文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループでは「Smile & Sexy(スマイル アンド セクシー)」という、“自己実現を目指す”経営理念のもと、素敵に自由に、正々堂々、人間味豊かな“物語人”が集う「個」が溢れる企業を目指しております。
今後とも、この経営理念の体現により持続的な企業価値向上に向けた諸施策に取り組んでまいります。
(2)経営環境
外食業界におきましては、持続的な賃上げとインバウンド需要の増加が下支えとなり、国内の消費活動は堅調な推移が続くものと見込まれます。一方で、米国の政策動向やロシア・ウクライナおよび中東地域における紛争の長期化等によるエネルギー資源や原材料価格の上昇等、厳しい経営環境が続くものと予想されます。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループにおきましては、経営理念である「Smile & Sexy(スマイル アンド セクシー)」と「長期経営ビジョン」の実現を目指し、2030年までの中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画2026~2028」を策定いたしました。
新たな中期経営ビジョンにおいては、「業態開発型リーディングカンパニー実現に向けた全方位成長戦略」を基本方針としています。この方針に基づき、業態開発を軸に、既存ブランドの強化や新たな成長エンジンの創出に取り組み、国内外での事業拡大と売上・利益の最大化を図ってまいります。また、成長を支える「人財力」を競争優位性および差別化要因と捉え、育成と活躍を最大化する環境を整備することで、持続的な企業価値の向上と社会貢献を目指します。
これらの目標達成に向けて、「業態開発力×人財力で勝ち抜く成長戦略」「サステナビリティ経営戦略」「コーポレート戦略」「財務戦略」を重点戦略として推進します。
「業態開発力×人財力で勝ち抜く成長戦略」では、「選ばれるブランドづくり」「成長を加速させる新業態・新事業開発」「海外事業の拡大」を成長戦略の三本柱に据えた業態開発を推進します。同時に、「個の覚醒」を加速させる理念型企業への進化を軸に、人財力による成長を目指してまいります。「サステナビリティ経営戦略」では、外食業界トップクラスのサステナビリティ経営体制確立を目指し、マテリアリティに基づく指標と目標を設定します。そして、ESG施策の実行と情報開示を推進し、持続可能な社会への貢献を目指します。「コーポレート戦略」では、持続的な成長を支える経営基盤をさらに強化するため、事業機能・コーポレート機能・ガバナンス機能の強化に注力してまいります。「財務戦略」においては、資本コストを上回る資本効率を意識した経営を実現し、持続的な企業価値向上を支える財務資本政策を推進します。
(4)目標とする経営指標
①中期経営計画「物語ビジョン2025」の振り返り
当社グループは、2019年6月に2025年6月期を最終年度とした中期経営計画「物語ビジョン2025」を策定し、目標達成に向けて様々な施策を展開してまいりました。コロナ禍においても、既存店の継続成長と新規出店により売上高・経常利益ともに増加して、「物語ビジョン2025」の中で掲げていた数値目標を1年前倒しで達成することができました。(2024年6月期に達成)
主要な財務指標の達成状況の振り返りは以下のとおりです。
※2019年6月期通期決算説明会資料における期初計画
※グループ店舗売上高とは、当社直営店とフランチャイズ店の店舗売上高の合計を指しております。
※ROAの分子は経常利益・ROEの分子は親会社株主に帰属する当期純利益を採用しています。
※ROA・ROEの計算式のそれぞれの分母は、期中平均の数値を採用しています。
※ROIC=税引後経常利益/(自己資本+有利子負債)
②中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」と「中期3カ年経営計画2026~2028」の取り組み
「物語ビジョン2030」および「中期3カ年経営計画2026~2028」で掲げている財務指標は以下のとおりです。
※グループ店舗売上高とは、当社直営店とフランチャイズ店の店舗売上高の合計を指しております。
※ROA・ROEの分子は親会社株主に帰属する当期純利益を採用しております。
※ROIC=税引後営業利益(NOPAT)/投下資本
・中期経営ビジョン「物語ビジョン2030」および「中期3カ年経営計画」の詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.monogatari.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/monogatari_vision2030_250808.pdf
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのサステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループの経営理念である「Smile & Sexy(スマイル アンド セクシー)」のもと、健全な企業統治体制を構築し、お客様や株主様はもとよりお取引先様、従業員、ひいては社会からの揺るぎない信頼の確立を目指しております。加えて、当社の事業活動を通じて社会の課題解決と持続的発展に貢献することを経営の基本方針としております。
また、2022年6月にサステナビリティ基本方針を下記のとおり策定し、当社グループのマテリアリティ(重点課題)を特定しました。
サステナビリティ基本方針
私たちは、「Smile & Sexy」、すなわち「素敵に自由に正々堂々、人間味豊かに自分を表現しよう」という経営理念のもと、「自ら意思決定できる自立した“人財”」の活性化を成長戦略の軸に据えております。“個”の魅力に溢れる“人財”が、「いつどの店に行っても、笑顔と元気になれる」という「ブランド価値」を作り上げ、「とびっきりの笑顔と心からの元気」で世の中をイキイキさせることにつながると考えています。
私たちは、健全な企業統治体制のもと、お客様・株主様はもとよりお取引先様、従業員、ひいては社会からの揺るぎない信頼の確立を図ります。そして、私たちは事業活動を通じて「豊かな社会」と「お客様に必要とされるブランド・会社」の両立の実現を目指し、社会の課題解決と持続的発展に貢献していきます。
・お客様からの信頼を確保するために
私たちは、お客様の満足と信頼によって成り立っていることを十分に認識し、常にお客様にご満足いただける安心かつ高品質な商品提供とおせっかいなまでのフレンドリーなサービスを提供してまいります。
・お取引先様からの信頼を確保するために
私たちは、お取引先様とは良きパートナーとしてコミュニケーションを重視し、公正かつ自由な取引を確保するとともに、相互に信頼関係を深め、共に繁栄を図ってまいります。
・従業員からの信頼を確保するために
私たちは、すべての従業員の多様性・人権を尊重し、安全・衛生はもとより、それぞれの能力を発揮でき、公正に評価される優れた職場環境を作ってまいります。
・株主様からの信頼を確保するために
私たちは、企業経営に関する法令を遵守するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、健全かつ透明性あるコーポレート・ガバナンス体制を構築いたします。また、企業経営と事業活動に関する情報を公正かつ適時・適切に開示し、建設的な対話をすることで、株主・投資家の皆様と長期的な信頼関係を築いてまいります。
・社会からの信頼を確保するために
私たちは、適用されるすべての関連法令、社会的規範や内部ルールを厳格に遵守するとともに、贈収賄など腐敗行為の防止を徹底し、社会の良識に沿った公正で誠実な行動を行います。加えて、気候変動問題や人権問題をはじめとする社会課題にもお取引先様と協力しながら積極的に取り組み、社会に対する責任を果たしてまいります。
また、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力には、断固とした態度をもって対応し、その不当な介入を常に妨げるとともに速やかに排除してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する取り組み等については下記URLもご参照ください。
(2)当社グループにおけるサステナビリティに関する取り組み体制
①取締役会とサステナビリティ委員会
当社グループでは、サステナビリティの取り組みを推進するために、2022年6月に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置するとともに、取締役会の監督体制および経営陣の役割を定めております。
