当行グループ(当行及び連結子会社等)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 企業理念
・地域社会の発展を常に考え行動すること、これが私たちの事業です。
・お客さまとの創造的な関係を深めること、これが私たちの仕事の原点です。
・よき企業人であるためによき市民であること、これが私たちの活動の基本です。
・一人ひとりの顔が見える表情豊かな組織であること、これが私たちの大切にする企業風土です。
(2) パーパス
当行は、企業理念をもとに、当行グループが何のために存在し、独自の強みを活かして社会にどんなことを働きかけられるかという観点から、パーパスを2021年11月に制定しました。パーパスの『「つなぐ」力』は、お金(金融)だけでなく、地域・企業・人々を「つなぐ」ことや、当行グループが持つサービスや情報などの資源を地域・企業・人々に「つなぐ」ことを通して、さまざまな価値と価値をつないだり、新たな価値を生み出したりすることを表現しています。また、「地域の未来をつむぐ」は、地域(当行が本店を置く群馬県だけでなく当行のネットワークが及ぶ地域や企業・人々といったステークホルダー全般)の豊かな未来をつむいでいく存在でありたいという思いを表しています。
(3) 中期経営計画
2022年からスタートした中期経営計画「Innovation for“Purpose”」が2024年度に終了し、2025年4月から2028年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「『Growth with“Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」をスタートさせました。
新たな計画では、「めざす姿」を「地域社会と当行グループの持続的な成長」と定め、テーマを「Growth」(成長)とすることで中期経営計画を通して「お客さま・地域」「当行グループ」「役職員一人ひとり」が持続的に成長していくことを目指します。パーパス実現に向けて、2つの基本方針と戦略テーマを設定しました。
<基本方針Ⅰ 「社会的価値・経済的価値の好循環の構築」>
パーパスの実現には、社会的価値である「お客さまや地域社会の課題解決」と、経済的価値である「当行グループの企業価値向上」を両立し、好循環を築いていくことが不可欠であると考えております。
戦略テーマに掲げる「“パーパス営業”の深化」では、パーパス制定を機に取組んできた、社会的価値と経済的価値を両立した営業活動を通じて、ソリューションの幅の拡大や質の向上を通して深化を目指します。
また、「サステナブルな地域経済圏構築への挑戦」では、当行グループが地域のハブとなり「地域産業の持続性を高めるエコシステム」「地域企業の生産性を高めるエコシステム」「地域の生活を豊かにするエコシステム」を構築し、中長期的な視点で地域と当行グループの持続的な成長を目指します。
<基本方針Ⅱ 「持続的な成長を支える事業基盤の強化」>
社会的価値と経済的価値の好循環を構築し、持続的な成長を遂げていくためには、その原動力となる当行グループの事業基盤を強化していく必要があり、以下の6つの戦略テーマに重点的に取組んでまいります。
<中期経営計画 骨子>

<2025年3月期の取組み>
当行グループの「めざす未来」の実現に向けて
当行は、パーパスにもとづくめざす未来を「地域社会と当行グループの持続的な発展」と定め、その実現に向けた経営に取り組んでいます。
2022年4月にスタートした中期経営計画「Innovation for“Purpose”」は、現在の深掘り(フォアキャスティング)と、めざす未来からの逆算(バックキャスティング)により策定したもので、デジタル戦略の遂行を基盤とし、5つの改革による「つなぐ」力の強化と「つなぐ」力の発揮により未来を「つむぐ」ことを基本方針として掲げています。
中期経営計画の最終年度となる2024年度は、この基本方針に基づき主に以下の施策に取り組んでまいりました。
お客さまの課題解決に向けた取組み
当行では2022年10月より、お客さまとの対話を起点として、お客さまのめざすゴールを共有し、その実現に必要な課題やニーズを把握したうえで、最適なソリューション提案を行う一連の営業活動を「つなぐプロセス」として展開しています。これまで8,965先のお客さまから24,000件を超えるニーズを把握し、事業承継や人材の確保、環境・社会課題への取組みに関する支援など、ファイナンス機能の提供だけでなく、グループの機能を最大限に活用しながら、多様化・複雑化するお客さまの課題解決に取り組んできました。2024年度は、特にニーズの大きい事業承継や、人材紹介等の分野において、前年度以上に多くのお客さまに対する支援に取り組むことで、中期経営計画で掲げる計数目標(つなぐKPI)を大きく上回る結果となりました。

<つなぐKPI(2022年4月~2025年3月)への取組み状況(3年間の累計)>
事業承継課題解決件数 :1,391件 (計画比231%)
人材紹介成約件数 : 307件 (計画比153%)
ビジネスマッチング成約件数 :3,503件 (計画比116%)
個人のお客さまに対しては、グループ会社のぐんぎん証券株式会社(以下、ぐんぎん証券)との連携により、お客さまの資産の状況や、資産運用に対する考え方に応じて、それぞれが役割の棲み分けを行いながら、ゴールベースの提案活動に取り組んでいます。
2024年度は、銀行とぐんぎん証券の連携をより強化するため、銀行からぐんぎん証券への担当者の転籍を進めるとともに、2025年4月、営業店の担当者を本部の専門部署に集約し、スキルやノウハウの向上を図るなど、お客さまへの提案力向上に向けた体制の整備も行いました。
また、2024年8月には、深谷支店のリニューアルに合わせて、群馬県外では初めてとなる休日相談拠点「個人相談プラザ深谷」を深谷支店との併設によりオープンするなど、お客さまの利便性向上と接点の強化にも取り組んでまいりました。
こうした取組みにより、お客さまの課題解決に取り組んだ結果として、法人役務収入や預かり金融資産等収入などからなる連結非金利業務利益は前年度比で13億円増加し256億円となり、過去最高を更新しました。

2024年8月にオープンした深谷・深谷上柴支店(外観・内観)
持続的な地域社会の実現に向けた取組み
① 脱炭素化への取組み
当行では、当行自身による温室効果ガス排出量の削減と、お客さまの温室効果ガス排出量削減に向けた支援の両面から、地域の脱炭素化に取り組んでいます。
当行自身による取組みとしては、再生可能エネルギー由来の電力調達や、当行店舗への太陽光発電設備の設置などにより、2030年度の目標である「ネットゼロ」をめざし、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいます。2024年度は、当行の3店舗において、オンサイトPPA(※1)の活用により、新たに再生可能エネルギーの電力使用を開始したほか、2025年3月には、当行では初めてとなる「ZEB認証(※2)」を取得した店舗を群馬県の伊勢崎市内に開設しました。
また、お客さまへの支援については、2024年8月より新たに導入した「ぐんぎんSDGs/ESG経営評価・診断サービス」等を通じて温室効果ガス排出量の可視化を支援するとともに、排出量の削減に向けたファイナンスやビジネスマッチングの提案に取り組みました。
今後もこうした取組みを通じて、当行が地域の脱炭素化を一層牽引してまいります。
※1…Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略。企業(電力需要家)の屋根や遊休地に発電事業者が無償で発電設備を設置し、発電した電気を企業が使用することで、需要家が発電設備を保有することなく再生可能エネルギー利用が実現できる仕組み
※2…Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、省エネルギー設備や創エネルギー設備の導入により、年間に消費する一次エネルギーの収支をゼロにすることをめざした建物のこと

