(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)における日本経済の状況は、大手企業等によるベースアップや雇用情勢の改善から経済活動や個人消費には明るい兆しが見られたものの、原油価格や為替相場の動向、世界的な株価状況、消費マインドの変化や地域間格差など、先行き不透明感は依然として拭えず、消費の先行きは予断を許さない状況で推移しました。
ドラッグストア業界におきましては、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、我々を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、中期的な経営戦略として掲げる、「需要創造に向けた新業態モデルの構築」「オムニチャネルを起点としたCRMのさらなる進化」「安定した収益基盤の確立・維持」に努めることにより、競争優位性を確立し、「美と健康を通じて、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業グループ」を目指しております。
上記の経営戦略を踏まえ、今期は5つの重点戦略(①新たなビジネスモデルの構築、②調剤事業の強化・拡大、③オムニチャネル化の推進、④垂直連携体制の構築、⑤7つのエリアにおける収益性の向上)を設定し取り組んでまいりました。
具体的には、次世代ヘルスケア型店舗「matsukiyo LAB」は4号店まで拡大し、その1号店である新松戸駅前店は2月1日より「健康サポート薬局」として認定され、各店とも地域のかかりつけ薬局として順調に成長しております。団体旅行から個人旅行へと新たな段階を迎えたインバウンド需要に対しては、パスポートデータを活用した免税対応店舗の拡大や品揃えの最適化、新たな施策の展開、薬局経営/調剤業務の効率化、かかりつけ薬局をサポートする「調剤サポートプログラム」のリリース、主要店舗におけるApple Pay(アップルペイ)での支払いサービスの開始、マツモトキヨシ公式アプリを利用した「アクティブリワード(健康サポートプログラム)」や「バーコードスキャンによる商品情報確認」などのサービス拡充、お取り置き・お取り寄せサービスの店舗数拡大、電子お薬手帳サービスの導入、「MKカスタマー」をさらに魅力あるものに進化させたPB商品ライン「matsukiyo」の展開強化、サプリメントPBの「matsukiyo LAB」にチュアブルサプリメント「食べるサプリ」6アイテム、高品質・高付加価値PB「ARGELAN」にスキンケアシリーズ8商品とともに「レチノタイム」にプレ美容液「ディープケアエッセンスEX」を追加ラインナップ、美白ケア商品「BLANC WHITE」の発売、人気商品「ARGELAN」シャンプーのリニューアルなどに取り組んでまいりました。また、メーカー様との共同企画品及び専売品の展開としては、武田薬品工業株式会社との共同企画商品「ファーストマイティア®CL-G」、ロート製薬株式会社との共同企画品「メラノCC集中対策マスク(大容量30枚)」、株式会社資生堂との共同企画「インテグレートフラットスキンメーカー」、ユニリーバ・ジャパン株式会社との共同企画「ラックスルミニークボタニカルリペア」を発売するなど、新たな取り組みを着実に推進することで専門性の強化、他社との差別化に注力しております。
なお、引き続き、マツモトキヨシ成功事例の水平展開、KPI(グループの重要業績評価指標)管理による経営の効率化を図ることで各地域事業会社の業績改善も推進いたしました。
一方、当社グループの強みとなっておりますグループ会員数(ポイントカード会員/LINEの友だち/公式アプリのダウンロード数)は、延べ4,800万人超(この1年間に約800万人増)まで拡大しており、多彩なフォーマット展開で得られるビッグデータを当社独自の科学的手法を用いた高い分析力で、多様化する顧客ニーズやライフスタイルの変化、狭小商圏化する市場に対し的確に対応してまいりました。
訪日外国人観光客向けの免税対応店舗は、「心斎橋中央店」「道頓堀法善寺店」「京都三条河原町店」「高山陣屋前店」「名古屋テレビ塔前店」「上野公園前店」「札幌狸小路Part2店」のオープンなどを含め380店舗に展開を拡大しました。当社グループとしましては、団体から個人旅行へシフトし各地に広がりを見せる訪日外国人観光客の買い物ニーズは、今後も拡大するマーケットとして捉え、訪日前・訪日中・帰国後を意識した販促施策、最新情報の発信などを実施するとともに、パスポートデータ分析に基づくきめ細やかな品揃えやサービス展開をさらに強化しております。また、海外事業としましては、中華人民共和国において順調に拡大を続ける越境EC、タイ王国では、セントラル&マツモトキヨシリミテッドによる「マツモトキヨシブランド」の店舗展開など、それぞれの国情を分析し最適な手法を活用することで、インバウンドだけでなく国内外において外国人需要の獲得を図ってまいりました。
このような施策の実行とともに、垂直連携体制構築に向けた弊社の取り組みが評価され、経済産業省の支援のもと設立された「製・配・販連携協議会」の総会/フォーラム(7月15日開催)において、平成28年が初めての表彰となる「サプライチェーン イノベーション大賞2016優秀賞」を受賞いたしました。
<関連情報>
マツモトキヨシホールディングスホームページ ニュースリリース
http://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/CGI/news/view.cgi
今後も中期的な戦略テーマのひとつとして掲げる「オムニチャネルを起点としたCRM」のさらなる進化のもと、その重点戦略である「サプライチェーン全体の最適化」に取り組んでまいります。
さらに、これらの各種戦略の実行により、世界的なブランドコンサルティング会社であるインターブランド社による日本発のブランドを対象としたブランド価値評価ランキング「Japan’s Best Domestic Brands 2017」において、昨年同様38位にランクインされました。なお、同時に発表されましたこの1年間のブランド価値伸長率では第1位を獲得し引き続き日本のドラッグストアとしてナンバーワンブランドの評価をいただきました。
<関連情報>
マツモトキヨシホールディングスホームページ ニュースリリース
