第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当行は、「地域共栄」の経営理念のもと、地域金融機関として求められる役割が一段と多様化、高度化するなかで、株主の皆様、お客さま、そして地域の期待に的確にお応えし、地域の発展に貢献することを基本方針としております。

(2)中長期的な経営戦略

a 当行では、2030年を展望した中長期的に目指す姿として「秋田銀行グループVISION『価値をつくる。未来へつなぐ。』」を策定しております。これは、秋田銀行グループが、地域の課題を解決し、質の高い金融・非金融サービスの提供を通じて、将来にわたる豊かな地域の実現にチャレンジし続けることを中長期的な経営の方向性として示しております。そして、この目指す姿を実現する第2フェーズとして、2025年度から3年間を計画期間とする中期経営計画を策定しております。

 

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b 中期経営計画2025~2027年度の基本方針

〇価値共創ビジネスモデルの確立

 課題解決の深化、金融が持つ力の最大化により、将来にわたって持続可能なビジネスモデルを確立してまいります。

〇地域資源の錬磨と高付加価値化

 地域資源の磨き上げを通じて新たな付加価値の創出をはかり、地域と当行グループの持続的な成長へチャレンジしてまいります。

〇人的資本の充実

 社会的・経済的価値創造のために最も重要な経営資源の充実をはかってまいります。

 

 

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c 目標とする経営指標

 中期経営計画の最終年度である2027年度の経営指標につきまして、次の目標を掲げております。

指 標

2024年度実績

2027年度目標

当期純利益(連結)

56億円

80億円以上

ROE(連結)

3.44%

4.5%以上

OHR(単体・コア業務粗利益ベース)

64.33%

65%未満

自己資本比率(連結)

11.97%

11%程度

お客さまサービス等利益

19億円

40億円以上

地域価値共創事業収益

3.2億円

7億円以上

CO2排出量削減率(2013年度比)

61.3%削減

80%削減

従業員エンゲージメントスコア

52.6点

58点以上

女性管理職比率

10.4%

18%以上

 

(3)2024年度における取組み

 当行では、2030年を展望する秋田銀行グループVISION『価値をつくる。未来へつなぐ。』の実現に向け、2022年度から3年間を計画期間とする中期経営計画において、3つの基本戦略に基づく各種施策に積極的に取り組みました。

○基本戦略 基盤強化戦略(3年戦略)

 基盤強化戦略では、当行がこれまで構築してきた金融ビジネスの事業基盤をさらに強化し、より質の高いサービスの提供を通じて収益の向上に取り組んでまいりました。

 法人のお客さまに対しては、原材料価格の高騰などに対応した円滑な資金供給に取り組み、地域の金融仲介機能の発揮に努めました。また、将来にわたるビジネスパートナーを目指し、お客さまの経営課題を適切に把握し、その解決に向けて有効な提案を行うため、担当営業店のほか、本部の各部署、グループ会社による協議・検討の機会を拡充いたしました。

 個人のお客さまに対しては、一人ひとりが思い描く将来の実現を支えるライフパートナーを目指し、ライフプランに応じた最適な商品やサービスの提供・提案に取り組んでまいりました。対面による提案の拡大、高度化に加え、スマートフォンでご利用可能な銀行取引アプリ「あきぎんアプリ」において、普通預金や投資信託の口座を開設いただける機能を拡充するなど、デジタルを活用した利便性の向上をあわせて進めました。

 こうした取組みの結果、中期経営計画の戦略目標としている「お客さまサービス等利益(本業利益)」は前年度比22億円改善の19億円となり、最終年度目標としていた黒字化を達成いたしました。

○基本戦略 地域価値共創戦略(長期戦略)

 地域価値共創戦略では、地域の課題を起点に、その解決を通じて新たな価値を創造する「地域価値共創事業」を推進し、新たな収益基盤の確立に取り組んでまいりました。

① 地域産業の振興

 地域商社「詩の国秋田株式会社」では、地域産品の首都圏や海外への販路拡大、高付加価値化に向けたブランディングなどに取り組んでまいりました。当社が現地拠点を置く台湾向けの事業に加え、当行グループのネットワーク活用により、新たに香港への秋田県内産の鶏卵の継続的な輸出を実現いたしました。また、投資専門子会社「株式会社あきぎんキャピタルパートナーズ」のファンド運営を通じて、次世代の地域経済を担うスタートアップ企業や、後継者不在等の経営課題を有する地域企業へのサポートを積極的に推進いたしました。

② 人手不足への対応

 秋田県内企業への就職に特化した就活サイト「キャリピタAKITA」の運営を通じて、求人企業と就職希望者とのマッチング機会の拡大に取り組んでまいりました。「キャリピタAKITA」は、多くの求人企業と求職者の皆さまにご利用いただいており、2024年11月からは、主に県外在住者の県内企業への就職をさらに促進するため、当行の専属担当者が就職・採用を個別支援する新たなサービス「キャリピタAKITA+(プラス)」を開始いたしました。このほか、当行職員が講師となり研修を行うことで、地域企業の人材育成や教育をサポートする「社員研修サービス」を拡充いたしました。

③ 後継者不足への対応、新たな担い手の創出

 事業承継・M&A支援事業においては、専門部署「事業承継支援室」を中心に、地域企業の皆さまの事業承継課題の解決、地域の産業や雇用の維持などをはかるべく、専門的なコンサルティングに取り組んでまいりました。また、起業・創業支援事業においては、当行と専門家が連携し、事業の構想から成長段階まで一貫して支援するスタートアップ伴走プログラム「スクラム」を推進し、将来の地域経済を担う事業者の創出に取り組んでまいりました。

④ 高齢化への対応

 当行独自のコンセプトとして、年齢を重ねても活き活きと元気に活躍する「長活(ながい)き」を掲げ、活力ある地域づくりに向けて「長活きプロジェクト」を推進しております。この一環として、高齢者の皆さまがお互いに教え、学び合う「あきぎん長活き学校」を運営しており、2024年度は、「より豊かに生きるための『衣食住』」をコンセプトとした授業やワークショップ等を開催し、延べ500名以上の皆さまに参加いただきました。

⑤ 脱炭素への取組み

 地域の脱炭素実現に向け、「サステナブルファイナンス実行額累計5,000億円(~2030年度)」を目標に掲げて積極的に取り組んでまいりました。秋田県が全国有数の供給地となっている風力発電事業向けプロジェクトファイナンスや、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅ローンの取扱いなどにより、2022年度からの累計実行額は1,900億円を超えて順調に推移しております。

 また、2024年4月に、再生可能エネルギーの地産地消を実現するため、秋田県と東北電力株式会社が協働で提供する「あきたEネ!オプション水力100%」へ加入し、秋田市の本店ビルと事務センターの2施設において、地元秋田で発電されたCO2を排出しない電気の使用を開始いたしました。このほか、秋田県の新たな産業として大きな期待を集める洋上風力発電事業への地域企業の参入をサポートし、地域経済への波及効果の最大化をはかるため、2024年7月に「洋上風力産業支援室」を新設いたしました。

○基本戦略 組織・人財戦略(長期戦略)

 当行の経営戦略を支え、力強く推進していく組織を構築していくため、多様な人材がそれぞれの力を最大限発揮し、成長・活躍し続けることのできるフィールドをつくる「人財価値共創プロジェクト」を推進いたしました。個人・法人のお客さまに対するコンサルティングレベルの向上をはかるため、個人別のスキルを可視化する「スキルマップ」制度に基づく人材育成を進め、基盤強化戦略の推進力の強化をはかりました。また、既成概念に捉われない柔軟な発想力や、様々な変化から新たな事業機会を見出す構想力を備えた人材の育成に向けて、学校法人先端教育機構事業構想大学院大学が提供するプログラムに若手行員が参加する「事業構想プロジェクト研究」を開講いたしました。こうした取組みをさらに加速し、職員の自律的な成長を促すとともに、多様な人材が最大限の能力を発揮することを支えるため、役職定年の廃止やコース別人事制度の廃止、職員の期待役割に応じて処遇等を決定する「役割等級制度」への転換等を内容とする新たな人事制度の導入を決定いたしました。

(4)経営環境及び対処すべき課題

 人口減少・高齢化など、外部環境の変化がステークホルダーへ与える様々な影響を踏まえ、当行グループがその事業活動を通じて、お客さま、地域、従業員、株主の皆さまとともに価値共創をはかっていくために対応すべき重要経営課題(マテリアリティ)を設定しております。

 

 

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マテリアリティに対応する当行グループの重点的な取組みは次のとおりです。

〇 より付加価値が高い金融・非金融サービスの提供や、地域に新たな価値を創出する事業の成長・発展を通じて、地域と当行グループの持続的な成長を目指します。

〇 多様化するお客さまのライフデザイン、ニーズに適切にお応えするコンサルティング・サービスの提供など、人生100年時代におけるお客さまの暮らしのサポートに取り組みます。

〇 脱炭素をはじめとする気候変動への対応や、地域のネイチャーポジティブへの対応を通じて、地域の豊かな自然環境の将来にわたる維持・承継へ取り組みます。

〇 お客さまへの貢献、よりよい社会の実現への貢献を通じて、職員一人ひとりが自身の成長を実感しながら、活き活きと活躍できる組織を目指します。

〇 情報開示の拡充や株主の皆さまとの対話の強化をはかるとともに、取締役会の実効性向上を中心にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、企業価値の持続的向上をはかります。

 当行グループは、これらマテリアリティへの対応を通じて社会的価値と経済的価値の創出に取り組み、グループVISION「価値をつくる。未来へつなぐ。」の実現に努めてまいります。

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

① ガバナンス

 サステナビリティ経営の推進にあたり、当行では、頭取を委員長とし役付執行役員等の経営陣を構成員とする「サステナビリティ推進委員会」を設置のうえ、サステナビリティ経営に関する重要事項等を協議し、経営戦略やリスク管理へ反映しております。サステナビリティ推進委員会の協議内容は取締役会へ報告しており、取締役会がサステナビリティ経営の監督を行う体制を構築しております。

