なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当行は、1932年5月の創業以来、基本姿勢である「地域社会の発展に貢献する」ならびに「健全経営に徹する」の2つを経営理念として堅持し続けております。
国内外で政治経済の不確実性が高まる中、当行が主たる営業基盤とする岩手県においては、少子高齢化や都市部への人口流出による人口減少、働き手不足、事業の後継者不在など、経済・社会構造の変化に伴う課題が急速に顕在化しており、地域に根差す総合金融グループとしての役割を担う当行グループへの期待は、これまで以上に大きくなっています。地域社会の持続可能性を高めるためには、主力産業である一次産業の基盤を維持しながら、製造業・サービス業の人材を確保し、さらに新たな成長領域への投資を行うなど、地域一体で産業振興に向けた対策を講じていく必要があると認識しております。
2023年4月、当行グループは向こう10年の長期ビジョン「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を掲げました。この長期ビジョンは、「地域が賑わい、安心して暮らすことができる」「多くの魅力ある企業があり、身近で便利な金融インフラが揃っている」といった地域のみなさまやお客さまが理想とする地域社会を実現していくため、10年先の当行グループとしてのありたい姿を表現したものです。


当行グループは長期ビジョンの実現を目指し、2023年4月より「第21次中期経営計画~地域価値共創プラン~」(以下、「今次中計」といいます。)に取り組んでおります。今次中計は、高い水準にある自己資本の有効活用と事業ポートフォリオの変革を通じて、利益成長軌道をつくりだす期間と位置付け、金融サービス領域と新たな事業領域への挑戦を推し進めています。 今次中計に定める基本方針と主な施策は次のとおりです。
[基本方針Ⅰ:ソーシャルソリューションビジネスの高度化]
<グループ総合力と外部連携による包括的なソリューション提供>
法人のお客さまに対しては、投融資・リース等を通じて地域の事業者のみなさまに円滑な資金供給を行うほか、多様化・複雑化する経営課題の解決に向け、グループ会社機能の活用や外部の専門家との連携による包括的なソリューション提供に努めております。コンサルティング分野では、事業承継・M&Aや事業再構築の支援、人手不足への対応として副業人材の紹介などに取り組むほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性向上を支援するためデジタル事業者と連携し、ICTコンサルティングを展開しております。また、お取引先の本業支援策として、商品のブランディングやビジネスマッチングによる販路拡大にも取り組んでおります。
個人のお客さまに対しては、様々なライフイベントや長寿社会に対応するため、各種ローンや資産形成にかかる商品メニューの充実を図るとともに、民事信託、遺言信託、遺言代用信託などの資産継承ニーズに幅広くお応えできる体制を整備しております。また、NISA制度の拡充などにより資産運用に対する意識が高まるなか、職域や教育現場においてセミナーを開催するなど、幅広い世代を対象とした金融リテラシーの向上に取り組んでおります。
<データ利活用による金融サービスの革新>
お客さまの利便性向上のため、「いわぎんアプリ」の機能拡充など、非対面サービスの強化に取り組んでおります。また、2025年3月には、実店舗を持たないデジタル専用店舗「ソラ支店」を新設し、口座開設時に印鑑の届出が不要となる「印鑑レス」の普通預金口座の取扱いを始めました。
また、グループが保有するデータを活用し、いわぎんアプリやATMなど当行のチャネルを通じたお取引先の広告・マーケティング支援にも取り組んでおります。
<環境ビジネスの推進強化>
持続可能な地域社会の実現とESG経営の推進を図るため、頭取を委員長とするサステナビリティ推進委員会において取組の方向性を協議し、各種活動を展開しております。
脱炭素経営に取り組む事業者への資金供給やコンサルティングサービスの提供に加え、県内自治体との連携を広げ、森林資源・海洋資源を活用したJ-クレジットやJブルークレジットの販売仲介業務の推進や、久慈地域における再生エネルギー循環プロジェクトや宮古市などでの太陽光発電設備導入事業への参画など、地域の脱炭素化支援を強化しています。
<フロンティア事業領域への拡大>
新事業開発の専担部署であるフロンティア事業室を主体とした新たな事業分野への業務展開として、NTT東日本グループ及び自治体と連携して、県内2か所でデジタル技術を活用した道路インフラのマネジメントにかかる実証事業を行ったほか、地域の最重要課題である事業承継問題への対応策としてファンドの組成に向けた準備を進めております。
また、投資専門子会社「いわぎん未来投資」では、当行グループのビジネスパートナーになり得るスタートアップ企業等への投資事業を展開し、2023年10月のファンド組成以降の投資先数は5先(累計)となりました。
[基本方針Ⅱ:地域を支える盤石な経営基盤の確立]
<アセットアロケーションの変革>
最適なポートフォリオを構築・維持することを目的として、各種資産のリスク・リターン特性を踏まえた資産配分を行っております。貸出部門では、地元中小企業向け貸出への積極的な取組に加えて、秋田・岩手アライアンスによる連携ファイナンスや仕組ローンなどの取り込みを図りながら収益機会の多角化を進めているほか、有価証券部門では、マーケット動向を踏まえつつ、円債を中心とした残高の積み上げによりポートフォリオの再構築を進めております。
<生産性の高い業務運営体制への変革>
当行では2024年2月より、地域の金融インフラ機能を維持しながら、各地域の統括店に人員と業務を集約し、広範囲に質の高いサービスを提供する「地域統括型店舗運営体制」への移行を進めており、お客さまのご理解ご協力のもと、14地区、26カ店 で移行を完了しました。
事務の効率化・削減を目指す取組としては、テレビ相談窓口による相続業務等の遠隔相談体制を整備するとともに、帳票の電子化によるペーパーレス化を推進しております。また、各業務の生産性改善に向け、生成AIアプリケーションの利用環境を整備し、社内規程類の検索や文書の要約・作成など、行内での活用を開始しております。
<ガバナンス態勢の高度化>
持続的な成長や企業価値向上の基盤となるガバナンス態勢の高度化を目指し、コンプライアンス態勢をはじめ、各種リスク管理態勢の強化に取り組んでおります。また、近年深刻化するマネー・ローンダリングや特殊詐欺などの金融犯罪被害に対して、岩手県警や県内金融機関との緊密な連携のもとで犯罪情報を迅速に共有する体制を確立し、あわせてサイバー攻撃によるデータ漏洩やシステムダウンのリスクを低減するため、セキュリティの強化に注力しております。
株主や投資家のみなさまとのコミュニケーション機会を拡充する観点から、機関投資家との対話(ワンオンワン)やWeb配信による全国の個人投資家向け説明会を開催しているほか、海外投資家向けに決算発表内容の英訳配信を開始するなど情報開示の充実に努めております。また、株主のみなさまとの一層の価値共有を進めることを目的として役員報酬制度の見直しを行い、譲渡制限付株式報酬制度を導入しました。
[基本方針Ⅲ:多様な人材が働きがいを持ち続ける組織づくり]
<地域課題を解決できる人材の育成>
地域課題にビジネスチャンスを見出し、解決に導く人材を育成することを目的に、コンサルティング能力や対話力の向上をねらいとしたプログラムを階層別研修に導入しております。また、行員の成長意欲に応えるため、休日セミナーのシーズン企画化や本部・グループ会社へのトレーニー派遣などを実施しているほか、研修費等の人材育成への投資を積極的に行っております。
