第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は創業以来、創意工夫を凝らし、新たな常識を創ることで様々な価値をお客様に提供してきたことに加え、地域におけるヘルスケアネットワークを構築するという想いで、お客様の「健康でいたい」、「美しくありたい」という想いに対してお応えし続けてまいりました。今後も、当社ならではの魅力的な商品・サービス、価値や体験を通して、お客様の想いを実現することが当社の役割であると考え、経営の基本方針として、グループ理念、グループビジョン及びグループスローガンを、更に深めて実現していく姿と捉え、変更せずに継続して以下のように設定しております。

 


 

 

(2)目標とする経営指標

当社は、「価値を共創し分かち合う」を基本的な考え方として、持続的な成長のために、その事業が持続的に稼げるかを優先的な評価軸とし、あらゆるステークホルダーと価値を共創し、その事業で獲得した収益を還元することを基本的な考えと捉えております。

この考えに基づき、アジアNo.1のドラッグストアとなり、美と健康の分野でのリーディングポジションの確立を目指すべく、グループ経営目標を以下のように設定しております。

 


(3)経営環境

① 市場環境

わが国経済は、雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかに回復しておりますが、地政学リスクの高まり、金融資本市場の変動等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 

② 競合他社の状況

ドラッグストア業界においては、業種・業態を超えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など厳しい状況が継続しております。

 

③ 顧客動向

少子高齢化や都市部への人口流入など社会構造が変化を続ける環境の中で、お客様のライフスタイルや嗜好・ニーズも常に変化し、多様化しております。そのような状況において、当社は、美と健康に対する感度の高いお客様に多くご利用いただいており、大都市圏を中心とした店舗とアプリ・ECを通して、高い価値を提供しております。

インバウンドに関しましては、国際情勢の変化に伴い変動はあるものの、大都市圏の店舗を中心に海外のお客様に多くご利用いただいております。また、訪日されていない海外のお客様についても、各国に展開する当社店舗や越境ECをご利用いただいております。

 

④ 法改正

今後、定期的に実施される調剤報酬及び医療用医薬品の価格(薬価)の改定により一定程度の影響を受ける可能性もありますが、引き続き調剤併設化の推進や技術料の獲得を進めることで、調剤事業の拡大と影響の最小化に努めております。

 

 

(4)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社を取り巻く経営環境は、物価上昇による消費動向の変化や競合企業の新規出店・M&Aによる規模拡大など、厳しい状況が継続するものと想定されます。このような状況に対処するため、3つの重点戦略を更に推進し、深めていくことで、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。

 


 

< 重点戦略 >

当社は、物価上昇や各種コスト上昇圧力の高まりや、業界で続く再編加速など、変化の激しい経営環境に対し、「価値を共創し分かち合う」という基本的な考え方に基づいた3つの重点戦略を以下のとおり設定しております。

 


当社を取り巻く経営環境は、国内の人口減少や価値観の多様化のほか、競合他社の再編加速や激しい出店攻勢など、依然として厳しい環境にあります。このような状況においてもお客様に選ばれ続ける企業を目指すべく、事業ドメインである美と健康の分野で当社にしか出来ない新しい価値を提供し、お客様のLTV(顧客生涯価値)最大化を目指してまいります。

そのために、当社の強みである魅力的な商品・サービス、価値や体験、大都市圏を中心とした店舗網、そして1.6億超のお客様接点からもたらされるクローズドな情報などを活用し、ドラッグストアと調剤事業のシームレスな連携によるお客様の利便性向上と、当社ならではのBtoBを含む事業領域の拡張を進めてまいります。

 

 


当社のプラットフォームを支える基盤への投資を積極的に行うことで、収益の持続的な獲得を目指してまいります。具体的には、デジタル技術によるお客様の利便性追求と運営効率化、そして事業領域拡張に向けたシステム投資を積極的に図ってまいります。

また、大都市圏を中心とする重点エリアへの出店強化とM&A推進による事業規模の拡大、調剤併設化の推進、ASEANを中心とした新規国進出による海外事業の拡大を目指すほか、人的資本への投資として、従業員にとって働きやすい労働環境、働きがい・やりがいのある環境の整備や、プロフェッショナル、グローバル人材の継続的な育成と従業員エンゲージメントの向上を図ってまいります。

 


当社グループ理念・グループビジョンの実現と企業価値の向上に資する持続可能な経営に向け、大きく変化する経営環境における当社の取り組むべき課題として、4つのマテリアリティを特定しております。その取り組みとして、ステークホルダーへの安定的な還元、コーポレートガバナンスの充実、環境・社会への対応(気候変動対応、地域医療サポート)、資本市場からの要請対応(資本コスト経営、最適資本構成検討)を行ってまいります。特定したマテリアリティは次のとおりです。

 


目指す姿    :人々の美と健康に対する課題を解決し、地域医療をはじめとする社会に

大きな安心と喜びを届ける会社

非財務KPI:グループ会員4,500万人

 


目指す姿    :従業員の身近で大切な人にも、働いてほしいと思ってもらえるような、

魅力的な会社

非財務KPI:従業員意識調査 3.94pt

 


目指す姿    :事業活動により排出するCO2排出量を実質ゼロにし、エシカル社会に

貢献する会社

非財務KPI:CO2排出量40%削減(2022年3月期比)、PB商品環境配慮型比率 60%以上

 


目指す姿    :規律ある経営を実現するマネジメントシステムを確立し、ステークホルダーと

向き合う経営を実践する会社

非財務KPI:独立社外取締役比率 50%以上

 

 

< キャッシュアロケーションの基本方針 >

中期経営計画の実現に向けたキャッシュアロケーションについて、2031年3月期までに獲得した営業キャッシュフローのうち、運転資本増加額を除くキャッシュを次の割合に基づき配分してまいります。

 

・成長投資(割合45%)

出店・改装、中小型M&A、人的資本・無形資産投資、海外事業、気候変動対応等

更なる成長に向けて、既存事業の拡充として、出店・改装、中小型M&Aのほか各種アライアンス、新規事業、DX、人的資本、海外展開、気候変動対応などに優先して投資を実行してまいります。

 

・株主還元(割合45%)

配当、自己株取得等

当社の配当政策については、株主の皆様への利益還元を経営の最重要項目の一つと位置付けております。そのため、当社では経営基盤の強化と収益力向上に努め、累進配当を基本として、配当性向(連結)50%、DOE(純資産配当率(連結))6%を目指します。また、自己株式の取得は、財務状況や株価水準などを勘案し、機動的に実施してまいります。

 

・財務基盤強化(割合10%)

有事対応等

既存事業拡大及び成長戦略への投資を支え、安定した収益基盤の構築を図るべく、投資規模や事業リスク拡大に応じて安定的に資金を確保します。

 


 

 

また、当社は引き続き、オーガニックグロースによる成長だけでなく、連合体構想の実現による規模拡大を図っており、その際には負債活用による資金調達も視野に入れて検討を進めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社の企業価値向上に資するサステナビリティは、「①顧客価値の最大化→②経済価値の創出→③適正な還元=社会・環境価値の創出」の好循環により、マテリアリティを解決し、世の中から必要とされる持続的な成長企業となることです。


 

①顧客価値の最大化

当社は事業活動を通じて、お客様への付加価値の高い商品の提供に加え、お客様の「美と健康」を思い、応援している、心のこもった情報の提供や、デジタルを駆使した新たな買い物体験の提供など、人々の「美と健康」に対する課題解決に寄り添うことで、様々な価値を感じていただいております。

 

