第2【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当行グループは、銀行業を中核事業としており、銀行の持つ社会的・公共的責任を自覚し、より調和のとれた健全かつ透明性の高い経営を目指してまいります。

 また、お客さまの多様なニーズに的確かつ迅速にお応えできる体制整備と自由闊達で創造力と活力に溢れた企業風土を醸成し、行員一人ひとりが十分に個性を発揮でき、働きがい・生きがいをもてる銀行を確立していくことを経営の基本方針としております。

(2)経営環境及び経営戦略等

 当行グループを取り巻く経営環境は、インバウンド需要の更なる回復や賃上げ等に加え、長年にわたる異次元金融緩和に終止符が打たれ「金利のある世界」が到来するなど、大きな変革期を迎えた一方、円安等に伴う物価高騰や人手不足といった課題が依然として深刻な状況にあります。

 また、米国のトランプ大統領による関税の引き上げに伴う貿易摩擦や、ウクライナ、ガザ地区における戦争や紛争といった地政学的リスクの高まりなど、様々な課題が表面化しており、世界経済の先行きにも不透明感が漂っております。

 これらに加え、全国一のスピードで高齢化が進むなど、埼玉県においてもこうした状況は例外でなく、地域経済及び社会に寄り添いながら、様々な課題の解決を自ら先導し、持続的成長を実現していくことも不可欠となっております。

 地域金融機関においては、金融仲介機能の一層の発揮とお客さま本位の業務運営の実践を通じ、地域経済及び社会の活性化に貢献する持続可能なビジネスモデルの確立、その前提となる経営の健全性・透明性の更なる向上に向けた不断の努力が求められております。

 このような環境下、当行グループでは、2023年4月より長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)~多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く~」をスタートさせました。複雑性を増す経営環境のなか、地域になくてはならない銀行として、経済・社会の持続的成長に貢献するという存在意義を発揮し続けるための在りたい姿を定めたものです。

 「地域・お客さまの期待を超える存在へ」「組織・従業員の力を最大化」という2つの基本方針のもと、お客さまの課題解決や地域活性化に注力していくとともに、レジリエンスの高い組織づくりや従業員一人ひとりの能力発揮に向けた高い専門性や多様な働き方の提供に努めてまいります。

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 この長期ビジョンは、3つのフェーズに分けて進めており、第1ステップとして中期経営計画「MCP1/3(ワンサード)」をスタートさせました。長期ビジョンの実現に向け、地域とお客さまに徹底的に寄り添いながら、組織の多様性や従業員の自律性を高めることで、将来に向けた強固な基盤を作る期間と位置付けております。

 「リアルとデジタルを融合し、地域・お客さまとともに歩む」「あらゆる価値を認め合い、多彩な人材が躍動する」という2つのテーマに基づき、デジタル及び人的資本への重点的な投資により、お客さま接点の一層の強化と新サービス創出に努めるとともに、高度な提案力・課題解決力を有する人材の育成に努めてまいりました。具体的な内容は以下のとおりであります。

①営業推進態勢

・営業態勢を強化し、お客さまとの接点の更なる拡大

・様々な課題を解決する高い専門性を持つ人材の育成

②法人戦略

・スタートアップから事業承継までステージに応じた伴走支援の強化

・デジタルを活用したソリューション提案機会の増加

 

③個人戦略

・ライフプランに基づいた最適なサービスの提供

・様々なニーズに対応できる商品ラインナップの拡充

④地域活性化戦略

・営業店と本部が連携し、地域課題解決に向けた具体的支援

・成長分野の取組みを強化し、様々なプロジェクトを実行

⑤グループ戦略

・グループ機能を最大限発揮し、あらゆる課題を解決

・新規事業アイデアを社内公募し、事業領域の拡大

⑥チャネル戦略

・質の高いサービスの提供に向けてタッチポイントを強化

・ダイレクトチャネルの利便性向上により顧客体験を最大化

⑦デジタル戦略

・より便利なサービス提供に向け、非対面チャネルの更なる強化

・事務手続きのデジタル化と相談機能充実

⑧人材戦略

・ソリューション提供に向けた担い手の創出

・多彩な人材が活躍する機会の提供

・環境変化に応じた人事制度等の見直し

⑨有価証券戦略

・運用資産拡大による収益増強とバランスの取れたポートフォリオの構築

⑩アライアンス戦略

・スピーディーな協業と大規模な広域連携のメリットを追求し、新たな価値を提供

⑪サステナビリティ戦略

・持続可能な地域社会の実現に向け、SDGs宣言に基づく具体的施策を実行

⑫経営管理態勢

・企業価値の向上に向けてコーポレートガバナンスを強化

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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等(2026年3月期)

 

コア業務純益

親会社株主に帰属

する当期純利益

コアOHR

(連結)

自己資本比率

(連結)

ROE

(連結)

  209億円

  140億円

  65%以下

  11%以上

  5%以上

 

 

(4)対処すべき課題等

①「お客さま本位の業務運営」の浸透・定着化に向けた取組み

 2023年6月に業務改善命令を受け、2023年8月に策定した業務改善計画に基づき、取締役会主導のもと、経営管理態勢(ガバナンス)と内部管理態勢の高度化を図ってまいりました。こうした取組みにより、外部機関によるお客さま満足度の指標にも一定の成果がみられるなど、お客さま本位の業務運営の浸透・定着が進展しております。

 今後も、更なる改善に向け、役職員一人ひとりがその取組みを徹底し、本支店一体となり適切な業務運営態勢の構築と健全な組織文化の醸成に一層取組んでまいります。

 

②中期経営計画「MCP 1/3」

 今年度は、中期経営計画「MCP 1/3」の最終年度として、地域のお客さまに徹底的に寄り添い、長期ビジョン実現に向けた基盤を構築してまいります。

 今中期経営計画の2つのテーマである「リアルとデジタルを融合し、地域・お客さまとともに歩む」「あらゆる価値を認め合い、多彩な人材が躍動する」のもと、デジタル化を一層加速させていくとともに、人的資本への投資を通じてサステナブルな経営基盤を構築し、サービスレベル向上・顧客接点の増強によって、お客さま満足の最大化を目指してまいります。