・取締役会の監督体制
当社取締役会は気候変動対応を含むサステナビリティ課題への対応を重要な経営課題として認識しており、サステナビリティの視点を踏まえた経営を促進するため、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を2022年6月に設置しました。取締役会はサステナビリティ委員会から気候変動に関する事項を含むサステナビリティ課題について年1回以上報告を受けるなど、サステナビリティ課題に対する取り組みの強化を行っております。
・経営陣の役割
代表取締役の意思決定の諮問機関であり、常勤役員および執行役員、本部長および事業部長が構成メンバーである「経営会議」においても、サステナビリティ委員会から気候変動に関する事項を含むサステナビリティ課題に関して適宜報告を受けており、サステナビリティ課題に関する重要方針、施策について経営トップ層間の意思統一と周知徹底を行っております。
・サステナビリティ委員会
当社グループはサステナビリティの視点を踏まえた経営を促進するため、サステナビリティ委員会では、気候変動に関する事項を含むサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)や関連したサステナビリティ目標など、全社として中長期的に取り組むテーマや方向性の議論を行い、全社方針や目標を策定します。また、それらを実践するための体制の構築・整備を行い、取り組み状況のモニタリングを行います。サステナビリティ委員会で審議および決定された主要事項は経営会議および取締役会にて報告され、監督・指示される体制となっています。
当社グループのコーポレート・ガバナンスの概要については、「
②ESGに関する数値目標の達成度に連動した譲渡制限付株式報酬制度
サステナビリティに関するマテリアリティ(重点課題)の取り組みは、取締役の役員報酬の評価対象項目に加える予定です。具体的には、ESGに関する数値目標の達成度に連動した譲渡制限付株式報酬制度を導入する予定です。また、執行役員についても同様の制度を導入する予定です。
ESGに関する数値目標の達成度に連動した譲渡制限付株式報酬制度の詳細は「
(3)当社グループにおけるサステナビリティに関するリスク管理
当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するため、事業に関わるリスクと機会を分析したうえで9つのマテリアリティ(重点課題)を特定しております。特定されたマテリアリティ(重点課題)については、サステナビリティ委員会を中心にリスクの回避、軽減、コントロール、機会に対して早期着手に向けた方針の策定や対応策の立案などを実施し、取締役会や経営会議への上程、報告と承認、助言、監督を受け、グループ全体でのリスクマネジメントを行っています。
(4)当社グループにおけるサステナビリティに関する指標および目標
(5)気候変動への対応とTCFD提言(注1、2)への取り組み状況
当社グループでは、気候変動への対応を重要課題と捉えております。また、当社グループはTCFD提言への取り組み状況については、TCFD提言が推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に基づく情報開示に努めてまいります。
(注1)TCFDとは、「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略称で、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受け、2015年12月に金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および気候変動への金融機関の対応を検討するために設立されました。
(注2)TCFD提言とは、企業などに対して、自社のビジネス活動に影響を及ぼす気候変動の「リスク」と「機会」について把握し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目を開示することを推奨しています。
①ガバナンス
詳細は「
②戦略
・気候変動のリスクおよび機会、それらの組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
当社グループでは、気候変動に関連する物理的リスク・移行リスクおよび事業機会の把握に加えて、それら気候変動リスク・機会が事業戦略・財務計画におよぼす影響を評価しております。リスクの把握にあたっては、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオによるシナリオ分析を実施しています。分析の時間軸としては2030年、分析範囲は国内を対象としています。
(設定シナリオ)
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シナリオ名 |
前提条件 |
シナリオ |
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1.5℃シナリオ |
持続可能な社会を実現する2050年ネットゼロに向けて、厳しい政策がとられ技術革新が進む。21世紀末の温度上昇は1.5℃未満で安定する。 |
・IPCC SSP1-1.9 ・IEA WEO2024 NZEシナリオ |
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4℃シナリオ |
現在実施されている政策がそのまま継続され、追加的な措置は行われない。21世紀末の温度上昇は2℃を上回り、気候変動の影響を大きく受ける。 |
・IPCC SSP5-8.5 ・IEA WEO2024 STEPシナリオ |
当社グループの気候変動関連リスクとして、1.5℃シナリオにおいては、政府等による規制等の強化と、消費者の嗜好の変化が挙げられます。政府等による規制等の強化に係る具体的な影響として、炭素税導入に伴う電気・ガス等の購入エネルギー価格の上昇、省エネ設備導入に向けた設備投資費用の増加、原材料価格の上昇等が想定されます。また、フードサプライチェーンの脱炭素化も想定され、当社グループにおいては、フードサプライチェーンの炭素可視化への対応や食品廃棄ロス削減に向けた取り組みの深化、ステークホルダーとのコミュニケーションの促進などの対応が求められる可能性があります。さらに、プラスチック規制の強化への動きを受けて、プラスチック以外への原料変更などの対応コスト増が想定されます。これに対して、当社では、再生可能エネルギーの活用や、省エネ設備等の設置を推進するとともに、サプライチェーン全体のGHG排出の「見える化」や食品廃棄ロス削減、プラスチック使用量削減に積極的に取り組みます。一方で、消費者の嗜好の変化については、当社グループの主力業態である「焼肉」は生産過程におけるGHG排出量が比較的大きいとされる牛肉を扱っており、今後牛肉に対するマイナスイメージが拡大した場合、顧客離れが発生するリスクがあります。また、環境課題への対応が遅れた場合、ステークホルダーからの信用失墜やブランドイメージの低下のリスクもあります。当社では、このような顧客のニーズの変化をとらえた業態やメニューの開発を継続し、情報発信を強化することにより、これらのリスクの低減に努めます。
4℃シナリオにおいては、急性リスクとして台風の強度の増大化、豪雨の発生頻度の上昇に伴う水害リスクの上昇、異常気象による農作物価格等への影響が想定されます。これらのリスクに対し、店舗や物流拠点の水害リスクを精査し対策を講じるとともに、サプライチェーンが分断された場合に備えて、複数の物流拠点設置をはじめ、原材料調達の分散、多角化を進めます。また、慢性リスクとしては、気温上昇に伴う生態系への影響に伴う当社の原材料(農産物、畜産物、水産物)の価格・質への影響が想定されています。当社グループでは、原材料の調達方法、調達地等を適宜見直し、代替作物の開拓、模索も進めることで、慢性的な気温上昇に対応します。
気候変動に関わる機会として、当社グループでは食品ロスの低減に向けた様々な施策を実施しており、2030年に向けてこれらをより広範かつ強力に推進することにより、食材廃棄コストのさらなる低減を見込んでいます。店舗では、エアコンや照明等の機器を省エネ機器に置き換え、省エネ施策を推進することで、電力コストが低減する見通しです。また、GHG排出量削減目標を達成することにより、導入が検討されている脱炭素税による租税コストの圧縮が見込まれます。今後は、気候変動に関わるお客様の嗜好の変化をとらえた商品・サービスの開発を推進し、売上の拡大につなげます。まず、平均気温の上昇に対応する施策として、暑い日のニーズを取り込んだ夏季メニュー等の拡充・提供を見込んでいます。また、特に1.5℃シナリオでは、環境に配慮した新たな商品・サービスの開発、提供およびこれらの積極的な情報発信により、ブランドイメージの向上を目指します。例えば植物性タンパク質を使ったメニュー、生産、物流、調理中のGHG排出量を削減したメニューなど、気候変動への配慮をアピールした商品・サービスを拡充します。