②経済価値の創出

当社は、そのように人々の「美と健康」に対する課題解決に寄り添うことで、人々に様々な価値を感じていただき、その結果として、経済価値を得ることができています。この価値は、様々なものがありますが、例えば、店舗での接遇で得られた当社従業員の経験や知識、当社グループのファンの証ともいえるグループ会員への登録、国内外を問わず商品やサービス利用者からのコメントなどによる「マツキヨココカラ」の認知度の向上やブランディングの強化、そして、売上・利益となるお金など、様々な対価を経営資源として得ることができています。

 

③適正な還元=社会・環境価値の創出

当社は、こうして得られた経営資源を、お客様、株主・投資家様、従業員、お取引先様、地域社会、地球環境、あらゆるステークホルダーの皆様へ適正に分かち合い、還元することにより、社会・環境価値を得ることができています。

 


 

 

当社は、「人々の美と健康の課題を解決するという本業を通じて、社会に貢献することで、社会と当社、双方の持続可能性を向上させる」一連の好循環が、企業価値向上に資するサステナビリティと考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1)推進体制(ガバナンス)

当社は、持続可能経営の推進を図るため、「サステナビリティ委員会(構成:代表取締役社長(委員長)をはじめ、常勤取締役及び監査役、当社の全部門長、その他委員長の指名者)」を設置し、当委員会を中心に次のように実践します。

 

意思決定・監督

① マテリアリティを特定します。

② マテリアリティに紐づく目指す姿やKPIを設定します。

執行

③ 各目指す姿やKPIの達成に向けて各部門が執行します。

管理・報告

④ サステナビリティ委員会は、各目指す姿やKPIの進捗をレビュー・モニタリングし、マテリアリティ及び各目指す姿やKPIを再評価します。

⑤ 上記の持続可能経営の実践サイクルの状況を、サステナビリティ委員会より、定期的に取締役会へ報告・提言します。

 

持続可能経営の実践サイクル

 


 

 

 

 

 

(2)持続可能な社会の実現に向けた価値創造プロセス(戦略・目標)

当社は、人々の美と健康の課題を解決するという本業を通じて得た経済価値を、人権や地球・環境、社会、ガバナンスにおける課題解決に向けて適正に還元し、社会と当社の双方の持続可能性を向上させる持続可能な経営を実践していくことで、企業価値を創造してまいります。

 

〇当社経営の4つの前提

当社は、グループ理念、グループビジョンの実現に向けた経営の前提として、当社グループの成長を支える基盤となる、「人間性尊重の職場(人間・人権:Human)」、「ガバナンスの充実・強化(ガバナンス:Governance)」、そして、当社グループが更に成長するための戦略となる、「美と健康への貢献(社会:Society)」、「地球環境の保全(地球・環境:Environment)」を特定し、これら「H・E・S・G」のサイクルにより、当社の企業価値を創造してまいります。

 

〇当社の4つのマテリアリティ

当社は、中長期的な持続可能性と社会への貢献(美と健康の課題解決、社会還元等)を両立させるため、4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。また、これらに紐づく「目指す姿」および「主なKPI」を設定し、ガバナンスの実効性を担保しながら、各施策を推進しております。

 

 

経営の前提

美と健康への貢献

(社会:Society)

人間性尊重の職場

(人間・人権:Human)

地球環境の保全

(地球・環境:Environment)

ガバナンスの

充実・強化

(ガバナンス:Governance)

マテリアリティ

社会の美と健康を

考える

従業員の成長

地球の健康を

考える

ガバナンスの

実効性

目指す姿

人々の美と健康に対する課題を解決し、地域医療をはじめとする社会に大きな安心と喜びを届ける会社

従業員の身近で大切な人にも、働いてほしいと思ってもらえるような、魅力的な会社

事業活動により排出するCO2排出量を実質ゼロにし、エシカル社会に貢献する会社

規律ある経営を実現するマネジメントシステムを確立し、ステークホルダーと向き合う経営を実践する会社

 

主なKPI

目標時期

2030年度

・グループ会員数4,500万人

・重点エリア出店130~150店舗

・従業員意識調査 3.94P

・CO2排出量40%削減(2022年3月期比)

・PB環境配慮型比率60%以上

 

・独立社外取締役比率50%以上

主な取組み

・戦略的出店エリアへの選択と集中

・DXによる利便性追求と運営効率化

・連合体構想に向けたM&Aや業務提携

・健康管理と健康投資の充実/労働環境の整備

・人的資本に投じた投資対効果の可視化

・多様な人材活躍に向けた継続的・計画的育成

 

・スコープ1・2の削減計画の実現 ‐次世代車への切替え、再エネ電力の調達

・スコープ3の削減計画の検討・実行

・株主還元の充実/政策保有株式の解消

・IR/SRを経た情報開示の進化

・情報セキュリティ・デジタルリスク対策強化

 

 

(3)TCFD提言(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同

当社は、持続可能な経営の実践に向け、マテリアリティのひとつに「地球の健康を考える」を掲げております。気候変動への対応を重要な経営課題として認識し、環境負荷を低減し、地球の健康を維持するため、当社グループだけでなくステークホルダーの皆さまと繋がりながら、低炭素社会への貢献・当社PB商品の環境配慮型へのシフト・事業を通じたエシカル消費の普及など、取組みを進めております。

地球温暖化による気候変動が全世界的な課題である現在、当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」について次のとおり設定いたしました。環境負荷低減に継続して取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

① ガバナンス

当社は、事業活動を通じて持続可能な社会への貢献を目指し、代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、常勤監査役、全室長を委員とする「サステナビリティ委員会」(年4回開催)を設置しております。

同委員会を中心に次の体制により、気候変動への対応を推進してまいります。

機関及び部門

役割

取締役会

・サステナビリティ委員会の監督

・気候変動にかかる重要方針や事項の審議・意思決定

サステナビリティ委員会

・気候変動対応の執行状況の進捗管理、報告

・取締役会への報告、提言(年4回・必要に応じて適宜)

・気候変動対応にかかる各分析や対策等の審議・評価

総務企画室(同委員会事務局)

及び関係各部

・気候変動に関するリスクと機会の分析

・事業戦略への影響の把握

・気候変動の緩和や適応につながる対策検討及び情報開示

 

 

② 戦略

気候変動に伴うリスク及び機会は、GHG(温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素社会への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。当社では、これらのリスクや機会による影響を次のとおり整理しております。

当社は、グループの小売事業を中心にリスクと機会について、IEAのNZEシナリオ及びIPCCが想定するシナリオに基づき、炭素価格の導入や電力価格の上昇による店舗コストの増加、気象災害の激甚化による当社への影響分析を行っております。

区分

リスク

財務影響

移行

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・店舗運営コストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

約35億円(年間)

※カーボンプライシング制度導入による影響額を記載しております。NZEシナリオに基づき炭素価格1t当たり140ドルで算出しております。

電力価格の上昇

・エネルギーコストの増加

・原材料調達コストの増加

・製造コストの増加

フロン規制強化

・店舗のノンフロン設備等への投資コストの増加

約8億円(年間換算)

※対象店舗数に1店舗当たりの平均設備投資額を500万円として算出しております。

プラスチック規制強化

・プラスチック規制に対応した代替原材料の調達コストの増加

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

消費者志向の変化

・環境配慮への遅れによるブランドイメージの低下

当社グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される。

物理的

気象災害の激甚化

・価値創造の源泉となる従業員の被害

・店舗自体への被害、店舗休業による売上の減少

当社グループの事業及び財務への影響がやや大きくなることが想定される。

平均気温上昇

・店舗における電気使用量の増加

約7億円(年間)

