当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
(1)経営理念
あおぞらミッション(存在意義)
・新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する
あおぞらビジョン(目指す姿)
・時代の変化に機動的に対応し、常に信頼され親しまれるスペシャリティー高い金融グループであり続ける
あおぞらアクション(行動指針)
・ユニークで専門性の高い金融サービスを提供する
・迅速に行動し、粘り強く丁寧に対応する
・チームワークを重視し、みんなで楽しく仕事をする
・仲間の多様な生き方、考え方、働き方を尊重し、仲間の成長を支援する
・過去を理解し未来志向で今日の課題に取り組む
・創意工夫で新規領域にチャレンジする
・社会のサステナブルな発展に積極的に貢献する
(2)経営環境
現在、日本においては少子高齢化による労働人口の減少、気象災害の激甚・頻発化、公共インフラ老朽化への対応など様々な課題に直面しております。一方、情報技術の進展による社会のデジタル化が加速し、地域社会の生産性や利便性を飛躍的に高め産業や生活の質を大きく向上させております。今後、労働人口減少や災害等への対応策としてAIの活用をはじめとしたDX社会のさらなる加速化が必要とされ、これを実現するためデジタルインフラの整備強化が不可欠となっております。
金融経済においては、国内金利正常化による利ざやの改善や、企業の資金需要回復、企業再編ニーズによるM&A市場の活発化などが追い風となる一方で、欧米における景気減速、米国トランプ政権の政策を起因とした金融市場不安定化などのリスク要因も想定されます。
こうしたなか、金融業界には、金利上昇局面における金融仲介機能の強化とともに、サステナブルファイナンスを通した気候変動対応をはじめとした社会的課題解決への貢献、更なるデジタル化の進展による新たな金融サービスの提供等、多様な役割が求められています。
当行としては、これらの環境変化を戦略的に捉えつつ、収益構造の安定化や資本効率の改善等を図り、持続的な成長を実現することで、企業価値向上を目指すことが必要となっています。
(3)経営計画
当行グループは、2025年度から2027年度を計画期間とする新たな中期経営計画を策定し、5月14日に公表いたしました。以下は、公表資料「新中期経営計画「AOZORA2027」(2025~2027年度)」からの抜粋です。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当行グループは、サステナビリティの推進を経営戦略と一体として捉え、ビジネス及び事業者としての活動に「社会的価値」の観点を組み込み、社会・お客さま・株主・従業員をはじめとする全てのステークホルダーへの貢献と、持続可能な社会の実現、当行グループの企業価値の向上を目指しております。
サステナビリティ推進の基本的な考え方について
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<サステナビリティ推進の基本的な考え方> 様々なステークホルダーとの対話を通じて、現在及び未来の課題に創造力を働かせ、経済的価値と社会的価値を両立するためのチャレンジを続ける |
1.サステナビリティ全般
(1)ガバナンス
① サステナビリティ推進体制
取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心とした推進体制を構築し、経営戦略と一体化したサステナビリティの取り組みを推進しております。
取締役会は、サステナビリティに関する知見・経験を含む、多様性を備えた取締役で構成されており、当行グループが注力する特長のある分野における経営目標である「あおぞらサステナビリティ目標」の設定及び見直しの決議や、サステナビリティ重点項目(マテリアリティ及び重要な基盤)見直しの決議を行うほか、サステナビリティの推進状況について定期的に進捗の確認を行っております。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長兼CEOが議長、サステナビリティ推進担当役員が副議長を務め、CFO、CROほか全業務執行役員が参加し、当行グループ全体のサステナビリティ関連機会とリスクの特定・評価、具体的な施策の検討と進捗の確認を行い、必要に応じて取締役会に付議・報告を行っております。
また、「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗・達成状況は、常勤取締役及び業務執行役員の報酬を決定するにあたり重要な定性的評価として考慮しております。
当行グループのガバナンス体制のさらなる詳細については、「
<2024年度の「サステナビリティ委員会」の開催状況>
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参加者 |
CEO(議長)、サステナビリティ推進担当役員(副議長)、CFO、CRO、人事担当役員ほか全業務執行役員、常勤監査役ほか |
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開催回数 |
6回 |
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主な議題 |
・業務運営計画におけるサステナビリティ推進の取り組み ・サステナビリティ推進施策の進捗 ・サステナビリティ重点項目(マテリアリティ及び重要な基盤)の見直しについて ・社会貢献活動に関する今年度実績と来年度計画 ・GHG排出量開示に関する第三者保証の取得 ・環境・社会に配慮した投融資方針の改定 ・外部調達方針の改定 ・カーボンニュートラルに向けた取り組み進捗 |
② サステナビリティ方針体系
当行グループは、経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げ、この理念を実践する上で、当行グループの全役職員が遵守すべき行動規範として「倫理・行動基準」を定めております。
また、これらの規範に基づくサステナビリティ関連方針として、人権方針・環境方針を軸に、ビジネス面、事業活動面、社会貢献活動面での具体的な方針を定めることで、「サステナビリティ推進の基本的な考え方」の実現を目指しております。
方針体系については、今後も世の中の動きに応じて適切に見直しを図ってまいります。
(2)戦略
① マテリアリティ及び重要な基盤を選定した背景、主な取り組み
当行グループでは、社会の潮流・ステークホルダーからの期待・要請及び当行グループの企業経営に対する重要性を踏まえ、機会とリスクの両面で注力すべき課題を「マテリアリティ」、マテリアリティに基づく経営実践の土台となる項目を「重要な基盤」と位置付けております。
マテリアリティについては、注力するビジネスを通じて社会的価値・経済的価値を生み出す観点から「経済社会の未来への貢献」、地球規模で対応が求められるグローバル課題として「環境課題への対応」、当行グループの持続可能性に不可欠な要素として「人的資本の価値向上」の3つを掲げております。
また、重要な基盤としては、「インテグリティ」「人権尊重」「リスク管理」「ガバナンス」の4つを掲げております。
それぞれの項目を選定した背景及び主な取り組みは以下の通りであります。
<マテリアリティ>
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項目 |
選定した背景(機会とリスク) |
主な取り組み |
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経済社会の 未来への貢献 |
機会 |
企業の経営課題の多様化・高度化に伴うソリューション機会の増加・拡大 |
・エンゲージメント投資、M&A、LBOファイナンス、トランジション支援、不動産ビジネス等を通じた構造転換支援 ・ベンチャーデットやGMOあおぞらネット銀行のソリューション提供によるスタートアップ支援 ・あおぞら債権回収の再生ファンドを通じた事業再生・再チャレンジ支援 |
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リスク |
社会構造変化への対応不足・遅延による企業業績の悪化 |
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環境課題への 対応 |
機会 |
気候変動への対応や自然資本の保全に向けたファイナンスやソリューションのニーズ拡大 |
・サステナブルファイナンスの推進、脱炭素コンサルティングを通じた企業支援 ・事業者としてのGHG排出量削減 ・投融資ポートフォリオのGHG排出量の段階的な計測・削減 ・気候変動シナリオ分析の拡充などによるリスク管理態勢の高度化、レジリエンスの向上 |
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リスク |
自然災害の発生や、規制強化等に伴う企業業績悪化、ステークホルダーからの信頼低下 |
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人的資本の 価値向上 |
機会 |
専門性が高くユニークな金融サービスの提供を支える人材の確保による企業競争力の向上 |
・ビジネス戦略と整合した人材育成・採用・配置、注力分野への人的リソースのシフト ・キャリア構築支援、働きやすさの向上と働きがいの追求 ・多様なバックグラウンド・価値観を有する人材が活躍できる職場環境の整備、DEIの向上 |
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リスク |
価値観の多様化や社会構造の変化に対応していない職場環境による人材流出 |
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<重要な基盤>
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項目 |
選定した背景(リスク) |
主な取り組み |
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インテグリティ |
コンプライアンス軽視による法令違反や行政処分の対象となるリスク、社会規範に悖る行為による風評悪化や社会的信用失墜 |
・倫理・行動基準の遵守 ・お客さま本位の業務運営の徹底・高度化 ・コンプライアンス・プログラムの実践 |
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人権尊重 |
人権侵害への関与・放置による法令違反や行政処分の対象となるリスク、風評悪化や社会的信用失墜 |
・国際規範を踏まえた人権デューデリジェンス態勢の構築・実践 ・職場における人権意識向上、ハラスメントの排除 |
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リスク管理 |
不適切なリスクテイクに起因する財務健全性の悪化等による事業継続性の毀損 |
・リスクアペタイト・フレームワークに基づくリスクガバナンスの強化 |
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ガバナンス |
不適切な企業統治による信用不安の惹起やシステム障害への対応の遅れ等による企業経営の持続可能性への重大な影響 |
・透明性の高いコーポレート・ガバナンスの構築 ・サイバーセキュリティ・危機管理体制の強化 ・内部監査の強化・実効性の向上 |
② あおぞらESG支援フレームワーク
「あおぞらESG支援フレームワーク」により、金融・非金融両面のソリューションを提供することで、お客さまの環境・社会・ガバナンス等、サステナビリティ課題解決の取り組みを支援しております。
金融領域においては、ポジティブ・インパクト・ファイナンスを対象に、当行における評価の枠組みや評価の実施体制について、国際的な原則に適合している旨、株式会社格付投資情報センター(R&I)よりセカンドオピニオンを取得しております(あおぞらESGフレームワークローン)。また、再生可能エネルギー等プロジェクト・ファイナンス、グリーンビルティング向けファイナンスにも積極的に取り組んでおり、お客さまの課題認識や状況にあわせて適切なサステナブルファイナンスの提案をすることが可能となっております。
非金融領域においては、脱炭素に関するソリューションを提供する各社と連携し、お客さまの気候変動への取り組みを支援しています。2024年度には、人的資本の取り組みに関する支援メニューを追加しており、お客さまのESGに関する課題に対し総合的に支援することができる体制を整えています。今後も、ビルドアップ型でソリューションの幅を拡大してまいります。
また、サステナブルビジネスに精通した人材の育成は金融機関にとっての重要課題であるため、積極的に研修や勉強会を開催し、人材育成にも注力してまいります。
(3)リスク管理
① マテリアリティと重要な基盤の特定プロセス
サステナビリティ関連の機会及びリスクを識別、評価、及び管理するために、マテリアリティ及び重要な基盤について、以下の特定プロセスにより定期的に見直しを実施しております。
(イ)環境・社会課題の抽出:サステナビリティ関連の様々なイニシアティブ・原則・ガイドライン等と当行グループの経営戦略や事業との重なりを踏まえてリストアップ
(ロ)重要テーマの分析・整理:当行グループの業績や企業価値等に与える影響、及び当行グループの事業活動がステークホルダーに与える影響の2軸で評価し、特に重要性の高い項目を候補項目として絞り込み
(ハ)社内外ステークホルダーへヒアリング:上記の候補項目について意見を収集、認識の齟齬を解消
(ニ)経営会議で決議:サステナビリティ委員会及びマネジメントコミッティーで議論の上最終案を決議し、当該最終案を取締役会に上程し決議
② リスクアペタイト・フレームワーク/トップリスク
事業戦略・財務計画の達成に向けた適切なリスクコントロールを行い、持続的な企業価値の向上を図るために、リスクアペタイト・フレームワークを整備しております。
また、リスクの要因別に「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」等のリスクカテゴリーに分類し、各リスク特性に応じた管理を行った上で、リスクを全体として把握・評価しリスクを制御していく、統合的なリスク管理態勢を構築しております。
また、サステナビリティに関するリスクを毎年更新するトップリスク項目の中に落とし込み、取締役会やマネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における業務運営計画の議論等に活用しております。サステナビリティに関するリスクとしては、具体的に以下のリスクを特定しております。
・与信費用の増加:気候変動を含む経営環境変化への対応の遅れ、並びに人権尊重への対応が不十分な投融資先の企業価値低下
・社会構造・産業構造の変化に伴う競争力の低下:当行のESG対応への低い外部評価による調達環境の悪化やファイナンス機会の逸失
当行グループのトップリスクの詳細については、「
③ 環境・社会に配慮した投融資
「環境・社会に配慮した投融資方針」において、環境・社会に対し、負の影響を及ぼす可能性のある問題について取り組み方針を定めており、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトの投融資を禁止、抑制するとともに、環境・人権課題等の社会的課題に対して適切な対応を行わない企業と取引することのリスクを低減しております。
同方針は、ビジネス環境や社会的な要請及び事業活動の変化等に応じて、マネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における議論を通じて随時見直しております。
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環境・社会に対し負の影響を及ぼす可能性のあるセクターへの取り組み方針 |
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セクター横断 |
与信禁止 |
投融資を禁止する事業等 ・ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業 ・ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業(当該国政府及びユネスコから事前同意がある場合を除く) ・ワシントン条約に違反する事業(各国の留保事項には配慮) ・児童労働・強制労働・人身取引を行っている事業 ・所在国の法令に関して違法な行為、所在国の環境や人権の法整備が遅れている場合においては国際的な環境や人権に関する規範に反する行為、及び公序良俗に反する行為を伴う、又は、目的とする事業、及び反社会的勢力 |
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慎重に与信判断 |
・先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業 ・非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業 ・保護価値の高い地域へ負の影響を与える事業 ・紛争地域における人権侵害を引き起こす、又は助長する事業 |
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特定セクター(与信の制限・禁止) |
石炭火力発電 |
石炭火力発電所の新設や発電設備の拡張に対するファイナンスには取り組まない。なお、二酸化炭素回収・利用・貯留技術等の脱炭素社会への移行に資するお客さまの取組みを支援する投融資については、前向きに取り組んでいく |
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石炭鉱業 |
新規の炭鉱開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する。環境への影響が大きい山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う炭鉱採掘事業、発電事業向けに一般炭を供給する新規の炭鉱開発に対する投融資は行わない |
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石油・ガス |
