第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)経営環境

①国内経済

2024年度の国内経済は好調な企業収益や賃上げの動きを背景に個人消費の持ち直しや設備投資が増加するなど緩やかに回復しました。一方で、欧州や中東における地政学リスク、アメリカの政策動向が景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇による個人消費への影響や金融資本市場の変動等に注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、国内の金融情勢においては、日本銀行が賃金・物価上昇の持続性の高まりを受け、2024年7月に15年7ヵ月ぶりに政策金利を引上げた後、2025年1月に追加利上げを実施するなど、金融機関を取巻く環境に大きな変化がありました。

 

②福島県内経済

当行の主要な営業基盤である福島県の経済は、住宅投資や新車登録台数が前年を下回るなど個人消費は足踏みの状況にありましたが、雇用情勢が緩やかに持ち直すとともに、新規事業や新規出店に関する設備投資が増加するなど一部に回復の兆しが見られました。

 

③金融環境

長期金利の指標となる10年国債利回りは、日本銀行の政策金利引上げや国債買入減額を要因として2025年3月に16年ぶりの高水準となる1.59%まで上昇しました。

また、為替相場は2024年7月に1ドル161円台まで円安が進行しましたが、日米金利差が縮小したことを受け、年度末には1ドル148円台まで円高が進みました。一方で、日経平均株価は好調な企業収益などを背景に、2024年7月に史上最高値となる4万2,224円まで上昇したものの、米国における通商政策への警戒感により年度末には3万5,617円まで下落しました。

 

(2)経営の基本方針

当行グループは、主に福島県を地盤とする地域金融機関として、パーパス「すべてを地域のために」のもと、ビジョン「地域社会に貢献する会社へ~金融サービスの枠を超えて~」の実現に向け、2024年4月から2030年3月までの6年間を計画期間とする長期経営計画「TX PLAN 2030」をもとに2つの基本方針である「地域・お客さまとの価値共創」及び「当行グループの成長戦略」に基づき、地域社会の持続的成長に向けた諸施策を展開しております。

 

<経営理念体系図>


 

 

(3)中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標

①中長期的な経営戦略

新たな経営理念を実現するための計画として、2024年4月から2030年3月までの6年間を計画期間とする長期経営計画「TX PLAN 2030 (TOHO TRANSFORMATION(X) PLAN 2030)」をスタートしております。前中期経営計画期間で取り組んできた「変革」(2021年度~2023年度)をさらに進め、当行が「進化」(2024年度~2026年度)を果たし、地域・お客さまと新たな価値を「共創」(2027年度~2030年度)していくという決意を3つの「X」に込めました。TX PLAN 2030では「お客さま1社1社の事業価値向上」と「お客さま一人ひとりのゆたかな暮らしづくり」をゴールに掲げながら、「地域・お客さまとの価値共創」と「当行グループの成長戦略」を実現してまいります。

 

(a)基本方針Ⅰ.お客さまとの価値共創

地域経済の持続的成長を達成する10TARGETSを展開し、地域の皆さまの企業価値・資産価値を高め、経済を循環させることで地域・お客さまとの価値共創を実現してまいります。サステナブルファイナンスの拡大を通じて持続可能な地域社会を支え、総合コンサルティングにより産業創出・育成を行い、付加価値の高いサービスを提供することで、お客さまのゆたかな暮らしづくりへ貢献してまいります。

(b)基本方針Ⅱ.当行グループの成長戦略

当行グループの企業価値向上を図るための成長投資・人的資本投資に積極的に取り組むとともに、営業体制変革によるコンサルティング力の強化、BPRによる重点分野への人員再配置、アライアンスへの取り組み強化によって、当行が掲げる3つの成長ドライバを加速させ、グループ全体での収益を拡大してまいります。

 


 

 

②目標とした経営指標

TXPLAN2030では、2026年度計画としてコア業務純益115億円、当期純利益60億円、ROE3.0%、コアOHR77.0%、2029年度計画としてコア業務純益185億円、当期純利益110億円、ROE5.0%、コアOHR67.0%を掲げておりましたが、日本銀行による2024年7月及び2025年1月の政策金利引上げに加え、今後、計画期間中に政策金利が0.75%まで引き上げられるとの想定をメインシナリオとして、今後もさらなる金利上昇局面が想定されることを踏まえ、長期計数計画の見直しを実施しました。

 

(連結)

2024年度実績

2026年度計画

2029年度計画

コア業務純益

120億円

190億円

(当初計画比+75億円)

275億円

当初計画比+90億円)

当期純利益

74億円

105億円

(当初計画比+45億円)

170億円

(当初計画比+60億円

ROE

3.69%

5.0%

(当初計画比+2.0%)

7.0%

(当初計画比+2.0%)

コアOHR

74.9%

68.5%

(当初計画比△8.5%)

60.0%

(当初計画比△7.0%)

 

 

金利環境の変化を追い風として、TXPLAN2030に掲げる各種施策を着実に遂行し、貸出金の増加やコンサルティング分野における非金利収入拡大によるトップライン増強を図りつつ、業務効率化のための行内DX促進や営業体制変革によって生産性向上を図ることで、ROE・PBRの改善に取り組み、経営体質をさらに強化してまいります。また、企業価値を向上させる3本柱として、成長・環境投資、人的資本投資、株主還元を掲げており、お客さまのさらなる利便性向上を目指すための積極的な成長投資を継続するとともに、さらなる人的資本投資を行い地域の持続的成長に貢献できる人材の創出、育成に努めることに加え、株主還元をより一層充実させることで、当行グループの企業価値向上を実現してまいります。

 

(4) 対処すべき課題

TXPLAN2030において、地域経済の持続的成長を達成するための「10TARGETS」を設定し、各種施策に取り組んでおります。

TARGETS

課題認識

   人材不足への対応

少子高齢化を背景とした人材不足への対応は地域社会における重要課題と認識しております。「人材紹介」はお客さまアンケートにおいても金融機関から受けたいサービスの上位であり、人材ビジネスの充実が求められていることに加え、ITの活用により生産性向上を図ることで地域DXを目指していくことが必要と考えております

   脱炭素促進支援

地球温暖化への対応として、脱炭素化への取り組みは企業の重要課題と認識しております。サプライチェーンから排除されるリスクも想定されるほか、当行のScope3への対策としても更に取り組みを強化することが必要と認識しております

   金融コンサルティング

事業性融資は、第1成長ドライバとして当行収益の柱に位置付けております。お客さまが銀行に最も期待する役割は資金供給機能であり、多様な調達手法をよりスピーディに提供するため、金融コンサルティングの高度化に取り組むことが必要と認識しております

   創業・成長・経営支援

地域経済の活性化のためには、地域でイノベーションを創出する新たな取り組みが必要であることに加えて、地域金融機関の使命である金融仲介機能を発揮することによって、企業の成長を支えるとともに、経営改善支援・事業再生支援に積極的に取り組むことが必要と認識しております

 

 

TARGETS

課題認識

   事業性評価・有益情報提供

お客さまに最適な提案を行うためには、事業内容を正確に理解し、真の課題を把握する事業性評価の取り組みが必要であるとともに、補助金制度やその他各種支援制度の紹介など、お客さまに必要な情報をタイムリーに提供する体制の構築が必要と認識しております

   キャッシュレス

政府が2025年6月までにキャッシュレス比率4割程度を目指すなか、キャッシュレス決済は消費者の利便性向上だけでなく、現金決済に係るインフラコストの削減、業務効率化や人手不足の対応としても有効であり、法人・個人に対して普及を促進することが必要と認識しております

   ライフイベント・サポート(ローン)

自動車購入資金や教育資金、住宅取得資金など、お客さまのライフステージに応じた資金ニーズに対応し、消費活動を通じた地域経済の活性化を図りつつ、お客さまのゆたかな暮らしづくりをサポートすることが必要と認識しております

   資産形成・運用(預かり資産)

政府は「資産所得倍増プラン」において「貯蓄から投資」に向けたさまざまな施策を打ち出し、成長と資産所得の好循環の実現を目指しています。その環境下、お客さまのゆたかな暮らしづくりの実現に向け、個人コンサルティングの高度化に取り組むことが必要と認識しております

   相続・信託

高齢化社会の進展により、高齢者から将来世代への資産承継ニーズが高まっております。資産承継分野における専門性に磨きをかけ、お客さまの想いの実現に向け、価値あるソリューションを提供していくことが必要と認識しております。

   金融リテラシー向上

「人生百年時代」を生きる上で、金融経済教育の普及は非常に重要な課題と捉えており、当行の将来の顧客基盤となる子どもたちへの金融教室や、若年層~高齢層にかけてライフステージに応じた金融経済教育活動を実施していくことが必要と認識しております

 

 

そのなかでも、人口減少、少子高齢化が地域社会に及ぼす影響は時間の経過と共に益々深刻化していることから、TARGET①「人材不足への対応」を解決すべき重要な社会課題の一つと捉えております。

2024年度の同分野に関する当行グループへの相談件数は累計で1,400件を超え、今も着実に増加しております。その環境下、ITの力で地域全体のデジタル化とお客さまの生産性向上支援に取り組むIT関連事業と、人材不足という地域にとって最大の課題解決に取り組む人材関連事業を2本柱とする「株式会社東邦ITヒューマンソリューションズ」を新設し、他業銀行業高度化等会社の認可を取得したうえで2025年10月より事業を開始する予定です。

2025年度においては、基本方針に「GoingBeyond もう一つ上の世界へ」を掲げ、成長戦略として、3つの成長ドライバを加速する取り組みを行ってまいります。第1の成長ドライバとして、事業性貸出・リース取引においては、シェアアップで地域におけるプレゼンス向上を図るとともに、消費者ローンでは保証会社との連携強化やWEB受付システムの更なる利便性向上を図ってまいります。また、預かり資産分野では、野村證券株式会社との金融商品仲介業務における包括的業務提携の完全移行を10月に控えるなか、営業店とコンサルティングプラザ、コンタクトチームの更なる連携強化を図ってまいります。

