第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2021年5月28日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。

 

(1) 経営方針

当社グループは持株会社体制の下、大丸、松坂屋、パルコの店舗ネットワークや顧客基盤などの経営資源を最適かつ有効活用するとともに、時代の変化に的確に対応し、顧客満足の最大化と効率経営の徹底を通じ、百貨店事業、パルコ事業をはじめ既存事業各社の競争力と収益力の向上をはかってまいります。

加えて、より成長性のある分野に資源配分を行っていくなど、競争力と収益力に優れた事業群でバランス良く構成されるポートフォリオへの見直しを進め、“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”というグループビジョンの実現に挑戦してまいります。

 

(2) 経営目標

2021年4月13日に、当社グループは「2021~2023年度 中期経営計画」を策定いたしました。

2021年度より報告セグメントを「百貨店事業」「SC(ショッピングセンター)事業」「デベロッパー事業」「決済・金融事業」の4つとします。

1.経営数値目標

本中期経営計画より、資本収益性を管理する指標として新たにROIC(投下資本利益率)を採用いたします。

2023年度に連結営業利益403億円、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)7%、ROIC5%、また、サステナビリティの目標として、温室効果ガス排出量40%削減、女性管理職比率26%達成を目指してまいります。

 

 

2019年度実績

2020年度実績

2023年度目標

連結営業利益(IFRS)

40,286百万円

△24,265百万円

40,300百万円

連結ROE

5.4%

△7.1%

7.0%

連結ROIC

5.0%

温室効果ガス排出量※

△16.3%

(算定中)

△40%

女性管理職比率

16.6%

19.9%

26%

※2017年度比 Scope1(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出),Scope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)、2020年度実績は算定中

 

2.財務政策

3年間で1,900億円以上の営業キャッシュ・フロー(使用権資産に係る減価償却費を含む)を創出し、うち900億円を成長投資と設備投資に充当いたします。投資は2023年度までに利益貢献する案件及び「デベロッパー戦略」に優先的に充当いたします。

有利子負債残高(除くリース負債)は2023年度末に2,600億円に圧縮いたします。

連結配当性向30%以上を目途に株主還元を実施し、自己株式取得も適宜検討してまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

1.中期経営計画の策定について

当社グループは、2017年度からの前中期経営計画を事業ポートフォリオ変革に向けた構造変革期と位置づけ、グループビジョン“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”のもと、事業領域の拡大や既存事業におけるビジネスモデルの転換、ESG経営などを着実に推進してまいりました。また、パルコの完全子会社化及び不動産事業の集約により、抜本的かつ機動的なポートフォリオ変革にグループ一体で取り組む体制を構築いたしました。

一方、新型コロナウイルス感染症の拡大は国内外の社会・経済活動に甚大な影響を及ぼし、当社グループにおいては2020年度に大幅な最終損失を計上するなど厳しい状況に直面しています。

経営を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少の進行、テクノロジーの進展などとともに、コロナ禍により変化した生活者の意識や行動が「ニューノーマル(新常態)」となり、コロナ禍前には戻らないと認識しております。

将来の不確実性が高い時こそ、当社グループが大切にする価値観や、社会や時代の変化に対する存在意義を問い直す機会と考えております。

本中期経営計画を策定するにあたり、早期の収益回復と財務体質の改善を果たすとともに、2030年にどのような企業グループでありたいか、目指す企業像とその実現に向けた戦略の方向性を描くことで、3年間に集中して取り組むべき具体的な戦略・施策を定めました。

 

2.基本方針 サステナビリティ経営の推進

新型コロナウイルス感染症の拡大は人々の暮らしや働き方を見つめ直し、健康や安全安心、人と人とのつながりの大切さを再認識する機会につながっています。

また、企業には経済的価値に加え、環境や社会、人権など多くの課題に向き合い、事業を通じて解決を図る役割・責任がより強く求められています。

当社グループは、グループビジョンの実現に向け、サステナビリティを経営の中核に据え企業活動全般で体現していくため、「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」と「サーキュラー・エコノミーの推進」を新たに加えた7つのマテリアリティ(重要課題)を設定しました。これらに基づく事業活動を推進することにより、すべてのステークホルダーの「Well-Being Life」を実現してまいります。

 

3.2030年を見据えた経営の方向性

(1) 目指す企業像

「こころ豊かなライフスタイルをプロデュースし、地域と共生する個性的な街づくりを行う企業グループ」

2030年を見据えた経営の方向性を定めるにあたり、当社グループがこれまで大切にしてきた「人の思いと個性の尊重」「地域社会との共生」「伝統文化の継承と先端カルチャーの発信」といった価値観はより重要になると考えております。当社グループは、これまで百貨店事業やショッピングセンター事業(パルコ事業)など商業分野を中心に事業を展開してまいりました。今後は、不動産事業など商業以外にも事業ポートフォリオを拡大し、生活者に対し文化的でこころ豊かなライフスタイルを、当社グループの特徴である地域と共生する個性的な街づくりを通して提供してまいります。

 

(2) 戦略の方向性

2030年を見据えた経営環境のうち、当社グループへの影響が大きい外部環境変化は、①国内人口が減少するなか「都市部商圏の底堅さ」、②「人」を介した情報と信頼性が見直される「リアルとデジタルの融合」、③「所得や消費の二極化の進行」の3つと捉えています。

 

また、当社グループが有する強みは、①東京、名古屋、大阪など国内主要都市の店舗不動産資産、②店づくりや店舗周辺の街づくりで培った商業プロデュース能力、③優良なコンテンツを持つお取引先様や専門店、独創的なクリエイターなどのパートナー、④アクティブなライフスタイルを楽しむ優良な顧客基盤の4つと認識しております。

1) 3つの重点戦略 -デベロッパー戦略へのシフト-

これら長期的な環境変化を事業構造の変革及び新たなビジネスを創出する機会と捉え、当社グループが有する4つの強みを再構成し、グループ横断で最大活用する3つの重点戦略「デベロッパー戦略」「リアル×デジタル戦略」「プライムライフ戦略」を定めました。なかでも「デベロッパー戦略」は、グループ再成長に向けた成長ドライバーと位置づけ、最重要戦略として経営資源を重点的に配分してまいります。

①デベロッパー戦略

・グループ保有不動産資産の価値最大化を図ります。複合再開発等では百貨店とパルコの規模適正化や容積率緩和を活用します。非商業用途のシェアを高め、収益性の向上を図ります。

・‌重点エリアにおける大型複合開発では、街の個性を尊重した魅力的な街づくりを通じて、街の賑わい創出に貢献し、生活者のマインドシェアの向上を目指します。

・‌新規不動産の取得と開発、私募ファンドなどの組成やアセットマネジメントなどにより、収益の複線化を図ります。また、開発エリアを準都心に拡大します。

②リアル×デジタル戦略

・‌店舗を起点としたデジタル活用により、時間や空間を超え新たな体験価値を提供する商業モデルへ変革します。

・‌顧客データの分析やデジタルツールの活用を高度化し、「人」を起点に、お客様との関係性を深めます。

・販売収益に加え、賃貸収益やデジタル活用を通じた手数料収益など、収益の複線化を図ります。

③プライムライフ戦略

・文化や芸術に価値を置き、こころ豊かでサステナブルなライフスタイルを楽しむ生活者への提案をさらに強化します。

・当社グループのエンタテインメントやアートを活用するほか、希少な体験等、新規の商品やサービスを外部提携により開発するなど、コンテンツの充実を図ります。

・このようなライフスタイルに共感する国内ニューリッチやアジアの海外富裕層など百貨店外商の枠を超えた顧客獲得を、他社提携を含め推進します。

・新たな決済手段の提供によるロイヤルカスタマーの拡大、また顧客のライフプランニングを通じた付加価値の高い金融サービスを展開します。

2) 3つの重点戦略を集約したエリア戦略

百貨店とパルコが隣接する大阪・心斎橋地区と名古屋・栄地区において、3つの重点戦略の集約により、地域と共生する個性的な街づくりを推進してまいります。

エリアの顧客政策は、百貨店やパルコ、新たな商業施設や非商業施設など複数の事業を横断した統合顧客データベースを活用し、JFRカードの顧客サービスとの連携により推進してまいります。

3) アライアンス、M&A、ウイング拡大

重点戦略の規模拡大やスピード加速に資する他社との提携、事業買収などにより、長期的かつ重要度の高いグループ戦略を具体化してまいります。

 

 

(3) 戦略コミッティによるグループシナジーの追求

3つの重点戦略それぞれに、グループ横断メンバーで構成するコミッティを設置し、グループ最適の視点から計画立案と推進を主導いたします。

 

(4) 長期的な利益成長、事業ポートフォリオの考え方

2024年度以降、年率換算10%超の利益成長により、2030年度連結営業利益800億円及びROE10%の達成を目指してまいります。2030年の事業ポートフォリオにおける、デベロッパー事業と決済・金融事業等の連結営業利益に占めるシェアを2019年度の2割から4割に高めてまいります。

 

4.2021-2023年度  中期経営計画

(1) 中期経営計画の位置づけ  -完全復活と再成長への着手-

本中期経営計画を通じ、最終年度2023年度に財務数値を2019年度水準に回復し、コロナ禍からの「完全復活」を果たすとともに、2024年度以降の「再成長」への道筋をつける期間と位置づけます。

早期の収益回復を図るため、重点戦略「リアル×デジタル戦略」では基幹店の改装及びデジタル投資、「プライムライフ戦略」では百貨店外商を基盤とする顧客基盤強化に集中し取り組んでまいります。また、完全復活への最重要施策「経営構造改革」を着実に推進してまいります。

「デベロッパー戦略」は、中長期的な成長ドライバーとして、本計画期間中から先行して投資配分を増やしてまいります。

 

(2) 中期経営計画の骨子

・重点戦略

1) リアル×デジタル戦略

<百貨店事業>

①店舗、コンテンツの魅力化

・基幹店を中心にラグジュアリーのさらなる強化、コスメや時計など業界内シェアの高いアイテム群の深耕など、百貨店が強みをもつカテゴリーの拡充に集中的に取り組み、各地域での競争優位性を確立します。

・リアル店舗、外商、ECなど多様な顧客接点を活かした新規コンテンツや売場開発、またリアル店舗ならではの快適な売場・店舗環境の向上、上質なサービスメニューの開発など、店舗の魅力化による顧客体験の価値向上に取り組みます。

②オンライン活用ビジネスの拡大

・店舗の魅力化とともに、コスメやアートなどリアル店舗を起点とした独自のOMO売場(リアル店舗とオンラインの融合)の開発に取り組みます。併せて、フーズやギフトなど商品の拡充、ブランド開発など百貨店WEBの再構築に取り組みます。

③CSV(共有価値の創造)視点の事業活動

・脱炭素社会の実現に向けたお取引先様政策、オンライン活用によるサブスクリプション事業への参入、地域産品の発掘、販路拡大など、社会価値向上につながる事業活動を開発します。

 

