第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「1st for you.あなたにとっての、いちばんへ。」をグループ経営理念としております。また、この理念に基づき、以下を経営の基本方針としております。

・当社は、当社グループに関わるすべての人が、いつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう奉仕してまいります。

当社は、これからの高齢化社会を支えるため、セルフメディケーションを推進し、お客様とその大切な人の健康を守る「かかりつけ薬局」として貢献していきたいと考えております。

当社は、美と健康の分野で、常に新しい価値の創造とまごころを込めたサービスを提供することにより、“美と健康の分野になくてはならない企業グループ”を目指してまいります。

当社は、美と健康を通じて、すべてのステークホルダーから信頼され支持される企業グループを目指し、そのための努力を惜しまず、常に挑戦し、成長し続けてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、経営ビジョンとして「美と健康の事業分野において『売上高1兆円企業』を目指す。」を掲げ、その実現を目指しております。このビジョンを実現するための経営目標として「2021年3月期 グループ売上高 8,000億円、ROE 10%以上の維持・継続」を設定しております。

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、“美と健康の分野においてなくてはならない企業グループ”の実現を目指して、3つの戦略テーマ「専門性×独自性による美と健康の地域貢献(役割・責務)」、「既存の枠にとらわれない新しいビジネスの創造(挑戦・成長)」、「企業価値を高めるグループ経営の高度化(統治・改革)」を設定し、取組んでまいります。

当社グループの対処すべき課題は、次のとおりであります。

 

① 深化した次世代ヘルスケアサービスの推進

当社グループは、競争がますます激しくなる環境の中において、社会構造やお客様のライフスタイルの変化などをいち早く察知し、すべての人がいつまでも美しく、健康で心豊かな生活を送れるよう取組んでまいります

そのためには、既存事業であるドラッグストア店舗・保険調剤薬局をただ拡大するだけでなく、創業の原点である薬・化粧品・調剤の3つを柱に、信頼され選ばれるドラッグストア、かかりつけ薬局を目指し、「高い専門性」、「マツモトキヨシならではの独自性」を高め、地域包括ケアシステムの一員として地域社会へ貢献できるよう努めてまいります。

 

② 利益につながるデジタルマーケティングの推進

当社グループは、急速に進化するITを活用することで、お客様の生活スタイルの変化や嗜好・ニーズを的確にとらえ、一人ひとりのお客様との距離を縮め、深く繋がれるようデジタルマーケティング基盤の強化に取組んでまいります。

6,000万を超えるお客様との接点を活用した分析力を更に高め、当社にしかない商品の開発やメーカー様向けブランドマーケティング支援を推進するだけでなく、マーケティングノウハウそのものをサービス化し、異業種との連携を拡大するなど、既存の枠にとらわれずに新しい収益の柱となるよう企業価値の向上に努めてまいります。

 

③ 積極的なグローバル展開の推進

当社グループは、パスポートデータ分析を活用した最適な品揃えやキャッシュレス決済への対応など、国内インバウンド対応を高度化するだけでなく、アジアを中心とした海外店舗展開と合わせて、グローバル会員獲得に向けた仕組みづくりや海外で支持される商品の開発、提供に取組み、グローバル基盤の確立に向けて積極的に推進してまいります

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 
① 基本方針の内容

当社は、会社の支配に関する基本方針として、当社の経営権の主導に影響する買収として、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」もありますが、これが企業価値及び株主共同の利益に資するものであれば、このような買収行為を一概に否定するものではありません。

また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案に対する判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかしながら、このような買収の中には、明らかに、企業価値及び株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、企業価値及び株主共同の利益に反する結果を与える可能性も否定できません。

このような状況のもと、当社は、買収者に対し、株主の皆様のご判断に必要な事項についての情報提供を求め、それに対する当社取締役会の意見を公表し、それらの情報をもとに株主の皆様が適切に検討できるだけの十分な内容と時間を確保すること、また、買収者との交渉の機会を確保すること、株主の皆様へ代替案を提示すること等により、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保することが当社取締役会に課せられた重要な責務のひとつと認識しております。

以上の理由から、当社の更なる企業価値及び株主共同の利益の向上を図り、その取組みに全経営資源を集中させるためには、大規模買付行為やそれを前提とする買付提案を行う場合に関する一定のルールを定めておく必要があると考えております。