※空調・冷蔵設備の電力使用量に対し増加率10%で算出しております。

 

 

 

区分

リスク

財務影響

機会

炭素価格の導入・引き上げ、GHG(温室効果ガス)排出規制強化

・低排出量エネルギー源使用による炭素価格増加時の運営コストの削減

約17億円(年間)

※CO2排出量削減率50%及びNZEシナリオに基づき算出しております。

省エネルギー設備投資

・低排出量エネルギー源使用による電力消費の削減

約12億円(年間)

※省エネルギー設備導入可能店舗比率及び使用電力量削減率30%で算出しております。

消費者志向の変化

・環境配慮型商品・サービスの開発による売上の増加

約18億円

※2030年度の売上高目標、PB商品売上高構成比及びPB商品環境配慮型比率におけるKPIを全て達成した前提で、かつ売上増加率2%として算出しております。

 

 

③ リスク管理

現在、当社における気候関連リスクは、当社のリスク管理の一環で実施するリスクアセスメントの項目に「気候変動リスク対策の遅れ」として組み込み、全社リスクのうちの一つとして統合し管理しております。また、当社は、マテリアリティとして「地球の健康を考える」を特定しており、そのリスクの優先度を高めております。

当社は、②戦略に記載のリスクと機会を、サステナビリティ委員会の事務局となる総務企画室とその関係する部門にて、引き続き分析を進めてまいります。その結果や対策は、サステナビリティ委員会にて審議し、同委員会より取締役会へ報告します。この結果を踏まえて、必要に応じて社内のリスクアセスメントの項目を更新し、他のリスクと同様に社内のリスクマネジメント実施計画に則り執行するというプロセスを実践してまいります。

 

④ 指標及び目標

当社はTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、ガバナンス、戦略、リスク管理について公表しております。当社のマテリアリティ「地球の健康を考える」に紐づく各目標として目指す姿を2050年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量実質ゼロ、PB商品環境配慮型比率100%とし、エシカル社会に貢献する会社となります。また、KPIを2030年度グループ全体(店舗・オフィス含む)でCO2排出量40%削減(21年度比)、PB商品環境配慮型比率60%以上、サプライチェーン全体での省エネルギー・省資源化を推進してまいります。

評価機関「CDP(気候変動)」に情報開示し、第三者として評価をしていただき、気候変動への取組みは3年連続で「B」評価を獲得しました。

具体的な対応は、サステナビリティ委員会にワーキンググループとして、タスクチームを設置し、当チームを中心に、気候変動が当社に及ぼす影響を分析してまいります。

 

 

(4)人的資本に関する「戦略」並びに「指標及び目標」

当社グループは、人的資本を企業価値向上の源泉と位置付けております。ドラッグストア事業及び調剤事業においては、従業員一人ひとりの専門性、接客力、提案力及びエンゲージメントが顧客体験や生産性に直結し、中長期的な売上成長及び収益力向上を支える重要な要素であると認識しております。このため、当社グループは人材育成、多様な人材の活躍推進、健康経営及び次世代経営人材育成を人的資本戦略の中核に据え、持続的な企業価値向上に取り組んでおります。

当社グループは「価値を共創し分かち合う」という理念のもと、「従業員の成長」を中長期的な競争優位の源泉と位置付け、人的資本の最大化に努めています。事業戦略の実行やDXによる変革の主体は「人」であり、従業員の専門性や接客力の向上が、客単価や生産性といった事業KPIを経て、最終的にROEなどの財務指標へ直結すると認識しているからです。

本編においては、当社グループの人的資本経営の考え方と変化、従業員に対する思いと実績を次の3つに分けて説明させていただきます。

・《人権尊重、多様な人材が活躍できる職場》

・《働きやすい労働環境、働きがいのある会社》

・《従業員等の健康管理、健康投資》

 

《人権尊重、多様な人材が活躍できる職場》

① 女性活躍とキャリア支援

当社グループは「従業員の成長」を企業価値向上の原動力と捉え、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の強化と次世代リーダーの育成を推進しています。お客様や患者様の約7割が女性であるという事業特性から、女性視点での経営参画が不可欠であると認識しております。2026年4月にはグループ初の女性執行役員を選任したほか、次世代のリーダー候補者育成施策を講じるなど、登用を加速させています。

グループ全体における2025年度の女性管理職比率は23.8%と、前年度(22.9%)から0.9ポイント上昇しました。特に、海外事業会社においては女性管理職比率が50%を超えるなど、多様な人材がリーダーシップを発揮しています。今後は、国内においても「チャレンジ店長・薬局長制度」(注1)を通じて管理職候補の母集団を拡大し、2030年度までにグループの女性管理職比率30.0%の達成を目指します。

(注1)チャレンジ店長・薬局長制度:教育担当及び近隣店舗のトレーナー店長・薬局長によるサポートのもと、店長・薬局長候補者に店長・薬局長を実体験させながら業務を習得させて店長・薬局長に昇進させる研修制度

 

当社グループとして、女性をはじめ多様な人材が活躍できる職場環境の整備に取り組んだ結果、次の主要な小売事業会社7社で「えるぼし3段階」(注2)の認定を得ています。

株式会社マツモトキヨシ

株式会社ココカラファインヘルスケア

株式会社マツモトキヨシ甲信越販売

株式会社愛安住

株式会社マツモトキヨシ九州販売

株式会社MCCソレイユ

株式会社マツモトキヨシ中四国販売

 

 

 

また、「えるぼし2段階」の認定を次の事業会社で得ております。

株式会社マツモトキヨシ東日本販売

 

 

 

引き続き、グループ全体に好事例を共有してまいります。

(注2)女性の活躍推進状況に応じて認定される制度

 

 

② 男女間賃金差異の是正と多様な働き方の推進

当社グループにおける2025年度の男女間賃金差異(全従業員ベース)は54.1%となり、前年度から横ばいの推移となりました。この停滞の背景には、全従業員の約7割を占める非正規社員のうち約80%が女性であるという、小売業特有の「雇用形態による男女の分布の偏り」という構造的課題があります。現状、この低賃金帯に位置する女性の多さが平均賃金を押し下げており、この是正なしに差異の縮小は困難であると分析しています。

この状況を打破するため、賃金差異を改善するロードマップを策定いたしました。具体的には、タレントマネジメントシステムを活用した「戦略的アサインメント」により、現在23.8%に留まっている女性管理職比率を2030年度までに30%以上へ引き上げるほか、優秀な非正規社員の正規社員登用を年間100名以上の規模で定着させ、職位構成の歪みを解消してまいります。

あわせて、2022年度より定着している「特定目的型週休3日制度」に加え、今後は柔軟な勤務時間を可能にするフルフレックス制度の拡充等を行い、育児・介護等のライフステージの変化によるキャリアの停滞を防ぎます。こうした多様な働き方の選択肢と処遇改善をセットで進めることで、性別を問わず全ての従業員が正当に評価され、最大限にパフォーマンスを発揮できる強固な組織基盤を確立し、中長期的な賃金差異の着実な縮小を図ってまいります。

 

③ 障害者雇用の推進と活躍の場の拡大

当社グループは、障害の有無に関わらず「誰もが生き生きと働き続けられる企業」を目指し、特例子会社「株式会社MCCソレイユ」を中心に、多様な人材が能力を発揮できるワークスタイルの創造と社会貢献を推進しています。

これまで、店舗での期限チェックや清掃、本社での経理補助・事務、物流センターでの仕分け業務など、グループ内の幅広い業務職域を開発し、雇用を促進してまいりました。経営統合時の2021年度には2.30%であった雇用率は、全国3,600を超える店舗網や各拠点での積極的な受け入れにより、2025年度には2.71%(法定雇用率2.50%)へと上昇し、着実な成果を上げています。