<SC(ショッピングセンター)事業>

①パルコ店舗ブランド価値の再構築

・渋谷PARCO・心斎橋PARCOの店づくりの要素と、各出店エリアのローカルカルチャーとを組み合わせ、各店舗が提供する独自のブランド価値を再構築します。

②デジタルSCプラットフォームの追求

・お取引先様との協働によるデジタルSCプラットフォームにより、店舗の発信力を起点としたリアルとオンラインの相互送客など、パルコ独自のOMO売場の構築を進めます。

③提携型売場・新規コンテンツの開発

・「健康」「美」「食」「学び」などの体験価値を、リアル×デジタルで提供する売場やゾーン、コンテンツの開発に取り組みます。

④CSV視点のコンテンツ事業の開発

・アートや演劇、音楽のオンライン企画の充実、街との連携による文化イベントの開催、またウェルネスやシェアオフィスなど新たな価値観やライフスタイルに対応した事業の開発に取り組みます。

 

2) プライムライフ戦略

①ソリューションサービスの開発

・百貨店外商を基盤に、主力カテゴリーの深耕に加え、新たなカテゴリーやサービスの開発など、従来の枠を超えたコンテンツや体験価値の提供に取り組みます。

②顧客とのコミュニケーション進化

・百貨店外商活動におけるデジタル化やリモート販売の充実などオンラインコミュニケーションの強化に取り組みます。

・顧客データベースの本格活用による顧客との関係強化、訪日外国人の固定客化など、CRM(顧客関係構築)活動の高度化に取り組みます。

③決済・金融事業の商品拡充

・百貨店事業と協働し顧客基盤の強化に取り組むとともに、顧客のライフステージに応じた保険や金融サービスなど新たな商品を開発します。

 

3) デベロッパー戦略

①商業に限定しない多様な用途の取り組み

・商業に加え、レジデンスやオフィス、ホテル、またこれらの複合開発を他社との協業により推進します。

②CRE(企業保有不動産)戦略の推進

・資産売却、入れ替えなどを通じた収益性向上に取り組みます。

③循環型投資スキームの着手

・私募ファンドを組成し循環型投資スキームを開始します。またアセットマネジメント事業に参入し、収益の複線化を図ります。

④準都心エリアへの進出

・「職住商」近接ニーズの増加を見据え、準都心エリアでの複合施設開発に取り組みます。

⑤重点エリア開発の推進

・2030年を見据え、大阪・心斎橋地区や名古屋・栄地区などグループ重点エリアにおける大型複合開発などに取り組みます。

 

・経営構造改革

1) 構造改革による固定費削減

2023年度に2019年度対比で固定費を100億円削減し、損益分岐点を引き下げます。

①組織・要員構造改革

・各事業におけるビジネスモデル改革、店舗運営手法や業務委託領域の見直しなど組織・要員構造改革を推進します。

②経費構造改革

・働き方改革によるオフィスの効率化や広告宣伝のデジタル活用、資材備品等のグループ共同購買など経費削減を進めます。

2) 経営効率、資産効率の向上

各事業の将来性や成長性にもとづく事業基盤の絞込みによる経営効率の向上、非事業用資産の見極めによる資産効率の向上を図ります。

 

・経営基盤強化

1) グループ財務戦略

コロナ禍による事業への影響を見極めながら、資金の流動性確保などに機動的に対応してまいります。また、ESG投資に向けた新たな資金調達、グループ税務方針にもとづくガバナンスの強化や税務コストの最適化を推進してまいります。

2) グループ人財戦略

重点戦略を支える従業員の能力開発や専門人財の採用強化など人財マネジメントを推進いたします。また、女性活躍や働き方改革、障がい者雇用の推進、LGBTへの取り組みなど従業員の個性や能力の最大発揮による人財開発企業の実現に取り組んでまいります。

3) グループIT戦略

経営管理の高度化に向けた基幹システムの再構築、業務プロセスの見直しなどによる生産性向上に取り組んでまいります。またIT投資の適正化や情報セキュリティ強化などITガバナンスを推進してまいります。

4) コーポレートガバナンスの高度化

経営の意思決定、執行の迅速化を図るため、執行役への業務執行権限のさらなる委譲と責任の明確化とともに、取締役会における監督機能の強化などガバナンスの高度化に取り組んでまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2021年5月28日)において当社グループが判断したものであります。

 

(1)リスクの定義と管理体制

・リスクの定義

当社グループでは、リスクを「企業経営の目標達成に影響を与える不確実性であり、プラスとマイナスの両面がある」と定義しています。リスクのプラス面・マイナス面に適切に対応することにより、企業の持続的な成長につながると考えています。

 

リスクマネジメント体制

代表執行役社長の諮問機関として、代表執行役社長を委員長、執行役などをメンバーとするリスクマネジメント委員会を設置しています。同委員会には、リスク管理担当役員を長とする事務局を置き、委員会で決定した重要な決定事項を事業会社に共有し、ERM(全社的リスクマネジメント)を推進しています。

また、リスクを戦略の起点と位置づけ、リスクと戦略を連動させることにより、リスクマネジメントを企業価値向上につなげるよう努めています。

 

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(2)リスクマネジメントプロセス

当社グループでは、下記のプロセスにより、リスクマネジメントを推進しています。具体的には、外部・内部環境分析や、取締役を含む経営層および実務責任者の認識をもとに、当社グループにとって重要度の高いリスクの抜け漏れが生じないように努めています。

中期的に当社グループ経営において極めて重要度が高いものは、「企業リスク」と位置づけ「グループ中期経営計画」の起点としています。

また、「企業リスク」を受けて識別した年度リスクを「JFRグループリスク一覧」にまとめ、「リスクマップ」を用いて評価を行い、優先度をつけて対応策を実行しています。

 

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(3)企業リスク」 当社グループ経営において重要性が高く、戦略の起点となるリスク

2020年度は、「2021-23年度グループ中期経営計画」の起点となる「企業リスク」を更新しました。その際には、短期的な思考に陥ることがないよう、2030年に向けた長期メガトレンド予測を起点とし、新型コロナウイルス感染症による影響を加味した上で、バックキャスティングにより検討を行っています。

 

 

・2030年に向けた長期メガトレンド

最もインパクトがあるのは、「DXの加速」などテクノロジーと、「地球温暖化」など環境問題です。テクノロジーにより10年で生活・ビジネスは激変し、環境問題は、今後の世界的な取り組みの成否が問われます。「ステークホルダー資本主義」は、今後10年間で確実に浸透していくと想定されます。

 

地政学

・米中の覇権争い、リーダー不在

・国家資本主義国の台頭

・パンデミックの発生増

経済

・グローバル化の進展

・世界経済のアジアシフト

・ステークホルダー資本主義の定着

社会

・新興国の人口増加

・高齢化の進行

・貧富・階層の格差拡大

テクノロジー

・6GによるDX加速

・自動運転実用化

・デジタル経済圏形成

環境

・地球温暖化

・再エネ転換加速

・資源枯渇

 

 

・新型コロナウイルス感染症による影響

今回の新型コロナウイルス感染症は、長期メガトレンドに大きな影響を与え、今後もその影響は継続するものと思われます。なかでも個人の価値観・消費行動における「ニューノーマル(新常態)」化は、当社グループのビジネスへのインパクトが大きいと考えています。

 

経済・企業

短期

・コロナ禍長期化による景気低迷

・失業・インフレ懸念の増大

・需要・供給の蒸発

長期

・緩和政策継続の反動による金融危機の発生

・持続可能性を重視した経営に対する要請の高まり

・テクノロジーの加速度的進化

・グローバルサプライチェーンの再構築

・都市化(アーバナイゼーション)の変容

・組織・働き方のパラダイムチェンジ

社会・個人

短期

・失業の増加・所得の減少・将来不安

・3密(密閉・密集・密接)回避

・コロナを契機とした消費トレンド

 (巣ごもり消費、近隣消費)

長期

・持続可能な社会実現への意識の高まり

・ヘルスケア・保険など安全・安心への投資

・地方の重要性の向上

・バーチャル消費・バーチャルコミュニケーションの拡大

・フィジカル(人的つながり・場)の重要性の向上

・疫病・災害のニューノーマル(新常態)化

 

前述の分析を経て抽出したのが、以下の「企業リスク」です。中でも「6.既存の事業モデルの衰退」「1.サステナビリティ経営の高度化」「2.加速度を増すデジタル化への対応」は、当社グループの経営に及ぼすインパクトが極めて大きなリスクとして、中期経営計画の策定においても、上位概念に位置づけています。

 

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(4)直近の環境変化とリスク認識

当社グループの経営にとって未曾有の影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症は、変異型ウイルスにより再拡大しています。直近では、3度目の緊急事態宣言が発令され大幅な人流抑制のために対象地域の商業施設をはじめ集客施設に休業が要請されるなど、極めて厳しい経営環境が続いております。

本年も引き続き、先行き不透明な中での事業活動を強いられることは確実です。1度目の緊急事態宣言時、長期間に渡り顧客との繋がりが断たれたことから、オンラインを通じた顧客接点の確保などに努めてきておりますが、今後は次元の異なる変革が必要との強い危機意識を持っております。

これまでもリーマンショックや東日本大震災など、当社グループのビジネスにインパクトのある危機を乗り越えてきましたが、新型コロナウイルス感染症は、影響の及ぶ範囲や対象が比較にならないほど広く深く、まさに当社グループは、存続の危機に直面しております。

新型コロナウイルス感染症を契機とする人々の消費に対する価値観や消費行動の変容、小売業に求める価値の変化は、想定以上のスピードで進んでいます。リモートワークなどにより働き方や人々の生活スタイル、さらには都市のあり方も大きく変わっています。このように環境が激変する中、中核事業の百貨店をはじめ既存の事業モデルは、大きな影響を受けており、抜本的な変革の必要に迫られております。

変革に際しては、当社グループとして変えてはならないもの、変えていかなくてはならないものがあります。変えてはならないものは、「先義後利」「諸悪莫作、衆善奉行」という社是、「くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。」というグループビジョンです。一方、変えていくべきものは、既存の事業モデルの変革およびサステナビリティ経営への転換です。

今後、変えてはならないもの、変えていかなくてはならないものの軸をぶらすことなく、持続的な成長へと歩みを進めてまいります。

 

このような環境変化を踏まえて抽出した「企業リスク」を有価証券報告書提出日現在において投資家の皆さまの判断に影響を与える可能性があるリスクと認識しており、当社グループのリスク定義(企業経営の目標達成に影響を与える不確実性であり、プラスとマイナスの両面がある)に則し、リスク認識および対応策を以下に記載いたします。

 

 

 

既存の事業モデルの衰退

影響度

非常に大

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍の緊急事態宣言下、当社グループの中核である大型店舗型小売業では、顧客との接点を絶たれ、店舗と関わりが深い他の事業も含め大きな打撃を受けました。

