(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による経済対策や金融政策の効果から雇用情勢の改善をはじめとした緩やかな景気回復基調で推移しております。一方で、中国をはじめとした海外の経済成長の減速や円安がもたらした原材料や輸入品価格への影響から物価上昇圧力への懸念が高まり、消費全般の基調は引き続き楽観視できない状況で推移しました。
外食業界におきましても、円安の影響による輸入品価格の実質的な値上がりや原材料価格、物流費の上昇などにより、国内景気を下押しするリスクが存在することから、景気の先行きには依然不透明な状況が続いております。また人手不足に伴う人件費の高まりなども加わり、経営環境はより一層の厳しさを増しております。
このような状況のもとで、当社グループは、「外食業界におけるエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指し、立地を厳選してグループ全体で98店舗(直営店67店舗、加盟店29店舗、海外直営店2店舗)を新規出店しました。
既存事業においては、季節にあわせた積極的な新メニュー開発や新規業態の立ち上げ、顧客の嗜好にあわせグループ全体で14店舗の業態変更をしたほか、業務の効率化を推進するとともに、ブランド価値の向上を目指した改装を継続して推進するなど、事業基盤の強化に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高1,247億96百万円(前年同期比4.0%増)の増収となりましたが、コーヒー豆など円安の影響を受けた原材料価格の高騰による粗利の減少が大きく、また人件費および販売管理費の増加により営業利益は94億66百万円(前年同期比1.4%減)、経常利益94億91百万円(前年同期比5.9%減)となりました。当期純利益につきましては特別利益を計上したことから54億56百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
(日本レストランシステムグループ)
日本レストランシステムグループでは、「洋麺屋五右衛門」を中心とした既存事業のブラッシュアップに注力するとともに、「星乃珈琲店」等を積極的に展開しました。鹿児島、長崎、福岡の九州地区や愛知、静岡、宮城など地方の主要都市に「星乃珈琲店」と「洋麺屋五右衛門」との2店舗併設店を新規出店するなど、お客様のご要望にお応えできるよう、店舗網の拡大に努めました。
また、新たな展開としては、エアロプレス(空気の力を利用し、短時間で抽出する方法)を特徴としたスペシャルティコーヒーとノルウェーサーモン、デンマークチーズ、リンゴンベリーなど北欧の食材を使用したサンドイッチ、デニッシュ、ケーキを豊富に取り揃えた「OSLO COFFEE」や、上質の牛たんだけを厳選した牛たん焼き専門店の「牛たん焼き 仙台辺見」の多店舗化を図るなど、新規出店の拡大と多ブランド展開に注力致しました。
以上の結果、日本レストランシステムグループにおける売上高は396億39百万円(前年同期比7.0%増)、セグメント利益は50億49百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
(ドトールコーヒーグループ)
ドトールコーヒーグループの小売事業及びフランチャイズ事業においては、季節に合わせた魅力ある商品作りを継続するとともに、ティータイムにおける新たなセットメニュー(シューシャポー)の導入やシングルオリジンの高単価なスペシャリティーコーヒーの販売を実施するなど既存事業の強化と美味しさの追求に努めました。また、10月からプリペイド方式のドトールバリューカードの本格導入とともに、交通系電子マネーの取扱いを開始するなど、お客様の利便性とお得感を高めております。さらに、エクセルシオールでは「価値ある時間(とき)」をお客様に提供するため、新たなモデルでの既存店改装を本格的に開始いたしました。
卸売事業においては、ドリップコーヒーやコーヒー原料などの販路および取引先の拡大、またコンビニエンス・ストアを中心にチルド飲料など定番商品と新商品の継続的な投入に注力したほか、他企業とのコラボレーションなど新たな商品の開発・販売をはじめるなど、これまで以上の業容拡大に努め、売上伸長を図りました。
以上の結果、ドトールコーヒーグループにおける売上高は773億95百万円(前年同期比2.9%増)と順調に推移しましたが、円安による原材料価格の高騰が大きく影響しセグメント利益は38億92百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に国内及び海外における外食事業に係る小売及び卸売りに関する事業となります。売上高は77億61百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は6億91百万円(前年同期比105.5%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ37億38百万円増加し、368億97百万円(前年同期比11.3%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益93億31百万円、減価償却費40億44百万円、法人税等の支払額42億55百万円等により、103億62百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店等の有形固定資産の取得による支出65億32百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入29億16百万円等により、47億13百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額13億49百万円やリース債務の返済による支出5億44百万円等により、18億97百万円の支出となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
日本レストランシステムグループ(百万円) |
3,766 |
131.9 |
|
ドトールコーヒーグループ(百万円) |
5,802 |
101.9 |
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その他(百万円) |
