文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2018年3月1日~2018年11月30日)の日本経済は、通商問題の動向などに起因する海外経済に不確実性があるものの、国内企業収益の堅調な動きを背景とした設備投資の増加や雇用情勢の改善などの影響により、緩やかな回復基調で推移いたしました。
小売業界におきましては、雇用・所得環境の改善が進むとともに、インバウンド消費や富裕層による高額品消費が引き続き好調に推移するなど明るい材料が見られたものの、社会保障費負担の増加等に伴う先行き不安や大規模な自然災害による影響等から、個人消費全体では一進一退の状況となりました。
このような状況の中、当社グループは“くらしの『あたらしい幸せ』を発明する。”という新しいグループビジョンの実現を目指した「2017~2021年度 中期経営計画」の2年目を迎え、小売業の枠を超えた「マルチサービスリテイラー」としての発展に向けて、既存事業の競争力と収益力の一段の強化をはかるとともに、事業領域の拡大に取り組んでおります。そのひとつとして、子育て世代の不安・不満の解消を目指し、教育の充実と長時間保育を両立させた認可外保育施設の運営に参入することといたしました。2019年4月には横浜市青葉区青葉台に第1号園である「Daimaru Matsuzakaya Kids Duo International 青葉台」を開園いたします。
また、エリア全体の魅力を最大化し、地域とともに成長することを目指す「アーバンドミナント戦略」として、京都の代表的な観光拠点である南禅寺近くの町家に3月にオープンさせた「ブルーボトルコーヒー 京都カフェ」をはじめとして、基幹店舗の周辺に新たに3件のショップをオープンさせるとともに、地域の活性化に向けてまちへの集客をはかるイベントを各店においておこないました。
加えて、持続可能な社会の実現への貢献と企業として持続的な成長の実現にむけたESGを重視した経営を実行するため、当社グループの「サステナビリティ方針」を策定し、「マテリアリティ」の特定など具体的な取り組みを進めております。
以上のような諸施策に取り組みましたが、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、前年同四半期に比べ売上収益は2.6%減の3,336億8百万円、営業利益は10.6%減の338億53百万円、税引前四半期利益は7.5%減の348億98百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は6.9%減の220億77百万円となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
<百貨店事業>
9月初旬の台風21号、北海道胆振東部地震、同月末の台風24号につきましては、一部店舗の臨時休業やインバウンド需要の減退などにより、一時的に収益のマイナス要因となりました。但し、10月以降はインバウンド需要が回復を見せており、富裕層需要も堅調に推移しております。
大丸札幌店では、3階フロアの15年ぶりの改装に際し、これまでにない新たな売場づくりを目指して「美・食・雑貨」を融合させた新感覚の編集ゾーン「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」を4月にオープンいたしました。従来の百貨店の考え方にとらわれず、女性の興味・関心を売場づくりの核に百貨店の高級感と横丁の賑わい感がドッキングした、「ためせる・みつかる・楽しめる」空間です。また「KiKiYOCOCHO」には当社が運営するセルフ型ビューティショップ「Amuse Beauté(アミューズ ボーテ)」がオープンいたしました。「Amuse Beauté」は、10月に小田急百貨店町田店、11月に仙台パルコ2店が新たに加わり、計6店舗展開となりました。
松坂屋名古屋店では、ファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」のショッピングイベント「VOGUE FASHION'S NIGHT OUT 2018 NAGOYA in Matsuzakaya Nagoya」を初開催いたしました。昨年から開催している大丸神戸店に続いて、2店舗目の取り組みです。
基幹店舗において本年も開催した「ECOFF(エコフ)リサイクルキャンペーン」では、お客様がご不要になった衣料品・靴・鞄・布団などを回収し、その回収点数は前年の1.8倍の約46万点に上りました。循環型社会構築に向けた環境活動の取り組みは今後も推進してまいります。
インバウンド需要の回復につきましては、中国大手モバイル決済業者との国慶節にあわせたキャンペーンや、大丸心斎橋店の南館で化粧品売場を拡大したことなどが奏功いたしました。また、地域別に見ると、名古屋や京都の外国人来訪者数が増え、松坂屋名古屋店や大丸京都店の売上が伸びております。
以上のような諸施策に取り組みました結果、前年同四半期に比べ売上収益は1.3%増の
1,968億22百万円となりましたが、前年の社宅売却益の反動などにより、営業利益は
9.5%減の158億39百万円となりました。
<パルコ事業>
ショッピングセンター事業では、原宿ゼロゲートの開業(3月)、京都ゼロゲートの全面開業(8月)、三宮ゼロゲートの一部先行開業(9月)など、都市部未出店エリアにおける提供価値拡大を推進いたしました。パルコ店舗では、新しい都市型ライフスタイルを提案するテナントの発掘やテナントサポートシステムの導入、独自性ある動員企画の開発を強化いたしました。
以上のような諸施策に取り組みましたが、前年同四半期に比べ売上収益は2.9%減の662億72百万円、営業利益は15.8%減の81億39百万円となりました。
<不動産事業>
昨年開業いたしましたGINZA SIX、上野フロンティアタワーに引き続き、エリア全体の魅力を最大化し、地域と成長をともにする「アーバンドミナント戦略」の取り組みを進めております。9月には、大丸神戸店周辺店舗に「ファミリア神戸本店」を、教育・食・医療をプロデュースした新業態としてオープンいたしました。また、11月には、「ビューティー&ヘルス」をキーワードとして昨年第1期開業した「BINO銀座(ビーノギンザ)」がグランドオープンいたしました。
以上のような取り組みを進めるとともに、既存物件の活性化などの諸施策に取り組みました結果、前年同四半期に比べ売上収益は33.4%増の126億69百万円、営業利益は46.7%増の44億88百万円となりました。
<クレジット金融事業>
リボ・分割払いの利用拡大による利息収入の増加や、外部加盟店でのカード利用による手数料収入が増加した結果、前年同四半期に比べ売上収益は3.6%増の78億54百万円となりましたが、カードの更新に伴う費用等が増加し、営業利益は9.5%減の19億69百万円となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は1兆576億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ352億88百万円増加いたしました。一方、負債合計は5,919億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ205億16百万円増加いたしました。資本合計は4,656億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ147億72百万円増加いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ121億72百万円減の267億11百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは218億30百万円の収入となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、法人所得税の支払額の増加などにより191億32百万円の収入減となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは219億32百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、有形固定資産の取得による支出の増加などにより54億29百万円の支出増となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは120億96百万円の支出となりました。前第3四半期連結累計期間との比較では、前年の社債及びコマーシャル・ペーパー償還の反動などにより175億48百万円の支出減となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。
当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主の在り方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主又は特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、又は当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。
このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。
当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客様及び社会との信頼関係にあるものと考えております。
そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客様第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客様の期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンとして“くらしの『あたらしい幸せ』を発明する。”を掲げ、さまざまな施策に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取り組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。
しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客様・お取引先様・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。
したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外取締役及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対応を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。
④ 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客様及び社会との信頼関係のさらなる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。
また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対応を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。
(5)研究開発活動
特記事項はありません。