オイルサンド、シェールオイル・シェールガス、石油・ガスパイプライン、北極圏(北緯66度33分以北の地域)での開発に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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大規模水力発電 |
新規の大規模水力発電(堤防の高さ15m以上かつ出力30,000KW以上)に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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バイオマス発電 |
バイオマス発電に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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森林伐採 |
木材、紙、パルプなど森林伐採を伴う事業に対する投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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パーム油 |
アブラヤシ農園開発に対して投融資を行う際には、お客さまにNDPE(No Deforestation, No Peat, No Exploitation(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ))を遵守する旨の公表を求める。パーム油の流通等関連する事業に対し投融資を検討する際には、RSPO (Roundtable on Sustainable Palm Oil)の認証等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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たばこ製造 |
たばこ製造への投融資を検討する際には、児童労働・強制労働や健康被害に対する、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認する |
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非人道兵器 |
クラスター弾等の非人道兵器の製造に対する投融資は行わない |
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原子力・プラスチック・船舶・鉱山 |
関連する事業への投融資を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮への取り組み状況や取り組み姿勢を情報収集する |
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プロジェクト・ファイナンス (赤道原則) |
赤道原則の適用対象となるプロジェクトに対する融資やプロジェクト・ファイナンス・アドバイザリーサービスを検討する際には、原則の要求事項が遵守されていることを確認する |
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(4)指標と目標
① あおぞらサステナビリティ目標
経済的価値と社会的価値の創出に向け、グループ全体に共通する経営目標として、「あおぞらサステナビリティ目標」を設定、公表しております。
あおぞらサステナビリティ目標は、マテリアリティごとに構成されており、当行グループが注力する特長のある分野を中心に、中長期的な数値目標を設定し、環境・社会に対する持続的な貢献を目指しております。
② あおぞらサステナビリティ目標の進捗状況
「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗状況につきましては、「
2.気候変動
(1)ガバナンス
マテリアリティの一つとして「環境課題への対応」を掲げており、中でも気候変動は、経営と一体で取り組むべき最も重要な課題として位置付けております。サステナビリティの推進に関するガバナンスについては「
(2)戦略
気候変動への対応は、リスクへの対処であると同時に大きなビジネス機会でもあると捉えております。
そのため、事業に影響を与えると見込まれる気候関連のリスクを整理するとともに、脱炭素社会の実現に向けて、本業である金融商品・サービスの開発・提供を通じた機会を整理しております。
このようなリスクと機会の認識に基づき、気候変動へのレジリエンスを高めるための戦略的な取り組みを検討し、推進してまいります。
なお、当行グループでは、短期を0~3年(中期経営計画と合わせた期間)、中期を3~10年、長期を10~30年と定義しております。
① 気候変動に関する機会
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機会 |
時間軸 |
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・当行グループにおける投資銀行ビジネス(ストラクチャードファイナンス等)との更なるシナジー発揮 ・グリーン・ファイナンス、トランジション・ファイナンス等の取り組み拡大 ・お客さまの脱炭素に向けた移行計画の実行ニーズを捉えた非金融領域における脱炭素ソリューション提供機会の拡大 ・様々な観点でESGを考慮した個人向け資産運用商品の提供機会の拡大 ・脱炭素関連のイノベーション企業(ベンチャー企業含む)との協業による新たなビジネス機会の発掘 |
短期~中期 |
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・水素・アンモニア、CCS、DAC等エネルギー関連の新技術開発に対するファイナンス機会の増加 ・製造・運輸セクターでの抜本的な原燃料転換や省エネ推進に対するファイナンス機会の増加 ・“脱炭素社会実現への貢献“という新たな価値観を共有する個人のお客さまとの多様な取引機会の増加 |
中期~長期 |
② 気候変動に関するリスク
気候変動は、当行グループに影響を与える全てのリスクに関与するため、統合的リスク管理の枠組みにて以下のようなリスクを認識しております。今後の環境変化に応じて、リスクの分類や各種事例について見直しを行ってまいります。
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リスクの分類 |
移行リスク |
時間軸 |
物理的リスク |
時間軸 |
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信用リスク |
・政策、技術の進歩、消費者の嗜好変化等により、お客さまの業績や財務状況が悪化し、与信ポートフォリオが毀損し、損失を被るリスク |
短期~長期 |
・自然災害によるお客さまの業績悪化や担保棄損に伴い、与信ポートフォリオが毀損し、損失を被るリスク ・熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行又は当行のお客さまの事業に重大な悪影響が生じるリスク |
短期~長期 |
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市場リスク |
・お客さまの収益減少や既存資産の減損等により、保有有価証券、金融派生商品等の価値が変動し、損害を被るリスク
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短期~長期 |
・異常気象の影響による市場の混乱、市場参加者の中長期的な見通しや期待の変化により、保有有価証券の価格等が変動し、損失を被るリスク |
短期~長期 |
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リスクの分類 |
移行リスク |
時間軸 |
物理的リスク |
時間軸 |
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流動性リスク |
・移行リスクへの対応の遅延などによる当行の信用悪化による資金調達手段の限定、預金流出・資金繰り悪化のリスク
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短期~長期 |
・異常気象で被災した顧客の資金需要の高まり、復旧・復興に向けた資金流出の増加によるリスク
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短期~長期 |
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オペレーショナル・リスク |
・GHG排出量削減対策や事業継続性強化のための設備費用の増加
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短期~長期 |
・異常気象による被災に伴う本支店やデータセンターにおける業務の中断、損害が発生するリスク
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短期~長期 |
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風評 リスク |
・気候変動への対応不足やステークホルダーから不適切又は不十分と評価されることにより当行の風評が悪化するリスク ・環境への配慮が不十分なお客さまとの取引継続や、当行の移行遅延による評判悪化、雇用への悪影響のリスク |
短期~長期 |
・異常気象の影響を受けたお客さまの支援不足による評判の悪化、事業の中断リスク
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短期~長期 |
③ カーボンニュートラルに向けたロードマップ
気候変動関連のリスクと機会に対する中長期的な取り組みとして、パリ協定の合意事項を踏まえたカーボンニュートラルの実現に向けたロードマップ及び具体的な行動計画を策定しております。
2030年度までに、省エネ活動や使用電力の再エネ化等を通じて、事業者としてのGHG排出量実質ゼロを推進します。2050年度までに、サプライチェーン全体での脱炭素化実現のために、投融資ポートフォリオのGHG排出量実質ゼロを推進します。目標達成のための施策を環境の変化にあわせて逐次検討してまいります。
また、お客さまの脱炭素化への取り組みを支援するために、再生可能エネルギープロジェクト・ファイナンス等の環境ファイナンスをご提供するとともに、石炭火力発電所向けのアセットはフェーズアウトを進めてまいります。
④ お客さまの脱炭素化に向けた取り組み支援
脱炭素社会の実現に向けて、お客さまの脱炭素化の取り組みを支援していくことは、金融機関である当行グループが果たすべき重要な役割であり、さまざまなビジネス機会が想定されます。
従来からの強みである再生可能エネルギープロジェクト・ファイナンスなど金融面の支援に加えて、外部パートナーとの連携による非金融面での脱炭素化ソリューションの開発・提供に注力しております。
当行グループは、お客さまの環境に対する取り組みを総合的に支援することで、経済的価値と社会的価値を両立した環境ビジネスを展開しております。
⑤ シナリオ分析
2050年までを対象とした定量的なシナリオ分析は以下の通りであります。
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リスクの分類 |
移行リスク |
物理的リスク |
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シナリオ |
IEA(国際エネルギー機関) World Energy Outlook STEPS(3℃)シナリオ、NZE(1.5℃)シナリオ |
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)/RCP2.6シナリオ(2℃シナリオ) |
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分析手法 |
パラメーターや公開情報などを基に将来の投資負担の増加についても考慮に加え、取引先企業の業績影響への度合い(信用力低下の程度)を把握し、引当コストの増加額を試算 |
河川氾濫、高潮による浸水被害における建物損傷率を算出し、使途物件の損傷に起因した引当コストの増加額を試算 (物件の棄損による直接被害と事業停滞期間による影響) |
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分析対象 |
電力、エネルギー、自動車、不動産(ノンリコースローン、REITを除く)、素材セクター* (当該対象向け貸出金が貸出金残高全体に占める割合18.4%) ※2023年3月末時点 |
国内外の不動産ノンリコースローンの担保物件 (当該ノンリコースローンが貸出金残高全体に占める割合15.1%) ※2021年6月末時点
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分析結果 |
以下のことを確認 ・電力セクターにおいては、炭素価格上昇に伴うコスト増に加えて、GHG排出削減技術の開発及び電源構成の変化が重要 ・エネルギーセクター、自動車セクターにおいては脱炭素社会への移行に向けた市場ニーズの変化への対応が重要 ・素材セクターにおいては、炭素価格上昇に伴うコスト増の影響を比較的受けやすい |
以下のことを確認 ・災害の影響を受けにくい立地や堅牢な担保物件が多いことから、洪水/高潮による被害の可能性が認められた物件は限定的
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移行リスク |
物理的リスク |
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増加が予想される引当コスト |
現時点における引当コストとの比較において、2040年まで最大200億円程度増加し、2050年にはネットゼロ社会への移行の進展に伴い財務状況が改善するため最大40億円の増加と予想 |
2050年までの期間において10億円程度の増加と予想
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財務的影響への評価等 |
分析対象セクターにおける将来の投資負担について検討を実施したこと等により、前年度に比べて引当コストの試算結果が増加
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自然災害や異常気象の増加等に起因する影響は顕在化の前提が数年単位で変化する性質のものではないことから、2024年度は新たな分析は実施していない。必要に応じて適宜見直しを行っていく
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* 移行リスクの分析対象:気候変動による影響度に基づいたリスクマップを用いて与信ポートフォリオにおける重要なセクターの特定を行い、素材セクター、不動産セクター(ノンリコースローン、REITを除く)に加えて、エクスポージャーは比較的大きくないものの影響度が大きい電力・エネルギーセクター、自動車セクターを対象として選定
(3)リスク管理
気候変動リスクについて、「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナル・リスク」といった既存の金融リスクを誘引する「ドライバー」として、既存のリスク管理の枠組みに統合する形で管理しております。また、気候変動リスクを毎年更新するトップリスク項目の中に落とし込み、リスクアペタイトや業務運営計画の議論に活用し、リスク管理の高度化に取り組んでおります。
個別案件の取り上げに際しては、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき対応しております。環境・社会に対し、負の影響を及ぼす可能性のある問題について、「セクター横断的」又は「特定セクター」に係る取り組み方針を定めており、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトの投融資を禁止、抑制するとともに、環境・人権課題等の社会的課題に対して適切な対応を行わない企業と取引することのリスクを低減しております。同方針は、ビジネス環境や社会的な要請及び事業活動の変化等に応じて、マネジメントコミッティー、サステナビリティ委員会における議論を通じて随時見直しております。
(4)指標と目標
気候変動への対応に関する「指標と目標」につきましては、「
3.人的資本・多様性
(1)戦略
当行グループは、経営理念として「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを掲げ、従業員数約2,500名とコンパクトな規模ながら高い専門性と提案力を武器に質の高い金融サービスを提供しております。それを担う「人財」こそが価値創造の源泉であり、当行グループの「人的資本」であると考えております。
①経営理念に基づいた中期経営計画「AOZORA2027」の実現
当行グループでは、従前より企業価値創造の源泉である「人的資本」の強化を経営戦略の土台に据えております。そこで、中期経営計画「AOZORA2027」の人材戦略が目指す姿を「従業員と当行グループが「新たな金融の付加価値を創造」する人材、組織へと「育ち」「変わる」ことで、すべてのステークホルダーがともに「豊かになる」。そして従業員が誇りを持ち、働きがいのある会社を実現する」と定めました。この目指す姿の実現に必要な人材とは「お客様の視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材」であり、その人材がいきいきと働ける組織とは「経営理念達成に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定できる組織」であります。
②中期経営計画「AOZORA2027」における人的資本投資
「人的資本」が企業価値創造の源泉であるとの考えのもと、当行グループでは継続的に外的報酬・内的報酬両面で人的資本投資を強化しております。
<人的資本投資の方針と施策>