 

 「地域共存」「顧客尊重」の経営理念のもと、お客さま、株主さま、地域社会など、全てのステークホルダーの皆さまの期待にお応えできるよう、グループ役職員一同、一層の精進に努め、これからも地域の皆さまと手を携えながら、永続的な発展を目指してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当行グループは、SDGsの目標達成に貢献するため、2019年3月に「武蔵野銀行SDGs宣言」を制定・公表し、2021年9月にTCFD提言への賛同を行うなど、サステナビリティ経営推進に向けた態勢整備を行い、本業を通じた持続可能な地域づくりや役職員の理解向上などに取組んでおります。

 2021年12月に、コーポレートガバナンス・コード改正やTCFD提言への賛同等を踏まえて制定した4つの方針のもと、気候変動や人権といったグローバルな課題や国内外の金融経済における脱炭素の動きに対応するとともに、より実効性のあるサステナビリティ経営の実践を目指しております。

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(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当行グループは頭取を委員長とする「サステナビリティ推進委員会(以下「委員会」という。)」が、グループ全体のサステナビリティ関連の各種施策の策定・遂行する役割を担っており、同委員会においてサステナビリティ経営に関する方向性、具体的な取組み等・リスクと機会の特定と評価について議論・審議しております。

また、その下部組織の「サステナビリティ検討部会」において企画立案、進捗管理等を行い、定期的に取締役会へ報告することとしております。これにより、取締役会がサステナビリティ関連の取組みを監督する態勢を構築しております。同委員会は、頭取をはじめとする取締役及び本部部長をメンバーとして、総合企画部サステナビリティ推進室が事務局となり、気候変動を含む環境や社会に係る機会及びリスクへの対応方針や取組計画等を年2回定期的に協議しております。

2022年3月、サステナビリティに関わる全行的取組みを統括・推進する専門組織として、総合企画部内に「サステナビリティ推進室」を設置しております。地元企業のサステナビリティ経営支援、より主体的・先導的な地方創生・地域活性化に取組むとともに、先鋭化する気候変動・生物多様性などの環境問題やDE&Iといった課題についても、同室が中心となり組織横断的に3つの分科会(地域経済活性化、地域社会活性化、環境・ダイバーシティ)を組成して取組んでおります。

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②戦略

2023年3月、長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)」を策定しております。取組むべき事項として、地域の産業と雇用の維持活性化、全国一のスピードで訪れる高齢化社会への対応、魅力ある地域の創造と成長の支援、経営戦略及び事業戦略の遂行を下支えする人的資本と経営基盤の強化等を認識しており、以下の4つの重要課題を設定しております。

 

 「1.地域経済の持続的発展と豊かな地域社会の実現」

 「2.地域の自然環境の持続的な保全と利用」

 「3.多彩な人材の活躍推進」

 「4.強靭な企業統治と組織体制の構築」

 

当行グループは長期ビジョンのもと、環境変化に対応しながら、当行の競争優位性・存在価値を高め、サステナブルな経営基盤を構築するとともに企業価値向上とサステナビリティ経営の高度化を実現してまいります。

 

③リスク管理

当行グループは、サステナビリティに関するガバナンス体制のもと、グループ経営に関する様々なリスクと機会を特定し、リスクと機会の管理を強化しております。

事業全体に関する主要なリスクやリスク管理体制については、「3 事業等のリスク」及び「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

気候変動への対応、人的資本に関するリスクについては、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

④指標及び目標

当行グループは、長期ビジョンの実現に向けた中期経営計画「MCP 1/3」において、各種KPIを設定、主要計数項目につきましては2025年度目標を設定しております。

サステナビリティに関連する、気候変動への対応、人的資本に関する指標及び目標については、「(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)」、「(3)人的資本」をご参照ください。

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

①ガバナンス

当行グループの気候変動への対応に関するガバナンスは、サステナビリティ全般に関するガバナンスに組み込まれており、サステナビリティ全般のガバナンス体制の下で、気候変動への対応に関する各種施策の遂行、リスクと機会の認識・管理を実施しております。

詳細については「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

②戦略

当行グループは、短期(概ね5年)、中期(概ね10年)、長期(概ね30年)の時間軸を考慮して気候変動に伴うリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会の分析を検討して行っております。

(イ)リスクと機会

  当行グループは気候変動に伴うリスクと機会を認識した上で、多くのお客さまとともに取組んでまいります。

種類

具体的なリスク・機会の内容

時間軸

対応方針

移行リスク

政策・

法律

・気候変動に関する規制や税制等の変更に伴うお客さまの事業への影響による信用リスクの発生

中期~長期

・脱炭素社会への移行過程において、規制の強化や税制の変更等による当行に及ぼす影響を算定しております

・2024年10月にGHG算定ツール「C-checker」を導入し、排出量の可視化と分析を行い、お客さまのサステナビリティ経営を支援していくことで、当行の移行リスクの低減を図っております

技術

・脱炭素技術の発展に伴うサプライチェーン再編のリスク

・脱炭素関連技術の失敗や市場の変化に伴う事業撤退

中期~長期

市場

風評

・気候変動対応や適切な情報開示が不足した場合の風評悪化リスク

中期~

長期

物理的リスク

急性

・風水災等の洪水発生に起因する不動産担保の毀損

・お客さまの営業拠点被災に伴う事業停滞による信用リスク

短期~長期

・当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積及び平地割合が大きいことから、洪水が発生した場合の事業性貸出金及び住宅ローンにおける当行に及ぼす影響を算定しております