太陽光発電設備を設置した中之条支店 「ZEB認証」を取得した境支店
② 地域のキャッシュレス化への取組み
当行グループでは、2024年1月より取扱いを開始したデビットカードの普及拡大や加盟店取引の推進を通じて、キャッシュレス決済が可能な店舗や事業所等の拡大を図ることで、地域のキャッシュレス化の進展に取り組んでいます。2024年度は、デビットカードの新規入会者向けのキャンペーンの実施や「ぐんぎんVisaデビット」の利用特典として「Vポイント(※3)」による還元を開始するなどの取組みにより、足下でデビットカードの利用者は5万人を超え、地域にキャッシュレス決済が着実に浸透しつつあります。
※3…VポイントはCCCMKホールディングス株式会社および三井住友カード株式会社の登録商標です。

デビットカード利用者の推移
③ 地域産業の活性化への取組み
地域産業の活性化に向けた取組みの一例として、当行では投資専門子会社のぐんま地域共創パートナーズ株式会社(以下、GRASP)との連携により、伊香保温泉街の活性化に取り組んでいます。GRASPが運営するファンドを通じて、地域の事業者との共同により設立したまちづくり会社の石楽株式会社では、伊香保温泉石段街のにぎわい創出の一環として、2024年12月、飲食店や物販店など複数のテナントからなる複合施設「IKAHO HOUSE166」をオープンしました。こうした事例のように、地域のステ―クホルダーとの連携により、引き続き地域産業の支援に取り組んでまいります。

2024年12月にオープンした「IKAHO HOUSE166」(外観・内観)
人的資本の充実に向けた取組み
① 行員のキャリア形成支援および専門性向上への取組み
当行では、2024年6月より新たに導入した「ジョブ型」の人事制度のもと、行員のキャリア形成支援や専門性の向上に取り組んでいます。具体的には、マネジメント層などを対象とした「職務記述書」の作成により、特定のポストに期待される役割や求められるスキルを明示すること、すなわち「仕事の見える化」を通じて、行員のキャリアイメージの明確化に取り組んでいます。また、2024年度からは、行員が希望する職務に応募する制度「ジョブポスティング」を開始し、「適所適材」の人員配置に向けた取組みを進めるとともに、研修制度等の充実を図り、めざすキャリアに必要なスキル・能力向上に向けた支援も行っています。
② DE&Iの推進および役職員のWell-being向上への取組み
人的資本の充実に向けては、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進や役職員一人ひとりのWell-being(ウェルビーイング)の向上にも取り組んでいます。2024年度は、女性活躍に向けたメンター制度の導入や管理職の育成プログラムを実施したほか、両立支援に向けた育児休業制度の充実等に取り組み、厚生労働省から「プラチナくるみんプラス」の認定を受けました。また、従業員が心身ともに健康な状態で活躍できる環境の整備をめざし、疾病予防・健康づくりを積極的にサポートするなど活力ある組織、働きがいのある企業風土づくりに取組んできた結果として、「健康経営」の取組みが優れた上位法人500社(大規模法人部門、通称ホワイト500)に7年連続で認定されるとともに、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業として、当行としては初めて「健康経営銘柄(※4)」に選定されました。
※4…経済産業省と東京証券取引所が、上場企業のなかから特に優れた健康経営を実践する企業として選定した企業
(「健康経営銘柄2025」には29業種から53社が選定)
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年中期経営計画「『Growth with“Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」で目標とする2028年3月期の経営指標「連結計数計画」及びパーパスの実現につながる主要計数「つなぐKPI」は、以下のとおりであります。
なお、2022年中期経営計画「Innovation for“Purpose”」における経営上の目標及び達成状況については、「第2 事業の状況」4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析の (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容に記載しております。
<連結計数計画>
<つなぐKPI>
※ つなぐKPIは、"パーパス営業"(社会的価値と経済的価値の両立)の深化に向けて、3年間で重点的に取組む定量的な目標として設定しております。
(5) 金融経済環境
当期のわが国経済は、緩やかに回復しました。個人消費は、物価上昇の影響はあるものの、賃金上昇の流れが続くなかで、持ち直しの動きが続きました。生産は、おおむね横ばい圏内で推移しました。輸出は横ばい圏内での推移から、年明け以降は回復の動きがみられました。設備投資は、堅調な企業業績を背景に持ち直しの動きがみられました。雇用情勢は改善の動きがみられました。
県内経済は、持ち直しの動きが続きました。個人消費は、食料品などを中心に物価上昇の影響を受けつつも、増加基調で推移しました。生産は、おおむね横ばい圏内で推移しました。設備投資は一部で弱含んだものの、全体としては堅調に推移しました。公共投資は底堅く推移しましたが、住宅投資は弱い動きとなりました。
金融面では、日本の長期金利の指標である10年国債利回りは、10月以降1.0%前後の水準から上昇基調で推移しました。さらに年明け以降は、日本銀行が段階的な利上げを継続する姿勢を示したことから、3月に入ると1%台半ばまで上昇しました。日経平均株価は7月に史上最高値を付けた後、8月に過去最大の下げ幅を記録するなど、当期前半は振れ幅の大きい展開となりました。その後は3万8,000円前後から4万円前後で推移しましたが、2月以降は米国の関税政策などが懸念され、水準を切り下げています。
(6) 経営環境及び対処すべき課題
少子高齢化や脱炭素化への意識の高まり、AIをはじめとしたデジタル技術の進展などに伴い、経済社会の構造変化が進むなか、足下では人手不足の深刻化や原材料価格の高騰により、地域のお客さまの生産性向上や事業承継への対応が大きな課題となるなど、当行グループを取り巻く環境は大きく変化しています。また同時に、日本銀行による段階的な政策金利の引き上げに伴い、長らく続いたマイナス金利時代が終わりを告げ「金利ある世界」が到来したことで、当行グループは大きな転換期を迎えています。
こうした環境のもと、2022年4月からスタートした中期経営計画「Innovation for “Purpose”」では、パーパスにもとづくゴールベース・ニーズベースの営業活動や、デジタル戦略の遂行、ジョブ型人事制度の導入による人材改革などを通じて、お客さまや地域の持続的な成長を支援するとともに、非金利業務利益の増強を中心に収益構造の改革を進めることで、当行グループの企業価値向上に努めてまいりました。
本年4月から新たな中期経営計画「Growth with “Purpose”」がスタートしました。本計画の策定にあたっては、「地域経済の持続的発展」「人口減少・少子高齢化への対応」「DXへの対応」「地球環境の保全と創造」「人的資本の充実」「確固たるガバナンスの構築」の6つをパーパス実現に向けた重点課題(マテリアリティ)として設定し、めざす未来からの逆算、すなわちバックキャスティングの考え方により、基本方針や戦略テーマを検討する起点としました。
これまで取り組んできたパーパスを基軸とした経営をより高次元にしていくとともに、計画のテーマを「Growth(成長)」とすることで、「お客さまや地域」「当行グループ」「役職員一人ひとり」が持続的に成長していくことをめざします。
中期経営計画では2つの基本方針を掲げ、それぞれに複数の戦略テーマを設けています。1つめの基本方針を「社会的価値・経済的価値の好循環の構築」とし、足下で取り組んでいる「パーパスにもとづく営業活動」を深化させていくとともに、中長期的な目線で「サステナブルな地域経済圏の構築」に取り組んでまいります。また、こうした好循環を築く土台を盤石にするため、2つめの基本方針として「持続的な成長を支える事業基盤の強化」を設定しました。
