第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「1st for you.あなたにとっての、いちばんへ。」をグループ経営理念としております。また、この理念に基づき、以下を経営の基本方針としております。

・当社は、当社グループに関わるすべての人が、いつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう奉仕してまいります。

・当社は、これからの高齢化社会を支えるため、セルフメディケーションを推進し、お客様とその大切な人の健康を守る「かかりつけ薬局」として貢献していきたいと考えております。

・当社は、美と健康の分野で、常に新しい価値の創造とまごころを込めたサービスを提供することにより、“美と健康の分野になくてはならない企業グループ”を目指してまいります。

・当社は、美と健康を通じて、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業グループを目指し、そのための努力を惜しまず、常に挑戦し、成長し続けてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、経営ビジョンとして「美と健康の事業分野において『売上高1兆円企業』を目指す。」を掲げ、その実現を目指しております。このビジョンを実現するための経営目標として「平成33年3月期 グループ売上高 8,000億円、ROE 10%以上」を設定しております。

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、“美と健康の分野においてなくてはならない企業グループ”の実現を目指して、3つの戦略テーマ「需要創造に向けた新業態モデルの構築(新規顧客の創造)」、「オムニチャネルを起点としたCRMのさらなる進化(顧客満足度の追求)」、「市場シェアの向上と強固な収益基盤の確立(グループ経営の強化)」を設定し、取組んでまいります。

当社グループの対処すべき課題は、次のとおりであります。

 

① 新業態の開発、多店舗展開

創業の原点である薬・化粧品・調剤の3つを柱に「高い専門性」「情報発信基地としての役割」「買物の楽しさ」を追求した新しいビジネスモデルの構築に取組んでまいります。

 

② 調剤事業の強化、拡大

調剤事業を強化・拡大すると共に地域住民の健康維持・増進を支援する『健康サポート薬局』を積極的に推進し、最も身近な「かかりつけ薬局」を目指して取組んでまいります。

 

③ グローバル対応の加速

パスポートデータ分析に基づく国内インバウンド対応及びASEANを中心とした海外店舗展開と合わせて、グローバル会員獲得に向けた仕組みづくりに取組んでまいります。

 

④ 顧客接点におけるサービスの高度化

急速に進化するITを活用することでお客様との距離を縮め、お客様の価値観を理解することでお客様一人ひとりに合った商品やサービスを提供できるよう取組んでまいります。

 

⑤ サプライチェーン全体の最適化

サプライチェーン全体のムリ・ムダ・ムラを排除し最適化することで、流通コストの削減や当社オリジナル商品の開発など、差別化につながる仕組みづくりに取組んでまいります。

 

⑥ 7つのエリアにおける市場シェアの拡大

三大都市圏とその他のエリアを区分し、それぞれのエリアに適したドミナント戦略と地場優良企業とのアライアンス・フランチャイズ・M&Aなどへ積極的に取組んでまいります。

 

⑦ さらなる収益性の向上と事業成長の両立

成長戦略として高い収益力と成長力の両立を目指すと共に従業員の“働きがい”を高める仕組みづくりを推進し、成長戦略を支える人材の確保・育成・定着へ取組んでまいります。

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 
① 基本方針の内容

当社は、会社の支配に関する基本方針として、当社の経営権の主導に影響する買収として、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」もありますが、これが企業価値及び株主共同の利益に資するものであれば、このような買収行為を一概に否定するものではありません。

また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案に対する判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかしながら、このような買収の中には、明らかに、企業価値及び株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、企業価値及び株主共同の利益に反する結果を与える可能性も否定できません。

このような状況のもと、当社は、買収者に対し、株主の皆様のご判断に必要な事項についての情報提供を求め、それに対する当社取締役会の意見を公表し、それらの情報をもとに株主の皆様が適切に検討できるだけの十分な内容と時間を確保すること、また、買収者との交渉の機会を確保すること、株主の皆様へ代替案を提示すること等により、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保することが当社取締役会に課せられた重要な責務のひとつと認識しております。

以上の理由から、当社の更なる企業価値及び株主共同の利益の向上を図り、その取組みに全経営資源を集中させるためには、大規模買付行為やそれを前提とする買付提案を行う場合に関する一定のルールを定めておく必要があると考えております。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別
 な取組み
 イ.企業価値及び株主共同の利益向上に向けた取組み