・今後も気候変動についての影響の分析を継続してまいります

慢性

・熱中症の増加や平均気温の上昇に起因する投融資先の労働生産性の低下に伴う事業停滞によるリスク

短期~長期

機会

資源

効率

・脱炭素社会への移行に向けた取組による企業のコスト低減や移行に係る資金需要の増加

短期~長期

・営業車両の環境配慮型自動車の導入、営業店舗への省エネ設備の導入を進めており、引続き対応してまいります

・脱炭素社会への移行に係る資金需要の増加及び環境意識の高まりに対応するため、法人・個人のお客さま向けに各種融資商品及びサービスを追加し、対応しております

・また、GHG算定ツール「C-checker」を起点としたコンサルティングにより、お客さまの脱炭素経営の取組みを支援しております

エネル

ギー源

製品・

サービ

・脱炭素商品及びサービスの開発・拡張に係る資金需要の増加

短期~長期

市場

・お客さまのSDGsの取組みや気候変動に伴う脱炭素社会への移行に当たってのビジネス機会の増加

短期~長期

強靭性

・再生可能エネルギーや災害対策のためのインフラへの融資の機会増加

短期~長期

 

(ロ)シナリオ分析

  当行は下記のとおり、移行リスク及び物理的リスクの分析を実施しております。その結果、移行リスクの与信関係費用増加額は約8億円、物理的リスクについては約25億円となりました。当行の利益水準から財務に与える影響は限定的と認識しております。

  今後は、移行リスク、物理的リスクともにリスク分析の高度化を図るため、複数シナリオでの分析も検討してまいります。

シナリオ分析

移行リスク

物理的リスク

シナリオ

IEA国際エネルギー機関のNZEシナリオ

IPCCのSSP5-8.5シナリオ(4℃上昇シナリオ)

分析対象

・不動産

・自動車部品

・陸上運輸

・電力

・事業性貸出金

・住宅ローン

分析対象の選定理由

貸出取引量(件数、金額)や移行リスクの高さ等、当行及び埼玉県における脱炭素社会への移行による影響を勘案して、「不動産」「自動車部品」「陸上運輸」「電力」の4つの業種について分析を実施しております

当行が主たる営業基盤とする埼玉県は国内でも河川面積の割合が大きく平地割合も大きいことから、台風・豪雨等風水災による埼玉県内全域における洪水を想定した分析を実施しております

分析手法

対象業種に対して、炭素税導入による租税支払いの増加をPL・BSに反映しております

加えて電力セクターは設備投資による減価償却費の増加を反映させ、与信費用増加額を算出しております

当行取引先への影響については、事業性貸出金及び住宅ローンについて分析しております

分析にあたっては、本社所在地及び物件所在地の浸水度合をハザードマップから調査し、国土交通省水管理・国土保全局「治水経済マニュアル」による浸水度合毎の営業不稼動日数を勘案しております

分析結果

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約8億円となっております

以上の分析の結果、与信関係費用の増加額は約25億円となっております

 

(ハ)炭素関連資産

  当行貸出金等に占める炭素関連資産(※)の割合:34.37%程度

  これまで14業種に分類し、開示しておりましたが、昨年度の環境省の公表を踏まえてTCFD18業種に紐づけを変更しております。変更の影響により、炭素関連資産が増加しております。

  ※炭素関連資産:2021年10月改訂のTCFD提言が推奨する定義を踏まえた4セクター(①エネルギー、②運輸、③素材・建築物、④農業・食糧・林業製品)向け2025年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、私募債等の合計。ただし、水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除いております。

 

③リスク管理

(イ)気候変動リスクの特定と管理体制

  当行は、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが、当行の事業運営、戦略、財務計画に大きな影響を与えることを認識しております。

  気候変動に関連する移行リスクや物理的リスクに関する定性的及び定量的な分析結果を踏まえ、お客さまの事業活動に及ぼす信用リスクとして、統合的リスク管理の枠組みの中で管理する体制の構築に取組んでおります。

(ロ)気候変動リスクを踏まえた融資ポリシーの公表等

  投融資方針では、地球温暖化に直接的な影響を及ぼす石炭火力発電所向け与信の厳格化等を含む当行の与信上の取組姿勢を明文化しております。

 

④指標及び目標

(イ)サステナブルファイナンス目標

  地域社会の「脱炭素化」実現に資するサステナブルファイナンスの実行金額の目標として、2021年度から2030年度までの10年間で、累計1兆円の実行と設定しております。

  なお、2024年度までのサステナブルファイナンスの実行金額は6,200億円となりました。

  また、2024年2月から脱炭素投資につなげる「GX経済移行債」へ投資し日本の産業競争力強化や持続的成長に向けて貢献しております。

  「サステナブルファイナンス」とは環境課題や社会課題の解決を資金使途とするファイナンスであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援するファイナンスが含まれております。

 

(ロ)CO排出量の推移

 ○Scope1・2排出量

  当行グループのCO排出量の推移はグラフのとおりであります。

過去のScope別排出

(単位:t-CO

 

2013年度

2022年度

2023年度

2024年度

Scope1

1,049

806

684

620

Scope2

7,131

5,790

4,924

2,874

総排出量

8,180

6,596

5,608

3,494

 ※Scope3は後述

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 当行グループ全体の2024年度のCO2排出量(Scope1+Scope2)は、2013年度比△57.3%となりました。

 2024年5月より本店及び事務センターでの使用電力を非化石証書が付与された実質再生可能エネルギー電気に切替えております。これにより年間で2,255t-COの排出量削減となりました。

 また、EV車6台を導入し累計10台とした他、営業店のLED化、省エネ空調への切替、節電の取組みを実施し、CO排出量削減に取組んでおります。今後も継続して節電及び省エネ設備への切替に取組んでいき、2030年度CO排出量目標、2013年度比70%削減に向けて取組んでまいります。

 

 

 

 