中期経営計画への取組みを通じて、引続きお客さまや地域の持続的な成長を支援していくとともに、当行グループの成長や従業員のエンゲージメント向上にも取り組むことで、「お客さま・地域」「当行グループ」「従業員」「市場・株主」の利益の実現を図ってまいります。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する取組み
当行では、サステナビリティに関する取組みを経営の重要事項として捉え、2019年2月に「群馬銀行グループSDGs宣言」を制定し、SDGs達成への貢献や持続可能な社会の実現に向けて、グループ全体で宣言に基づいた事業活動を展開してきました。
2025年2月、SDGs達成への貢献のみならず、より広範なサステナビリティへの取組みを推し進めていくため、当宣言を「群馬銀行グループサステナビリティ方針」に名称を変更するとともに、当行グループにおけるマテリアリティを「パーパス実現に向けた重点課題」と定義し、6つのマテリアリティとそれに対する取組方針を設定しました。
当行では、当方針に基づき、地域の持続的発展や環境・社会課題の解決に向けた取組みを進めています。
<群馬銀行グループサステナビリティ方針>

当行は、2009年5月に制定・公表した「群馬銀行環境方針・環境行動基準」に基づき、自ら環境負荷の低減に取り組むとともに、公益財団法人ぐんぎん財団を通じて環境保全活動の支援や環境保全教育にも取り組み、事業活動を通じて環境保護に貢献できる金融商品の販売を行うなど、環境保全に関する積極的な取組みを続けております。

① ガバナンス
<ガバナンス体制>
当行グループでは、気候変動や自然資本・生物多様性への対応などを含むSDGsやESG、人的資本・多様性への取組み等のサステナビリティに関する取組みを経営の重要事項として捉え、ガバナンス体制を構築しています。
サステナビリティへの取組みをさらに強化し、中長期的な視点による経営戦略の構築と各施策の実効性を図るため、頭取を委員長としたサステナビリティ委員会を設置しています。
サステナビリティ委員会は、原則として年4回開催し、サステナビリティに関する取組方針の策定や計画の進捗状況報告等を主な協議・検討事項としています。
サステナビリティ委員会での協議・検討事項は、委員会開催の都度、頭取の諮問機関であり業務上の重要な事項に関し協議を行う常務会に付議/報告することとしております。また、取締役会には原則として年4回報告を行うことで、取締役会が監督を行う態勢としております。なお、サステナビリティに関する重要事項については、取締役会に付議し、取締役会が意思決定を行っています。

当事業年度においてサステナビリティ委員会を4回開催しており、主な議題は以下のとおりです。
[サステナビリティ委員会における主な議題]
・「群馬銀行グループSDGs宣言」の改定について
・TCFD提言およびTNFD提言に対する対応について
・取引先および地域のサステナビリティ向上に向けた取組みについて
・温室効果ガス排出量削減に向けた取組みについて
・人的資本にかかる非財務KPIの実績および新たなKPIの設定
<業績連動型株式報酬>
社内取締役に対する業績連動型株式報酬の評価指標のうち、非財務指標について、「当行の温室効果ガス排出量の削減率」や「サステナブルファイナンス累計実行額」等、気候変動への対応を含むSDGs達成への貢献を測る指標を採用しています。
② 戦略
当行グループは、パーパスにもとづく「めざす姿」である「地域社会と当行グループの持続的な成長」に向けた、マテリアリティ(パーパス実現に向けた重点課題)として、以下を掲げています。
〇 地域経済の持続的発展
〇 人口減少・少子高齢化への対応
〇 DXへの対応
〇 地球環境の保全と創造
〇 人的資本の充実
〇 確固たるガバナンスの構築
また、中期経営計画である「『Growth with“Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」では、地域社会と当行グループの持続的な成長に向けた基本方針や戦略テーマを掲げています。詳細については、
③ リスク管理
当行グループは、多様化・複雑化するさまざまな経営上のリスクを特定することで、ビジネス機会の創出や管理の強化につなげております。
事業全体に関する主要なリスクについては、
④ 指標及び目標
当行グループは、中期経営計画「『Growth with“Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」において、パーパス実現に向けた「つなぐKPI」を設定しております。つなぐKPIは“パーパス営業”(社会的価値と経済的価値の両立)の深化に向けて、3年間で重点的に取組む定量的な目標としております。つなぐKPIについては、
また、当行は、サステナビリティに関する指標及び目標も設定しております。気候変動への対応、生物多様性への対応及び人的資本・多様性に関する指標・目標については、以下の「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)自然資本・生物多様性への対応(TNFD提言への取組み)」、「(4)人的資本、多様性への取組み」をご参照ください。
(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取組み)
当行は、「群馬銀行グループサステナビリティ方針」のマテリアリティ(パーパス実現に向けた重点課題)の1つである「地球環境の保全と創造」に向けた取組みとして、2020年7月にTCFD提言への賛同を表明し、気候変動が当行の経営にもたらす影響等の分析を行うとともに、当行の温室効果ガス排出量削減や脱炭素化に取り組むお客さまへの支援に取り組んでいます。
気候変動への取組みを強化することで、地域の未来をつむいでいきたいと考えています。
① ガバナンス
当行の気候変動への対応に関するガバナンスは、上記の「(1) サステナビリティに関する取組み ① ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
A 気候変動関連のリスク・機会の特定
気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)と機会については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っています。
B 機会
脱炭素社会への移行や生物多様性などへの対応要請の高まりに伴い、お客さまの経営課題は多様化しており、当行では、中期経営計画でパーパス営業の深化を掲げ、多様化するお客さまの経営課題に対し、2022年10月より導入した事業性評価「つなぐプロセス」を起点にお客さまのゴールやニーズを深堀し、新たな金融商品サービスの提供や資金需要への対応など、質の高いソリューションの提供に取組んでいます。
お客さまの気候変動や自然資本への対応を積極的に支援することで、お客さまの事業基盤が強化され、結果として当行の収益機会の拡大、持続的な成長につながるものと考えています。
C シナリオ分析
物理的リスクおよび移行リスクについて、複数の温度帯シナリオを用いて分析しました。
当行財務への影響は限定的であると評価ができる結果となりました。
<物理的リスク>
物理的リスクについては、気候変動に起因する自然災害の大半を占め、国内で発生確率の高い水害による影響を分析しました。
分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の8.5シナリオ(4℃シナリオ)を前提に、ハザードマップを利用して推計した「当行担保不動産の価値毀損額」および「浸水に起因するお客さまの事業停滞日数」から、2050年までの当行の与信費用の増加額を試算しました。
また、新たに2024年度から、同シナリオを前提に2050年までの当行事業施設の損害額を試算しました。
<移行リスク>
