文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、従来の「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成28年3月1日~平成28年11月30日)の日本経済は、雇用の改善が継続し、また11月には米国大統領選挙後に株価が回復する等の明るい材料が見られたものの、昨年後半からの中国の景気減速や英国のEU離脱問題を起点に世界経済の先行き不透明感が高まるなか、年明けからの急激な円高・株価下落もあり、回復は緩やかなものとなりました。
小売業界におきましては、政府による消費税増税の延期決定もあるなか、消費の二極化の進展や、社会保障等も含めた先行き不透明感による節約志向の強まり、インバウンド消費の増率鈍化や単価減少などにより、個人消費全体は力強さを欠く展開となりました。
このような状況の中、当社グループは「2014~2016年度 中期経営計画」の最終年度として、百貨店を核に複数の事業を展開するマルチリテイラーとしての発展に向けて、既存事業の競争力と収益力の一段の強化をはかるとともに、経営資源の成長分野への重点的な投入を進めました。
百貨店事業につきましては、各店舗の地域特性に合わせたマーケット対応力の強化、収益性向上に向けた運営体制の見直しによる業態革新「新百貨店モデル」の確立に向けた取り組みを加速させました。その一環として、松坂屋名古屋店では4月下旬に、上質で高感度なものを求める大人に対応する館として、新・北館を「松坂屋ジェンタ」としてリスタートするとともに、本館・南館を含めた全館がグランドオープンいたしました。また、大丸京都店では11月上旬に、大丸創業300周年記念企画の一環として、また地域とともに成長するビジネスモデルであるアーバンドミナント戦略の一環として、「大丸京都店 祇園町家」をオープンいたしました。
パルコ事業につきましては、7月に複合商業施設「仙台パルコ2」、9月に「広島ゼロゲート2」をオープンするとともに、春には福岡パルコや名古屋パルコ、秋には仙台パルコや調布パルコなどでよりお客様から支持される商業施設を目指した改装を実施いたしました。
なお、「渋谷パルコ(パート1・パート3)」につきましては、パルコブランドの更なる強化に向けて、8月より建替えのための一時休業をいたしました。また、千葉パルコにつきましては、11月30日をもって営業を終了いたしました。一時休業や営業終了に伴い、ご愛顧いただいたお客様への感謝の気持ちを込めて、「渋谷パルコ大感謝祭!」や「千葉パルコ 閉店SALE」など様々な企画を実施してまいりました。
グループとしての成長力強化につきましては、平成27年4月に資本業務提携契約を締結した株式会社千趣会と連携したオムニチャネル戦略を強化しており、商品の相互販売の具現化の取り組みとして、3月には婦人服共同開発ブランド「Kカラット」、8月末には婦人靴共同開発ブランド「べネビス」を大丸松坂屋各店や両社のECサイトで販売を開始いたしました。また9月には、魅力的な商業施設の企画・開発、運営管理の一元的な推進等、不動産開発力の抜本的強化を目的に、大丸松坂屋百貨店が大丸コム開発を吸収合併いたしました。
併せて、より強靭な経営体質の構築に向け、グループレベルで組織・要員構造の改革を進めるとともに、9月には、重複する業務運営コストの削減や、組織横断的な業務革新を通じたグループレベルでのさらなる効率化とグループ各社への支援機能の高度化の実現にむけ、グループ内のシェアードサービス会社3社を1社に再編いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、前年同四半期に比べ売上高は5.9%減の7,990億88百万円、営業利益は13.3%減の268億28百万円、経常利益は18.5%減の259億32百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は12.7%減の161億1百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
大丸京都店では、10月にセルフ型ビューティーショップ「アミューズ ボーテ」を地下2階にオープンいたしました。従来の流通チャネルの壁を越えた多彩な化粧品ブランドを展開し、気軽に試して自由に選べる快適なサービス環境を整えております。
11月上旬には大丸創業300周年記念企画の一環として、京都・祇園に「大丸京都店 祇園町家」をオープンいたしました。第一弾では「エルメス祇園店」を期間限定で展開しております。
インバウンドマーケットにおいては、持続的・安定的な売上の確保を目指し、店舗への訪日外国人送客強化策として、6月から現地旅行会社と組んで「大送客祭り」を実施しております。
また、外商における成長戦略としての新規口座開拓では、企業とのタイアップや、旭川西武閉店に伴う旭川地区開拓強化をはじめ、富裕層マーケットのさらなる拡大に取り組んでおります。
資本業務提携を行っております千趣会とは、千趣会オリジナル婦人靴ブランド「ベネビス」を再構築し、両社の共同開発婦人靴ブランドとして、8月末より大丸松坂屋百貨店の9店舗、千趣会カタログ、両社のECサイトで販売を開始いたしました。
さらに、お客様からお預かりした衣料品・靴・バッグを店頭で回収し、リユースまたはリサイクルする循環型ファッションプロジェクト「『エコフ』リサイクルキャンペーン」を、10月に大丸松坂屋百貨店の9店舗で実施いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、前年同四半期に比べ売上高は6.0%減の
5,176億53百万円、営業利益は24.9%減の125億75百万円となりました。
<パルコ事業>
ショッピングセンター事業では、7月に「仙台パルコ2」、9月に「広島ゼロゲート2」を開業したほか、既存パルコ店舗においてライフスタイルの変化やインバウンド需要の獲得に向けた、ターゲット層の拡大をテーマとした改装を推進いたしました。総合空間事業では、売上総利益率の改善および販売費及び一般管理費の効率化などにより営業利益が好調に推移いたしました。以上のような諸施策に取り組みましたが、渋谷パルコの一時休業などもあり、前年同四半期に比べ売上高は2.1%減の2,033億90百万円、営業利益は2.7%減の89億円となりました。
<卸売事業>
食品部門、電子デバイス部門ならびに産業資材部門の不調により、前年同四半期に比べ売上高は23.9%減の350億68百万円、営業利益は7.9%減の11億44百万円となりました。
<クレジット事業>
中間ボリューム層の購買不振で百貨店からの加盟店手数料は減少しましたが、外部加盟店手数料や割賦販売利息収入の増により、前年同四半期に比べ売上高は4.2%増の80億87百万円、営業利益は1.6%増の22億12百万円となりました。
<その他事業>
その他事業では、J.フロント建装のグループ百貨店大型改装工事の受注減により、前年同四半期に比べ売上高は6.8%減の717億2百万円となりましたが、通信販売業のJFRオンラインがカタログの発送費用を大幅に圧縮するなど経費の効率化を推進したことにより、営業利益は
6.1%増の18億40百万円となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1兆595億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ404億30百万円増加いたしました。一方、負債合計は6,088億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ303億20百万円増加いたしました。純資産合計は4,507億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ101億10百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ80億99百万円減の200億48百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは211億43百万円の収入となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、補償金の受取があったものの、売上債権及びたな卸資産が増加したことなどにより17億80百万円の収入減となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは248億38百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、投資有価証券の取得による支出が減少したことなどにより86億28百万円の支出減となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは44億5百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、コマーシャル・ペーパーの発行増などにより25億83百万円の支出減となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。
当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主の在り方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主又は特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、又は当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。
このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。
当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客さま及び社会との信頼関係にあるものと考えております。
そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客さま第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客さまの期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンである「百貨店事業を核とした、質・量ともに日本を代表する小売業界のリーディングカンパニーの地位の確立」を目指し、さまざまな施策に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。
しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客さま・お取引先さま・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。
したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外役員及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。
④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客さま及び社会との信頼関係の更なる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。
また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対抗措置を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。