http://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/CGI/news/view.cgi
新規出店に関しましては、都市型、郊外型とともに、外国人観光客特化型店舗、アウトレットモール業態店舗など多彩なフォーマットを持つ強みを活かし、グループとして97店舗オープンし、既存店舗の活性化を目的に50店舗の改装を実施、今後の成長に向け将来業績に貢献の見込めない87店舗を戦略的に閉鎖しました。
その結果、当連結会計年度末におけるグループ店舗数は1,555店舗となりました。なお、タイ王国においてセントラル&マツモトキヨシリミテッドが運営する10店舗はグループ店舗数に含んでおりません。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高5,351億33百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益284億31百万円(同3.7%増)、経常利益308億28百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益201億19百万円(同12.7%増)となり、各利益においては過去最高となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<小売事業>
小売事業は、昨年とは対照的に天候に恵まれず、期初は気温も低かったことから春・夏物のシーズン商品は低調な推移となり、8月以降は稀にみる大型台風上陸等の影響を受けました。また、11月は低温推移となったものの、10月及び12月は昨年よりも暖かな日も多く多湿だったため保湿関連商品が低迷しました。年明け2月及び3月は低温推移となり、使い捨てカイロなどの保温具用品は好調だったものの、花粉症関連商品などは低迷し、シーズン商品は好不調が分かれ、2月はうるう年の関係で前期より営業日数が1日少ないなど、既存店伸長率は年間を通して計画を下回る厳しい状況で推移しました。しかし、PB商品の拡販、効率的かつ効果的な販促策の実行、KPI管理による経営効率の改善により収益は堅調に推移しました。なお、訪日外国人観光客の購買動向に変化はあるものの、その変化にきめ細かく対応した各種のマーケティング戦略により、引き続きインバウンド需要は順調に獲得を続けております。
展開を強化しております調剤事業に関しましても、引き続き既存店への併設を含め高い収益性の見込める物件を優先的に開局するとともに、地域医療連携を深めることで処方箋応需枚数が増加したことなどから引き続き順調に拡大しております。なお、平成28年4月の調剤報酬改定において、処方箋受付回数が一定規模以上の薬局グループに対して報酬を引き下げる特例が設けられましたが、当社グループは患者様本位の医薬分業の実現に向けた「かかりつけ薬局化」を進めており、当該要因による影響は僅少となっております。
<卸売事業>
卸売事業は、小売事業同様に、天候に恵まれず、気温も低かったことから春・夏物のシーズン商品は低調な推移となりましたが、インバウンド需要及び新規出店により、フランチャイズ向けの卸売売上高は拡大しました。
このような営業活動に基づき、小売事業の売上高は5,161億47百万円(前年同期比0.2%減)、卸売事業166億20百万円(同0.7%増)、管理サポート事業23億65百万円(同3.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は384億77百万円となり、前連結会計年度末と比較して64億45百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは237億22百万円の収入(前年同期比73億53百万円の収入減)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益288億15百万円、減価償却費67億71百万円、敷金及び保証金の家賃相殺額14億10百万円、のれん償却額11億74百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額107億84百万円、仕入債務の減少額28億8百万円、たな卸資産の増加額24億5百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは74億53百万円の支出(前年同期比34億65百万円の支出増)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入10億58百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出36億88百万円、敷金及び保証金の差入による支出25億86百万円、無形固定資産の取得による支出16億58百万円、それぞれ支出したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは98億24百万円の支出(前年同期比37億36百万円の支出増)となりました。主な要因は、配当金の支払額47億17百万円、自己株式の取得による支出33億91百万円、リース債務の返済による支出17億17百万円があったことによるものです。
(1) 事業部門別売上状況
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
小売事業 |
516,147 |
99.8 |
|
卸売事業 |
16,620 |
100.7 |
|
管理サポート事業 |
2,365 |
96.5 |
|
合計 |
535,133 |
99.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
(2)地区別売上状況
当連結会計年度の売上実績を地区ごとに示すと、次のとおりであります。
|
地区別 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 |
|||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
備考 |
||
|
小売事業 |
|
|
|
|
|
北海道・東北エリア |
(88店舗) |
24,230 |
99.5 |
6店減 |
|
関東エリア |