(リスク/機会に対する財務影響と対応策)
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リスク /機会 |
項目 |
財務への潜在的な影響 |
影響 時期 |
影響度 |
対応策 |
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|
1.5℃ |
4℃ |
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移行 リスク |
炭素税の導入 |
・購入エネルギー価格(電力価格・ガソリン価格)の上昇 ・省エネ設備導入に向けた設備投資費用の増加 ・原材料価格の上昇に伴う仕入価格の上昇 |
中期 |
大 |
小 |
・再生可能エネルギー電力の活用 ・店舗等への太陽光パネルの設置 ・省エネ設備の導入 ・物流(冷凍車など)におけるエコカーの導入 ・新店舗における環境配慮型店舗の開発 ・計画的、段階的な設備導入 ・適正な価格転嫁 ・サプライヤーとのコミュニケーション強化 |
|
フードサプライチェーンの脱炭素化 |
・フードサプライチェーンの炭素可視化(認証・ラベリングなど温室効果ガス削減の「見える化」の動き)への対応 ・食品廃棄ロス削減に向けた取り組みの深化 ・消費者をはじめとしたステークホルダーとのコミュニケーションの促進 |
中期 |
小 |
- |
・SCOPE3の算出と削減に向けた取り組み ・炭素可視化に関する情報収集、「見える化」を意識した原材料調達等の取り組み検討 ・廃棄ロス削減に向けた施策の実施 ・脱炭素フードの消費者へのアピールの積極化 |
|
|
プラスチック規制の強化 |
・プラスチック製以外への原料変更によるコスト増加 |
短期 |
小 |
- |
・使い捨てプラスチック製品の使用量の削減 ・紙製容器への変更、バイオプラスチック等の導入 |
|
|
顧客ニーズの変化 |
・牛肉に対する環境上のマイナスイメージによる顧客離れ |
中期 |
中 |
- |
・顧客ニーズの変化を捉えた柔軟な業態開発、メニュー開発の実施 ・代替肉・バイオ肉など新しいトレンドの取込み |
|
|
ステークホルダーの評判変化 |
・環境課題への対応遅れに伴うステークホルダーからの信用失墜、ブランドイメージの低下 |
中期 |
定性評価 |
・環境への取り組みの強化 ・環境への取り組みに関する情報発信の強化 ・気候変動対応情報の積極開示 |
||
|
物理 リスク |
台風の強度の増大化・ 豪雨発生頻度の上昇による水害リスクの上昇 |
・台風等による店舗被害の復旧費用および復旧作業期間の営業停止による収益減 ・大雨等による洪水で河川流域店舗が罹災することによる収益減 ・大雨等による洪水で配送拠点が罹災し、調達不安定により店舗営業が停止 |
長期 |
小 |
小 |
・店舗開発の際における水害リスク等の精査、保険によるカバー ・原材料調達ルートの分散、多角化 ・物流拠点での水害対応整備(防水壁、防水板、物資/食材の保管方法の検討、ボートの用意、保冷継続のための非常電源等) ・代替物流拠点からの緊急配送計画の策定 |
|
農作物等の産地における異常気象の影響 |
・農作物不作による原材料コストの上昇 |
長期 |
定性評価 |
・原材料調達ルートの分散、多角化 ・原材料の変更による柔軟なメニュー開発 |
||
|
産地における平均気温の上昇 |
・食材(農産物):穀物・野菜類の生産に影響し、価格が上昇 ・食材(畜産物):畜産の成育に影響し、価格や品質に影響 ・食材(水産物):海産資源の生態系の変化による漁獲量の減少及び価格の上昇 |
長期 |
定性評価 |
・原材料の調達方法・調達地等の見直し ・代替作物の継続的な開拓と模索(類似の別材料、温暖化耐性品種など) ・代替原材料を活用した業態開発、メニュー開発 ・代替養殖資源の継続的な開拓と模索による調達量確保をとおした海産資源の調達ルートのレジリエンスの強化 |
||
|
リスク /機会 |
項目 |
財務への潜在的な影響 |
影響 時期 |
影響度 |
対応策 |
|
|
1.5℃ |
4℃ |
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|
機会 |
食品ロス率の低減 |
・食品ロス削減の取り組みによる廃棄物処理コストの低下 |
中期 |
中 |
- |
・食品ロスメニューの開発 ・店舗におけるフードロスチャレンジを実施(食べ残しゼロチャレンジ) ・客席(タッチパネル)でのロス削減啓蒙 ・適正な範囲での賞味期限延長 ・フードバンクへの食材提供を実施 ・こども食堂への食材提供を実施 |
|
省エネ推進に伴う電力コストの削減 |
・省エネ推進による電力コストの低下 |
中期 |
中 |
中 |
・省エネルギー設備(エアコン)の導入 ・店舗の照明、看板のLED化 |
|
|
炭素税の導入・引き上げ |
・GHG排出量削減目標を達成することによる炭素税の負担軽減 |
長期 |
大 |
- |
・省エネ機器材の積極的な導入によるエネルギー使用量の削減 ・再生可能エネルギー(グリーン電力)の使用 ・食料残渣を利用した循環型再生エネルギーの使用 ・太陽光パネル設置店舗拡大 |
|
|
夏季メニューの拡大 |
・気温上昇による嗜好の変化に合わせた商品・サービスの開発・提供 |
中期 |
定性評価 |
・気温上昇やお客様の嗜好、顧客ニーズに合わせた商品開発 |
||
|
消費者行動の変化 |
・環境に配慮した新たな商品やサービスの開発・提供による市場機会の獲得、情報発信によるブランドイメージの向上 |
中期 |
中 |
- |
・植物性タンパク質を使った環境配慮食材メニューの提供 ・生産、物流、調理中のGHG排出量を削減したメニューの継続的な開発研究 ・環境への取り組みに関する情報発信の強化 |
|
|
異常気象・気象災害の頻発化・激甚化 |
・災害時の地域との協力体制構築による社会的信頼・評判の向上 |
長期 |
定性評価 |
・災害時に関する協定の締結 ・災害時の対応マニュアルの策定 |
||
(注)[影響度]大:影響が大きい(利益の10%以上)、中:影響は一定程度(利益の1~10%未満)、小:影響はほとんどない(利益の1%未満)
[影響時期]短期:1~2年以内に発生、中期:5年以内に発生、長期:20年以内に発生
なお、影響度の検討にあたって、機会・リスクの各項目について、2030年に想定される財務影響額を算出しました。また、当社グループにとって重要な食材について各種文献調査を行い、気候変動による中長期的な影響と対策について考察を行いました。
(財務影響額の算出例)
|
リスク項目 |
前提条件 |
シナリオ |
財務影響度 |
|
炭素税の導入 |
2030年のカーボンプライシング:140USD/tCO2 (参考:IEA World Energy Outlook2024) |
1.5℃シナリオ |
18.4億円の費用 |
|
4℃シナリオ |
影響なし |
||
|
洪水の発生頻度の上昇 |
荒川流域の浸水想定店舗数:18店舗 営業停止日数:2週間 (参考:国土地理院「重ねるハザードマップ」) |
4℃シナリオ |
1億円の売上高の減少 |
・炭素税の導入
IEAのWEOを用い、1.5℃シナリオでは140USD/tCO2、4℃シナリオでは0USD/tCO2の炭素税が賦課されることを想定しました。何も対策をしない場合、店舗数の増加などによって炭素税が27.8億円になることが想定されますが、2030年のGHG削減目標に向けた対策を実施することで、18.4億円まで負担軽減されると想定されます。積極的な省エネルギーへの取り組みにより、炭素税のさらなる負担軽減を図りたいと考えています。
・洪水による店舗罹災
国土地理院のハザードマップを用い、国内全店舗の洪水リスクを検証しました。その結果、荒川流域において洪水リスクの高い店舗数が最も多いことがわかりました。ハザードマップは1000年に1回の規模の豪雨を前提としていますが、4℃シナリオの場合、そのリスクは4倍に高まると想定されています。4℃シナリオにおいて、荒川流域で洪水が発生し、流域の18店舗が同時に罹災し、2週間以上の営業停止を余儀なくされた場合、売上高は1億円の減少が見込まれます。
(食材別の影響と対応策)
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食材 |
気候変動の影響 |
対応策 |