TCFD提言で気候関連の財務影響を受けやすいとされるセクターのうち、気候変動への影響度と当行のエクスポージャーという観点から、分析対象セクターを選定しており、2024年度は「金属・鉱業」セクターを新たに加えました。
地域の基幹産業のひとつである「自動車」セクターの分析においては、モデル企業以外の取引先についても、取扱製品等の影響度に応じた売上予想に基づいて与信費用増加額を試算するなど、分析結果の精緻化に取り組んでいます。
D 炭素関連資産の状況
当行の与信残高に占める炭素関連資産の割合は、24.8%となっております。
(2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)
③リスク管理
当行は気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが当行の事業運営や戦略・財務計画に大きな影響を与える重要なリスクと認識しています。
シナリオ分析等により把握した各種リスクについて、「信用リスク」「オペレーショナル・ リスク」などリスクカテゴリーごとに影響を把握し、既存の枠組みの中で管理する態勢を整備していきます。
シナリオ分析の結果等を踏まえ、気候変動への対応や脱炭素社会への移行に向け、お客さまとの対話(エンゲージメント)を強化しています。お客さまごとの課題やニーズを深く理解しソリューションを提供することで、ビジネス機会の創出や管理の強化につなげていきます。
また、2021年6月に制定した「環境・社会に配慮した投融資方針」の中で、新設の石炭火力発電所を資金使途とする投融資は原則として行わないなど、気候変動への負の影響が大きいセクター向け与信に関する取組姿勢を明文化しています。
<環境・社会に配慮した投融資方針>
群馬銀行は、事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指すため、環境及び社会課題解決に向けたお客さまの取組みを積極的に支援してまいります。
一方、環境への負荷や人権問題など社会への影響の大きい事業等に対する投融資に関しては、以下のとおり慎重に判断し、環境や社会への負の影響を低減・回避するよう努めます。
[石炭火力発電事業]
新設の石炭火力発電所を資金使途とする投融資は原則として行いません。但し、石炭火力に頼らざるを得ない当該国・地域の電力・資源事情等を踏まえ、例外的に取組みを検討する場合には、OECD公的輸出信用アレンジメント等の国際ガイドラインや発電効率性能、環境への影響等を勘案したうえで、慎重に検討を行います。
[兵器等製造]
戦争等に使用される、殺戮・破壊を目的としたクラスター弾などの非人道的な兵器を製造している企業への投融資は行いません。
[パーム油農園開発事業]
環境保全や人権保護の観点から、パーム油農園開発事業への投融資については、国際認証(RSPO ※1)の取得状況や環境への配慮や人権侵害の有無など、地域社会とのトラブル発生状況に十分注意のうえ、投融資判断を行います。
※1 Roundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)
パーム油に関連する7セクター(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)で運営する非営利組織。「原則と基準」に基づき農園やサプライチェーンを認証。
[森林伐採事業]
森林伐採事業向け投融資を検討する際には、国際認証(FSC ※2、PEFC ※3)の取得状況や環境への配慮など、地域社会とのトラブル発生状況に十分注意のうえ、投融資判断を行います。
※2 Forest Stewardship Council(森林管理協議会)
「適切な森林管理」を認証する国際的な組織。
※3 Programme for the Endorsement of Forest Certification(森林認証プログラム)
持続可能な森林管理のために策定された国際基準(政府間プロセス基準)に則って林業が実施されていることを第三者認証する「森林管理認証」。
④ 指標及び目標
A 温室効果ガス排出量
<スコープ1、スコープ2>
脱炭素社会の実現や社会の持続的発展に貢献していくため、当行における温室効果ガス排出量削減目標「2030年度 ネットゼロ」を設定しています。
2024年度の温室効果ガス排出量は、店舗へのPPAによる太陽光発電設備の設置や、ネーミングライツを取得した「ぐんぎん尾瀬片品発電所」由来の再生可能エネルギーの活用、カーボンオフセット燃料の導入などにより、4,516t-CO2(オフセット後)、2013年度比59.7%の削減となりました。なお、「2024年度2013年度比50%削減」目標については2023年度に1年前倒しで達成しています。
今後も環境に配慮した店舗づくりや電気自動車の導入等、「2030年度 ネットゼロ」達成に向け、取組みを強化してまいります。
(単位:t-CO2)
(注1) スコープ1:当行自らによる直接排出(重油、都市ガス、ガソリン等)
(注2) スコープ2:他社から供給されたエネルギー使用による間接排出(電気、冷水、蒸気等)
※ 省エネ法の定期報告書の基準に準拠し算出。ガソリンにおける排出量は、年間平均ガソリン単価、排出計数を用いて算出。
※ 温室効果ガス排出量の算出範囲は、当行国内拠点におけるスコープ1、スコープ2。
<スコープ3>
当行では、温室効果ガス排出量の計測範囲の拡大に取組み、2023年度から該当する全カテゴリの算定を行っています。
(単位:t-CO2)
※ カテゴリ8~14については、事業の性質上該当なし。
※ 2024年度の温室効果ガス排出量から第三者保証の取得に取組んでおり計測方法を変更しているため、
過年度分についても、再度計測を行っています。
[計算方法]
カテゴリ1 : 購入した製品やサービスの金額について、各排出原単位を乗じています。なお、算定にあたっては、当行で利用している経費管理システム等から得られるデータを利用し、勘定科目や摘要コードなどを基に算定要否や使用する排出原単位を判定しています。
カテゴリ2 : 各年度において取得した有形固定資産・無形固定資産の金額に排出原単位を乗じています。
カテゴリ3 : 電気の使用量に排出原単位を乗じています。ガソリン、都市ガス、プロパンガス、重油、蒸気(冷水を含む)の使用量については、「LCIデータベースIDEAV2.3(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)」の排出原単位を乗じています。
カテゴリ4 : 郵便料および運輸料(グループ内取引を除く)に排出原単位を乗じています。
カテゴリ5 : 廃棄物の収集・処理にかかる支出額に排出原単位を乗じています。
カテゴリ6、7 : 各交通手段別の交通費支給額に各排出原単位を乗じています。
※計測にあたっては、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.7)」および、環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース(ver.3.5)」を使用。
<スコープ3カテゴリ15について>
金融機関にとって、スコープ3カテゴリ15(投融資先の温室効果ガス排出量)は、気候変動におけるリスクと機会を捉えていく重要なものと考えられることから、PCAF※スタンダードの計測手法に基づき、2025年3月末時点における国内の事業性融資先法人に対する投融資を対象にカテゴリ15の試算を行いました。
今後も、計測範囲の拡大および高度化に向けた検討を進めてまいります。
※ Partnership for Carbon Accounting Financials。投融資先の温室効果ガス排出量の計測・開示を
標準化するための基準を開発する国際的なイニシアティブ。
[業種別排出量(TCFD炭素関連セクター18業種)]
[排出量の算定式]
投融資先の温室効果ガス排出量(ファイナンスド・エミッション)は、投融資先の資金調達総額に占める当行の投融資額の割合(アトリビューション・ファクター)に投融資先の温室効果ガス排出量※を掛け合わせて計算しています。