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外的報酬 |
競争力のある報酬制度の維持(4年連続ベア実施)、株式報酬制度(従業員対象) |
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内的報酬 |
従業員エンゲージメント、ウェルビーイング向上(働きがいあり、安心して働ける環境整備) |
これを受けて、2023年度の赤字決算等厳しい環境下においても従業員の定着率は依然として高く、2024年度の業績回復につなげております。
しかしながら、目指す姿の実現にあたっては、「経営戦略の実現に必要な、付加価値を創造する人材の拡充」「当行の強みである投資銀行ビジネス等注力分野への更なる人員シフトの必要性」「付加価値を創造する人材へのメリハリある報酬配分が不十分」「組織としての一体感の不足」が課題であると考えております。これらの課題を解消するため、人材戦略の4つの基本方針を策定いたしました。
これら4つの基本方針に沿った人的資本投資を、経済環境の変化に関わらず継続していくことで、人的資本の価値を高めるとともに、経営理念や経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じ、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
(イ)付加価値を創造する人材の育成
当行グループは、“お客様の視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる人材”を目指す人材像と再定義し、人材育成プログラムも、従業員の主体性を尊重しチャレンジを後押しする人材育成のコンセプトは変えずに、注力ビジネスや目指す人材像に沿う形で見直しをいたしました。
<投資銀行ビジネス人材の育成>
投資銀行ビジネスは当行の注力分野であり、将来収益の源泉となります。このため、投資銀行ビジネススキルを備えた人材の育成が最大の課題となります。これまでも計画的な人材配置と内外の研修プログラムにより育成に努めてまいりましたが、人材の質・量のレベルアップを図るため、マネジメント層自らが中心となって2025年度から新たに投資銀行ゼミナールを立ち上げます。今後も目指す人材像に基づいた育成方針に則し、付加価値を創造する人材を育成してまいります。
(ロ)付加価値を創造する人材の採用
当行グループでは経営理念を体現できるポテンシャルの高い人材を採用しております。キャリアコースは、全国総合職*、地域総合職*、IT職、契約型プロフェッショナル(高度専門人材)、契約型スペシャリスト職の5つで、全ての採用者は将来の中核人材や高度専門人材として採用しております。
なお、当行は高い専門性を備えた金融機関として長年キャリア採用に注力してまいりました。この結果、多様な経験値・価値観をもち、専門性が高い多数のキャリア採用者が即戦力として活躍しております。2024年度からは「アルムナイ採用(退職者の再雇用)」「リファラル採用(従業員紹介による採用)」を導入し、キャリア採用比率は49%に達しております。
*2020年度人事制度改革で一般職を廃止しキャリアコース統合
(ハ)付加価値を創造する人材の注力分野への配置
当行では、注力分野である投資銀行ビジネスへの人員シフトを進めております。しかし、今後のビジネス拡大を見越すと現在の人材配置はまだ十分とは言えません。この課題解決に向け、以下の施策を推進してまいります。
<投資銀行ビジネスへの人員シフトに向けた施策>
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・ストラクチャードファイナンス経験を持つベテラン人材の効果的な活用 |
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・高いポテンシャルを持つ若手に早期から現場経験を積む機会を提供 |
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・タレントマネジメントシステム活用等により、全体最適の人材配置を推進 |
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・社内の人材流動性を向上 |
(ニ)付加価値を創造する人材への公正な報酬配分
当行グループは、人材を価値創造の源泉と位置付け、最重要な経営資源と考えております。一時的なビジネス環境や業績の変動に影響されることなく、中長期的な人的資本投資を視野に入れ、適切な報酬水準を維持してきたのはこのためであります。
今後、変化が激しく、不確実性の高いビジネス環境に対応するためには、各個人の企業価値向上に対する中長期的な貢献度を評価し、報いていくことが必要になります。
中期経営計画「AOZORA2027」では、報酬制度に関する以下5つの施策を策定し、付加価値を創造する人材に公正に報酬を配分いたします。公正な評価制度を基盤に従業員が能力を最大限発揮できる環境を整備してまいります。
(ホ)付加価値を創造する組織への変容
従業員エンゲージメント向上
企業価値向上のためには、従業員がいきいきと働ける組織づくりとともに、一人ひとりの従業員の働きがいやエンゲージメントを高めていくことが鍵となります。そこで当行グループではエンゲージメント向上に対する課題の把握を目的として、毎年従業員アンケートを実施しております。今回の結果では「働きやすさは定着し、チャレンジ称賛も改善傾向にあるが、働きがいに改善の余地がある」点が引き続き課題であることがわかりました。
この課題を解決する道筋を明確化し、さらに一体感のある組織に「変わる」ために、新中期経営計画から新たに以下のKPIを設定しております。
<中期経営計画 KPI>
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2024年度結果 |
2027年度目標 |
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「チャレンジへの賞賛*がある」と感じる割合 |
47% |
55% |
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「不足する働きがいの要素*」のうち 「連帯感・一体感」の順位 |
1位 (最も不足している) |
2位以下 |
*従業員アンケート結果
当行グループでは「お客さまの視点に立ち、困難な課題に挑み解決できる」人材、すなわち顧客志向でチャレンジできる人材育成に注力しております。当行グループの存在意義は、困難に挑み常に新たな金融の付加価値を創造することにあるからです。このため、従業員アンケートにおいても「チャレンジ称賛」を最も重視し、更なる上昇を目指しております。
エンゲージメント高く働く従業員がさらに連帯感を持って働くことで、「経営理念達成に向けて一体感を持ち、迅速に意思決定する組織」の実現を目指してまいります。
<従業員エンゲージメントに向けた施策>
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従業員アンケート (年1回) |
アンケート結果は役員間で議論、人事制度や中期経営計画・業務施策に反映 |
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エンゲージメント測定ツール Wevox(月1回) |
可視化・分析を行い、現場主導で組織開発・マネジメント力を向上 |
<組織の一体感向上に向けた施策>
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経営理念浸透につなげるコミュニケーション・フォーラム(年30回) |
全従業員が経営理念や働きがいについて議論 |
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タウンホールミーティング (年1回) |
経営理念の浸透に向け、経営陣と従業員が直接対話 |
従業員のウェルビーイング向上
人材戦略が目指す姿は、すべてのステークホルダーがともに「豊かになる」ことです。従業員のウェルビーイング*はその土台であり、当行グループが価値創造活動をする上で不可欠な要素です。従業員ウェルビーイング向上のために、従業員の健康維持・増進に向けた健康経営とファイナンシャル・ウェルネスの向上を推進しております。
*従業員一人ひとりの心身の健康に加え、社会的にも安定し満たされた状態にあること
特に、従業員が能力を発揮し活躍するためには、将来にわたり経済的不安がない状態で働けることが大切であります。こうした考えから、当行では従業員のファイナンシャル・ウェルネスの実現に向けた制度を整備しております。2025年度には、従業員とステークホルダーがともに「豊かになる」ことを目指し、従業員向けの株式報酬制度を導入いたします。各種制度・施策の拡充を通じて、従業員と家族の経済的安定性を支え、安心して働ける環境を整備してまいります。
③ 人材の多様性確保に向けた環境整備
<多様性確保に向けた人材育成・環境整備方針>
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方針 |
取組内容 |
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能力のみならず 多様性を重視した 採用と人材登用 |
・新卒、キャリア採用を両輪とする採用活動の継続 |
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・女性総合職の採用強化 |
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・多様性に配慮した人材登用の推進 |
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女性従業員の キャリア形成支援 |
・未経験業務へのチャレンジ促進 |
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・女性向けリーダー育成研修などによるキャリア形成支援 |
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すべての従業員が活躍できる環境の整備 |
・外的報酬・内的報酬両面での人的資本投資に注力 |
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・従業員エンゲージメント向上に向けた取組の継続 |
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・障がいのある従業員が安心して働ける環境づくり |
(イ)中核人材の登用等における多様性の確保について
当行グループは、多様な視点を意思決定層に取り入れることが組織の成長と適応力を高め、社会に価値を提供する重要な要素と認識しております。急速に変化するビジネス環境に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指すため、DEI(多様性・公正性・包摂性)推進を重要な経営戦略と位置付けております。
当行グループは「人材育成・環境整備方針」を策定し、キャリア採用者、女性、外国人の管理職比率目標を設定し、多様性確保に注力しております。現在、キャリア採用者の管理職比率は58%に達しております。
(ロ)女性従業員の活躍推進に向けた取組
当行の特徴として、女性従業員の勤続年数が男性より長く、多様な職場で活躍している点が挙げられます。これは、性別に関わらず長く働き続ける環境を整備してきた結果であります。
今後の課題は女性管理職比率の向上です。意思決定層に女性をはじめ多様な視点を取り入れることで自己修正メカニズムが働き、同質的な集団が陥りがちな組織のリスクを減らすことができるからです。また、女性従業員の潜在能力の活用を通じ人的資本の機会損失を減らすことにもつながります。これまでの女性活躍推進の取り組みにより、女性管理職比率は現状15%となっております。今後は、役員を含む全ての意思決定層に女性人材を継続的に登用し、女性管理職比率をさらに高めることを目指してまいります。
(ハ)多様な人材が活躍できる環境作り
当行グループでは、お客さまだけでなく、株主の皆様や従業員を含むすべてのステークホルダーから選ばれる組織になることを目指し、多様性を尊重し全員に公正な機会を提供することで、全従業員が活躍できる環境を整備しております。
まず、当行では男女を問わず育児と仕事の両立を支援する取り組みを継続しており、育児休業取得率は男性も100%に達しております。
また、当行グループではDEIの定着に向け、2022年に「あおぞらアライ」を立ち上げ、障がい者、LGBTQ+当事者等多様なバックグラウンドを持つ従業員に寄り添う活動を続けております。2024年度は全従業員を対象としてLGBTQ+と人権に関する理解を深めるe-ラーニングを実施する等、多様性を認め合う職場風土の醸成に努めております。
(2)指標と目標
人的資本・多様性に関する「指標と目標」につきましては、「
当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会、サステナビリティ委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。
<トップリスク>
2025年度の業務運営において、当行グループを取り巻く環境が与える多くのリスクファクターのうち、以下の項目を当行グループのトップリスクとして認識しております。
当行グループは、トップリスクに対して予め対策を講じ、リスクが顕在化した場合には機動的に対応しコントロールが可能な範囲にリスクを制御しております。また、当行グループは、トップリスクを踏まえてリスクアペタイトや業務運営計画策定の議論を行い、リスク管理の高度化に取り組んでおります。
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トップリスク項目 |
上段:主なリスク要因 下段:主な対応策 |
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与信費用の増加 |
米国の相互関税をはじめとする政治リスク・地政学的リスクの高まりによる経済環境の悪化、各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、気候変動を含む経営環境変化への対応の遅れ、並びに人権尊重への対応が不十分な投融資先の企業価値低下 |
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選別的な良質案件の取上げ及び与信リスク回避のための各種方針・ガイドラインの設定、ストレステストを含めた資本コントロール、並びにサステナブルファイナンス等を通じた投融資先のサステナビリティの取組み支援 |
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保有有価証券の評価損益の悪化 |
米国の相互関税をはじめとする政治リスク・地政学的リスクの高まりや各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、金利・株価・為替の急変動による経済環境悪化 |
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金利・株・クレジットに分散を図った効率的で流動性の高いポートフォリオの構築による、市場動向・金融環境を踏まえた機動的なリスクコントロールの実施 |
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調達の不安定化 |
各国中央銀行における金融政策のタイミングのズレによるインフレ加速や景気悪化、預金獲得競争の激化、金利・株価・為替の急変動や金融市場の混乱による調達環境悪化 |
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調達環境の変調を早期に把握するための、多様な観点での早期警戒指標による予兆管理や、流動性ストレステストによるモニタリング・検証 |
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サイバー攻撃、システム障害等の危機発生 |
サイバー攻撃、重大なシステム障害等(サードパーティを含む)の影響による、当行グループの業務の一部もしくは全体への深刻な影響 |
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サイバー攻撃に関する役職員全員の知識向上、技術的対策の進化、検知能力強化、ビジネス部門を含めた復旧訓練の実施 |
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大規模災害等の危機発生 |
自然災害、テロ、武力攻撃、パンデミック等の影響による、当行グループの業務の一部もしくは全体への深刻な影響 |
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大規模災害発生に備えた、危機管理体制、業務継続計画(BCP)の整備や、定期的な訓練実施と役職員の啓蒙による、危機対応力の強化、実効性確保 |
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トップリスク項目 |
上段:主なリスク要因 下段:主な対応策 |
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社会構造・産業構造の変化に伴う競争力の低下 |
世界的な産業構造の転換や急速なデジタル技術の進展等環境変化への対応の遅れによる成長機会の逸失、当行のESG対応への低い外部評価による調達環境の悪化やファイナンス機会の逸失 |
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ビジネスの現場でデータや情報を利活用できる人材(DX人材)の育成や、当行グループ全体でのビジネス及び事業者としてのサステナビリティの取組みの加速 |
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金融犯罪への対応不備、内部不正や不祥事の発生 |
犯罪行為による顧客への損失発生やマネー・ローンダリング等の金融犯罪対策その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備 |
