進してまいります。

<パルコ事業の革新>

・都市生活を楽しみたい消費者に対し、パルコ固有の強みを活かした事業領域の拡大を進めてまいります。

1)ストアブランドの進化と店舗ポートフォリオの変革推進による都心型店舗の魅力向上

・「新生渋谷パルコ創造」の取り組み推進によりパルコのストアブランド進化を実現させるとともに、店舗のスクラップ&ビルドの推進により都心型店舗の魅力向上をはかってまいります。

2)価値提供拡大に向けた商業不動産プロデュース力の強化

・ゼロゲートなど商業事業のエリア開発や業態進化に取り組み、提供価値拡大に向けた商業不動産のプロデュース力強化をはかってまいります。

3)楽しみ方の多様化に対応したソフトコンテンツの拡大

・店舗の提供価値向上に向け、コンテンツ開発力の強化と外部展開を推進してまいります。

<関連事業の革新>

1)グループ外収益の拡大に向けた新たな取り組みの推進

・グループ各社の強みを活かし、成長マーケットへの領域拡大をはかることにより、グループ外収益の拡大を推進してまいります。

2)経営効率の高い事業領域の拡大

・クレジット金融事業、人材派遣業、建装事業など高効率で、かつ当社の持つリソースの活用やマーケットの成長が期待できる事業において、外部企業とのアライアンスやM&Aを含め事業領域の拡大を進めてまいります。

 

⑤成長戦略を支える経営基盤の強化

<グループ業務システム刷新>

・経営効率向上に向け、ICT活用とペーパーレス化を軸とした業務プロセス改革を推進してまいります。また生産性向上に向け、IT環境の整備を通じて働き方改革に取り組んでまいります。

<グループ組織人事改革>

・グループビジョンの実現に向け、高い付加価値を生み出す「人材育成」と「人と組織の活性化」に取り組むとともに、生産性向上による働き方改革を推進してまいります。

<CSR活動推進>

・CSR活動を「環境」「人権」「働き方」「事業リスク」「コミュニティへの参画」など、国際標準規格(ISO26000)に則った課題に分類し、グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 

こうした取り組みを通じ、グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上をはかってまいり

ます。

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。

当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主のあり方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主または特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。

しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、または当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。

このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取り組み

当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。

当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客様及び社会との信頼関係にあるものと考えております。

そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客様第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客様の期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンである「百貨店事業を核とした、質・量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニーの地位の確立」を目指し、さまざまな施策に取り組んでおります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを

   防止するための取り組み

当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取り組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。

しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客様・お取引先様・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。

したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外役員及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対応を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。

 

④ 具体的な取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客様及び社会との信頼関係のさらなる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。

また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対応を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

① 事業環境におけるリスク

当社グループの主要なセグメントである百貨店事業及びパルコ事業は、景気動向・消費動向・金融動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競合や交通アクセスの変化等により大きな影響を受けます。これらの事業環境の要因が、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法規制及び法改正におけるリスク

当社グループは、大規模小売店舗の出店、独占禁止、下請取引、消費者保護、各種税制、環境・リサイクル関連等において法規制の適用を受けております。また、将来の税制改正に伴う消費税率の引き上げ等により個人消費の悪化につながる場合があります。従って、これらの法規制及び法改正により事業活動が制限されたり、費用の増加や売上高の減少を招き、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然環境の変化・事故等におけるリスク

地震・洪水・台風等の自然災害、不測の事故や新型インフルエンザ発生等により、営業機会を喪失したり、業務遂行に支障をきたす可能性があります。また、暖冬・冷夏等の異常気象により、主力商品である衣料品、食料品等の売上の減少につながることもあり、自然環境の変化・事故等が、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 商品取引におけるリスク

当社グループの主要なセグメントである百貨店事業及びパルコ事業は、消費者と商品取引を行っております。提供する商品については、適正な商品であることや安全性等に十分留意しておりますが、万一欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に当社グループに対する信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、百貨店事業の外商部門をはじめとして、法人向け等の掛売取引を行っております。これらの取引については与信管理を十分に行っておりますが、取引先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報管理におけるリスク

当社グループが保有する個人情報や機密情報の管理・保護については、社内体制を整備し厳重に行っておりますが、不測の事故又は事件により情報が漏洩した場合には、当社グループの信用低下を招き、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムリスク

当社グループが事業を展開するための各種システムは、主に外部委託先のデータ・センターで集中管理しております。当該データ・センターは、耐震設計、電源・通信回線の二重化、自家発電装置、不正侵入防止などの安全対策を講じております。しかしながら、想定を越える自然災害や事故によって、設備の損壊やシステムの停止、各事業所との通信障害が起きた場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有固定資産に関するリスク

当社グループは、事業活動上、店舗用土地・建物を始めとする事業用固定資産を保有しておりますが、事業収益・キャッシュ・フローの悪化や地価の下落に伴う減損損失の発生などにより、当社グループの業績や財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 海外での事業活動におけるリスク

当社グループは、主に卸売事業セグメントを中心に、海外での事業活動を行っております。この海外での事業活動において、予期しえない自然災害や景気変動、通貨価格の変動、テロ・戦争・内乱等による政治的・社会的混乱、並びに法規制や租税制度の変更等が、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 重要な訴訟等のリスク