※ 開示情報の取得ができた企業については開示情報、それ以外の企業については推計値を使用

[業種別炭素強度の算定式]
業種別炭素強度は、業種毎に下記の算定式で導出しています。
[データクオリティスコア]
利用可能なデータの内容を基に、5段階のスコアを付与しています。スコア1が最もデータの質が高く、スコア5が最も低い質となります。
※ 2024年度から第三者保証の取得に取組んでおり、計測方法を変更しています。今後も、投融資先の温室効果ガス排出量の開示拡大や炭素強度データの更新、算定手法の高度化等により、算定結果が変わる可能性があります。
<第三者保証の取得について>
温室効果ガス排出量の計測・開示にあたり、数値の信頼性を確保するため、2024年度から第三者保証の取得に取組んでいます。現在、第三者保証機関による検証作業中となっており、検証結果により、2024年度の温室効果ガス排出量が変更となる可能性があります。
B サステナブルファイナンス
サステナブルファイナンスは、環境課題(再生可能エネルギーや省エネ設備等)や社会課題(創業、事業承継、医療等)の解決に資するファイナンスを対象としています。地域のサステナビリティ実現に向け、環境・社会課題等への取組みをさらに進めていくため、2022年度から2030年度までのサステナブルファイナンス累計実行額目標、3兆円(うち環境分野1兆5,000億円)を設定しています。
2024年度は、サステナブルファイナンス累計実行額1兆1,284億円(うち環境分野5,813億円)となり、2024年度目標8,000億円(うち環境分野4,500億円)を達成しています。
2030年度目標達成に向け、中期経営計画では、2025年度から2027年度までのサステナブルファイナンス累計実行額目標を1兆2,000億円(うち環境分野6,000億円)と設定しています。
サステナブルファイナンスに積極的に取組むことで、地域のESG課題の掘り起しや解決につなげていきます。
<お客さまの脱炭素化支援>
金融機関にとって、スコープ3カテゴリ15(投融資先の温室効果ガス排出量)の削減は、地域の脱炭素化につながる重要な取組みであり、当行では、2022年10月より導入した事業性評価「つなぐプロセス」によるエンゲージメントなどを実施しています。
特に、地域経済の中核を担う自動車産業は、電動化の急速な発展など取り巻く環境が大きく変化しており、地域のサプライヤーも取扱製品の電動化対応や、製造過程における温室効果ガス排出量削減など、さまざまな対応が迫られていることから、当行においても自動車セクターを重要なセクターのひとつとして捉え、自動車メーカーOBの招聘などによるサポート態勢の拡充に取組んでいます。また、個社別にヒアリングを行い、ヒアリング結果をもとにデータ整備やポジショニングマップを作成し、お客さまの支援に活用しています。
また、セクター別の投融資先の温室効果ガス排出量などを踏まえ、優先的に対応するセクターなどを選定し、お客さまのニーズや状況に応じた最適なソリューションの提供を進めています。
<ファイナンスによる地域の脱炭素化への貢献>
地域の脱炭素化に向け、当行では、サステナビリティ・リンク・ローンやぐんぎんSLLプラス、ぐんぎんSX支援ローンなどのサステナブルファイナンスに積極的に取組んでいます。
2022年度から2024年度までに当行が取扱った再生可能エネルギー事業向けの融資により、7,731,268MWhの再生可能エネルギーが創出されました。
また、サステナビリティ・リンク・ローンなどのサステナブルファイナンス商品を利用したお客さまの温室効果ガス排出量の削減量は、1,737,165t-CO2となり、年間に換算すると、当行の温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の128倍に相当し、当行スコープ3カテゴリ15(投融資先の温室効果ガス排出量)として推計すると、45,910t-CO2の削減効果となりました。※1
[サステナブルファイナンスによる環境改善効果(2022年4月~2025年3月)]
※1 サステナブルファイナンス(環境分野)のうち、定量的な効果が算出可能な案件を抽出し、当行の基準に基づき算出。
※2 環境省「令和5年度家庭部門のCO2排出実態統計調査結果の概要(速報値)」をもとに、1世帯あたりの年間温室効果ガス排出量(電気)より算出。
※3 出所:群馬県「令和6年群馬県移動人口調査結果(年報)」
(3) 自然資本・生物多様性への対応(TNFD提言への取組み)
当行は、持続可能な社会の実現にあたっては、気候変動への対応に加え、自然資本の損失を止めて回復させる「ネイチャーポジティブ」の実現が不可欠であると考えており、2024年4月にTNFD※の取組みに賛同し、TNFDフォーラムに参画しました。
当行では、地域における自然資本や生物多様性の保全に積極的に取組むとともに、TNFD提言に基づく開示の充実に向け、検討を進めていきます。
※ Taskforce Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
<TNFD提言への対応>
当行が主要エリアとする群馬県は、尾瀬国立公園や上毛三山等の豊かな自然に恵まれ、さまざまな動植物が生息・生育する地域となっており、当行においても、自然資本や生物多様性への対応は、重要事項であると認識しています。当行では、当該事項について、サステナビリティ委員会で協議・検討を行っております。
なお、TNFD提言では、LEAPアプローチ※に沿った開示の検討が推奨されており、当行においても当該手法に沿って検討を進めていきたいと考えています。
※「Locate(発見する)」「Evaluate(診断する)」「Asses(評価する)」「Prepare(準備する)」のフェーズにより、自然関連の依存、インパクト、リスク、機会の特定・評価を行うことができる手法。
① ガバナンス
自然資本・生物多様性への取組みに関するガバナンスは、上記の「(1)サステナビリティに関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当行を含む多くの企業は、自然と関わりながら事業活動を行っており、金融機関においては、自身の事業活動のみならず、投融資を行う上でお客さまの自然資本との関わりも重要であると認識しています。
そうしたことから、当行では、融資先の自然資本への依存とインパクトを分析するため、ENCOREツール※を使用し、自然との関わりが潜在的に重要と考えられる12セクターについて分析を行いヒートマップを作成しました。
※ 経済が自然にどのように依存し、インパクトを与える可能性があるのか、環境の変化がどのようにビジネスのリスクを生み出すのかを評価し、可視化することが可能なツール。
当行のポートフォリオを踏まえ分析した結果、主に「水」に関連する項目への依存、インパクトが高いということがわかりました。今後は、群馬県の地域性を加味するなど、分析の高度化を図りながら優先セクターの特定やリスクと機会の特定を進めていきます。
また、地域のサステナビリティ実現に向け、環境・社会課題に取組むお客さまへのサステナブルファイナンスなどのソリューション提供による支援や、自然保護活動に積極的に取組んでいきます。
[各セクターの自然資本への依存]

[各セクターの自然資本へのインパクト]

③ リスク管理
自然資本・生物多様性への取組みに関するリスク管理について、現時点においては整理・検討している段階であります。
④ 指標及び目標
自然資本・生物多様性への取組みに関する指標及び目標は、上記の「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み) ④ 指標及び目標」をご参照ください。
(4) 人的資本、多様性への取組み
当行は、中期経営計画「『Growth with“Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」において、パーパス「私たちは『つなぐ』力で地域の未来をつむぎます」の実現に向けた重点課題(マテリアリティ)のひとつとして、「人的資本の充実」を掲げています。