当社グループのリアルな大型店への依存は以前から課題でしたが、インバウンドの追い風もあり業績が堅調であったことから、事業モデルの改革は遅れていました。

今までの事業モデルの継続は大きなリスクですが、この機会を変革のチャンスと捉え取り組むことで再成長につなげることが可能となるとの認識を持っています。

マイナス面

 

プラス面

・中核事業の業績低迷によるグループ全体の活力低下

 

・中核事業の事業モデルの抜本的な変革による再成長

対応策

大型店舗型小売業の事業モデルの継続はリスクである一方、都心の大型店舗は当社グループにとって重要な資産です。

この重要な資産である都心の大型店舗の魅力化に最優先で取り組みます。そのために、コンテンツの魅力向上、店舗とデジタルの融合、店舗の環境価値の向上を推進します。コンテンツの魅力向上では、既存の売場で顧客支持が低下しているゾーンを圧縮し、顧客ニーズに適応した新たなカテゴリーの商品・サービスを開発・導入します。

具体的には、既存の小売機能だけではなく、様々な情報を発信するメディア機能、価値の高いモノコトを紹介するギャラリー機能、エンタテインメント機能、ソリューション機能などを強化し、既存の小売り機能との相乗的な魅力向上をはかります。

店舗とデジタルの融合では、店舗の販売スタッフがお客様とオンラインでつながり、お客様が店舗でお買物をする時と変らないコミュニケーションを楽しんで商品を購入できるOMO(オンラインとオフラインの融合)ショッピングの仕組みをスタートします。

店舗の環境価値の向上では、サステナビリティ経営の一環として引き続き店舗の環境配慮化を推進します。店舗の環境価値の向上は、その価値に共感いただけるお客様の集客および環境意識の高い優良なお取引先様の出店につながると考えています。

 

当社グループの完全復活は、中核事業の事業モデルの変革なくしては成り立ちません。これらの取り組みにより、既存の事業モデルを変革し、都心の大型店舗という資産の価値を最大限に高めていきます。

 

 

 

サステナビリティ経営の高度化

影響度

非常に大

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

世界的ビジネスの潮流は、従来の株主資本主義からステークホルダー資本主義へ移行しており、その流れは、新型コロナウイルスの影響により加速しています。今後は経営において短期的な収益よりサステナビリティ(持続可能性)を備えているか、企業の存在意義と将来の成長に対する明確なビジョンを持っているかが問われることから、最上位に位置づけるべきリスクであると認識しています。

マイナス面

 

プラス面

・対応の遅れによる投資家・株主の離反、格付けの低下

 

・着実な対応による持続的な成長

対応策

当社のサステナビリティ経営が目指すゴールは、「Well-Being Life(心身ともに豊かなくらし)」の実現です。その実現に向け、従来の「脱炭素社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」「地域社会との共生」「サプライチェーン全体のマネジメント」の5つに、新たに「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」「サーキュラーエコノミーの推進」の2つを加え、7つのマテリアリティ(重要課題)のもと、グループ各社で事業を通じた社会課題の解決、つまりCSV(共通価値の創造)を追求しています。

 

中でも最重要に位置づけているのが「脱炭素社会の実現」であり、当社グループ内での取り組みだけでなく、ステークホルダーの協力も得て、目標数値の達成を目指します。新たなマテリアリティである「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」では、エシカル消費への対応やウェルネス事業、防災・防疫に力を入れた店舗環境づくりに、同様にマテリアリティに追加した「サーキュラーエコノミーの推進」では、廃棄物削減、「ECOFF」(使用済製品のリサイクル)の拡大、ファッションのサブスクリプション事業に取り組みます。これら全体を通じて「Well-Being Life」を実現していきます。

 

 

 

加速度を増すデジタル化への対応

影響度

非常に大

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

すでに大きなものとなりつつあったデジタル化の波は、コロナ禍で外出などの制約が生じる中、我々の想定をはるかに超える速度で拡大しています。当社においてもビジネスや業務のあり方を抜本的に見直す必要に迫られており、今後も加速を続けるであろうデジタル化への対応スピード・方法は、当社グループ全体の成長を左右するリスクであると認識しています。

マイナス面

 

 

プラス面

 

・グループ全体の成長の停滞

・競争力の低下

 

・既存事業のビジネスモデルの変革

・リアルな人との繋がりの再認識

対応策

デジタル化への対応は、成長に欠かせないものであり、ビジネスモデルの変革、業務の変革の両面から進めています。

 

ビジネスモデルの変革については、デジタル化はあくまでも手段であり目的ではないとの考えのもと、当社の強みを活かし付加価値を創出するために、デジタルの活用を進めています。各事業において中心に据えるのは顧客であり、「OMO(オンラインとオフラインの融合)」による顧客体験価値の最大化、決済手段の多様化などに取り組んでいます。デジタル化が進行する一方、人との繋がりの価値が高まることから、対面での接客も重視し、リアルとデジタル両輪で、コミュニケーションの高度化を図ります。今までの当社グループのデジタル化への対応は十分とは言えませんでしたが、デジタル活用によるビジネスモデルの変革は、復活から持続的な成長への転換の鍵になることから、組織体制も強化し、実行のスピードを上げていきます。

 

業務の変革については、テレワークやオンライン会議の拡大、認証や申請業務の電子化などを進め、業務の生産性と同時に働き方の柔軟性を高め、当社の7つのマテリアリティ(重要課題)の1つ、「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」にもつなげています。

 

 

 

都市の分散化(都市と地方のリバランス)

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

前年までは「都市回帰と地方・郊外の縮小」として認識していたリスクですが、コロナ禍によりその流れが反転したことから、認識を新たにしました。

都心で人口流出が続いており、コロナ禍以降も、この流れは緩やかに継続すると想定されます。

事業環境分析から、都心立地の不動産価値は底堅いと見ていますが、働き方や消費行動は変容し、都市のあり方にも変化が生じてきています。これまで衰退傾向にあった地方都市・郊外では、人口流出が止まり、活性化が期待されます。

当社が保有する不動産は全国に点在しており、都市と地方のリバランスを注視しながら、各事業を展開することが肝要と考えています。

マイナス面

 

プラス面

・都心立地の従来型商業施設の集客力低下

 

・都市の分散化に対応した事業展開

対応策

都心立地の商業施設の集客力低下の背景には、感染への懸念があることから、都心店舗では、防疫を強化するとともに、決済をはじめ非接触によるサービスを強化しています。

 

これまで不動産の有効利用は、都心の大型商業施設の開発を中心に一定の成果をあげてきていますが、今後は都市の変化にも対応し、都心のみならず準都心エリアにおいて、商業のみならず多様な用途の開発に取り組んでいきます。

 

中でも、百貨店とパルコが隣接する心斎橋、名古屋、福岡地区を重点エリアと位置づけ、エリアとの共生、多様な都市生活提案と魅力的な街づくりを目指し、複合再開発を推進します。

 

 

ポストコロナにおける消費行動の変化

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍を契機に、消費者の価値観や消費行動には、大きな変化が見られます。感染予防の意識から、オンライン購入比率が格段に高まり、所得の減少を受け、節約志向も鮮明になっています。

一方で、自分のこだわりを満たす、あるいは環境や社会課題の解決に役立つモノ・サービスへの消費は、着実に伸びています。

多岐に渡るモノ・サービスを扱う事業を展開する当社グループでは、消費行動の変化は、機会にも脅威にもなり得る影響の大きなリスクであり、常に敏感である必要があります。

マイナス面

 

プラス面

・消費者ニーズとのアンマッチによる業績の低迷

 

・新規マーケットの開拓

対応策

利便性からオンライン購入比率の高まっているコモディティ商品(価格・買いやすさを主に選択が行われる汎用品)の展開は、適正規模に見直しています。当社グループにおけるECシェアは決して高くありませんが、コロナ禍で伸長しており、強化する方向です。

 

ただし、競合環境が激化しており、当社グループでは、単にECを強化するのではなく、顧客接点の「OMO(オンラインとオフラインの融合)」強化により、消費行動の変化に対応していきます。先駆けとなるのが化粧品であり、ライブ配信、オンラインカウンセリングなど非接触による新たな販売手法と、店頭接客の両方で、ストレスフリーで満足度の高い購買体験を提供していきます。

 

また、こだわりを満たすという視点でアートやカルチャーの拡充、環境・社会課題の解決という視点でエシカル商品やウェルネス事業の展開など伸長が見込まれるマーケットを強化します。

 

今後も、社内外のデータ分析により、消費者ニーズとのアンマッチを解消し、常に消費者の価値観や消費行動の変化を捉えた新たなコンテンツを開発・提供していくことにより、顧客満足度を向上させていきたいと考えています。

 

 

業際を超えた再編、M&Aの加速

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍を契機に、生き残りをかけた業界再編や事業再構築の機運が高まり、法整備や金融環境も追い風となり、M&Aは増加傾向にあります。本格的に加速するのはこれからですが、企業経営におけるM&Aは、確実に必要性・重要性が高まっています。

M&Aの加速については、攻めと守りの両方の観点から、注視していくべきリスクであると認識しています。

マイナス面

 

プラス面

 

・当社グループの敵対的買収

 

・事業ポートフォリオの見直し

・M&A活用による企業成長

対応策

当社グループでは、景気感応度の高い事業と景気に左右されにくい事業の最適化を図り、ポートフォリオのレジリエンス(強靭性)を高めることにより企業価値を保ち、敵対的買収への備えを強化しています。

 

一方、攻めの対応策として、グループ共通の資産である顧客データや経営資源を活用し、主力事業周辺での新規事業の創出に力を入れています。新規事業の創出は、自社単独で行うよりスピードや経済合理性で勝るオープン・イノベーションを採用すべきと考えています。そのため、自社の事業分野とシナジーを生み出せそうな企業のM&Aや他企業との業務提携などの検討を進めています。

 

 

資金調達マネジメントの重要性の向上

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

資金調達については、良好な調達環境が継続し、資金調達枠の確保など十分な備えもできていると認識していましたが、コロナ禍によりさらに資金対策を講じる必要が生じ、当社グループにおける、リスクの位置づけを高めています。

グループ全体の成長を支える基盤構築のためにも、資金調達マネジメントの重要性は今後も高くあり続けると認識しています。

マイナス面

 

 

プラス面

・資金不足による経営破綻

・不利な条件での資金調達による成長の停滞

 

・成長分野への投資資金確保による事業育成

対応策

資金調達については、グループ子会社において金融機関からの資金調達を行わず、CMS(キャッシュ・マネジメントシステム)を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を推進しています。

 

コロナ禍においては、手許流動性および安全性確保の観点から、手許資金を積み増すための資金調達や、コミットメントラインなどの資金調達枠の増額を行いました。今後は、コロナ禍の収束状況に応じて、安全性に十分な留意を払いながら有利子負債の圧縮を図るとともに、コミットメントラインについても段階的に適正化を図ります。

 

また、サステナビリティボンドの発行をはじめとするESG調達や、アセットファイナンスの実践など、資金調達手段を多様化し、サステナビリティ経営および成長戦略の推進をサポートします。