(850店舗) |
322,585 |
99.2 |
5店増 |
|
甲信越エリア |
(109店舗) |
30,804 |
100.8 |
3店増 |
|
東海・北陸エリア |
(142店舗) |
35,622 |
98.3 |
- |
|
関西エリア |
(118店舗) |
55,682 |
108.0 |
15店増 |
|
中国・四国エリア |
(53店舗) |
13,981 |
94.2 |
1店減 |
|
九州・沖縄エリア |
(144店舗) |
32,471 |
96.7 |
5店減 |
|
小計 |
(1,504店舗) |
515,379 |
99.8 |
11店増 |
|
卸売事業 |
|
16,097 |
100.0 |
|
|
合計 |
(1,504店舗) |
531,476 |
99.8 |
11店増 |
(注)1.地区別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受 取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。
2.卸売事業は、フランチャイジーへの商品供給を含めて表示しております。なお、当連結会計年度末におけるフランチャイズ店の店舗数は51店舗であります。
3.店舗数は平成29年3月31日現在であります。
4.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
(3)商品別売上状況
当連結会計年度の売上実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。
|
商品別 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
小売事業 |
|
|
|
医薬品 |
165,699 |
99.0 |
|
化粧品 |
199,118 |
101.9 |
|
雑貨 |
97,400 |
97.9 |
|
食品 |
53,160 |
98.3 |
|
小計 |
515,379 |
99.8 |
|
卸売事業 |
16,097 |
100.0 |
|
合計 |
531,476 |
99.8 |
(注)1.商品別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受 取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。
2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
(4)主要顧客別売上状況
該当事項はありません。
(5)商品別仕入状況
当連結会計年度の仕入実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。
|
商品別 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
小売事業 |
|
|
|
医薬品 |
101,512 |
97.4 |
|
化粧品 |
142,903 |
100.4 |
|
雑貨 |
74,594 |
98.7 |
|
食品 |
46,242 |
98.4 |
|
小計 |
365,253 |
98.9 |
|
卸売事業 |
15,753 |
97.5 |
|
合計 |
381,006 |
98.9 |
(注)1.商品別仕入状況は管理サポート事業を除いております。
2.仕入に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「1st for you.あなたにとっての、いちばんへ。」をグループ経営理念としております。また、この理念に基づき、以下を経営の基本方針としております。
・当社は、当社グループに関わるすべての人が、いつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう奉仕してまいります。
・当社は、これからの高齢化社会を支えるため、セルフメディケーションを推進し、お客様とその大切な人の健康を守る「かかりつけ薬局」として貢献していきたいと考えております。
・当社は、美と健康の分野で、常に新しい価値の創造とまごころを込めたサービスを提供することにより、“美と健康の分野になくてはならない企業グループ”を目指してまいります。
・当社は、美と健康を通じて、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業グループを目指し、そのための努力を惜しまず、常に挑戦し、成長し続けてまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営ビジョンとして「美と健康の事業分野において『売上高1兆円企業』を目指す。」を掲げ、その実現を目指しております。
このビジョンを実現するための経営目標として「平成33年3月期 グループ売上高 8,000億円、ROE 10%以上」を設定しております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、「美と健康の事業分野において『売上高1兆円企業』を目指す。」を経営ビジョンとして掲げ、美と健康の分野においてなくてはならない企業グループを目指しております。その実現に向けた主な取組みは以下のとおりとなります。
① 需要創造に向けた新業態モデルの構築
当社グループは、競争がますます激しくなる環境の中で、社会構造やお客様のライフスタイルの変化、最新のトレンドなどをいち早く察知し、既存の枠組み(業界・過去・常識)にとらわれず、新しい市場を切り開いていくことが必要となります。今後は、いかに『差別化した商品やサービスを提供できるか』が重要となるため、当社グループでは、以下の課題に取組んでまいります。
イ.新たなビジネスモデルの構築
当社グループは、創業の原点である薬・化粧品・調剤の3つを柱に「高い専門性」「情報発信基地としての役割」「買物の楽しさ」を追求した新しいビジネスモデルの構築に取組んでまいります。また、美と健康の分野に特化したアイテムとサービスを展開する進化した次世代ヘルスケア店舗『matsukiyo LAB(マツキヨラボ)』を積極展開するなど、業界をリードする事業展開に努めてまいります。
ロ.調剤事業の強化、拡大