2026年7月の法定雇用率2.70%への引き上げを見据え、今後は単なる雇用維持に留まらず、「活躍の幅を広げる高度化」に注力いたします。具体的には、デジタル技術を活用した遠隔業務の開拓や、個々の特性に応じた専門スキルの習得支援を強化することで、職域をさらに拡大します。障害のある従業員が組織の生産性向上に直接寄与し、キャリアアップを実現できる環境を整備することで、多様な個性が共鳴し合う持続可能な組織づくりを推進してまいります。

 

④ 高年齢者の活躍推進と人材の最適配置

株式会社MCCアソシエは、グループ内の優れた人材を多方面で活用し、持続可能な社会の実現に貢献すべく事業を展開しています。一般労働者派遣・有料職業紹介事業に加え、定年を迎えた従業員を再雇用し、培われた高度な専門性や接客スキルをドラッグストア、調剤薬局、事務部門などへ繋ぐことで、優秀なベテラン人材が長期間にわたり輝き続けられる環境を提供しています。

特に、現場のニーズを熟知した高年齢従業員による後進の育成や、店舗運営の品質維持における貢献は大きく、定期的な面談を通じて従業員のやりがいと現場の課題解決を両立させています。また、店舗支援事業では商品陳列業務を請け負うほか、需要が増加している宅配事業においても、地域に精通したシニア層が店舗宅配業務の一翼として活躍しています。

特に、現場で働く従業員の健康維持と「長く働き続けられる環境づくり」を重視しており、身体的な負担を軽減するための設備導入を積極的に進めています。立ち仕事による足腰への負担を和らげる「レジ椅子」の設置や、体圧を分散させる「レジマット」の導入はその一環です。こうしたハード面でのサポートにより、高年齢従業員を含めた誰もが、無理なくその経験や能力を最大限に発揮できるよう取り組んでいます。

今後も、一人ひとりの健康と働きやすさに寄り添った環境整備を通じて、やりがいを持って「生涯現役」で活躍できる組織基盤を強化し、持続的な地域社会の実現に貢献してまいります。

労働力人口が減少する中、2025年度には約3,500名の従業員が店舗支援事業等に従事しています。今後は、これまでの経験を活かした「店舗運営アドバイザー」や「教育トレーナー」としての職域拡大など、さらなる活躍の幅の多元化に挑戦します。高年齢者が「生涯現役」として能力を最大限に発揮できる環境を整備し、グループ全体の持続的な成長と適材適所の人材配置を実現してまいります。

 

 

⑤ 次世代経営人材とグローバル人材の育成

中期経営計画の達成に向け、重要ポストに対する後継者充足率200%(ポスト数に対し2倍の候補者確保)を目標に掲げております。現状は経営層候補138.8%、管理層候補168.1%と目標に対し乖離があるため、タレントマネジメントシステムによる人材の可視化を基盤に、リスキリングや戦略的アサインメントを強力に推進します。そして、多様な才能が共鳴する組織基盤を確立し、持続的な企業価値向上を実現してまいります。

また、台湾、香港、タイ、ベトナム、マレーシア等における海外事業の成長を牽引するグローバル人材の育成にも注力しております。国内で培った教育研修プログラムを現地の特性に合わせて最適化し、現地スタッフの育成を図るほか、日本と海外拠点間での双方向のグローバル研修を導入しています。これにより、現地法人の経営を担う人材の育成と、日本から海外への赴任者の早期戦力化を同時に実現し、グローバル展開を力強く推し進める人材基盤を強化しております。

 

《働きやすい労働環境、働きがいのある会社》

① 従業員意識調査の活用とエンゲージメントの向上

経営統合後の従業員の意識や職場の現状を多角的に把握するため、当社グループでは従業員意識調査を毎年実施しています。経営統合1年目の調査では5.00Pt満点中3.40Ptでしたが、経営統合3年目の2024年度は3.45Pt、そして最新の2025年度調査では3.55Ptと着実な上昇を見せています。特筆すべきは、全ての事業会社および全ての社員区分においてスコアが改善している点であり、グループ全体に成長の機運が浸透している証拠といえます。なお、最新調査の回答率は99.7%と極めて高く、従業員の関心の高さが示されています。

この改善の背景には、経営層による積極的な対話があります。年度の節目や賞与支給、ベースアップのタイミング等で経営メッセージを継続的に発信し、従業員の帰属意識とモチベーション向上を図ってまいりました。また、労使共同施策として実施している「都道府県別コミュニケーション集会」では、経営層と現場が自由闊達に意見を交わし、グループ間の垣根を越えた一体感を醸成しています。

今後は、ポイントが向上した好事例を全事業会社へ水平展開し、マネジメント層によるコミュニケーションの質をさらに高めることで、マテリアリティKPIとして掲げる2030年度の従業員意識調査スコア3.94Ptの達成を目指すとともに、グループ全体のエンゲージメント向上と持続的な企業価値創造へ繋げてまいります。

こうした経営層との継続的な対話や労働環境改善の成果は、従業員の「定着力の向上」として定量的な結果に表れています。新卒入社3年以内の離職率につきましては、経営統合直後の環境変化等により2023年度には35.2%まで上昇したものの、上記施策の浸透により2024年度は31.0%、2025年度には20.3%へと劇的な改善を実現いたしました。今後も、採用した優秀な人材が長期的に専門性と接客力を磨き続けられる組織風土を構築し、持続的な生産性の向上に繋げてまいります。

 

従業員意識調査結果(5.00Pt満点)


 

② テクノロジーによる人間性の解放(創出した「時間」を戦略的価値へ再投資)

テクノロジーによる人間性の解放、すなわち創出した「時間」を戦略的価値へ再投資することは、現代の人的資本経営における最大の命題です。私たちは、テクノロジーを「人を置き換えるもの」ではなく「人を自由にするもの」と定義しています。中期経営計画(第2次中計期間)の重点テーマである「DX」を実現するため、当社はビューティープラットフォーム「LIPS」を運営する株式会社AppBrewを2024年12月グループに迎え入れ、高度なデジタル技術・エンジニアリング人材の確保と育成を戦略的に推進しています。このグループインを通じて、革新的なビジネスモデルの構築とグループ全体の生産性向上につなげています。DX推進においては、生成AIを「パーソナル・アシスタント」として従業員に提供するだけでなく、業務特性に応じて生成AI、自動化(VBA/RPA等)、データ活用、業務標準化といった最適手段を選択するアプローチを採用し、変革の最大化を図ります。さらに、全社的なBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)によって、慣習的に行われてきた不要な会議や事務作業を徹底的に削減し、組織全体のスピード感を高めています。

 

主要事業領域である調剤薬局においては、高度な専門性と地域医療への貢献を担う人材を育成するとともに、現場の業務効率化と負荷軽減を両立させるため、調剤DX推進を強化しています。具体的には、専門職である薬剤師を調剤DX推進担当として配置する「調剤DX推進課」を設置し、現場の実態に即した変革を断行しています。こうして創出した「余剰時間」は、決してコスト削減にのみ使われるものではありません。私たちはこの時間を、お客様との対話を通じた深いカウンセリング、後輩への技術継承、そして次なるヒット商品やサービスを生み出すための「創造的な思考」へと意識的に再投資します。また、多様な専門人材を惹きつけ、定着させるための「働き方の柔軟性」においても業界をリードします。職務の性質に応じたABW(Activity Based Working)の推進や、スーパーフレックス、エリア限定正社員、さらには個人の自律的なキャリア形成を支えるメニューを拡充しています。従業員が自分らしく働き、高い活力を保つことが、結果として顧客への最大限のパフォーマンスにつながります。この好循環を、強固なテクノロジー基盤の上に築き上げてまいります。