 ○Scope3排出量の内訳

  当行では温室効果ガス排出量の算定範囲拡大に取組んでおり、今年度は当行のScope3カテゴリ1~5を新たに算定しております。

Scope3

内容

GHG排出量 単位:t-CO2

計算方法

2024年3月期

2025年3月期

カテゴリ1

購買品

13,968

購買品金額×産業連関表の金額当たり排出原単位

カテゴリ2

資本財

7,974

固定資産増加額×資本財金額当たり排出原単位

カテゴリ3

エネルギー関連活動

828

エネルギー調達量×エネルギー調達量当たり排出原単位

カテゴリ4

輸送、配送(上流)

1,121

輸送費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ5

廃棄物

195

廃棄物処理費用×金額当たり排出原単位

カテゴリ6

出張

247

243

従業員数×従業員当たり排出原単位

カテゴリ7

雇用者の通勤

559

574

勤務日数×勤務日数当たり排出原単位

カテゴリ8

自社が賃借するリース資産の排出

該当なし

カテゴリ9

輸送、配送(下流)

カテゴリ10

販売した製品の加工による排出

カテゴリ11

販売した製品の使用による排出

カテゴリ12

販売した製品の廃棄による排出

カテゴリ13

他社に賃借しているリース資産の排出

カテゴリ14

フランチャイズ

カテゴリ15

投融資(事業性貸出先のみ)

6,113,689

6,422,785

下記、Scope3カテゴリ15の算定にて記載

合計

6,114,495

6,447,691

 

 [算定に関する補足]

  環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するガイドライン(ver.2.7)」及び環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(ver3.5)」を使用しております。

 

 

 ○Scope3カテゴリ15の算定 事業性融資の排出量

  投融資先を通じた間接的な温室効果ガス排出量は、金融機関におけるScope3(サプライチェーンにおけるCO排出量)の中でも大きな割合を占めるため、PCAFスタンダード(※1)の計測手法を参考に当行の国内事業法人向け融資について算定しております。算定した排出量は以下のとおりであります。

   ※1金融機関における投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

  ・当行融資先をTCFDの18業種(※2)に分類して算定した業種別排出量

   ※2(現状、18業種の内、『石炭』、『旅客空輸』は該当なし)

炭素関連セクター

業種

排出量

(単位:t-CO

エネルギー

石油及びガス

61,078

電力ユーティリティ

145,107

運輸

海上輸送

14,288

鉄道輸送

22,310

航空貨物

26,478

自動車及び部品

114,114

トラックサービス

242,566

素材・建築物

化学

251,447

金属・鉱業

443,325

建設資材

56,669

資本財

2,693,069

不動産管理・開発

280,735

農業・食糧・林業製品

飲料

20,775

農業

24,027

加工食品・加工肉

253,192

製紙・林業製品

180,869

 

その他

1,592,735

 

合計

6,422,785

 

 

 

  ・排出量の算定方法

   ① ボトムアップ分析 ※融資先の排出量データがある場合の算定式

     融資先の排出量(開示データ、C-checker等による実測値データ)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

   ② トップダウン分析 ※融資先の排出量データがない場合の算定式

     融資先売上高×業種別排出係数(環境省準拠)×融資先への融資額÷(融資先の負債総額+純資産額)

  ・時点

   融資残高:2025年3月末時点

   融資先売上高等財務指標:算定を行った2025年3月末時点で当行の保有する各融資先の最新決算情報

   今後も算定可能な範囲を順次広げてまいります。

 

 〇データクオリティスコア

  PCAFでは算定した排出量の品質を評価するためのデータクオリティスコアを下表のとおり定めております。より信頼性の高い開示を行うため、当行は今年度データクオリティスコアの算定を開始いたしました。当行の加重平均データクオリティスコアは『3.48』となりました。

  今後、C-checkerを起点とした、脱炭素経営の推進によりスコア改善に取組んでまいります。

 

  データクオリティスコアの基本的な考え方は以下のとおりであります。

 

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(3)人的資本

①ガバナンス

当行では、人的資本を企業の持続的成長を支える根幹と考え、従業員一人ひとりの力が最大に発揮される環境の整備と、経営戦略との一体的な推進を重視しております。

人事部門内には、従業員一人ひとりの多様な能力を引き出し、組織全体の活性化を推進する「人材活躍推進室」及び従業員の主体的なキャリア形成を支援し、中長期的な人材育成を推進する「キャリア開発室」を設置しており、それぞれ以下の役割を担っております。

 ・「人材活躍推進室」:多様な人材の能力発揮を支援するための制度設計・運用、DE&Iの推進

 ・「キャリア開発室」:従業員のキャリア開発支援、人材育成プログラムの設計・実施、能力開発の支援・促進

両室は、人的資本に関するKPI(女性管理職比率、人材投資額、研修受講時間等)の進捗をモニタリングし、定期的に経営戦略部門と協議を実施しております。これにより、人事施策と経営戦略との整合性を高め、持続的な企業成長に資する人的資本マネジメントを実践しております。

 

②戦略

当行では「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、長期ビジョンで標榜する「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」を実現すべく、人的資本経営の実践に努めてまいります。

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当行の人的資本経営においては、「地域共存・顧客尊重」という経営理念に基づき、2023年3月に策定した長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)」と同期間(10年間)で「人材活躍推進に係る長期ビジョン~奏 SOU~」を策定しました。

長期ビジョン達成のためには、「お客さまの課題解決に向け、自律的かつ挑戦心を持って取組むことができる人材」を育て、「様々な価値観を理解し、認め合うことで多彩な人材が活躍できる組織」を作ることが重要であるという認識のもと、これらの人材、組織の構築に向けて取組む必要のある事項を「指標及び目標」として掲げております。

指標及び目標の策定に当たっては、人材育成方針を実現するために「活躍に向けた支援」「自律的なキャリア形成支援」「各人の専門性の向上」を重点取組み事項とし、社内環境整備方針では「DE&Iの推進」「Well-beingの向上」「健康経営の推進」を重点取組み事項に設定しております。

 