第2の成長ドライバとしては、金融コンサル分野で多様なファイナンスに積極的に取り組み、収益基盤の拡大を目指していくとともに、経営コンサル分野では人材紹介対応領域の深化・拡大に加え、脱炭素経営に関する多様なニーズにワンストップで対応できる体制を整備してまいります。また、地域経済の活性化に欠かせない中小企業の本業支援においては、物価高や人件費上昇など経営環境が厳しいなか、経営計画の策定支援や販路拡大を支援する有料ビジネスマッチングや生産性向上に向けた伴走型経営支援の取り組みを強化しております。

第3成長ドライバへの取り組みとして、相双地域を起点とした福島県の創造的復興を大きな課題と捉え、法人コンサルティング部内に設置した相双新産業推進室を中心として、新たな産業創出に向けた創業・スタートアップ、進出企業への支援を積極的に行っております。引き続き「創業の地 ふくしま」の確立に向け積極的に取り組んでまいります。 

上記の取り組みによって、第1成長ドライバとなるストック収益基盤の拡大、第2成長ドライバとなるフロー収益の強化に加え、第3成長ドライバとして新たな収益獲得を目指す考えの下、当行グループの成長戦略を着実に実行してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当行グループは、経営理念体系(経営理念、サステナビリティ宣言、長期ビジョン、行動指針・価値観)のもと、法令等遵守の徹底、健全な業務運営の確保及び揺るぎない信頼性の確立を図っております。

こうした中、持続可能な地域社会の実現に向けて、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に関するサステナビリティの推進に取り組むことで、社会・経済価値の好循環創出に加え、地域のお客さまや株主の皆さまなど幅広いステークホルダーからの期待に応えられるよう、中長期的な企業価値の向上に努めております。具体的には、気候変動をはじめとする環境問題、地域間格差や人口減少などの社会課題、その前提となる人的資本・多様性に関する取り組みが重要であると考えております。

そうした考えに基づき、当行グループは、2019年度に「ESGへの取り組み方針」を制定、「とうほうSDGs宣言」を公表するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同いたしました。

2023年度には、組織的取り組みのさらなる促進を目的として、経済産業省「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ」、福島県「ふくしまゼロカーボン宣言事業」に参加するとともに、お取引先の脱炭素取り組みの支援に関する知見習得・蓄積を目的として、環境省の「令和5年度金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」に参画しました。「令和5年度金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」においては、お取引先の二酸化炭素(以下「CO2」)排出量の推計やお取引先とのエンゲージメント(建設的な対話)を前提とした行内体制の検証、課題整理等を実施しております。本事業で得られた知見をもとに、2024年度において、お取引先の脱炭素取り組みの支援を本格的に開始するとともに、2024年度より福島県が実施している「ふくしま企業脱炭素化支援体制構築事業」にも、当行は、地域金融機関として連携・協力しております。2025年度は、本事業における「福島県地域脱炭素推進コンソーシアム」のメンバーとして、関係機関と連携を図りながら、福島県内の企業の脱炭素化に向けた取り組みを推進しております。

また、自然資本やネイチャーポジティブに関連する取り組みの拡大に向けて「TNFDフォーラム」へ加入するとともに、社会や環境に関する地域課題の解決に向けた取り組みのさらなる推進を目的として、「インパクトコンソーシアム」へ入会しました。

2024年4月、当行グループでは、新たな経営理念体系をスタートし、「とうほうSDGs宣言」についても「サステナビリティ宣言」へ改訂し、経営理念の実現のためのミッションとして5つのマテリアリティ(重要課題)に取り組むことを宣言しました。

当行では、取締役会設置委員会(経営陣の積極的な関与のもとで特に重要な経営課題の審議を行う委員会)のひとつとして、「サステナビリティ推進委員会」(委員長:頭取)を設置し、本委員会において、全行的なサステナビリティの取り組みに関する「サステナビリティ推進計画」について審議し、その取り組み状況については、半期ごとに同委員会で進捗管理を行っております。サステナビリティ推進委員会の審議結果については、取締役会へ報告し、取締役会がサステナビリティに関する取り組み状況を監督しております。

当事業年度においてサステナビリティ推進委員会を7回開催しており、主な議題は以下のとおりです。

<サステナビリティ推進委員会における主な議題>

・サステナビリティ推進計画の策定

・サステナビリティ推進計画の取り組み状況・方針

・環境省「金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」の実施内容と今後の取り組み

・「とうほうサステナブル投融資方針」の制定

・「DE&Iの浸透」(人的資本に関する取り組み)について

 

 

また、2023年3月、環境問題への対応やお客さまの脱炭素化支援といったこれまでの取り組みをさらに加速する観点から、当行グループ全体のサステナビリティの取り組みに関する統括部署として総合企画部内に「サステナビリティ戦略推進課」を設置いたしました。「サステナビリティ戦略推進課」が主体となり、主に次の事項について、本部横断的な取り組みをさらに促進するとともに、取り組み内容の見直し・高度化を進めています。

① サステナビリティ推進の企画

② サステナビリティ関連リスク・機会の分析

③ 当行グループのCO2排出量の削減

④ お客さまの脱炭素化支援

⑤ サステナブルファイナンスの推進

⑥ 地域のカーボンニュートラル、持続的発展への貢献

 

 

<ESGへの取り組み方針>

当行グループは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、環境問題、人権問題などの社会的課題への対応や、当該問題に取り組むうえでのガバナンス体制の構築を進めていきます。

「サステナビリティ宣言」に基づき、TSUBASAアライアンスにより結集された知見も活用しながら、地域の社会・環境課題に取り組んでいきます。

1.環境問題への取り組み(Environment)

資源の効率的な利用や廃棄物の削減を実践するとともに、環境保全に寄与する金融サービスを提供するなど、環境問題に積極的に取り組みます。

2.質の高い金融サービスの提供(Social)

経済活動を支えるインフラとしての機能はもとより、創意と工夫を活かし、お客さまのニーズに応えるとともに、市民生活や企業活動に脅威を与えるテロ、サイバー攻撃、自然災害等に備え、業務継続確保などお客さまの利益の適切な保護にも十分配慮した質の高い金融サービスを通じて、内外の経済・社会の発展に貢献します。

3.社会参画と発展への貢献(Social)

銀行が社会の中においてこそ存続・発展し得る存在であることを自覚し、社会とともに歩む「良き企業市民」として、積極的に社会に参画し、その発展に貢献します。

4.人権の尊重(Social)

すべての人々の人権を尊重します。

5.働き方の改革、従業員の職場環境の充実(Social)

従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現するとともに、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保します。

6.社会とのコミュニケーション(Governance)

経営等の情報を積極的、効果的かつ公正に開示し、銀行を取り巻く幅広いステークホルダーとの建設的な対話を通して、自らの企業価値の向上を図るとともに、社会からの理解と信頼を確保できるよう、広く社会とのコミュニケーションを図ります。

 

<サステナビリティ宣言>

当行グループは、国連において採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を踏まえ、「サステナビリティ宣言」として5つのマテリアリティを掲げ、地域の持続的な成長の実現に向けて取り組んでいきます。

〇地域経済・社会の活性化

〇少子高齢化への対応

〇DXの促進

〇多様な人財の躍動

〇脱炭素・ネイチャーポジティブ

 

 

<サステナビリティガバナンス体制図>


 

(2) 戦略

当行グループにおける気候変動関連、人的資本・多様性に関する方針は、次のとおりであります。

A.気候変動関連

当行グループでは社会・環境課題の解決に資する取り組みを一層推進し、地域社会の持続的成長に貢献していくことを目的として「サステナビリティ宣言」を制定し、気候変動を含む「脱炭素」を重要な経営課題として位置づけ、機会及びリスクの両面から取り組みを進めております。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

<機会>

当行は、当行の脱炭素取り組みとあわせて、長期経営計画「TX PLAN 2030 」のTARGETの1つにお客さまの「脱炭素促進支援」を掲げております。お客さまのご意向や業務内容・お取り組み状況を踏まえ、「知る」「測る」「減らす・情報発信する」のステップに応じた当行の幅広いソリューションメニューで、金融・非金融両面における伴走支援に取り組んでおります。

伴走支援にあたっては、「知る」「測る」「減らす」の各ステップにおいて、お客さまのニーズに応じたソリューションメニューを取り揃えるとともに、2025年3月からは各ステップを総合的に一気通貫でご支援する「とうほう脱炭素経営支援サービス」の取り扱いを開始しております。


<リスク>

気候変動に関するリスクについては、物理的リスクと移行リスクを認識しております。物理的リスクは気候変動によってもたらされる当行のお取引先の事業活動への影響及び業況の変化等による信用リスクの増大等や、営業店舗の損壊等によるオペレーショナルリスクを想定しております。移行リスクは気候関連の規制強化等への対応といった低炭素社会への移行の影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しております。

 

<炭素関連資産>

「炭素関連資産エクスポージャーの集中度合」を計測した結果、当行の与信残高に占める炭素関連資産(注)の割合は16.1%となっております。

(注)日銀業種分類をベースに、「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産品」の4セクターを対象業種として選定のうえ計測しております。

 

<シナリオ分析>

気候変動リスクが与信ポートフォリオに及ぼす影響を把握することを目的に一定の前提のもとシナリオ分析を実施しております。今後においては、お取引先への脱炭素促進支援や投融資先のCO2排出量(Scope3カテゴリ15)の算定結果を踏まえ、引き続きシナリオ分析のさらなる向上等に取り組んでまいります。

 