 また、サステナビリティにかかる具体的な取組みや施策等の推進を担う「サステナビリティ推進室」を経営企画部内に設置し、サステナビリティ経営を全社横断的に推進する体制を構築しております。

 

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 2024年度 サステナビリティ推進委員会の協議内容

2024年4月 第1回

 2023年度のScope1~3およびサステナブルファイナンスの実績報告

 2024年度カーボンニュートラルに向けた事業計画の策定

2024年7月 第2回

 サステナビリティ経営のPDCAサイクルの構築

 サステナビリティ経営の推進にあたってのガバナンス体制について協議

2024年10月 第3回

 お客さまの脱炭素化支援や地域自治体のJ-クレジット販売支援にかかる協議

 当行のCO2排出量の削減に向けた投資計画や削減行動について協議

 経営戦略と連動した人的資本の充実に向けた取組みについて協議

2025年1月 第4回

 当行のCO2排出量の削減に向けた投資計画や削減行動について協議

 人的資本の持続的充実に向けた2024年度の計画案について

 

② 戦略

a サステナビリティ経営方針

 当行グループでは、サステナビリティを「長期にわたる持続的な価値向上」と定義のうえ、「秋田銀行グループ サステナビリティ経営方針」に基づき、地域および当行グループの持続的な成長に向けて取り組んでおります。

秋田銀行グループ サステナビリティ経営方針

秋田銀行グループは、「地域共栄」の経営理念のもと、地域課題の解決および環境課題への対応、お客さまのニーズに応える質の高い金融・非金融サービスの提供を通じて、将来にわたる豊かな地域を実現するとともに、当行グループの持続的な成長・企業価値向上を実現し、地域から必要とされる金融グループになることを目指します。

 

 

b 重要経営課題(マテリアリティ)

 重要経営課題(マテリアリティ)について、当行グループが認識するリスクと機会、主な取組みは以下のとおりです。

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 なお、重要経営課題(マテリアリティ)は、次のプロセスを経て特定しております。

SDGsの理念・主要原則等から地域特有の課題等、社会課題を特定

当行グループのステークホルダーにとっての重要度を評価

当行グループにとっての重要度・優先度を、経営理念、グループVISION等を活用して整理・再評価

常務会での協議、社外取締役との協議(取締役会)を経て決定

 

 

 リスク管理

 当行では、サステナビリティへの対応が重要な経営課題であると認識しており、サステナビリティに関するガバナンス体制のもとリスク管理へ反映しております。なお、気候変動にかかるリスク管理については、(2)気候関連開示に記載しております。

 また、環境や社会へマイナスの影響を与える可能性のある特定の事業等に対し「特定事業等に対する融資方針」を定めているほか、自らの企業活動または取引関係を通じて人権に負の影響を与えることのないよう「秋田銀行グループ 人権方針」を定めております。

 

○特定事業等に対する融資方針

特定事業等に対する融資方針

<環境への影響>

1.気候変動への対応

 石炭火力発電所の新規建設を資金使途とする融資は、原則として取組みません。

 発電効率など、環境への十分な配慮をともなう案件については、環境に対する影響等を総合的に勘案し、慎重に検討します。

2.環境の保全

 違法な森林伐採や生物多様性の毀損につながる開発等、環境に重大なマイナスの影響を与える可能性のある融資は、取り組みません。

<社会への影響>

1.人権侵害等の防止

 人身売買、児童労働または強制労働に関与する事業者に対する融資は、資金使途を問わず、取り組みません。

2.非人道的兵器の排除

 対人地雷、クラスター弾等の非人道的な兵器の製造に関与する事業者に対する融資は、資金使途を問わず、取り組みません。

 

○秋田銀行グループ 人権方針

秋田銀行グループ 人権方針

1.国際規範の尊重

 秋田銀行グループは、「世界人権宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範を尊重します。

2.適用範囲

 本方針は、秋田銀行グループの全役職員に適用されます。また、お客さまやサプライヤー(取引業者)を含む、あらゆるステークホルダーに対しても、本方針の内容をご理解・ご支持いただくことを期待します。

3.役職員の人権の尊重

 秋田銀行グループは、すべての役職員の人権を尊重し、人種、民族、国籍、出身、社会的身分、年齢、宗教、信条、性別、性的指向、性自認、障がいの有無、身体的特徴などを理由とした差別やハラスメント行為、人権侵害を容認しません。

4.お客さまに対する対応

 秋田銀行グループは、お客さまの人権を尊重し、商品・サービスの提供にあたり差別的な扱いのないよう努めます。また、お客さまとともに人権課題の解決に努め、人権を侵害しないことをお客さまに対しても求めていきます。提供する商品・サービスが人権侵害に結びついている場合には、秋田銀行グループとして適切に対応し、お客さまに対しても適切な対応をとるよう働きかけていきます。

5.サプライヤー(取引業者)に対する対応

 秋田銀行グループは、サプライヤーに対しても人権を尊重し、侵害しないことを求めていきます。サプライヤーが、人権に対して負の影響を及ぼしている場合には、秋田銀行グループとして適切に対応し、サプライヤーに対して適切な対応をとるよう働きかけていきます。

6.管理体制

 人権への取組みについては、取締役会の監督のもと改善に努め、必要に応じて方針の見直しを行います。

7.情報開示と対話

 秋田銀行グループは、積極的な情報開示とステークホルダーとの対話を通じ、人権に関する取組みの改善・向上に努めます。

 

 

 

 指標と目標

 2025年度~2027年度中期経営計画において、サステナビリティに関する目標を「価値共創指標」と位置付け、以下の目標を設定しております。

 詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

<価値共創指標>

項目

2024年度実績

2027年度目標

2030年度

目指す姿

お客さまサービス等利益

19億円

40億円以上

50億円以上

地域価値共創事業収益

3.2億円

7億円以上

10億円以上

地域価値共創新規事業化数

(2030年度目標のみ)

10件以上

CO2排出量削減率(2013年度比)

61.3%削減

80%削減

ネット・ゼロ

従業員エンゲージメントスコア

52.6点

58点以上

60点以上

女性管理職比率

10.4%

18%以上

25%以上

(注) 従業員エンゲージメントスコアは、株式会社リンクアンドモチベーションに委託したエンゲージメント・サーベイにより算出されるスコアであり、企業と職員の信頼関係を偏差値で表した指標です。全国平均値を50点としており、2024年度実績である52.6点は、AAA~DDまでの11段階評価のうち上から5番目のランク「BB」に相当します。目標とするスコア(58点以上~61点未満)は上から3番目の「A」ランクに相当します。

 

(2)気候関連開示(TCFD提言への取組み)

 当行では、地域社会の持続可能性を高めるために、カーボンニュートラルへの対応をはじめ具体的な取組みを進めております。また、2021年10月にTCFD提言に賛同し、TCFD提言に沿った対応を進めることで、気候変動対応の高度化をはかっております。

 ガバナンス

 サステナビリティ推進委員会において、気候変動対応に関する協議を年4回の頻度で開催し、重要な事項については、取締役会に報告し監督を受ける体制を構築しております。

 2024年度の委員会においては、当行グループの2030年ネット・ゼロ実現に向けたロードマップの策定や、お客さまへの脱炭素化支援に関する事項などについて協議し、取締役会へ内容を報告しております。

 戦略

 気候関連のリスクと機会は、事業活動に大きな影響を与える可能性があるため、当行では、気候変動シナリオ分析によるリスク量の把握に取り組んでおります。また、脱炭素社会への移行を新たなビジネスチャンスと捉え、お客さまの気候変動への適応とその影響の緩和に資する金融商品ならびにサービスの開発・提供に取り組んでおります。

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a リスク

 当行では、気候関連リスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しております。

 移行リスクは、脱炭素社会への移行にともなう気候関連の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクの増加等を想定しております。また、物理的リスクは、洪水等の自然災害の増加によるお客さまの事業停滞や担保物件の毀損による信用リスクの増加、当行営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクの増加などを想定しております。

 

 2024年度においては、これらのリスクを定量的に把握のうえリスク低減に対応していくため、次の内容でシナリオ分析を実施しております。

(a)移行リスク

 移行リスクは、国内の法人を対象にNGFSの1.5℃シナリオに基づき、多くの企業や国が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」を達成し、平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えることができた場合に生じる炭素税や設備更新等のコスト増による影響をもとに、当行の与信リスクの増加額を推計しております。算定対象は、特に受ける影響が大きいと考えられる「電力」、「石油・ガス」セクターのほか、当行のエクスポージャーや秋田県内への影響度等を踏まえて、食品製造業に関連する「食品・飲料」セクターを加えた3セクターとしております。

<分析対象セクターの選定プロセス>

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<分析結果の概要>

シナリオ

NGFSによる「NetZero2050(1.5℃シナリオ)」

対象セクター

電力、石油・ガス、食品・飲料

分析方法

・選定したセクターに対して、事業に与えるリスク・機会を整理

・整理した内容を踏まえて、シナリオに基づき、脱炭素化へ移行する際に生じる設備更新や炭素税などのコスト増加にともなう将来の業績変化を予想し、与信コストへの影響を推計

分析期間

2050年まで

分析結果

与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:2050年までの累計で26.3億円程度

(b)物理的リスク

 物理的リスクは、国内の法人を対象にIPCCの4℃シナリオに基づき、100年に1度の規模の洪水が発生した場合の当行の担保物件の被害額と、お客さまの事業に及ぼす影響を事業停止・停滞日数により算定し、当行の与信コスト増加額を推計しております。

<分析結果の概要>

シナリオ

IPCCによる「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」

対象セクター

国内に本店を置く法人融資先

分析方法

ハザードマップを利用して当行担保不動産の毀損額およびお客さまの事業停止日数を予想し、お客さまの事業への影響ならびに与信コストへの影響を推計

分析期間

2050年まで

分析結果

水災リスク発生時の与信コスト(貸倒引当金ベース)増加額:平均53.1億円程度

 

b 機会

 脱炭素社会の実現に向けて、さまざまな気候関連リスクが想定される一方で、再生可能エネルギー分野への投融資の増加、お客さまの脱炭素への移行を支援する金融商品やサービスの提供など、当行にとってのビジネス機会は拡大していくものと認識しております。