③リスク管理

当行は、金融機関として健全性及び持続的成長を実現するためには、人的資本の適切な管理が不可欠であると認識しております。

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為等、及び職場の安全衛生環境の問題に起因して当行が損失を被るリスク、並びに役職員の不正行為により、当行が使用者責任を問われるリスクを、オペレーショナル・リスクの一つに区分しており、オペレーショナル・リスク管理規程等に基づき、発生防止策を検討、実践することでリスクの低減に努めております。

また、講じた防止策が適切に機能しているかなどをモニタリングし、適宜報告を実施、必要に応じて「オペレーショナル・リスク管理委員会」及び「経営会議」にて対応を協議するなど、リスク管理体制を構築しております。

 

④指標及び目標

当行では、各重点取組み事項ごとに指標を設定しており、各指標の目標及び実績は次のとおりであります。

〇活躍に向けた支援

  人材育成方針に掲げる「従業員一人ひとりが、目の前にある様々な機会に対し、自ら意思表示し、チャンスを掴もうとする挑戦心を持った人材を育成してまいります。」を実現するために積極的に人材への投資を促進するとともに、様々なバックボーンを踏まえた人材の活躍による企業価値向上に向けた取組を強化してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

一人あたり人材投資額(注1)

297,391

300,000

一人あたりの研修受講時間

36時間09分

45時間

キャリア採用人数(注2)

41

60

(注)1 一人あたり人材投資額については、「研修費」「研修等にかかる教材費・交通費」「自己啓発奨励金」「必須受験資格の受験費用」「OFF-JT機会費用」「OJT機会費用」等を計上しております。

2 キャリア採用人数については、2025年3月期実績は2年間の累計、2026年3月期目標は3年間の累計となります。

≪一人あたり人材投資額≫

各人のスキル向上を図るべく、多様な研修を積極的に開催してまいりました。今年度は、新型コロナウイルスの終息に伴い、5年ぶりに海外視察研修を開催するなど、メニューの拡充に努めてまいりました。

今後も、業務上のスキルはもとより、基本的なビジネススキルなど、多様なスキル習得機会を提供し、お客さまの期待に応えられる人材を育成してまいります。

≪一人あたりの研修受講時間≫

若手の早期戦力化に向け、従来の業務研修に加え、Web会議システムの有効活用などによりフォローアップ研修を拡大するなど、研修内容を充実させてまいりました。

今後は、上位グレードに対する研修も適時開催し、受講者の幅を広げ、行員のスキル向上を通じて、生産性向上や地域No.1のソリューションの提供に向けた担い手の創出に努めてまいります。

≪キャリア採用人数≫

従来の新卒一括採用だけではなく、多彩な価値観の結集を意図した人材確保を積極的に進めております。

今後も今中期経営計画より開始したアルムナイネットワークや、リファラル採用を活用し、あらゆる人材へのアプローチを強化してまいります。

 

 

〇自律的なキャリア形成支援

  「人材育成方針」に基づき、「従業員一人ひとりが自らの考え方や思いに基づき行動・判断できる」人材の育成に向け、当行で働く全従業員が、自分自身の望むキャリアの実現に向けて自律的に行動し、その行動を銀行が支援・促進できるよう機会を提供してまいります。

  パートナー(非正規雇用労働者)の正規行員登用(行員転換)を継続的に実施しており、正規行員同様に各自のキャリア実現への支援に努めております。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

職務エントリーによる配置人数(注)

44

100

行員転換実績(注)

16

30

(注) 職務エントリーによる配置人数、行員転換実績においては、2025年3月期実績は2年間の累計、2026年3月期目標は3年間の累計となります。

≪職務エントリーによる配置人数≫

当行では従来、自分自身の望むキャリアの実現機会として職務エントリーを積極的に実施しており、今中期経営計画期間では累計で44名の配置を実現いたしました。

2024年7月に改正した人事制度では、新たに8つのキャリアルートを設定し、従業員自身が当行でのキャリアイメージを描きやすい環境と育成計画の整備を進めております。

今後も、従業員の自律的なチャレンジの支援強化に向けて、職務エントリー機会の拡充を行い、従業員のキャリア実現に向けた体制構築に取組んでまいります。

≪行員転換実績≫

当行では従来、正規雇用者の確保手段として非正規雇用者(臨時従業員等)の行員への転換を積極的に支援しております。

業務に精通した非正規雇用者が、自ら積極的に正規雇用者となる機会と、行員転換後のキャリア支援策を充実させ、正規雇用者の安定確保へ積極的に取組んでまいります。

 

〇各人の専門性の向上

  長期ビジョンで目指す「多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く」の実現のため、各人の課題解決力の向上へ注力してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

ITパスポート保有率

66.5

80

プロフェッショナル資格保有者(注)

235

300

(注) プロフェッショナル資格保有者の対象となる主な資格は、FP技能士1級・CFP、中小企業診断士、証券アナリスト等、公的な資格を中心とした専門性の高い資格としております。

≪ITパスポート保有率≫

全社的なDX推進の基盤として、従業員のITリテラシー向上に注力し、その一環として「ITパスポート資格取得」を推奨しており、新入行員の育成カリキュラムにも組み込んでおります。これらにより、入行当初からITリテラシーの底上げを図り、業務のデジタル化の対応力を高め、将来的な高度IT人材の育成基盤を整備してまいります。

今後につきましても、実務に即したデジタル教育の拡充を通じて、変化に対応できる人材の育成を目指してまいります。

≪プロフェッショナル資格保有者≫

FP1級などのプロフェッショナル資格についても、資格取得・維持費用の支援に加え、キャリアルートに応じた必要資格を新たに設定することにより、自身のキャリア実現に向け、主体的に資格取得する従業員が増加しております。

また、高度な専門性を有する人材や経営人材を育成する「MCPアカデミー」について、受講条件の見直しや定員の増加など、学習環境の充実を積極的に推進し、従業員が業務と両立しながら継続的に学び、資格取得に繋げられる仕組みを構築しております。

今後も、銀行員として専門的スキルを高め、また、そのスキルをお客さまに還元できるよう、配置も含めた運用面も強化してまいります。

 