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牛/豚/鶏肉 |
・気象災害での飼料不足/価格高騰/質の低下 ・暑熱による生育・繁殖不良および死亡や疫病の増加 ・肉質の悪化/肉量の減少 |
・輸入元地域の厳選・分散(気候帯、飼育形態等を考慮) ・気候が適した地域における調達元の新規開拓 ・調達元の気候変動対策の検証 ・暑熱対策技術開発への資金支援や共同研究等 ・災害や大量死に備えた代替調達元、代替メニューの検討
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|
米 |
・障害による品質の低下 ・風水害での損害増加 ・病害虫の増加 |
・産地の分散による暑熱・風水害対策 ・気候が適した地域における調達元の新規開拓 ・高温耐性種への段階的移行(特に西日本) ・外国産の日本品種米の調達の検討
|
|
野菜類 |
・品質・収量の低下 ・規格外野菜の増加 ・風水害での損害増加 ・病害虫の増加 |
・調達地/時期の厳選と新規開拓 ・規格外品の有効活用 ・調達元の気候変動対策の検証 ・外国産野菜の調達の検討
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・1.5℃以下のシナリオを含む異なる気候関連のシナリオを考慮した組織戦略のレジリエンス
1.5℃シナリオおよび4℃シナリオにおいて特定されたリスクについては、社内の責任部署などと共有し、適切に対応を進めていくことにより、当社事業における気候変動リスクに対するレジリエンスを確保すると同時に当社の強みとしての優位性(事業機会)を確保してまいります。引き続き、シナリオ分析および財務インパクトの影響分析の精緻化、リスク・機会および対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を進めていきたいと考えております。
③リスク管理
・気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセス
当社グループは、中長期的な観点からの気候変動リスクなどの特定・評価は、主にサステナビリティ委員会において行っております。また、既に顕在化している気候変動に伴うリスク(主に台風・豪雨などの物理リスク)に関しては、コンプライアンス・リスクマネジメント部会から構成される内部統制推進委員会が中心となってリスクの特定・評価を行っております。
・気候関連リスクをマネジメントするための組織のプロセス
内部統制推進委員会もしくはサステナビリティ委員会で特定・評価された気候関連リスクを含む重要なリスクは適宜、取締役会・経営会議などに報告、共有がなされており、適切な対応策の検討が行われています。具体的には、気候変動に関するリスクのうち、経営戦略上のリスクについては必要に応じて取締役会や経営会議において審議を行い、個々の責任部署において指示・報告などを通じて、リスク事象の発生の回避および発生した場合の対応策を検討しております。
・組織の全体的なリスクマネジメントへの統合
当社グループでは、「コンプライアンス・リスクマネジメント規程」および「危機発生時対応マニュアル」を制定し、内部統制推進委員会が中心となって、気候変動リスクを含む想定されるリスクを抽出し、その評価および対応策を検討したうえで、個々の責任部署が対応し、必要に応じて経営会議、取締役会において状況の確認および必要な措置を検討しております。サステナビリティ委員会で特定された気候変動リスクなどについては随時、内部統制推進委員会に共有されています。
④指標および目標
・GHG排出量の中長期目標
当社グループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当社の国内直営店の売上高百万円当たりのGHG排出量(Scope1並びにScope2)を原単位とする売上高原単位方式を採用しております。(注)GHG排出量の削減目標として、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指します。そのためには、まずは再生可能エネルギーの活用などの脱炭素化に向けた取り組みなどにより、売上高百万円当たりのGHG排出量を2030年度までに2020年度対比で33%削減を目指します。
なお詳細は「
(注)1.GHG排出量について
GHG排出量とは、温室効果ガス排出量の略称であります。なお、温室効果ガスの算定方法は、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の各燃料および電力の排出係数を毎年度確認し算定しております。なお、GHG排出量の算定の対象は、当社のみであります。
(注)2.Scopeについて
Scope1とは、当社自らによる温室効果ガス直接排出を指します。Scope2とは、他社から供給された電力、熱、蒸気の使用に伴う間接排出を指します。
(注)3.売上高原単位(t-CO2/百万円)について
売上高原単位(t-CO2/百万円)とは、Scope1並びにScope2として算出した温室効果ガス排出量を当該年度の売上高で除した値であります。
(6)人的資本経営への取り組み
①人的資本および社内環境整備に関する基本的な考え方
当社グループは、2022年6月に「サステナビリティ基本方針」を定め、「Smile & Sexy」、すなわち「素敵に自由に正々堂々、人間味豊かに自分を表現しよう」という経営理念のもと、「自ら意思決定できる自立した“人財”」の活性化を成長戦略の軸に据えています。また、「個」の魅力溢れる人財が「いつどの店に行っても、笑顔と元気になれる」という「ブランド価値」を作り上げ、「とびっきりの笑顔と心からの元気」で世の中をイキイキさせることにつながると考えています。
この方針に沿って当社グループは、D&I(注)や健康経営などの施策を通じて、多様な人財が自分らしくイキイキと働ける企業文化の醸成を図っております。
また、当社グループは長期経営ビジョンにおいて「『個』の尊厳を『組織』の尊厳の上位に置き、『とびっきりの笑顔と心からの元気』で世の中をイキイキさせる」を掲げており、社員一人ひとりの「個」を覚醒させる取り組みを行っております。そして、当社グループは「個」の明言から生まれる議論が多くの差別化要素を生み出す源泉と認識し、人的資本への投資をとおして、「豊かな社会」と「お客様に必要とされるブランド・会社づくり」の両立を実現させ、社会の課題解決と持続的発展に貢献できる企業を目指します。
なお、人財育成方針に係る指標および目標については、現時点で当社グループとしての記載が困難であるため、当社単体の数値を記載しております。
(注)D&Iとは、ダイバーシティ&インクルージョンの略称であります。
②指標および目標
「
③健康経営の取り組み
当社グループでは、「健康経営」を戦略的な施策の一つとして位置づけ、2021年には「健康経営宣言」として、一人ひとりが豊かで幸せな「自分物語」を歩めるよう環境を整備し、健康の保持・増進活動を前進させ、会社と従業員とその家族が一体となって、健康づくりを増進する方針を策定、公表いたしました。
当社は、「健康経営」の実現に向けて、社員の健康を増進するために様々な取り組みを実施しています。具体的な施策として、社員やその家族に対して相談窓口を設置し、職場環境の改善に努めております。また、ストレスチェックも積極的に活用しており、高ストレス者に対しては、産業医による個人面談を実施しております。
また、運動習慣対策のため、オフィス勤務者は平日15時にストレッチを実施しております。加えて、店舗を含めた会社全体で残業時間数のモニタリングを毎月行い、過度の超過勤務とならないよう指導しております。さらに、社員の健康への意識も高まっており、健康診断受診率は2024年6月期に続き、2025年6月期実績も100%でした。
以上の取り組みの結果、2025年3月には、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を4年連続で取得しました。
■健康宣言
当社は、一人ひとりが豊かで幸せな「自分物語」を歩めるよう環境を整備し、健康の保持・増進活動を前進させ、会社と従業員とその家族が一丸となって、健康づくりを推進していきます。
■健康経営推進体制
代表取締役社長を健康経営の責任者とし、経営的な視点からグループ全体の健康経営を推進しています。健康経営担当役員が結果の報告を健康経営責任者である代表取締役社長に行い、健康経営推進事務局を中心に衛生委員会、従業員代表と連携しながら健康経営の取り組みを推進しております。健康経営推進事務局は、産業医および保健師を中心に保険者を交え、グループ各事業所、店舗に勤務する従業員の健康を支援しています。また健康管理システムを導入し、健康診断の結果やストレスチェックの結果を簡単に確認できるほか、産業医や人財応援部にある「あんしん相談室+Plus」とメールや電話、オンラインでのやり取りを通じて気軽に相談できる仕組みを構築しています。