 

② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別
 な取組み
 イ.企業価値及び株主共同の利益向上に向けた取組み

当社グループは、1932年、松本清が千葉県松戸市に『松本薬舗』を創業して以来、当時薬局が主流だった時代に新たな「ドラッグストア業態」を浸透させ、長年に渡りドラッグストア業界を牽引してまいりました。現在も、当社グループは創業当時から受け継がれてきた『チャレンジ精神』を強みとして生かし、着実に事業成長を続けております。

 

当社グループの企業価値の源泉は、
 (ⅰ) 都心を中心とした好立地への多店舗展開と高い知名度・ブランド力
 (ⅱ) 保有する顧客データと多様な顧客接点を融合させたCRM情報基盤
 (ⅲ) 出店・販促・商品開発等に活用される高度なデータ解析ノウハウ
 (ⅳ) 優秀な人材の確保・育成・定着を促し企業の成長を支える人材マネジメント
 (ⅴ) 将来の成長投資と株主還元を実現する健全な財務体質
 にあると考えております。したがいまして、当社の企業価値及び株主共同の利益を最大化していくためには、このような当社グループの企業価値を支える源泉を中長期的な観点から育て、強化していくことが重要となります。

 

当社グループは、日本がこれから迎える超高齢化社会における当社グループへの期待、役割及び重要性を十分理解し“美と健康の分野になくてはならない企業グループ”を目指しております。その実現に向けて「専門性×独自性による美と健康の地域貢献(役割・責務)」、「既存の枠にとらわれない新しいビジネスの創造(挑戦・成長)」、「企業価値を高めるグループ経営の高度化(統治・改革)」を基軸として、企業価値及び株主共同の利益を向上させるべく、より一層邁進してまいります。

 

 ロ.コーポレートガバナンスの強化に向けた取り組み

当社グループは、グループ経営理念に基づき、お客様だけでなく、株主様、従業員、お取引先様、地域社会などの、すべてのステークホルダーの皆様と長期的な信頼関係を構築し、“美と健康の分野になくてはならない企業”として社会に必要とされる企業グループであり続けるために、その基盤となるコーポレートガバナンスを充実させることを目的とします。

 当社は監査役会設置会社として、株主総会、取締役会及び監査役会を設置しております。

当社は、取締役9名のうち3名を社外取締役、監査役3名のうち2名を社外監査役としており、社外取締役3名、社外監査役2名全員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届出しております。

当社は、高い独立性が確保された独立役員が連携を図り、外部からの視点を取締役会や監査役会へ取り入れることにより、監督機能、監査機能や多様性を高めております。

当社は、この他、取締役の任期を1年として、取締役の使命と責任をより明確にしており、また、執行役員制度を導入し、企業経営における業務の執行と監督を分けて、取締役と執行役員の機能及び責任を明確にしております。

その他コーポレートガバナンス体制としては、職務執行の効率化を図るため、取締役、執行役員、常勤監査役で構成される経営会議を取締役会の下位会議体として設置し、グループ会社の管理・指導・助言を確実、かつ効果的に実施するために、グループ社長会を設置しております。

また、内部監査部門として内部統制統括室を設置し、監査役と充実した連携を図り、各部門及びグループ会社の業務に関する内部監査や内部統制体制を監視し、事業活動の適切性・効率性を確保し、有効な監査体制を構築しております。

なお、コンプライアンスとリスク管理においては、表裏一体の活動が必要と考え、当社及び当社グループのコンプライアンスとリスク管理の推進を図るため、コンプライアンス・リスク委員会を設置しております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
 の取組み

当社は、当社の株式に対して大規模買付行為が行われた場合、その大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損させるものでないかについて、株主の皆様が必要かつ十分な情報と相当な検討期間に基づき判断することができるようにするため、大規模買付行為への対応策(買収防衛策)を導入しております。

直近では、2018年5月21日開催の取締役会において、当社株式等の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の一部を変更して継続すること(以下「本プラン」といいます。)を決議し、2018年6月28日開催の第11回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただいております。

なお、本プランの詳細につきましては、2018年5月21日付当社プレスリリースにて公表しておりますので、次の当社ウェブサイトにてご参照ください。

(https://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/CGI/news/view.cgi)