<チャレンジ性にあふれた企業風土への変革>
職員の自律的なキャリア形成を促進するため、「いわぎんエキスパートパス制度(社内公募制度)」を通じて中小企業診断士やファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)1級などの公的資格取得を支援しているほか、希望する部署への異動の機会を提供する「ジョブ・エントリー制度」を通じて、職員のチャレンジ意欲の醸成を図っております。
<働きがいを持ち続け、安心して活躍できる組織の実現~D&I推進~>
当行における人と組織に対する基本的な考え方となる「人事ポリシー(※)」に基づき、2024年4月に人事制度を全面改定しました。新制度では、従来の年功的な考え方から「仕事基準」の仕組みへ転換し、評価への納得性を高めることで、全職員がプロフェッショナルとして成長し活躍する基盤を整備しました。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進については、男性職員の育児休業取得率は3年連続で100%を達成しました。また、ライフプランに応じた柔軟な働き方を実現するため、一定の条件下で勤務地を選択できる「エリア選択制度」を新設しました。
※人事ポリシー…当行では「人こそが最も重要な財産であり、あらゆる価値の源泉」であるとともに、経営理念の実現のためには「職員一人ひとりと銀行がともに成長し続ける」と制定しています。
長期目標達成に向けた第1フェーズとして、以下の主要計数目標を設定しております。
※1 連結当期純利益÷株主資本平均残高
※2 自己資本の額÷リスク・アセット等の額
※3 経費(除く臨時処理分)÷コア業務粗利益
※4 貸出金平残×預貸金利回り差+役務利益-営業経費
(4)対処すべき課題
当行は、今次中計の最終年度となる2025年度において、預貸ビジネスを基軸とした的確なバランスシート運営や生産性向上に向けた業務体制の整備等により強固な収益基盤を構築し、次のとおり地域活性化と持続的成長に資する取組に一層注力してまいります。
地域のリーディングカンパニーとして、基幹産業である自動車・半導体分野の進出企業や地元サプライヤーへのサポート体制を強化し、設備投資計画の支援、ビジネスマッチング等の付加価値の高いサービスを提供します。成長分野として期待されるヘルステック産業やスタートアップ企業を産学官金の連携体制により支援し、M&Aへの取組やファンド投資事業を通じて地域企業の成長・拡大戦略を支援していきます。お取引先や自治体の生産性向上を支援するため、IT事業者やスタートアップ企業との連携により、地域全体のDX化を推進します。
2025年3月、大和証券株式会社と新たな協業体制構築に向けた包括的業務提携を締結し、2026年4月の協業開始に向け業務体制の構築を進めております。当行は、地域のお客さまに資産形成・資産管理サービスをより身近なものとして提供し、お客さまの豊かな生活の実現、ひいては地域経済の発展に貢献していきます。
中小企業経営者の高齢化や後継者不足が深刻化する中、事業承継問題を地域の最重要課題のひとつと捉え、事業承継ニーズに対してグループ総力で取り組みます。2025年10月に設立を予定する「事業承継ファンド」を通じて、経営管理や人材紹介、業務効率化などのハンズオン支援により、地域経済や雇用に貢献している地場企業の円滑な事業承継に取り組んでいきます。多様化・複雑化するお取引先のニーズにお応えできるよう、グループ機能と豊富なネットワークを最大限に活用し、経営改善計画の策定や財務改善に関するアドバイスなど、当行グループの強みである高度なコンサルティング業務を提供していきます。
上場企業においては、より資本効率や株価を意識した経営が求められています。当行も「持続的成長に向けた投資」「リスクへの強靭性を備えた適正な自己資本」「株主還元の充実」の観点からバランスのとれた資本運営を進め、PBRやROEの改善に取り組んでいきます。また、株主・投資家のみなさまとの実効性ある建設的な対話に積極的に取り組み、当行グループの成長戦略や財務・非財務情報をより理解いただくための情報開示の拡充に努めていきます。
当行グループは、「健全経営に徹する」という企業理念のもとで、長期ビジョンに掲げる「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」として地域経済の発展に向けた取組を一層強化しながら、今後もステークホルダーのみなさまからの期待にお応えできるよう企業価値の向上に取り組んでまいります。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
当行グループでは、「地域社会の発展に貢献する」の経営理念のもと、社会や環境に配慮した企業活動の展開により、持続可能な地域社会の実現に取り組んでおります。
2023年4月に掲げた向こう10年の長期ビジョン「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」においては、サステナビリティ方針に則り、地域資源の強みとさらなる可能性を引き出し、新たな価値を生み出していくことで、サステナブルな地域社会の実現を目指しております。
当行グループは、長期ビジョンの達成に向け、引き続き地域のリーディングカンパニーとして内外のサステナビリティを巡る諸課題に積極的かつ組織的に取り組むとともに、「ESG(環境・社会・企業統治)経営」と「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)経営」の実践を通じた企業価値の向上に取り組んでまいります。
<サステナビリティに関連する当行のこれまでの主な指針・表明事項>
当行は、気候変動がお客さまや当行に及ぼすリスク及び機会を分析・評価し、地域社会のカーボンニュートラルを実現するため、2021年8月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同しました。2022年8月には、TCFD提言への対応を促進するとともに、ESG経営に関する基本方針や施策を協議・進捗管理することにより持続的な地域社会の実現に資することを目的に、「サステナビリティ推進委員会」(以下、委員会)を設置しております。
委員会は頭取を委員長、取締役専務執行役員を副委員長、その他の常勤取締役や本部各部室長、グループ会社代表者を委員として構成しております。また、施策の企画・立案・研究を行う機関として、本部職員、営業店職員、グループ会社職員で構成する分科会を設置しており、随時開催する分科会において策定した具体的な推進施策等を委員会に対して提言しております。
委員会は原則として年2回開催しており、委員会での協議の内容、進捗状況及びその他必要な事項については取締役会に対し適時・適切に報告し、取締役会では執行状況を監督のうえ、適宜委員会に対して指示・提言・助言などを行っております。取締役会からの指示等を委員会や分科会の活動はもとより経営全般に反映させていくことで、サステナビリティ全般への取組の質の向上に努めております。

<サステナビリティに係る委員会・取締役会等開催状況(2024年4月~2025年3月)>
長期ビジョンを実現していくにあたり、当行グループのサステナビリティ方針を踏まえ、成長分野と経営基盤という観点から5つのマテリアリティ(重点分野)を特定しております。特定したマテリアリティは、中期経営計画に落し込み、基本方針及び重点戦略として設定しております。