〇再生可能エネルギー関連事業への取組み

 秋田県は、日本海の恵まれた風況を背景に、洋上風力発電の整備を促進する区域として全国最多となる4海域の指定を受け、他地域に先駆けて事業開発が進められております。秋田県沖の洋上風力発電プロジェクトの推進により、脱炭素社会実現のほか、供給された電力を県内で消費する再エネ工業団地の整備など、県内経済への波及効果にも注目が集まっております。

 当行では、こうした再生可能エネルギー関連事業が地域経済の発展や脱炭素への移行に資する重要な取組みであると捉えております。2024年7月には「洋上風力産業支援室」を設置し、洋上風力発電事業の建設工事、管理・メンテナンス等のほか、付随するさまざまな事業への地域企業の参入サポートを推進しております。洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業が地域の新たな産業として定着するよう、今後もファイナンスをはじめとする各種支援を積極的に推進してまいります。

■ 再生可能エネルギー関連融資の累計実行額

電源別

2022年3月末

2023年3月末

2024年3月末

2025年3月末

風力

368億円

491億円

584億円

657億円

太陽光

315億円

374億円

456億円

517億円

バイオマス・地熱ほか

37億円

57億円

67億円

71億円

合 計

720億円

922億円

1,107億円

1,245億円

 

〇森林資源・J-クレジットの活用

 森林資源に対しては、世界的な人口増加にともなう木材需要の増加に加え、気候変動・生物多様性の観点から非常に大きな関心が寄せられております。全国有数の森林面積を誇る秋田県では、豊かな森林資源を活用したJ-クレジットの創出が進められており、当行では、地域の脱炭素化をはじめ、林業の活性化や森林資源の保全につながる重要な取組みであると認識しております。

 2023年度に大仙市および丸紅株式会社とJ-クレジット創出・販売に向けた連携協定を締結したほか、2024年度は、秋田県林業公社、横手市・森林組合森林吸収共同プロジェクト推進協議会、上小阿仁村の3主体が創出したクレジットの販売支援を進めました。今後も、森林資源を起点とした新たなビジネスモデルの構築と地域経済・環境価値の域内循環に向けた取組みを進めてまいります。

 

c 炭素関連資産

 炭素関連資産は、一般的に直接的または間接的なGHG(温室効果ガス)排出量が比較的高い資産または組織とされており、当行では次のセクターに関連する資産(貸出金)を炭素関連資産としております。

セクター

主な業種

貸出金(百万円)

比率(%)

エネルギー

・石油及びガス

・電力ユーティリティ

18,984

112,888

0.92

5.47

小 計

131,872

6.39

運輸

・旅客空輸

・海上輸送

・鉄道輸送

・トラックサービス

・自動車及び部品

730

92

16,954

17,308

27,300

0.04

0.01

0.82

0.84

1.32

小 計

62,384

3.02

素材・建築物

・金属・鉱業

・化学

・建設資材

・資本財

・不動産管理・開発

13,789

21,819

2,075

125,422

60,958

0.67

1.06

0.10

6.08

2.95

小 計

224,063

10.85

農業、食料、林産物

・飲料

・農業

・加工食品・加工肉

・製紙・林業製品

2,836

7,271

16,511

14,682

0.14

0.35

0.80

0.71

小 計

41,301

2.00

上記セクター合計および貸出金に占める割合

459,620

22.27

(注)1.主な業種は、当行が取引先ごとに設定している主たる業種コードをGICS(世界産業分類基準)に読み替えて分類しております。

 なお、再生可能エネルギー関連の事業は炭素関連資産に含めておりません。

2.貸出金は、2025年3月末時点において該当する法人の事業性貸出(割引手形、手形貸付、証書貸付、当座貸越)の残高としております。

 

 リスク管理

 当行では、気候関連リスクが地域経済や当行の事業、財務面に大きな影響を与える可能性のある重要なリスクであると認識しております。今後も、移行リスク、物理的リスク等のシナリオ分析の高度化をはかりながらリスクの定量的な把握に努めるとともに、統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築を検討してまいります。

 また、シナリオ分析により認識したお客さまの気候関連リスクについては、地域やお客さまの脱炭素化や当行のリスク低減に向けて、事業性理解におけるお客さまとの対話活動(エンゲージメント)に活用してまいります。

 

 指標と目標

〇Scope1、2

 当行グループでは、2013年度を基準として、当行グループ全体のCO2排出量(Scope1、Scope2)を2027年度80%削減、2030年度ネット・ゼロとする目標を掲げております。

 2024年度は、設備投資等の省エネ活動に加え、秋田県および東北電力株式会社が協働で提供する「あきたEネ!オプション水力100%」へ加入し、本店と事務センターの2施設において、地元秋田で発電されたCO2を排出しない電気の使用を開始するなどの積極的な取組みにより、2013年度比の削減率は61.3%となり、順調に削減が進んでおります。

 引き続き、エネルギー使用量の削減に向けて、全行をあげて省エネ化に取り組むほか、必要な設備投資を積極的に行いながら、目標達成に向けて取り組んでまいります。

<Scope1、2 実績推移>                            (単位:t-CO2)

計測項目

2013年度

2022年度

2023年度

2024年度

実 績

実 績

実 績

実 績

 

 

CO2削減量

(2013年度比)

CO2削減率

(2013年度比)

Scope1

1,724

1,146

1,064

1,022

▲702

▲40.7%

Scope2

6,587

4,793

4,366

2,189

▲4,398

▲66.7%

Scope1-2合計

8,311

5,939

5,430

3,211

▲5,100

▲61.3%

 

 

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〇Scope3

 当行では、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)の把握に向けて、次のカテゴリーを対象にCO2排出量を算定しております。今後も算定対象範囲の拡大や排出量把握の精緻化に努めてまいります。

<Scope3 カテゴリー別>                            (単位:t-CO2)

計測項目

2024年度

Scope3

カテゴリー1

購入した製品・サービス

7,363

カテゴリー2

資本財

3,779

カテゴリー3

Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動

813

カテゴリー4

輸送、配送(上流)

41

カテゴリー5

事業活動から出る廃棄物

161

カテゴリー6

出張

171

カテゴリー7

雇用者の通勤

475

カテゴリー15

投資

2,412,797

(注) Scope3の排出量は、当行単体のみを算定対象としており、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.7(環境省 経済産業省2025年3月)」および「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.5(環境省 経済産業省2025年3月)」を参考にして計算しております。

 

<Scope3 カテゴリー15>

 投融資を通じた間接的なGHG(温室効果ガス)排出量は、金融機関におけるScope3の中で大きな割合を占めており、これを算定のうえ、モニタリングや削減への取組みを進めることが重要となります。当行では、2023年度よりPCAFスタンダードの計測手法を参考に、国内法人向けの融資を対象としてCO2排出量を算定しております。また、推定排出量の品質を評価するためのデータクオリティスコアは、加重平均値で約2.7となっております。

 なお、今回の算定結果については、国際的な基準の明確化や推計の高度化等により、今後大きく変化する可能性があります。

 Scope3 カテゴリー15の内訳

セクター

炭素強度(t-CO2/百万円)

排出量(t-CO2)

石油及びガス

3.6

89,063

電力ユーティリティ

39.7

346,980

旅客空輸

17.7

4,588

海上輸送

25.6

7,416

鉄道輸送

3.0

11,707

トラックサービス

4.2

105,460

自動車及び部品

2.5

19,691

金属・鉱業

7.5

70,116

化学

5.6

58,838

建設資材

22.5

40,310

資本財

3.6

495,674

不動産管理・開発

1.2

11,271

飲料

3.0

4,910

農業

7.5

53,052

加工食品・加工肉

4.9

93,956

製紙・林業製品

7.2

62,766

その他

2.7

936,999

合 計

 

2,412,797

(注)1.投融資先の排出量(ファイナンスド・エミッション)は、投融資先の資金調達総額に占める当行の投融資額の割合(アトリビューション・ファクター)に投融資先の総体の排出量(Scope1、2)を掛け合わせて計算しております。

 なお、プライム市場上場企業等で排出量を開示している場合は開示情報、それ以外の企業については推計値を使用しております。

 

2.炭素強度は、以下の計算式に基づき算出しております。

[計算式]

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<サステナブルファイナンス>

 当行では、環境課題や社会課題の解決ならびに持続可能な社会の実現に資する投融資をサステナブルファイナンスと定義し、2022年度から2030年度までの間に累計5,000億円の実行を目指しております。2022-2024年度までの累計実施額は、2,033億円(うち、環境分野1,536億円)となっております。

 

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(3)人的資本

 ガバナンス

 サステナビリティ推進委員会において、人的資本に関する協議を年4回の頻度で開催し、重要な事項については、取締役会に報告し監督を受ける体制を構築しております。2024年度の委員会においては、経営戦略と連動した人材戦略の策定などについて協議し、取締役会へ内容を報告しております。

 戦略

 当行は長きにわたって人材を重要な経営資本と考え、「人づくり」を第一とする企業文化を強みとしてきております。地域やお客さまから信頼され、期待に応えられる職員を組織一体で育てていくことで人的資本の充実をはかっております。

a 秋田銀行グループの人材に対する考え方

 秋田銀行グループの中核事業のひとつである金融取引は、預貸ともに「将来の金銭の支払い」について、当行とお客さまがお互いを信用することで成り立っております。お客さまは当行に対する信頼(期待)と信用をもって貴重な財産を預けており、同様に、当行もお客さまに対する信頼と信用をもって資金を供給しております。当行が地域の課題や可能性に向き合い、地域とともに社会的・経済的価値を創り出していくうえで、金融取引と同様に相互の信頼と信用は不可欠であります。