当社グループは、昭和7年、松本清が千葉県松戸市に『松本薬舗』を創業して以来、当時薬局が主流だった時代に新たな「ドラッグストア業態」を浸透させ、長年に渡りドラッグストア業界を牽引してまいりました。現在も、当社グループは創業当時から受け継がれてきた『チャレンジ精神』を強みとして生かし、着実に事業成長を続けております。

 

当社グループの企業価値の源泉は、
 (ⅰ) 都心を中心とした好立地への多店舗展開と高い知名度・ブランド力
 (ⅱ) 保有する顧客データと多様な顧客接点を融合させたCRM情報基盤
 (ⅲ) 出店・販促・商品開発等に活用される高度なデータ解析ノウハウ
 (ⅳ) 優秀な人材の確保・育成・定着を促し企業の成長を支える人材マネジメント
 (ⅴ) 将来の成長投資と株主還元を実現する健全な財務体質
 にあると考えております。したがいまして、当社の企業価値及び株主共同の利益を最大化していくためには、このような当社グループの企業価値を支える源泉を中長期的な観点から育て、強化していくことが重要となります。

 

当社グループは、日本がこれから迎える超高齢化社会における当社グループへの期待、役割及び重要性を十分理解し“美と健康の分野になくてはならない企業グループ”を目指しております。その実現に向けて「美と健康の分野(ヘルス&ビューティ事業)への特化」、「ビッグデータの収集と利活用」、「マーケティング力のさらなる強化」を基軸として、企業価値及び株主共同の利益を向上させるべく、より一層邁進してまいります。

 

 ロ.コーポレートガバナンスの強化に向けた取り組み

当社グループは、グループ経営理念に基づき、お客様だけでなく、株主様、従業員、お取引先様、地域社会などの、すべてのステークホルダーの皆様と長期的な信頼関係を構築し、“美と健康の分野になくてはならない企業”として社会に必要とされる企業グループであり続けるために、その基盤となるコーポレートガバナンスを充実させることを目的とします。

 当社は監査役会設置会社として、株主総会、取締役会及び監査役会を設置しております。

当社は、取締役9名のうち3名を社外取締役、監査役3名のうち2名を社外監査役としており、社外取締役3名、社外監査役2名全員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届出しております。

当社は、高い独立性が確保された独立役員が連携を図り、外部からの視点を取締役会や監査役会へ取り入れることにより、監督機能、監査機能や多様性を高めております。

当社は、この他、取締役の任期を1年として、取締役の使命と責任をより明確にしており、また、執行役員制度を導入し、企業経営における業務の執行と監督を分けて、取締役と執行役員の機能及び責任を明確にしております。

その他コーポレートガバナンス体制としては、職務執行の効率化を図るため、取締役、執行役員、常勤監査役で構成される経営会議を取締役会の下位会議体として設置し、グループ会社の管理・指導・助言を確実、かつ効果的に実施するために、グループ社長会を設置しております。

また、内部監査部門として内部統制統括室を設置し、監査役と充実した連携を図り、各部門及びグループ会社の業務に関する内部監査や内部統制体制を監視し、事業活動の適切性・効率性を確保し、有効な監査体制を構築しております。

なお、コンプライアンスとリスク管理においては、表裏一体の活動が必要と考え、当社及び当社グループのコンプライアンスとリスク管理の推進を図るため、コンプライアンス・リスク委員会を設置しております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
 の取組み

当社は、当社の株式に対して大規模買付行為が行われた場合、その大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損させるものでないかについて、株主の皆様が必要かつ十分な情報と相当な検討期間に基づき判断することができるようにするため、大規模買付行為への対応策(買収防衛策)を導入しております。

直近では、平成30年5月21日開催の取締役会において、当社株式等の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の一部を変更して継続すること(以下「本プラン」といいます。)を決議し、平成30年6月28日開催の第11回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。

なお、本プランの詳細につきましては、平成30年5月21日付当社プレスリリースにて公表しておりますので、次の当社ウェブサイトにてご参照ください。

(http://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/CGI/news/view.cgi)

 

④ 具体的取組みに対する当社取締役の判断及びその理由

当社では、本プランの設計に際して、以下の点を考慮しており、当社の基本方針に沿い、企業価値及び株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。

 イ.株主意思の反映

本プランにより対抗措置の発動をする場合は、原則として、株主総会の決議に基づき行われます。また、本プランは、本株主総会における株主の皆様からのご承認を条件として更新されます。本プランの有効期間の満了前であっても、取締役会又は株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。

そのため、本プランの継続及び対抗措置の発動について、株主の皆様のご意向が反映されるプランとなっております。

 

 ロ.買収防衛策に関する指針等の要件の充足

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)をすべて充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。