物理的リスク

IPCCのRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)のもとで、気候変動に起因する自然災害の大宗を占め、日本での発生確率の高い水害(河川洪水)による被災を想定し、ハザードマップを活用して、担保不動産の価値毀損額及び浸水によるお客さまの業務停滞日数から、2050年までの信用コストへの影響額を試算いたしました。分析の結果、2050年までの信用コスト増加額は20億円程度です。

移行リスク

CO2排出量の大きい電力セクターの企業を対象に、IEAの持続可能な開発シナリオ(2℃未満シナリオ)のもとで、再生可能エネルギーへの追加設備投資費用の増加に起因する2040年までの与信コスト増加額を試算いたしました。分析の結果、与信コストへの影響は限定的と考えております。

 

 

B.人的資本・多様性

 (a)人材育成方針

当行グループでは、人材の「材」は「財」であるという認識のもと、人材は最も重要な経営資本であると認識しております。

2024年度よりスタートした長期経営計画「TX PLAN 2030」では「地域・お客さまとの価値共創」と「当行グループの成長戦略」を2つの基本方針とし、地域・お客さまとともにサステナブルな地域社会を目指していく考えであり、専門スキルと高い意欲、自律性を兼ね備えた人材の育成を行います。多様性を認め合う組織をつくるとともに生産性の向上を図り地域社会に貢献する会社へと進化してまいります。

 

<人事戦略の全体像>

 


 

<人的資本経営4つの戦略>

人事戦略は当行グループの成長戦略を支える土台であり、「人材育成」「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」「人材流動化への対応」「Well-being」の4つを人的資本経営の戦略に位置付け、企業風土の変革と地域社会・お客さまへの更なる付加価値を提供できる会社を目指しております。

戦略1 :人材育成

「自律的なキャリア形成」と「コンサルティング営業力強化」を基本方針とし、従業員が主体的・自律的にキャリアデザインできる環境整備を推進しております。また、銀行がアサイン(任命)する人事から従業員自らがデザイン(設計)する人事へと人事制度の抜本的な改革を行うなど、新たな視点での人材育成を進めており、従業員のモチベーションが向上し、働きがいを実感でき、専門スキルが向上することで生産性の向上につながる好循環を目指しております。

戦略2 :DE&I

多様な働き方を自ら選択できる環境のなかで、多くの人材が活躍し、企業の持続的成長を支える組織づくりを目指しております。多様な人材を確保することで変化に対応し、中長期的な企業価値の向上を図ることが重要であると考えており、従業員一人ひとりが多様な能力を最大限発揮できるようDE&Iの取組みを強化しております。

なかでも、女性の活躍は重要課題と考えており、2024年度は女性のロールモデルの育成や女性間のネットワーク構築等を目的に「ダイバーシティ・ブロックミーティング」を新設し、女性のキャリア形成を支援しております。

戦略3 :人材流動化への対応

多面的かつ積極的に新卒・キャリア採用に取り組む一方で、地域社会への貢献といった経営理念を共有できる人材の採用に努めております。年齢・性別・国籍等に関わらず、本人のスキルや適性を見極めたうえで積極的な採用活動を行っております。また、退職者との長期的な関係構築を重視し、ビジネス機会の創出やネットワーク強化を目的とするアルムナイの組織化やリファラル採用、カムバック採用も積極的に取り組んでおります。

戦略4 :Well-being

当行のパーパスに共感し、多様性を認め合い、心身共に健康で、経済的にも安定した状態で働くことができる職場づくりに取り組んでおります。従業員の働きがいや成長意欲を可視化し分析することで、従業員と企業が相互に信頼し合える関係を構築することを目的にエンゲージメントサーベイを導入するとともに、上司と部下のコミュニケーションの量・質の向上を目的とした1on1ミーティング等にも全行あげて取り組んでおります。

 


<人材資本への投資>

当行グループでは、人的資本への投資を継続的に行っており、TX PLAN 2030における企業価値向上のための3本柱の一つに位置付けております。人的資本への投資を3本柱の1つに据えた根本には、人材こそ企業価値向上のベースであり、「地域・お客さまとの価値共創」を加速するドライビングフォースに他ならないこと、また人件費・研修費を引き上げることで地域社会に貢献する人材のスキルアップと働きがい、やりがい、生きがいといった従業員のモチベーションを図ることがあります。

2024年度はベテラン層の処遇改善を行うとともに2年連続での賃上げを実施し、年間賃上げ率は7.7%となりました。また、採用競争力の強化等を目的に初任給の引上げを決定し、2025年4月より実施しております。

 


 

<営業力強化に向けた人員体制>

TX PLAN 2030を実現するために「目指す人材ポートフォリオ」を策定しております。抜本的な業務改革により組織全体の生産性向上を図るとともに、経営資源を効果的に配賦していく体制を構築し、フロント・ミドルの事業領域を強化してまいります。野村アライアンス(野村證券株式会社との金融商品仲介業務における包括的業務提携)やエリア営業体制(従来以上に効率的かつ専門的な営業活動を展開するため、現在の店舗を、母店・中核店及び衛星店からなる店舗ネットワークに再構築する営業体制)など営業体制の変革に伴う配置転換等によりコンサルティング力向上を図るとともに、人材確保戦略を着実に実行することで融資渉外担当者を増強し、収益力の強化を図ってまいります。

2024年度は「事業性融資[超]基礎講座(女性枠)」等の研修やセミナーを新設・整備し、女性や若手のコンサルティング強化のための人材育成を開始いたしました。


 

(b)社内環境整備方針

当行グループは人材の多様性を確保することにより社会変化に対応し、中長期的な企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。また、企業風土を変革し、地域社会の持続的な成長・発展に寄与することで当行グループの企業価値は向上すると考えており、そのために必要な社内環境整備に取り組んでおります。

 

<社内環境整備の主な取り組み>

大項目

中項目

取組内容

企業風土変革

経営戦略

タスクフォース

若手行員からメンバーを選定し、施策の実効性向上、本部・営業店の一体感醸成を目的にボトムアップによる意見を経営に提言。

新たなAction

コンテスト

 

「収益力の強化」「業務の効率化」等に関する幅広い意見の施策への反映、ボトムアップ型の組織風土のさらなる醸成を目的に、従業員が誰でも気軽に提言できる制度として運営。

人材育成

行外研修

・外部トレーニー派遣

専門人材や経営人材の育成、女性・若手のキャリア支援等を目的に積極的に行外研修へ派遣。メガバンクや事業会社等へのトレーニー派遣により専門スキルの習得機会を創出。

海外視察研修

海外派遣によりお客さまの経営課題解決や新たなビジネス創造に貢献できる人材を育成。

とうほう

ホームラーニング

(eラーニング)

業務知識の習得や自己啓発をサポートするため、eラーニングにより自主的・自律的に学ぶことができる環境を整備。病気や産育休など長期の休業中でも視聴可能。

 

 

大項目

中項目

取組内容

DE&I

女性の活躍支援

女性活躍推進法に基づき、女性役席者比率と女性平均勤続年数をKPIに設定し女性登用を積極推進。従業員の意見を収集・反映させ、人事制度の見直し等を実施。

ダイバーシティ

・ブロックミーティング

2024年新設、福島県内6エリアからロールモデルとなるリーダーを任命し、女性のネットワーク構築とキャリア形成を支援。業務や育児等の悩みを相談できる場を創出、女性支店長との座談会等により昇進・昇格意欲向上に寄与。

ウェルネス休暇

フェムケアの充実の観点等から休暇制度を制定し、女性特有の健康やライフスタイルに関する諸問題に対応。

育休取得の推進

男女とも対象となる全職員に育児休業の取得を推進。また、孫の育児に利用できる「イクまご休暇」利用も促進。

ベテラン

・シニアの活躍

60歳以降の人材の豊富な経験と知識を活かし活躍できる機会を拡大。機会拡大とともに処遇改善も実施。

チャレンジドの活躍

障がい者の雇用促進、就労を積極支援。2012年3月に設立した特例子会社「株式会社とうほうスマイル」では、ハンディキャップのある社員が高いスキルで活躍。

人材流動化

への対応

人員の採用・維持

新卒・キャリア・パートタイマーとも安定的な採用により人員体制を維持。採用は性別や人種等の別にかかわらず、スキルや適正により判断。

再雇用制度の拡充

業務経験者の再就業の機会を拡大するため、再雇用制度として「カムバック制度」を導入し、再雇用を促進。

Well-

Being

エンゲージメント

の向上

相互に信頼できモチベーションの高い職場づくりを目的に若手行員を中心としたエンゲージメントサーベイを導入。

完全フレックス

タイム制

職員自身が勤務時間を効率的に配分しながら働くことができる制度を運用。

テレワーク

生産性向上や仕事と家庭の両立支援、ペーパーレス化等の実現のためテレワークを積極利用。

サテライトオフィス

働き方の多様化や危機発生時への対応として郡山サテライトオフィスを設置。

キャリアサポート

休職制度

キャリアを継続しながら、チャレンジ意欲やライフイベントに対応できる環境を整備するための休職制度を導入。

事業所内保育施設の設置

従業員の復職支援・継続就業支援を目的とした事業所内保育施設「とうほう・みんなのキッズらんど」を福島県内3ヵ所に設置。

ファイナンシャル・ウェルネスの向上

従業員の中長期的な資産形成に向けて、従業員持株会への加入、企業型確定拠出年金制度の利用等を促進。2024年度は持株会特別奨励金を一律3万円支給。

健康経営

人事担当役員をトップとする「健康経営プロジェクト」を組織し、人事部、健康保険組合に加えて従業員組合もプロジェクトの一員となり、労使一体となって健康経営を推進。

 

 

 