4,767 |
115.9 |
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合計(百万円) |
14,336 |
113.2 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
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日本レストランシステムグループ(百万円) |
4,446 |
83.8 |
|
ドトールコーヒーグループ(百万円) |
31,126 |
103.3 |
|
その他(百万円) |
480 |
105.7 |
|
合計(百万円) |
36,053 |
100.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3)受注状況
当社グループは、見込み生産を行なっておりますので、受注状況については記載すべき事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) |
前年同期比(%) |
|
日本レストランシステムグループ(百万円) |
39,639 |
107.0 |
|
ドトールコーヒーグループ(百万円) |
77,395 |
102.9 |
|
その他(百万円) |
7,761 |
100.5 |
|
合計(百万円) |
124,796 |
104.0 |
(注)1.金額は外部顧客に対する売上高を示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及びその割合については、いずれも売上高の100分の10未満のため、記載を省略
しております。
日本経済を取り巻く環境は、人口の減少による需要不足、近隣諸国との領土問題、エネルギー対策など多くの不透明要因があります。
外食産業を取り巻く環境につきましても、政府や日銀による経済・金融政策により個人所得が改善に向かい個人消費が堅調になる可能性が見込まれる期待がある一方で、原材料価格の上昇なども想定されます。また、業界の垣根を越えた競争も継続するものと思われ、引き続き厳しい経営環境が続くと思われます。
このような環境下、当社グループではリ・ブランディングや新商品の開発を含めた商品力のアップ、新規出店、新業態開発のほか、フランチャイズ・ビジネスなどグループのノウハウの共有化による収益シナジーの創出により高収益の体質を目指すとともに、高成長が期待できるアジアを中心とした海外事業の展開を推し進める所存です。
今後は高収益と高成長を兼ね備えた企業として、「外食産業における日本一のエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立とグローバル展開による企業価値の増大を目指してまいります。
中長期的な経営戦略として、次の施策を重点的に行ってまいります。
① 既存事業の再強化(既存店の強化、ブランド価値向上)
② 効率化の徹底(不採算店舗の閉鎖、業態転換の促進、イニシャルコストの低減)
③ 新規出店(出店候補地の厳選、新規出店の拡大促進)
④ シナジー効果の拡大(資材・食材の効率的な調達によるコスト削減、複合店・併設店・新業態の開発)
⑤ 成長戦略の一環としてM&Aによる事業拡大
⑥ 成長機会が最も高いアジア市場を中心とするグローバル展開
⑦ 内部統制強化によるガバナンス体制の確立とコンプライアンス遵守
記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、下記のようなものがあります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。
① コーヒー生豆価格相場及び為替相場の変動
当社グループの主要商品であるコーヒー生豆の価格は、国際的なコモディティ価格の高騰による相場の上昇や、昨今の新興国における需給の状況、生産地における天候等の影響を受けることがあります。このような影響をヘッジする目的で、ニューヨーク生豆相場に基づく商社からの見積り提示価格をベースに、生豆の先物買契約を締結し原料確保を行っており、また、その際為替相場の影響を回避する目的で実需の範囲内において為替の先物予約を実施しております。しかし、相場の変動状況によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制等について
当社グループは、お客様に飲食を提供するために「食品衛生法」の規制を受けております。従来より、定期的に第三者機関による細菌、及び衛生検査を各店舗で実施しておりますが、万一、食中毒事故等が発生し営業停止等の処分を受けたり、法的規制が強化された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 自然災害による影響について
当社グループは、特に出店が集中している地域である首都圏や大都市において、地震や大規模な台風、異常気象等の自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 店舗の賃借物件への差入保証金等について
当社グループの事務所及び直営店舗は、そのほとんどが建物を賃借しております。賃借に際して差し入れる保証金等については、平成28年2月末時点で、当社グループで205億円あります。万一、賃借先である家主の倒産等により一部回収不能となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、新規に出店する際の与信管理を徹底させるとともに、特定の家主に対し出店が集中しないように取り組んでおります。
⑤ 出店政策について
当社グループが出店する際の出店先の選定につきましては、店舗の収益性を重視しており、差入保証金や家賃などの出店条件、商圏人口、競合店舗の有無等を勘案した上で一定条件を満たしたものを対象物件としております。このため、当社グループの出店条件に合致する物件がなければ、出店予定数を変更することもあるため当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 減損会計の適用について