 地域社会やお客さまから常に信頼を集め応え続けることは、秋田銀行グループの生命線であり、地域社会やお客さま、そして役職員との信頼関係を維持・発展させていくための伝統として、人材・職場・地域社会の三訓からなる「行訓」を継承してまいりました。さらに、秋田銀行グループが大切にする「3つの価値観」、そして職員に求める「5つの素養」として具体化した「あきぎんVALUE」を定めており、当行グループと職員一人ひとりが共に成長していくための基礎として位置付けております。

 

 

<あきぎんVALUE>

0102010_012.png

 

b 人的資本の充実に向けた取組みの全体像

 地域社会の発展と秋田銀行グループの成長を前進させていく最大の推進力は人材であり、「あきぎんVALUE」を兼ね備えた職員一人ひとりの成長が人材の厚みにつながります。

 多様な人材がそれぞれの強みを見つけ、「成長実感」を得ながら活躍し、また働きやすさや働きがいを感じられる職場づくりのため、人材育成方針と社内環境整備方針の2つの取組方針を定めております。

0102010_013.png

 

 

(a)人材育成

 人材育成にかかる主な取組み

 

成長意欲

キャリア意識の向上

●新人事制度の開始(2025年4月実施)

 職員それぞれがキャリアをデザインし、自律的な学びを通じて成長・活躍し続ける仕組みの構築を目的に人事制度の改正を決定し、2025年4月の開始に向け、社内協議ならびに職員への説明を進めました。

高度スキル人材の育成

●「スキルマップ」を活用した高度スキル人材の育成

 営業活動に関するスキルについて、経営戦略に基づき、ライフパートナースキル、ビジネスパートナースキル、融資スキルの3カテゴリーに分類し、目指すべきスキルと現状のギャップの定量把握が可能な仕組みを構築しております。自身の目指すキャリアの実現に必要なスキルや成長が必要な分野を明確化することで、自律的な学習の促進や計画的な人材育成を推進しております。

成長機会

研修および自己啓発

●研修の充実化

 プロフェッショナル・コンサルティング集団の形成に向けて、キャリア自律支援、成長を実感できる環境づくり、プロフェッショナル人材の養成、マネジメント・リーダーシップ強化、変革を担う人材の養成をテーマに研修を充実化しました。

●自己啓発機会の提供

 e-ラーニングや通信講座など自己啓発機会の提供のほか、資格取得報奨金の支給などにより専門資格の取得を奨励しております。

企業内大学

●「あきぎん如学カレッジ」の開学

 地域課題の解決や新規事業の拡大に資する知識やスキルの獲得を目的に企業内大学を開学しております。FP実践、DX支援基礎、課題解決力養成ゼミなど、行内研修や日常業務では習得が難しい実践的カリキュラムを提供しております。

事業構想プロジェクト研究

●「事業構想プロジェクト研究」の実施

 学校法人先端教育機構事業構想大学院大学と提携し、未来を見据えた新しい事業を構想する力を有する人材を育成することを目的として、事業構想策定や地域活性・イノベーション等に関する講義、フィールドワーク、ゲスト講義など全24回のカリキュラムを提供し、2024年度は10名の本部行員が参加しました。

DX人材育成

DX戦略の策定およびDX人材の育成

 一層の業務効率化ならびにデジタル技術を活用した新たな価値創出をはかるため、2027年度までに本部でDX推進を専門とする人材を10名、お客様に価値を届けるコンサルティング人材50名の確保を目標に設定しております。また、2024年度よりDX人材に特化した適性検査およびeラーニングのカリキュラムを用意し、お客さまに対しDXに関する情報提供や提案を行うことができる人材の育成に努めております。

成長環境

縦のコミュニケーションの充実

1on1ミーティングの実施

 多様な人材がそれぞれの強みを見つけ、成長を感じながら活躍するための職場の協力や後押しを行う取組みとして、2023年度から1on1ミーティングを毎月実施しております。目の前の業務や目標の進捗状況の確認といったコミュニケーションにとどまらず、キャリアに関する悩みや中長期的に改善していく課題等について対話する機会の拡充をはかっております。

横のコミュニケーションの充実

ワークショップの開催

 女性職員の期待役割やライフイベントによる働き方の変化を踏まえ、女性職員を対象としたワークショップを開催しており、定めたテーマに沿った“雑談”をコンセプトに、悩みや課題などの共有や解決策などの自由な意見交換を通じて、相互の共感や連帯感を醸成し、キャリアアップに対する意識の変化・高揚の機会を創出しております。

 

(b)社内環境整備

<ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)の基本的な考え方と目指す姿>

 当行では、公平な活躍の機会のもと、職員一人ひとりが自分らしい働き方やキャリアを実現し、多様な人材が働きがいと働きやすさの備わった職場環境において能力やスキルを最大限発揮することで、お客さまへより質の高いサービスを提供し、エンゲージメントの高まりや生産性向上を実現できる組織づくりを目的として、DEIの推進に取り組んでおります。2023年度には、当行が取り組むべきDEIの基本的な考え方を以下のとおり定め、これまで個別に推進してきた女性活躍推進、ワークライフバランスの推進、健康経営などの施策のほか、コミュニケーション、シニア活躍、障がいのある方の活躍を推進項目として追加し、DEIの取組みのさらなる充実をはかっております。

 

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの基本的な考え方と目指す姿

 

1 基本的な考え方

(1)職員がいきいきと活躍できる職場づくり

 一人ひとりが誇りや働きがいを持ちながら、互いを認め、成長し合い、公平な機会のもと、いきいきと活躍できる職場環境をつくることにより、組織の活性化をはかります。

(2)ワークライフバランスの推進

 仕事とプライベート双方の充実や地域の活動等を大切にし、心身ともに健康な生活を送ることができる職場環境を整え、職員のエンゲージメントを高めます。

(3)企業価値の向上

 職員の様々な視点、知識、価値観を受け入れ、新たな価値や発想を創造し、多様化するお客さまのニーズを的確に捉えてお応えすることにより、企業価値を向上させて地域社会の発展に貢献します。

2 目指す姿

(1)DEIの重要性やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を理解し、職員一人ひとりが強みや能力を発揮している。

(2)心理的安全性が確保され、闊達なコミュニケーションにより、チームへの貢献・感謝の意識が醸成されている。

(3)様々な視点・考え方による意見が汲み上げられることで新たな気づきや発想が生まれ、多様化するお客さまのニーズに応えることにより収益が向上し、職員一人ひとりのエンゲージメントが向上している。

 

<あきぎん“長活き”健康宣言>

 当行では、従業員一人ひとりが心身ともに健康で、やりがいや成長を感じながら挑戦し続けることができる環境づくりを重要な経営課題の一つに位置付けております。従業員およびその家族が心身ともに健康であることは、働きがいやエンゲージメントの向上につながり、ひいては当行および地域社会の持続的な発展にもつながっていくものと考えます。

 当行では、2017年10月に健康経営推進の基本方針として「あきぎん“長活き”健康宣言」を制定しており、役職員の健康意識の醸成を促進し、各種検診の継続実施や食生活の改善、運動習慣の定着などへの取組みのほか、社会全体で健康長寿を実現する取組みとして健康経営に取り組む地域企業や従業員の方への優遇商品の提供など地域の健康推進に資する活動を進めております。

<あきぎん“長活き”健康宣言>

 秋田銀行は、役職員の健康を重要な経営資源としてとらえ、組織活力および生産性向上に向けて、役職員および家族の健康増進と活き活きとした働きやすい職場づくりへの取組みをより一層推進していきます。

 また、秋田県における、健康長寿社会の実現に向けた取組みを社会全体で支援する環境整備に貢献いたします。

 

 社内環境整備にかかる主な取組み

DEI推進

女性活躍推進

●女性のキャリア意識の醸成

 女性職員一人ひとりが能力をより一層発揮できるように、仕事と子育てを両立できる体制の整備や休暇制度の充実を進めているほか、女性のタレントパイプライン(計画的な人材育成・人材確保)強化のための管理職を対象とした幹部候補の育成研修、役席者を対象としたキャリアマネジメント研修など、段階的にキャリア意識を醸成する仕組みを構築しております。

障がいのある方の活躍

●障がいのある方の職場定着促進

 障がいのある方が安心感と帰属意識を持ち、成長を感じられる職場環境づくりを目指せるよう、企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)の資格を有する職員が、受入れ部署への障がいの特性の説明や合理的な配慮について説明しているほか、障がいのある方全員との面談を実施し、本人の特性等を活かした適正な人員配置を行うことで職場への定着を促進しております。

ワークライフバランス実現

●休暇休職制度の充実

 2022年10月から、育児休業からの早期復職を希望する職員が、自身の体調管理や子の養育に十分な時間を確保しながら働くことができるよう、短時間勤務および週休3日制を柱とする「育児休業早期復職支援制度」を新設したほか、男性職員の柔軟な育児休業の取得をサポートするため「産後パパ育休制度」(全期間有給)を導入するなど、職員がキャリアを継続しながらそれぞれのライフイベントに対応できる柔軟な働き方を支援しております。

 

 

健康経営

健康経営にかかる戦略策定

●健康経営戦略マップ

 健康経営で達成したい経営目標を「健康で活き活きと働くことによる生産性の向上」とし、KPIを設定したうえで、健康経営の実施により期待する効果や具体的な取組みのつながりを整理・把握し、健康経営を積極的に推進するために「健康経営の戦略マップ」を作成しております。

従業員の心身の健康促進

●「からだ」に関する取組み

・人間ドック、定期健診、二次検査、特定保健指導の完全実施

・秋田市の短期大学との連携(栄養学の研究成果を活用した健康サポートメニューを社員食堂で提供)

・ウォーキングコンテストの実施

・歯科検診、インフルエンザワクチン予防接種費用の補助

●「こころ」に関する取組み

・「メンタルヘルス相談室」設置によるメンタル不調者の職場復帰支援

・ストレスチェックの継続実施と集団分析

・高ストレス者の医師面談

・メンタルヘルスセミナーの実施

エンゲ|ジメント

職員エンゲージメントの定量把握

●「エンゲージメント・サーベイ」の実施

 2024年度から「エンゲージメント・サーベイ」を実施しており、職員エンゲージメントの定量把握に努めるとともに、その結果を拠点単位や人事施策の課題解決および改善に活用することで、個人と組織の成長と相互貢献の促進をはかっております。