(3) リスク管理

当行グループは、TX PLAN 2030の達成に向けて、経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスク事象について、内外環境を踏まえて網羅的に抽出した上で、蓋然性(発生可能性)の高さと影響度(残余リスク)の大きさを評価し、トップリスクを選定しております。トップリスクについては、想定されるリスクシナリオを踏まえ、リスクカテゴリー毎に財務計画や事業戦略と整合的なリスクアペタイト及び対応方針を定め、機動的な対応ができるよう態勢を整備しており、「気候変動リスク」や「DE&Iへの不十分な対応」等のサステナビリティに関するリスクもトップリスクに含めております。当行のトップリスクの詳細については、有価証券報告書「第2事業の状況 3.事業等のリスク」をご覧ください。

気候変動リスクについては、物理的リスクや移行リスクを認識し、信用リスク管理やオペレーショナルリスク管理等の統合的リスク管理態勢の枠組みで対応しております。

また、「サステナビリティ宣言」に基づき、環境や社会等におけるポジティブ・インパクト(注1)の拡大とネガティブ・インパクト(注2)の軽減・回避に努め、ふるさと福島をはじめとした地域社会の持続可能な発展に貢献する投融資を促進していくため、「とうほうサステナブル投融資方針」を定めています。なお、本方針については、外部環境の変化や運用結果等を踏まえ、今後も、見直し・高度化を図ってまいります。

(注1)主に経済・社会・環境に好影響を及ぼす企業活動。

(注2)主に経済・社会・環境に害悪を及ぼす懸念のある企業活動。

 

 

<とうほうサステナブル投融資方針>

1.ポジティブ・インパクトの拡大に資する投融資への取り組み方針

   持続可能な社会を構築し、子どもたちの明るい未来を創出していくため、環境や社会にポジティブな影響を与える取り組みや、地域社会の持続可能性向上に資する取組みを積極的に支援してまいります。

   以下に例示する投融資については、特に積極的に取り組んでまいります。

(1)東日本大震災や原子力発電所事故の影響を乗り越え、ふるさと福島の経済や産業の活性化に貢献する取り組み。

(2)更なる少子高齢化や人口減少を見据え、子育て世代や高齢者の安心・安全な生活や地域コミュニティの活性化に資する取り組み。

(3)全国3位の広さと浜通り・中通り・会津地方と地域によって異なる多様性を誇る、福島県の豊かな自然環境や生物多様性、水資源の保全、サーキュラーエコノミー実現につながる取り組み。

(4)カーボンニュートラル実現に向けた、再生可能エネルギーの導入や、脱炭素社会への移行(トランジション)を促進する取り組み。

(5)デジタルトランスフォーメーションによる生産性向上や人的資本投資、ダイバーシティの促進に資する取り組み。

2.ネガティブ・インパクトを包含する可能性のある投融資への取り組み方針

ネガティブ・インパクトを軽減・回避するため、セクター横断的な取り組み方針及び特定セクターに対する取り組み方針を次の通り定めます。

(1)セクター横断的な取り組み方針

  A.尾瀬をはじめとしたラムサール条約指定湿地、ユネスコ指定世界遺産、ワシントン条約の規制対象種のように、自然環境保護や生物多様性確保の観点から国際的に保護・保全が求められている人類の財産に害悪を及ぼす事業への投融資は行いません。

  B.児童労働、強制労働、人身取引などの人権侵害への直接的または間接的な関与が認められる事業への投融資は行いません。

(2)特定セクターに対する取り組み方針

  A.二酸化炭素排出による気候変動への影響を勘案し、パリ協定の長期目標等に沿って、原則、新規建設する石炭火力発電所向けの投融資は行いません

  B.クラスター弾、核兵器、対人地雷、生物化学兵器等の非人道的な兵器を製造している事業者に対する投融資は行いません。

  C.農林畜産・水産物等を生産・調達する事業者に対しては、森林破壊や自然生態系の転換を引き起こしていないこと、及び先住民や地域社会、労働者の人権に配慮した、持続可能な森林経営・土地・水資源・水産資源利用を求めます。違法伐採を含めて持続可能な森林管理・土地利用に配慮していない事業者、及びIUU漁業(注3)に関わる事業者への投融資は行いません。なお、当該事業への投融資を検討する際には、国際認証取得状況、環境への配慮、地域住民とのトラブルの有無等に十分留意のうえ判断します。

(注3)違法(Illegal)・無報告(Unreported)・無規制(Unregulated)

3.本方針に関するガバナンス等

(1)当行では、外部環境の変化や本方針の運用結果等を踏まえ、認識すべきリスクや対象となるセクターの適切性・十分性について、経営会議等で随時レビューし、本方針の見直しや運営の高度化を図ります。

(2)役員及び従業員が環境・社会的課題に対する理解を深めるための啓発・研修に努めます。

(3)株主、投融資先のお客さま、地域住民等、多様なステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを重視し、当行の取り組みがステークホルダーの皆さまからの期待・目線に沿うものとなるよう努めます。

農林畜産・水産物等を生産・調達する事業者に対し、ポジティブな国際認証を行う機関の例

・持続可能なパーム油のための円卓会議 RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)

・森林管理協議会 FSC(Forest Stewardship Council)

・海洋管理協議会 MSC(Marine Stewardship Council)

・水産養殖管理協議会 ASC(Aquaculture Stewardship Council)

(上記は一例を示したものであり、当行が国際認証の網羅性・十分性を保証するものではありません)

 

 

 

 

 

(4) 指標及び目標

A.気候変動関連

当行グループでは、上記「(2)戦略」において記載した気候変動に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

(a)当行のCO2排出量

当行グループでは、CO2排出量の削減に向けて、当行のエネルギー使用に伴って発生するCO2排出量(Scope1、2)について、以下の削減目標を設定し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。2024年度のCO2排出量は、2013年度比△52.6%、前年度対比△1,498t-CO2の削減となりました。

新店舗のZEB設計による建築、既存店舗における空調・照明設備の省エネ化、営業車両の環境配慮型車両への更改等を推進しております。

また、2025年3月、TSUBASAアライアンス参加行の連携施策として、「環境価値」の地産地消ならびに再エネ価値取引市場の活性化、FIT非化石証書の普及促進を目的として、各行の営業エリアで創出されたFIT非化石証書を合計500万kWh 購入し、電力使用によるCO2排出のオフセット(相殺)に利用しました。今後も、引き続き、CO2排出量削減に向けて取り組んでまいります。

※FIT非化石証書:FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が適用される非化石電源

(太陽光・風力・バイオマスといった再生可能エネルギー等の発電時にCO2を発生しない電源)で発電された電力の「環境価値」部分を証書化したもので、電力使用によるCO2排出量の削減に利用できるもの。

 

CO2排出量の削減目標(Scope1、2)

・2040年度までのカーボンニュートラルの実現

・2030年度までのCO2排出量削減割合△60%(2013年度対比)の達成

 

 

(CO排出量推移:Scope1、2)                    [単位:t-CO2]

 

2013年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

1,736

1,515

1,382

1,352

1,247

1,250

Scope2

10,361

7,556

6,658

6,527

5,979

4,478

合 計

12,097

9,071

8,040

7,879

7,226

5,728

削減実績

(2013年度比)

△25.0%

△33.5%

△34.8%

△40.2%

△52.6%

 

 

また、当行では、CO2排出量Scope1、Scope2の算定に加え、Scope3の算定に取り組んでおります。Scope3カテゴリ1~5については、今回新たに2024年度分より算定を開始しました。

 

CO排出量推移:Scope3)                       [単位:t-CO2]

 

2024年度

カテゴリ1(購入した商品・サービス)

13,467

カテゴリ2(資本財)

6,175

カテゴリ3(Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動)

1,062

カテゴリ4(輸送・配送(上流))

386

カテゴリ5(事業から出る廃棄物)

226

カテゴリ6(出張)

355

カテゴリ7(通勤)

381

カテゴリ15(投融資)

6,281,229

 

[計測手法]

計測にあたっては、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン (ver.2.7)」及び環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.5)」を用いています。

 

(b)投融資先のCO2排出量(Scope3カテゴリ15)の算定

金融機関のCO2排出量においては、投融資を通じた間接的な排出(Scope3カテゴリ15)が大きな割合を占めるため、この算定、モニタリング、削減への取り組みを進めることが重要となります。当行では、PCAFスタンダードの計測手法を参考に、国内法人向け貸出を対象としてCO2排出量を算定しています。

  [単位:t-CO2]

セクター

主な業種

2024年度

エネルギー

石油及びガス

113,988

石炭

電力ユーティリティ

1,623,055

運輸

航空貨物

2,701

旅客空輸

海上輸送

12,572

鉄道輸送

13,623

トラックサービス

213,083

自動車及び部品

69,928

素材・建築物・資本財

金属・鉱業

325,720

化学

400,187

建設資材

770,225

資本財

909,492

不動産管理・開発

51,919

農業・食料・林産物

飲料

12,310

農業

26,321

加工食品・加工肉

170,314

製紙・林業製品

162,677

その他

1,403,106

合計

6,281,229

 

 

今後、CO2排出量算定範囲の拡大やデータクオリティの向上に向けて取り組んでまいります。

また、今回の算定結果については、国際的な基準の明確化や推計の高度化等により、今後、大きく変動する可能性があります。

 

(c)サステナブルファイナンス

持続可能な社会の実現に向け、脱炭素社会への移行や新たな産業・社会構造への転換を促すため、2021年度より日銀気候変動対応オペ対象の投融資や環境分野に関連する当行独自の投融資などサステナブルファイナンスについて、取り組んでおります。

2024年3月、地域間格差や人口減少など社会課題への取り組みの重要性に鑑み、地域の環境・社会両分野の課題解決への貢献を目的として、2024年度からのサステナブルファイナンスの対象を従来の環境分野から社会分野にまで拡大するとともに、サステナブルファイナンスの2030年度までの目標についても1兆円から1.5兆円(環境分野1.2兆円、社会分野0.3兆円)に拡大することといたしました。