※なお当社グループが実施している「健康経営」の詳細については以下URLをご参照ください。
(7)サステナビリティの取り組みに対する対外評価
当社グループは、2025年3月に経済産業省及び日本健康会議の「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の認定を受けました(4年連続)。
また、任意団体「work with Pride」が策定した企業や団体におけるLGBTQ+などのセクシャルマイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標」において最高評価「ゴールド」を受賞しました(6年連続)。今後も当社グループでは他者の人権を侵害しないこと、事業活動を通じて起こり得る人権や個の尊厳への侵害を最小化すること、そして事業活動を通じて積極的に人権と個の尊厳の尊重を広げていくことに取り組んでいきます。
2024年に実施された気候変動情報開示に対する活動を評価するCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)気候変動プログラムにおいて、「C」スコアを取得いたしました。CDPは企業や自治体の環境情報開示のための世界的なシステムを有する国際的な非営利団体であり、CDPは企業の環境に対する取り組みを、毎年「A、A-、B、B-、C、C-、D、D-」の8段階で評価しております。当社グループが認定された「C」スコアは、8段階のスコアのうち上から5番目に位置するものです。「C」スコアはCDP基準で「認識レベル」とされ、「自社の及ぼす影響や受ける影響を認識している」と評価されたことを示すものです。
以下、当社グループのサステナビリティの取り組みに対する対外評価の詳細は以下のとおりです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業に関するリスクについて
① 市場環境について
外食業界の外部環境は、国内人口の中長期的な減少や、弁当・惣菜などの中食市場の成長などにより、全体的な市場規模は縮小傾向にあり、外食業界の既存店売上高は、前年に比べ減少する傾向にあります。これら市場環境の悪化などが一層進む場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、既存顧客の満足度向上や新たな顧客価値の創造のために、各ブランドにおける品質・サービスの向上、人財の育成、新メニュー開発、積極的な販売促進活動などの施策や店舗改装などにより既存店の増収を図ると同時に、直営店の新規出店とフランチャイズ展開を積極的に進めてまいります。
② ブランドコンセプトについて
当社グループは、国内と海外において複数の外食ブランドを営んでおります。それぞれ、当社グループ独自の企画開発によるブランドコンセプトで差別化を図っておりますが、これらの施策がお客様のニーズの変化などによって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、お客様のニーズの変化を常に把握し、時代のニーズに応えた当社グループ独自の施策の立案に取り組んでまいります。
③ 新規出店計画について
新規出店の用地確保については、当社グループのニーズに合致する条件の物件が必ずしも確保されるとは限りません。また、仮に当社グループの計画に沿った物件を確保しても当初計画された店舗収益を確保できない可能性があります。当社グループでは、新規出店の用地確保および収益性の検討など、新規出店計画の遂行に鋭意取り組んでまいりますが、新規出店が計画どおり遂行出来ない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、従来の不動産業者などからの外部情報に加え、取引先銀行、取引先業者からも幅広く情報を入手するように努めており、さらに出店後に計画と実績を比較検討し、課題の分析及び分析に基づく対応策を講じてまいります。
④ 原材料の価格高騰について
天候不順による野菜価格の高騰や政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動や海外各地における紛争、需給関係の急激な変動による食材価格の高騰の可能性および為替変動による影響など、当社グループが購入している原材料には価格が高騰する可能性があるものが含まれております。このような事象が発生し原材料価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、安心かつ安全な原材料の調達に向けた調達ルートの多様化等を推進しております。
(2)法的規制に関するリスクについて
食品衛生法への対応について
当社は食品衛生法を遵守し、管轄保健所を通じて営業許可を取得しております。各店舗、『物語フードファクトリー』(製麺工場)、『物語フードラボ』(液体調味料製造工場)は、食品衛生責任者の設置を管轄保健所に届け出ており、さらに「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理手法」を用いて安定した品質管理を提供できる体制を整えております。しかしながら、今後、直営店舗およびフランチャイズ店舗において食中毒の発生の危険性を100%排除することはできず、万一、当社グループの店舗において食中毒が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、各店舗では、店長による日常的なチェックおよびエリアマネジャーによる検査や改善指導などを実施しております。また『物語フードファクトリー』、『物語フードラボ』におきましても、厳正な品質管理および衛生管理を実施しております。さらに、各店舗、『物語フードファクトリー』、『物語フードラボ』におきまして、社内ルールに則した衛生管理を徹底するほか、専門業者による定期衛生検査を実施しております。
(3)財務に関するリスクについて
減損損失について
当社グループは、店舗に係る多額の固定資産を保有しております。国内人口の減少や、弁当・惣菜などの中食市場の成長などによる外部環境の変化、または前述した(1)②にて記載したとおり、ブランドコンセプトがお客様のニーズと合わなくなった結果、店舗の収益性が低下し事業計画と大きく乖離する可能性があります。この場合、固定資産の減損に係る会計基準の適用により減損損失を計上し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。この対策として、計画と実績を比較検討し課題の分析及び分析に基づく対応策を講じております。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化による人流増加や持続的な賃上げとインバウンド需要の増加が下支えとなり、国内の消費活動は緩やかな回復の動きが続いております。一方で、米国の関税政策の影響やロシア・ウクライナおよび中東地域における紛争の長期化によるエネルギー資源や原材料価格の上昇、金融資本市場の変動リスクなどにより、依然として景気の先行きは不透明な状況であります。
外食業界においては、行動規制の緩和に伴う人流増加に加え、インバウンド需要の増加も追い風となり、外食需要は堅調に推移しております。一方で、原材料価格や光熱費、人件費の上昇に加え、労働力供給の減少、継続的な物価上昇により消費者の節約志向が強まるなど、依然として厳しい経営環境に直面しております。
このような環境において、当社グループは中期経営計画「ビジョン2025」の実現に向け、「とびっきりの笑顔と心からの元気」をスローガンに店舗運営を行いました。当社グループの売上向上施策として、既存店舗の内外装の積極的な改装、看板商品の磨きこみ、グランドメニューの変更、期間限定商品の販売、サービス力の強化を行い、他社との差別化を図るとともに顧客体験価値の向上に注力しております。
また、テレビCMの放映やスマートフォンアプリ、ブランドサイト、SNSなどを活用したデジタルマーケティングの強化により、お客様からの認知度やブランドロイヤルティの向上を図っております。さらに、顧客利便性や生産性の向上を目的に、『焼肉きんぐ』における特急レーンの導入店舗の拡大や自動案内システムの開発、『丸源ラーメン』におけるセルフレジ、タッチパネルの導入に加えて、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』における配膳ロボットの複数台使用や予約システムの刷新など、店舗運営のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めております。これらの施策の効果により、国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比4.2%増、フランチャイズ店において前期比4.3%増となりました。また、昨今の原材料価格の上昇に対処するため、主要食材における調達先の多様化、商品ラインナップやメニュー価格、各種販売促進施策の見直しを図っております。加えて、人件費や光熱費などの上昇への対応策として、従業員の勤務編成の標準化による人件費コントロール、本社を含む業務の効率化や高度化に向けたIT化の推進に取り組んでおります。