当社グループは、店舗環境の変化や経済的要因により店舗毎の収益性が損なわれた場合、減損損失を認識する必要があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 個人情報保護について
当社グループは、お客様の個人情報等を有しております。当情報の管理については個人情報保護法の趣旨に沿った社内体制に基づき運用しておりますが、万一漏洩があった場合には、顧客に重大な損失を与えるばかりでなく、当社グループの社会的信用の失墜につながる可能性があります。
⑧ 海外における事業展開
当社グループは、海外における事業展開を中期的な成長戦略のひとつとしております。しかしながら、海外の事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商慣習の違いや為替レートの変動等をはじめとした様々なリスクが存在し、事前に想定できなかった問題の発生により投資回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
国内フランチャイズ契約
① 「ドトールコーヒーショップ」チェーン加盟契約
(a)契約の本旨
㈱ドトールコーヒーと「ドトールコーヒーショップ」チェーンに加盟し事業を行なおうとする事業者
(加盟者)との間の相互の利益に基づく共存共栄と永続的な提携関係を保持することを目的とする。
(b)契約内容
(イ)加盟店は本部より許可された商標、サービスマーク等を使用することができる。
(ロ)加盟店は本部が提供するノウハウ、システム等を利用することができる。
(ハ)加盟店は営業を開始するに当たり、本部よりインストラクターの派遣を受けられるものとする。
(ニ)加盟に際し、㈱ドトールコーヒーが徴収する加盟契約料、ロイヤリティ等に関する事項
加盟金:チェーン加盟金 150万円(新規加盟時のみ) 出店準備金 150万円(店舗出店時)
保証金:チェーン保証金 150万円(新規加盟時のみ) 出店保証金 150万円(店舗出店時)
ロイヤリティ 売上高の2%
設計管理料 店舗設計等1件につき基本料110万円+(契約坪数-10坪)×4万円
研修費 20万円(1名分)
(c)契約期間
契約日以降最初に到来する3月1日から5年間。期間満了後は協議の上更新できる。
② 「エクセルシオール・カフェ」チェーン加盟契約
契約の本旨、契約内容については、ロイヤリティが売上高の3%であるほかは、上記①「ドトールコーヒ
ーショップ」チェーン加盟契約と基本的に同一内容であります。
特記事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年2月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りおよび予測を行っています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」に記載のとおりであります。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、営業施策に伴う流動資産の増加や、新規出店及び店舗改装における固定資産(土地含む)の増加等により1,205億29百万円と前連結会計年度末と比べ40億25百万円の増加となりました。負債は、未払法人税等の増加等により246億95百万円と前連結会計年度末と比べ6億23百万円の増加となりました。純資産は、剰余金の増加等により958億34百万円となり前連結会計年度末と比べ34億1百万円の増加となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが103億62百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが47億13百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが18億97百万円の支出となりました。
当連結会計年度の詳細につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要]](2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
|
|
平成26年2月期 |
平成27年2月期 |
平成28年2月期 |
|
自己資本比率(%) |
80.2 |
79.3 |
79.4 |
|
時価ベースの自己資本比率 (%) |
71.0 |
74.1 |
70.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
490.0 |
667.5 |
695.3 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
5.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
6.いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
7.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
8.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としており
ます。
9.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5)経営陣の問題意識と今後の方針
当社は、日本レストランシステム㈱と㈱ドトールコーヒーの両社の共同株式移転により設立された共同持株会社であります。
当社グループの経営陣は、近年の外食産業を取り巻く環境は一段と厳しくなっており、企業間の格差も鮮明になることが予想されると認識しております。
このような状況下、統合により、両社の持つ経営資源とノウハウの有効活用により、㈱ドトールコーヒーの強みである「飲」と、日本レストランシステム㈱の強みである「食」を更に強化・発展させていくとともに、㈱ドトールコーヒーの店舗展開力及び日本レストランシステム㈱の業態開発力の融合による新たな価値創造を最大限発揮できる体制を確立することで、グループ価値の最大化を推進していきます。
また、多様化したお客様の心の奥底にある期待感に応えることのできる「外食業界における日本一のエクセレント・リーディングカンパニー」の地位確立を目指してまいります。