 

③ 男性育児休業の推進とワークライフバランスの深化

当社グループは、少子化対策への貢献と多様な働き方の実現に向け、男性の育児休業取得を強力に推進しています。ロールモデルの情報発信や取得前の事前面談を徹底することで、休業への不安を払拭し、安心して復帰できる文化を醸成してまいりました。また、復職時の不安を軽減するため、休職中の従業員を対象としたオンライン座談会「ウォーミングアップ座談会」を開催。先輩社員の体験談共有や制度相談を通じ、スムーズな職場復帰を強力に支援しています。

これらの取り組みにより、2025年度の男性育児休業取得率は65.6%と、前年度(54.1%)からさらに10ポイント以上上昇しました。また、対象者一人当たりの平均取得日数も68日(前年度45日)と大幅に伸長しており、厚生労働省発表の全国平均(2024年度実績:40.5%)を大きく上回る水準で推移しています。

男女問わず育児休業を当然の権利として活用する意識が組織全体に深く浸透した結果であると捉えています。今後も、夫婦が互いに協力し合いながらキャリアと育児を両立できる職場環境の整備に努め、組織全体の生産性向上へと繋げてまいります。

 

④ アスリートアンバサダーへの支援と活躍

従業員が健康で働き続けられることは、本人や家族の幸せのみならず、会社の持続的な成長に不可欠です。当社グループでは、自らの夢や目標に挑戦し続ける従業員の姿が、組織全体の健康維持・増進の模範となると考え、社内制度「個人アスリート支援プログラム」を運用しています 。

現在、デフサッカー・フットサル、ボクシング、ポールスポーツの各分野で世界に挑む「アスリートアンバサダー」3名を支援しており、2025年度は歴史的な成果が相次ぎました 。

デフサッカー・フットサル:日本初開催となった「東京2025デフリンピック」にデフサッカー女子日本代表として出場し、強豪アメリカとの決勝戦を経て、同競技女子日本代表史上初となる銀メダルを獲得しました。

ボクシング:「全日本ボクシング選手権大会」および「全日本社会人ボクシング選手権大会」で優勝し、共に最優秀選手賞を受賞する快挙を成し遂げました。

ポールスポーツ:「全日本ポール&エアリアルスポーツ選手権大会2025」ポールスポーツ部門で優勝し、世界大会でも第5位に入賞するなど、国際舞台で活躍しています。

ご紹介しております、アスリートアンバサダーは当社グループの従業員として勤務しております。アスリートアンバサダーが国際舞台で歴史的な偉業を成し遂げる姿は、私たちグループ全従業員に大きな勇気と感動を与えています。アスリートアンバサダーは社内イベントにも積極的に参加するほか、国際舞台での挑戦に対し、従業員は競技会場への応援を通して一体となって熱い声援を送っており、その挑戦を続ける姿勢は、全従業員の健康意識の向上と、活力ある精神状態(メンタルヘルス)の維持・改善に寄与しています。当社グループは、一人ひとりの「やりたい」を応援し、多様な才能が共鳴し合う文化の醸成を推進しています。今後も「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」というビジョンのもと、従業員の夢の実現と、健やかで活力ある社会の創造に貢献してまいります。

 

 

《従業員等の健康管理、健康投資》

持続的な成長のためには、従業員の健康が不可欠です。お客様にとって最も親切なお店であるためには、まず働く従業員の健康が前提となります。

 

① マツキヨココカラ&カンパニー健康宣言

「グループ理念」に基づき、お客様の健康のために奉仕し、健康増進をサポートするためには、従業員自身が健康であることが不可欠です。健康でなければ、お客様にとって最も親切なお店になることはできないと考えております。

当社グループは、会社の成長を支える従業員とご家族の心身の健康を重要な経営資源の一つと考え、健康維持・増進に対する積極的な支援と組織的な健康づくりの推進により、従業員一人ひとりがいきいきと豊かで健康な社会生活を営みながら、地域医療及び経済の発展に貢献する企業を目指します。

 

健康経営の推進体制

 

従業員の健康管理を推進するため、代表取締役社長を責任者とする「健康管理推進タスクチーム」を設置し、健康管理を経営の視点から考えて戦略的に実践しています。

また、2023年12月にウエルネスサポートセンターを設立し、2024年4月には部レベルに組織を変更しました。自社内の保健師を増員したうえで、健康保険組合・安全衛生委員会・労働組合ともさらに連携を強化し、健康経営を推進しております。

 

 


 

 

健康経営の取り組みに対する評価

 

当社グループの健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する健康経営の取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に7年連続で認定され、また「大規模法人部門」に認定された3,765法人のうち上位500位内である「ホワイト500」として、2年連続で認定を受けました。

 

 


 

② 健康経営の推進と「リスク区分別健康支援アプローチ」の導入

生産性の向上につながる高いパフォーマンスを発揮するためには、心身の健康が不可欠です。当社グループでは、自身の健康状態を把握する基盤として定期健康診断の受診を徹底しており、受診率は100.0%を達成いたしました。

2025年度からは、定期健康診断の結果に基づき健康リスクを3段階に分け、リスク区分に応じた保健指導の通知および窓口を「ウエルネスサポートセンター」で一元化するリスク区分別健康支援アプローチを新たに導入いたしました。レベルI(生活習慣改善)、レベルII(通院奨励)、レベルIII(ハイリスク)と、それぞれに最適化された支援を開始しています。

特定保健指導においては、測定データと健康保険組合の各種データを活用し、専用アプリによる運動や体組成の管理を行っています。管理栄養士への継続的な研修により指導の質を高めた結果、2025年度の特定保健指導実施率は53.7%(前年度49.8%)へと上昇いたしました。

従業員の健康維持は医療費削減にも直結するため、引き続き「持続可能な生活改善」に重点を置いた支援を行い、リスク層の低減を目指します。また、当社グループ外からの保健指導受託も継続し、管理栄養士の職域拡大にも積極的に取り組んでまいります。

 

 

ストレスチェック及びプレゼンティーイズム

健康状態は、身体ばかりでなく心も重要な要素です。2022年度以降、従業員に対してストレスチェックを実施しており、2025年度も100.0%の実施率を継続しております。ストレスチェックの実施に留まらず、集中力や意欲といったパフォーマンスが低下する状態を把握すべく、プレゼンティーイズムを踏まえた集団分析を行っております。2025年度のプレゼンティーイズム(※)の結果は22.0%となり、前年度(23.2%)から1.2ポイント低下(改善)いたしました。

※出勤しているものの、何らかの心身の健康問題によって、業務パフォーマンスが低下している状態

健康維持・増進活動に対する支援の一環として、2024年7月に保健師による健康相談窓口を開設し、心身の不調や健康診断結果に関する疑問、不安など、健康に関する課題に対して相談できる環境を整備しております。健康相談窓口では、電話やオンラインだけでなく、オフィスでの対面相談も実施しています。従業員がストレスチェックの結果やプレゼンティーイズムのスコアを確認し、自ら相談できる環境を整えることで、健康に対する意識を高め、ウェルビーイングのさらなる向上を目指してまいります。

当社グループでは、店舗及び調剤薬局における地域医療を担う従業員の健康状態が、顧客体験やサービス品質に直結すると認識しております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。

ただし、文中の将来に関する記載は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下の記載は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。