 

④ 具体的取組みに対する当社取締役の判断及びその理由

当社では、本プランの設計に際して、以下の点を考慮しており、当社の基本方針に沿い、企業価値及び株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。

 イ.株主意思の反映

本プランにより対抗措置の発動をする場合は、原則として、株主総会の決議に基づき行われます。また、本プランは、本株主総会における株主の皆様からのご承認を条件として更新されます。本プランの有効期間の満了前であっても、取締役会又は株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。

そのため、本プランの継続及び対抗措置の発動について、株主の皆様のご意向が反映されるプランとなっております。

 

 ロ.買収防衛策に関する指針等の要件の充足

本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)をすべて充足しています。また、企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。

さらに、東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものとなっております。

 

 ハ.独立性の高い社外者の判断に従うことにより当社取締役会の裁量を排除

当社は、本プランの導入にあたり、本プランの対抗措置発動等の運用に際して、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、当社との間に特別の利害関係を有していない社外取締役・社外監査役・弁護士・公認会計士・税理士・学識経験者・投資銀行業務に精通する者・実績のある経営者等から構成されるものとしております。

当社は、本プランの対抗措置の発動及び発動の中止については、独立委員会の勧告に従い、対応することといたします。これにより、当社取締役会の裁量を排除し、本プランの公正性を担保しております。

 

 ニ.デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が当社の株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能です。

したがって、本プランはいわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではありません。また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制について

① 出店に関する規制等について

当社グループは、1,000㎡超の店舗の新規出店及び既存店の増床について、「大規模小売店舗立地法」による規制を受け、都道府県知事(政令指定都市においては市長)への届出が義務付けられています。また、「大規模小売店舗立地法」の規制に準じて、地方自治体との調整が必要になる場合があります。このため、新規出店及び既存店舗の増床等において、出店地域によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

② 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「医薬品医療機器等法」)による規制について

「医薬品医療機器等法」上、医薬品、医療機器等を販売するためには、薬局開設許可、店舗販売業許可、高度管理医療機器等販売業許可など、各都道府県知事の許可等が必要とされています。

また、医薬品の販売方法(要指導医薬品及び第1類医薬品については薬剤師のみが、第2類医薬品及び第3類医薬品については薬剤師または登録販売者が販売しなければならない)・陳列方法(医薬品の分類ごとに陳列しなければならないこととされ、かつ、要指導医薬品、第1類医薬品及び指定第2類医薬品については、陳列場所が指定)や、医薬品販売時の情報提供及び販売記録の作成・保存等についても「医薬品医療機器等法」上、規制がなされています。

医薬品等の販売や陳列等については「医薬品医療機器等法」により広く規制がなされていることから「医薬品医療機器等法」が改正された場合には、店舗の営業等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)薬剤師等の確保について

「医薬品医療機器等法」上、薬剤師が薬局を、薬剤師又は登録販売者が店舗販売業の店舗を実地に管理しなければならないとされており、また、(1)に記載のとおり医薬品の販売は薬剤師または登録販売者が行わなければならないこととされています。更に、「薬剤師法」では、調剤業務は薬剤師が行わなければならないとされています。このため、店舗拡大に際しては薬剤師及び登録販売者を確保することが重要となり、確保の状況によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)医薬品の販売について

当社グループの店舗のうち、調剤専門薬局及び調剤併設店舗においては、調剤監査システム等の導入により、万全の管理体制の下、調剤過誤の発生の防止に細心の注意を払っております。また、要指導医薬品及び一般用医薬品についても、販売時における適正な情報収集と情報提供を行い、過誤の発生防止に努めております。

しかしながら、調剤薬の欠陥、調剤過誤等により、将来、訴訟を提起されるようなことがあった場合には、経済的損失を被るだけではなく、当社グループの社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)調剤報酬の改正について

診療報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)は法令により定められています。現在、国民医療費の抑制策として、診療報酬及び薬価の改定が実施されておりますが、診療報酬等の改定の内容によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)店舗展開について

出店交渉の進捗状況、賃貸人側の事情、「大規模小売店舗立地法」の許可の関係等、何らかの事情により着工が遅れた場合、出店計画が変更になり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