新たな市場への進出においては、『焼きたてのかるび』の積極的な出店や、新業態の開発を進めております。2025年2月に郊外ロードサイド型とんかつ業態『熟成肉とんかつ ロース堂』の初出店に加え、同年4月には、郊外ロードサイド型カフェ&ショップ業態『果実屋珈琲』の2号店を出店しました。
海外事業については、中国・インドネシア・香港に加え、フィリピンへの進出を果たすなど、展開地域の拡大を図っております。さらに、2025年3月には台湾に現地子会社を設立しました。加えて、同月には米国現地子会社「Storytellers USA, Inc.」を設立し、同社を通じて米国において鉄板焼きレストラン『SHOGUN』を展開する「Shin Nihon Kousan Inc.」など(以下「SHOGUNグループ」という。)を同年4月に子会社化(孫会社化)しました。
中長期的な成長の実現に向けて、多様な理念型人財の積極的な採用や教育・研修の拡充による理念経営の推進と能力開発を進めるとともに、自分らしくイキイキと働ける企業文化の醸成を図っております。
店舗出店においては、国内において郊外ロードサイドの好立地への積極的な出店に加えて、商業施設内や都市部などの新たなロケーションへの進出も進めた結果、直営出店53店舗、退店2店舗、フランチャイズ出店10店舗、退店2店舗、海外出店38店舗、退店7店舗となりました。これにより、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は810店舗(直営499店、フランチャイズ252店、海外59店)となりました(後掲表)。
以上の結果により、売上高123,921百万円(前期比15.6%増)、営業利益9,242百万円(前期比13.1%増)、経常利益9,035百万円(前期比5.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,157百万円(前期比9.1%増)となりました。
(注)国内既存店とは、2025年6月30日現在で開店から18カ月以上経過している国内の店舗を指します。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況については、当社グループの事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。
ⅰ.焼肉部門
当連結会計年度中において、『焼肉きんぐ』は27店舗の出店(直営19店、フランチャイズ8店)を実施しました。これにより、焼肉部門の当連結会計年度末の店舗数は351店舗(直営223店、フランチャイズ128店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は61,647百万円(前期比11.7%増)となりました。
ⅱ.ラーメン部門
当連結会計年度中において、『丸源ラーメン』は14店舗の出店(直営13店、フランチャイズ1店)を実施しました。これにより、ラーメン部門の当連結会計年度末の店舗数は232店舗(直営128店、フランチャイズ104店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は21,768百万円(前期比19.7%増)となりました。
ⅲ.お好み焼部門
当連結会計年度中において、お好み焼部門の当連結会計年度末の店舗数は20店舗(直営16店、フランチャイズ4店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は2,219百万円(前期比7.1%増)となりました。
ⅳ.ゆず庵部門
当連結会計年度中において、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』は10店舗の出店(直営9店、フランチャイズ1店)を実施しました。これにより、ゆず庵部門の当連結会計年度末の店舗数は106店舗(直営90店、フランチャイズ16店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は20,670百万円(前期比15.2%増)となりました。
ⅴ.専門店部門
当連結会計年度中において、『焼きたてのかるび』は10店舗の出店(直営10店)、『熟成肉とんかつ ロース堂』は1店舗の出店(直営1店)、『果実屋珈琲』は1店舗の出店(直営1店)を実施しました。これにより、専門店部門の当連結会計年度末の店舗数は42店舗(直営42店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は5,560百万円(前期比35.1%増)となりました。
ⅵ.フランチャイズ部門
主にフランチャイズ加盟店舗からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料などであります。当連結会計年度中においてフランチャイズは10店舗の出店を実施しました。これにより、フランチャイズ部門の当連結会計年度末の店舗数は252店舗となりました。
以上の結果により、売上高は7,328百万円(前期比10.8%増)となりました。
ⅶ.その他部門
主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」、「PT. Agrapana Niaga Gemilang」、「物語香港有限公司」による取り組みであります。当連結会計年度中において、38店舗の出店を実施しました。これにより、その他部門の当連結会計年度末の店舗数は59店舗となりました。
以上の結果により、売上高は4,726百万円(前期比53.6%増)となりました。
表 「部門別店舗数の状況」
(単位:店)
|
|
直営(国内) |
FC(国内) |
海外 |
2025年6月末 店舗数 |
|
焼肉部門 |
223 |
128 |
- |
351 |
|
ラーメン部門 |
128 |
104 |
- |
232 |
|
お好み焼部門 |
16 |
4 |
- |
20 |
|
ゆず庵部門 |
90 |
16 |
- |
106 |
|
専門店部門 |
42 |
- |
- |
42 |
|
その他部門 |
- |
- |
59 |
59 |
|
合計 |
499 |
252 |
59 |
810 |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較し535百万円増加し、12,338百万円(前期比4.5%増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は11,839百万円(前期比11.4%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益8,838百万円、減価償却費5,042百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は13,954百万円(前期比51.0%増)となりました。これは主に新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出9,915百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,221百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は2,707百万円(前期比23.0%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入6,287百万円、長期借入金の返済による支出2,274百万円、配当金の支払額1,299百万円などによるものです。
(生産、受注及び販売の実績)
当社グループは、単一セグメントであるため品目別及び部門別に記載しております。
ⅰ.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
生麺(百万円) |
1,798 |
112.5 |
|
液体調味料(百万円) |
779 |
109.3 |
|
合計(百万円) |
2,577 |
111.6 |