当社グループは、調剤事業を強化・拡大すると共に、薬局経営/調剤業務の効率化・かかりつけ薬局をサポートするパッケージ『マツモトキヨシ調剤サポートプログラム』の展開に取組んでまいります。また、地域住民の健康維持・増進を支援する『健康サポート薬局』を推進し、患者様がいつでも気軽に相談できる最も身近な「かかりつけ薬剤師・薬局」として、地域包括ケアシステムへ貢献できるよう努めてまいります。
② オムニチャネルを起点としたCRMのさらなる進化
当社グループは、4,800万人を超える会員データと高い分析力を活かし、お客様の生活スタイルの変化や嗜好・ニーズを的確にとらえ“お客様にとって価値のある商品とサービス”を提供していくことが必要となります。今後は、いかに『一人ひとりのお客様と深く繋がれるか』が重要となるため、当社グループでは、以下の課題に取組んでまいります。
イ.オムニチャネル化の推進
当社グループは、急速に進化するITを活用することでお客様との距離を縮め、オムニチャネルを軸としたタイムリーかつ効果的なプロモーション活動に取組んでまいります。また、4,800万人を超える会員データを分析することにより、お客様の趣味や嗜好・興味を理解し、お客様一人ひとりに合った商品やサービスを適切なタイミングで提供できるよう努めてまいります。
ロ.垂直連携体制の構築
当社グループは、自社単独の努力だけでなく、製-配-販を繋ぐサプライチェーン全体のムリ・ムダ・ムラを排除する最適化活動へ積極的に取組んでまいります。また、オムニチャネル基盤を活用した、当社にしかない商品(PB商品・専売品)の開発やメーカー様向けブランドマーケティング支援など、差別化につながる仕組みづくりに努めてまいります。
③ 各地域における圧倒的No.1の地位確立
当社グループは、生き残りを懸けた熾烈な戦いに勝ち残るため、将来を見据えた積極的な投資と異業種との連携・コラボレーションにより、地域内における圧倒的な存在感と市場シェアの確保が必要となります。今後は、いかに『スピード感ある事業展開(拡大)ができるか』が重要となるため、当社グループでは、以下の課題に取組んでまいります。
イ.7つのエリアにおける市場シェアの拡大
当社グループは、マーケット構造が大きく異なる三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)とその他のエリアを区分し、それぞれのエリアに適したドミナント戦略及び地場優良企業とのアライアンス・フランチャイズ・M&Aの積極推進により、市場シェアの獲得に取組んでまいります。また、従業員の“働きがい”を高める仕組みづくりを推進し、当社グループの成長戦略を支える人材の確保・育成・定着に努めてまいります。
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本方針の内容
当社は、会社の支配に関する基本方針として、当社の経営権の主導に影響する買収として、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」もありますが、これが企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、このような買収行為を一概に否定するものではありません。
また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案に対する判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、このような買収の中には、明らかに、企業価値・株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、企業価値・株主共同の利益に反する結果を与える可能性も否定できません。
当社は、大規模買付者に対し、大規模買付行為の目的、方法、買付後の経営計画、当社グループの従業員及び現在のお取引先様等に対する考え方についての情報提供を求め、それに対する当社取締役会の意見を公表し、それらの情報をもとに株主の皆様が適切に検討できるだけの十分な内容と時間を確保すること、また、大規模買付者との交渉の機会を確保すること、株主の皆様へ代替案を提示すること等により、当社グループの企業価値・株主共同の利益を確保することが当社取締役会に課せられた重要な責務のひとつと認識しております。
以上の理由から、当社グループの更なる企業価値・株主共同の利益の向上を図り、その取組みに全経営資源を集中させるためには、大規模買付行為や買付提案に関する一定のルールを定めておくことが必要と考えております。
② 不適切な支配の防止のための取組み
当社は、当社の株式に対して大規模買付行為が行われた場合、その大規模買付行為が当社グループの企業価値及び株主共同の利益を毀損させるものでないかについて、株主の皆様が必要かつ十分な情報と相当な検討期間に基づき判断することができるようにするため、大規模買付行為への対応策(買収防衛策)を導入しております。直近では、平成27年5月22日開催の取締役会において、当社株式等の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)を継続すること(以下「本プラン」といいます。)を決議し、平成27年6月26日開催の第8回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。
本プランの詳細につきましては、平成27年5月22日付当社プレスリリースにて公表しておりますので、次の当社ウェブサイトにてご参照ください。
(http://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/CGI/news/view.cgi)
③ 不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
当社では、本プランの設計に際して、以下の点を考慮しており、当社の基本方針に沿い、企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
イ.株主意思の反映
本プランは、本株主総会における株主の皆様からのご承認を条件として更新されます。
また、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることから、株主の皆様のご意向が反映されるプランとなっております。