今後は重点戦略の進捗状況を管理し、PDCAサイクルを実践のうえ、ESG&SX経営を推進してまいります。
<当行グループのマテリアリティ>

<マテリアリティ特定プロセス>
・GRIスタンダード等の各種ガイドライン、SDGs・ESGに関する外部要請事項等を考慮し、当行グループに関連・影響する課題や要因を抽出
・抽出した課題について、類似項目など課題を整理し、「当行グループにとっての優先度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の2軸で分析し、優先度の高い順に絞り込み
※ 当行グループにとっての優先度:地域企業の課題解決と地方創生への貢献度、企業価値向上への寄与度
※ ステークホルダーにとっての重要度:地域社会や経済へのインパクト、持続可能性への貢献度
・主要とする営業エリア(岩手県)のポテンシャルや特徴などを洗い出し
・洗い出した課題と地域のポテンシャルを考慮し、今後、当行グループに求められる事項を洗い出し
・プロセスを踏まえ、マテリアリティを整理するとともに特定
<マテリアリティに関連するリスク、機会及び主な取組>
当行は、「リスク管理基本規程」を制定し、統合的リスク管理の基本方針を定めるとともに、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクの4つの管理すべきリスクについて、定義、基本方針、責任体制等を明確に定めております。また、各種リスクの統合的管理部署としてリスク統括部を設置し、リスク管理状況のモニタリング等により、リスクの一元的な管理を実施しております。
当行では、長期ビジョンの実現に向けた当行グループの地域への貢献度を測る指標として、「地域価値共創目標」を設定しております。
なお、気候変動及び人的資本に関する指標及び目標は、(2)気候変動、(3)人的資本に記載しております。
<地域価値共創目標>
当行の気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。
当行における気候変動に伴うリスクと機会は以下のとおりです。
ア.移行リスク
当行は、与信の状況を踏まえ、脱炭素化の影響が最も大きいと考えられるエネルギーセクター及び岩手県の主要な産業である自動車関連セクターを対象としてリスク量を算定しております。
なお、算定にあたっては、「2050年IEA(国際エネルギー機関)ネットゼロシナリオ(NZE)1.5℃」を使用しております。
今回の分析の結果、移行リスクによる与信コストの増加は累計24億円を見込んでおります。
イ.物理的リスク
当行は、岩手県内所在の担保取得建物が毀損するケース及び岩手県内の法人が事業の停止を余儀なくされるケース、当行が保有する店舗への被害を想定し、百年に一度の洪水が今後25年以内に発生するIPCC4℃シナリオにより、リスク量を算定しております。
今回の分析の結果、物理的リスクによる与信コスト等の増加は最大18億円を見込んでおります。
炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産を炭素関連資産としております。
〈金額単位:百万円)
<炭素関連資産の算定プロセス>
当行は、再生可能エネルギー(太陽光・風力・バイオマス・水力が対象、地熱は除く)及び火力発電向けのプロジェクトファイナンスについて総与信額や個別案件の取組基準を設定しております。また、取組基準や方針の運用状況等について、資金の運用、調達両面にわたる基本方針等を協議することにより収益の向上とリスク管理に資すること等を目的に設置しているALM委員会で協議しております。
サステナビリティ方針やGHGに関連する指標等の算定を踏まえ、環境・社会に対して負の影響を助長する可能性の高い特定セクターへの融資を制限することについて、次のとおり明確化しております。
今回算定・推定したGHG排出量は次のとおりです。
ア.スコープ1、2(連結子会社を含む、単位:t-CO2)
<スコープ1、2の算定プロセス>
イ.スコープ3(カテゴリー2、3は連結子会社を含む、それ以外は当行単体、単位:t-CO2)
<スコープ3の算定対象範囲、基礎データ、算定方法>
また、カテゴリー15「投融資」の詳細は次のとおりです。 (単位:t-CO2)
今後も、GHG排出量の大部分を占めるスコープ3カテゴリー15におけるデータクオリティ(スコア)とともに、その他のカテゴリーについても精度・粒度の向上を図っていく予定としております。
<参考>2023年度有価証券報告書における算定内容
<2023年度有価証券報告書における算定方法>
<ご留意いただきたい事項>
ア.当行グループのGHG排出量の削減
当行グループが地域の脱炭素社会の実現に向けて先導的役割を果たすため、GHG排出量の削減について次のとおり目標を定めております。
2024年度においては、再生可能エネルギー由来の電力である「よりそう、再エネ電気」を当行グループに導入することで、スコープ1、2において基準年(2013年度)対比で▲72%まで削減が図られました。
当行は、スコープ3を含むGHG排出量ネットゼロやカーボンネガティブを目指すにあたり、自治体との連携強化を図るとともに、面的企業支援に向けて事業性理解や本業支援を通じて、いわぎんSDGs評価・宣言サポートサービス、GHG排出量算定・可視化サービス、J-クレジットなど、取引先の気候変動に関する課題の解決に向けたコンサルティングメニューを幅広く提供しております。
<GHG排出量の推移>

イ.サステナブルファイナンス
脱炭素社会への移行にあたって必要となり得る設備投資、技術革新、消費行動の変化については、事業活動における機会にもつながるものであると考えます。
当行は、融資等のファイナンスを通じて環境・社会課題の解決に貢献していくため、ファイナンスの実行目標を設定し積極的に推進しております。
2024年度のサステナブルファイナンスの実績は801億円(うち再生可能エネルギー関連の融資・リース取引84億円)となり、2021年度からの累計実績は2,541億円となりました。
<サステナブルファイナンスの補足>
(3)人的資本
当行では、「マテリアリティ」において「人材の価値を最大限に引き出す組織づくり」を重点分野として明記しており取組を強化しております。
当行では、当行における人と組織に対する基本的な考え方として、「人事ポリシー」を制定しており、「目指す組織像」や「求める人材像」を実現するための人事制度や各種人事施策の根幹と位置づけております。
このポリシーに基づき、当行では次の観点から個人としての成長や組織としての成長を促進するとともに、個人と組織の成長を支える環境・風土の醸成に取り組んでおります。
ア.導入の目的
イ.新制度の特徴点
当行創立100周年に向けての長期ビジョンを実現するために、前記した人事ポリシーを踏まえながら「人材育成」と「社内環境整備」に取り組んでおります。なお、両方針に対する「機会」と「リスク」は次のとおりです。
ア.経験成長サイクルの促進
2024年度からスタートした新人事制度では、個々の業務経験を学びに変えて、次の業務に生かし成長につなげるという「経験成長サイクルの促進」を人材育成の根幹に据え、このサイクルをまわすために必要となる施策を実施しております。
また、その実現に向けた中心的な取組として2024年度より「1on1ミーティング」を導入しており、2024年度は延べ回数で約6,400回のミーティングが開催されております。

イ.プロフェッショナル人材育成の取組実績