また、国際原則に準拠したサステナブルファイナンスに関しては、2024年3月より「とうほうサステナビリティ・ファイナンス・フレームワーク」を設定するとともに、「とうほうポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取扱いを開始しました。さらに、脱炭素への取り組みをはじめとした社会課題の解決を図るお客さまを積極的に支援していくため、2025年3月より「とうほう未来コネクトローン」の取扱いを開始する等、商品ラインアップの充実にも努めております。

実績の推移は次のとおりです。

〔サステナブルファイナンス(実行・組成額累計)推移〕                 (単位:億円)

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

サステナブルファイナンス

1,574

2,512

3,443

5,206

 

環境分野

1,574

2,512

3,443

4,521

 

社会分野

 

――――

685

 

 

〔対象となる投融資例〕

環境分野

グリーンローン/ボンド、環境関連私募債、再生可能エネルギーに関する投融資、省エネ住宅関連ローン、など環境に配慮した投融資

社会分野

ソーシャルローン/ボンド、持続可能な地域社会の実現に貢献する投融資、など社会課題に対応した投融資

 

 

 

B.人的資本・多様性

当行グループでは、上記「(2)戦略」において記載した<人的資本経営4つの戦略>を着実に実行していくための指標及び目標を設定し、進捗管理を行っております。各事業年度の実績は次のとおりです。

(※)当行においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、下記指標は、当行単体の計数を記載しております。

<指標及び目標>

指標

2023年度実績 

2024年度実績

2029年度末目標

人材育成

行員1人当たり研修費(注1)

6.3万円

7.1万円

8万円台

行外研修・外部トレーニー派遣者数

33

166

150

中小企業診断士資格保有者数

18

18

60

FP1級保有者数

45

47

100

FP2級保有者数

983

1,030

1,300

DE&I

女性役席者比率(注2)

24.0

26.3

30以上

女性総合職の平均勤続年数(注3)

14.9

15.3

17以上

男性育休取得率(注4)

82.9

137.5

100%以上

男性育休取得日数(注5)

3.4

5.5

10日以上

障がい者雇用率(注6)

2.75

2.72

2.7%以上

人材流動化への対応

新卒採用者数

77

73

90

中途採用者数

22

19

30

新卒採用後3年以内の離職率

34.7

19.3

20%以内

Well-Being

ストレスチェック受検率(注7)

97.0

99.8

100

高ストレス者割合(注7)

11.8

9.7

10.0%以内

健康診断受診率

99.8

99.9

100

 

 

(注1)行員1人当たり研修費は年間研修費を年度末行員数で除して算出しております。研修費には外部トレーニー人件費、研修所運営諸経費、行外研修参加費、外部講師費、研修参加旅費等が含まれます

(注2)女性役席者比率は全役席者に占める女性役席者の割合であり、女性管理職となり得る層の充実及び女性従業員全体のキャリア形成を目的に目標を設定しております。

(注3)女性総合職のキャリアアップと就業継続を目的に目標を設定しております。

(注4)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

(注5)男性の早期育児参画は重要であるとの認識を持ち、ワーク・ライフ・バランス促進の観点からも、男性従業員の育児休業取得推進を継続し目標を設定しております

(注6)「障がい者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、各年度3月1日付で算出した値であります。

(注7)当行が外部委託して実施しているストレスチェックの集計に基づき算出した指標であります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社。以下、本項目においては「当行」と総称。)が判断したものであります。

なお、当行のリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(1)トップリスク

当行は、TX PLAN2030の達成に向けて、経営に重要な影響を及ぼす可能性があるリスク事象の他、財務面や業績面等に関するリスクについて、内外環境を踏まえて網羅的に抽出した上で、「蓋然性(発生可能性)の高さ」と「影響度(残余リスク)の大きさ」を評価し、トップリスクを選定しております。

当行では、トップリスクの選定と合わせて、重要なリスクの顕在化により想定されるリスクシナリオを踏まえ、リスクカテゴリー毎に財務計画や事業戦略と整合的なリスクアペタイト及び対応方針を定めております。各リスクについては、継続的なモニタリングを行い予兆の把握に努めるとともに、リスクが顕在化した場合においても機動的な対応ができるよう態勢を整備しております。

なお、トップリスクの選定にあたっては、社外取締役を含めた経営陣が議論し、重要なリスク認識を共有することで、ガバナンスを強化しております。

2025年3月現在選定しているトップリスクは以下のとおりであります。

 

(主要なリスクのヒートマップ)

 

発生可能性

影響度

 

固定資産の減損等に係わるリスク

 

感染症の流行に関するリスク
各種法規制及び政策変更に関するリスク

東日本大震災からの復旧の遅れ

信用リスク

市場リスク

流動性リスク
自己資本比率に係るリスク
金融犯罪に関するリスク

 

社会構造、産業構造の変化に伴う競争の激化
気候変動リスク

 


世界・日本経済の低迷
人口減少、少子高齢化

 

デジタル技術の進化
役職員による不適切な行為に関するリスク
大規模自然災害等のリスク

地政学リスク
DE&Iへの不十分な対応
サイバーセキュリティリスク
システムリスク

 

 

 

 

 

(トップリスクへの対応方針)

リスク事象

リスクシナリオ

対応方針

世界・日本経済の低迷

・世界的な景気後退や日本経済が低迷し、企業業績が悪化。また、貸出需要が低迷し、その結果、当行収益縮小や与信費用が増加。

・リスク管理高度化によるリスク顕在化時の影響分析、及びストレス時の対応力強化

人口減少、少子高齢化

・主要マーケットである福島県の人口減少により、経済規模が縮小し当行収益力が低下。

・人材不足への対応強化による地域の持続的な成長・発展

・金融コンサルティングの強化により、持続可能な地域社会の実現と地域を支える収益力を両立

・人材が確保できない場合、また、最適な人的資源配賦ができない場合、業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす。

・人材育成と人材流動化へ対応

・限られた人員で最大の効果を生む営業体制の構築

社会構造、産業構造の変化に伴う競争の激化

・新たなサービスの誕生や異業種の参入による競争環境変化から事業基盤が毀損。

・技術革新により創出される新ビジネスに対する目利き力不足によりビジネス機会逸失の可能性。

・創業・成長・経営支援への取組み強化による地域経済の持続的発展

気候変動リスク

・地球温暖化による台風等の自然災害により当行本支店が被災し復旧によりコスト増加。また、企業業績悪化や担保毀損により与信費用が増加。(物理的リスク)

・脱炭素社会への移行に伴う、炭素税の引上げや新技術の導入等により産業構造が変化。その結果、収益縮小や減損により企業業績が悪化し与信費用が増加。(移行リスク)

・お客さまの脱炭素化支援(エンゲージメント、コンサルティング)を通じて、持続可能なビジネスモデルの構築を支援

・サステナブルファイナンスを通じて地域の持続的発展へ貢献

・2040年度のカーボンニュートラルに向けた当行グループの取組強化

地政学リスク

・紛争やテロ発生によるエネルギー価格高騰やサプライチェーンの寸断、日本製品の輸入禁止等により、経済が停滞し、企業業績も悪化。

・リスク管理高度化(ストレステスト含む)によるリスク顕在化時の影響分析、及びストレス時の対応力強化

DE&Iへの不十分な対応

・女性・シニア活躍や妊娠・介護等での柔軟な働き方に対する対応の遅れ等により従業員のエンゲージメントが低下し、サービス提供力が低下。

・DE&IとWell-beingへ取組み強化

サイバーセキュリティリスク

・サイバー攻撃による大規模な損害(業務停止、情報漏えい、不正送金等発生)により信用失墜し、ビジネス機会を喪失。

・サイバーセキュリティ対応計画に基づくサイバーセキュリティ管理態勢の構築

システムリスク

・システム障害による大規模な損害により、補償費用支払が発生し評判も悪化。

・システムリスクのモニタリング強化による障害発生の未然防止

・BCP訓練等による障害発生時の対応力強化

 

 

トップリスク以外のリスクは以下のとおりであります。

(2)財務面に関するリスク

財務面に関するリスクのうち、①信用リスク及び②市場リスクについては、統計的手法であるVaR(バリューアットリスク)を用いて、ある確率(信頼区間99.9%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を算出し把握しております。

また、これらのリスクが顕在化した場合の業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。

 

①信用リスク

当行では、貸出金等の資産内容について厳格な基準のもとに自己査定を行い、その結果を反映させた不良債権額を開示し、貸出先の債務者区分や担保の価値等に基づき適切な引当金を繰り入れしております。

しかし、わが国の経済情勢、特に当行が主たる営業地域としている福島県の経済情勢が貸出先の業況等に悪影響を及ぼし、債務者区分の下方遷移や、担保価値の下落、または予期せぬ事由の発生により、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、原子力発電所事故が貸出先の業績に悪影響を及ぼす可能性は低減しているものの、廃炉作業に伴う処理水の海洋放出による風評被害等により、貸出先の業績に悪影響を及ぼし、当行の不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②市場リスク

(a)株価下落リスク

当行は、市場性のある株式を保有しておりますが、株価が下落した場合には、保有株式に減損または評価損が発生し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)金利リスク

当行は、国債など市場性のある債券を保有しておりますが、今後、長期金利が上昇し、債券価格が下落した場合には、保有債券に評価損が発生し、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)為替リスク

当行が保有する有価証券の一部は、為替レートの変動の影響を受けます。例えば、為替相場が円高に変動した場合、為替ヘッジを行っていない有価証券の価値に悪影響を及ぼし、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③流動性リスク

当行では、資金調達や運用状況の分析を日々行い、流動性管理に万全を期しておりますが、市場環境が大きく変化した場合や、万一、当行の信用状況が悪化した場合に、必要な資金が確保できなくなるリスクや、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされ損失を被るリスクがあります。

また、市場の混乱等による市場取引の中止や、通常より著しく不利な価格での取引を余儀なくされることで損失を被るリスクがあります。

 