さらに、東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものとなっております。

 

 ハ.独立性の高い社外者の判断に従うことにより当社取締役会の裁量を排除

当社は、本プランの導入にあたり、本プランの対抗措置発動等の運用に際して、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、当社との間に特別の利害関係を有していない社外取締役・社外監査役・弁護士・公認会計士・税理士・学識経験者・投資銀行業務に精通する者・実績のある経営者等から構成されるものとしております。

当社は、本プランの対抗措置の発動及び発動の中止については、独立委員会の勧告に従い、対応することといたします。これにより、当社取締役会の裁量を排除し、本プランの公正性を担保しております。

 

 ニ.デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が当社の株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能です。

したがって、本プランはいわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではありません。また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制について

① 出店に関する規制等について

当社グループは、1,000㎡超の店舗の新規出店及び既存店の増床について、「大規模小売店舗立地法」による規制を受け、都道府県知事(政令指定都市においては市長)への届出が義務付けられています。また、「大規模小売店舗立地法」の規制に準じて、地方自治体との調整が必要になる場合があります。このため、新規出店及び既存店舗の増床等において、出店地域によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

② 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」)による規制について

「医薬品医療機器等法」上、医薬品、医療機器等を販売するためには、薬局開設許可、店舗販売業許可、高度管理医療機器等販売業許可など、各都道府県知事の許可等が必要とされています。

また、医薬品の販売方法(要指導医薬品及び第1類医薬品については薬剤師のみが、第2類医薬品及び第3類医薬品については薬剤師または登録販売者が販売しなければならない)・陳列方法(医薬品の分類ごとに陳列しなければならないこととされ、かつ、要指導医薬品、第1類医薬品及び指定第2類医薬品については、陳列場所が指定)や、医薬品販売時の情報提供及び販売記録の作成・保存等についても「医薬品医療機器等法」上、規制がなされています。

医薬品等の販売や陳列等については「医薬品医療機器等法」により広く規制がなされていることから、「医薬品医療機器等法」が改正された場合には、店舗の営業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)薬剤師等の確保について

「医薬品医療機器等法」上、薬剤師が薬局を、薬剤師又は登録販売者が店舗販売業の店舗を実地に管理しなければならないとされており、また、(1)に記載のとおり医薬品の販売は薬剤師または登録販売者が行わなければならないこととされています。更に、「薬剤師法」では、調剤業務は薬剤師が行わなければならないとされています。このため、店舗拡大に際しては薬剤師及び登録販売者を確保することが重要となり、確保の状況によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)医薬品の販売について

当社グループの店舗のうち、調剤専門薬局及び調剤併設店舗においては、調剤監査システム等の導入により、万全の管理体制の下、調剤過誤の発生の防止に細心の注意を払っております。また、要指導医薬品及び一般用医薬品についても、販売時における適正な情報収集と情報提供を行い、過誤の発生防止に努めております。

しかしながら、調剤薬の欠陥、調剤過誤等により、将来、訴訟を提起されるようなことがあった場合には、経済的損失を被るだけではなく、当社グループの社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)調剤報酬の改正について

診療報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)は法令により定められています、現在、国民医療費の抑制策として、診療報酬及び薬価の改定が実施されておりますが、診療報酬等の改定の内容によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)店舗展開について

出店交渉の進捗状況、賃貸人側の事情、「大規模小売店舗立地法」の許可の関係等、何らかの事情により着工が遅れた場合、出店計画が変更になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

店舗賃貸借契約においては、敷金・保証金、建設協力金等の預託・貸付を行うことがあり、賃貸人が倒産等の状況に至った場合、敷金・保証金、建設協力金を回収することができなくなる可能性があります。

 

(6)個人情報保護について

当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」)に定められている個人情報取扱事業者として個人情報に係る義務の遵守が求められます。当社グループにおいては、膨大な会員情報や調剤に関する情報などの個人情報を保有しているので、内部管理体制の強化を図り、個人情報の管理については細心の注意を払っておりますが、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合には、個人への賠償問題や社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、昨年5月に施行された「個人情報保護法」の改正法では、マイナンバー等の個人識別符号が個人情報に含まれることが明確となりました。従前よりその他の個人情報と同等以上の安全管理措置を講じておりますが、予期せぬ事態により個人識別符号が流出した場合には、その他の個人情報の場合と同様に業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材について