 

 

環境変化に対応できるコスト構造の必要性

影響度

非常に大

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍以降、中核事業が軒並み大打撃を受け、極めて厳しい業績が継続しており、この事業環境の厳しさは、当面続くと想定しています。

クライシス発生時に大きく影響を受ける収益構造を改善し、高い損益分岐点を引き下げ環境変化に対応できる体制を構築することは、当社グループが完全復活を果たし再成長へと舵をきるために必須であり、短期的に最優先すべきリスクであると認識しています。

マイナス面

 

 

プラス面

 

・事業存続の危機

・業績回復の遅れ

 

・事業ポートフォリオの組み替え

・成長事業への投資

対応策

当社では、グループ全体の固定費削減を推進し、事業基盤を強固なものとするため、2020年10月に「構造改革推進部」を新設しています。

 

経営構造改革は、「ビジネスモデル改革によるコスト削減」「事業基盤の絞り込み」を2つの柱としています。「ビジネスモデル改革によるコスト削減」については、オフィス再編やグループ共同購買などによる経費構造改革に加え、業務運営の見直しに伴う要員構造改革を推進します。「事業基盤の絞り込み」については、非事業用資産の売却、不振事業の再生・撤退の検討を行い、事業ポートフォリオの組み替えを推進します。

 

目指すところは、損益分岐点を引き下げ、将来の勝ち残りに向けた体質改善を図ることであり、レジリエンス(強靭性)を備え、先の再成長につなげるために、取り組みを加速していきます。

 

 

頻発する自然災害・疫病

影響度

非常に大

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック(世界的な大流行)は、100年に一度とも言われていますが、地球環境や経済のグローバル化を考えると、近い将来にまた起こり得ることを前提としなければならないと考えています。

台風・豪雨・地震などの自然災害も年を追うごとに発生頻度、被害規模ともに増大しており、頻発する自然災害・疫病のリスクは、今後も企業の存続を危うくする非常に重大なリスクであり続けると認識しています。

マイナス面

 

 

プラス面

・顧客・従業員の人命損傷

・事業継続の危機

 

・地域社会の安全・安心確保への貢献

対応策

当社グループでは、近年、災害の発生を想定したBCP(事業継続計画)強化に取り組むなど、リスク認識が高まっている自然災害への対応に注力しています。防疫に関しても、コロナ禍を機に、疫病への対応策の抜本的な見直しに着手しています。

 

事業継続を脅かす自然災害に対する備えとしては、「事業継続マニュアル」を整備するとともに、重要業務(資金業務、システム維持)の継続や、被災からの迅速な復旧・営業再開のためのBCP訓練を継続的に実施しています。

 

新型コロナウイルス感染症に対しては、早期に緊急対策本部を立ち上げ、組織的な感染防止対策の徹底を継続していますが、並行して、これまでの対応策の検証、将来の新たなパンデミックに備えるための「感染症対応マニュアル」の整備を進めています。

 

今後は、防災レジリエンス(強靭性)の高い事業活動を実現するとともに、地域社会の安全・安心確保への貢献もしていきたいと考えています。

 

 

10

ニューノーマル時代の働き方、人財・組織改革の進展

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

緊急事態宣言を機に、在宅勤務が一気に拡大しましたが、コロナ収束後のニューノーマル時代においても、在宅勤務と出社のハイブリッドによる働き方は定着していくと思われます。

副業や中途採用などによる人財の流動化、異なる企業文化を持つ人財を活用した企業変革も活発化しています。

当社グループにおいても大胆にビジネスを変革していく必要性が生じており、今後、より位置づけが高まっていくリスクであると認識しています。

マイナス面

 

 

プラス面

・優秀人財の流出

・人財獲得競争での劣後

 

・企業文化の変革によるイノベーションの創出

対応策

人財については、「マザー採用(専門性の高い仕事と育児を両立させたいと願う女性の中途採用)」や、デジタルなど戦略遂行に必要な専門人財の中途採用を強化しています。働き方についても、オフィス・自宅以外での勤務を認めるテレワークを拡充するなど、多様な働き方を可能にしています。

 

加えて、育児休暇や有給休暇などの取得を促進し、ライフステージに対応した柔軟な働き方ができる体制も整備しています。これらの取り組みにより、激化する人財獲得競争に備えています。

 

サステナビリティ(持続可能性)のある組織構築に向けては、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を受け入れ活かし合うこと)」「ワーク・ライフ・インテグレーション(仕事と個人の生活を高い次元で統合すること)」の視点から、採用・育成・評価・登用の見直しを進めています。組織改革により、保守的な企業文化から脱し、イノベーションの創出につなげていくことを目指しています。

 

 

11

加速する所得の二極化

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍により、以前から進んでいた所得の二極化は、加速しています。中流層が減る一方、株価上昇などが追い風となり、富裕層の購買力は高まっています。

今後も緩和的な金融政策が継続されることから、富裕層の資産は増加し続けると見込まれ、政策による格差是正がなされない限り、所得の二極化はさらに進むと認識しています

マイナス面

 

プラス面

・ボリュームマーケットの縮小による業績低迷

 

・新たな富裕層マーケットの出現

対応策

所得の二極化が加速する中で、ファッションを中心にマーケットの縮小が顕著なボリューム価格帯の商品・サービスについては、適正規模への展開の見直しを継続しています。

 

一方、拡大する富裕層マーケットについては、各事業において、商品・サービスを拡充しています。当社グループの富裕層顧客へは、従来、外商係員による対面での対応が主でしたが、コロナ禍において、外商顧客向けWebサイトを通じた商品紹介や、ライブショッピングの展開など、デジタル活用による顧客とのリレーションを強化しています。

また、LTV(顧客生涯価値)を向上させるため、今後、資産形成など富裕層向けソリューションサービスを展開していきます。

 

さらに、マーケットの強化には、新規顧客開拓も欠かせないため、富裕層を顧客に持つ組織との連携を強化し、若い富裕層の獲得にも努めています。

 

 

12

顧客の変化、特に少子高齢化・長寿命化

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

2020年は出生者数が統計史上最低となり、少子高齢化は想定以上に加速しています。コロナ影響を受け婚姻数も低下していることから、少子化は続くと見込まれます。

一方、衛生意識が高まったことにより、死亡者数は減少しています。デジタル化により医療も進化を遂げていることから、長寿命化はさらに進み、健康寿命も延びると想定されます。

人口動態は消費と関わりが深く、当社グループの戦略上、常に重要なリスクです。

マイナス面

 

プラス面

・国内市場の縮小

 

・シニアマーケットの拡大

対応策

少子化により子供の数は減少する一方、祖父母からの援助もあり、子供一人当たりに対する消費額は増加しています。高級子供服・用品市場や幼児教育・保育市場は堅調さを保っており、当社グループにおいても、上質な子供服・用品に力を入れるとともに、数年前から英語教育を特徴とする保育事業に参入しています。今後もマーケット分析に基づき、将来顧客の開拓につながる対応を強化していきます。

 

一方で、「ライフシフト(人生100年時代への移行)」が現実のものとなりつつある中、定年は延長され、経済力のあるシニア層が増加しています。シニア市場への対応は、今後も店舗が主となると考えており、防疫・防災に優れた環境の整備、事前の来店・コンサルティング接客予約など、安心して買物ができる店舗づくりに力を入れています。また、アートやカルチャー、ウェルネスなどシニア層の関心が高いカテゴリーを強化し、モノだけでなくサービスの提供にも力を入れ、シニア層の「Well-Being Life」の実現をサポートしたいと考えています。

 

 

13

外国人マーケットの不透明さ

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

コロナ禍により、百貨店事業の売上を牽引していたインバウンド消費は、大打撃を受けています。ただし、未だ不透明ではあるものの、今後コロナ禍への対応が進むことによる入国制限の緩和に伴い、インバウンド消費は、徐々に回復すると見込んでいます。

一方、マーケット分析から外国人の日本製品に対する需要は底堅いことが窺え、不透明さを増す外国人マーケットにいかに対応するかは、当社グループの業績を左右する大きなリスクです。

マイナス面

 

プラス面

・インバウンド売上大幅減少の長期化

 

・新たなアプローチによる外需の獲得

対応策

インバウンド消費の回復には、まだ相当の期間を要しますが、中長期的には市場は拡大すると見込んでいます。当社グループの外国人マーケットの中心がインバウンドであることに変わりはなく、人の往来の回復の見通しについて情報収集をするとともに、訪日機運が高まってきたタイミングに遅滞なくアプローチできるよう、新たな販促策の準備を進めています。

 

また、誘致に力を入れる国やインバウンド対応を強化する店舗、提案商品に偏りがあったとの反省のもと、その偏りをなくすべく、戦略の見直しを行っています。

 

さらに、今回のコロナ禍による経験を生かし、地理的・時間的制約を受けずにマーケット開拓ができる手段として、越境ECやライブコマースの展開をアジア圏において強化していく方向であり、取り扱い商品の拡大を進めています。

 

 

14

情報セキュリティの重要性向上

影響度

次年度の見通し

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当社の

リスク認識

ビジネス・業務のデジタル化やリモートワークの拡大に伴い、不正アクセスなどによる機密情報の流出、個人情報漏洩などのインシデントが増加しています。

また、消費者のプライバシー保護に対する意識も高まっており、顧客データの活用においては、より堅牢な仕組みの導入や、システムセキュリティの対策が必要になっています。情報活用によるDX(デジタルトランスフォーメーション)はビジネスの成長に欠かせませんが、ビジネスの成長と情報セキュリティのリスクは、切っても切り離せないものであると認識しています。

マイナス面

 

 

 

プラス面

・重要情報流出による社会的信用失墜・営業損失

・業務の遅延・停滞

・セキュリティ対策のコスト増

 

・円滑なDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

対応策

情報セキュリティは、最優先課題として継続的に強化をしていますが、インシデントは年々多様化・複雑化してきており、ハード・ソフト両面での一層の取り組みが必要であると考えています。

 

ハード面では、「情報セキュリティポリシー」や「ITガバナンス方針」などを整備し、新システム導入時などのチェック体制を強化するとともに、脆弱性診断を実施しています。また、既存システムの老朽化やリモートワークの拡大などにより生じ得るリスクを低減するためにも、システムのクラウド移行を推進しています。

 

ソフト面では、最新のインシデントに関する情報をもとに、全従業員を対象にeラーニングによる啓蒙を図り、標的型攻撃メール訓練などを実施し、情報リテラシーの向上に努めています。

強固な情報セキュリティは、グループ統合顧客データベースを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させるうえで欠かせないものであり、DXと両輪で強化を図っていきます。

 

JFRグループ「企業リスク」一覧

 