当行は、地域と当行グループを持続的に成長させパーパスを実現する原動力になるのは役職員一人ひとりであり、価値を生み出す源泉(資本)であるという考えのもと、人的資本の充実に向け、経営戦略と連動した人財戦略に取組んでいます。
また、当行は人材戦略に基づく人材育成方針・社内環境整備方針及び非財務KPIを定め、諸施策に取り組んでおります。なお、本方針及び非財務KPIは以下の「②戦略」「④指標及び目標」にそれぞれ記載しております。

① ガバナンス
当行グループの人的資本、多様性への取組みに関するガバナンスは、上記の「(1)サステナビリティに関する取組み ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
<人材育成方針>
<社内環境整備方針>
<中期経営計画で掲げる人財戦略>
〇 経営戦略と連動した人財ポートフォリオ構築
当行は、中期経営計画「『Growth with “Purpose”』~地域と群馬銀行グループの持続的な成長に向けて~」における基本方針として、「社会的価値・経済的価値の好循環の構築」と「持続的な成長を支える事業基盤の強化」を掲げています。
これらの基本方針の実現に向けた「コンサルティング人財」や「デジタル人財」を充実させるために、営業体制の再編や業務改革、キャリア採用の強化等により、コンサルティング分野に人財を再配置し、スキルレベル上位者の比率を向上させるとともに、当行グループ内のDXを牽引するデジタル分野の人財(コア人財、ミドル人財)育成とデジタルスキルの底上げ(ベース人財)を図ってまいります。
[コンサルティング分野における人財ポートフォリオの構築]
[デジタル分野における人財ポートフォリオの構築]
〇 ジョブ型人事制度に基づく採用・育成・キャリア支援
当行は、自律的で活力ある組織への転換を目指し、2024年6月に人事制度を改定し、ジョブ型人事制度を導入しています。本人事制度では、行員が主体的にキャリア形成を図ることにより、適所適材の人財登用を実現することで、行員のエンゲージメントの向上と組織全体の活性化を企図しております。
本人事制度により仕事の「見える化」および、その仕事を担う人財の「見える化」が実現されることにより、個人パーパスを起点としたジョブポスティングの実施や各種研修などのキャリア形成支援の充実、ジョブに応じた専門人財の採用等を通じた、人財の採用・育成・キャリア形成やエンゲージメントの向上を図ってまいります。
〇 DE&Iの推進 役職員のWell-being向上への取組み
当行は、多様な人財がいきいきと働きがいを持てる環境を整備するために、未経験業務を学べる研修の実施や行外研修派遣、計画的なジョブローテーション等を実施し、女性法人担当者の育成を図るなど、女性活躍推進をはじめとしたDE&Iの推進に引き続き取り組んでまいります。
また、2025年3月に経済産業省および日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営」の取組が優れた上位法人500社(大規模法人部門、通称ホワイト500)に7年連続で認定されました。さらに、経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取組んでいる企業をホワイト500から選定する「健康経営銘柄」に初めて選ばれました。今後も役職員のWell-being向上に向けた取組を推進することで、永続的に地域社会の活性化と発展に向けて貢献できる体制づくりを進めてまいります。
③ リスク管理
当行は、人的リスク(不適切な就労状況・職場・安全環境、人材の流出・喪失、士気の低下、不十分な人財育成等により損失を被るリスク)について、オペレーショナル・リスクの一つに区分しており、オペレーショナル・リスクに関する基本規定等に基づいて管理しております。
また、人事運営上の諸問題の発生(報酬・手当・解雇等の問題、ハラスメント等)や、役職員の法令違反行為等に起因する不祥事件、訴訟等の発生についても、リスクの顕在化が想定される主な要因として認識しており、コンプライアンス体制の構築とその実践に努めております。
④ 指標及び目標
(注) 1 非財務KPI(目標・実績)は、当行グループにおいて主要な事業を営む銀行単体の計数としております。
2 目標を設定していない非財務KPIは、2027年度目標欄に計数を記載しておりません。
3 従業員の業務スキルや職務特性を3段階評価、うち最上位レベルと認定された者の割合
法人…高度なスキルを用いたコンサルティングにより企業価値の向上に貢献できる人財
(FP1級・中小企業診断士の資格保有者等)
個人…高度な資産運用の専門知識を有し、顧客本位の業務運営ができる人財
(FP1級・証券アナリストの資格保有者等)
4 ITの活用により変革的に取り組む人財を「デジタル人財」と定義し下記の基準により3段階に分類しております。
コア人財 …ITの活用により新たな事業や商品・サービス、業務改革等、当行グループの変革を牽引する
(高度情報処理技術者・統計検定2級の資格保有者等)
ミドル人財…顧客に対してITの活用提案・導入・定着を支援する
(ITコーディネーター・情報処理技術者試験レベル1以上の資格保有者等)
ベース人財…ITの基本的な知識を有し、行内システムなどのITを活用し効率的に業務を行う
(ITパスポートの資格保有者等)
5 専門資格は、中小企業診断士、FP1級・CFP、証券アナリスト、公認AMLスペシャリスト、高度情報処理技術者等としております。
6 一人あたりの人財投資額は、「研修に係る費用(資格取得に伴うセミナー等費用、研修派遣者の人件費、研修所経費等)÷業務職の年度平均在籍者数」にて算出しております。
7 2027年度目標を2028年4月における人数、2024年度実績を2025年4月における人数としております。
8 男性育休等平均取得期間は、前々年度に出生した子の1歳までの平均育児休業等取得日数としております。
9 個人パーパスの実践度合いは、理解・共感・行動の3つの尺度において、個人パーパスに関する5段階評価の設問を用意し、その回答結果を基に平均を算出しております。
10 従業員のエンゲージメントを可視化し調査結果を分析するツール「wevox」のエンゲージメント指数の結果は2024年度末時点を100として推移を開示します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
<主要なリスク>
当行が直面しているリスクには、大きく分けて信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクがあります。
これらのリスクは様々な要因により顕在化しますが、当行では、損失を最小限に抑えるために想定される要因について継続的なモニタリングを行い、早期に察知し対応することに努めるとともに、自己資本比率による管理や統合的リスク管理などにより、大きなストレス下においても、損失が自己資本の範囲内に収まるよう管理しております。
なお、当行のリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況」4 コーポレート・ガバナンスの状況等の (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ④ 企業統治に関するその他の事項をご参照ください。
<リスクの顕在化が想定される主な要因>
1 財務面に関する要因
2 業務面に関する要因
3 その他の要因
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、以下のとおりとなりました。
総資産は期中2,610億円減少し10兆5,571億円となり、負債は期中2,508億円減少し9兆9,942億円となりました。また、純資産は期中101億円減少し5,629億円となりました。
グループの中心である当行の当事業年度末における主要勘定の状況は以下のとおりとなりました。
預金は、国内の法人預金や海外店の残高増加を主因に、期中1,467億円増加(前期末比+1.7%)し期末残高は8兆4,629億円となりました。