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高い倫理観の醸成並びにコンプライアンス・プログラムの実施及び、不正行為の未然防止、早期発見のための3線体制フレームワークの高度化と実効性向上 |
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人材リソースのサステナビリティ |
ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力ビジネスに必要なスキルセットを有する人材の不足・流出 |
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持続的成長と企業価値向上につながる人的資本投資の継続、及び戦略的な人事異動・登用や外部採用による注力分野への人材リソースのシフト |
<主要な個別リスク>
1.事業戦略におけるリスク
(1)事業戦略の推進に伴うリスク
当行グループは、経営資源の効率的な管理活用と健全なリスクテイクを通じ、持続的かつ安定的な収益を積み上げ、自己資本充実と企業成長を図り、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」という当行グループの経営理念実現に向けて、各業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。
・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。
・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。
・国内外の地震や台風等の自然災害やテロ・犯罪等の発生により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。
・国内の経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
・ウクライナや中東での紛争による影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクが国際政治の不安定化等により顕在化すれば、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
・米国トランプ政権による政策に伴い、国内外の経済状況や金融市場その他著しい環境変化等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
(2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク
当行グループは、投資銀行ビジネスに引続き重点的にリソースを配分してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、サステナビリティへの取組に対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。
・地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。
・インフレの昂進や、それに伴う金融政策の変更が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。
・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。
・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。
・我が国においては、オーバーバンキングによる厳しい競争環境が続いております。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。
・国内外における経済環境の悪化が生じた場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。
(3)個人顧客向けビジネスの拡充に伴うリスク
当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しております。
資金調達の面では、2025年3月末の個人のお客さまからの調達について、個人預金残高は3.2兆円(前期末対比90%)、コア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は57%程度、となっており、引き続き安定的な資金調達の面でも当行グループの中核を担っております。
当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供しております。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。加えて、個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する中小企業の多様なニーズに対し、事業承継、M&A、不動産関連サービス等、当行グループ全体で課題解決のサービス提供を行ってまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループが個人顧客向けビジネス拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。
・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ることで適切な人員配置ができないことや、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入をすることが必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。
・個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する企業向けのサービスラインナップを拡充しても、他金融機関のサービスとの差別化が難しく、また、他金融機関より相対的に支店数が少ないため、十分な課題解決のサービスを提供できず、収益の拡大に結びつかない可能性があります。
・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。
・個人顧客向けビジネスの拡充には、顧客ニーズに応じたサービスラインナップの充実が不可欠であり、顧客へのマーケティングやサービスラインナップの選定等に多大な時間を要する可能性があります。
・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。
上記のような事情から個人顧客向けビジネスが拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外業務に関連するリスク
当行グループの海外投融資は、為替動向、外貨調達環境に引き続き留意し、エクスポージャーコントロールに努めるとともに、以下の点に留意した業務運営を行います。
・北米向けを中心とする海外コーポレートローンは、機動的なリバランスを継続し、ポートフォリオの分散と質の維持を図ります。
・海外の不動産ノンリコースローンは、対象地域の不動産市況を注視しつつ、米国オフィスのワークアウト案件の極大回収を推進してまいります。
また、加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。
当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。
・ウクライナや中東での紛争による影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクが国際政治の不安定化等により顕在化することで、社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制、金融政策及び規制環境の相違に起因する金融の安定性全般に渡るリスク。
・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。
・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。
・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。
・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。
・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。
・米国トランプ政権による政策に伴う、国内外の政治経済状況や金融市場その他著しい環境変化等が生じるリスク。
なお、海外の不動産ノンリコースローンについては、「2.信用リスク(2)特定先及び特定業種への集中リスク」をあわせてご参照ください。
(5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること
当行グループは、これまで多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、差別化の源泉である「ワンストップでの対応力」、「地方拠点における機動力・情報収集力」を活かし、同業他社との競争上優位性を確保してまいります。同時に、地域銀行へのエンゲージメントを強化させ、経営層との定期的な情報交換を通じ関係を一層強化し、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークを当行グループ共通のプラットフォームとして、当行グループが強みを有するソリューションを提供し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化や当行グループの財政状態、経営成績を起因とした信用力の低下その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。
(6)先進的な商品とサービスの投入
当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしております。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しております。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。
しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じようにお客さまから認知され、お客さまの支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。
また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク
当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独又は事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、資本業務提携契約その他の提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。
合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。
(8)子会社・関連会社の業務に関するリスク
当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれております。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
GMOあおぞらネット銀行は、2024年度に創業以来はじめて、年間の業務純益で黒字化を達成いたしました。黒字の定着及び黒字幅拡大のため、引き続き当行グループ全体で当社の成長に向けたサポートを行ってまいります。なお、2024年9月30日に同社において振込処理遅延と誤送金が発生しました。再発防止策として、プログラムの修正、処理ロジックの変更等による処理速度向上を行い、以降同様の事象の再発はしておりません。しかしながら、今後もシステム動作不良その他理由などによるシステム障害が発生した場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、2026年4月にあおぞら投信及びあおぞら証券の統合を予定しております。これにより効率化を見込みますが、新会社による第一種金融商品取引業の免許取得等、統合の過程における手続きの進捗状況により、統合スケジュールに影響を及ぼすおそれがあります。
2.信用リスク
(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加
当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。
・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。
・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。
・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。
・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。
・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。
・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。
・感染症のパンデミック等の影響により、債務者の業績が悪化した場合。
・米国トランプ政権による政策に伴い、国内外の政治経済状況や金融市場に著しい変化が生じ、その影響により債務者の業績が悪化した場合。
(2)特定先及び特定業種への集中リスク
当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2025年3月末時点の貸出金残高の約20%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2025年3月末現在、貸出全体の約8%を占めています。また、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。
当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2025年3月末現在、貸出全体の約18%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化、具体的には金利の上昇やオフィスにおける空室率の上昇、売買市場の冷え込み等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。米国オフィス案件にかかる不動産ノンリコースローン市況については、不動産売買は取引活発化の兆候が見られるものの、アフターコロナでの働き方の変化を踏まえ、慎重な見通しを維持しております。価格改善が見込めない案件のワークアウト(物件処分による債権回収等)については、これまでの経験を活かし、選別的に回収率の改善を優先した対応・交渉を行うとともに、今後のワークアウトに備えた貸倒引当金を計上し、今後損失が発生するリスクを低減させております。しかしながら、不動産市況の悪化や市況の回復の遅れなどにより、更なる貸倒引当金の計上や損失が発生する可能性があります。
(3)貸倒引当金が不十分となるリスク
当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。
(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク
当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2025年3月末においては約31%になっております。海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約87%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。
海外において、金融市場の混乱や市場環境・経済環境の悪化等により、国、地域、債務者が債務不履行等になった場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、与信関連費用の増加の可能性、当行グループの業績及び財政状態の悪化の可能性があります。
上記の海外向け貸出については、「2.信用リスク(2)特定先及び特定業種への集中リスク」をあわせてご参照ください。
(5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク
当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(6)エクイティ投資の推進に伴うリスク
当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、事業法人・金融法人への株式投資(エンゲージメント投資)等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しております。
しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
3.市場リスク
(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク
当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化や米国トランプ政権による政策を含むその他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。
(2)金利変動によるリスク
貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当行グループが保有する有価証券のうち、2022年度の欧米金利上昇局面以前に取得し中長期的に含み損の処理を行う方針としたものについては基本的に実質リスク残高をゼロとするため、デリバティブやベアファンドを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を講じております。しかしながら、金利リスク削減オペレーション等が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。
日本銀行は、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していく見通しが高まったとして2024年7月及び2025年1月の金融政策決定会合において政策金利の利上げを実施しました。他方、米国においてはインフレ圧力の緩和等を背景にFRB(米連邦準備理事会)は2024年9月から3度にわたり政策金利の利下げを実施しました。今後、各国中央銀行の政策変更や米国トランプ政権による政策を含むその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。
4.流動性リスク
(1)資金流動性リスク
当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、十分な手元資金や流動性の高い有価証券等の確保や資金調達手段の分散・多様化、顧客預金の小口分散化、外貨調達における為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。SNS等を通じた情報伝達スピードが加速する中、当行グループの風評が流布され、また、その他当行グループに対する評価が悪化した場合等、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより、想定を上回る規模・スピードでの急速な預金流出が発生する可能性があります。その場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、また、決済に必要な追加担保の差入れ等資金負担の増加が生じる可能性があり、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、自己資本比率の低下、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、金利環境の著しい変化、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限される場合があります。その場合当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。
(2)市場流動性リスク
当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.オペレーショナル・リスク
(1)リスク管理体制
当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴っております。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取組や環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。
(2)システム障害リスク
当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しております。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っております。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しております。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社NTTデータが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めております。また、当行グループ外の第三者(サードパーティ)とのシステムを介した取引や結びつきの拡大に関して、サードパーティへの攻撃によって情報漏洩や、これらが担うサービスの停止の影響が発生する危険性が増しているとの認識の下、かかる事態の発生を防ぐため、サードパーティへの管理態勢の整備に努めております。
しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。
また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでおります。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としており、ビジネス部門、IT部門、委託先が参加した災対切替訓練を行っております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けております。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しております。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、これらの当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。
当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しております。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めております。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。
当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)サードパーティリスク
当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて、外部委託先や外部システム等のサードパーティを利用しております。サードパーティとの契約・利用に際しては、経営・財務状況の安定性や、情報管理態勢、システム障害・サイバーインシデント管理態勢の確認、人権の尊重や環境への配慮を含めた適格性の検証、サービス代替策の検討等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらのサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できるサードパーティを見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、サードパーティがサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報等の流出等のリスク
当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク
地震、台風等の大規模自然災害や、重大なシステム障害、サイバー攻撃、テロ、武力攻撃等による被害、感染症の流行によるパンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響が及び、これらが停止するおそれがあります。
当行グループは、かかる事象が発生した場合においても業務継続を可能とすべく、優先業務の特定と目標復旧時間等の耐性度の設定、業務継続計画(BCP)の策定、バックアップ体制の構築、継続的な訓練の実施等により、危機管理体制の実効性向上とオペレーショナル・レジリエンス確保に努めております。
しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。
(6)人材に関するリスク
当行グループは、「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことを経営理念とし、新たな金融の“付加価値を創造”する人材と組織へと「育ち」「変わる」ことを人材戦略の基本方針としています。付加価値を創造する人材が企業価値向上の最大の原動力であるとの認識のもと人的資本の強化を経営の重点課題とし、注力分野である投資銀行分野に重点的に人的リソースを配分していく方針です。今後、ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたすリスクがあります。
当行グループでは、注力分野への人材リソースシフトに向けて、戦略的な人事異動と処遇の見直し、外部採用活動の強化及び多様化による人材登用の継続、従業員の自律的なキャリア形成の後押しなど、継続的に人的資本投資に取り組んでおります。また、従業員アンケートやエンゲージメントサーベイによる満足度の把握とそれを受けた人事制度の見直しや人事施策の実施を通じ、企業価値向上の源泉である従業員の働きがい向上に尽力しております。これからも人的資本への投資に注力することで人材に関するリスクの削減を目指してまいりますが、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限らず、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)係争中の訴訟
当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起され、損害を補償する可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)法令等遵守に関するリスク
当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでおります。しかしながら、必ずしもこのような取組のすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反等が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)金融犯罪に関するリスク
当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに特殊詐欺等の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでおります。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。
こうした金融犯罪を防止する取組は従前から行っておりますが、近年の本邦における金融犯罪の増加等を踏まえ、モニタリング態勢の高度化を継続的に実施するとともに、グループ会社における金融犯罪防止態勢強化・整備のサポートを行うなど、当行グループ全体として実効性を確保する取組を進めております。
しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク
当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反等が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性
当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような問題行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。
(12)風説・風評の発生による悪影響
当行グループの事業全般や金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し、また、報道機関により否定的な報道が行われる場合には、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、インターネット上の掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込まれた情報は短時間で不特定多数に拡散されるため、想定外の影響を及ぼす可能性もあります。
6.自己資本にかかるリスク
(1)自己資本比率規制
当行グループは海外営業拠点を有しない国内基準適用行として、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められており、規制上求められる自己資本比率を維持できなくなった場合、金融庁から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な行政処分等を受ける可能性があります。
当行グループの2025年3月末時点におけるバーゼルⅢ最終化ベースの連結自己資本比率は10.72%であり、規制上求められる自己資本比率としては十分な水準を維持しております。ただし、今後の利益水準、リスク・アセット水準の変動、戦略的な資本提携や買収・合併の実施、自己資本比率規制の更なる強化その他の要因により、自己資本比率が低下する可能性があり、その場合、行政処分の他、市場からの信認の低下等により、業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当行は国内基準適用行ではありますが、中期経営計画「AOZORA2027」において、国際統一基準によるCET1比率(普通株式等Tier1比率)を経営上の重要な指標として設定しております。
7.当行グループの財務に関するリスク
(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性
格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。
(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク
当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。
(3)繰延税金資産に関するリスク
当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、税金費用が発生し、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
8.日本の金融サービス業界に関連するリスク
(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響
当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。
・世界経済について、関税・移民政策を含む米国トランプ政権による政策に伴う不確実性やウクライナや中東での影響深刻化、あるいは、これら地域以外での武力衝突リスクによる国際政治の不安定化等が米国や世界経済に悪影響を及ぼす可能性があります。また、インフレを懸念した金融政策の引き締めが、米国のリセッションや中国の回復鈍化といった懸念に繋がる要素を踏まえ、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響に留意する必要があります。
・日本経済は、日本国内の金利の正常化により長らく続いた超低金利時代からの転換期を迎えております。今後、追加の政策金利引き上げが急速に行われていった場合、急速な円高と株安を引き起こすなど、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等により、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。また、引き続き、世界経済と同様に広い範囲でコストが上昇しており、インフレが長期化した場合には、経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。
このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(2)日本の金融サービス市場の競争激化
人口減少や高齢化等により、他国と比べても我が国のGDP成長率は鈍化しており、金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。加えて、先進テクノロジーの出現による新規事業創出の加速、規制緩和等を要因として、通信業者や小売業者をはじめ、他業界からも銀行業をはじめとする金融サービス市場への参入が見られ、場合によっては、既存金融サービスを大きく浸食する可能性もあります。また、当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。
・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っております。
・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っております。
・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、SBI新生銀行、インターネット銀行及び地方銀行等が含まれます。
・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。
・その他の金融サービス提供者:当行グループは、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。
・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展や規制緩和等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。
国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。
さらに、マイナス金利の解除とともに他行との預金の獲得競争が始まっています。機動的な預金金利の設定や大口預金獲得に注力することで調達基盤の更なる安定化を目指していますが、将来にわたって安定的な調達ができる保証はありません。想定以上に調達コストがかかることで、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)金融機関として広範な規制に服していること
当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けております。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。
仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。
(4)各種の規制及び法制度等の変更