なお、各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については合理的に予見することが困難であるため記載しておりませんが、当社グループはこれらのリスクに対する管理体制を「第4提出会社の状況 4コーポレートガバナンスの状況等」に記載のとおり整備し、リスクマネジメント活動を行っております。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 競合状況の発生、競争の進化について

当社グループは、同業のドラッグストアに加えて、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ディスカウントストア等の小売業や、ネット通販等の店舗を持たないeコマース企業とも競合しています。これらの企業との競争が激化することにより当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらの企業との競争のために、各種販売促進策、PB(プライベートブランド)商品を含む商品・サービスの品揃えの強化や品質の向上、多様な店舗フォーマットの開発やデジタル・マーケティングの推進を実施しています。

 

② インバウンド需要について

各国における政治・経済情勢や自然災害・伝染病等の発生によって、日本への渡航規制等による訪日外国人の減少が起きた場合には、インバウンド需要が減少して当社グループの事業計画や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制について

ⅰ)許認可・免許等に関する規制等について

当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」という。)」に基づき、医薬品、医療機器等を販売するための店舗販売業許可、薬局開設許可、高度管理医療機器等販売業許可等が必要であり、医薬品等の販売や陳列等についても広く規制されております。介護事業については、介護保険法に基づく居宅介護支援事業者指定、訪問介護(介護予防)指定等を受けております。その他にも労働関連規制、個人情報保護規制等様々な法規制の適用を受けています。そのため、これらの法規制の改正及び予期し得ない処罰・訴訟の提起による対応コストの増加、社会的信用の低下等により当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ⅱ)出店に関する規制等について

当社グループは、1,000㎡超の店舗の新規出店及び既存店の増床等について、「大規模小売店舗立地法」による規制を受け、都道府県知事(政令指定都市においては市長)への届出が義務付けられています。また、「大規模小売店舗立地法」の規制に準じて、地方自治体との調整が必要になる場合があります。このため、新規出店及び既存店の増床等において、出店地域によっては出店政策に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 薬剤師等の確保について

医薬品医療機器等法上、薬剤師が薬局を、薬剤師又は医薬品登録販売者が店舗販売業の店舗を、実地に管理しなければならないとされ、また、医薬品の販売は薬剤師又は医薬品登録販売者が行わなければならないとされています。更に、「薬剤師法」では、調剤業務は薬剤師が行わなければならないとされています。このため、店舗展開においては薬剤師及び医薬品登録販売者を確保することが重要となり、十分に確保できない場合には当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、雇用条件や職場環境の改善等を行うとともに、積極的な採用活動を通じて安定した人材確保に努めています。

 

⑤ 人材の確保と育成について

代表取締役をはじめとする取締役及び従業員は、当社グループ経営に重要な役割を果たしています。取締役等の経営幹部が業務執行できない事態が生じた場合、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

従業員については、事業拡大に応じた、人材の確保、育成、教育を行っていますが、他社からの引き抜き等により人材確保が十分にできなかった場合には、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、優れた人材を確保することによる採用コスト・人件費の増加や、従業員の育成において継続的に研修コストの増加が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 調剤の事業環境について

調剤業務における売上高となる、医療用医薬品の価格(薬価)と調剤報酬は法令により定められています。今後、薬価基準や調剤報酬の改定が行われた場合、また医薬分業率が変動するなど外的環境が著しく変化した場合には、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、将来の社会保障、法改正を見据え「専門医療機関連携薬局」への対応や「地域包括ケアモデル」の拠点拡大を進めます。

 

⑦ 中東情勢等に起因する地政学的リスク

中東情勢不安に伴う原油・エネルギー価格の高騰や、それに起因する原材料・物流コストの上昇による仕入価格等の変動により、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域におけるサプライチェーンの混乱や世界的な景気後退は、当社の調達・販売活動に支障をきたす恐れがあります。これらに対し在庫確保等の対策を講じておりますが、事態の深刻化によっては影響を完全に回避できない可能性があります。

 

(2)事業運営に関するリスク

① 医薬品の販売について

当社グループの店舗のうち、調剤専門薬局及び調剤併設店舗においては、調剤監査システム導入等の万全な管理体制の下、調剤過誤の発生防止に細心の注意を払っています。また、要指導医薬品及び一般用医薬品についても、販売時における適正な情報収集と情報提供を行い、正しい服用方法、濫用防止に努めています。

しかしながら、調剤薬の不具合や調剤過誤等により、将来、訴訟を提起されるようなことがあった場合には、経済的損失を被るだけでなく、当社グループの社会的信用を損なう等の理由により、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 商品の安全性について

近年消費者による、商品の安全性に対する要求が一段と高まっております。今後品質問題等により商品の生産・流通に問題が生じた場合及び当社グループが販売する商品に問題が生じ社会的信用を低下させた場合には、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、お客様・患者様からの信頼を高めるため、品質管理・商品管理体制を引き続き強化してまいります。

 

③ PB商品について

当社は、PB商品の開発・販売を行っています。開発にあたっては消費者ニーズの分析や販売動向の予測を行い、新商品の開発や商品力の強化を進めています。また、関係法令を遵守し、取引先を含めた品質管理の徹底、外装やパッケージ等の表示・表現等の適正化を図っています。

しかしながら、当社PB商品に起因する事故等が発生した場合や、PB商品が消費者ニーズに合致しなくなった場合には、当社に対する信頼の低下、売上高の低迷等により、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 店舗展開について

出店候補地については、同業のドラッグストアだけでなく、他の小売店や飲食店等との競合が発生し、思うように確保できない場合があります。また、出店交渉の進捗状況、賃貸人側の事情、「大規模小売店舗立地法」に基づく届出の進捗等により着工が遅れる場合もあります。このような場合、出店遅延や出店計画の変更などの発生により、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、店舗賃貸借契約においては、敷金や保証金、建設協力金等の預託・貸付を行うことがあります。与信には十分な注意を払っていますが、賃貸人が倒産等の状況に至った場合、敷金や保証金、建設協力金等を回収できなくなることにより、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報漏えい、システム障害等について

当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」に定められている個人情報取扱事業者として個人情報の取り扱いに係る義務の遵守が求められます。当社グループにおいては、膨大な会員情報や調剤に関する情報等の個人情報を保有しているため、内部管理体制の強化を図り、個人情報の管理については細心の注意を払っています。同様に、当社グループは様々な機密情報を保有しているため、情報ネットワークやシステムには安全対策を施していますが、外部からの不正アクセスやコンピューターウイルスによる攻撃、従業員その他の関係者の悪意又は過失による流出といった事態により、これらの情報が漏えいした場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、何らかの理由により情報システムや物流システムに障害が発生した場合には、店舗での営業、その他重要な業務やサービスの停止等を引き起こし、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 保有資産の価値の変動について

当社グループは、店舗をはじめとする事業用の資産や企業買収の際に生じるのれん等の様々な有形・無形の資産を保有しております。これらの資産について、店舗の収益性及びその他事業環境の変化等により、減損処理が必要になった場合には、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

2021年10月1日付けで実施した株式会社ココカラファインとの経営統合により発生した、のれん及び無形資産については、今後の事業環境等の変化により、期待する効果が得られないと判断された時は、減損処理を行う場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、有価証券等の金融資産を保有しており、その時価の変動によっては評価損が発生する可能性があります。

 

⑦ 介護事業について

介護事業については、老人福祉法、介護保険法等の法的規制を受けております。法改正により介護報酬額が改定された場合は、商品・サービスの設計及び料金体系の見直しが必要となります。また、人を対象とした事業であるため、施設内での事故や感染症、食中毒等が発生した場合、様々な対策を講じていますが、営業継続が困難となる可能性があります。加えて介護福祉士・看護師・ケアマネージャー等の資格を持った専門職員が不足するリスクがあり、その場合当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 海外事業について