ファイナンシャル・ウェルネス

●従業員持株会信託型ESOPの導入

 2022年度に持株会の活性化による従業員の安定的な財産形成を促進することを目的として導入し、あわせて持株会の奨励金支給額および支給上限口数の引き上げを実施しております。

●確定拠出年金

 全員加入の企業型確定拠出年金の活用により従業員の資産形成を支援し、従業員の経済的な不安を取り除くことで、安心して業務に取り組むことができる環境整備を推進しております。

 

〇参考情報

<健康経営の戦略マップ概要図>

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<主な休暇・休職制度>

導入・新設時期

内容

備考

2020年9月

スキルアップ休職制度の新設

職務遂行、組織力向上に資する資格の取得を目的とした休職制度

2021年4月

リフレッシュ休暇の新設

ワークライフバランスの実現を目的とした休暇制度

2021年10月

ライフサポート休職制度の新設

不妊治療や親族の看護、介護のために利用できる最大1年間の無給休職制度

2022年10月

育児休業早期復職支援制度の新設

育児休業から早期復職を希望する職員に対する「実働4時間を限度とする短時間勤務」および「週休3日制」を選択できる制度

2022年10月

産後パパ育休制度の新設

子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)育休を取得可能な制度

2023年4月

時間単位の普通休暇制度

職員の柔軟な働き方、休暇取得促進等を目的とした時間単位の普通休暇制度

 

 リスク管理

 人的資本にかかるリスクについては、サステナビリティ推進委員会において協議し、重要な事項については、取締役会に報告のうえ監督を受ける体制を構築しております。引き続き、エンゲージメント・サーベイの結果や社外有識者等から得られた意見などをもとに適切なリスク管理に努めてまいります。

 

 指標と目標

<人材育成>

 人材育成投資額目標

項目

2023年度

2024年度

2025年度目標

年間の人材育成投資額

85百万円

107百万円

120百万円

(注) 人材育成投資額には、研修、自己啓発のほか、育成にかかる設備投資なども含まれます。

 

 中核人材(高度スキル人材)人数

項 目

2023年4月

2024年4月

2025年4月

2026年4月目標

ライフパートナースキル(Bランク以上)

3人

13人

48人

65人

ビジネスパートナースキル(Bランク以上)

19人

29人

78人

100人

融資スキル(Bランク以上)

67人

95人

132人

(注)1.スキルマップ「Bランク以上」(中核人材)とは、スキル判定において行内の基準点を上回り、幅広いニーズに対応できる知識、提案力などを兼ね備えた高度なスキルを有する人材と定義しております。

2.融資スキルは2026年度にビジネスパートナースキルとの統合を予定しているため、2026年度の目標は定めておりません。

 

 研修時間・受講者数

項目

2023年度

2024年度

2025年度目標

総研修時間

1,062時間

1,136時間

1,200時間

延べ受講者数

2,457人

2,873人

2,800人

 

 資格保有者数

項目

2023年度

2024年度

2025年度目標

事業承継・M&A関連

394人

386人

400人

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

67人

65人

70人

企業経営アドバイザー

36人

63人

100人

ITパスポート

219人

272人

350人

サステナビリティ・オフィサー

79人

156人

250人

(注) 事業承継・M&A関連とは、「M&Aシニアエキスパート」、「金融業務2級、3級事業承継M&Aコース」、「事業承継M&Aエキスパート」のいずれかの資格の保有する職員の延べ人数です。

 

<社内環境整備>

 DEI関連目標

主な施策

項目

2023年度

2024年度

2025年度目標

女性活躍推進

女性管理職比率

8.6%

10.4

14.0%以上

女性役席者比率

26.4%

32.7

37.0%以上

障がいのある方の雇用推進

障がいのある方の雇用率

2.49%

2.63

2.70%以上

ワークライフバランス

男性行員の育児休業取得率

92.3%

107.1

100.0%以上

男性育児休暇取得日数平均

7.5日

8.3

13.0日以上

女性行員の育児休業取得率

138.9%

95.8

100.0%以上

月間平均時間外労働時間

7.5時間

7.6時間

7.3時間

年間有給休暇取得率

55.9%

57.6

63.0%以上

(注)1.当行グループにおいて「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定による公表をしている連結子会社はなく、また、取り組む施策や連結子会社の当行グループ全体に占める従業員割合(4.58%)も考慮して、当行単体のみを算定の対象としております。

2.育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。

 なお、過年度に出産した従業員または配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得する場合、過年度の取得率が100%を下回り、当事業年度の取得率が100%を超えることがあります。

3.月間平均時間外労働時間、年間有給休暇取得率については、正規雇用労働者(嘱託職員、パートタイマー除く。)を算出の対象としております。

 

 健康経営およびエンゲージメント関連目標

項目

2023年度

2024年度

2025年度目標

高ストレス者割合

9.3%

9.4%

9.3%以下

健康年齢

△0.3歳

△0.1歳

△0.4歳以下

アブセンティーイズム

2.0日

3.2日

1.9日以下

プレゼンティーイズム

92.7%

93.0%以上

エンゲージメントスコア

52.6点

54.0点以上

(注)1.アブセンティーイズムとは、心身の疾患による生産性の低下を定量的に把握するための指標であり、「疾病による30営業日以上の休暇者の累計休暇日数/正社員数」により計算されます。

2.プレゼンティーイズムとは、同じく心身の疾患による生産性の低下を定量的に把握するための指標で、「欠勤には至っていないが、健康問題を理由に生産性が低下している正社員の割合」を示します。職員に対するストレスチェックにより計算され、100%が生産性の損失がない状態であり、92.7%は「生産性が7.3%損失している」ことを表しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当行グループ(以下、本項目では「当行」という。)では、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、リスクの抑制及び顕在化の回避をはかるとともに、万一リスクが顕在化した場合の対応整備に努めております。

 また、リスクの中でも、当行の財務状態、経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載した事項のうち、「(1) 信用リスク」及び「(2) 市場リスク」があげられます。

 当該リスクが顕在化した場合、当行の業績、財務状況及び業務運営に影響を及ぼす可能性があることから、当行では、統合的リスク管理の枠組みの中でこれらのリスク量を計測したうえで、健全性確保の観点から自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を行っております。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行が判断したものであります。

(1)信用リスク

a 不良債権の状況

 当行では、経営改善努力を行っている融資先に対して継続的な指導・支援を行い、貸出資産の健全化に努めておりますが、国内外の景気動向等により融資先の経営状況が悪化した場合や、不動産価格、株価等の下落により担保価値が低下した場合など、不良債権が増加するおそれがあります。これによって与信費用が増加した場合、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

b 貸倒引当金の状況

 当行では、融資先の財務状況や担保価値のほか、過去の貸倒実績率等に基づき予想損失額を算定し、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、景気の悪化や融資先の業績悪化、担保価値の低下等により貸倒引当金の積み増しが必要となり与信費用が増加した場合、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)市場リスク

a 金利変動リスク

 当行の資産及び負債は、主要業務である貸出金、有価証券及び預金等で構成されており、主たる収益源は、これらの資金運用収益と資金調達費用の差額である資金利益となっております。これらの資産・負債には金利や期間のミスマッチが存在しているため、金利が当行に不利に変動した場合、資金利益が減少し、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

b 価格変動リスク

 当行は、資金の一部を市場性のある国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券で運用しており、将来、それらの価格が当行に不利に変動した場合、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

c 為替変動リスク

 当行の資産及び負債の一部は外貨建てとなっておりますが、持高に偏りが生じている場合、為替相場の不利な変動によって、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)流動性リスク

a 資金繰りリスク

 当行では、個人預金を中心とした安定的な資金調達基盤の構築に努めておりますが、風評被害等による予期せぬ資金流出で必要な資金の確保が困難となる場合や通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされた場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

b 市場流動性リスク

 当行では、資金の一部を有価証券で運用しておりますが、市場の混乱等により、市場において取引ができなくなる場合や通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされた場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)オペレーショナル・リスク

a 事務リスク

 当行では、正確かつ効率的な事務処理態勢の構築によるお客様の信頼向上を目指し、規範に基づく厳格な事務取扱いの徹底と事務品質の向上に努めておりますが、役職員が正確な事務を怠ったり、事故・不正等を起こした場合、経済的損失や社会的信用の失墜等により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

b システムリスク

 当行では、万一のシステム障害がもたらす社会的な影響が極めて大きい点を考慮し、システムの安定稼働をシステムリスク管理上の最重要課題と認識し、管理態勢の強化に取り組んでおりますが、コンピュータシステムのダウンや誤作動のほか、権限のない内部の者やサイバー攻撃による不正使用等が発生した場合、当行の信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。当行では、サイバー攻撃が高度化・巧妙化するなか、サイバーセキュリティ管理態勢の強化をはかっておりますが、こうした対策が奏功せず、サイバー攻撃によるサービス停止、データ改ざん、情報漏えい、不正送金などが発生した場合、これにともなう損害賠償、風評被害等により、当行の信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

c 法務リスク

 当行では、法令等遵守の徹底や法的な確認の厳格化等により、法務リスクの削減に努めておりますが、法令解釈の相違、法令手続きの不備、法令違反行為等のほか、各種制度変更への不十分な対応等が発生した場合、当行の信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。

d 人的リスク

 当行では、良好な職場環境の確保と適切な労務管理に努めておりますが、予期せぬ人事運営上の不公平・不公正や差別的行為のほか、人材の流出・喪失、職員の士気の低下等によって就業環境が悪化し、当行の業務遂行や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

e 有形資産リスク

 当行が事業活動を行ううえで所有している土地、建物、車両等の有形資産について、大規模な地震や風水害などの自然災害のほか、強盗、事故、資産管理上の過失等によって、これら有形資産に毀損等が発生した場合、当行の業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

f 風評リスク

 当行または金融業界に対する悪評や信用低下をもたらす風評等が広がった場合、その内容の正確性に関わらず、当行の資金繰り、業績及び株価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)感染症の感染拡大によるリスク