当行ではコンサル人材、高度専門人材などの戦略的人材を計画的に育成すべく、有価証券運用やM&Aなどの専門機関への長期トレーニーやグループ内トレーニーに加え、若手行員を主体として中小企業診断士等の公的資格の取得を支援する「いわぎんエキスパートパス(IEP)」の制度を設けており、地域課題を解決できるプロフェッショナル人材の育成と個人の成長を促す人材投資を行っております。
また、人的資本を効果的・効率的に活用することを通じて、組織が目指す目的の実現に貢献するためには、組織とメンバーをつなぐ「管理職」は、事業成果を出しつつ高い従業員エンゲージメント状態を創出するための非常に重要な役割であると考えております。そのため、チャレンジを後押しする企業風土変革に向けて管理職育成に対する人材投資を行っております。
(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。
ウ.セルフ・キャリアドック
職員のキャリア形成を促進・支援することを目的に、キャリアに関する研修会を入行年次・年齢・役割等級別に実施するとともに、外部のキャリアコンサルティングによる面談を2024年度は340名に対して実施しております。
エ.公募制
本部及びグループ会社で新たな人材を必要とする場合、業務内容や役割、応募条件を提示し、行内から対象者を募集しております。
また、本部や特定の営業店及びグループ会社への異動を希望する行員が志望動機やスキル、自身のアピールポイント等を事前に人事部門へ申請する仕組みを整えており、希望する部署への異動の機会を提供しております。
オ.適正な評価運用
評価者ガイダンスを実施し、評価者間の評価目線のばらつきを実感し「評価調整会議」によるすり合わせ手法を習得するとともに、評価後のフィードバックの重要性を理解し、行動変容につなげるフィードバック手法についても習得を進めております。
カ.専門性サーベイ
プロフェッショナルとして求められる専門性の発揮度を多面的に評価することにより、周囲の期待や今後の能力開発の方向性を確認することを目的に実施しております。
キ.360度サーベイ
マネジメントに従事する行員の行動ならびにコンプライアンスへの取組が、上司や同僚、部下にどのように伝わっているかを自身が確認し、自己認識との違いを踏まえてその行動を見直すことにより、マネジメント能力の向上や店内コミュニケーションの良化、ハラスメントのない職場づくりにつなげることを目的に実施しております。
ア.エンゲージメントサーベイの実施
人事ポリシーで掲げる「職員一人ひとりと銀行がともに成長し続ける」姿を実現するためには、「エンゲージメント」(職員の仕事に関連するポジティブで充実した心理状態、企業に対する共感度合)の向上により、一人ひとりが実力を最大限発揮することが必要不可欠となります。
当行の現状を可視化することで様々な課題を洗い出し、エンゲージメントの向上に向けて必要な施策を実施していくため、2024年2月に非正規を含めた全職員を対象に実施しました。
サーベイ結果を踏まえ、「行外における経営層との対話機会の創出」や「経営へのメッセージBOX設置」などエンゲージメント向上に向けた取組を展開しております。
イ.D&Iの推進
当行では、多様な価値観を受け入れ柔軟な発想を創出することや、行員の経営参画意識と生産性の向上により企業価値を高めることなどを目的としてD&Iに取り組んできていますが、2022年度より「目指す姿」ならびに「指標と目標」を次のとおり設定し、取組のさらなる充実に向けて推進しております。
ウ.いわぎん健康経営宣言
2021年8月、「健康経営」への取組の基本方針として、「いわぎん健康経営宣言」を制定しております。内容は次のとおりです。
エ.岩手銀行イクボス宣言
2017年1月、育児や介護へのさらなる理解、ワーク・ライフ・バランスの充実、多様な人材の活躍をとおした地域貢献について積極的に取り組んでいくため、そして全ての役職員が仕事と生活の両立ならびに充実を促す「イクボス」の理念を実現させていくために「岩手銀行イクボス宣言」を次のとおり策定し宣言しております。
オ.年次有給休暇取得への取組
職員の福祉向上を目的として「連続休暇制度」を規定し、年度内に1人1回連続して7日間以上10日間以内で利用しています。なお、フルタイムの職員は原則として全員が利用するルールとしております。
カ.働き方改革(休暇・休職制度など)への取組
キ.資産形成支援(ファイナンシャル・ウェルネス)
給与及び賞与支給時に一定の資金を拠出することにより、当行株式を取得することができる従業員持株会を設けています。なお、拠出1口(1,000円)に対して50円の奨励金を付与しております。
2025年3月1日現在の加入者数・加入者割合
(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。
また、従業員持株会を活性化し、従業員の安定的な財産形成を促進するとともに、従業員のエンゲージメントを高め、経営参画意識の向上と業績向上へのインセンティブを付与することにより、当行の中長期的な企業価値の向上を図ることを目的として、2023年度に「従業員持株会信託型ESOP」を導入しております。
ク.賃上げへの取組
従業員のエンゲージメント向上と人的資本投資の強化に加え、将来の当行を担う優秀な人材を確保することを目的として、2025年7月1日付で定例給与対比約3.5%のベースアップ(初任給の引き上げを含む)を行う旨を労働組合に対し回答しております。なお、ベースアップと初任給の引き上げは2023年4月以降3年連続となります。
ケ.非正規から正規雇用への取組
嘱託から行員へキャリアアップする機会を2013年度より提供しており、2024年度までの累計者数は36名となっております。
(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。
コ.障がい者雇用への取組
外部機関から講師を招聘し本部における管理職向け研修会を開催するなど、障がい者の雇用促進に向けて積極的に取り組んでおります。なお、2025年3月1日現在の雇用率は2.5%となっております。
(注)当行グループの主たる事業会社である銀行単体の計数を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当行(グループ)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当行は、リスクの管理にあたってコンプライアンスを根幹とし、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、主なリスク管理体制等を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に、金融商品に係るリスク管理体制、リスク量等を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(金融商品関係)に記載しております。
以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
〈事業等のリスクの概要〉
(1)トップリスク
当行は、顕在化した場合に経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク事象を「トップリスク」として選定しております。「トップリスク」は、社外取締役を含むすべての取締役および行内関係部署から幅広く意見を収集し、リスクマップにて影響度と発生頻度・可能性を評価し重要度を判定の上、取締役会において選定しております。トップリスクについては、定期的なストレステスト等を通じて当行に与える影響を認識し、リスクが顕在化した場合の耐性検証や機動的な対応が可能となるよう態勢整備に努めております。