当社グループは、マーケットの拡大が期待できる地域として特に東アジア地域に重点を置いて海外事業を展開しておりますが、これらの地域において、政治・経済情勢、対日感情、労働環境、法的規制等の変化や、労働問題、大規模なデモ活動、テロ行為、自然災害、感染症の流行等が発生した場合、当社グループの事業計画や業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(3)自然災害、重大な感染症、気候変動等について

当社グループのドラッグストア及び調剤薬局等において、大地震や台風等の自然災害、著しい天候不順、予期せぬ事故等が発生した場合、客数低下による売上減のみならず、店舗等に物理的な損害が生じ、当社グループの販売活動・流通・仕入活動が妨げられる可能性があります。また、国内外を問わず、災害、事故、暴動、テロ活動並びに当社グループとの取引先や仕入・流通ネットワークに影響を及ぼす何らかの事故等が発生した場合も同様に、当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ライフライン(医療機関)の一翼を担うドラッグストア・調剤薬局を中核事業とする当社グループは、未知のウイルス感染症の流行などが発生した場合、お客様、患者様や従業員の人命、安全を確保した上で、地域及び社会への責任を果たすため、感染症流行時における営業継続への対策を講じていますが、感染拡大や蔓延状況に応じて、営業時間の短縮や、営業店舗の限定等の措置をとる可能性があり、その場合当社グループの事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、地球温暖化による気候変動が世界的な課題である現在、当社グループにおいても、気候変動をサステナビリティ経営上の最重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。当社グループでは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、気候関連リスクをリスク管理の一環として実施するリスクアセスメントに「環境問題」として組み込み、全社リスクのうちの一つとして管理しております。また、マテリアリティとして「地球の健康を考える」を特定しており、そのリスクの優先度を高めております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかに回復しておりますが、地政学リスクの高まり、金融資本市場の変動等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

ドラッグストア業界においても、業種・業態を越えた競合企業の新規出店、商勢圏拡大に向けた新たなエリアへの侵攻、M&Aによる規模拡大、同質化する異業種との競争、それらが要因となる狭小商圏化など、当社を取り巻く経営環境は厳しい状況が継続しております。

このような環境の中、2031年3月期のグループ経営目標達成に向けて設定した「価値を共創し分かち合う」という基本的な考え方に基づいた以下の3つの重点戦略を推進いたしました。

① 差別化戦略:当社ならではのプラットフォームビジネスの強化

お客様に選ばれ続ける企業を目指し、事業ドメインである美と健康の分野で当社にしか出来ない新しい価値をお客様に提供するため、当社の強みである魅力的な商品・サービス、価値や体験、大都市圏を中心とした店舗網、そして多くの顧客接点からもたらされるクローズドな情報などを活用し、ドラッグストアと調剤事業のシームレスな連携によるお客様の利便性向上と、当社ならではのBtoBを含む事業領域の拡張を推進いたしました。

② 投資戦略:価値共創に向けたビジネスインフラへの投資

収益の持続的な獲得を目指し、当社のプラットフォームを支える基盤への投資を実施いたしました。具体的には、デジタル技術によるお客様の利便性追求と運営効率化、そして事業領域拡張に向けたシステム投資を積極的に行いました。また、大都市圏を中心とする重点エリアへの出店を強化するとともに、M&Aによる事業規模の拡大に向け、当社グループに参画しやすい体制を整備し、連合体構想を推進するため、2025年8月1日に中間持株会社である株式会社アンドカンパニーを新設し、九州北部エリアにおいて調剤薬局・ドラッグストアを展開する株式会社新生堂薬局を同社の子会社とするとともに、調剤併設化を推進したことで、2026年3月末現在における当社グループの国内店舗数は3,618店舗(うち調剤薬局数1,112店舗)となりました。ASEANを中心とした新規国進出による海外事業の拡大としてマレーシアでの事業を開始したほか、人的資本への投資として、従業員にとって働きやすい労働環境、働きがい・やりがいのある環境の整備や、プロフェッショナル、グローバル人材の継続的な育成と従業員エンゲージメントの向上を図っております。

③ 社会貢献・還元:企業価値向上に資する持続可能な経営の実践

当社グループ理念・グループビジョンの実現と企業価値の向上に資する持続可能な経営に向け、ステークホルダーへの安定的な還元、コーポレートガバナンスの充実、環境・社会への対応(気候変動対応、地域医療サポート)、資本市場からの要請対応(資本コスト経営、最適資本構成検討)を行っております。

さらに、当社が展開する「マツモトキヨシ」のブランドは、世界最大のブランディング専門会社であるインターブランド社によるグローバルに展開される日本発のブランド価値評価ランキング「Best Japan Brands 2026」において63位にランクインし、2026年も日本のドラッグストアとしてナンバーワンブランドの評価をいただきました。あわせて、当社の健康経営についても、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人2026(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定されました。

これらの結果、当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。

 


 

セグメントの業績概況について

<マツモトキヨシグループ事業>

マツモトキヨシグループ事業では、1億6,955万の顧客接点を活用し、店舗とアプリ・オンラインストアを融合する施策の推進や、ドラッグストアと調剤事業のシームレスな連携によるお客様の利便性向上、デジタル技術による運営効率化等、「差別化戦略」を推進いたしました。

PB(プライベートブランド)商品においては、「matsukiyo」誕生10周年の節目として、初の体験型ポップアップストア「matsukiyo Beauty School」の開催や、業界初となる人気コスメブランドとのスペシャルコラボレーションを実施するなど、ブランド認知度及び価値の向上に努めてまいりました。 また、「INJESK(インジェスク)」に続き、高品質な新スキンケアブランド「MQURE derma×(エムキュア ダーマバイ)」の展開を開始するなど、膨大な顧客接点と精度の高い分析力を活用した、市場ニーズを捉えた高付加価値な商品開発を推進しております。加えて、メーカーとの取り組みによる共創品や専売品の発売、「ARGELAN(アルジェラン)」や「RECiPEO(レシピオ)」など既存ブランド商品のリニューアルやラインナップの拡大も継続的に進め、独自性の高い商品提供を通じて、収益性の向上とブランド価値の最大化を図ってまいります。

また、都市圏を中心とする重点エリアへの出店強化と、調剤併設化の推進、ASEANを中心とした新規国進出も含めた海外事業の拡大等、「投資戦略」を推進しております。なお、当社グループの新たな取り組みを象徴する店舗展開を推進するため、6店舗目のフラッグシップとして、マツモトキヨシ渋谷Part1店を全面リニューアルし、日本初、ドラッグストア初などの商品を展開し、大型LEDサイネージによる空間演出で期待感を醸成する情報発信基地「SHIBUYA SCRAMBLE FLAG」をオープンいたしました。このような取り組みを通じ、さらなるブランドイメージの確立、他社との差異化を図っております。2026年3月末現在におけるマツモトキヨシグループ事業の国内店舗数は1,970店舗(うち調剤薬局数481店舗)となり、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は313店舗まで拡大いたしました。また、マレーシアに新規出店し、海外店舗数はタイ王国で37店舗、台湾で23店舗、ベトナム社会主義共和国で20店舗、香港で18店舗、グアムで1店舗、マレーシアで1店舗の合計100店舗となりました。

マツモトキヨシグループ事業では、都市部や繁華街、商業施設における人流の増加や、訪日外国人観光客の需要動向を取り込み、化粧品を中心に売上が好調に推移いたしました。

 