 感染症の感染拡大によって、当行役職員の感染者が増加した場合、業務運営に支障が生じる可能性があるほか、影響が実体経済や市場に及ぶことで、信用リスクや市場リスクが増加し、当行の業績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当行では、こうしたリスクに対処するために感染予防と業務継続に係る対策を講じているほか、ALM委員会において、信用リスク及び市場リスクに与える影響を検証しております。

(6)繰延税金資産に係るリスク

 当行は、将来の課税所得の推移をはじめとした様々な予測・仮定等に基づいて繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の一部または全部が回収できないと判断された場合には、繰延税金資産の取崩により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)固定資産の減損リスク

 当行は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、経済情勢や不動産価格の変動等によって、保有している固定資産の価格が大幅に下落し、新たに減損損失を計上する可能性があります。

(8)自己資本比率の低下リスク

 当行の単体自己資本比率及び連結自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国内基準の4%以上を維持することが求められております。

 当行の単体及び連結自己資本比率が上記の水準を下回った場合、金融庁長官から業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を受けることになります。

 当行の自己資本比率に影響を及ぼす要因には以下のものが含まれます。

・与信関係費用の増加による自己資本の毀損

・有価証券ポートフォリオの価値の低下

・自己資本比率の基準及び算定方法の変更

・本項記載のその他の不利益な展開

 

(9)情報漏えいリスク

 当行は、お客様の個人情報等の重要な情報の適切な保護・管理に努めておりますが、重要な情報の漏えい、紛失、改ざん、不正使用等が発生した場合、社会的信用等の失墜等により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)金融犯罪に係るリスク

 当行では、キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融犯罪による被害を防止するため、セキュリティ強化に向けた対策を講じております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営上の重要課題と位置付け、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、高度化する金融犯罪等の発生により、被害に遭われたお客様への補償や再発防止対策に係る費用の増加、あるいは信用の失墜等により、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付制度に係るリスク

 当行は、退職一時金制度及び確定給付型の企業年金基金制度を設けておりますが、年金資産の時価が下落した場合や運用利回りが低下した場合、または割引率等の数理計算上の前提条件に変更があった場合には、将来の退職給付費用が増加し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)地域経済動向に影響を受けるリスク

 当行は、地域金融機関として、秋田県を主な営業基盤としております。このため、当行の貸出金利息収入や与信費用の増減は秋田県内の経済動向に影響を受けるおそれがあり、秋田県経済が低迷、または悪化した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)競争に伴うリスク

 当行の主な営業基盤である秋田県をはじめ営業店舗を展開している地域においては、他の金融機関等の間で競争関係にあるほか、規制緩和によって業態を超えた競争も激化しております。こうした競争環境において競争優位を得られない場合、当行の事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14)災害等に係るリスク

 当行では、「業務継続計画(BCP)」を策定し、災害や危機事象が発生した際に迅速かつ適切に対処するための組織体制を整備・構築しております。しかしながら、大規模地震、風水害等の自然災害や停電等の社会インフラの障害、あるいはテロや犯罪等で、当行の役職員や施設及び取引先が被害を受けた場合、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15)格付の低下リスク

 当行は、外部格付機関から格付を取得しておりますが、今後、当行の収益力の低下や資産の質の悪化などにより格付が引き下げられた場合、当行の資金調達、株価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16)規制変更リスク

 当行は、現時点の各種規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等)に従って業務を遂行しておりますが、将来におけるこれらの変更ならびに変更にともなって発生する事態が、当行の業務遂行及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(17)気候変動に係るリスク

 当行では、気候変動に係るリスクとして、移行リスクと物理的リスクを認識しています。

a 移行リスク

 脱炭素社会への移行にともなう気候変動の規制強化や消費者嗜好の変化等により、一部のお客さまの事業に対する信用リスクが増加し、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

b 物理的リスク

 気候変動によってもたらされる水害をはじめとする自然災害の増大を指し、担保毀損のほかお客さまの事業活動への影響および業況の変化等による信用リスクの増加に加え、当行営業店舗の損壊等によりオペレーショナル・リスクが増大し、当行の業績や業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a 連結損益の概要

 

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 比較

連結粗利益

26,528

25,341

△1,187

資金利益

23,069

26,558

3,489

役務取引等利益

4,765

5,171

406

その他業務利益

△1,306

△6,388

△5,082

うち国債等債券損益

△1,746

△6,758

△5,012

営業経費

21,248

21,062

△186

貸倒償却引当費用

1,469

2,906

1,437

株式等関係損益

2,983

7,171

4,188

その他

△195

576

771

経常利益

6,597

9,121

2,524

特別損益

△266

△92

174

うち減損損失

73

3

△70

税金等調整前当期純利益

6,331

9,028

2,697

法人税等合計

1,769

3,353

1,584

非支配株主に帰属する当期純利益

20

13

△7

親会社株主に帰属する当期純利益

4,541

5,662

1,121

(注)連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)

+(その他業務収益-その他業務費用)

 前連結会計年度に比べて、国債等債券損益は悪化し貸倒償却引当費用は増加したものの、資金利益が増加し株式等関係損益が好転したことにより経常利益は2,524百万円増加して9,121百万円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は1,121百万円増加して5,662百万円となりました。

 

b セグメントごとの収益、利益

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 比較

銀行業務

リース

業務

その他

銀行業務

リース

業務

その他

銀行業務

リース

業務

その他

経常収益

37,084

5,376

1,340

46,400

5,810

1,314

9,316

434

△26

セグメント利益

6,443

254

296

9,372

121

309

2,929

△133

13

 

 

c 当行単体損益の概要

 連結損益の大宗である当行単体損益(セグメント、銀行業務)の概要は次のとおりであります。

 

 

 

(単位:百万円)

 

 前事業年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当事業年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 比較

業務粗利益

25,465

24,680

△785

資金利益

23,440

27,249

3,809

役務取引等利益

3,718

4,122

404

その他業務利益

△1,694

△6,691

△4,997

うち国債等債券損益

△1,746

△6,758

△5,012

経費(除く臨時処理分)

20,400

20,227

△173

うち人件費

10,459

10,623

164

うち物件費

8,584

8,207

△377

コア業務純益

6,811

11,211

4,400

一般貸倒引当金繰入額①

208

△348

△556

臨時損益

1,585

4,570

2,985

不良債権処理額②

1,161

3,135

1,974

株式等関係損益

2,983

7,171

4,188

その他臨時損益

△235

534

769

経常利益

6,443

9,372

2,929

特別損益

△266

△92

174

うち減損損失

73

3

△70

法人税等合計

1,599

3,241

1,642

当期純利益

4,576

6,037

1,461

 

 

 

 

与信関係費用①+②

1,369

2,787

1,418

(注)コア業務純益=(業務粗利益-国債等債券損益)-経費

 

 

0102010_015.png

 

 

0102010_016.png

 

 資金利益と役務取引等利益の増加に加えて経費が減少したことから、コア業務純益は前事業年度に比べて4,400百万円増加し11,211百万円となりました。(増加率64.6%)

 与信関係費用は増加し国債等債券損益は悪化したものの、株式等関係損益の好転により経常利益は2,929百万円増加し9,372百万円となりました。(増加率45.4%)

 当期純利益は1,461百万円増加し6,037百万円となりました。(増加率31.9%)

 

 

0102010_017.png

 

 貸出金利息は、平残の増加と利回り上昇により、前事業年度に比べて2,801百万円増加し19,238百万円となりました。

 有価証券利息配当金は、平残の増加と利回り上昇により、1,948百万円増加し8,636百万円となりました。

 これらを主因に、資金利益は3,809百万円増加し27,249百万円となりました。

 

0102010_018.png

 

 投資信託販売手数料は、前事業年度に比べて12百万円増加し474百万円となり、生命保険販売手数料は、155百万円減少して831百万円となりました。シンジケートローンアレンジャーフィーは89百万円増加して163百万円となりました。

 一方、支払融資保険料は264百万円減少して1,599百万円となりました。

 これらを主因に、役務取引等利益は404百万円増加して4,122百万円となりました。

 

d リース業務における損益の概要

 貸倒償却引当費用が増加したことから、前連結会計年度に比べてセグメント利益は133百万円減少しました。

e 連結財政状態の概要

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

比較

資産の部

35,841

34,603

△1,238

うち現金預け金

6,887

4,667

△2,220

うち有価証券

8,084

8,713

629

うち貸出金

19,907

20,573

666

負債の部

34,113

33,032

△1,081

うち預金(譲渡性預金含む)

31,760

31,887

127

純資産の部

1,727

1,570

△157

うち株主資本合計

1,543

1,585

42

うちその他の包括利益累計額合計

176

△22

△198

 

f セグメントごとの資産、負債

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

比較

銀行業務

リース

業務

その他

銀行業務

リース

業務

その他

銀行業務

リース

業務

その他

セグメント資産

35,673

168

122

34,433

172

122

△1,240

4

0

セグメント負債

34,079

118

45

33,005

121

47

△1,074

3

2

 

g 当行単体の有価証券、貸出金、預金の概要

 連結貸借対照表の大宗である当行単体(セグメント、銀行業務)の有価証券、貸出金および預金の概要は次のとおりであります。

(a)有価証券の残高

 

 

 

(単位:億円)

 

前事業年度

(2024年3月31日)

当事業年度

(2025年3月31日)

比較

有価証券

8,114

8,740

626

国債

509

1,436

927

地方債

2,829

2,841

12

短期社債

49

△49

社債

1,088

1,087

△1

株式

621

563

△58

その他の証券

3,015

2,811

△204

 国債の残高が増加したことにより、有価証券残高は前事業年度末比626億円増加し8,740億円となりました。

 

(b)その他有価証券の評価損益

 

 

 

(単位:億円)

 

前事業年度

(2024年3月31日)

当事業年度

(2025年3月31日)