ロ.買収防衛策に関する指針等の要件の充足
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)をすべて充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論等を踏まえた内容となっております。さらに、東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものとなっております。
ハ.独立性の高い社外者の判断の重視
当社は、本プランの導入にあたり、本プランの対抗措置発動等の運用に際して、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、当社との間に特別の利害関係を有していない社外取締役・社外監査役・弁護士・公認会計士・税理士・学識経験者・投資銀行業務に精通する者・実績のある経営者等から構成されるものとしております。
ニ.デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が当社の株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能です。したがって、本プランはいわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではありません。また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもありません。
有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制について
① 出店に関する規制等について
当社グループは、1,000㎡超の店舗の新規出店及び既存店の増床について、「大規模小売店舗立地法」による規制を受け、都道府県知事(政令指定都市においては市長)への届出が義務付けられています。また、「大規模小売店舗立地法」の規制に準じて、地方自治体との調整が必要になる場合があります。このため、新規出店及び既存店舗の増床等において、出店地域によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。
② 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」)による規制について
「医薬品医療機器等法」上、医薬品、医療機器等を販売するためには、薬局開設許可、店舗販売業許可、高度管理医療機器等販売業許可など、各都道府県知事の許可等が必要とされています。
また、医薬品の販売方法(要指導医薬品及び第1類医薬品については薬剤師のみが、第2類医薬品及び第3類医薬品については薬剤師または登録販売者が販売しなければならない)・陳列方法(医薬品の分類ごとに陳列しなければならないこととされ、かつ、要指導医薬品、第1類医薬品及び指定第2類医薬品については、陳列場所が指定)や、医薬品販売時の情報提供及び販売記録の作成・保存等についても「医薬品医療機器等法」上、規制がなされています。
なお、従前は、インターネット等による通信販売においては第3類医薬品のみが販売可能でしたが、現在は、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品を販売することが可能となっております。
このように、医薬品等の販売については「医薬品医療機器等法」により広く規制がなされていることから、「医薬品医療機器等法」が改正された場合には、店舗の営業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)薬剤師等の確保について
「医薬品医療機器等法」上、薬剤師が薬局を、薬剤師又は登録販売者が店舗販売業の店舗を実地に管理しなければならないとされており、また、(1)に記載のとおり医薬品の販売は薬剤師または登録販売者が行わなければならないこととされています。更に、「薬剤師法」では、調剤業務は薬剤師が行わなければならないとされています。このため、店舗拡大に際しては薬剤師及び登録販売者を確保することが重要となり、確保の状況によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。
(3)医薬品の販売について
当社グループの店舗のうち、調剤専門薬局及び調剤併設店舗においては、調剤監査システム等の導入により、万全の管理体制の下、調剤過誤の発生の防止に細心の注意を払っております。また、要指導医薬品及び一般用医薬品についても、販売時における適正な情報収集と情報提供を行い、過誤の発生防止に努めております。
しかしながら、調剤薬の欠陥、調剤過誤等により、将来、訴訟を提起されるようなことがあった場合には、経済的損失を被るだけではなく、当社グループの社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)調剤報酬の改正について
診療報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)は法令により定められています、現在、国民医療費の抑制策として、診療報酬及び薬価の改定が実施されておりますが、診療報酬等の改定の内容によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)店舗展開について
出店交渉の進捗状況、賃貸人側の事情、「大規模小売店舗立地法」の許可の関係等、何らかの事情により着工が遅れた場合、出店計画が変更になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
店舗賃貸借契約においては、敷金・保証金、建設協力金等の預託・貸付を行うことがあり、賃貸人が倒産等の状況に至った場合、敷金・保証金、建設協力金を回収することができなくなる可能性があります。
(6)個人情報保護について