(注) 金額は販売価格によるものであり、部門間の内部振替前の数値であります。
ⅱ.受注実績
当社は一般消費者への直接販売を主としており、また、生産についても見込生産を行っておりますので、記載すべき事項はありません。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
|
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
|
直営店 |
焼肉部門(百万円) |
61,647 |
111.7 |
|
ラーメン部門(百万円) |
21,768 |
119.7 |
|
|
お好み焼部門(百万円) |
2,219 |
107.1 |
|
|
ゆず庵部門(百万円) |
20,670 |
115.2 |
|
|
専門店部門(百万円) |
5,560 |
135.1 |
|
|
その他部門(百万円) |
4,726 |
153.6 |
|
|
小計(百万円) |
116,592 |
115.9 |
|
|
フランチャイズ部門(百万円)(注) |
7,328 |
110.8 |
|
|
合計(百万円) |
123,921 |
115.6 |
|
(注)ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
ⅰ.財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて1,656百万円増加し、21,139百万円となりました。これは主に売掛金が831百万円増加、その他流動資産が322百万円増加、現金及び預金が284百万円増加、商品及び製品が197百万円増加したことなどによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて10,839百万円増加し、52,887百万円となりました。これは主に有形固定資産が7,437百万円増加、無形固定資産が2,900百万円増加したことなどによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて1,481百万円増加し、18,811百万円となりました。これは主に買掛金が659百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が620百万円増加、その他流動負債が148百万円増加したことなどによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて208百万円増加し、14,851百万円となりました。これは主に社債が5,887百万円減少、長期借入金が3,270百万円増加、リース債務が2,218百万円増加、資産除去債務が362百万円増加したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて10,805百万円増加し、40,364百万円となりました。これは主に利益剰余金が4,850百万円増加、転換型新株予約権付社債の権利行使に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,080百万円増加したことなどによるものです。
ⅱ.経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期比15.6%増加し123,921百万円となりました。
当社グループは中期経営計画「物語ビジョン2025」の実現に向け、「とびっきりの笑顔と心からの元気」をスローガンに店舗運営を行いました。当社グループの売上向上施策として、既存店舗の内外装の積極的な改装、看板商品の磨きこみ、グランドメニューの変更、期間限定商品の販売、サービス力の強化を行い、他社との差別化を図るとともに顧客体験価値の向上に注力しております。
これらの施策の効果により国内既存店(注)の当連結会計年度における売上高は、直営店において前期比4.2%増、フランチャイズ店において前期比4.3%増となりました。
焼肉部門では、直営店において19店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は61,647百万円(前期比11.7%増)となりました。
ラーメン部門では、直営店において13店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は21,768百万円(前期比19.7%増)となりました。
お好み焼部門では、直営店の売上高は2,219百万円(前期比7.1%増)となりました。
ゆず庵部門では、直営店において9店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は20,670百万円(前期比15.2%増)となりました。
専門店部門では、直営店において12店舗の新規出店をしました。この結果、直営店の売上高は5,560百万円(前期比35.1%増)となりました。
フランチャイズ部門では、フランチャイズ店において10店舗の新規出店を実施しました。フランチャイズ加盟店舗数の増加によるロイヤルティ収入の増加などにより、売上高は7,328百万円(前期比10.8%増)となりました。
その他部門では、38店舗の新規出店を実施しました。この結果、売上高は4,726百万円(前期比53.6%増)となりました。
(注)国内既存店とは、2025年6月30日現在で開店から18カ月以上経過している国内の店舗を指します。
売上原価は売上高の増加に伴い、前期比16.9%増加し43,277百万円となりました。売上原価率は34.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比15.2%増加し71,401百万円となりました。販管費率は、前期比0.2ポイント減の57.6%となっております。販売費及び一般管理費が増加したのは、新規出店に伴う人員増員により給料及び手当が前期比14.1%増の30,627百万円となったことなどによります。
この結果、営業利益は前期比13.1%増加し9,242百万円となりました。
営業外収益は前期比76.4%減少し118百万円となり、営業外費用は前期比285.4%増加し324百万円となりました。
この結果、経常利益は前期比5.2%増加し9,035百万円となりました。
特別利益は、収用補償金333百万円を計上し、333百万円となりました。
特別損失は、固定資産除却損148百万円、店舗閉鎖損失143百万円等を計上し、529百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9.1%増加し6,157百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資などによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入金および社債の発行により行っております。
なお、当連結会計年度末における社債、借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は15,350百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,338百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成する上では、固定資産の減損損失、繰延税金資産の回収可能性など様々な会計上の見積りを行うことが必要となりますが、会計基準では、会計上の見積りを「資産及び負債や収益又は費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出すること」と定義されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)フランチャイズ加盟契約
当社はフランチャイジー(フランチャイズ加盟企業)との間で、以下のような加盟契約を締結しております。
① 当事者(当社と加盟企業)間で、締結する契約
ⅰ.契約の名称
・『焼肉きんぐ』フランチャイズ加盟契約
・『丸源ラーメン』フランチャイズ加盟契約
・『二代目丸源』フランチャイズ加盟契約
・『お好み焼本舗』フランチャイズ加盟契約
・『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』フランチャイズ加盟契約
ⅱ.契約の内容
フランチャイジーは、当社とフランチャイズ加盟契約を交わしたブランドの商標・サービスマークなどの使用許可およびフランチャイズシステムのノウハウの提供を受ける。
② 加盟に際し、当社が徴収する加盟金、保証金、ロイヤルティ、その他の金銭に関する事項