店舗賃貸借契約においては、敷金・保証金、建設協力金等の預託・貸付を行うことがあり、賃貸人が倒産等の状況に至った場合、敷金・保証金、建設協力金等を回収することができなくなる可能性があります。

 

(6)個人情報保護について

当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」)に定められている個人情報取扱事業者として個人情報に係る義務の遵守が求められます。当社グループにおいては、膨大な会員情報や調剤に関する情報などの個人情報を保有しているので、内部管理体制の強化を図り、個人情報の管理については細心の注意を払っておりますが、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合には、個人への賠償問題や社会的信用を損なうなどの理由により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、マイナンバー等の個人識別符号についてもその他の個人情報と同等以上の安全管理措置を講じておりますが、予期せぬ事態により個人識別符号が流出した場合には、その他の個人情報の場合と同様に業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材について

代表取締役を始めとする取締役及び従業員は、当社グループ経営に重要な役割を果たしております。これらのうち、取締役が業務執行をできない事態が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員については、事業拡大に応じた人材確保、教育、育成を行っておりますが、他社からの引き抜きなどにより人材確保が十分にできなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)減損会計の適用について

「固定資産の減損に係る会計基準」の適用により、今後においても、店舗の収益性の変化によっては固定資産の減損処理が必要になる場合があります。その場合、特別損失が計上され業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)自然災害等について

当社グループの事業展開地域において、地震・台風等の自然災害が発生し、当社グループの店舗及びその他の施設に物理的な損害が生じた場合、並びに取引先や仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす何らかの事故等が発生した場合も同様に、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における日本経済の現状は、各種の景気指標においては改善の兆しが見られるものの、世界経済の減速懸念、それに伴う世界的な株価の変動、原油価格の動向、為替相場の状況、これら外的要因の影響も含めた消費マインドの変化など、先行き不透明感は依然として拭えず消費環境は厳しい状況で推移しました。

ドラッグストア業界におきましては、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、我々を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。

このような環境の中、当社グループは、ローリングした中期的な戦略テーマとして「需要創造に向けた新業態モデルの構築」「オムニチャネルを起点としたCRMのさらなる進化」の2つを継続し、新たな戦略テーマとして「市場シェアの向上と強固な収益基盤の確立」を掲げ取組んでまいりました。

具体的には、エリアシェア拡大に向けた主要都市での至近距離出店、インバウンド需要獲得のための新たな立地への展開とともに、既存店における免税対応店舗の拡大(新店を含め929店舗(前期末比401店舗増))を図り、これら店舗から得られた各種データを活用することで立地・環境に合わせた最適な品揃えを実行してまいりました。

調剤事業の強化・拡大に向けた取組みとしましては、厚生労働省が進める「健康サポート薬局」の認可を受けた24店舗において地域医療連携を推進するとともに、調剤サポートプログラムの導入契約も順調に拡大しております。また、プライベートブランド(PB)商品に関しましては、日常的なアスリートを応援する当社管理栄養士監修シリーズとして「matsukiyo LAB アスリートライン」の展開を開始し、人気のエナジードリンクは第4弾となる爽快系成分を含んだ「EXSTRONG CAFOON ENERGY DRINK(エクストロングキャフーンエナジードリンク)」を発売するなどPB商品の構成比拡大に努めてまいりました。

また、これまで多くのデザイン賞を獲得した「matsukiyo」のトイレットペーパーが、世界最高峰のクリエイティブ賞である「D&AD賞」において部門最高賞の「イエローペンシル賞」とともに、世界三大広告賞の一つ「The One Show」においてもメリット賞を受賞するなど引き続き、そのデザインにおいても高い評価をいただいております。

 


 


 

なお、これらプライベートブランド戦略が奏功し、世界最大のブランディング専門会社であるインターブランド社による日本で初めての「ブランディング活動」を評価する新たなアワード『Japan Branding Awards 2018』において「Best of the Best賞」を受賞いたしました

 


 

(関連情報:<<https://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/news/data/b7d082203bc390801ef1e71f7b916e5f.pdf>>)

 

ナショナルブランドメーカーとの共同企画品としましては、ロート製薬株式会社と、女性向け目薬「ロートリセ」ブランドより、働く女性の目の疲れを癒す「ロート リセリッチプレミアム」を当社グループ専売品として新発売いたしました。