比較

その他有価証券

120

△134

△254

株式

393

292

△101

債券

△121

△255

△134

その他

△151

△172

△21

 株式、債券およびその他の評価損益が悪化したことから、前事業年度末比254億円悪化し134億円の評価損となりました。

 

(c)貸出金の残高(貸出先別、中小企業等貸出)

 

 

 

(単位:億円、%)

 

前事業年度

(2024年3月31日)

当事業年度

(2025年3月31日)

比較

貸出金

19,973

20,641

668

うち住宅ローン

3,499

3,586

87

うちその他ローン

290

287

△3

うち事業先向け貸出

11,673

12,876

1,203

うち国・地公体向け貸出

4,478

3,859

△619

中小企業等貸出

10,650

11,118

468

中小企業等貸出比率

53.32

53.86

0.54

 国・地公体向け貸出は減少しましたが、事業先向け貸出の増加により、前事業年度末比668億円増加し2兆641億円となりました。

 中小企業等貸出は468億円増加し、中小企業等貸出比率は0.54ポイント上昇し53.86%となりました。

 

(d)金融再生法開示債権の残高と不良債権比率

 

 

 

(単位:億円、%)

 

前事業年度

(2024年3月31日)

当事業年度

(2025年3月31日)

比較

破産更生債権及びこれらに準ずる

債権

70

77

7

危険債権

428

460

32

要管理債権

35

29

△6

533

566

33

不良債権比率

2.63

2.71

0.08

 金融再生法開示債権は前事業年度末比33億円増加したことから、不良債権比率は0.08ポイント上昇して2.71%となりました。

 

(e)預金(譲渡性預金含む)の残高(預り先別)

 

 

 

(単位:億円)

 

前事業年度

(2024年3月31日)

当事業年度

(2025年3月31日)

比較

預金(譲渡性預金含む)

31,836

31,957

121

うち個人預金

20,903

21,079

176

うち法人預金

7,808

7,558

△250

うち公金預金

2,886

3,060

174

 法人預金は減少しましたが、個人預金および公金預金の増加により、前事業年度末比121億円増加し、3兆1,957億円となりました。

 

(f)利回り

 

 

 

(単位:%)

 

 前事業年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当事業年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 比較

有価証券利回り

0.82

1.00

0.18

貸出金利回り

0.84

0.96

0.12

預金利回り

0.00

0.05

0.05

総資金利ざや

0.17

0.18

0.01

 

h リース業務における資産・負債

 前連結会計年度末に比べて資産・負債ともに大幅な変動はありません。

 

i 純資産の部の概要

 

 

 

(単位:億円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

比較

資本金

141

141

0

資本剰余金

92

92

0

利益剰余金

1,321

1,361

40

自己株式

△10

△9

1

株主資本合計

1,543

1,585

42

その他有価証券評価差額金

94

△124

△218

繰延ヘッジ損益

9

9

土地再評価差額金

29

28

△1

退職給付に係る調整累計額

53

64

11

その他の包括利益累計額合計

176

△22

△198

非支配株主持分

7

7

0

純資産の部合計

1,727

1,570

△157

 利益の積上げにより株主資本合計は前連結会計年度末比42億円増加しました。

 その他有価証券評価差額金の悪化により、その他の包括利益累計額合計は198億円減少しました。

 以上により、純資産の部合計は157億円減少しました。

j 連結自己資本比率の状況(国内基準)

 

 

 

(単位:億円、%)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

比較

自己資本比率

11.48

11.97

0.49

自己資本

1,494

1,513

19

リスク・アセット

13,017

12,638

△379

 自己資本は利益の積上げにより前連結会計年度末比19億円増加しましたが、リスク・アセットは379億円減少しました。これにより自己資本比率は0.49ポイント上昇し11.97%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

 

 

(単位:億円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

 比較

営業活動によるキャッシュ・フロー

△523

△1,304

△781

うち貸出金

△991

△668

323

うち預金・譲渡性預金

275

126

△149

うち借用金

193

△1,214

△1,407

うちコールローン等

78

147

69

うちコールマネー等

△64

△2

62

うち債券貸借取引受入担保金

△51

51

うち資金運用による収入

239

278

39

うち資金調達による支出

△16

△22

△6

投資活動によるキャッシュ・フロー

△125

△878

△753

うち有価証券の取得

△4,690

△8,482

△3,792

うち有価証券の売却・償還

4,577

7,616

3,039

財務活動によるキャッシュ・フロー

△11

△14

△3

うち自己株式の取得

△0

△0

0

うち配当金の支払額

△12

△16

△4

現金及び現金同等物の期末残高

6,836

4,638

△2,198

 借用金の減少と貸出金の増加による支出を主因として、営業活動によるキャッシュ・フローは1,304億円の支出超過となりました。

 有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは878億円の支出超過となりました。

 配当金の支払により、財務活動によるキャッシュ・フローは14億円の支出超過となりました。

 以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比2,198億円減少して4,638億円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比2,524百万円増加の9,121百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,121百万円増加の5,662百万円となりました。連結損益の大宗は当行単体損益であり、次のように認識しております。

 

 当事業年度における貸出金は、平均残高、利回りともに計画を上回ったことから利息収入も計画を上回りました。有価証券については、平均残高は計画を下回ったものの、利回りが上回ったことから利息配当金は計画を上回りました。これにより資金利益は計画を上回ることができました。

 役務取引等利益については、シンジケートローン手数料が計画を上回ったものの、個人向けの預かり資産販売手数料が計画を下回ったことなどから、計画を下回る結果となりました。

 経費については、人件費、物件費ともに計画を下回りました。

 以上のように、資金利益の上回りと経費の下回りを要因に、コア業務純益は計画比+20億円となりました。

 また、国債等債券損益は計画を下回りましたが、与信関係費用の下回りと株式等関係損益の上回りにより、経常利益は計画比+12億円となりました。当期純利益も計画比+10億円となりました。

 経営課題に掲げている「本業利益の改善」については、貸出金利息の上回りと経費の下回りにより計画比+10億円となりました。

 

 当連結会計年度末の純資産の部においては、利益の積上げにより株主資本合計は前連結会計年度末比42億円増加しましたが、その他有価証券評価差額金の悪化により、その他の包括利益累計額合計は198億円減少しました。

 これにより、純資産の部合計は157億円減少しました。

 

 自己資本の増加とリスク・アセットの減少により、連結自己資本比率(国内基準)は前連結会計年度末から0.49ポイント上昇し11.97%となりました。引き続き、財務の健全性は高いと評価しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度においては、借入金の減少と貸出金の増加による支出を要因として、営業活動によるキャッシュ・フローは1,304億円の支出超過となりました。

 有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは878億円の支出超過となりました。

 配当金の支払により、財務活動によるキャッシュ・フローは14億円の支出超過となりました。

 以上により、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比2,198億円減少して4,638億円となりました。

 貸出金や有価証券による運用に多額の資金移動がありましたが、依然として十分な資金確保ができており、銀行業としての資本の財源及び資金の流動性に懸念はありません。

 当行グループの資本の財源及び資金の流動性において、重要な資本的支出の予定は「第3 設備の状況」に記載しております。また、資金調達方法については自己資金で対応する予定であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。

 連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末日の資産・負債の計上及び会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は次のとおりであります。

 

 貸倒引当金

 当行は、債務者の財務情報や入手可能な外部情報等に基づき、債務者ごとにその債務者区分(正常先、要注意先(要管理先、その他の要注意先)、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先)を決定し、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5) 貸倒引当金の計上基準」に記載した算出方法により貸倒引当金を計上しております。

 債務者区分は、債務者の財務情報等に基づき定例及び随時の見直しを行っておりますが、業績不振や財務的な困難に直面している債務者の債務者区分は、今後の業績回復見込や経営改善計画の合理性及び実現可能性についての判断に依存している場合があります。経営改善計画の合理性及び実現可能性の判断の前提となる債務者を取り巻く経営環境等の変化により債務者の債務者区分が変動した場合、翌連結会計年度において貸倒引当金は増減する可能性があります。

 貸倒引当金を算定するための予想損失率における将来見込み等必要な修正は、景気循環等を加味したより長期の過去の一定期間における平均値に基づく損失率が高い場合、その差分を加味して算定しております。

 また、当行はこれまで、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済への影響を顕著に受けた宿泊業等の特定の業種に属する債務者の信用リスクは高い状況が継続していると判断し、当該債務者の債務者区分を引き下げたものとみなして貸倒実績率に必要な修正を加えて貸倒引当金を追加計上しておりましたが、当連結会計年度においては、当該信用リスクの高まりは落ち着いたと判断し、この貸倒引当金の追加計上を取り止めいたしました。この変更による貸倒引当金の減少額は956百万円になります。

 なお、仮定の前提となる状況が変化した場合には、翌連結会計年度において貸倒引当金は増減する可能性があります。

 

 

(参考)

(1)国内業務・国際業務部門別収支

 資金運用収支につきましては、国内業務部門で前連結会計年度比3,413百万円(14.8%)増加し、国際業務部門で前連結会計年度比77百万円(49.3%)増加したことから、合計では前連結会計年度比3,491百万円(15.1%)増加いたしました。

 役務取引等収支につきましては、国内業務部門で前連結会計年度比403百万円(8.4%)増加し、国際業務部門で前連結会計年度比3百万円(30.0%)増加したことから、合計では前連結会計年度比406百万円(8.5%)増加いたしました。

 その他業務収支につきましては、国内業務部門で前連結会計年度比5,237百万円減少し、国際業務部門で前連結会計年度比153百万円増加したことから、合計で前連結会計年度比5,082百万円減少いたしました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