分類

項目

影響度

次年度の

見通し

マイナス面

プラス面

対応策

既存の事業モデルの衰退

非常に大

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・中核事業の業績低迷によるグループ全体の活力低下

・中核事業の事業モデルの抜本的な変革による再成長

・コンテンツの魅力向上、デジタルとの融合、環境価値の向上による店舗の魅力化および都心の大型店舗の資産価値向上

サステナビリティ経営の高度化

非常に大

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・対応の遅れによる投資家・株主の離反、格付けの低下

・着実な対応による持続的な成長

・「脱炭素社会の実現」をはじめとする7つのマテリアリティ(重要課題)の推進による「Well-Being Life」の実現

加速度を増すデジタル化への対応

非常に大

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・グループ全体の成長の停滞

・競争力の低下

・既存事業のビジネスモデルの変革

・リアルな人との繋がりの再認識

・「OMO(オンラインとオフラインの融合)」によるビジネスモデルの変革

・リアルとデジタル両輪でのコミュニケーションの高度化

・デジタル化による業務の変革

都市の分散化

(都市と地方のリバランス)

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・都心立地の従来型商業施設の集客力低下

・都市の分散化に対応した事業展開

・都心店舗での防疫、非接触サービスの強化

・都心や準都心での商業だけでなく多様な用途での不動産開発

ポストコロナにおける消費行動の変化

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・消費ニーズとのアンマッチによる業績の低迷

・新規マーケットの開拓

・コモディティ(汎用)商品の適正規模への見直し

・「OMO(オンラインとオフラインの融合)」による顧客満足向上

・アート・カルチャー・エシカル商品の強化

業際を超えた再編、M&Aの加速

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・当社グループの敵対的買収

・事業ポートフォリオの見直し

・M&Aの活用による企業成長

・事業ポートフォリオのレジリエンス(強靭性)向上

・他企業のM&A、他企業との業務提携による新規事業創出

ニューノーマル時代の働き方、人財・組織改革の進展

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・優秀人財の流出

・人財獲得競争での劣後

・企業文化の変革によるイノベーションの創出

・中途採用の強化

・働き方の柔軟性の向上

・サステナビリティ(持続可能性)のある組織への変革

加速する所得の二極化

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・ボリュームマーケットの縮小による業績低迷

・新たな富裕層マーケットの出現

・ボリューム価格帯の商品・サービスの適正規模への見直し

・多様なアプローチによる富裕層マーケットの深耕

顧客の変化、特に少子高齢化・長寿命化

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・国内市場の縮小

・シニアマーケットの拡大

・上質な子供マーケットの深耕

・安全・安心な店舗環境の整備

・アート・カルチャー・ウェルネスの強化

外国人マーケットの不透明さ

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・インバウンド売上大幅減少の長期化

・新たなアプローチによる外需の獲得

・インバウンド戦略の見直し

・越境ECやライブコマースの強化

資金調達マネジメントの重要性の向上

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・資金不足による経営破綻

・不利な条件での資金調達による成長の停滞

・成長分野への投資資金確保による事業育成

・グループ資金調達の一元化と資金効率化

・資金調達手段の多様化

環境変化に対応できるコスト構造の必要性

非常に大

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・事業存続の危機

・業績回復の遅れ

・事業ポートフォリオの組み替え

・成長事業への投資

・ビジネスモデル改革によるコスト削減

・事業基盤の絞り込み

頻発する自然災害・疫病

非常に大

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・顧客・従業員の人命損傷

・事業継続の危機

・地域社会の安全・安心確保への貢献

・「事業継続」「感染症対応」マニュアルの整備

・BCP訓練の継続的な実施

情報セキュリティの重要性向上

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・重要情報流出による社会的信用失墜・営業損失

・業務の遅延・停滞

・円滑なDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

・「情報セキュリティポリシー」「ITガバナンス方針」の整備

・システムのクラウド移行の推進

・教育・訓練による情報リテラシーの向上

 

(5)TCFD提言に沿った情報開示

JFRグループが目指すサステナビリティ経営

昨今、企業を取り巻く環境はより一層不透明さを増しています。また、ウィズコロナによりニューノーマル化した社会では、企業は社会的価値を理解し、サステナビリティ経営の傘のもと、経営を実行しなければならない時代となっています。

JFRグループは、サステナビリティの概念を企業戦略および事業戦略に組み込むことで、将来の成長に向けた「持続可能な経営の枠組み」を獲得できると考えています。

当社グループの強み(コアコンピタンス)は、「つくる人」と「つかう人」をつなぐ(発見・発掘、編集)能力です。当社グループは、「持続可能性」と、JFRらしさである「美」「健康」「高質」「カルチャー」「信頼」と、当社グループの強みである「つくる人とつかう人をつなぐ能力」を掛け合わせた視点のもと、独自の新しい豊かさを「Well-Being Life」と位置づけました。「Well-Being Life」は、サステナビリティの視点で再構築した当社のグループビジョンのゴールであり、環境および社会課題の解決のための取り組みとして、ステークホルダーの皆様に対して発信していきます。

 

・サステナビリティ経営の全体像

 

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②新中期経営計画におけるマテリアリティの強化

JFRグループは、企業の確実な成長のため、持続的成長に有効なマテリアリティを特定し、企業経営の中核となるビジョン、経営計画にそれらを組み込み、実行していかなければならないと考えています。

当社グループは、環境問題、コロナ禍等に伴う外部環境の変化、既存のマテリアリティのバランス、さらに2030年をゴールとした国際的な持続可能な開発目標であるSDGsへの貢献に向け、2030年からバックキャスティングし検討した結果、新中期経営計画3ヵ年で取り組むべきマテリアリティに、新たに「お客様の健康・安全・安心なくらしの実現」「サーキュラー・エコノミーの推進」を追加しました。また、既存のマテリアリティである「低炭素社会への貢献」「ダイバーシティの推進」「ワーク・ライフ・バランスの実現」については、それぞれ取り組み内容の進化に伴い「脱炭素社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「ワーク・ライフ・インテグレーションの実現」に名称を改めました。

当社グループは、新たに特定した7つのマテリアリティについて、KGIおよび2023年度および2030年度のKPIを設定し、2030年度までに当社グループが目指す姿を明確にしました。これらの達成に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。

JFRグループが新たに特定した7つのマテリアリティ

 

マテリアリティ

2030年度KGI

JFRグループの持続可能な社会の実現に向けた

コミットメント

脱炭素社会の実現

脱炭素社会をリードし次世代へつなぐ地球環境の創造

私たちは、かけがえのない地球環境を次世代に引き継ぐため、再生可能エネルギーの調達拡大や、省エネルギーの徹底等に全社一丸となって取り組み、脱炭素社会の実現に貢献します。

サーキュラー・エコノミーの推進

サーキュラー・エコノミーの推進による未来に向けたサステナブルな地球環境と企業成長の実現

私たちは、お取引先様やお客様との協働により、新たな環境価値を生み出すための革新的なビジネスモデルを創造し、サーキュラー・エコノミーにおける競争優位性を獲得します。

サプライチェーン全体のマネジメント

お取引先様とともに創造するサステナブルなサプライチェーンの実現

私たちは、お取引先様とサステナビリティに対する考え方を共有し、共に社会的責任を果たすことを通じて、サプライチェーン全体で持続可能な未来の社会づくりに貢献します。

お取引先様とともに創造するサプライチェーン全体での脱炭素化の実現

私たちは、お取引先様とともに、環境に配慮した製品やサービスの調達等に取り組むと同時に、再生可能エネルギー化、省エネルギー化に取り組み、サプライチェーン全体での脱炭素社会の実現に貢献します。

お取引先様とともにサプライチェーンで働く人々の人権と健康を守るWell-Beingの実現

私たちは、お取引先様とともに、サプライチェーンで働く人々の人権が守られ、健康に働き続けることができる職場環境づくりを実現します。

地域社会との共生

地域の皆様とともに店舗を基点とした人々が集う豊かな未来に向けた街づくりの実現

私たちは、地域のコミュニティ、行政、NGO・NPOとともに、店舗を基点として、地域資産をいかした持続可能な街づくりに貢献します。また、地域の魅力を発掘・発信することで、街に集う人々にワクワクするあたらしい体験を提供します。

お客様の健康・安全・安心なくらしの実現

未来に向けたお客様の心と身体を満たすWell-Beingなくらしの実現

私たちは、お客様の心身ともに健康なくらし、安心なくらしに寄り添う高質で心地よい商品やサービスを提供することにより、お客様それぞれの自分らしいWell-Beingと心豊かなワクワクする未来を提案します。

未来を見据え安全・安心でレジリエントな店づくりの実現

私たちは、防災や感染症リスク、BCP(事業継続)に対応し、店舗のレジリエンスを高めます。また、それと同時にデジタルを活用したオペレーションを構築することで、安全・安心に配慮した新しい顧客接点を創造し、社会の期待に応える店づくりを推進します。

ダイバーシティ&

インクルージョンの推進

すべての人々がより互いの多様性を認め個性を柔軟に発揮できるダイバーシティに富んだ社会の実現

私たちは、多様性と柔軟性をキーワードにステークホルダーすべての人がダイバーシティの本質である異なる個性や視点を大切にし、多様な能力を発揮できる企業をつくります。また、多様な個性や能力が相互に影響し、機能し合うこと(インクルージョン)により、イノベーションを生み出し、多様なお客様の期待に応え事業の成長を目指します。

ワーク・ライフ・インテグレーションの実現

多様性と柔軟性を実現する未来に向けた新しい働き方による従業員とその家族のWell-Beingの実現

私たちは、ニューノーマル時代の新しい働き方として、多様性と柔軟性をキーワードにした働き方を促進し、同時に心身の健康を保ちます。これにより、従業員と家族のWell-Beingを実現し、組織の生産性向上につなげます。

 

③気候変動への対応

昨今、世界では気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しています。日本国内でも異常気象による大規模な自然災害が多発するなど大きな影響をもたらし、今や気候変動は企業にとって看過できない状況となっています。

このような中、JFRグループは、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しています。当社グループは、2021年度に新たに特定した7つのマテリアリティのうち、「脱炭素社会の実現」を最も重要なマテリアリティと位置づけ、再生可能エネルギー由来電力の導入や、エネルギー消費量の削減等、Scope1・2温室効果ガス排出量の削減に積極的に取り組んでいます。さらに今回、環境課題の解決に向け、新たに「サーキュラー・エコノミーの推進」をマテリアリティに追加しました。

一方、当社グループは小売業を中核とする企業グループであり、サプライヤーであるお取引先様や、消費者であるお客様と協働したScope3排出量削減の取り組みも非常に重要な課題であると認識し、マテリアリティの一つである「サプライチェーン全体のマネジメント」において取り組んでいます。

 

④TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示

TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示致します。

 

開示項目

具体的な開示内容

ガバナンス

(a)取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象

(b)経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法

リスク管理

(a)気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法

(b)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況

戦略

(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会および財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス

指標と目標

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

(b)温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)

(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標および実績

出典:気候関連財務情報開示タスクフォース「気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言(最終版)」

(2017年)

 

