文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは統合10年を機に、2018年4月に「私たちの考え方」を制定し、今後の更なる成長に向けて企業の目指す方向性を明確に定めました。グローバル化の加速により、一層の“変化”が求められる現在、今まで培ってきた暖簾、顧客、その他有効資産に加えて、IT・店舗・人の力を活用した新時代の百貨店をめざし、デジタル技術を活用することにより、世界中のモノ・コトとお客さまのつなぎ手となることをめざしてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、お客さまのご満足の最大化実現及び収益安定化に向けて、再投資原資となる営業利益をはじめとした複数の経営指標を持ち、その向上に取り組んでおります。当面は、三越と伊勢丹統合以来最高益である営業利益350億円の早期回復、その先の営業利益500憶円の達成を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
「私たちの考え方」をベースとし、2018年11月に三越伊勢丹グループ中期経営計画を策定いたしました。「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の確立に向け、当社の強みを活かし、お客さまとモノ・コト・情報を「オフライン(店舗)とオンライン(EC)でマッチング」することで新たな価値を創造していくこと目指しております。そのための重点戦略を確実に加速させてまいります。
重点取組①「新時代の百貨店」実現に向けた取り組み推進
「新時代の百貨店」の実現に向けて、「既存店舗のビジネスモデル改革」「新規事業の創出」を進めております。当社グループの基幹店である三越日本橋本店の第2期リモデル、伊勢丹新宿本店本館のリモデルを予定通り推進いたします。リモデルにあわせて新たな組織体制において、店舗で展開する商品のデジタル登録を行い、店舗とネット上で同じサービスや体験ができるよう「オンラインとオフラインのシームレス化」を推進してまいります。三越日本橋本店では、第1期リモデル時に先行導入したコンシェルジュサービスやグループカスタマープログラムサービスを強化・拡大し、他店舗にもつなげていきます。基幹店に留まらず、地域店舗の松山三越や新潟伊勢丹においても新しい店舗モデル作りを順次実施していく予定です。デジタルインフラ整備を推進し、従来の働き方、仕組、業務フローを全て変え、生産性の向上を図り、新しいビジネスモデルの確立をめざします。
また、新たな価値提供として、新しいオンラインビジネスの立ち上げにもチャレンジしてまいります。2018年度に立ち上げた定期宅配事業、化粧品専用オンラインストア、オンライン専業ブランドに続き、2019年度にはパーソナルスタイリング新会社を設立いたしました。今後はセカンダリーマーケット、マーケティングサービス等の事業の検討を継続していきます。
重点取組②「不動産・海外事業の拡大」
当社グループにて保有している不動産価値最大化に向けて、再開発への参画や新たな事業展開を検討してまいります。国内においては、横浜や国分寺に続く新たな商業施設の運営を検討してまいります。海外においては、フィリピンにて進めている小売と不動産のコラボレーションによる取り組みに次ぐ案件、中型店舗の展開、新規不動産開発案件参画等他社との協業も視野に入れ取り組みを前向きに検討していきます。
重点取組③「コスト構造改革の推進」
成長に向けた重点戦略の推進と並行し、コスト構造改革を継続してまいります。販売管理費の削減に向けて、宣伝費、地代家賃、人件費の抜本的な構造改革を進めております。また、大規模店舗構造改革には一定の目処がつきましたが、引き続きグループにおける各事業の方向性、役割・位置付けを明確化することで、事業ポートフォリオの組替え、再構築に取り組みます。
(4)会社の対処すべき課題
経済環境は、米中貿易摩擦激化による中国経済の減速や米国の保護主義的な通商政策等、世界経済における不確実性の増大、海外景気鈍化による下振れリスクによる先行き不透明感が依然強く、家計・企業マインドの下押しにより、国内経済にマイナス影響が及ぶ可能性があります。また、IT関連需要の減速、人手不足の深刻化による消費企業収益の弱含みに加えて、今後予定されている消費税率の引き上げによる個人消費の落ち込みや、2020年頃より見込まれる世帯数の減少のより、消費市場の縮小が懸念されます。一方、軽減税率の導入や教育・保育の無償化などの経済対策により家計の負担増が緩和されること、東京オリンピック開催に向けたインバウンド需要の高まり等、消費マインドの押し上げ効果も期待され、今後、景気の振幅が大きくなることが想定されます。
中期的には、人口減少・少子高齢化による国内消費市場の縮小、通信技術の著しい変化、デジタル化の拡大による消費者の消費行動の変化・多様化により、当社グループを取り巻く環境は著しく変化しており、スピードをもって変革していく必要があります。デジタル化拡大により、いつでも、どこでも、誰でも情報を得て発信できるようになり、店舗(オフライン)だけでなく、EC(オンライン)をはじめ、多様な購買方法への対応が不可欠であり、今までの百貨店ビジネスモデルから、新たな小売モデルへの転換が求められています。
このような変化に対応するため、当社グループは目指す姿「新時代の百貨店(プラットフォーマー)」の実現に向けた中期経営計画を推進いたします。インフラ整備、コスト構造改革は継続しつつ、ビジネスモデル改革に向けた取組みに軸足を移し、そのための重点戦略を確実に加速させてまいります。
2017年度より進めてきた、不採算店舗の閉鎖、不採算事業の方向転換を実現することで、大規模構造改革には一定の目途がたちました。コスト構造改革は引き続き継続し徹底してまいりますが、今後は、ビジネスモデル転換に向けた事業基盤整備、店舗投資や店舗事業改革等次の成長に向けた取り組みへ軸足を完全に移してまいります。