代表取締役を始めとする取締役及び従業員は、当社グループ経営に重要な役割を果たしております。これらのうち、取締役が業務執行をできない事態が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員については、事業拡大に応じた人材確保、教育、育成を行っておりますが、他社からの引き抜きなどにより人材確保が十分にできなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)減損会計の適用について

固定資産の減損に係る会計基準の適用により、今後においても、店舗の収益性の変化によっては固定資産の減損処理が必要になる場合があります。その場合、特別損失が計上され業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)自然災害等について

当社グループの事業展開地域において、地震・台風等の自然災害が発生し、当社グループの店舗及びその他の施設に物理的な損害が生じた場合、並びに取引先や仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす何らかの事故等が発生した場合も同様に、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における日本経済の現状は、世界的な株価の状況や各種の景気指標において改善の兆しが見られるものの、地政学的リスク、原油価格の動向、年明けから急激に変動した為替相場の状況、それらの影響も含めた消費マインドの変化など、先行き不透明感は依然として拭えず消費環境は厳しい状況で推移しました。

 

ドラッグストア業界におきましては、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、我々を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。

 

このような環境の中、当社グループは、ローリングした中期的な戦略テーマとして「需要創造に向けた新業態モデルの構築」「オムニチャネルを起点としたCRMのさらなる進化」の2つを継続するとともに、「安定した収益基盤の確立・維持」に一定の成果が認められたとの判断から、今期は新たな戦略テーマとして「各地域における圧倒的No.1の地位確立」を掲げ、これら戦略テーマのもと、今期は5つの重点戦略(①新たなビジネスモデルの構築、②調剤事業の強化・拡大、③オムニチャネル化の推進、④垂直連携体制の構築と、新たに、⑤7つのエリアにおける市場シェアの拡大)を設定し取組んでまいりました。

 

具体的には、次世代ヘルスケア店舗であるmatsukiyo LABの展開とともに、新業態店舗として、働く女性に向けた「BeautyU」をオープンいたしました。インバウンド需要に対しては、新たなエリアへの展開、ホテル内への初出店とともに同一地域内への出店を強化することで既存エリアにおけるシェア拡大に取組み、免税対応店舗数は新店を含め528店舗まで展開を広げ、これら店舗から得られたパスポートデータを活用した品揃えの最適化を図ってまいりました。調剤事業の強化・拡大に向けた取組みとしましては、厚生労働省が進める「健康サポート薬局」として、これまで15店舗の認定を受けるとともに、調剤サポートプログラムの募集を開始しております。また、EC事業では、都内及び千葉県内の一部エリアにおいて「Amazonプライム」会員向けサービスに出品、プライベートブランド(PB)では、「アルジェランシリーズ」の一部をリニューアルするとともに、リップ、ヘアケアに新たな商品を展開することでアルジェランブランドのライン拡充を図り、最高のコスパをコンセプトとした化粧品「Bulk AAA(バルク トリプルA)」、大麦若葉粉末青汁としては日本初となる有機JAS認定を受けたオーガニックの機能性表示食品「matsukiyo LAB 飲む肌の潤いおいしい有機青汁」を新発売いたしました。PB商品展開の成果としては、その売上構成比の拡大とともに、「matsukiyo」のトイレットペーパーが日本の小売業におけるプライベートブランドとしては初めてとなる、世界的権威あるパッケージデザイン賞・ペントアワード(Pentawards)のボディ部門において世界最高賞のプラチナ賞を、世界三大広告賞の一つクリオ賞(The Clio Awards)において銀賞を受賞するなどそのデザインにおいても高い評価をいただくことができました。また、シオノギヘルスケア株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社、佐藤製薬株式会社、株式会社資生堂との連携を図り当社専用商品を発売するなど、PB商品の展開強化と垂直連携体制の構築による専売商品の拡大に取組み、異業種との連携としては、髙島屋デューティーフリー株式会社とのフランチャイズ契約を行うなど、新たな取組みも着実に推進することで専門性の強化、他社との差別化に注力しております。

一方、継続した取組みとして、マツモトキヨシ成功事例の水平展開、KPI(グループの重要業績評価指標)管理による経営の効率化を図ることで各地域事業会社の業績改善を推進するとともに、当社グループの強みとなっております顧客接点数(ポイントカード会員/LINEの友だち/公式アプリのダウンロード数)の獲得に努め、その総数は延べ5,480万超まで拡大し、多彩なフォーマット展開で得られるビッグデータを用いた高い分析力で、多様化する顧客ニーズやライフスタイルの変化、狭小商圏化する市場に対しても的確に対応してまいりました。

 