<ガバナンス(環境課題に対するガバナンス)>

(a)取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、

   監視対象

JFRグループでは、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、環境課題に関する具体的な取り組み施策について、業務執行の最高意思決定機関である「グループ経営会議」で協議・決議しています。また、半期に一度開催される「サステナビリティ委員会」において、「グループ経営会議」で協議・決議された環境課題への対応方針等を共有し、当社グループの環境課題に対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行っています。

取締役会は、「グループ経営会議」および「サステナビリティ委員会」で協議・決議された内容の報告を受け、当社グループの環境課題への対応方針および実行計画等についての論議・監督を行っています。

 

(b)経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法

代表執行役社長は、「グループ経営会議」の長を担うと同時に、直轄の諮問委員会である「リスクマネジメント委員会」および「サステナビリティ委員会」の委員長も担っており、環境課題に係る経営判断の最終責任を負っています。「グループ経営会議」および「サステナビリティ委員会」で協議・決議された内容は、最終的に取締役会へ報告を行っています。

 

JFRグループ 環境マネジメント体制図

 

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・環境マネジメント体制における会議体と役割

会議体および体制

役割

①取締役会

業務執行において論議・承認された環境課題に関する取り組み施策の進捗を監督する。毎月開催。

②グループ経営会議

環境課題に対する具体的な取り組み施策を含む全社的な経営に係る施策について協議・決議する。

決議事項は取締役会へ報告される。毎週開催。

③リスクマネジメント委員会

環境課題を含む包括的なリスクを抽出し、対策を協議・決議する。各事業会社の進捗状況のモニタリングなどを実施し、決議事項は取締役会へ報告される。都度開催。

④サステナビリティ委員会

グループ経営会議で協議された環境課題への対応方針を協議・決議する。環境課題に関する長期計画とKGI/KPIの策定、各事業会社の進捗状況のモニタリングなどを実施し、決議事項は取締役会へ報告される。半期に一度開催。

⑤ESG推進部

全社的な環境課題への対応を推進する。環境関連情報を収集し、グループ経営会議やサステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会へ報告する。

 

 

<リスク管理>

(a)気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法

JFRグループは、リスクを戦略の起点と位置づけ、「企業経営の目標達成に影響を与える不確実性であり、プラスとマイナスの両面がある」と定義しており、企業が適切に対応することで、持続的な成長につながると考えています。

当社グループは、環境課題に係るリスクについて、「サステナビリティ委員会」の中でより詳細に検討を行い、各事業会社と共有化を図っています。各事業会社では、気候変動の取り組みを実行計画に落とし込み、各事業会社社長を長とする会議の中で論議しながら実行計画の進捗確認を行っています。その内容について、「グループ経営会議」や「リスクマネジメント委員会」および「サステナビリティ委員会」において、進捗のモニタリングを行い、最終的に取締役会へ報告を行っています。

 

(b)重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

JFRグループは、気候変動に伴うリスクと機会は、自社の事業戦略に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、下記のプロセスを通じて気候変動に伴うリスクと機会を特定し、その重要性を評価しました。

はじめに、当社グループは、サプライチェーン・プロセスの活動項目である「商品調達」「輸送・顧客の移動」「店舗販売」「商品や、サービスの利用」「廃棄」の活動項目ごとに、気候変動に伴うリスクと機会を網羅的に抽出しました。次に、網羅的に抽出した気候変動に伴うリスクと機会の中から、当社にとって重要な気候変動に伴うリスクと機会を特定しました。最後に、特定した気候変動に伴うリスクと機会について、「自社にとっての影響度および発生可能性」と、「ステークホルダーにとっての影響度」の2つの評価基準に基づき、その重要性を評価しました。

当社グループは、上記のプロセスを経て、特に重要と評価された気候変動に伴うリスクと機会について、取締役会による監督体制の下、当社における企業リスクの一つとして当社グループの戦略に反映し、対応しています。

 

(c)全社リスク管理の仕組みへの統合状況

JFRグループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、「リスクマネジメント委員会」を設置しています。「リスクマネジメント委員会」では、外部環境分析をもとに、環境課題に係るリスクを含めた企業リスクを識別・評価し、優先的に対応すべき企業リスクの絞り込みを行い、進捗のモニタリングを行っています。「リスクマネジメント委員会」で論議・承認された内容は、取締役会による監督体制の下、当社グループの戦略に反映し、対応しています。

 

 

・リスク管理プロセス

・リスク管理体制

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リスク管理プロセス

担当する会議体

・リスクの識別・評価・絞り込み

・取締役会

・グループ経営会議

・リスクマネジメント委員会(経営に係るリスク全般が対象)

・サステナビリティ委員会(環境課題に係るリスクが対象)

・リスク対応

・各事業会社

・モニタリング・報告

・取締役会

・グループ経営会議

・リスクマネジメント委員会(経営に係るリスク全般が対象)

・サステナビリティ委員会(環境課題に係るリスクが対象)

 

 

<戦略>

(a)短期・中期・長期のリスク・機会の詳細

JFRグループは、環境課題に係るリスクは長期間にわたり、自社の事業活動に影響を与える可能性があるため、適切なマイルストーンにおいて検討することが重要であると考えています。当社グループは、中期経営計画の実行フェーズである2021~2023年度、SBT目標設定年度である2030年度を見据え、気候変動がもたらす異常気象等の物理リスク、政府による政策規制の導入、および市場ニーズの変化等の移行リスクの検討を行い、検討の結果特定したリスク・機会は、当社グループの戦略に反映し、対応しています。

※(b)の表「JFRグループのリスク・機会の概要と事業および財務への影響」に記載。

 

JFRグループにおける気候関連リスクと機会の検討期間の定義

 

期間

定義

中期

2021~2023年度まで

2021~2023年度の中期経営計画の実行期間

長期

2030年度まで

JFRグループ Scope1・2・3温室効果ガス排出量のSBT目標設定年度までの期間

 

(b)リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の内容・程度

JFRグループは、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握、および2030年時点の世界を想定した当社グループの戦略のレジリエンスと、さらなる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施しています。

シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことを想定したシナリオ(2℃未満シナリオ)、および新たな政策・制度が導入されず、公表済の政策・規制が達成されることを想定した世界の温室効果ガス排出量が、現在より増加するシナリオ(4℃シナリオ)の2つの世界を想定しました。

最重要マテリアリティである「脱炭素社会の実現」に向け、当社グループの事業活動について、上記シナリオを前提に、気候変動がもたらす影響を分析し、その対応策を検討し、当社グループの戦略レジリエンス(強靭性)を検証しています。

 

・参照した既存シナリオ

想定される世界

既存シナリオ

2℃未満シナリオ

「Sustainable Development Scenario(SDS)」(IEA、2019、2020年)

「Representative Concentration Pathways (RCP2.6)」(IPCC、2014年)

4℃シナリオ

「Stated Policy Scenario(STEPS)」 (IEA、2019、2020年)

「Representative Concentration Pathways (RCP6.0、8.5)」(IPCC、2014年)

 

 

・2030年時点を想定した2℃未満シナリオおよび4℃シナリオにおけるJFRグループの事業および財務への影響

2つのシナリオにおけるJFRグループのリスク・機会とそれらに伴う事業および財務への影響の概観は下記の通りです。なお、事業および財務への影響の大きさは表中の矢印の傾きを3段階で定性的に表示しています。

 

JFRグループのリスク・機会の概要と事業および財務への影響

 

リスク・機会の

種類

JFRグループのリスク・機会の概要

事業および

財務への影響

2℃未満

シナリオ

4℃

シナリオ

リスク

移行リスク

政策

規制

・炭素税(カーボンプライシング)等、温室効果ガス排出を抑制する政策導入・規制強化に伴う、オペレーションコストの増加

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・温室効果ガス排出に関する情報開示義務の拡大と、その対応不備による罰金リスク

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市場

・環境課題に対する消費行動の多様化や顧客意識の向上に伴う、低炭素(カーボンニュートラル)製品の需要増等のマーケット変化への対応遅れによる、成長機会の喪失

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・気候変動に起因する感染症リスク(新型コロナウィルス感染症等)への対応の遅れによる、成長機会の喪失

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物理リスク

急性

・気候変動に起因する自然災害による調達・物流ルート断絶に伴う、製品・サービスの販売機会の喪失

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・気候変動に起因する自然災害による店舗・事業所の損害、営業停止

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・気候変動に起因する感染症リスク(新型コロナウイルス感染症等)の増加に伴う、店舗での販売機会の喪失

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機会

エネルギー源

・再エネに係る新たな政策・制度の進展とその利用に伴うエネルギー調達コストの減少

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・再エネ拡大、省エネ強化、創エネ導入に伴うエネルギー調達リスクの回避

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製品およびサービス

・リユース製品・リサイクル製品の需要増による、売上収益拡大

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・リユース製品・リサイクル製品の取扱い拡大による、Scope3排出量の削減

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市場

・シェアリングビジネスやアップサイクルビジネスへの新規参入による、新たな成長機会の拡大

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・環境課題に対する消費行動の多様化や顧客意識の向上に伴う、小売業の枠を超えた事業ポートフォリオの再構築と、低炭素(カーボンニュートラル)製品市場への参入・拡大による収益力の向上

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・気候変動に起因する感染症リスク(新型コロナウイルス感染症等)の増加への対応による、新たな成長機会の拡大

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JFRグループの事業および財務への影響が非常に大きくなることが想定される。

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JFRグループの事業および財務への影響がやや大きくなることが想定される。

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JFRグループの事業および財務への影響が軽微であることが想定される。

 

 

(c)関連するシナリオに基づくリスク・機会および財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス

JFRグループの温室効果ガス排出量の約90%は、電気の使用に由来しており、当社グループの温室効果ガス排出量削減の取り組みは、再生可能エネルギー由来電力の調達に重点を置くことが重要であると考えています。この現状を踏まえ、当社グループは、2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業および財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入および再生可能エネルギー由来の電気料金の変動が、重要なパラメータ(指標)になると考えています。そのため、2℃未満シナリオおよび4℃シナリオにおける2つのパラメータについて、当社グループの財務への影響を定量的に試算しています。

※気候変動の主な原因である二酸化炭素の排出に課される税。

 

・2030年時点を想定したJFRグループへの財務影響

重要なパラメータ

(指標)

2030年時点を想定したJFRグループへの財務影響

項目

2℃未満

シナリオ

4℃

シナリオ

炭素税

・炭素税価格(千円/t-CO2

10

3.3

・炭素税課税に伴うコスト増(百万円)

770

254

再エネ由来の

電気料金

・再エネ由来の電気料金の価格増(円/kWh)

1~4

・再エネ由来の電気の調達コスト増(百万円)

196~784

(2030年時点に想定される前提条件)

・炭素税価格※1:$100/t-CO2(2℃未満シナリオ)、$33/t-CO2(4℃シナリオ )※2

※1 「Stated Policy Scenario(STEPS)」(IEA、2019)を参照。

※2 2030年時点では日本国内でも炭素税が導入されることを想定し、4℃シナリオにおけるEUの炭素税価格で試算。

JFRグループ温室効果ガス排出量:約77,000t-CO2(対2017年度比60%削減)