重点戦略を確実に達成していくため、当社傘下の事業会社へ権限と責任を委譲し、経営の意思決定を迅速化するとともに機動的な業務執行体制を構築してまいります。そのためにも、コーポレート・ガバナンス体制の一層の強化が必要であり、グループ全体を統制するチーフオフィサー制度の運用上の精度向上、取締役会の実効性を高めるための取り組みなどを継続的に実施してまいります。さらに、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報管理体制などの内部統制システムの強化に取り組み、企業価値の向上と持続的成長をめざしてまいります。
また、当社グループは、社会に対する企業としての責任として、変化する社会のさまざまな課題に向きあい、企業活動を通じてその解決に貢献することで、かかわりのあるすべての人々の豊かな未来と、持続可能な社会の実現に向け役割を果たすことを目指しています。CSRにおいても、ESG、SDGsの視点も踏まえ、変化する社会からの課題、要請に応えていくため、サスティナビリティ推進会議を創設し、取組みを強化してまいります。加えて、日本の高齢化と少子化が急激に進み、労働人口の減少が避けられない中、従業員がパフォーマンスを高めて生産性を上げられるよう、働きやすい環境を整備し従業員満足度(ES)向上にも取組み、結果的に顧客満足度向上につながるよう努めてまいります。
本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。
当社グループの主要なセグメントである、百貨店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。
また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。
当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのうち、百貨店業を中心として、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。
当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。
火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、百貨店業を中心として、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っております。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) データ・センター運用上のリスク
当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。
当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善傾向がみられたものの、自然災害に伴う訪日外国人の減少や供給の制約などにより、消費マインドにおいてマイナス影響を及ぼしました。また、年度後半は世界経済の不確実性が高まる中で推移いたしました。
このような中にあって、当社グループは2018年4月に「私たちの考え方」を制定し、企業の方向性を明確に定めました。同年11月には「私たちの考え方」をベースとした「三越伊勢丹グループ中期経営計画」を策定いたしました。同計画においては、「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の確立に向け、当社の強みを活かし、お客さまとモノ・コト・情報を「オフライン(店舗)とオンライン(EC)でマッチング」することで新たな価値を創造していくことをめざす姿として描きました。
中期経営計画の一環として、2017年度より不採算店舗の閉鎖、不採算事業の整理を進めてきた結果、大規模構造改革は一定の目途がたちました。コスト構造改革は継続してまいりますが、2018年度は、ビジネスモデル転換に向けた事業基盤の整備、店舗の投資や店舗事業改革等の取り組みに加えて、次の成長に向けた新しい事業へのチャレンジにも着手いたしました。あわせて、コーポレート・ガバナンス体制の強化にも取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の連結決算につきましては、売上高は1,196,803百万円(前連結会計年度比4.7%減)、営業利益は29,229百万円(前連結会計年度比19.7%増)、経常利益は31,995百万円(前連結会計年度比17.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,480百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失960百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
百貨店業
百貨店業におきましては、高価格帯の雑貨や衣料品、化粧品の品揃えを強化した結果、国内百貨店を中心に売上を牽引し、既存店ベースで前年実績を上回りました。また、各社でコスト構造改革を進めてきた結果、販売管理費を大きく削減いたしました。
お客さまの価値観、買い方、生活スタイル、加えて、市場環境も大きく変化しています。そのような中、当社グループではデジタルを活用し、最高レベルでのサービスを提供するための新たな百貨店モデルの確立をめざし、人・店舗・IT相互の力を活用したモデル転換について、先ずは基幹店において具体的取り組みに着手いたしました。