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加盟金 |
保証金 |
ロイヤルティ |
契約更新料 |
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『焼肉きんぐ』 |
1店目 500万円 2店目~9店目 250万円 10店目以降 150万円 |
400万円 |
1店目~9店目 3.00% 10店目~19店目 2.80% 20店目~29店目 2.60% 30店目以降 2.40% |
最新フランチャイズ契約加盟金の10% |
|
『丸源ラーメン』 |
1店目 500万円 2店目~9店目 250万円 10店目以降 150万円 |
400万円 |
1店目 5.00% 2店目 4.80% 3店目 4.60% 4店目 4.40% 5店目 4.20% 6店目~9店目 4.00% 10店目~19店目 3.80% 20店目~29店目 3.60% 30店目以降 3.40% |
最新フランチャイズ契約加盟金の10% |
|
『二代目丸源』 |
1店目 500万円 2店目以降 250万円 |
400万円 |
1店目 5.00% 2店目 4.80% 3店目 4.60% 4店目 4.40% 5店目 4.20% 6店目以降 4.00% |
最新フランチャイズ契約加盟金の10% |
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『お好み焼本舗』 |
500万円 |
200万円 |
5.00% |
最新フランチャイズ契約加盟金の10% |
|
『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』 |
1店目 500万円 2店目~9店目 250万円 10店目以降 150万円 |
400万円 |
1店目~9店目 3.00% 10店目~19店目 2.80% 20店目~29店目 2.60% 30店目以降 2.40% |
なし |
(注)『焼肉きんぐ』、『丸源ラーメン』および『お好み焼本舗』の10店舗以上のロイヤルティについては、フランチャイジーが自社内スーパーバイザー業務を実施するなどの条件により、異なるロイヤルティ料率を採用しております。
③ 契約期間に関する事項
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『焼肉きんぐ』 |
『丸源ラーメン』 『二代目丸源』 |
『お好み焼本舗』 |
『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』 |
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契約期間 |
契約締結日を開始日として、店舗の開店日から満10年を経過した日を終了日とする。 |
契約締結日を開始日として、店舗の開店日から満10年を経過した日を終了日とする。 |
契約締結日を開始日として、店舗の開店日から満5年を経過した日を終了日とする。 |
契約締結日を開始日として、店舗の開店日から満10年を経過した日を終了日とする。 |
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契約更新 |
契約満了の6カ月前までに両当事者のいずれからも、解約の申し入れがない場合は、2年ごとに自動的に更新される。 |
契約満了の6カ月前までに両当事者のいずれからも、解約の申し入れがない場合は、2年ごとに自動的に更新される。 |
契約満了の6カ月前までに両当事者のいずれからも、解約の申し入れがない場合は、2年ごとに自動的に更新される。 |
契約満了の6カ月前までに両当事者のいずれからも、解約の申し入れがない場合は、5年ごとに自動的に更新される。 |
(2)SPICE MONOGATARI FOOD CORP.との「エリアフランチャイズ契約」
① 相手方の名称
SPICE MONOGATARI FOOD CORP.(フィリピン法人)
② 契約品目
エリアフランチャイズ契約
③ 契約の内容
フィリピン国内におけるに『YAKINIKU KING』と『NIKU NIKU OH!! KOME』の商標及びノウハウ、システムを使用した店舗展開の許諾(任意の組み合わせで合計10店舗まで店舗展開を許諾)。
④ 契約日
2025年1月30日
⑤ 契約の期間
契約日より10年間
ただし、双方合意による更新の規定があり。
⑥ 契約条件
・権利金:契約締結時に一定金額
・ロイヤリティ:エリア内店舗の月間売上高の一定料率
(3)ワルツ株式会社との「継続的売買基本契約書」
① 契約の内容
ワルツ株式会社が当社の直営店舗およびフランチャイズ加盟店舗に対して、商品を継続的に売り渡すこととし、当社はこの活動を全般的に統制し、その一部をワルツ株式会社に委託する。
フランチャイズ加盟店舗がワルツ株式会社に対し、残債務を発生させた場合、フランチャイズ加盟企業が当社に差し入れている保証金を限度額として連帯して保証する。
② 契約の期間
契約日から5年間
ただし、契約期間満了6カ月前までに、両社から、何らの申し出のないときは、期間満了の翌日から1年自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。
(4)株式会社トーホーフードサービスとの「継続的商品取引基本契約書」および「継続的売買基本契約書」
①「継続的商品取引基本契約書」
ⅰ.契約の内容
株式会社トーホーフードサービスが当社の直営店舗およびフランチャイズ加盟店舗に対して、商品を継続的に取引することとし、当社はこの活動を全般的に統制し、その一部を株式会社トーホーフードサービスに委託する。
ⅱ.契約の期間
契約日から1年間
ただし、契約期間満了1カ月前までに、両社から、何らの申し出のないときは、期間満了の翌日から1年間自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。
②「継続的売買基本契約書」
ⅰ.契約の内容
株式会社トーホーフードサービスが当社のフランチャイズ加盟店舗に対して、商品を継続的に売り渡すこととし、当社はこの活動を全般的に統制し、その一部を株式会社トーホーフードサービスに委託する。
株式会社トーホーフードサービスは、フランチャイズ加盟企業および連帯保証人から支払いを受けることができない金額をフランチャイズ加盟企業が当社へ差し入れている保証金を限度額として請求できる。
ⅱ.契約の期間
契約日から5年間
ただし、契約期間満了6カ月前までに、両社から、何らの申し出の無いときは、期間満了の翌日から1年間自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。
(5)金銭消費貸借契約
当社は2025年4月1日付で、株式会社三菱UFJ銀行と財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。
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①資金の用途 |
米国子会社によるSHOGUNグループ株式取得に係る転貸資金 |
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②借入先 |
株式会社三菱UFJ銀行 |
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③期末残高 |
3,765百万円 |
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④借入実行日 |
2025年4月1日 |
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⑤適用利率 |
年4.8% |
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⑥借入期間 |
2025年4月1日~2035年3月26日 |
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⑦返済方法 |
元金均等返済(20回分割返済) 2025年9月25日を第1回として、その後、6カ月ごとの各応当日に分割返済 |
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⑧担保の有無 |
無担保、無保証 |
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⑨財務制限条項 |
有※ |
※財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」をご参照ください。
該当事項はありません。