・再エネ由来の電気料金:1~4円/kWhの価格高(再エネ以外の電気料金との比較)

JFRグループ再エネ由来の電気使用量:196,000MWh(再エネ比率60%)

 

当社グループは、2℃未満シナリオおよび4℃シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化していきます。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、マーケット変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。

 

<指標と目標>

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

JFRグループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率の2つの指標を定めています。

 

(b)温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)

JFRグループは、2017年度から、グループ全体の温室効果ガス排出量の算定に取り組んでいます。当社グループの2020年度Scope1・2温室効果ガス排出量は、約13.6万t-CO2(対2019年度16.3%削減)を見込んでいます。また、2020年度Scope3温室効果ガス排出量は、約283万t-CO2(対2019年度比25.2%削減)を見込んでいます。

当社グループは、2017年度から、温室効果ガス排出量の第三者保証を取得しており、2020年度の温室効果ガス排出量についても、第三者保証を取得する見込みです。

 

JFRグループ Scope1・2・3温室効果ガス排出量実績および見通し

(単位:t-CO2、%)

 

温室効果ガス排出量 実績

温室効果ガス排出量 見通し

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

対2019年度増減

Scope1・2排出量 合計

194,154

182,565

162,508

136,000

▲16.3

内訳

Scope1排出量

16,052

15,960

15,214

13,000

▲14.6

Scope2排出量

178,102

166,605

147,294

123,000

▲16.5

Scope3排出量 合計

3,075,130

3,123,238

3,782,555

2,830,000

▲25.2

※ロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッドによる第三者保証を取得。

 

(c)気候関連リスク・機会の管理に用いる目標および実績

JFRグループは、世界全体の2℃未満目標達成のため、2018年度から、長期的な温室効果ガス排出量削減目標を設定しています。「2030年までにScope1・2およびScope3温室効果ガス排出量を40%削減する(2017年度比)」という目標を設定し、「SBT(Science Based Targets)イニシアチブ※1」の認定を取得しています。当社グループは、これまでの取り組み内容の進化に伴い、Scope1・2について「2030年までにScope1・2温室効果ガス排出量を60%削減する(2017年度比)」という、より野心的な目標に改めました。また、「2050年までにScope1・2温室効果ガス排出量をゼロにする」という目標を設定し、カーボンニュートラルの実現を目指します。

これらの長期目標達成のため、当社グループは、2019年度から、自社施設における再生可能エネルギー由来電力の調達を開始し、2020年10月に「RE100※2」に加盟しました。今後も、カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギー由来電力の調達拡大に取り組みます。

※1 産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるため、科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標達成を推進することを目的として、CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が2015年に共同で設立。

※2 事業活動で使用する電力を、2050年までに100%再生可能エネルギーにすることを目標とする国際的イニシアチブ。

 

JFRグループの気候関連リスク・機会の管理に用いる目標

 

指標

目標年度

目標内容

温室効果ガス排出量

2050年

Scope1・2温室効果ガス排出量ゼロ

2030年

Scope1・2温室効果ガス排出量を60%※1削減する(2017年度比)

Scope3温室効果ガス排出量40%削減を目指す(2017年度比)※2

※1 SBTイニシアチブにより認定を受けている削減率は40%

※2 SBTイニシアチブにより認定

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率

2050年

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率100%※3

※3 2020年 RE100に加盟

2030年

事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギー比率60%

 

⑤今後の取り組み

昨今、天然資源や製品が一度きりの使い捨ての形で使用されることが前提となる、従来型の「リニア・エコノミー」は、大量採取による天然資源の枯渇、温室効果ガス排出による地球温暖化、大量の廃棄物による海洋汚染等、深刻な気候変動をもたらしています。

JFRグループは、小売業を中核とする企業グループである強みをいかし、これらの気候変動に伴うリスクと機会に対応していくことが重要であると考え、

・気候変動に伴う物理リスクへの対応策の強化による強靭なサプライチェーンの実現

・店舗を核とするCSVへの取り組みを通したサステナブルな店づくりの実現による

 地域社会への貢献

・「サーキュラー・エコノミー」の推進による新しいビジネス機会の実現

・消費者の消費行動の変化に対応した低炭素製品・サービスへの積極的対応

等に取り組んでいきます。

今後も、当社グループは、取締役会による監督体制のもと、環境マネジメントにおけるガバナンスの強化を進め、中長期の目標達成に向けた実行計画の立案等、全社的な取り組みを進めていきます。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 当期の経営成績

当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受ける結果となりました。実質GDP成長率は、記録的なマイナスに陥った年度序盤を底に持ち直しの動きが見られたものの、年度後半の感染再拡大により緩やかな回復に留まりました。企業業績は好調な業種も見られる一方、投資抑制や雇用・所得の減少を余儀なくされる状況が散見されました。個人消費についても年度序盤の落ち込みから徐々に回復したものの、年度終盤の緊急事態宣言再発出などの影響も加わり、低迷しました。

未曾有の経営環境に直面するなか、当社グループは、お客様や従業員の安全安心の確保と企業存続を最優先に、各事業において刻々と変化する状況に応じた事業運営に努めました。同時に、将来を見据え、持続可能な社会への貢献と当社グループの中長期的な成長実現に向けた取り組みを推進しました。

「新型コロナウイルス感染症への対応」では、感染症拡大による未曾有の経営環境へ適切に対応するため、当社グループは感染症拡大初期段階から緊急対策本部を設置し、徹底した衛生管理による安全安心の確保、事業継続と経営の安定を図るための対策を実行しました。

営業面では、主に政府や各自治体の要請を踏まえ店舗休業や時短営業を実施しました。営業に際しては店舗内の消毒や顧客導線の確保、空調管理、催事の見直しなど、お客様に安心してご利用いただける店頭体制の構築など感染症拡大防止に取り組みました。また、お取引先様には当社ウェブサイトなどの活用による販売支援、店頭販売員には休憩所やロッカーなどの衛生管理の徹底、事務部門ではテレワークや時差出勤の推奨、WEB会議の活用など職場環境の整備に努めました。

同時に、事業継続と経営の安定を図る観点から、感染症影響が想定を上回る規模で生じる際への備えとして、投資抑制や経費圧縮、手許資金の積み増し、資金調達枠の増額などの対策を早期に講じ、財務安定性・流動性の確保に取り組みました。

一方、外出自粛が広がるなか、新たな生活様式に対応するため、デジタル技術を活用した営業活動を進めました。具体的には、百貨店においてオンラインショップの品揃え拡充や店頭からのオンライン接客・動画配信によるリモート販売に取り組みました。また、各地の生産者支援のため9月に始動させた「Think LOCAL」では店舗のある地域の名産品をウェブサイトで紹介しました。パルコでは、心斎橋PARCOにおける館内バーチャルツアーの配信や、お取引先様との協働によるオンライン販売の強化など、リアル店舗とオンラインの融合に向けた取り組みを推進しました。

「中長期の成長実現に向けた取り組み」では、パルコの完全子会社化による体制整備として組織改革、不動産事業の集約を行いました。組織改革では「新体制検討委員会」を設置し、グループシナジーの早期創出と高効率経営の推進の観点から持株会社及びパルコ本社機能の再編・統合を行い、パルコにおいて事業強化に専心できる体制を構築しました。不動産事業の集約については、9月に大丸松坂屋百貨店の不動産事業をパルコに移管し、グループ資源の集約と運営・管理・開発機能の一元化を図りました。

また、グループシナジー創出への取り組みとして、心斎橋PARCOを11月に開業しました。この店舗は、一体化した大丸心斎橋店とともに地域社会との共生、心斎橋エリアの賑わい創出への貢献、新たな顧客層の獲得によるエリア顧客基盤の拡大を目指しており、当社グループが推進するサステナビリティ経営、百貨店とパルコの融合を具現化した新たな商業施設です。開業後は幅広い層のお客様がご来店され、大丸心斎橋店との相乗効果を発揮しています。

うした中長期の成長実現に向けた基盤強化とともに、2021年度から始動する新たな中期経営計画の策定に取り組みました。このうち経営構造改革については、将来に向けた成長基盤を早期に構築するため、ビジネスモデルの転換加速による収益改善、グループ事業再編による経営効率向上とともに、各事業の将来性や成長性の厳格な見極めを掲げています。こうしたなか、各事業の環境変化やマーケットの将来性に鑑み、2月に飲食店業の.フロントフーズの全株式を譲渡し連結子会社から除外したほか、パルコ事業の津田沼PARCO及び新所沢PARCOの営業終了(津田沼PARCOは2023年2月28日営業終了予定、新所沢PARCOは2024年2月29日営業終了予定)を決定しました

以上のような諸施策に取り組みましたものの、感染症拡大の影響により、特に中核の百貨店事業において国内消費・インバウンド消費がともに低迷したことなどから、当期の連結業績は、前年に比べ売上収益は33.6%減の3,190億79百万円となりました。

こうしたなか、年度を通じた投資抑制や経費削減に努めました結果、事業利益は23億66百万円と黒字を確保しましたものの、営業利益は主に休業に伴う固定費の振替、店舗閉鎖や減損損失等の費用計上が加わり、242億65百万円の損失(前年は営業利益402億86百万円)となりました。税引前損失は286億72百万円(前年は税引前利益371億61百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は子会社の繰延税金資産の取り崩しによる費用増も加わり、261億93百万円の損失(前年は親会社の所有者に帰属する当期利益212億51百万円)となりました。

なお、配当金につきましては、中間配当金は未曾有の経営環境、厳しい業績見通し及び財務状況を踏まえ、1株あたり9円(前年実績18円)とさせていただきましたが、期末配当金は株主の皆様への安定配当の観点から、前年実績と同額の1株あたり18円とさせていただきました。この結果、年間配当金は1株につき27円となりました

 

 

セグメント業績

<百貨店事業>

感染症拡大の影響により、各店において3月から営業の縮小、4月の緊急事態宣言発出後は食料品売場を除き、ほぼ全店を休業しました。5月中旬から順次、営業再開したものの、外出自粛に加え、「3密」回避の観点から催事やセール運営の見直し、海外からの渡航制限などにより、年間を通じて入店客数、売上ともに大きく減少しました

一方、巣ごもり需要に対応した「大丸松坂屋オンラインショッピング」の品揃え拡充やご自宅にいながらお買い物が楽しめるリモート販売、来場予約システムの活用など、デジタルを活用した営業活動を推進しました。また、顧客参加型の衣料品回収「ECOFF(エコフ)リサイクルキャンペーン」において非接触型回収ボックスを設置するなど、コロナ禍のなか新たな施策を実施しました。