〇DE&Iの推進

  一人ひとりが個性を発揮し、お互いにその違いを認め、協力し合える組織を実現することが、組織の持続的発展へ寄与するとの認識のもと、性別や置かれている状況に関係なく、価値観が尊重され、多様性が発揮できる環境整備を進めてまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

女性管理職比率(注1)

15.8

20

男性労働者の育児休業取得率

(注2)

104.4

100%以上

男女賃金格差

全 体 54.7%

正 規 68.4%

非正規 63.8%

障がい者雇用率

2.82

2.8

(注)1 女性管理職比率については、課長職以上に占める女性の比率を2026年3月までに20%とすることを目標として掲げ、女性の活躍推進、登用拡大に向けた支援と登用を行ってまいります。

2 男性労働者の育児休業については、取得率は100%以上に達しておりますが、取得日数の延伸が課題であり、取得期間の延伸に向けて、下記取組みを実施しております。

①3ヵ月毎の「配偶者出産前説明会」の定期開催(2023年11月より開始、2024年度15名受講)

②配偶者妊娠判明時の速やかな「育児休業取得意向確認書」提出、提出後の申請手続きの徹底

③男性育休取得事例紹介や「ワークライフバランス実践ハンドブック」への夫婦による家事育児タスク分担ツールの掲載等

≪女性管理職比率≫

当行では、「女性管理職の育成・登用」は特に重要な取組と認識し、「管理職候補の母集団形成」、「管理職への登用」の両面に取組んでおります。

具体的には、2024年度より女性リーダー層向け研修を実施し、リーダーシップやマネジメントスキルの向上を図っております。また、キャリア形成への不安の軽減とマインド面の醸成に繋げるため、マネジメント層によるメンタリングも開始いたしました。

今後については、従来の取組みに加え、業務経験を補うための支援も強化し、女性が能力を最大限に活かせる役職へ積極的に登用するなど、引続き性別にかかわらず、全ての従業員が能力を発揮し、活躍できる組織の実現に努めてまいります。

≪男性労働者の育児休業取得率≫

「男性労働者育児休業取得率」は、引続き100%を上回る水準を維持しております。

男性の育児休業取得は、従業員のワーク・ライフ・バランス向上や育児に理解のある職場風土の形成を促し、当行の企業価値向上にも寄与すると考えていることから、引続き取得を促進してまいります。

≪男女賃金格差≫

2024年7月に実施した人事制度改正において総合職と特定職を統合したことで、コース間の賃金格差を是正いたしました。

旧来の特定職の占める割合が高かった女性の活躍のフィールドを広げるとともに、賃金格差の是正も図っております。

≪障がい者雇用率≫

「障がい者雇用率」は法定雇用率以上を維持しております。

今後は障がいを持つ人が働きやすくなるための周囲の理解促進に継続して取組むことと併せ、障がいを持つ従業員が活躍できる環境の拡大にも努めてまいります。

 

〇Well-beingの向上

  重要なステークホルダーである従業員が、武蔵野銀行で働くことへの充実感を感じることが「組織・従業員の力を最大化」に繋がる重要な要素であるとの考えに基づき、多様な働き方の実現や福利厚生の拡充に取組んでまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

一人あたり有給休暇取得平均日数

13.1

15

一人あたり残業時間

11時間40分

11時間

従業員満足度

73.2

100%を目指し持続的に向上

≪一人あたり有給休暇取得平均日数≫

制度休暇の完全取得に向けた行内への発信を強化しており、有給休暇の取得については平均13.1日(取得率は約70%の水準)で推移しております。

今後も、制度休暇に限らず、個々の事情に応じて従業員が休暇を取得しやすい雰囲気を醸成するためのコミュニケーション活性化に取組んでまいります。

≪一人あたり残業時間≫

一人あたりの残業時間については、業務効率化・時間管理の徹底により、残業時間の削減を図っております。

今後についても、更なる業務効率化を進めていくとともに、モニタリングも強化し、長時間労働の是正に引続き努めてまいります。

≪従業員満足度≫

2024年度に人事制度改正に取組み、コース区分の廃止や処遇の見直しを実施しました。

自身が目指すキャリアに向けて、専門性の向上や、自己成長に繋げてもらうため、行内の業務領域を可視化したキャリアルートも新設しており、今後は適正な運用に向けて取組んでまいります。

また、働き方の多様化や、賃金等の処遇改善を通じて、多様な人材が持続的に力を発揮できる環境整備を促進し、従業員満足度の向上を図ってまいります。

 

〇健康経営の推進

  健康経営の実践は、従業員のエンゲージメントの向上に繋がる重要な取組みとの認識のもと、企業の永続的な成長に向け、従業員の生産性向上に向けた取組みを強化してまいります。

 

2025年3月期実績

2026年3月期目標

ストレスチェック受検率

95.8

100

疾病等による長期休業者数

29名

段階的に削減

≪ストレスチェック受検率≫

当行では、ストレスチェックをメンタル不調者の早期発見や、職場環境の改善等に活用しており、従業員のストレス状態が把握できる重要な機会と捉えております。

近年95%程度の実施率となっており、重要性の周知のほか、受検しやすい方法や受検期間等を検討し、実施100%達成を目指してまいります。

≪疾病等による長期休業者数≫

従業員の心身不調による休業は、職場の生産性低下に大きな影響を与えることから、ラインケア・セルフケア研修などの未然防止策を強化しており、「疾病等による長期休業者数」の抑制に努めております。

今後も、従業員の健康保持増進、いきいきと働ける職場作りに加え、メンタルヘルス対策強化による新規発生を抑制するとともに、休業者に対する早期復帰の支援を進めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 当行グループは、銀行業を中核事業として主に貸出金業務、有価証券投資業務等を行っており、財政状態及び経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、(1)信用リスク及び(2)市場リスクであると認識しております。これらのリスクが顕在化する時期について正確な予測をすることは困難ではありますが、発生の可能性を認識した上で当該リスクに対し、主に以下の対応策を講じております。