当行が、特に注意すべきリスク事象として認識しているトップリスクは次のとおりであります。
(2)事業等のリスク
① 特に重要なリスク
経営者が当行(グループ)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクのうち、信用リスク、市場リスク、流動性リスクおよびオペレーショナル・リスクを特に重要なリスクと認識しております。これらのリスクは統合リスク管理の手法を用い、各リスクをVaR(バリュー・アット・リスク)等の統一的な尺度で図り、各リスクを統合して経営体力(自己資本)と対比することや、ストレステストの手法を用いて当行が受ける影響を把握することで管理しております。また、モニタリング結果を信用リスク委員会、ALM委員会およびオペレーショナル・リスク委員会に報告し、リスク管理態勢の整備・確立を図っております。
a 信用リスク
ア 不良債権の状況
当行の2025年3月31日現在における金融再生法に基づく連結不良債権比率は2.58%、単体不良債権比率は2.55%となっております。景気動向、不動産価格および株価の変動、融資先の経営状況の悪化等によっては予想以上に不良債権が増加し、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、融資先の経営状況、担保価値、過去の貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上しておりますが、著しい経済情勢の悪化、融資先の経営状況の悪化、担保価値の下落、その他予期せざる理由等によって貸倒引当金の積み増しが必要になり、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行の資産および負債は主要業務である貸出金、有価証券および預金であり、主たる収益源は資金運用と資金調達の利鞘収入であります。これらの資産と負債の金利または期間のミスマッチが存在している中で、金利が変動することによって利益の低下ないし損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、市場性のある国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しております。これらの債券や株式等の価格変動に伴い資産価値が減少することによって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、外貨建ての資産・負債を保有しております。外貨建ての資産・負債についてネットベースで資産超または負債超のポジションが造成されていた場合に、為替の価格が当初予定されていた価格と相違することによって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、信用力の向上、緊急時の体制整備等の適切な資金繰り管理を行っておりますが、予期せぬ資金の流出等により資金繰りがつかなくなる場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることによって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、市場で取引される債券等の資産を保有しておりますが、市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることによって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、正確な事務処理は銀行業の基本であることを認識のうえ、事務リスクの顕在化による経済的損失および信用失墜等を回避するため、厳正な事務リスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、役職員が正確な事務を怠る、または事故・不正等を起こすことによって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
イ システムリスク
当行は、コンピュータシステムの機密性、完全性、可用性を確保するとともに、障害発生時の影響を最小限に抑え、早期の回復を図るための安全対策を講じる等、システムリスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、コンピュータシステムのダウン、誤作動、システムの不備、コンピュータの不正使用等によって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
ウ 法務リスク
当行は、法令遵守を業務遂行上遵守すべき基本事項であることを認識し、厳格な法務リスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、法令遵守違反や契約不履行の行為等によって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、役職員の雇用形態等に応じた適切な人事管理および人事運営を行い、適切な人的リスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、人事運営上の不公平・不公正・差別的行為等によって当行が損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、所有または賃借する動産・不動産の管理を適切に行い、災害や不法行為等による被害を最小限に抑える等、有形資産リスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、想定を超える災害、不法行為等の影響を受け有形固定資産の毀損等によって損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、風評による預金の流出や株価の下落等被害を未然に防止するため、透明性の高い情報開示を積極的に行う等、風評リスク管理態勢の確立、維持発展に取り組んでおりますが、事実と異なる風説、風評の影響を受け評判が悪化すること等によって当行の信用が低下し損失を被り、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② その他のリスク
a サイバー攻撃に係るリスク
当行は、デジタル技術を活用した顧客サービスの向上や業務の効率化に取り組んでいくうえでサイバー攻撃に対応するため、岩手銀行CSIRTを常設のうえ原則隔月で定例会を開催し、情報セキュリティインシデント管理態勢強化に努めておりますが、サイバー攻撃により、情報漏洩やシステムダウン等が発生した場合には、損害賠償や行政処分等により、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、お客さまの情報の取扱いについて「個人情報保護宣言」により基本方針を策定し、顧客情報の適切な利用と厳正な管理の徹底により漏洩等の発生を未然に防ぐよう努めておりますが、顧客情報等の漏洩や不正利用等が発生した場合には、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
c 気候変動に係るリスク