当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9.環境・社会課題に係るリスク
(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク
当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもとで金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めております。
昨今、金融業界においても気候変動対応、自然資本・生物多様性の保全、人権尊重をはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取組が広がっていることに加え、各方面のステークホルダーから、事業者としての活動にととまらずサプライチェーン全体を通じて、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されております。
投融資ビジネスにおいては、「環境・社会に配慮した投融資方針」を策定の上、近時の地政学リスクからの影響も考慮しながら、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの環境・社会課題への取組を支援するサステナブルファイナンスの実行/組成額に目標を設定し、積極的な取組を行っております。また、大規模な開発を伴うプロジェクトファイナンスは自然環境や地域社会に大きな影響を与える可能性があり、これらの負の影響を回避・緩和するための適切な配慮を確認した上でファイナンスを実行するため、「赤道原則」を採択しております。
しかしながら、これらの当行グループの投融資等に係る取組が、開示規制の強化や各国政策の転換に十分に対応できない場合や、投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下等により、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)気候変動に係るリスク
気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組が広がっており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっております。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、当行の業績・財政状況へ影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しております。
気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。
(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しております。
・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク
(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しております。
・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク
・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク
これらの事象が生じた場合には、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価、情報開示の重要性を認識し、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同し、移行リスクと物理的リスクが当行に与える影響について分析し、当行の与信関連費用への影響額を開示しております。
2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取組を加速するとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、外部パートナーと協業した脱炭素コンサルティングサービスの展開や国内外における環境ファイナンスを推進しております。加えて、投融資先に関するTCFDに沿った脱炭素化の働きかけやリスクの把握・評価、情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの対策や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下などにより、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
10.その他
(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク
当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。
当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。
しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)重要な経営陣への依存
当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
(3)大株主の状況及び株主構成に係るリスク
当行は、2024年5月13日に大和証券グループ本社との間で資本業務提携契約を締結いたしました。大和証券グループ本社が保有する当行株式の議決権所有割合は23.93%となっており、当行の大株主(筆頭株主)となっております。また、資本業務提携契約に基づき、大和証券グループ本社が指名する1名が取締役に就任しております。
かかる大株主は、当行の業務運営等に対し一定の影響を与える場合がありえ、この場合、大株主の利益が当行の業務に関する他の株主の利益と相違する可能性があります。
文中における財務数値の記載金額は、単位未満を切捨てにて表示しております。
(1)金融経済環境
当連結会計年度における経済環境を見ると、欧米主要国の中央銀行はインフレ圧力の緩和等を背景に年度前半から軒並み政策金利の利下げを実施、世界経済は年度を通し底堅く推移しました。一方、米国による自国第一主義の加速、長期化するウクライナ情勢・中東情勢による地政学リスクへの警戒感など世界経済への影響が懸念されております。国内経済は、物価上昇の影響がみられるものの緩やかな回復基調を維持し、大手企業の賃上げ率も引き続き高水準となりました。日本銀行は賃金と物価の好循環により、2%の物価安定目標実現の見通しが高まったとして2024年7月・2025年1月と2度にわたり政策金利の利上げを実施しました。
金融市場においては、国内の長期金利(10年国債利回り)が期初0.7%台でしたが、マイナス金利政策解除などを背景に年度前半は1%前後で推移しました。その後も、日銀追加利上げ期待などから概ね上昇傾向となり3月上旬には1.5%を超えて推移、期末は1.4%台後半となりました。日経平均株価は、期初39,000円台でしたが日本のデフレ脱却に向けた動きや東証の低PBR改善要請等を背景に7月には史上最高値更新となる42,000円台まで上昇しました。しかし、8月に米国景気悪化懸念が強まり一日として過去最大の下落幅を記録、一時31,000円台となり短期間で大幅な値動きとなりました。その後は、概ね37,000円を超える水準で推移、米国関税政策の不透明感などから期末は35,000円台となりました。ドル円相場は、期初150円台でしたが、年度前半は米国のインフレ高止まりによる円安進行が続き160円台まで上昇しました。その後、日銀の利上げや米国景気悪化懸念により一時140円台前半まで円高に転じたものの、米国長期金利上昇などから再び円安方向で推移し期末は140円台後半となりました。
米国では、景気の底堅さを背景に長期金利(10年米国債利回り)は期初の4%台から高止まりしましたが、年度半ばにはFRB(米連邦準備理事会)による政策金利の利下げ実施により9月には一時3.6%まで低下しました。その後は根強いインフレ圧力などから再び上昇し、期末には4%台前半となりました。米国株式市場は、堅調に推移しダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価は期初の39,000ドル台から12月には史上最高値更新となる45,000ドルまで上昇しました。その後、米国関税政策による景気減速懸念などを背景に下落基調となり、期末は42,000ドル台となりました。
(2)経営成績の状況の概要、及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下、「(2)経営成績の状況の概要、及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」において、「親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失」は「親会社株主純利益」と記載しております。
また、「連結粗利益」、「連結実質業務純益」及び「ビジネス利益」は以下の通り定義しております。なお、表中及びグラフ中の「1Q」、「2Q」、「3Q」及び「4Q」はそれぞれ以下の各期を示しております。
連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(信託報酬+役務取引等収益-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
連結実質業務純益=連結粗利益-経費+持分法による投資損益
ビジネス利益=連結実質業務純益+株式等関係損益等
(株式等関係損益等=株式等関係損益+投資損失引当金純繰入+株式派生商品損益)
1Q:4-6月期 2Q:7-9月期 3Q:10-12月期 4Q:1-3月期
① 決算のポイント
・ビジネスの状況
- 円金利が正常化したこと、国内貸出を増加させたことにより、資金利益が増加
- コーポレートガバナンス改革によりM&A等が活発になり、LBOファイナンス手数料をはじめとする非資金利益が増加
- GMOあおぞらネット銀行(GANB)は黒字転換し、利益に貢献するフェーズへ
・B/S上の課題(レガシー資産)への対応状況
- 米国オフィス向けローンの破綻懸念先残高は計画に沿って約4割減少、追加の与信関連費用は限定的
- 外貨有価証券ポートフォリオは実質リスク残高をゼロとする運営を継続、償還に伴い含み損は減少
② 経営成績及び財政状態の分析
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
|
|
2024年3月期 (億円) |
2025年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,339 |
△569 |
△1,908 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
1,674 |
△1,478 |
△3,152 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
21 |
465 |
444 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
3,035 |
△1,581 |
△4,616 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
11,962 |
14,997 |
3,035 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
14,997 |
13,415 |
△1,581 |
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加等により569億円の支出(前期は1,339億円の収入)となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったこと等により1,478億円の支出(同1,674億円の収入)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入が配当金の支払による支出を上回ったこと等により465億円の収入(同21億円の収入)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末の残高は、前期末比1,581億円減少し、1兆3,415億円となりました。
当行の主要な資金調達手段は、預金、譲渡性預金及び社債です。これらについて継続的に既存債務の借り換えを行うとともに、一定割合について短期資金での調達を行っております。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めております。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(イ)貸倒引当金
(ⅰ)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額
|
|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
|
貸倒引当金 |
87,929百万円 |
71,025百万円 |
(ⅱ)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
A 算出方法
貸倒引当金の算出方法は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」 4.「(6)貸倒引当金の計上基準」に記載しております。
B 主要な仮定
(a)債務者区分の判定における債務者の将来の業績見通し
個別債務者の債務者区分の判定については、外部環境の影響を勘案し各債務者の収益獲得能力、キャッシュ・フロー創出力を個別に検討し評価しております。特に、事業買収を行ったことにより、のれんが計上されている債務者については、買収対象となった事業が生み出すキャッシュ・フローの実現可能性を個別に検討し評価しております。
(b)不動産ノンリコースローン(特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資とする貸出金)における対象不動産の将来キャッシュ・フローの見積り
対象不動産の将来キャッシュ・フローの見積りは、不動産ノンリコースローンの債務者区分判定における重要な要素であり、不動産賃料、空室率、割引率等を個別に検討し評価しております。
なお、海外不動産ノンリコースローンについては、主に米国不動産市場の環境悪化等により市場の流動性が低下しており、中でも米国オフィス市場については、市場動向を踏まえ、市況の安定化は2025年度中と仮定しております。アフターコロナでの働き方が変化する中、市況が低迷している米国のオフィスを裏付資産とするノンリコースローンについては、物件売却等による処分に備えるため、2025年度中までの価格下落リスクを勘案した物件評価を行った上で、物件処分による債権回収等へ移行する可能性を考慮して債務者区分を判定し、物件処分による債権回収等へ移行する可能性の高い債権については、当該価格下落リスクを想定した処分価格の見積りをもとに貸倒引当金を計上しております。
C 翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響
個別債務者の業績変化や、米国不動産市場の動向変化等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)繰延税金資産の回収可能性
(ⅰ)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額
|
|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
|
繰延税金資産 |
44,580百万円 |
51,583百万円 |
(ⅱ)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
A 算出方法
繰延税金資産は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に基づく企業分類に応じて、将来の課税所得を見積り、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金のスケジューリングの結果、その回収可能性を判断し計上しております。
B 主要な仮定
将来の課税所得の見積りは、当行グループの事業計画を基礎としており、これには各ビジネスの過去実績や直近の事業環境、事業方針を考慮しております。また、新中期経営計画におけるユニット毎の収益性や与信関連費用の見通し、日本銀行の金融政策を踏まえた金利見通しなどを主要な仮定としております。
C 翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響
将来の金融経済環境の変化等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における繰延税金資産に重要な影響を与える可能性があります。
(参考)
① 国内・海外別収支
当連結会計年度の「国内」の資金運用収支は425億円、信託報酬は3億円、役務取引等収支は264億円、特定取引収支は31億円、その他業務収支は88億円となりました。
「海外」においては、資金運用収支は75億円、役務取引等収支は△20億円、その他業務収支は△7億円となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用収支は487億円、信託報酬は3億円、役務取引等収支は242億円、特定取引収支は31億円、その他業務収支は91億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
31,817 |
11,758 |
1,502 |
42,074 |
|
当連結会計年度 |
42,595 |
7,513 |
1,397 |
48,710 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
156,903 |
71,042 |
61,509 |
166,436 |
|
当連結会計年度 |
155,627 |
65,953 |
60,476 |