三越日本橋本店においては、おもてなしを中心とし、パーソナルショッピングを強化した百貨店へと変化する大規模改装(第1期リモデル)を2018年10月に約30年ぶりに実施いたしました。本館1階を中心に、お客さまのご要望やご相談にお応えするカテゴリースペシャリストが常駐するデスクや特別なお客さまのラウンジを設けるなどお客さまをおもてなしする環境を整えました。カテゴリースペシャリストと案内役のガイドがIT技術を活用のうえ、情報連携し、ブランドやカテゴリーの垣根を超えた日本橋本店全体での商品提案を行える体制を整えました。
伊勢丹新宿本店では、世界NO.1のメンズファッションストアの実現に向け、「商品」「サービス」「空間」の磨き上げを行いメンズ館のリモデルを15年ぶりに実施いたしました。世界最先端・最高峰のファッションの追求やカスタマイズできる商品の拡充、アナログとデジタルを融合したパーソナルな購買体験の提供等、お客さま一人ひとりのご要望に寄り添える環境を整え、あわせて伊勢丹の包装紙を22年ぶりに刷新いたしました。
お客さまとの接点拡大に向け新たなオンラインビジネスにも取り組んでおります。2018年6月には定期宅配事業「ISETAN DOOR」をスタートいたしました。2019年2月には伊勢丹新宿本店の強みを活かした化粧品オンラインストア「meeco(ミーコ)」を、3月にはSNS等を活用し、お客さまと双方向で商品開発・モノづくりを行うオンライン専業の「アームインアーム」を立ち上げました。
なお、限られた経営資源を新たな成長分野へ再配分するため、収益性に課題のあった伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、新潟三越、岩田屋久留米店新館の営業終了を決定いたしました。(岩田屋久留米店新館につきましては2019年3月に閉店いたしました。)営業終了に伴うご不便について深くお詫び申し上げるとともに、今までのご支援やご愛顧に御礼申しあげます。
このセグメントにおける、売上高は1,111,202百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は15,313百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。
クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業につきましては、株式会社エムアイカードは、グループ外企業との連携による会員規模の拡大やエムアイポイントの魅力度向上、既存カードの収益力強化等に重点的に取り組みました。
2018年10月に「福岡ソフトバンクホークス エムアイカード」、同年11月には「レクサス東京 エムアイカードプラス プラチナ」等の新規カードを発行する等、お客さまのニーズに合わせたカードのラインナップを揃えることで、会員数の拡大を図りました。また、グループのポイントプログラムである「エムアイポイント」は、活用範囲をグループ外に拡大しております。当年度は新たに35社とのポイント交換を開始することで、お客さまの百貨店以外でのご利用を促進し、収益力向上に取り組みました。
このセグメントにおける、売上高は39,116百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は6,422百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。
不動産業
不動産業におきましては、商業不動産事業として2018年3月に横浜のジョイナスに食特化型ストアの新たな商業施設「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」、同年4月には国分寺駅北口に地域密着型の商業施設「ミーツ国分寺」を開業し、商業施設運営を推進しております。
海外においては、野村不動産株式会社とフィリピン大手不動産会社のFederal Land Incorporatedとの共同事業で、フィリピンでのレジデンスおよび商業施設の複合不動産開発プロジェクトに継続して取り組み、2018年11月にレジデンス第1期の販売を開始いたしました。また、商業施設部分において、百貨店とは異なる新しい複合商業施設の名称を「MITSUKOSHI」とし、「食」を中心としたショップや業態の誘致・展開をめざしていくことを発表いたしました。
また、株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、業務運営の効率化、生産性向上を図るため、2019年4月1日付でビルマネジメント事業を株式会社三越伊勢丹アイムファシリティーズ(旧社名「株式会社アイム環境ビル管理」)へ事業承継いたしました。
このセグメントにおける、売上高は48,303百万円(前連結会計年度比7.2%増)、営業利益は7,786百万円(前連結会計年度比17.7%増)となりました。
その他
その他の事業におきましては、構造改革の一環として、不採算であった通信販売事業やファッションブランド事業を終了いたしました。不採算事業の整理により売上高は減少しましたが、経費構造への取り組みによりセグメント収益が改善しました。
また、今後の成長が見込める旅行事業においては、株式会社三越伊勢丹旅行と株式会社ニッコウトラベルを2019年4月に企業統合し、効率化を図るとともに統合効果の追求を通じお客さまへの提供価値を高めてまいります。
美容事業に関しては、株式会社ソシエ・ワールドが当社グループ内店舗への出店をいたしましたが、美容に対するお客さまのニーズの多様化や競争激化により売上高の減少が続いており、今後も早急な業績の回復が見込めないことから、当連結会計年度において特別損失としてのれん等の減損損失を126億円計上いたしました。