当行は、炭素税等の対価が発生すること等により企業の財務面に影響を与える移行リスクと、地球温暖化に伴い洪水等が発生し企業の事業停止による財務面への影響や当行保有店舗が被害を受ける物理的リスクがあると認識しております。サステナビリティ推進委員会等において気候関連リスクを統合的に管理するよう努めておりますが、想定を超える気候変動による移行リスクおよび物理的リスクに起因した与信コストの増加等により、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、移行リスクおよび物理的リスクの詳細やリスク量を「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の(5)環境問題・社会問題関連 ②リスク管理に記載しております。
当行は、地域金融機関として主たる営業基盤を岩手県を中心とした周辺地域に置いており、地域経済情勢の影響を受けやすい特性を持っています。この地域は国内でも人口減少率が高い地域であり、人口減少や地域経済が縮小した場合は、人材確保の困難化や取引先の経営状況悪化を受けた信用リスク増加等により経営基盤が不安定となり、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、企業年金基金制度および退職一時金制度を設けておりますが、運用利回り低下に伴い年金資産の時価が下落した場合や、退職給付債務を計算する前提となる数理上の前提条件に変更があった場合には、数理計算上の差異が発生し、これに伴って将来の退職給付費用が増加する可能性があり、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
地震、洪水、津波等の自然災害や感染症の流行により、当行の正常な業務運営に支障が生じる可能性があります。こうした事態に備え、当行では「業務継続計画」、感染症発生時の対応計画等を策定し、緊急時の体制整備に努めておりますが、想定を超える状況となった場合は業務の全部または一部が停止し、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
g マネー・ローンダリング等に係るリスク
当行は、マネー・ローンダリング等の対策にあたり、当行の業務分野、営業地域、マネー・ローンダリング等に関する動向等を踏まえたリスクを勘案したうえで方針・手続・計画を作成し、リスクベース・アプローチに基づきリスク低減策を実施・運用しておりますが、何らかの原因により関係法令に抵触した場合には、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行の連結自己資本比率および単体自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき算出しております。当行は同告示の国内基準が適用され、連結自己資本比率および単体自己資本比率を4%以上に維持する必要がありますが、2025年3月31日現在の連結自己資本比率は11.39%、単体自己資本比率は11.09%となっております。当行では健全性の維持に努めておりますが、仮に自己資本比率が要求される水準の4%を下回った場合には、早期是正措置により、業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を金融庁長官から受けることとなり、その結果、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、次のような要因により影響を受ける可能性があります。
・ 融資先の経営状態の悪化等に伴う不良債権処理費用の増加
・ 有価証券ポートフォリオの価値の低下
・ 自己資本比率の基準および算出方法の変更等
・ 繰延税金資産の回収可能性
・ 退職給付債務
・ その他の不利益な展開
当行は、外部格付機関から格付を取得しております。当行では中期経営計画等の諸施策の実行により、収益性および健全性の向上に鋭意取り組んでおりますが、その進捗の状況によっては格付機関の判断により格付が引き下げとなり、資金調達コストの上昇や資金調達が困難になることで、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行は、合理的かつ保守的な条件の下で繰延税金資産を計上しておりますが、この計算は将来の課税所得などの様々な予測・仮定に基づいているため、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。仮に繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断された場合には、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
k 経営戦略に係るリスク
当行は、2023年度から向こう10年の長期ビジョン「お客さまの課題解決と地域社会の持続的成長を牽引する価値共創カンパニー」を掲げ、その第1フェーズとして「第21次中期経営計画~地域価値共創プラン~」を策定し、3つの基本方針「ソーシャルソリューションビジネスの高度化」「地域を支える盤石な経営基盤の確立」「多様な人材が働きがいを持ち続ける組織づくり」のもと業績向上に取り組んでおりますが、外部環境の大幅な変化等により、想定どおり進捗しない場合には、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、長期ビジョンおよび中期経営計画の詳細を「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当行は、各種の規制・制度下において業務を遂行しており、今後、法令や実務慣行、解釈等の変更があった場合には、当行の業務運営や財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なかでも、バーゼル銀行監督委員会および金融監督当局等による自己資本規制の強化や、国際的な会計基準とのコンバージェンスおよびIFRS(国際財務報告基準)の強制適用等の時期と内容次第では、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
m 固定資産の減損等に係るリスク
当行は「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、当行が保有する固定資産について、経済情勢の変動や使用方法の変更に伴う収益性の低下、市場価格の著しい下落等があった場合には、減損処理に伴う損失が発生し、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
n 競争激化に係るリスク
当行は、主要な営業基盤である岩手県において他の金融機関と競争関係にあるほか、異業種からの参入やネット銀行とも競争関係にあり、様々な施策により競争優位となるよう取り組んでおりますが、施策が奏功しないこと等により当行が競争優位を得られない場合、当行の財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
この「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」は、当行グループ(当行及び連結子会社)の経営成績等(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の視点から分析・検討したものです。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。
(1)財政状態
① 預金等(譲渡性預金を含む)及び預り資産