161,104 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
125,085 |
59,283 |
60,006 |
124,362 |
|
当連結会計年度 |
113,031 |
58,440 |
59,079 |
112,393 |
|
|
信託報酬 |
前連結会計年度 |
370 |
- |
- |
370 |
|
当連結会計年度 |
374 |
- |
0 |
373 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
22,150 |
△1,948 |
151 |
20,050 |
|
当連結会計年度 |
26,432 |
△2,023 |
131 |
24,277 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
28,656 |
5,641 |
8,502 |
25,794 |
|
当連結会計年度 |
34,096 |
5,462 |
8,421 |
31,137 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
6,506 |
7,589 |
8,351 |
5,744 |
|
当連結会計年度 |
7,664 |
7,485 |
8,290 |
6,859 |
|
|
特定取引収支 |
前連結会計年度 |
1,633 |
- |
- |
1,633 |
|
当連結会計年度 |
3,145 |
- |
- |
3,145 |
|
|
うち特定取引収益 |
前連結会計年度 |
11,552 |
- |
247 |
11,304 |
|
当連結会計年度 |
3,706 |
- |
- |
3,706 |
|
|
うち特定取引費用 |
前連結会計年度 |
9,918 |
- |
247 |
9,671 |
|
当連結会計年度 |
560 |
- |
- |
560 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
△13,812 |
△691 |
△1,299 |
△13,204 |
|
当連結会計年度 |
8,847 |
△720 |
△1,002 |
9,130 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
36,373 |
20 |
8,804 |
27,590 |
|
当連結会計年度 |
33,298 |
11 |
8,892 |
24,417 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
50,186 |
712 |
10,103 |
40,794 |
|
当連結会計年度 |
24,450 |
731 |
9,895 |
15,286 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する(連結)子会社(以下「国内(連結)子会社」という。)であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する(連結)子会社(以下「海外(連結)子会社」という。)であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
② 国内・海外別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の「国内」の資金運用勘定平均残高は5兆8,855億円、利息は1,522億円、利回りは2.58%となり、資金調達勘定平均残高は6兆9,270億円、利息は1,130億円、利回りは1.63%となりました。
「海外」においては、資金運用勘定平均残高は9,850億円、利息は659億円、利回りは6.69%となり、資金調達勘定平均残高は9,667億円、利息は584億円、利回りは6.04%となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用勘定平均残高は5兆8,312億円、利息は1,577億円、利回りは2.70%となり、資金調達勘定平均残高は6兆9,001億円、利息は1,123億円、利回りは1.62%となりました。
(イ)国 内
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
6,153,349 |
156,903 |
2.54 |
|
当連結会計年度 |
5,885,567 |
152,280 |
2.58 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
32,716 |
1,346 |
4.11 |
|
当連結会計年度 |
28,143 |
983 |
3.49 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
222,980 |
812 |
0.36 |
|
当連結会計年度 |
53,644 |
325 |
0.60 |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
4 |
△0 |
△0.10 |
|
当連結会計年度 |
9 |
0 |
0.10 |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,509,125 |
26,997 |
1.78 |
|
当連結会計年度 |
1,360,145 |
23,039 |
1.69 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
4,115,238 |
121,920 |
2.96 |
|
当連結会計年度 |
4,160,051 |
122,074 |
2.93 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
6,835,372 |
125,078 |
1.82 |
|
当連結会計年度 |
6,927,032 |
113,020 |
1.63 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
5,703,390 |
15,101 |
0.26 |
|
当連結会計年度 |
5,677,631 |
16,149 |
0.28 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
42,539 |
12 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
70,760 |
146 |
0.20 |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
14,237 |
463 |
3.25 |
|
当連結会計年度 |
1,863 |
41 |
2.20 |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
51,450 |
2,838 |
5.51 |
|
当連結会計年度 |
29,293 |
1,518 |
5.18 |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
286,182 |
15,050 |
5.25 |
|
当連結会計年度 |
310,241 |
15,318 |
4.93 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
547,784 |
1,469 |
0.26 |
|
当連結会計年度 |
662,236 |
2,820 |
0.42 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
179,213 |
5,407 |
3.01 |
|
当連結会計年度 |
151,822 |
6,067 |
3.99 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の国内(連結)子会社については、四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金等を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額を控除しております。
(ロ)海 外
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
987,925 |
71,042 |
7.19 |
|
当連結会計年度 |
985,056 |
65,953 |
6.69 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
51,690 |
871 |
1.68 |
|
当連結会計年度 |
53,136 |
776 |
1.46 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
936,234 |
70,170 |
7.49 |
|
当連結会計年度 |
931,920 |
65,177 |
6.99 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
963,361 |
59,283 |
6.15 |
|
当連結会計年度 |
966,756 |
58,440 |
6.04 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
963,361 |
59,283 |
6.15 |
|
当連結会計年度 |
966,756 |
58,440 |
6.04 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外(連結)子会社については、四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金等を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額を控除しております。
(ハ)合 計
|
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
7,141,275 |
1,054,794 |
6,086,481 |
227,945 |
61,509 |
166,436 |
2.73 |
|
当連結会計年度 |
6,870,624 |
1,039,392 |
5,831,231 |
218,234 |
60,476 |
157,757 |
2.70 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
84,407 |
23,937 |
60,469 |
2,218 |
694 |
1,523 |
2.51 |
|
当連結会計年度 |
81,280 |
21,451 |
59,828 |
1,759 |
656 |
1,103 |
1.84 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
222,980 |
- |
222,980 |
812 |
- |
812 |
0.36 |
|
当連結会計年度 |
53,644 |
- |
53,644 |
325 |
- |
325 |
0.60 |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
4 |
- |
4 |
△0 |
- |
△0 |
△0.10 |
|
当連結会計年度 |
9 |
- |
9 |
0 |
- |
0 |
0.10 |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,509,125 |
67,805 |
1,441,320 |
26,997 |
33 |
26,964 |
1.87 |
|
当連結会計年度 |
1,360,145 |
51,298 |
1,308,846 |
23,039 |
540 |
22,499 |
1.71 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
5,051,472 |
963,051 |
4,088,421 |
192,090 |
60,781 |
131,308 |
3.21 |
|
当連結会計年度 |
5,091,971 |
966,641 |
4,125,329 |
187,251 |
59,279 |
127,971 |
3.10 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
7,798,733 |
996,596 |
6,802,136 |
184,361 |
60,006 |
124,354 |
1.82 |
|
当連結会計年度 |
7,893,789 |
993,646 |
6,900,143 |
171,461 |
59,079 |
112,382 |
1.62 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
5,703,390 |
32,785 |
5,670,605 |
15,101 |
717 |
14,384 |
0.25 |
|
当連結会計年度 |
5,677,631 |
26,799 |
5,650,831 |
16,149 |
637 |
15,511 |
0.27 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
42,539 |
- |
42,539 |
12 |
- |
12 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
70,760 |
- |
70,760 |
146 |
- |
146 |
0.20 |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
14,237 |
- |
14,237 |
463 |
- |
463 |
3.25 |
|
当連結会計年度 |
1,863 |
- |
1,863 |
41 |
- |
41 |
2.20 |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
51,450 |
- |
51,450 |
2,838 |
- |
2,838 |
5.51 |
|
当連結会計年度 |
29,293 |
- |
29,293 |
1,518 |
- |
1,518 |
5.18 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
286,182 |
- |
286,182 |
15,050 |
- |
15,050 |
5.25 |
|
当連結会計年度 |
310,241 |
- |
310,241 |
15,318 |
- |
15,318 |
4.93 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
1,511,146 |
963,811 |
547,334 |
60,752 |
59,289 |
1,462 |
0.26 |
|
当連結会計年度 |
1,628,993 |
966,846 |
662,146 |
61,261 |
58,441 |
2,820 |
0.42 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
179,213 |
- |
179,213 |
5,407 |
- |
5,407 |
3.01 |
|
当連結会計年度 |
151,822 |
- |
151,822 |
6,067 |
- |
6,067 |
3.99 |
|
(注)1.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。また、利息についてはその他の連結調整による増減額を含んでおります。
2.資金運用勘定は無利息預け金等を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額を控除しております。
③ 国内・海外別役務取引の状況
当連結会計年度は、役務取引等収益は311億円、役務取引等費用は68億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
28,656 |
5,641 |
8,502 |
25,794 |
|
当連結会計年度 |
34,096 |
5,462 |
8,421 |
31,137 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
8,284 |
541 |
417 |
8,409 |
|
当連結会計年度 |
9,791 |
542 |
538 |
9,795 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
3,755 |
- |
0 |
3,754 |
|
当連結会計年度 |
5,209 |
- |
0 |
5,208 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
4,981 |
- |
90 |
4,891 |
|
当連結会計年度 |
5,994 |
- |
78 |
5,916 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
4,095 |
5,056 |
7,793 |
1,358 |
|
当連結会計年度 |
4,983 |
4,876 |
7,623 |
2,236 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
147 |
- |
12 |
134 |
|
当連結会計年度 |
150 |
- |
12 |
138 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
6,506 |
7,589 |
8,351 |
5,744 |
|
当連結会計年度 |
7,664 |
7,485 |
8,290 |
6,859 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
1,441 |
- |
0 |
1,441 |
|
当連結会計年度 |