 当行は、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率(信頼区間99%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り、把握しております。これらのリスクが顕在化した場合、当行の自己資本や収益計画に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理に努めております。

 また、当行では、通常のVaR管理では捉えきれない損失見込額を捕捉する目的として、経済状況や市場環境の悪化等の事象が発生した場合の自己資本充実度や収益計画に与える影響度を確認するために、定期的ないしは臨時的にストレス・テストを実施しております。

 なお、当行のリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

(1)信用リスク

① 不良債権の状況

 国内・埼玉県内における今後の景気動向、不動産価格、株価の変動、取引先の経営状況等により、当行の不良債権及び与信関係費用が増加し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

② 貸倒引当金の状況

 当行は、貸出先の状況、債権の保全状況及び貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の過去の一定期間における平均値に基づき算出した予想損失額等に対して貸倒引当金を計上しております。また、破綻懸念先のうち非保全額が一定額以上の大口債務者に対する債権については、債務者の状況を総合的に判断してキャッシュ・フローによる回収可能額を見積り、非保全額から当該キャッシュ・フローを控除した残額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー控除法)により計上しております。

 なお、その他経済状態全般の悪化、担保不動産価格の下落、その他予期せぬ事象により貸倒引当金の積み増しをせざるを得なくなり、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

③ 権利行使の困難性

 担保不動産価格の下落又は不動産の流動性欠如等の事情により、担保権を設定した不動産等を換金し、又は貸出先の保有する資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。この場合、与信関係費用が増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。

④ 地域経済の動向

 当行は埼玉県を主要な営業基盤としており、地域経済の振興・活性化支援に力を注いでおります。従って、埼玉県経済が想定以上に悪化した場合は、当行の収益基盤の維持・拡大が困難となるほか、信用リスクの増加等により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(2)市場リスク

① 価格変動リスク

 当行は市場性のある有価証券等を保有しております。有価証券等の運用については、市場動向等を注視しつつ適切に実施しておりますが、市況の大幅な下落等により減損または評価損が発生し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

② 金利リスク

 資産と負債の金利改定時期が異なる中で金利変動(マイナス金利政策によるものを含む。)することにより、収益の低下ないし損失が発生し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

③ 為替リスク

 外貨建資産・負債について、資産と負債の額が通貨毎に同額で相殺されない場合、または適切にヘッジされていない場合には、為替相場の変動により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(3)流動性リスク

 内外の経済情勢や市場環境の変化、当行の財務内容の悪化等の理由により、必要な資金が確保できなくなる場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる可能性があります。

 

(4)オペレーショナル・リスク

① 事務リスク

 当行は事務リスク管理規程等を定め、事務の厳正化に努めておりますが、故意または過失等の事務ミスにより事故が発生し、損失が発生する可能性があります。

② システムリスク

 コンピュータシステムのダウンまたは誤作動、コンピュータの不正使用、サイバー攻撃による情報漏えい、不正利用、改ざん等が発生した場合、当行の社会的信用の失墜等により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

③ 風評リスク

 評判の悪化や風説の流布等により、それが事実であるか否かにかかわらず、当行の信用が著しく低下し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

④ 法務リスク

 当行では法令等遵守態勢の充実・強化に取組んでおりますが、法令等違反や不適切な契約等に起因した損失や信用力の低下等が発生した場合には、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 人的リスク

 人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の人事処遇や勤務管理上の問題)・差別的行為(セクシャルハラスメント等)等、及び職場の安全衛生環境の問題に起因し損失を被ること、並びに役職員(臨時従業員、派遣社員等を含む)の不法行為により当行が使用者責任を問われ、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

 また、人的資源の質・量の不足、不適切なスキルマッチ、従業員のモチベーションやエンゲージメントの低下、多様性の欠如、不十分な人材育成等によって、当行の競争力や生産性が低下した場合にも、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 有形資産リスク

 当行が保有する店舗、事務所、電算センター等の施設が、地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害、犯罪、テロ等の被害を受けた場合には、当行の業務運営全部又は一部に支障を来し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(5)感染症の流行に伴うリスク

 新型コロナウイルス等の各種感染症の世界的大流行による国内外及び地域経済の活動停滞、当行役職員の感染者発生等により業務運営の全部又は一部に支障を来す場合、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(6)情報管理リスク

 当行が管理している顧客情報や経営情報等の漏えい、紛失、改ざん、不正使用等が発生した場合、当行の社会的信用の失墜等により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(7)外部委託等に伴うリスク

 当行の委託先において、委託業務に関する事務事故、システム障害、情報漏えい等が発生した場合、当行の社会的信用の失墜等により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(8)自己資本比率が低下するリスク

 当行は海外営業拠点を有しておりませんので、国内基準に係る連結自己資本比率及び単体自己資本比率について、それぞれ4%以上の水準を確保することが求められています。当行の自己資本比率が4%を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。

 当行の自己資本比率に影響を与える主な要因は以下のとおりであります。

① 経済環境の悪化、債務者の信用力の悪化

② 有価証券の時価の下落に伴う減損の発生

③ 自己資本比率の基準及び算定方法の変更

(9)繰延税金資産

 現時点における会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来における税負担額の減少を繰延税金資産として計上することが認められております。

 繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、法令の改正がなされ、法人税率の引き下げ等が行われた場合、あるいは繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当行の繰延税金資産は減額され、当行の業績及び財政内容に影響を及ぼし、自己資本比率の低下に繋がる可能性があります。

(10)年金債務

 当行の年金資産の時価が下落した場合、あるいは年金資産の運用利回りが低下した場合には、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。また、年金制度の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額に影響を与える可能性があります。

(11)固定資産の減損会計

 当行が保有する固定資産については、「固定資産の減損に関する会計基準」を適用しておりますが、当該会計基準等に何らかの変更がある場合や所有する固定資産に損失が発生した場合には、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(12)規制及び制度等の変更に伴うリスク