海外事業としましては、中華人民共和国における越境ECやタイ王国での「マツモトキヨシ」店舗の展開も順調に拡大し、さらに新たな取組みとして台湾におけるドラッグストア事業展開として、臺隆工業股份有限公司との合弁会社である「台湾松本清股份有限公司(Matsumotokiyoshi(Taiwan)Limited)」を設立いたしました。このように、インバウンドだけでなく国内外においても外国人のお客様需要の獲得を図っております。

新規出店に関しましては、都市型、郊外型とともに、新業態店舗となる「BeautyU 銀座中央通り店」、次世代ヘルスケアショップmatsukiyo LABの「松戸西口駅前店」、免税強化型店舗となる都内台東区「御徒町駅前店」、新宿区「新宿西口駅前店」、鹿児島県鹿児島市「天文館なや通り店」、千葉県成田市「成田東武ホテルエアポート店」、「髙島屋免税店SHILLA&ANA新宿店(フランチャイズ店舗)」、アウトレットへの展開として「OUTLET三井アウトレットパークジャズドリーム長島店」など多彩なフォーマットを持つ強みと免税対応のノウハウを活かし、グループとして93店舗オープンし、既存店舗の活性化を目的として85店舗の改装を実施、44店舗を閉鎖しました。閉店店舗数が計画(30店)を超えた主な理由は、環境変化によるリプレイス、施設側の耐震補強工事等によるものです。その結果、当連結会計年度末におけるグループ店舗数は1,604店舗となりました。なお、タイ王国においてセントラル&マツモトキヨシリミテッドが運営する21店舗はグループ店舗数の総数に含んでおりません。

当社グループが注力しております社会貢献活動(CSR)に関しましては、第23回セルフメディケーションフォーラム「美と健康のエキスパートに学ぶ“美しさ”と“健康的なカラダ”を保つ秘密」、第24回セルフメディケーションフォーラム「美と健康のエキスパートに学ぶ“今日から始めるワタシ磨き”」を開催し、多くのお客様のご参加をいただくなど、美しく健康であり続けたい方々を応援する取組みも実施してまいりました。

 

 さらに、当社グループでは、働く女性の活躍を推進する各種取組み「ポジティブアクション」を進めておりますが、このほどその取組みが「女性活躍推進法に基づく基準に適合」し女性が活躍している企業として評価され、中核事業会社である株式会社マツモトキヨシが厚生労働大臣より「えるぼし(最高位である3段階目)」の認定を受けました。今後も男女問わず、働きやすい職場づくりに努め、企業の成長が従業員の自己実現につながる環境を整備してまいります。


 

 

以上の結果、売上高5,588億79百万円(前期比4.4%増)、営業利益335億65百万円(同18.1%増)、経常利益361億23百万円(同17.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益227億55百万円(同13.1%増)となり、売上高及び各利益とも、過去最高となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

<小売事業>

第1四半期は比較的天候には恵まれたものの、気温や湿度の高低差による影響を受けシーズン商品は好不調が分かれ、第2四半期は低温や長雨などにより、春・夏物は厳しい状況で推移しましたが、8月中旬以降は展開を早めた総合感冒薬やハンドクリームなどの秋・冬物のシーズン商品は堅調に推移しました。第3四半期は、10月における週末の悪天候などの影響は受けたものの、11月以降は比較的天候に恵まれシーズン商品は堅調な動向となりました。第4四半期は、雪や寒気の影響を受け、3月初旬までは低温推移となり冬物シーズン商品が堅調に推移しましたが、以降気温が急変し高温推移となり花粉症関連商品や春物のシーズン商品が好調に推移しました。加えて、新規出店、PB商品の拡販、効率的かつ効果的な販促策の実行、KPI管理による経営効率の改善によりグループ各社の業績は順調に推移しました。なお、中国人観光客は団体旅行から個人旅行へのシフトが進むなか、訪日外国人観光客の購買動向に変化があるものの、その変化にきめ細かく対応した各種のマーケティング戦略、免税対応店舗の拡大、中華人民共和国におけるダブルイレブン(11月11日)といわれるシングルデーの取組み等とともに、春節やお花見時期の対応も奏功し、引き続きインバウンド需要や越境ECは好調に推移しております。

調剤事業に関しましても、引き続き既存店への併設を含め高い収益性の見込める物件を優先的に開局するとともに、健康サポート薬局認定の推進など地域医療連携を深めることで処方箋応需枚数が増加したことなどから順調に拡大しております。

 