預金等(譲渡性預金を含む)は、法人預金及び公金預金が減少したことなどから、当年度中631億円減少し、当年度末残高は3兆4,137億円となりました。
2024年3月に日銀のマイナス金利政策が解除されたことで、金利上昇局面での預金獲得の重要性が増し、インターネット銀行や県外他行を含めた金融機関同士の預金獲得競争が激化していることが減少要因の一つと考えております。預金は運用原資(収益の源)であるとの再認識のもと、預金確保に取り組んでいく方針であり、特に、粘着性の高い個人預金の確保に向けて全年齢層へのアプローチを展開し、生活口座としての集約化や各種サービスの高度化を促進してまいります。
預り資産は、保険や公共債の残高が増加したことから、当年度中141億円増加し、当年度末残高は3,778億円となりました。海外金利の上昇を主因に外貨建保険の販売が堅調に推移したことや、当年度後半以降、国内金利の上昇から円建保険や個人向け国債の販売額が大きく増加したことが増加要因と考えております。地域のお客さまの資産形成や資産寿命の長寿化に寄与していくことは、長期ビジョン「価値共創カンパニー」の実現につながるという考えのもと、引き続き、お客さまの多様なニーズに対応した商品・サービスを提供し、より一層残高の積み上げを図ってまいります。
(単位:億円)
② 貸出金
貸出金は、法人及び個人、地方公共団体向け貸出がそれぞれ増加したことから、当年度中1,065億円増加し、当年度末残高は2兆1,976億円となりました。当年度は、貸出業務の競争力強化に向けた全行プロジェクトを立ち上げ、営業活動により注力できるフロント体制の整備や、営業戦略の再構築による行員の行動改革と意識改革を実施しました。
中期経営計画の目標である「連結当期純利益70億円」「連結ROE4%以上」を達成するためには、より一層貸出金の強化に注力していく必要があります。引き続き、事業性理解を丁寧に行うことで資金ニーズを汲み取っていくほか、岩手県の主力産業である自動車・半導体分野の進出企業に対する支援や交流人口増加による不動産需要の取込を強化してまいります。
(単位:億円)
③ 有価証券
有価証券は、国債を中心に債券が増加したことなどから、当年度中547億円増加し、当年度末残高は1兆1,942億円となりました。当年度は、金利上昇局面に応じ国内長期債の積み増しを軸にポートフォリオの再構築に取り組んでまいりました。
グローバル経済は不確実性の高い状態が続いており、分散投資が機能しない局面(株安・債券安)も生じ得るため、各種リスクに十分注意した運用が求められる環境にあります。償還再投資にあたっては、イールドカーブの形状を注視しながら柔軟に対応するほか、エクイティ資産については、平準買いも含め時間分散しながら慎重に残高積み上げを図ってまいります。
(単位:億円)
④ 自己資本比率
自己資本の充実度合については、各リスクカテゴリーに配賦したリスク資本の範囲内にリスク量が収まっていることを月次でモニタリングしており、その結果から十分な水準を維持していると評価しております。今次中期経営計画では、適正な自己資本水準を確保しつつ、リスク・アセットの積み上げと成長分野への戦略的投資に資本を活用していく方針としております。当年度は、自己資本が増加したことなどから、連結自己資本比率は前年度末比0.10ポイント上昇し11.39%、単体自己資本比率は同0.14ポイント上昇し11.09%となりました。
「成長投資」「適正な自己資本の水準の確保」「株主還元の充実」の3つをバランスよく運用し企業価値向上を目指してまいります。
(連結) (単位:億円、%)
(単体)
(2)経営成績
① 概要
経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金運用収益が増加したことなどにより、前年度比52億92百万円増収の491億78百万円となりました。
経常費用は、預金利息などの資金調達費用が増加したことなどにより、前年度比24億67百万円増加の393億97百万円となりました。
この結果、経常利益は前年度比28億25百万円増益の97億80百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比27億51百万円増益の69億76百万円となりました。
2025年度の業績見通しにつきましては、貸出金利息や有価証券利息配当金など資金運用収益の増加を織り込み、連結経常利益109億円、親会社株主に帰属する当期純利益は75億円を予想しております。また、当行単体では、経常利益108億円、当期純利益75億円を予想しております。
また、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金運用収益が増加したことなどにより、前年度比50億36百万円増収の437億4百万円となりました。預金利息などの資金調達費用が増加しましたが、資金運用収益の増加が資金調達費用の増加を上回ったことから、セグメント利益は同29億24百万円増益の95億49百万円となりました。
リース業については、リース業務を行う連結子会社「いわぎんリース株式会社」で構成しています。
経常収益は、リース料収入が増加したことなどにより、前年度比1億61百万円増収の46億6百万円となりましたが、資金調達費用や経費が増加したことなどにより、セグメント利益は同30百万円減益の1億67百万円となりました。
○クレジットカード業・信用保証業
クレジットカード業・信用保証業については、クレジットカード業務及び信用保証業務を行う「株式会社いわぎんディーシーカード」及び「株式会社いわぎんクレジットサービス」の連結子会社2社で構成しています。
経常収益は、受入保証料が減少したことなどにより、前年度比79百万円減収の11億56百万円となりました。また、与信費用が増加したことなどから、セグメント利益は同1億38百万円減益の2億2百万円となりました。
その他の業務については、コンサルティング業務を行う「いわぎんリサーチ&コンサルティング株式会社」、地域商社業務を行う「manordaいわて株式会社」、投資業務を行う「いわぎん未来投資株式会社」及び「いわぎん事業創造キャピタル株式会社」の連結子会社4社で構成しております。なお、「いわぎん事業創造キャピタル株式会社」は、前年度は持分法非適用の関連会社でしたが、株式の追加取得により、当年度より連結の範囲に含めております。
経常収益は、М&A業務や事業承継業務収入が増加したことから、前年度比1億48百万円増収の7億39百万円となりました。また、セグメント利益は同96百万円増益の1億98百万円となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
a.与信関係費用
貸倒引当金の計上や、不良債権の処理等により発生する与信関係費用は、個別貸倒引当金繰入額や貸出金償却が減少したことなどから、前年度比6億35百万円減少の8億94百万円となりました。
(単位:百万円)
b.有価証券関係損益
有価証券の売却や償還、または時価の著しい下落等から生じる有価証券関係損益は、株式等売却益が減少したほか、国債等債券償還損が増加したことなどから、前年度比11億82百万円減少の△14億99百万円となりました。
(単位:百万円)
(3)キャッシュ・フローの状況
① 概要