④自己資本比率に係わるリスク

当行は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)の国内基準が適用され、同告示に基づき算出される連結自己資本比率及び単体自己資本比率を4%以上に維持する必要があります。当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。

当行の自己資本比率は以下のような要因により影響を受ける可能性があります。

・株式を含む有価証券ポートフォリオ価値の下落

・不良債権増加に伴う与信関係費用の増加

・自己資本比率の基準及び算定方法の変更

・本項記載のその他の不利益な展開

⑤固定資産の減損等に係わるリスク

当行は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、経済情勢や不動産価格の変動等によって保有している固定資産の価格が大幅に下落した場合などに新たな減損を実施する可能性があります。これら固定資産の減損等に係わるリスクが顕在化した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥その他の財務面に関するリスク

(a)繰延税金資産に係わるリスク

現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来における税金負担額の軽減効果として繰延税金資産を貸借対照表に計上することが認められております。当行の将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断される場合は、当行の繰延税金資産は減額され、その結果、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)退職給付債務に係わるリスク

年金資産の運用利回りが低下した場合や、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合等には、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)格付低下のリスク

格付機関により当行の格付が引き下げられた場合、当行は市場取引において、不利な条件での取引を余儀なくされたり、または一定の取引を行うことができなくなるおそれがあります。

 

(3)業務面に関するリスク

①金融犯罪に関するリスク

キャッシュ・カードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融犯罪による被害を未然に防止するため、セキュリティ強化に向けた取り組みを行っております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営の重要課題と位置付け、リスクベース・アプローチに基づく適切な管理体制の構築に取り組んでおります。

しかしながら、高度化する金融犯罪の発生により、その対策費用や被害に遭われたお客さまに対する補償等により、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②役職員による不適切な行為に関するリスク

当行では、法令等遵守を経営の最重要課題と位置付け、確固たる倫理観と誠実さに基づきコンプライアンスを徹底する企業風土の確立に取り組んでおりますが、役職員による不適切な行為が発生した場合には、当行の社会的信用の失墜などによって、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③その他の業務面に関するリスク

(a)事務リスク

当行では、事務リスク回避のため事務管理体制の強化に取り組んでおりますが、故意または過失等により大きな賠償に繋がるような事務事故が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)情報セキュリティリスク

当行では、顧客情報や経営情報などの管理には万全を期しておりますが、それらの漏洩、紛失、改ざん、不正使用などが発生した場合、当行の社会的信用の失墜などによって、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)法務リスク

当行では、事業活動を行う上で、会社法等の一般的な法令諸規制や、銀行法、金融商品取引法等の金融関連法令諸規制が適用されます。これらの法令諸規制等が遵守されるよう態勢の整備・強化に努めておりますが、法令諸規制の解釈相違、違反等により行政処分や損害賠償等に伴う損失が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(d)風評リスク

市場やお客さまの間において、事実と異なる情報や風評等が発生した場合、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)取り巻く外部環境に関するリスク

①各種法規制および政策変更に関するリスク

当行は、現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等を含む)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行の業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②大規模自然災害等のリスク

当行の役職員並びに保有する本店、事務センター、営業店等の施設及びお取引先が、地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害及び犯罪等の外的要因を受けることにより、当行の業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③感染症の流行に関するリスク

新型コロナウイルス等の感染症の流行によって、国内外の経済活動が停滞し、貸出先の経営状況が大幅に変動する場合や、当行役職員の感染者発生等により事業活動の停止を余儀なくされる場合には、当行の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  (業績等の概要)

2024年度の国内経済は好調な企業収益や賃上げの動きを背景に個人消費の持ち直しや設備投資が増加するなど緩やかに回復しました。一方で、欧州や中東における地政学リスク、アメリカの政策動向が景気を下押しするリスクとなっているほか、物価上昇による個人消費への影響や金融資本市場の変動等に注意する必要があり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、国内の金融情勢においては、日本銀行が賃金・物価上昇の持続性の高まりを受け、2024年7月に15年7ヵ月ぶりに政策金利を引上げた後、2025年1月に追加利上げを実施するなど、金融機関を取巻く環境に大きな変化がありました。

当行の主要な営業基盤である福島県の経済は、住宅投資や新車登録台数が前年を下回るなど個人消費は足踏みの状況にありましたが、雇用情勢が緩やかに持ち直すとともに、新規事業や新規出店に関する設備投資が増加するなど一部に回復の兆しが見られました。

長期金利の指標となる10年国債利回りは、日本銀行の政策金利引上げや国債買入減額を要因として2025年3月に16年ぶりの高水準となる1.59%まで上昇しました。

また、為替相場は2024年7月に1ドル161円台まで円安が進行しましたが、日米金利差が縮小したことを受け、年度末には1ドル148円台まで円高が進みました。一方で、日経平均株価は好調な企業収益などを背景に、2024年7月に史上最高値となる4万2,224円まで上昇したものの、米国における通商政策への警戒感により年度末には
3万5,617円まで下落しました。

このような金融経済環境のなか、当行はパーパス「すべてを地域のために」のもと、ビジョン「地域社会に貢献する会社へ~金融サービスの枠を超えて~」の実現に向け、2024年4月から2030年3月までの6年間を計画期間とする長期経営計画「TX PLAN 2030」を策定しました。2つの基本方針である「地域・お客さまとの価値共創」および「当行グループの成長戦略」に基づき、地域社会の持続的成長に向けた諸施策を展開しております。

 

① 財政状態

総資産残高は、6兆6,532億円で前連結会計年度末比1,053億円の減少となりました。

資産項目の主要な勘定残高は、現金預け金が1兆2,354億円(前連結会計年度末比5,600億円の減少)、有価証券が1兆2,094億円(前連結会計年度末比3,312億円の増加)、貸出金が4兆394億円(前連結会計年度末比1,173億円の増加)であります。

負債の部合計は、6兆4,560億円で前連結会計年度末比963億円の減少となりました。

負債項目の主要な勘定残高は、預金が5兆7,625億円(前連結会計年度末比620億円の減少)、譲渡性預金が3,900億円(前連結会計年度末比782億円の減少)であります。

純資産の部合計は、1,972億円で前連結会計年度末比89億円の減少となりました。

これは、株主資本が利益の積み上げにより47億円増加する一方で、その他有価証券評価差額金の減少を主な要因としてその他の包括利益累計額が136億円減少したことによるものでございます。

なお、当連結会計年度末の国内基準による連結自己資本比率は、リスクアセットの減少により、前年度末比0.92%上昇し10.75%となりました。

 

 

② 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、次のとおりとなりました。

経常収益は、日本銀行の金融政策変更に伴う金利上昇の状況下、事業性貸出及び円建有価証券残高の着実な積み上げと利回りの向上による貸出金利息・有価証券利息配当金の増加に加え、預かり資産残高も順調に増加した結果、前年度比114億58百万円増加し704億43百万円となりました

経常費用は、基幹系システム移行に伴う減価償却費増加等により経費が増加したことを主因として、前年度比85億81百万円増加し592億45百万円となりました。

この結果、経常利益は、前年度比28億76百万円増加の111億97百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に伴い前年度比21億93百万円増加し74億45百万円となりました。

 

   セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

○ 銀行業

経常収益は、日本銀行の金融政策変更に伴う金利上昇の状況下、事業性貸出及び円建有価証券残高の着実な積み上げと利回りの向上による貸出金利息・有価証券利息配当金の増加に加え、預かり資産残高も順調に増加した結果、前年度比99億77百万円増加し604億51百万円となりました。また、セグメント利益は、基幹系システム移行に伴う減価償却費の増加等により経費が増加しましたが、貸出金利息等トップライン収益の増加に加え、与信関係費用の減少により、前年度比29億82百万円増加し108億84百万円となりました。

○ 証券業

経常収益は、売上高の増加により、前年度比83百万円増加し9億48百万円となりました。また、セグメント利益は、経常収益の増加により、赤字額が前年度比97百万円減少し△35百万円となりました。

○ リース業

経常収益は、売上高の増加により、前年度比11億55百万円増加し87億20百万円となりました。また、セグメント利益は、経常収益の増加により前年度比1億17百万円増加し6億59百万円となりました。

○ 信用保証業

経常収益は、有価証券利息配当金の減少により、前年度比26百万円減少し17億99百万円となりました。また、セグメント利益は、信用コストの増加などにより前年度比3億70百万円減少し12億33百万円となりました。

○ その他

経常収益は、グループ会社の業務収益増加などにより、前年度比2億49百万円増加し31億62百万円となりました。また、セグメント利益は、与信関係費用の増加及び経費の増加などにより前年度比49百万円減少し8億77百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の純増減の減少等により2,071億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、譲渡性預金の純増減の減少を主因として支出が3,214億円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等から3,502億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の売却による収入の減少等により支出が474億円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払にかかる支出等により28億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、自己株式の取得による支出の増加により支出が11億円増加しました

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比5,602億円減少し、1兆2,343億円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

   銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支 

資金運用収支は、国内業務部門で368億76百万円、国際業務部門で7億45百万円、合計では前連結会計年度比37億73百万円増加し376億21百万円となりました。また、役務取引等収支は、国内業務部門で98億35百万円、国際業務部門で17百万円、合計では前連結会計年度比3億18百万円増加し98億53百万円、その他業務収支は、国内業務部門で△1億32百万円、国際業務部門で△7億34百万円、合計では前連結会計年度比20億88百万円減少し△8億66百万円となりました。

以上の各収支を合計した連結業務粗利益は、国内業務部門で465億79百万円、国際業務部門で29百万円、合計では前連結会計年度比20億4百万円増加し466億8百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