継続した取組みとしましては、KPI(グループの重要業績評価指標)管理による経営の効率化を図り、各事業会社の業績改善を推進するとともに、当社グループの強みとなる顧客接点数(ポイントカード会員/LINEの友だち/公式アプリのダウンロード数)の獲得に努め、その総数は延べ6,000万超まで拡大しました。
  新たな取組みとしましては、2018年4月30日よりNTTドコモの「dポイントサービス」の取扱いを開始し、順次グループ各店に拡大(3月末現在1,600店舗超)しております。

フランチャイズ事業に関しましても、新たに「株式会社京成ストア」「株式会社東急ステーションリテールサービス」「株式会社京王ストア」「東京シティ・エアターミナル株式会社」の4社と契約を締結いたしました。

海外事業としましては、中華人民共和国における越境ECやタイ王国での「マツモトキヨシ」店舗の展開も33店舗まで順調に拡大し、台湾におけるドラッグストア事業に関しましても10月に1号店、11月に2号店をオープンするなどインバウンドだけでなく国外においても外国人のお客様需要の獲得を図っております。

新規出店に関しましては、銀座エリアでのシェア拡大に向け「銀座みゆきAve.店」、新宿エリアでのシェア拡大に向けた「新宿歌舞伎町店」などの至近距離展開を図るとともに、空港における国際線ターミナル直営1号店となる「福岡空港国際線ターミナル店」、出国手続き後エリアへの初出店となる「成田国際空港第1ターミナル店」、世界遺産に登録された富士山を望む「富士山静岡空港店」、アウトレット7店舗目となる「OUTLET三井アウトレットパーク木更津店」のオープンなど、多彩なフォーマットで展開できるノウハウを生かし、グループとして81店舗をオープンしました。また、既存店舗の活性化を目的として「matsukiyo LAB」への業態変更を含め88店舗の改装を実施するとともに、不採算店舗31店舗の閉鎖など収益構造の改革を着実に進めております。その結果、当連結会計年度末におけるグループ店舗数は1,654店舗となりました。

(※タイ王国においてセントラル&マツモトキヨシリミテッドが運営する33店舗及び台湾において台湾松本清股份有限公司(Matsumotokiyoshi(Taiwan)Limited)の運営する2店舗はグループ店舗数の総数に含んでおりません。)

なお、当社グループが注力しております社会貢献活動(CSR)に関しましては、第25回及び第26回セルフメディケーションフォーラム「美と健康のエキスパートから学ぶ今日から始めるワタシ磨き」を開催し、多くのお客様のご参加をいただくなど、美しく健康であり続けたい方々を応援する取組みも実施してまいりました。

 

以上の結果、売上高5,759億91百万円(前期比3.1%増)、営業利益360億28百万円(同7.3%増)、経常利益389億78百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益250億35百万円(同10.0%増)となり、売上及び各利益とも、過去最高となりました。

 

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

<小売事業>

第1四半期は、期初から比較的天候には恵まれ高温で推移したものの、5月は低温傾向、6月は例年より早い梅雨入りと梅雨明けになったことで、春夏物のシーズン商品は月度によって好不調が分かれるかたちとなりました。

第2四半期は、記録的な高温が続き、全国的な豪雨被害、大型台風の上陸、北海道胆振東部地震の発生など多くの自然災害が発生し、来店客数に大きな影響を及ぼしました。

第2四半期までに発生した自然災害の影響は徐々に回復しつつも、暖冬傾向となった第3四半期は、冬物シーズン商品が大変厳しい状況で推移し、インフルエンザの流行や昨年より早い飛散となったスギ花粉による花粉症関連商品は堅調に推移したものの、暖冬傾向が続いた第4四半期もシーズン商品は苦戦を強いられました。

しかしながら、新規出店、PB商品の拡販、改装による既存店の活性化、効率的かつ効果的な販促策の実行、KPI管理による経営の効率化等に努めることで収益は順調に拡大しました。

訪日外国人観光客に関しましては、6月に発生した大阪北部地震を含めた自然災害により、関西及び北海道において訪日外国人観光客数に一定の影響を及ぼしましたが、購買動向の変化を捉えたきめ細かな対応、各種のマーケティング戦略、免税対応店舗の拡大などにより関東を中心にその他のエリアがけん引するかたちで大きく伸長し、越境ECも含め順調に拡大いたしました。

