文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(2018年3月1日~2018年8月31日)の日本経済は、米国政権の動きなど不確実性があるものの、海外経済の堅調な成長や企業収益の堅調な動きなどにより緩やかな回復基調となりました。
小売業界におきましては、雇用情勢の改善や所得の緩やかな回復が進むなかで、好調に推移するインバウンド消費や富裕層による高額品消費の回復など明るい材料が見られるものの、消費の二極化の進展や社会保障費負担の増加等に伴う先行き不安や節約志向は継続しており、個人消費全体では一進一退の状況となりました。
このような状況の中、当社グループは“くらしの『あたらしい幸せ』を発明する。”という新しいグループビジョンの実現を目指した「2017~2021年度 中期経営計画」の2年目を迎え、小売業の枠を超えた「マルチサービスリテイラー」としての発展に向けて、既存事業の競争力と収益力の一段の強化をはかるとともに、重点関連3事業の取り組みを加速させております。
また、当社グループとして新たに「サステナビリティ方針」を策定し、「マテリアリティ」の特定をおこなうとともに「ESG推進部」を設置し、主体的に持続可能な社会の実現に向け取り組んでまいりました。
百貨店事業につきましては、一部の店舗において豪雨や台風など気象災害の影響を受けたものの、訪日外国人客を中心に化粧品、ラグジュアリーブランド、高級時計などが引き続き好調に推移いたしました。時代や社会の少し先を見据えて「新しい価値」をお客様に提供していくことを目指した、新しい編集売場拡大の取り組みとして、4月には多様化した女性の生き方や価値観にあわせて「美・食・雑貨」を融合させた新ゾーン「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」を大丸札幌店3階にオープンいたしました。また「KiKiYOCOCHO」には当社が運営するセルフ型ビューティショップ「Amuse Beauté(アミューズ ボーテ)」がオープンし、大丸京都店、大丸札幌店、池袋パルコ店、津田沼パルコ店の4店舗展開となりました。
同じく4月には持続可能な社会の構築に貢献するため、不要となった衣料品などの回収を行う「ECOFF(エコフ)リサイクルキャンペーン」を大丸・松坂屋の基幹店舗で開催いたしました。今回も多くのお客様にご参加いただき、開催した9店舗合計で、合計299,170点の再生可能なアイテムが集まり、2016年8月の第1回のリサイクルキャンペーンからご提供いただいたアイテムは、延べ100万点を超えることとなりました。
また8月には、ICTを活用した取り組みとして、大丸東京店において「お弁当WEB予約決済サービス」や、「各階喫茶」「トイレ」のリアルタイム空席状況表示サービスをスタートいたしました。
一方で、7月には株式会社鳥取大丸との間で、事業再生計画の確認をはじめとする合意書を締結いたしました。また大丸山科店について、2019年3月末日をもって閉店することを決定いたしました。
不動産事業につきましては、昨年オープンしたGINZA SIXや上野フロンティアタワーの効果もあり好調に推移いたしました。当社が掲げる「アーバンドミナント戦略」では「京都・町家プロジェクト」として、3月に京都の代表的な観光拠点である南禅寺に築100年を超える旅館をリノベーションした「ブルーボトルコーヒー 京都カフェ」を、5月には大丸京都店隣接の高倉通りに「神乃珈琲 京都店」をオープンいたしました。また神戸・旧居留地においては「ブルーボトルコーヒー 神戸カフェ」を7月にオープンいたしました。
パルコ事業につきましては、各店において、昨今の消費の多様性に即した「新たな付加価値の創造」をテーマに、高感度な大人世代に向けた心豊かなライフスタイルを提案するためのリニューアルを実施いたしました。また都心部一等地の立地の良さを活かし事業規模に応じた効率的運営を実施する「ゼロゲート事業」では、3月に原宿ゼロゲートが開業し、8月には京都ゼロゲートにアップルストアが、9月には三宮ゼロゲートがオープンいたしました。加えて、次世代商業施設の変革に向けてインキュベーション機能の拡充を目的とした新たなスペースの設置や、ICTを活用した新しい買い物体験の提案をいたしました。
そのほか小売業の枠を超えた事業領域拡大の取り組みにつきましては、子育て世代の不安・不満の解消を目指し、教育の充実と長時間保育を両立させた認可外保育施設の運営に参入することといたしました。第1号園は、様々な要件を検討した結果、2019年4月に横浜市青葉区青葉台に「Daimaru Matsuzakaya Kids Duo International 青葉台」を開園することといたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、前年同四半期に比べ売上収益は3.1%減の2,272億6百万円、営業利益は9.2%減の242億18百万円、税引前四半期利益は3.3%減の250億64百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2.5%減の159億10百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
大丸札幌店では、3階フロアの15年ぶりの改装に際し、これまでにない新たな売場づくりを目指して「美・食・雑貨」を融合させた新感覚の編集ゾーン「KiKiYOCOCHO」を4月にオープンいたしました。従来の百貨店の考え方にとらわれず、女性の興味・関心を売場づくりの核に百貨店の高級感と横丁の賑わい感がドッキングした、「ためせる・みつかる・楽しめる」空間です。
需要が高まる化粧品マーケットへの取り組みとして、新しいビューティメディア「DEPACO(デパコ)」を4月にオープンいたしました。大丸・松坂屋の化粧品バイヤーやコスメブランドのPR担当者、ビューティアドバイザーなど、「デパコス」情報に詳しい“DEPACO STAFF”による情報発信や、コスメカウンターで使えるクーポン、動画による5分間のビューティサービス「300秒マジック」など、身近なコスメのプロが情報を発信するデパコス情報メディアです。
インバウンドと富裕層マーケットでは、引き続き旺盛な消費が売上をけん引いたしました。訪日外国人客を中心に化粧品や高額品が好調で、免税売上高は8月まで21カ月連続でプラス、富裕層の消費もラグジュアリーブランド、美術・宝飾貴金属を中心に堅調に推移しております。
以上のような諸施策に取り組みました結果、6月の大阪北部地震及び平成30年7月豪雨による売上減の影響はあったものの、前年同四半期に比べ売上収益は1.8%増の1,346億32百万円となりましたが、前年の社宅売却益の反動により、営業利益は8.0%減の118億65百万円となりました。