<卸売事業>

卸売事業は、小売事業同様に、シーズン商品は総じて厳しい展開となりましたが、インバウンド需要の獲得、髙島屋デューティーフリー株式会社とのフランチャイズ契約、既存契約企業の新規出店により、フランチャイズ向けの卸売売上高も順調に拡大しました。

 

このような営業活動に基づき、小売事業の売上高は5,383億70百万円(前期比4.3%増)、卸売事業174億37百万円(同4.9%増)、管理サポート事業30億71百万円(同29.8%増)となりました。

 

  売上及び仕入の状況は次の通りであります。

① 事業部門別売上状況

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
   至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

538,370

104.3

卸売事業

17,437

104.9

管理サポート事業

3,071

129.8

合計

558,879

104.4

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

② 地区別売上状況

当連結会計年度の売上実績を地区ごとに示すと、次のとおりであります。

地区別

当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
   至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

備考

小売事業

 

 

 

 

北海道・東北エリア

(90店舗)

24,369

100.6

 2店増 

関東エリア

(876店舗)

328,457

101.8

 26店増 

甲信越エリア

(111店舗)

31,366

101.8

 2店増 

東海・北陸エリア

(141店舗)

35,514

99.7

 1店減 

関西エリア

(125店舗)

70,289

126.2

 7店増 

中国・四国エリア

(56店舗)

13,744

98.3

 3店増 

九州・沖縄エリア

(152店舗)

33,695

103.8

 8店増 

小計

(1,551店舗)

537,437

104.3

 47店増 

卸売事業

 

16,958

105.4

 

合計

(1,551店舗)

554,395

104.3

 47店増 

 

(注)1.地区別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

2.卸売事業は、フランチャイジーへの商品供給を含めて表示しております。なお、当連結会計年度末におけるフランチャイズ店の店舗数は53店舗であります。

3.店舗数は平成30年3月31日現在であります。

4.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

③ 商品別売上状況

当連結会計年度の売上実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。

商品別

当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

 

 

医薬品

171,532

103.5

化粧品

217,454

109.2

雑貨

96,513

99.1

食品

51,936

97.7

小計

537,437

104.3

卸売事業

16,958

105.4

合計

554,395

104.3

 

(注)1.商品別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

④ 主要顧客別売上状況

該当事項はありません。

 

⑤商品別仕入状況

当連結会計年度の仕入実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。

商品別

当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

 

 

医薬品

103,010

101.5

化粧品

153,275

107.3

雑貨

73,744

98.9

食品

45,163

97.7

小計

375,194

102.7

卸売事業

16,876

107.1

合計

392,070

102.9

 

(注)1.商品別仕入状況は管理サポート事業を除いております。

2.仕入に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は3,151億61百万円となり、前連結会計年度末に比べて294億28百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが11億39百万円減少したものの、現金及び預金が131億36百万円、投資有価証券が57億66百万円、受取手形及び売掛金が30億79百万円、商品が27億23百万円、未収入金が21億86百万円、流動資産のその他が26億75百万円、それぞれ増加したことによるものです。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は1,102億90百万円となり、前連結会計年度末に比べて86億17百万円増加いたしました。主な要因は、買掛金が27億28百万円、未払法人税等が25億20百万円、繰延税金負債が14億57百万円、流動負債のその他が13億58百万円、それぞれ増加したことによるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,048億71百万円となり、前連結会計年度末に比べて208億11百万円増加いたしました。主な要因は、配当金52億98百万円による純資産の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益227億55百万円の計上及びその他有価証券評価差額金が33億38百万円増加したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フロー 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は516億13百万円となり、前連結会計年度末と比較して131億36百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは279億38百万円の収入(前期比42億15百万円の収入増)となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益344億18百万円、減価償却費65億47百万円、仕入債務の増加額27億1百万円、敷金及び保証金の家賃相殺額13億37百万円、のれん償却額11億57百万円、法人税等の還付額11億45百万円、減損損失10億84百万円であり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額118億14百万円、売上債権の増加額30億53百万円、たな卸資産の増加額26億8百万円、未収入金の増加額11億27百万円、その他27億17百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは77億41百万円の支出(前期比2億87百万円の支出増)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入6億99百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出34億4百万円、敷金及び保証金の差入による支出19億96百万円、無形固定資産の取得による支出14億90百万円、投資有価証券の取得による支出10億9百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは70億60百万円の支出(前期比27億63百万円の支出減)となりました。主な要因は、配当金の支払額52億97百万円、リース債務の返済による支出17億33百万円があったことによるものです。

 

 (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。