32,972

875

33,847

当連結会計年度

36,876

745

37,621

うち資金運用収益

前連結会計年度

33,122

935

1

34,056

当連結会計年度

42,037

835

20

42,852

うち資金調達費用

前連結会計年度

150

59

1

208

当連結会計年度

5,161

89

20

5,231

信託報酬

前連結会計年度

0

0

当連結会計年度

0

0

役務取引等収支

前連結会計年度

9,517

17

9,534

当連結会計年度

9,835

17

9,853

うち役務取引等収益

前連結会計年度

14,800

46

14,846

当連結会計年度

15,383

45

15,428

うち役務取引等費用

前連結会計年度

5,282

29

5,311

当連結会計年度

5,547

27

5,575

その他業務収支

前連結会計年度

1,568

△347

1,221

当連結会計年度

△132

△734

△866

うちその他業務収益

前連結会計年度

8,593

1

8,594

当連結会計年度

9,603

15

9,618

うちその他業務費用

前連結会計年度

7,024

349

7,373

当連結会計年度

9,736

749

10,485

 

(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。

3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況 

資金運用勘定平均残高は、国内業務部門が6兆7,392億58百万円、国際業務部門が422億96百万円となり、相殺消去を行った合計で6兆7,470億52百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.62%、国際業務部門が1.97%となり、相殺消去を行った合計で0.63%となりました。

一方、資金調達勘定平均残高は、国内業務部門が6兆6,994億74百万円、国際業務部門が399億18百万円となり、相殺消去を行った合計で6兆7,048億90百万円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.07%、国際業務部門が0.22%となり、相殺消去を行った合計で0.07%となりました。

 

① 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(26,693)

5,726,392

(1)

33,122

0.57

当連結会計年度

(34,502)

6,739,258

(20)

42,037

0.62

うち貸出金

前連結会計年度

3,886,548

26,620

0.68

当連結会計年度

3,917,567

30,496

0.77

うち商品有価証券

前連結会計年度

41

0

0.21

当連結会計年度

52

0

0.24

うち有価証券

前連結会計年度

685,500

3,825

0.55

当連結会計年度

997,627

6,587

0.66

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

96,461

62

0.06

当連結会計年度

115,010

359

0.31

うち預け金

前連結会計年度

1,005,892

2,611

0.25

当連結会計年度

1,644,927

4,574

0.27

資金調達勘定

前連結会計年度

6,567,909

150

0.00

当連結会計年度

6,699,474

5,161

0.07

うち預金

前連結会計年度

5,635,352

166

0.00

当連結会計年度

5,647,053

3,427

0.06

うち譲渡性預金

前連結会計年度

540,107

37

0.00

当連結会計年度

508,784

336

0.06

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

170,144

△63

△0.03

当連結会計年度

405

2

0.52

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

37,786

3

0.01

当連結会計年度

361,738

874

0.24

うち借用金

前連結会計年度

178,234

7

0.00

当連結会計年度

173,460

188

0.10

 

(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度915,759百万円、当連結会計年度54,506百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,350百万円、当連結会計年度7,550百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

② 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

35,114

935

2.66

当連結会計年度

42,296

835

1.97

うち貸出金

前連結会計年度

8

0

1.10

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

33,294

926

2.78

当連結会計年度

39,714

830

2.09

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

336

0

0.23

当連結会計年度

263

0

0.20

資金調達勘定

前連結会計年度

(26,693)

32,798

(1)

59

0.18

当連結会計年度

(34,502)

39,918

(20)

89

0.22

うち預金

前連結会計年度

5,892

58

0.98

当連結会計年度

5,223

69

1.33

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1 国際業務部門とは当行の外貨建取引であります。なお、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度13百万円、当連結会計年度12百万円)を控除して表示しております。

4 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

5 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、主として月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

 

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

5,734,813

34,056

0.59

当連結会計年度

6,747,052

42,852

0.63

うち貸出金

前連結会計年度

3,886,557

26,620

0.68

当連結会計年度

3,917,567

30,496

0.77

うち商品有価証券

前連結会計年度

41

0

0.21

当連結会計年度

52

0

0.24

うち有価証券

前連結会計年度

718,795

4,751

0.66

当連結会計年度

1,037,342

7,417

0.71

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

96,461

62

0.06

当連結会計年度

115,010

359

0.31

うち預け金

前連結会計年度

1,006,229

2,612

0.25

当連結会計年度

1,645,191

4,574

0.27

資金調達勘定

前連結会計年度

6,574,013

208

0.00

当連結会計年度

6,704,890

5,231

0.07

うち預金

前連結会計年度

5,641,245

224

0.00

当連結会計年度

5,652,276

3,497

0.06

うち譲渡性預金

前連結会計年度

540,107

37

0.00

当連結会計年度

508,784

336

0.06

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

170,144

△63

△0.03

当連結会計年度

405

2

0.52

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

37,786

3

0.01

当連結会計年度

361,738

874

0.24

うち借用金

前連結会計年度

178,234

7

0.00

当連結会計年度

173,460

188

0.10

 

(注) 1 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度915,773百万円、当連結会計年度54,518百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度8,350百万円、当連結会計年度7,550百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。

2 国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況 

役務取引等収益は、国内業務部門が153億83百万円、国際業務部門が45百万円となり、合計で154億28百万円となりました。

役務取引等費用は、国内業務部門が55億47百万円、国際業務部門が27百万円となり、合計で55億75百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

14,800

46

14,846

当連結会計年度

15,383

45

15,428

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

2,510

2,510

当連結会計年度

3,026

3,026

うち為替業務

前連結会計年度

3,248

45

3,294

当連結会計年度

3,357

44

3,402

うち証券関連業務

前連結会計年度

949

949

当連結会計年度

1,319

1,319

うち代理業務

前連結会計年度

248

248

当連結会計年度

254

254

うち保護預り・
貸金庫業務

前連結会計年度

90

90

当連結会計年度

90

90

うち保証業務

前連結会計年度

1,088

0

1,089

当連結会計年度

1,094

0

1,094

うち投資信託の
窓口販売業務

前連結会計年度

905

905

当連結会計年度

957

957

うち保険関連業務

前連結会計年度

1,304

1,304

当連結会計年度

1,139

1,139

役務取引等費用

前連結会計年度

5,282

29

5,311

当連結会計年度

5,547

27

5,575

うち為替業務

前連結会計年度

208

29

237

当連結会計年度

280

27

308

 

(注) 国際業務部門には、当行の外国為替業務等に関する収益、費用を計上しております。

 

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残) 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,819,714

4,855

5,824,570

当連結会計年度

5,756,345

6,223

5,762,569

うち流動性預金

前連結会計年度

4,730,229

4,730,229

当連結会計年度

4,683,526

4,683,526

うち定期性預金

前連結会計年度

1,063,074

1,063,074

当連結会計年度

1,019,716

1,019,716

うちその他

前連結会計年度

26,411

4,855

31,267

当連結会計年度

53,102

6,223

59,325

譲渡性預金

前連結会計年度

468,365

468,365

当連結会計年度

390,089

390,089

総合計

前連結会計年度

6,288,079

4,855

6,292,935

当連結会計年度

6,146,435

6,223

6,152,659

 

(注) 1 国内業務部門とは、当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3 定期性預金=定期預金+定期積金

 

(5) 業種別貸出状況及び外国政府等向け債権残高

 ① 業種別貸出状況(末残・構成比) 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(百万円)

構成比(%)

金 額(百万円)

構成比(%)

国内
(除く特別国際金融取引勘定分)

3,922,052

100.00

4,039,402

100.00

製造業

251,249

6.41

265,675

6.58

農業、林業

5,295

0.13

7,679

0.19

漁業

1,400

0.04

1,877

0.05

鉱業、採石業、砂利採取業

2,834

0.07

2,677

0.06

建設業

88,597

2.26

95,237

2.36

電気・ガス・熱供給・水道業

249,139

6.35

261,729

6.48

情報通信業

11,373

0.29

12,376

0.31

運輸業、郵便業

70,804

1.81

81,686

2.02

卸売業、小売業

186,438

4.75

197,564

4.89

金融業、保険業

142,534

3.63

162,823

4.03

不動産業、物品賃貸業

423,084

10.79

451,778

11.18

地方公共団体

814,403

20.76

811,811

20.10

個人

843,920

21.52

855,910

21.19

その他

830,977

21.19

830,573

20.56

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

3,922,052

――――

4,039,402

――――

 

(注) 勘定系システムの移行に伴い、2023年度より、個人事業主向けの個人ローンについては「各業種」から「個人」に変更しております。

 

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

 該当事項はありません。

(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況

 ○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

371,262

371,262

当連結会計年度

646,074

646,074

地方債

前連結会計年度

172,750

172,750

当連結会計年度

210,988

210,988

社債

前連結会計年度

138,996

138,996

当連結会計年度

157,969

157,969

株式

前連結会計年度

44,625

44,625

当連結会計年度

38,634

38,634

その他の証券

前連結会計年度

113,965

36,646

150,612

当連結会計年度

115,934

39,858

155,793

合計

前連結会計年度

841,599

36,646

878,246

当連結会計年度

1,169,601

39,858

1,209,460

 

(注) 1 国内業務部門とは当行及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(7) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。

 

①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)

資産

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

銀行勘定貸

6,010

100.00

5,714

100.00

合計

6,010

100.00

5,714

100.00

 

 

負債

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金銭信託

6,010

100.00

5,714

100.00

合計

6,010

100.00

5,714

100.00

 

(注) 共同信託他社管理財産 前連結会計年度末 -百万円 当連結会計年度末  -百万円

 

 

②元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

銀行勘定貸

6,010

6,010

5,714

5,714

資産計

6,010

6,010

5,714

5,714

元本

6,010

6,010

5,714

5,714

 負債計

6,010

6,010

5,714

5,714

 

 

 

 (自己資本比率等の状況)

(参考)

自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、2024年3月より、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用し、バーゼルⅢ最終化を適用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)        (単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

10.75

2.連結における自己資本の額

1,877

3.リスク・アセットの額

17,447

4.連結総所要自己資本額

697

 

 