<パルコ事業>
ショッピングセンター事業では、原宿ゼロゲートの開業(3月)、京都ゼロゲートの全面開業(8月)、三宮ゼロゲートの開業(9月)など、都市部未出店エリアにおける提供価値拡大を推進いたしました。パルコ店舗では、新しい都市型ライフスタイルを提案するテナントの導入やテナントサポートシステムの導入、独自性ある動員企画の開発を強化いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、前年同四半期に比べ売上収益は2.3%減の441億84百万円、営業利益は14.5%減の57億7百万円となりました。
<不動産事業>
昨年開業いたしましたGINZA SIX、上野フロンティアタワーに引き続き、エリアの魅力を最大化し、地域とともに成長する「アーバンドミナント戦略」の取り組みを進めております。
3月には「京都・町家プロジェクト」の一環として、京都の代表的な観光拠点である南禅寺エリアで「ブルーボトルコーヒー 京都カフェ」をオープンし、関西初出店が実現いたしました。また、5月には、大丸京都店隣接の高倉通りに「神乃珈琲 京都店」をオープン、こちらも関西初の出店となります。7月にも関西で2店舗目となる「ブルーボトルコーヒー 神戸カフェ」を大丸神戸店の周辺店舗開発として誘致し、旧居留地の街並みの歴史的価値を守りつつ新たな息吹を吹き込み、街の活性化に貢献しています。
以上のような取り組みを進めるとともに、既存物件の活性化などの諸施策に取り組みました結果、前年同四半期に比べ売上収益は43.4%増の83億87百万円、営業利益は71.8%増の28億57百万円となりました。
<クレジット金融事業>
外部加盟店でのカード利用による手数料収入等の増加や、リボ・分割払いやキャッシング利用拡大による利息収入が増加した結果、前年同四半期に比べ売上収益は3.3%増の51億23百万円となりましたが、カードの更新に伴う費用等が増加し、営業利益は17.6%減の10億76百万円となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は1兆249億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億5百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,615億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ99億2百万円減少いたしました。資本合計は4,633億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ125億7百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ50億5百万円減の338億78百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは224億53百万円の収入となりました。前第2四半期連結累計期間との比較では、営業債権及びその他の債権の増加などにより192億1百万円の収入減となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは128億71百万円の支出となりました。前第2四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより50億98百万円の支出増となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは145億98百万円の支出となりました。前第2四半期連結累計期間との比較では、前年の社債発行による収入の反動などにより52億41百万円の支出増となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。
当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主のあり方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主または特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、または当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。
このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。
当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客様及び社会との信頼関係にあるものと考えております。
そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客様第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客様の期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンとして“くらしの『あたらしい幸せ』を発明する。”を掲げ、さまざまな施策に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取り組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。
しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客様・お取引先様・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。
したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外取締役及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対応を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。
④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客様及び社会との信頼関係のさらなる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。
また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対応を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。