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等はありませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 事業提携・資本提携・企業買収等のリスク

当社グループは、事業の拡大や競争力強化のため、他社との事業提携・資本提携及び他社の買収等を行うことがあります。これらの意思決定に際しては、必要かつ十分な検討をしておりますが、経済環境の変化等の影響により、期待した収益や成果を充分に得られず、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

<連結子会社>

賃貸借に関する契約

会社名

事業所名

賃借先

賃借物件

面積

賃料

㈱大丸松坂屋百貨店

大丸 東京店

㈱鉄道会館

建物

64,657㎡

(1)定額賃借料

年額      5,330百万円

(2)歩合賃借料

直前3事業年度の年間最高売上高を超過した額の1%

大丸 大阪・梅田店

大阪ターミナルビル㈱

建物

95,101㎡

(1)定額賃借料

年額      6,186百万円

(2)歩合賃借料

売上高85,000百万円を超過した額の1.5%

㈱博多大丸

東館

(エルガーラ)

㈱西日本新聞社

㈱西日本エルガーラビル

㈱西日本新聞会館

建物

15,155㎡

年額      1,041百万円

本館

㈱西日本新聞会館

紙与不動産㈱

建物

30,833㎡

年額      1,230百万円

 

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、従来の「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当連結会計年度は、百貨店を核に複数の事業を展開するマルチリテイラーとしての発展に向け、店舗を核に地域とともに成長するビジネスモデルの構築(アーバンドミナント戦略)や、リアル店舗の強みを活かしたオムニチャネル・リテイリングの推進など既存事業の競争力・収益力の一段の強化をはかるとともに、経営資源の成長分野への重点的な投入を進めました。

マルチリテイラーとしての発展を目指し、一昨年4月に資本業務提携契約を締結した株式会社千趣会との連携においては、M&Aによるシナジー創出に向け、同社のファッションブランド「Kカラット」やオリジナル婦人靴ブランド「ベネビス」を再構築し、共同開発ブランドとして百貨店基幹店舗、千趣会カタログ及び両社のECサイトにおいて相互販売をスタートいたしました。

アーバンドミナント戦略においては、銀座六丁目10地区市街地再開発、松坂屋上野店南館建替え計画のほか、大丸心斎橋店本館建替え計画、宇田川町14・15番地区第一種市街地再開発(渋谷パルコ建替え計画)などの大型プロジェクトを推進いたしました。このうち、銀座六丁目10地区市街地再開発については、本年4月、銀座地区最大の商業施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」としてオープンいたしました。また、アーバンドミナント戦略の一層の推進に向け、魅力的な商業施設の企画・開発、運営管理の一元的な推進等、不動産開発力の抜本的強化をはかるため、大丸松坂屋百貨店が大丸コム開発を吸収合併し、不動産事業部を新設いたしました。

オムニチャネル・リテイリングの推進においては、より一層使いやすく、多様なニーズに対応したショッピングサイトを目指し、従来の中元・歳暮ギフトを中心としたサイトから、ご自身でお使いになるお品物の購入にも便利なサイトに変更するとともに、「あたらしい暮らしの形を提案する」提案型サイトの導入によりコンテンツの充実をはかりました。

この結果、連結売上高は減収、連結営業利益、連結経常利益は減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益では増益となりました。

 

② 連結売上高

連結売上高は、クレジット事業で前年実績を上回ったものの、百貨店事業、パルコ事業、卸売事業及びその他事業で前年実績を下回り、前連結会計年度に比べ550億52百万円減の1兆1,085億12百万円となりました。

 

③ 連結営業利益

連結営業利益は、前連結会計年度に比べ34億58百万円減の445億80百万円となりました。

 

④ 連結経常利益

連結経常利益は、前連結会計年度に比べ34億85百万円減の444億25百万円となりました。

 

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ6億37百万円増の269億

50百万円となりました。

 

⑥ キャッシュ・フローに関する分析

当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状況を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。

また、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資、投融資資金は、主に手許資金と営業活動によるキャッシュ・フローに加え、社債の発行及び金融機関からの借入などにより調達しております。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は362億39百万円の収入となりました。一方、「投資活動によるキャッシュ・フロー」は303億53百万円の支出、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は21億89百万円の支出となりました。

この結果、当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ36億99百万円増の318億46百万円となりました。

今後も、利益水準やキャッシュ・フローの動向等を考慮し、適切な利益配分や設備投資を行っていく予定であります。

 

⑦ 財政状態に関する分析

財政状態につきましては、資産効率、資金効率向上の観点からグループ保有資産の有効活用に努めるとともに、グループ資金一元管理を推進するなど財務体質強化への取り組みを進めた結果、資産合計は前連結会計年度に比べ309億63百万円増の1兆501億9百万円となりました。一方、負債合計は5,842億69百万円、純資産合計は4,658億39百万円となりました。

これらの結果、総資産営業利益率(ROA)は、4.3%、自己資本比率は、38.7%となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

当社グループは、「2017~2021年度 グループ中期経営計画」をスタートさせております。詳細は「第2  事業の状況  3  対処すべき課題」に記載しております。