単体自己資本比率(国内基準)        (単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

10.27

2.単体における自己資本の額

1,773

3.リスク・アセットの額

17,256

4.単体総所要自己資本額

690

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 

資産の査定の額(単体)

 

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

175

225

危険債権

292

298

要管理債権

40

24

正常債権

39,405

40,519

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当行グループ(当行及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (財政状態)

当連結会計年度の譲渡性預金を含む総預金の期中平均残高は、個人、法人預金を中心に前連結会計年度末比313億円増加(増加率0.50%)し、6兆2,030億円となりました。

これは、多様なニーズにお応えする商品の提供に努め、お客さまの信頼を得た結果であります。

運用の要である貸出金の期中平均残高は、前連結会計年度末比395億円増加(増加率0.98%)し、4兆465億円となりました。

これは、県内及び東京における事業性貸出が増加したことが主な要因であります。

また、有価証券の期中平均残高は、前連結会計年度末比4,750億円増加(増加率64.25%)し、1兆2,142億円となりました。

これは、安定的な利息配当金確保のため、残存期間が短い円建債券を中心に残高を積み上げた結果であります

 

(単位:百万円)

主要勘定の

期中平均残高

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

総預金

6,171,703

6,203,008

31,304

 

預金

5,655,257

5,693,861

38,604

 

譲渡性預金

516,446

509,147

△7,299

貸出金

4,007,001

4,046,549

39,548

有価証券

739,222

1,214,240

475,018

 

(※)平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、各連結会計年度の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。

 

なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、前連結会計年度末比40億円増加し555億円、総与信に占める比率は、前連結会計年度末比0.06ポイント上昇の1.34%となっております。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

残高

総貸出金に

占める比率

残高

総貸出金に

占める比率

残高

比率

リスク管理債権残高合計

51,513

1.28%

55,574

1.34%

4,060

0.06%

 

破綻更生債権及び

これらに準ずる債権

18,227

0.45%

23,313

0.56%

5,086

0.11%

 

危険債権

29,245

0.73%

29,833

0.72%

587

△0.00%

 

三月以上延滞債権

140

0.00%

336

0.00%

196

0.00%

 

貸出条件緩和債権

3,899

0.09%

2,090

0.05%

△1,808

△0.04%

正常債権

3,954,195

98.71%

4,068,372

98.65%

114,177

△0.06%

総与信

4,005,708

――――

4,123,947

――――

118,238

――――

 

 

(経営成績)

(a) 連結業務粗利益[資金利益+役務取引等利益+その他業務利益]

連結業務粗利益は、資金利益及び役務取引等利益の増加により、前連結会計年度比20億4百万円増加の466億8百万円となりました。

資金利益は、貸出金利息の増加などにより、前連結会計年度比37億73百万円増加の376億21百万円となりました。

役務取引等利益は、役務取引等収益の増加などにより、前連結会計年度比3億18百万円増加の98億53百万円となりました。

その他業務利益は、その他業務費用の増加を主な要因として前連結会計年度比20億88百万円減少の△8億66百万円となりました。

(単位:百万円)

連結業務粗利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結業務粗利益

 

44,603

46,608

2,004

 

資金利益

 

33,847

37,621

3,773

 

 

資金運用収益

 

34,056

42,852

8,796

 

 

 

うち貸出金利息

 

26,620

30,496

3,875

 

 

 

うち有価証券利息配当金

 

4,751

7,417

2,666

 

 

資金調達費用

(△)

209

5,235

5,026

 

 

 

うち預金等利息

(△)

262

3,833

3,571

 

 

金銭の信託運用見合費用

 

0

4

4

 

役務取引等利益

 

9,534

9,853

318

 

 

役務取引等収益

 

14,846

15,428

582

 

 

役務取引等費用

(△)

5,311

5,575

263

 

その他業務利益

 

1,221

△866

△2,088

 

 

その他業務収益

 

8,594

9,618

1,023

 

 

 

うち国債等債券売却益

 

262

68

△193

 

 

その他業務費用

(△)

7,373

10,485

3,112

 

 

 

うち国債等債券売却損

(△)

20

1,696

1,675

 

 

 

うち国債等債券償却

(△)

 

(※)連結業務粗利益=資金利益(資金運用収益-資金調達費用+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等利益(役務取引等収益-役務取引等費用)+その他業務利益(その他業務収益-その他業務費用)

 

(b) 連結実質業務純益[連結業務粗利益-営業経費(臨時費用処分を除く)]

営業経費(臨時費用処理分を除く)は、前連結会計年度比11億31百万円増加の361億38百万円となりました。

これは、基幹系システム移行に伴う減価償却費の増加によるものであります。

その結果、連結実質業務純益は、営業経費(臨時費用処理分を除く)の増加の一方で、資金利益及び役務取引等利益の増加などにより、前連結会計年度比8億72百万円増加の104億69百万円となりました。

 

(単位:百万円)

連結実質業務純益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結業務粗利益    

 

44,603

46,608

2,004

営業経費(臨時費用処理分を除く)

(△)

35,006

36,138

1,131

連結実質業務純益

 

9,597

10,469

872

 

 

(c) 経常利益〔連結実質業務純益-その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+その他経常損益(不良債権処理額・株式等関係損益等)〕

当連結会計年度のその他経常損益は、不良債権処理額の減少により、前連結会計年度比26億36百万円増加の△2億52百万円となりました。また、一般貸倒引当金繰入額はお客さまの業況改善もあり、当連結会計年度も取崩しとなり△9億80百万円となりました。

その結果、経常利益は、前連結会計年度比28億76百万円増加の111億97百万円となりました。

 

(単位:百万円)

連結経常利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

連結実質業務純益  

 

9,597

10,469

872

その他経常費用中

一般貸倒引当金繰入額

(△)

△1,612

△980

632

その他経常損益

 

△2,888

△252

2,636

 うち不良債権処理額

(△)

3,687

2,176

△1,510

 うち償却債権取立益

 

17

15

△1

 うち株式等関係損益

 

184

1,081

897

経常利益

 

8,321

11,197

2,876

 

(※)1 不良債権処理額=貸出金償却+貸倒引当金繰入額(その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額を除く)+その他債権売却損等

 2 株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却

 

   <参考>

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

与信関係費用

(△)

2,057

1,180

△877

 

(※)与信関係費用=その他経常費用中一般貸倒引当金繰入額+不良債権処理額-償却債権取立益

 

(d) 親会社株主に帰属する当期純利益〔経常利益+特別損益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益〕

特別損益は、固定資産処分損益が前連結会計年度と比較して減少したことなどにより、前連結会計年度比1億66百万円減少の△4億93百万円となりました。

法人税等合計は、前連結会計年度比5億16百万円増加の32億59百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比21億93百万円増加し74億45百万円となりました。

 

(単位:百万円)

親会社株主に帰属する

当期純利益の内訳

前連結会計年度

(A)

当連結会計年度

(B)

増減

(B-A)

経常利益

 

8,321

11,197

2,876

特別損益

 

△326

△493

△166

 うち固定資産処分損益

 

123

△208

△331

 うち減損損失

(△)

485

284

△201

うちその他の特別利益

 

36

△36

税金等調整前当期純利益

 

7,995

10,704

2,709

法人税等合計

(△)

2,742

3,259

516

非支配株主に帰属する当期純利益

(△)

親会社株主に帰属する当期純利益

 

5,252

7,445

2,193

 

(※)1 税金等調整前当期純利益=経常利益+特別損益(特別利益-特別損失)

2 親会社株主に帰属する当期純利益=税金等調整前当期純利益-法人税等合計-非支配株主に帰属する当期純利益

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、次のとおりとなりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の純増減の減少等により2,071億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、譲渡性預金の純増減の減少を主因として支出が3,214億円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入を有価証券の取得による支出が上回ったこと等か3,502億円の支出超過となりました。前連結会計年度との比較では、有価証券の売却による収入の減少等により支出が474億円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払による支出等により28億円の支出超過となり、前連結会計年度との比較では、支出が11億円増加しました。

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前年度末比5,602億円減少し、1兆2,343億円となりました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(A)

当連結会計年度(B)

増減(B-A)

営業活動によるキャッシュ・フロー

114,278

△207,175

△321,453

投資活動によるキャッシュ・フロー

△302,831

△350,273

△47,442

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,732

△2,837

△1,105

現金及び現金同等物の期末残高

1,794,675

1,234,389

△560,286

 

 

③資本的支出の財源及び資金の流動性

 当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。

 また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制の構築を図っております。貸出金や有価証券の運用については、お客さまからの預金を中心として調達するとともに、必要に応じてコールマネー等により資金調達を行っております。

 なお、資金の流動性の状況等については日次管理を行っており、定期的にALM委員会に報告しております。

 

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループが連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

貸倒引当金

(1)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

 貸倒引当金

24,914

百万円

25,192

百万円

 

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

①算出方法

貸倒引当金の算出方法は、「4.会計方針に関する事項」「(5)貸倒引当金の計上基準」に記載しております。

②主要な仮定

主要な仮定は、「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」であります。「債務者区分の判定における各債務者の将来の業績見通し」は、債務者の実態的な財務内容、資金繰り、業種・業界等の特性を踏まえた事業の継続性、経営改善計画等の合理性・実現可能性、金融機関等の支援状況等を踏まえ、各債務者の収益獲得能力を個別に評価し、設定しております。

③翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響

各債務者の業績変化等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【重要な契約等】

当行は、2023年8月30日に、野村證券株式会社(以下、「野村證券」という。)との間において金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する基本合意書を締結し、2024年7月26日に、最終契約書を締結いたしました。

また、最終契約締結に関して、2024年7月26日開催の取締役会において、会社分割(吸収分割)により、当行の登録金融機関業務にかかる顧客の証券口座に関する権利義務を野村證券に承継させることについての吸収分割契約の締結を決議いたしました。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。