貸出金は、リテール貸出やクロスボーダーローン・ストラクチャードファイナンス、大企業向け貸出など全般的に増加したことから、期中3,772億円増加(前期末比+5.8%)し期末残高は6兆8,451億円となりました。
また、セグメントごとの状況は以下のとおりとなりました。
(銀行業)
資産は前連結会計年度比2,631億円減少し10兆5,339億円、負債は前連結会計年度比2,496億円減少し10兆85億円となりました。
(リース業)
資産は前連結会計年度比190億円増加し1,066億円、負債は前連結会計年度比178億円増加し889億円となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない「その他」の資産は前連結会計年度比22億円減少し501億円、負債は前連結会計年度比44億円減少し186億円となりました。
(2) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
経常収益は、資金運用収益(貸出金利息等)が増加したことなどから前連結会計年度比200億79百万円増加し2,204億35百万円となりました。経常費用は、資金調達費用(預金利息等)が増加したことなどから前連結会計年度比18億38百万円増加し1,584億5百万円となりました。
これらの結果、経常利益は、前連結会計年度比182億40百万円増加し620億29百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比127億74百万円増加し439億円となりました。
グループの中心である当行の当事業年度における損益状況は以下のとおりとなりました。
コア業務純益は、貸出金残高増加と利回り上昇の効果による貸出金利息の増加や法人ビジネス等の非金利業務利益の増加などから前事業年度比147億40百万円増加し479億50百万円となりました。
経常利益は、本業の利益が増加したことに加え、有価証券関係損益の増加などから前事業年度比183億86百万円増加し575億73百万円となりました。また、当期純利益は前事業年度比122億73百万円増加し404億27百万円となりました。
また、セグメントごとの損益状況は以下のとおりとなりました。
(銀行業)
経常収益は前連結会計年度比181億52百万円増加し1,850億54百万円、セグメント利益は前連結会計年度比183億26百万円増加し576億75百万円となりました。
(リース業)
経常収益は前連結会計年度比16億32百万円増加し312億81百万円、セグメント利益は前連結会計年度比75百万円減少し11億51百万円となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない「その他」の経常収益は前連結会計年度比7億64百万円増加し74億76百万円、セグメント利益は前連結会計年度比23百万円減少し32億51百万円となりました。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当行は、2022年4月から2025年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「Innovation for“Purpose”」に基づき、社会的価値(社会課題の解決や地域の持続的成長)と経済的価値(当行グループの持続的成長)の両立に向けて諸施策を展開してまいりました。
当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
○ 経営成績及び経営指標(連結)
(単位:百万円)
① コア業務純益(除く投資信託解約損益)
コア業務純益(除く投資信託解約損益)は、前連結会計年度比100億13百万円増加し555億12百万円となりました。資金利益は、貸出金利息の増加を主因に前連結会計年度比161億5百万円増加し821億33百万円となりました。また、非金利業務利益は、法人役務収入及び預かり金融資産等収入ともに増加したことなどから、前連結会計年度比13億87百万円増加し256億1百万円となりました。なお、経費は人事制度改定の影響などにより人件費が増加したことなどから、前連結会計年度比26億27百万円増加し548億19百万円となりました。
引き続き、金利環境の変化を踏まえた資金利益の増強に取り組むとともに、コンサルティング分野の深掘りやデジタル戦略の強化等に取り組むことで、コア業務純益の増加に努めてまいります。
② 非金利業務利益
非金利業務利益は、前連結会計年度比13億87百万円増加し256億1百万円となりました。法人役務収入は、デリバティブ関連手数料の増加などから、前連結会計年度比20億62百万円増加し96億33百万円となりました。また、預かり金融資産等収入は、グループ会社(ぐんぎん証券株式会社)のアドバイザリー型営業による収益の増加などから、前連結会計年度比5億92百万円増加し82億17百万円となりました。
法人役務収入では、2022年10月より導入した事業性評価(「つなぐプロセス」)を起点に、お客さまのゴール・ニーズを深堀りすることで、質の高いソリューションを提供するとともに、ニーズを捉えた複合的なソリューション(フルスペックアプローチ)の実践に努めてまいります。また、預かり金融資産等収入では、グループ会社(ぐんぎん証券株式会社)と連携した、お客さまと中長期的な関係を構築できる営業体制を強化することで、質の高い提案を引き続き実施してまいります。
法人のお客さまへの金融・本業・事業承継支援と個人のお客さま一人ひとりに寄り添ったコンサルティングを実践していくことで非金利業務利益の増強に取り組んでまいります。
③ 親会社株主に帰属する当期純利益及びグループ会社最終利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、コア業務純益及び有価証券関係損益の増加を主因に、前連結会計年度比127億74百万円増加し439億円となりました。また、グループ会社最終利益は、ぐんぎんリース株式会社及びぐんぎん証券株式会社の当期純利益が増加したことなどから、前連結会計年度比5億円増加し34億72百万円となりました。
グループ一体でパーパス営業を深化させることで、法人のお客さまのニーズをフルスペックで満たす提案や、個人のお客さまのライフステージに応じた提案を実施し、グループ会社最終利益の増加につなげてまいります。引続き、当行グループの総合力強化やアライアンスの活用等に注力し、親会社株主に帰属する当期純利益の増加に努めてまいります。
④ RORA
RORAは、リスクアセットが2,833億49百万円増加したものの、親会社株主に帰属する当期純利益が127億74百万円増加した結果、前連結会計年度比0.25ポイント上昇し1.06%となりました。今後も、収益・リスク・資本の一体的管理・運営に取り組んでまいります。
⑤ OHR(除く投資信託解約損益)
OHR(除く投資信託解約損益)は、経費が26億27百万円増加したものの、コア業務純益(除く投資信託解約損益)が100億13百万円増加したことから、前連結会計年度比3.8ポイント改善し49.6%となりました。今後も、コア業務純益の増強と経費削減の両面から、効率的な経営を進めてまいります。
⑥ ROE
ROEは、前連結会計年度比2.0ポイント上昇し7.7%となりました。引続き、最適資本構成の構築に向けた取組みやパーパス営業の深化による収益力の強化を図り、ROEの向上に努めてまいります。
⑦ 総自己資本比率
総自己資本比率は、リスクアセットの増加などから、前連結会計年度末比1.74ポイント低下し13.12%となりました。引続き、適切なリスクテイクによる利益の蓄積等により財務基盤の強化を図り健全な経営の確立に努めてまいります。
経営上の目標達成状況を判断するための指標に照らした経営成績等につきましては、次のとおりであります。
〇2022年中期経営計画「Innovation for“Purpose”」における経営上の目標及び達成状況
① 連結計数計画
<連結計数計画> (単位:億円)
<つなぐKPI> (単位:億円)