2,287 |
- |
0 |
2,287 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
④ 国内・海外別特定取引の状況
(イ)特定取引収益・費用の内訳
当連結会計年度は、特定取引収益は37億円、特定取引費用は5億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
特定取引収益 |
前連結会計年度 |
11,552 |
- |
247 |
11,304 |
|
当連結会計年度 |
3,706 |
- |
- |
3,706 |
|
|
うち商品有価証券収益 |
前連結会計年度 |
247 |
- |
247 |
- |
|
当連結会計年度 |
85 |
- |
- |
85 |
|
|
うち特定取引有価証券収益 |
前連結会計年度 |
8,275 |
- |
- |
8,275 |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定金融派生商品収益 |
前連結会計年度 |
3,029 |
- |
- |
3,029 |
|
当連結会計年度 |
3,621 |
- |
- |
3,621 |
|
|
うちその他の特定取引収益 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
特定取引費用 |
前連結会計年度 |
9,918 |
- |
247 |
9,671 |
|
当連結会計年度 |
560 |
- |
- |
560 |
|
|
うち商品有価証券費用 |
前連結会計年度 |
9,918 |
- |
247 |
9,671 |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
560 |
- |
- |
560 |
|
|
うち特定金融派生商品費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うちその他の特定取引費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(ロ)特定取引資産・負債の内訳(末残)
当連結会計年度は、特定取引資産は2,628億円、特定取引負債は2,091億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
特定取引資産 |
前連結会計年度 |
173,713 |
- |
- |
173,713 |
|
当連結会計年度 |
262,803 |
- |
- |
262,803 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
1,566 |
- |
- |
1,566 |
|
当連結会計年度 |
1,323 |
- |
- |
1,323 |
|
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
172,146 |
- |
- |
172,146 |
|
当連結会計年度 |
261,480 |
- |
- |
261,480 |
|
|
うちその他の特定取引資産 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
特定取引負債 |
前連結会計年度 |
165,078 |
- |
- |
165,078 |
|
当連結会計年度 |
209,155 |
- |
- |
209,155 |
|
|
うち売付商品債券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引売付債券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
1,607 |
- |
- |
1,607 |
|
当連結会計年度 |
250 |
- |
- |
250 |
|
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
163,470 |
- |
- |
163,470 |
|
当連結会計年度 |
208,904 |
- |
- |
208,904 |
|
|
うちその他の特定取引負債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
⑤ 国内・海外別預金残高の状況
○預金の種類別残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預金合計 |
前連結会計年度 |
5,659,004 |
- |
24,012 |
5,634,992 |
|
当連結会計年度 |
5,628,469 |
- |
30,168 |
5,598,301 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
3,309,047 |
- |
9,277 |
3,299,769 |
|
当連結会計年度 |
2,962,517 |
- |
7,548 |
2,954,968 |
|
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
2,283,223 |
- |
- |
2,283,223 |
|
当連結会計年度 |
2,583,157 |
- |
5,000 |
2,578,157 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
66,733 |
- |
14,734 |
51,999 |
|
当連結会計年度 |
82,795 |
- |
17,619 |
65,175 |
|
|
譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
141,380 |
- |
- |
141,380 |
|
当連結会計年度 |
74,600 |
- |
- |
74,600 |
|
|
総合計 |
前連結会計年度 |
5,800,384 |
- |
24,012 |
5,776,372 |
|
当連結会計年度 |
5,703,069 |
- |
30,168 |
5,672,901 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
4.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
5.定期性預金=定期預金
⑥ 国内・海外別貸出金残高の状況
(イ)業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
3,098,275 |
100.00 |
3,298,786 |
100.00 |
|
製造業 |
300,950 |
9.71 |
369,666 |
11.21 |
|
農業、林業、漁業 |
152 |
0.00 |
883 |
0.03 |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
- |
- |
- |
- |
|
建設業 |
16,668 |
0.54 |
25,765 |
0.78 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
126,090 |
4.07 |
140,184 |
4.25 |
|
情報通信業 |
128,199 |
4.14 |
117,077 |
3.55 |
|
運輸業、郵便業 |
42,792 |
1.38 |
58,669 |
1.78 |
|
卸売業、小売業 |
85,987 |
2.78 |
75,646 |
2.29 |
|
金融業、保険業 |
363,825 |
11.74 |
411,033 |
12.46 |
|
不動産業 |
758,169 |
24.47 |
748,573 |
22.69 |
|
物品賃貸業 |
183,255 |
5.91 |
208,079 |
6.31 |
|
その他サービス業 |
162,957 |
5.26 |
168,009 |
5.09 |
|
地方公共団体 |
813 |
0.03 |
4,931 |
0.15 |
|
その他 |
928,411 |
29.97 |
970,263 |
29.41 |
|
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
973,019 |
100.00 |
907,777 |
100.00 |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
973,019 |
100.00 |
907,777 |
100.00 |
|
合計 |
4,071,295 |
―― |
4,206,564 |
―― |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
(ロ)外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑦ 国内・海外別有価証券の状況
○有価証券残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
52,528 |
- |
- |
52,528 |
|
当連結会計年度 |
128,590 |
- |
- |
128,590 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
29,080 |
- |
- |
29,080 |
|
当連結会計年度 |
33,700 |
- |
- |
33,700 |
|
|
短期社債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
107,551 |
- |
- |
107,551 |
|
当連結会計年度 |
103,147 |
- |
- |
103,147 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
46,143 |
- |
15,018 |
31,125 |
|
当連結会計年度 |
47,476 |
- |
17,519 |
29,957 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
990,904 |
- |
24,627 |
966,276 |
|
当連結会計年度 |
1,082,834 |
- |
22,771 |
1,060,062 |
|
|
合計 |
前連結会計年度 |
1,226,208 |
- |
39,646 |
1,186,561 |
|
当連結会計年度 |
1,395,749 |
- |
40,290 |
1,355,458 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、投資と資本の消去及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
4.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑧ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
(イ)信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
|
資 産 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
貸出金 |
53,897 |
5.95 |
79,463 |
8.49 |
|
有価証券 |
170,977 |
18.87 |
184,441 |
19.72 |
|
信託受益権 |
4,806 |
0.53 |
4,530 |
0.49 |
|
受託有価証券 |
221,189 |
24.41 |
196,487 |
21.00 |
|
金銭債権 |
302,209 |
33.36 |
255,047 |
27.26 |
|
有形固定資産 |
73,263 |
8.09 |
72,787 |
7.78 |
|
その他債権 |
739 |
0.08 |
204 |
0.02 |
|
現金預け金 |
78,903 |
8.71 |
142,616 |
15.24 |
|
合計 |
905,987 |
100.00 |
935,579 |
100.00 |
|
負 債 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
金銭信託 |
183,079 |
20.21 |
197,446 |
21.10 |
|
金銭信託以外の金銭の信託 |
132,401 |
14.61 |
218,635 |
23.37 |
|
有価証券の信託 |
221,372 |
24.43 |
196,680 |
21.02 |
|
金銭債権の信託 |
35,565 |
3.93 |
22,434 |
2.40 |
|
包括信託 |
333,569 |
36.82 |
300,383 |
32.11 |
|
合計 |
905,987 |
100.00 |
935,579 |
100.00 |
(注)1. 「信託受益権残高」は、信託勘定全体の信託受益権残高から、当行を委託者兼受託者とする信託から取得した信託受益権額を二重信託として控除しております。また、負債のうち対応する信託種別の元本残高から同額を控除しております。
2. 元本補填契約のある信託については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(ロ)貸出金残高の状況(業種別貸出状況)(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
製造業 |
10 |
0.02 |
9 |
0.01 |
|
農業、林業、漁業 |
- |
- |
- |
- |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
- |
- |
- |
- |
|
建設業 |
26 |
0.05 |
25 |
0.03 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
16,025 |
29.73 |
- |
- |
|
情報通信業 |
23 |
0.04 |
16 |
0.02 |
|
運輸業、郵便業 |
5 |
0.01 |
5 |
0.01 |
|
卸売業、小売業 |
149 |
0.28 |
68 |
0.09 |
|
金融業、保険業 |
- |
- |
- |
- |
|
不動産業 |
34,034 |
63.15 |
75,760 |
95.34 |
|
物品賃貸業 |
- |
- |
- |
- |
|
その他サービス業 |
3,448 |
6.40 |
3,415 |
4.30 |
|
地方公共団体 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
172 |
0.32 |
162 |
0.20 |
|
合計 |
53,897 |
100.00 |
79,463 |
100.00 |
(ハ)有価証券残高の状況(末残・構成比)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国債 |
5,764 |
3.37 |
6,256 |
3.39 |
|
地方債 |
9,075 |
5.31 |
9,075 |
4.92 |
|
短期社債 |
- |
- |
- |
- |
|
社債 |
21,159 |
12.38 |
26,356 |
14.29 |
|
株式 |
- |
- |
- |
- |
|
その他の証券 |
134,977 |
78.94 |
142,753 |
77.40 |
|
合計 |
170,977 |
100.00 |
184,441 |
100.00 |
当行は、株式会社大和証券グループ本社との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結しております。その契約に関する内容等は次のとおりであります。
(1)契約の概要
|
契約締結日 |
2024年5月13日 |
|
相手先の名称 |
株式会社大和証券グループ本社 |
|
相手先の住所 |
東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 |
|
合意の内容 |
・ 両社のグループ会社を含む各事業領域における協働(ウェルスマネジメント、M&A、不動産、成長企業支援等) ・ 大和証券グループ本社への第三者割当増資 ・ 大和証券グループ本社が指名する1名をあおぞら銀行の社外取締役候補者とすること ・ 大和証券グループ本社が保有する当行株式の譲渡及び大和証券グループ本社による当行株式の取得に関する一定の制限 ・ 大和証券グループ本社の当行株式保有割合を一定程度まで維持することを可能にする引受権 ・ 一定の事由に基づき本資本業務提携契約が終了した場合における大和証券グループ本社による当行株式の処分義務 |
(2)合意の目的
異なる強みや経営資源を有する両社が協業することで、個人・法人のお客様が取り組む課題に対するコンサルティング力及びソリューション力を飛躍的に向上させることを目的としています。また、大和証券グループ本社の指名に係る取締役候補者が当行の社外取締役として経営に参画することで、当行経営に対する適切な助言を通し、両者の連携を更に深め本資本業務提携の目的の達成をより強固にすることなどが期待されます。
(3)取締役会における検討状況その他の当行における合意に係る意思決定に至る過程
当行は、2023年5月、最適な事業ポートフォリオの検証・分析・提案や、インオーガニック投資、他社との提携を含めた新規事業開発等を目的として、これらの検討を専門に行うグループ戦略チームを設置し、複数の外部パートナーとの資本提携の可能性等に関する様々な検討を行いました。その検討結果のほか、当行取締役会において、第三者割当増資に係る特別委員会からの答申も含めて議論を重ね、本資本業務提携契約の締結の決定に至りました。
(4)合意が当行の企業統治に及ぼす影響
大和証券グループ本社と当行の利益が相反する議案が取締役会に上程される場合には、当該議案の審議及び決議に大和証券グループ本社の指名に係る社外取締役は参加しないものとしており、当行の企業統治に不当な影響が及ぶことのないように致しております。
該当事項はありません。