このほか、大丸心斎橋店では心斎橋PARCO開業時に大丸心斎橋店顧客をご招待し、また百貨店・パルコ双方のハウスカードを利用した相互送客などを実施しました。

また地方郊外店舗の構造改革として、下関大丸を直営化し、3月にリニューアルオープンしたほか、大丸芦屋店・須磨店において地域に密着した店づくりを推進しました。

以上のような諸施策とあわせ、年度を通じた設備投資や経費削減などに取り組みましたものの、国内消費・インバウンド消費がともに低迷したことなどにより、前年に比べ売上収益は37.8%減の1,640億24百万円と大幅減収、営業利益は減損損失等の計上も加わり、221億99百万円の損失(前年は営業利益176億25百万円)となりました。

 

<パルコ事業>

感染症拡大の影響により、店舗の休業や時短営業、エンタテインメント拠点における入場制限を余儀なくされ、入店客数・テナント取扱高ともに大きく減少しました。こうしたなか、顧客コミュニケーションの進化を図るため、お取引先様との協働による「PARCO ONLINE STORE」の強化やオンライン展覧会の開催、ライブコマースの推進、海外向けECサービスの導入など新たなデジタル施策に取り組みました。

また、パルコとして約9年ぶりの大阪・心斎橋への出店となる心斎橋PARCOを11月に開業しました。感染症が再拡大するなかでの開業となりましたが、幅広い層のお客様がご来店され、想定を上回る売上で推移しました

以上のような諸施策に加え、設備投資や売上原価、経費の圧縮などに取り組みました結果、事業利益は20億62百万円と黒字を確保したものの、売上収益は前年の渋谷再開発における保留床売却の反動などにより、前年に比べ38.6%減の688億61百万円となりました。また、営業利益は店舗閉鎖関連費用の計上等により、68億95百万円の損失(前年は営業利益108億23百万円)となりました。

 

<不動産事業>

百貨店事業やパルコ事業と同様に、施設の休業や営業時間短縮を余儀なくされるほか、外出自粛などの影響によるテナント売上の減少に伴い、賃貸収入が減少しました。一方、松坂屋名古屋店・名古屋PARCO等とともに名古屋・栄地区の魅力化に向けたエリア開発を推進しました。具体的には2026年の竣工・開業を目指す「錦三丁目25番街区開発」における基本協定を7月に締結し、また「BINO(ビーノ)栄」を11月に開業しました

以上のような諸施策に取り組みましたものの、休業期間中の受取固定賃料の減免措置、歩合賃料の減少などにより、前年に比べ売上収益は13.6%減の153億72百万円、営業利益は前年の不動産売却益計上の反動も加わり70.5%減の19億86百万円となりました。

 

<クレジット金融事業>

事業の強化に向け、1月に大丸松坂屋カードのリニューアルを実施し、サービス面の充実を図るとともに新ポイントプログラム「QIRA(キラ)ポイント」を導入しました。また2月には個人向けカードローン「QIRA ローン –BRIGHT LIFE-」の取り扱いを開始しました。

以上のような諸施策に取り組みましたものの、主に百貨店における取扱高の減少やカードリニューアルに伴う費用増などにより、前年に比べ売上収益は15.7%減の90億35百万円、営業利益は77.9%減の4億21百万円となりました。

 

<その他>

卸売業の大丸興業は電子デバイス部門が好調に推移しました。一方、建装工事請負業の.フロント建装において前年の大丸心斎橋店本館改装に係る特需の反動や、人材派遣業のディンプルにおいて派遣先施設の休業影響などにより、前年に比べ売上収益は22.4%減の957億22百万円、営業利益は39.3%減の28億52百万円となりました。

 

 

② 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は1兆2,637億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ234億14百万円増加いたしました。一方、負債合計は8,993億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ587億51百万円増加いたしました。なお、有利子負債残高(含むリース負債)は5,628億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ840億42百万円増加いたしました。資本合計は3,643億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ353億38百万円減少いたしました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ942億92百万円増の1,289億25百万円となりました。これは財務安定性確保のため、手許資金を積み上げたことによるものであります。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は564億71百万円の収入となりました。前連結会計年度との比較では、税引前損失となったことなどにより168億87百万円の収入減となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は208億70百万円の支出となりました。前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出の減少などにより286億89百万円の支出減となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は587億27百万円の収入となりました。前連結会計年度との比較では、コマーシャル・ペーパーの発行などにより735億56百万円の収入増となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

その他

756

84.5

(注)1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

2)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

パルコ事業

7,798

79.4

その他

31,809

53.3

(注)1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  上記以外のセグメントについては該当事項はありません。

 

3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

内訳

販売高(百万円)

前年同期比(%)

百貨店事業

大丸松坂屋百貨店

149,602

63.3

博多大丸

11,153

59.8

高知大丸

3,269

71.9

164,024

62.2

パルコ事業

ショッピングセンター事業

42,829

58.5

専門店事業

11,873

66.4

総合空間事業

10,680

74.0

その他事業

3,478

51.8

68,861

61.4

不動産事業

不動産賃貸業・テナント業

15,372

86.4

クレジット金融事業

クレジットカードの発行及び運営等

9,035

84.3

その他

卸売業

34,826

115.8

建装工事請負業

24,137

53.9

人材派遣業

15,634

70.4

その他

21,124

80.5

95,722

77.6

調整額

△33,937

合計

319,079

66.4

(注)1 セグメント間の取引については、「調整額」欄で調整しております。

   2 販売高は、売上収益を記載しております。

   3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  連結財務諸表注記  3.重要な会計方針」に記載しております。

また、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  連結財務諸表注記  4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績等

 セグメントごとの情報については、(1)財政状態及び経営成績の状況 ① 当期の経営成績に記載しております。

 

a)売上収益

売上収益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で消費が落ち込み、全てのセグメントにおいて減収となったことにより、前連結会計年度に比べ1,615億42百万円減の3,190億79百万円となりました。

 

b)営業利益

営業利益は、前連結会計年度に比べ645億51百万円減の242億65百万円の損失となりました。

 

c)税引前利益

税引前利益は、前連結会計年度に比べ658億33百万円減の286億72百万円の損失となりました。

 

d)親会社の所有者に帰属する当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ474億44百万円減の261億93百万円の損失となりました。

 

e)財政状態

当連結会計年度の資産合計は1兆2,637億22百万円、手許資金を積み増したことなどにより前連結会計年度末に比べ234億14百万円増加いたしました。一方、負債合計は

,993億78百万円、前連結会計年度末に比べ587億51百万円増加いたしました。なお、有利子負債残高(含むリース負債)5,628億15百万円、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパーの発行などにより前連結会計年度末に比べ840億42百万円増加いたしました。

資本合計は3,643億43百万円、前連結会計年度末に比べ353億38百万円減少いたしました。

これらの結果、資産合計営業利益率(ROA)は、△1.9%、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、△7.1%、親会社所有者帰属持分比率は、27.9%となりました。

f)キャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は564億71百万円の収入となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は208億70百万円の支出、「財務活動によるキャッシュ・フロー」は587億27百万円の収入となりました。

この結果、当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べ942億92百万円増の1,289億25百万円となりました。

今後も、利益水準やキャッシュ・フローの動向等を考慮し、適切な利益配分や設備投資を行っていく予定であります。

 

g)資本の財源及び資金の流動性

(資本政策の基本方針)

当社は、フリーキャッシュ・フローの増大とROEの向上が持続的な成長と中長期的な企業価値を高めることにつながるものと考えております。その実現に向けて、「戦略投資の実施」「株主還元の充実」及びリスクへの備えを考慮した「自己資本の拡充」のバランスを取った資本政策を推進いたします。

また、有利子負債による資金調達はフリーキャッシュ・フロー創出力と有利子負債残高を勘案して行うことを基本とし、資金効率と資本コストを意識した最適な資本・負債構成を目指します。

フリーキャッシュ・フロー、ROEの向上には、収益を伴った売上拡大を実現する「事業戦略」及び投下資本収益性を向上させる「財務戦略(資本政策を含みます。)」が重要です。併せて、基幹事業の強化、事業領域の拡大・新規事業の積極展開等に経営資源を重点配分することにより、営業利益の最大化と営業利益率を持続的に向上させていくことが重要であると考えております。

 

(資金調達の状況)

当社グループでは、事業活動に必要となる資金は、自ら創出した資金でまかなうことを基本方針としております。そのうえで、事業投資等で必要資金が生じる場合には、財務の健全性維持を勘案し、主として社債の発行及び金融機関からの借入などにより資金調達を行っております。

グループ子会社は金融機関からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメントシステムを利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を推進しております。なお、パルコにつきましてもグループシナジー創出と経営効率化を図るため、完全子会社化を機に資金調達の一元化を完了しております。

当連結会計年度については、上記方針に基づき、感染症拡大の影響に伴う資金不足に備え、充分な手許資金を確保することを目的として、次のとおり資金調達を実施いたしました。金融機関からの長期借入金により820億円、短期借入金により470億円を調達したことに加え、コマーシャル・ペーパーにより660億円を調達いたしました。一方、第3回無担保普通社債100億円を償還したことに加え、短期借入金600億円、長期借入金234億円の返済を進めた結果、有利子負債残高(除くリース負債)は、前連結会計年度末に比べ1,017億円増加し、3,599億円、現預金残高が1,289億円となりました。さらに、感染症拡大の想定以上の長期化に対する資金不足の備えとして、コミットメントライン3,000億円の設定をいたしました。

なお、資金調達に係るリスクについては、「第2  事業の状況  2  事業等のリスク」に記載しております。

(財務政策)

「2021-2023年度 中期経営計画」における財務政策については、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

(配当政策)

当社の剰余金の配当に関する基本方針並びに当期の配当実績については、「第4  提出会社の状況  3  配当政策」に記載しております。

 

2)経営目標の達成状況

「2017~2021年度 中期経営計画」は2020年度をもって終了いたしましたため、2021年度において掲げておりました経営数値目標の達成状況は記載を省略いたします。

なお、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますとおり、当社は「2021-2023中期経営計画」を策定いたしました。本中期経営計画を通じ、最終年度2023年度に財務数値を2019年度水準に回復し、コロナ禍からの「完全復活」を果たすとともに、2024年度以降の「再成長」への道筋をつける期間と位置づけ、目標達成に向けて取り組んでまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

<連結子会社>

賃貸借に関する契約

会社名

事業所名

賃借先

賃借物件

面積

賃料

㈱大丸松坂屋百貨店

大丸 大阪・梅田店

大阪ターミナルビル㈱

建物

95,101㎡

(1)定額賃借料

年額      6,186百万円

(2)歩合賃借料

売上高85,000百万円を超過した額の1.5%

大丸 東京店

㈱鉄道会館

建物

64,657㎡

(1)定額賃借料

年額      5,330百万円

(2)歩合賃借料

直前3事業年度の年間最高売上高を超過した額の1%

㈱博多大丸

本館

㈱西日本新聞ビルディング

紙与不動産㈱

建物

31,258㎡

年額      1,266百万円

東館

(エルガーラ)

㈱西日本新聞ビルディング

建物

15,155㎡

年額      1,041百万円

 

5【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。