(注)持続可能な社会の実現に向けた取組みをより一層進めていくため、2023年9月に2025年3月期目標を5,000億円から8,000億円に引き上げました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
当行グループの主要なセグメントは銀行業であり、資金調達手段は主に預金であり、資金運用手段は主に貸出金、有価証券であります。また、株主還元方針については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりであります。
なお、重要な設備投資につきましては、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、自己資金で対応しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や債券貸借取引受入担保金の減少などから期中5,971億円のマイナス(前連結会計年度は期中3,945億円のマイナス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入などから期中549億円のプラス(前連結会計年度は期中4,110億円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式取得による支出などから期中322億円のマイナス(前連結会計年度は期中159億円のマイナス)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期中5,744億円減少し1兆2,560億円(前連結会計年度末残高は1兆8,305億円)となりました。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等の (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(参考)
(1) 国内・海外別収支
資金運用収支は、前連結会計年度比161億5百万円増加し821億33百万円となりました。また、役務取引等収支は、前連結会計年度比6億98百万円増加し198億7百万円となりました。
なお、各収支合計は、国内が前連結会計年度比298億80百万円増加し947億52百万円、海外が前連結会計年度比4億36百万円増加し12億41百万円、国内及び海外の合計(相殺消去後)が前連結会計年度比303億17百万円増加し959億93百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度2百万円)を控除して表示しております。
3 相殺消去額は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況
資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比1兆6,067億円増加し10兆1,984億円となりました。この要因は、預け金が前連結会計年度比1兆3,315億円増加したことなどによります。
一方、資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比2,884億円減少し9兆9,274億円となりました。この要因は、コールマネー及び売渡手形が前連結会計年度比2,566億円減少したことや債券貸借取引受入担保金が前連結会計年度比2,678億円減少したことなどによります。
資金運用勘定の利回りは、貸出金や有価証券の利回りが上昇したことなどから、前連結会計年度比0.06%上昇し1.29%となりました。また、資金調達勘定の利回りは、コールマネー及び売渡手形や債券貸借取引受入担保金の利回りが上昇したことなどから、前連結会計年度比0.12%上昇し0.50%となりました。
① 国内
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,965,178百万円、当連結会計年度81,095百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度3,354百万円、当連結会計年度3,351百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
② 海外
(注) 1 「海外」とは、当行の海外店であります。
2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,272百万円、当連結会計年度6,067百万円)を控除して表示しております。
③ 合計
(注) 1 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,966,450百万円、当連結会計年度87,162百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度3,354百万円、当連結会計年度
3,351百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度2百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2 相殺消去額は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(3) 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益は、前連結会計年度比13億17百万円増加し295億57百万円となりました。また、役務取引等費用は、前連結会計年度比6億19百万円増加し97億49百万円となりました。
この結果、役務取引等収支は、前連結会計年度比6億98百万円増加し198億7百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 相殺消去額は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(4) 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3 定期性預金=定期預金+定期積金
4 相殺消去額は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(5) 国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高はありません。
(6) 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
3 相殺消去額は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(7) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。
信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
(注) 共同信託他社管理財産については、取扱残高はありません。
元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(自己資本比率等の状況)
(参考)
当行は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について国際統一基準を適用した自己資本比率を算出しております。
なお、当行は、信用リスク・アセットの額の算出については基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出については標準的計測手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
連結レバレッジ比率(国際統一基準)
単体自己資本比率(国際統一基準)
単体レバレッジ比率(国際統一基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(注) 金額については、億円未満を四捨五入して表示しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。