当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」)に定められている個人情報取扱事業者として個人情報に係る義務の遵守が求められます。当社グループにおいては、膨大な会員情報や調剤に関する情報などの個人情報を保有しているので、内部管理体制の強化を図り、個人情報の管理については細心の注意を払っておりますが、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合には、個人への賠償問題や社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、本年5月に施行された「個人情報保護法」の改正法では、マイナンバー等の個人識別符号が個人情報に含まれることが明確となりました。従前よりその他の個人情報と同等以上の安全管理措置を講じておりますが、予期せぬ事態により個人識別符号が流出した場合には、その他の個人情報の場合と同様に業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材について
代表取締役を始めとする取締役及び従業員は、当社グループ経営に重要な役割を果たしております。これらのうち、取締役が業務執行をできない事態が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員については、事業拡大に応じた人材確保、教育、育成を行っておりますが、他社からの引き抜きなどにより人材確保が十分にできなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)減損会計の適用について
固定資産の減損に係る会計基準の適用により、今後においても、店舗の収益性の変化によっては固定資産の減損処理が必要になる場合があります。その場合、特別損失が計上され業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自然災害等について
当社グループの事業展開地域において、地震・台風等の自然災害が発生し、当社グループの店舗及びその他の施設に物理的な損害が生じた場合、並びに取引先や仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす何らかの事故等が発生した場合も同様に、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,857億33百万円となり、前連結会計年度末に比べて87億42百万円の増加となりました。主な要因は、のれんが11億72百万円減少したものの、現金及び預金が64億45百万円、商品が23億83百万円、未収入金が12億62百万円、それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,016億73百万円となり、前連結会計年度末に比べて36億76百万円減少いたしました。主な要因は、買掛金が28億8百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,840億60百万円となり、前連結会計年度末に比べて124億19百万円増加いたしました。主な要因は、自己株式33億88百万円の増加及び配当金47億97百万円による純資産の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益201億19百万円を計上したことによるものです。
(2)経営成績の分析
小売事業の売上高は5,161億47百万円(前年同期比0.2%減)、卸売事業166億20百万円(同0.7%増)、管理サポート事業23億65百万円(同3.5%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、新規出店に伴う費用増加などから1,298億54百万円(同1.2%増)となりました。
営業外収益は、発注処理手数料の増加等により24億48百万円(同0.2%増)、営業外費用は、支払利息の減少等により51百万円(同9.1%減)となりました。
特別利益は、企業結合における交換利益の減少等により77百万円(同90.5%減)、特別損失は、減損損失の減少等により20億90百万円(同42.0%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高5,351億33百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益284億31百万円(同3.7%増)、経常利益308億28百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益201億19百万円(同12.7%増)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は384億77百万円となり、前連結会計年度末と比較して64億45百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは237億22百万円の収入(前年同期比73億53百万円の収入減)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益288億15百万円、減価償却費67億71百万円、敷金及び保証金の家賃相殺額14億10百万円、のれん償却額11億74百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額107億84百万円、仕入債務の減少額28億8百万円、たな卸資産の増加額24億5百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは74億53百万円の支出(前年同期比34億65百万円の支出増)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入10億58百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出36億88百万円、敷金及び保証金の差入による支出25億86百万円、無形固定資産の取得による支出16億58百万円、それぞれ支出したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは98億24百万円の支出(前年同期比37億36百万円の支出増)となりました。主な要因は、配当金の支払額47億17百万円、自己株式の取得による支出33億91百万円、リース債務の返済による支出17億17百万円があったことによるものです。