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度は339億44百万円のマイナスでしたが、当年度は1,524億28百万円のマイナスとなりました。これは、前年度、当年度ともに貸出金が増加したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度は470億21百万円のマイナスでしたが、当年度は907億90百万円のマイナスとなりました。これは、有価証券運用において、前年度、当年度ともに売却・償還による収入が取得による支出を下回ったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度は22億76百万円のマイナスでしたが、当年度は15億99百万円のマイナスとなりました。これは、配当金の支払などによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は当年度中2,448億19百万円減少し、3,180億39百万円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当行では、適切な水準の流動性を維持することが事業活動において極めて重要であると認識しており、お客さまからお預かりした預金を主な源泉とし、地域の中小企業等向け融資を中心とした貸出金及び有価証券への運用を行うなかで、円滑な決済等に必要な水準の流動性を確保しています。
また、当面の設備投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定です。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(5)生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載していません。
資金運用収支は、貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金運用収益が増加したことから、前連結会計年度比35億92百万円増の312億39百万円となりました。内訳を見ますと、国内業務部門が前連結会計年度比33億94百万円増の290億4百万円、国際業務部門が前連結会計年度比1億99百万円増の22億35百万円となりました。
役務取引等収支は、為替受入手数料や預り資産関連手数料が増加したことなどにより、前連結会計年度比1億14百万円増の61億99百万円となりました。
その他業務収支は、国債等債券償還損の増加などにより、前連結会計年度比1億79百万円減の△22億95百万円となりました。
(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、当行の円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度1百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
資金運用勘定の平均残高は、貸出金や預け金が増加したことにより前連結会計年度比1,236億円増の3兆7,006億円となりました。また、利回りは、貸出金及び有価証券の利回り上昇を主因として、前連結会計年度比0.13ポイント上昇し0.86%となりました。この結果、資金運用利息は、前連結会計年度比56億82百万円増の318億44百万円となりました。
資金調達勘定の平均残高は、預金等の減少により前連結会計年度比247億円減の3兆6,142億円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比22億89百万円増の28億40百万円となりました。また、利回りは、前連結会計年度比0.06ポイント上昇し0.07%となりました。
(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であります。ただし、当行の円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度155,241百万円、当連結会計年度20,972百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,214百万円、当連結会計年度5,902百万円)及び利息(前連結会計年度1百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
資金運用勘定の平均残高は、有価証券の増加などにより前連結会計年度比70億円増の1,326億円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比2億17百万円増の23億4百万円となりました。また、利回りは、前連結会計年度比0.07ポイント上昇し1.73%となりました。
資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比68億円増の1,323億円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比19百万円増の69百万円となりました。また、利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント上昇し0.05%となりました。
(注) 1 国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。なお、当行の円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度4百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
4 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月の外貨建取引に適用する方式)により算出しております。
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度155,246百万円、当連結会計年度20,976百万円)を、資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,214百万円、当連結会計年度5,902百万円)及び利息(前連結会計年度1百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
2 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。
役務取引等収益は、為替受入手数料や預り資産関連手数料の増加などにより、前連結会計年度比2億71百万円増の99億46百万円、役務取引等費用は、住宅ローン関連手数料の増加などにより、同1億57百万円増の37億46百万円となりました。
内訳を見ますと、役務取引等収益は国内業務部門が前連結会計年度比2億73百万円増の99億12百万円、国際業務部門が同2百万円減の33百万円となりました。役務取引等費用は国内業務部門が前連結会計年度比1億57百万円増の37億24百万円、国際業務部門が前年度並みの21百万円となりました。
(注) 国際業務部門には、当行の外国為替業務等に関する収益、費用を計上しております。
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。ただし、当行の円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
該当ありません。
(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
(単位:億円、%)
(単位:億円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
該当ありません。
該当ありません。