このセグメントにおける、売上高は88,970百万円(前連結会計年度比38.8%減)、営業損失は302百万円(前連結会計年度は営業損失2,252百万円)となりました。
当連結会計年度末の総資産は1,247,427百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,108百万円減少しました。これは主に、無形固定資産が減少したことと、現金及び預金が減少したことなどによるものです。
負債合計では661,711百万円となり、前連結会計年度末から25,732百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したことと、繰延税金負債が減少したことなどによるものです。
また、純資産は585,715百万円となり、前連結会計年度末から2,376百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加した一方で、為替換算調整勘定及び、その他有価証券評価差額金が減少したことなどによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて3,822百万円減少し、50,147百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、28,286百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が44,685百万円減少しました。これは主に、売上債権が増加(前期は減少)したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、22,450百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が4,530百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が発生した一方で、有形及び無形固定資産の売却によるよる収入が発生したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、9,063百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が43,689百万円減少しました。これは主に、有利負債の返済による支出が減少したことなどによるものです。
当社及び当社の関係会社においては、その他事業の一部に実績がありますが、当社グループ全体の事業活動に占める比重が極めて低いため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績の概要として、連結売上高は1,196,803百万円(前連結会計年度比4.7%減)、連結営業利益は29,229百万円(前連結会計年度比19.7%増)、連結経常利益は31,995百万円(前連結会計年度比17.1%増)を計上しました。特別損益及び税金費用等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は13,480百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失960百万円)となりました。以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析します。
連結売上高は、1,196,803百万円となりました。中核の百貨店業では、我が国経済において雇用・所得環境の改善傾向がみられたものの、自然災害に伴う訪日外国人の減少や供給の制約などにより、消費マインドにおいてマイナス影響が及びました。また、年度後半は世界経済の不確実性が高まりました。
このような中にあって、当社グループは2018年4月に「私たちの考え方」を制定し、企業の方向性を明確に定めました。同年11月には「私たちの考え方」をベースとした「三越伊勢丹グループ中期経営計画」を策定いたしました。同計画においては、「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」の確立に向け、当社の強みを活かし、お客さまとモノ・コト・情報を「オフライン(店舗)とオンライン(EC)でマッチング」することで新たな価値を創造していくことをめざす姿として描きました。
連結の販売費及び一般管理費は319,052百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりました。各社でコスト構造改革を進めてきた結果、販売管理費を大きく削減いたしました。
営業外損益は2,766百万円の利益となりました。営業外収益には未回収商品券受入益5,747百万円などを計上しました。また、営業外費用には商品券回収損引当金繰入額5,744百万円などを計上しました。
特別利益として30,015百万円を計上いたしました。主な内容は固定資産売却益29,961百万円などです。また特別損失として46,766百万円を計上いたしました。主な内容は減損損失32,447百万円、事業構造改善費用5,828百万円、店舗閉鎖損失4,166百万円などです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品、原材料等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、店舗のリモデル・設備の修繕・新規開発等の設備投資等であります。
運転資金と投資資金については、営業キャッシュ・フローでの充当を基本とし必要に応じて資金調達を実施しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
特に記載する事項はありません。