調剤事業に関しましては、薬価改定があったものの、引き続き既存店への調剤併設を含め、高い収益性の見込める物件を優先的に開局するとともに、技術料の獲得、健康サポート薬局として地域医療連携を深めるなどの各種施策により、処方箋応需枚数が増加したことで順調に伸長しております。

 

<卸売事業>

卸売事業は、小売事業同様にシーズン商品は好不調が分かれる展開となりましたが、新たにフランチャイズ契約を締結した「株式会社京成ストア」「株式会社東急ステーションリテールサービス」「株式会社京王ストア」の出店とともに既存契約企業の新規出店、調剤サポートプログラムの新規契約、インバウンド需要の獲得により順調に拡大しました。

 

このような営業活動に基づき、小売事業の売上高は5,545億56百万円(前期比3.0%増)、卸売事業182億86百万円(同4.9%増)、管理サポート事業31億49百万円(同2.5%増)となりました。

 

  売上及び仕入の状況は次の通りであります。

① 事業部門別売上状況

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
   至 2019年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

554,556

103.0

卸売事業

18,286

104.9

管理サポート事業

3,149

102.5

合計

575,991

103.1

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

② 地区別売上状況

当連結会計年度の売上実績を地区ごとに示すと、次のとおりであります。

地区別

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
   至 2019年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

備考

小売事業

 

 

 

 

北海道・東北エリア

(91店舗)

24,601

101.0

1店増

関東エリア

(897店舗)

339,912

103.5

21店増

甲信越エリア

(117店舗)

32,287

102.9

6店増

東海・北陸エリア

(142店舗)

36,192

101.9

1店増

関西エリア

(136店舗)

72,034

102.5

11店増

中国・四国エリア

(60店舗)

13,637

99.2

4店増

九州・沖縄エリア

(158店舗)

34,903

103.6

6店増

小計

(1,601店舗)

553,570

103.0

50店増

卸売事業

 

17,780

104.8

 

合計

(1,601店舗)

571,350

103.1

50店増

 

(注)1.地区別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

2.卸売事業は、フランチャイジーへの商品供給を含めて表示しております。なお、当連結会計年度末におけるフランチャイズ店の店舗数は53店舗であります。

3.店舗数は2019年3月31日現在であります。

4.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

③ 商品別売上状況

当連結会計年度の売上実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。

商品別

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

 

 

医薬品

176,260

102.8

化粧品

227,752

104.7

雑貨

97,736

101.3

食品

51,820

99.8

小計

553,570

103.0

卸売事業

17,780

104.8

合計

571,350

103.1

 

(注)1.商品別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

2.売上に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

④ 主要顧客別売上状況

該当事項はありません。

 

⑤商品別仕入状況

当連結会計年度の仕入実績を商品ごとに示すと、次のとおりであります。

商品別

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

小売事業

 

 

医薬品

105,757

102.7

化粧品

160,523

104.7

雑貨

73,531

99.7

食品

44,713

99.0

小計

384,526

102.5

卸売事業

17,700

104.9

合計

402,227

102.6

 

(注)1.商品別仕入状況は管理サポート事業を除いております。

2.仕入に係る消費税等の会計処理は税抜方式によっております。

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて41億46百万円増加して3,183億24百万円となりました。これは主に現金及び預金が82億64百万円減少したものの、商品が63億81百万円、受取手形及び売掛金が25億67百万円、未収入金が12億2百万円、流動資産のその他が11億87百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

負債につきましては、2億51百万円減少して1,090億54百万円となりました。これは主にリース債務(長期)9億9百万円増加したものの、買掛金が14億92百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては、43億98百万円増加して2,092億69百万円となりました。これは主に、自己株式139億9百万円の増加により純資産が減少したものの、利益剰余金186億77百万円増加があったこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は433億49百万円となり、前連結会計年度末と比較して82億64百万円減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、218億97百万円(前期は279億38百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益373億69百万円の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、78億72百万円(前期は77億41百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出45億98百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、222億90百万円(前期は70億60百万円の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出139億72百万円等によるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。