22,913

156

23,069

当連結会計年度

26,326

233

26,560

うち資金運用収益

前連結会計年度

23,023

1,699

2

24,720

当連結会計年度

28,386

1,058

14

29,430

うち資金調達費用

前連結会計年度

110

1,543

2

1,651

当連結会計年度

2,059

824

14

2,869

役務取引等収支

前連結会計年度

4,755

10

4,765

当連結会計年度

5,158

13

5,171

うち役務取引等収益

前連結会計年度

7,152

26

7,178

当連結会計年度

7,417

28

7,445

うち役務取引等費用

前連結会計年度

2,397

15

2,412

当連結会計年度

2,259

14

2,273

その他業務収支

前連結会計年度

△1,217

△88

△1,306

当連結会計年度

△6,454

65

△6,388

うちその他業務収益

前連結会計年度

6,546

52

6,598

当連結会計年度

6,750

65

6,816

うちその他業務費用

前連結会計年度

7,763

141

7,905

当連結会計年度

13,204

13,204

(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。

3.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

(2)国内業務・国際業務部門別資金運用/調達の状況

① 国内業務部門

 資金運用勘定平均残高は預け金の増加を主因に前連結会計年度比404,528百万円増加し、資金運用利回りは貸出金利回り及び有価証券利回りの上昇を主因に0.07ポイント増加したことから、運用利息は5,363百万円増加いたしました。一方、資金調達勘定平均残高は、債券貸借取引受入担保金及び借用金の減少を主因に前連結会計年度比39,818百万円減少したものの、資金調達利回りは預金利回りの上昇を主因に0.06ポイント増加したことから、調達利息は1,949百万円増加いたしました。

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(35,045)

(2)

0.75

3,046,914

23,023

当連結会計年度

(28,546)

(14)

0.82

3,451,442

28,386

うち貸出金

前連結会計年度

1,932,985

16,365

0.84

当連結会計年度

1,992,930

19,095

0.95

うち商品有価証券

前連結会計年度

18

0

0.00

当連結会計年度

11

0

0.00

うち有価証券

前連結会計年度

801,575

6,269

0.77

当連結会計年度

847,771

7,903

0.93

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

164,562

△4

△0.00

当連結会計年度

77,438

203

0.26

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

103,374

381

0.36

当連結会計年度

495,942

1,137

0.22

資金調達勘定

前連結会計年度

3,411,081

110

0.00

当連結会計年度

3,371,263

2,059

0.06

うち預金

前連結会計年度

3,059,556

79

0.00

当連結会計年度

3,106,447

1,810

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

123,458

13

0.01

当連結会計年度

93,806

70

0.07

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

4,135

△1

△0.02

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

27,290

3

0.01

当連結会計年度

1,902

0

0.00

うち借用金

前連結会計年度

198,559

14

0.00

当連結会計年度

170,810

20

0.01

(注)1.国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。

2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社につきましては、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度445,713百万円、当連結会計年度25,350百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度2,047百万円、当連結会計年度2,047百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

② 国際業務部門

 資金運用勘定平均残高はコールローンの減少を主因に7,665百万円減少し、資金運用利回りはコールローン利回りの低下を主因に0.96ポイント減少したことから、運用利息は641百万円減少いたしました。一方、資金調達勘定平均残高はコールマネーの減少を主因に7,774百万円減少し、資金調達利回りはコールマネー利回りの低下を主因に1.30ポイント減少したことから、調達利息は719百万円減少いたしました。

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

39,051

1,699

4.33

当連結会計年度

31,386

1,058

3.37

うち貸出金

前連結会計年度

2,695

64

2.39

当連結会計年度

3,325

109

3.28

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

6,807

68

1.00

当連結会計年度

9,488

92

0.97

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

27,843

1,491

5.34

当連結会計年度

16,689

846

5.07

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

(35,045)

(2)

3.92

39,177

1,543

当連結会計年度

(28,546)

(14)

2.62

31,403

824

うち預金

前連結会計年度

2,391

22

0.95

当連結会計年度

2,306

12

0.52

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

1,527

80

5.23

当連結会計年度

328

12

3.81

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

70

2

3.85

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

(注)1.国際業務部門とは、当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社につきましては、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。なお、当行国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度5百万円、当連結会計年度5百万円)を控除して表示しております。

4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

③ 合計

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

3,050,921

24,720

0.80

当連結会計年度

3,454,282

29,430

0.85

うち貸出金

前連結会計年度

1,935,681

16,429

0.84

当連結会計年度

1,996,255

19,204

0.96

うち商品有価証券

前連結会計年度

18

0

0.00

当連結会計年度

11

0

0.36

うち有価証券

前連結会計年度

808,382

6,337

0.78

当連結会計年度

857,259

7,996

0.93

うちコールローン及び買入手形

前連結会計年度

192,406

1,487

0.77

当連結会計年度

94,127

1,050

1.11

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

103,374

381

0.36

当連結会計年度

495,942

1,137

0.22

資金調達勘定

前連結会計年度

3,415,213

1,651

0.04

当連結会計年度

3,374,120

2,869

0.08

うち預金

前連結会計年度

3,061,948

102

0.00

当連結会計年度

3,108,754

1,822

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

123,458

13

0.01

当連結会計年度

93,806

70

0.07

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

5,663

78

1.38

当連結会計年度

328

12

3.81

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

27,361

6

0.02

当連結会計年度

1,902

0

0.00

うち借用金

前連結会計年度

198,559

14

0.00

当連結会計年度

170,810

20

0.01

(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度445,719百万円、当連結会計年度25,356百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度2,047百万円、当連結会計年度2,047百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

2.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

(3)国内業務・国際業務部門別役務取引の状況

国内業務部門

 役務取引等収益が前連結会計年度比265百万円(3.7%)増加し、役務取引等費用が前連結会計年度比138百万円(5.7%)減少したことから、役務取引等収支は前連結会計年度比403百万円(8.4%)増加いたしました。

国際業務部門

 役務取引等収益が前連結会計年度比2百万円(7.6%)増加し、役務取引等費用が前連結会計年度比1百万円(6.6%)減少したことから、役務取引等収支は前連結会計年度比3百万円(30.0%)増加いたしました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

7,152

26

7,178

当連結会計年度

7,417

28

7,445

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

2,074

2,074

当連結会計年度

2,142

2,142

うち為替業務

前連結会計年度

1,493

26

1,520

当連結会計年度

1,615

28

1,643

うち証券関連業務

前連結会計年度

39

39

当連結会計年度

83

83

うち代理業務

前連結会計年度

119

119

当連結会計年度

124

124

うち保護預り・貸金庫業務

前連結会計年度

20

20

当連結会計年度

19

19

うち保証業務

前連結会計年度

271

0

271

当連結会計年度

256

256

うちクレジット・カード業務

前連結会計年度

966

966

当連結会計年度

963

963

役務取引等費用

前連結会計年度

2,397

15

2,412

当連結会計年度

2,259

14

2,273

うち為替業務

前連結会計年度

117

10

128

当連結会計年度

154

10

164

(注) 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。

 

(4)国内業務・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

3,110,857

2,575

3,113,432

当連結会計年度

3,127,296

2,283

3,129,579

うち流動性預金

前連結会計年度

2,119,725

2,119,725

当連結会計年度

2,141,819

2,141,819

うち定期性預金

前連結会計年度

958,836

958,836

当連結会計年度

941,766

941,766

うちその他

前連結会計年度

32,296

2,575

34,871

当連結会計年度

43,710

2,283

45,993

譲渡性預金

前連結会計年度

62,654

62,654

当連結会計年度

59,128

59,128

総合計

前連結会計年度

3,173,512

2,575

3,176,087

当連結会計年度

3,186,424

2,283

3,188,707

(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3.定期性預金=定期預金+定期積金

 

(5)国内業務・国際業務部門別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内業務部門

(除く特別国際金融取引勘定分)

1,987,588

100.00

2,054,023

100.00

製造業

190,911

9.60

201,078

9.79

農業、林業

7,890

0.40

7,525

0.37

漁業

1,143

0.06

58

0.00

鉱業、採石業、砂利採取業

12,892

0.65

13,687

0.67

建設業

81,361

4.09

82,227

4.00

電気・ガス・熱供給・水道業

127,469

6.41

136,338

6.64

情報通信業

11,737

0.59

11,695

0.57

運輸業、郵便業

68,967

3.47

86,116

4.19

卸売業、小売業

165,337

8.32

179,166

8.72

金融業、保険業

165,753

8.34

226,549

11.03

不動産業、物品賃貸業

195,430

9.83

207,893

10.12

学術研究、専門・技術サービス業

7,722

0.39

6,687

0.33

宿泊業

11,938

0.60

11,466

0.56

飲食業

9,272

0.47

8,716

0.42

生活関連サービス業、娯楽業

9,652

0.49

9,856

0.48

教育、学習支援業

2,949

0.15

2,538

0.12

医療・福祉

58,123

2.92

56,497

2.75

その他のサービス

21,776

1.10

23,575

1.15

国、地方公共団体

447,801

22.53

385,951

18.79

その他

389,455

19.59

396,395

19.30

国際業務部門及び特別国際金融取引勘定分

3,206

100.00

3,329

100.00

政府等

金融機関

1,000

31.19

1,000

30.03

その他

2,206

68.81

2,329

69.97

 合計

1,990,794

2,057,353

(注) 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

 該当事項はありません。

 

(6)国内業務・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

50,936

50,936

当連結会計年度

143,691

143,691

地方債

前連結会計年度

282,945

282,945

当連結会計年度

284,160

284,160

短期社債

前連結会計年度

4,997

4,997

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

108,877

108,877

当連結会計年度

108,752

108,752

株式

前連結会計年度

57,550

57,550

当連結会計年度

51,735

51,735

その他の証券

前連結会計年度

295,557

7,557

303,114

当連結会計年度

272,614

10,431

283,045

合計

前連結会計年度

800,865

7,557

808,422

当連結会計年度

860,953

10,431

871,384

(注)1.国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当行及び連結子会社の外貨建取引であります。

2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

 自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

 なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法をそれぞれ採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

(単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

11.97

2.連結における自己資本の額

1,513

3.リスク・アセットの額

12,638

4.連結総所要自己資本額

505

 

単体自己資本比率(国内基準)

 

(単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

11.79

2.単体における自己資本の額

1,477

3.リスク・アセットの額

12,524

4.単体総所要自己資本額

500

 

(資産の査定)

(参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものならびに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

70

77

危険債権

428

460

要管理債権

35

29

正常債権

19,658

20,292

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。