 

<ココカラファイングループ事業>

ココカラファイングループ事業では、国内における「差別化戦略」、「投資戦略」等の重点戦略に対して、マツモトキヨシグループ事業と同様の取り組みを実行するとともに、アプリを活用した効率的かつ効果的な販促策の実施によりロイヤルカスタマーの醸成を推進いたしました。また、当期はさらなる収益性の向上を目指し、計画に基づき、人的資本の再配置や経営資源の最適化を目的としたスクラップ&ビルドを推進いたしました。2026年3月末現在におけるココカラファイングループ事業の国内店舗数は1,536店舗(うち調剤薬局数538店舗)となりました。

 


 

<アンドカンパニー事業>

アンドカンパニー事業は、2025年10月1日に、九州北部を中心に調剤薬局及びドラッグストアを展開する株式会社新生堂薬局を子会社化したことにより、第3四半期より新たに報告セグメントとして追加しております。

同社の強みと当社グループのノウハウ・リソースを融合させることで、ドミナントエリアにおけるシェア拡大とお客様の利便性の向上を図ってまいります。シナジー創出に向けて、商品調達やシステムの統合など具体的な検討及び施策を推進しております。2026年3月末現在におけるアンドカンパニー事業の国内店舗数は112店舗(うち調剤薬局数93店舗)となりました。

 


 

[国内店舗の出店・閉店の状況]

国内店舗の出店・閉店の状況は次のとおりであります。

(単位:店舗)

 

2025年3月31日現在の店舗数

子会社化等

出店

閉店

2026年3月31日現在の店舗数

マツモトキヨシグループ事業

1,938

66

34

1,970

ココカラファイングループ事業

1,561

26

51

1,536

アンドカンパニー事業

-

112

0

0

112

合計

3,499

112

92

85

3,618

 

 

<管理サポート事業>

管理サポート事業では、当社グループ会社が取り扱う商品の仕入や当社グループ会社の経営管理・統轄、その間接業務の受託業務、当社グループ会社からの配当金収入及び、外部への商品供給・施工業務・広告宣伝等を行っており、業務活動の範囲も拡大しております。

 


 

 

これらの結果、セグメントの業績は次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

マツモトキヨシ

グループ事業

売上高

667,226

711,413

44,186

6.6

 

セグメント利益

57,952

60,818

2,866

4.9

 

ココカラファイン

グループ事業

売上高

391,026

389,977

△1,049

△0.3

 

セグメント利益

23,805

23,456

△348

△1.5

 

アンドカンパニー

事業

売上高

12,948

12,948

 

セグメント利益

200

200

 

管理サポート

事業

売上高

655,142

683,585

28,443

4.3

 

セグメント利益

20,185

17,137

△3,048

△15.1

 

調整額

売上高

△651,768

△680,484

△28,715

 

セグメント利益

△19,860

△16,677

3,182

 

合計

売上高

1,061,626

1,117,440

55,813

5.3

 

セグメント利益

82,082

84,935

2,852

3.5

 

 

 

 

売上及び仕入の状況は次のとおりであります。

① 事業部門別売上状況

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
   至 2026年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

マツモトキヨシグループ事業

711,030

106.6

ココカラファイングループ事業

389,926

99.7

アンドカンパニー事業

12,947

管理サポート事業

3,534

95.8

合計

1,117,440

105.3

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

② 地区別売上状況

当連結会計年度の売上実績を地区ごとに示すと、次のとおりであります。

地区別

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
   至 2026年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

備考

店舗売上

 

 

 

 

北海道・東北エリア

(129店舗)

33,029

100.9

関東エリア

(1,508店舗)

537,978

104.4

20店増

甲信越・北陸エリア

(242店舗)

58,518

99.9

1店減

東海エリア

(307店舗)

68,120

97.2

11店減

関西エリア

(740店舗)

219,346

102.0

中国・四国エリア

(213店舗)

41,580

93.5

5店減

九州・沖縄エリア

(398店舗)

83,629

121.5

116店増

海外エリア

(41店舗)

18,880

403.5

17店増

合計

(3,578店舗)

1,061,083

105.1

136店増

 

(注)1.地区別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

2.店舗数は2026年3月31日現在であります。

3.当連結会計年度より連結の範囲に含めたMATSUMOTO KIYOSHI (HK) CO., LIMITEDを海外エリアに含めております。

4.2025年10月1日付けで子会社化した株式会社新生堂薬局を関東エリア、九州・沖縄エリアに含めております

 

 

③ 商品別売上状況

当連結会計年度の売上実績を商品グループごとに示すと、次のとおりであります。

商品グループ別

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
  至 2026年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

店舗売上

 

 

医薬品

387,707

105.1

化粧品

381,282

107.9

日用品

194,103

100.0

食品

97,990

104.7

合計

1,061,083

105.1

 

(注)商品別売上状況は管理サポート事業を除いております。また、上記の金額には営業収入(テナントからの受取家賃及びフランチャイジーからのロイヤルティ収入等)は含まれておりません。

 

④ 主要顧客別売上状況

該当事項はありません。

 

⑤ 商品別仕入状況

当連結会計年度の仕入実績を商品グループごとに示すと、次のとおりであります。

商品グループ別

当連結会計年度
(自 2025年4月1日
  至 2026年3月31日

金額(百万円)

前期比(%)

店舗仕入

 

 

医薬品

217,551

103.5

化粧品

250,191

106.0

日用品

135,914

97.0

食品

84,088

104.3

合計

687,745

103.1

 

(注)商品別仕入状況は管理サポート事業を除いております。

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて430億51百万円増加して7,558億31百万円となりました。これは主に、商品が158億28百万円、売掛金が100億50百万円、現金及び預金が79億95百万円、建物及び構築物が32億19百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

負債につきましては、200億99百万円増加して2,113億80百万円となりました。これは主に、買掛金が115億15百万円、その他の流動負債が30億95百万円、未払法人税等が22億81百万円増加したこと等よるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては、229億51百万円増加して5,444億51百万円となりました。これは主に、資本剰余金が121億33百万円減少したものの、利益剰余金が355億69百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,196億70百万円となり、前連結会計年度末と比較して79億19百万円増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、732億1百万円(前期は814億72百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益880億7百万円の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、342億23百万円(前期は207億92百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出132億73百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出102億61百万円、無形固定資産の取得による支出68億66百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、341億41百万円(前期は666億62百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額による支出188億58百万円、自己株式の取得による支出152億99百万円等によるものであます。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を新規出店に係る設備投資に充当しております。

 

 

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

・当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する分析・検討内容

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績及び(2)財政状態」に記載のとおりであります。

・経営成績に重要な影響を与える要因

「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

・セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績及び(2)財政状態」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

・資本の財源及び資金の流動性

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

(株式譲渡契約)

当社は、2025年8月13日開催の取締役会において、当社の子会社である株式会社アンドカンパニー(本社:東京都文京区。以下、「アンドカンパニー」といいます。)が、株式会社新生堂薬局(本社:福岡県福岡市。)の全株式を取得し、子会社化することについて決議しました。これを受けてアンドカンパニーは、同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年10月1日付で全株式を取得しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(株式譲渡契約)

 当社は、2026年2月13日開催の取締役会において、当社の子会社である株式会社アンドカンパニー(本社:東京都文京区。以下、「アンドカンパニー」といいます。)が、ユニバーサルドラッグ株式会社(本社:東京都北区。)の株式を取得し、子会社化することについて決議しました。これを受けてアンドカンパニーは、同日付で株式譲渡契約を締結し、2026年4月1日付で全株式を取得しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。