 当行は現時点での規制・制度に従って業務を遂行しておりますが、将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、会計制度等の変更により、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(13)ビジネス戦略が奏効しないリスク

 当行は2023年より、新たな中期経営計画「MCP 1/3(ワンサード)」(2023年4月~2026年3月)をスタートさせ、様々な経営課題に対処していくこととしておりますが、今後経済・企業業績の悪化など経営環境の変化や競争の激化などにより、戦略が想定した成果を生まない可能性があります。

(14)競争

 近年、日本の金融制度は大幅に規制が緩和されてきており、これに伴い競争が激化しております。当行がこうした競争的事業環境において競争優位を得られない場合、事業、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(15)格付低下のリスク

 当行は格付機関より格付けを取得しておりますが、格付機関が当行の格付けを引き下げた場合、資金調達等に影響を及ぼす可能性があります。

(16)金融犯罪に係るリスク

 キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺など、金融犯罪は多様化・高度化しており、被害発生を未然に防止するためセキュリティ強化への取組みを進めております。しかしながら、被害者への多額の補償や、セキュリティ対策に対する多額の費用が必要となる場合には、業績や財政内容に影響を及ぼす可能性があります。

(17)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与等対策に係るリスク

 当行はマネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融及びその他経済制裁違反防止を経営戦略等における重要な課題の1つとして位置付け、リスクに見合った低減措置を講ずるなどの実効的な管理態勢の構築に努めております。しかしながら、不公正・不適切な取引を未然に防止することができなかった場合には、不測の損失発生や信用失墜により業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

(18)サステナビリティ関連のリスク

 当行は2021年9月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、事業活動に与える影響を踏まえ「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」4つのカテゴリごとに情報開示を段階的に進めております。しかしながら、地球温暖化による気候変動に起因する移行リスク(脱炭素社会への移行過程での気候変動対策強化)や物理的リスク(洪水等自然災害の発生により取引先の担保物件が毀損した場合や事業停滞に伴う業績悪化)により取引先の与信関係費用が増加し、当行の業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、気候変動を含む様々なサステナビリティに関する情報は当行の企業価値毀損に繋がることや事業活動の継続に悪影響を及ぼすこと、目標の達成を阻害する要因になる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(金融経済環境)

・国内経済

 2024年度の国内経済は、個人消費、設備投資が牽引し、引続き緩やかに回復しました。個人消費は、食料品を中心とした消費者物価の上昇を受けた節約志向がみられたものの、春闘での大幅な賃上げなどによる雇用者所得の改善から、緩やかな回復を続けました。また、好調な企業収益を背景に設備投資も増加するなど、国内経済は「デフレ経済」からの脱却に向け、「賃金と物価の好循環」が徐々に動き出した1年となりました。

・県内経済

 埼玉県経済については、国内経済同様に雇用者所得の改善から、個人消費は緩やかに持ち直しました。こうした中、県内企業においては、小売、飲食等を中心にサービス消費の回復などもあり、業績が着実に改善した一方、製造業では、海外需要減速の影響を受けるなど、業種により濃淡がみられました。

・金融情勢

 日経平均株価は、年度初めに39,803円で始まった後、円安による企業の収益拡大期待などを反映して、7月には史上最高値(42,224円)を更新しました。その後、米国の貿易・経済政策の不透明感や地政学リスクの高まりなどから、年度末は35,617円となり、変動幅が大きい1年となりました。

 こうしたなか、日本銀行は、2024年3月のマイナス金利政策の解除に続き、政策金利を段階的に引上げ、本格的に「金利のある世界」へと転じました。

(業務運営)

・中期経営計画 MCP 1/3への取組み

 当期は、2023年に策定した長期ビジョン「MCP(Musashino mirai-Creation Plan)~多彩な価値を結集し、地域No.1のソリューションで埼玉の未来を切り拓く~」を実現するべく、2023年4月よりスタートした中期経営計画「MCP 1/3」の2年目として様々な施策を展開しました。

・施策推進

 お客さまに寄り添った活動を強化し、お客さま満足と付加価値向上を図るため、本部営業部門を「法人」「個人」という「お客さま起点」の組織に再編し、経営課題解決に資する伴走支援やお客さま一人ひとりのライフプランをサポートする総合的な提案の強化に努めました。

 法人のお客さまに対しましては、1社1社にしっかりと寄り添い、資金繰り支援はもとより、事業承継やM&A、人材紹介やビジネスマッチング等、金融・非金融の両面からお客さまのニーズに合わせた最適なコンサルティングを実践し、お客さまの課題解決支援に取組んでおります。

 お客さまのデジタル化を通じて生産性向上を支援する「むさしのICTコンサルティング」の取扱いを開始したほか、脱炭素に向けた取組みをサポートするGHG算定ツール「C-checker」を導入いたしました。

 このほか、エネルギー、原材料価格等の高騰に対しましては、埼玉県の「価格転嫁サポーター制度」に協力し、約1,200名の役職員が価格転嫁に関する情報提供やアドバイスを行う価格転嫁サポーターに登録し、適正な価格への見直しをサポートしております。

 個人のお客さまに対しましては、長期安定的な資産形成や高齢化の進展などに伴う相続、資産承継などの課題解決に努めております。

 「貯蓄から資産運用」への高まりを受けて、商品ラインナップを拡充した他、資産運用フェア等、各種セミナーを開催し、お客さまへのタイムリーな情報提供に取組んでおります。

 資産活用においては、環境配慮への関心の高まりを受け、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様のアパート・マンションを対象にしたローン商品を導入いたしました。

 また、住宅ローンにつきましては、ご夫婦などが、個々の名義で借入が可能な「ペアローン」に対し、万一の際に住宅ローンが完済となる「連生がん団信」の取扱いを開始しました。

 このほか、信託や保険商品等を活用し、お客さまの相続関連ニーズにもきめ細かな対応を行っております。

 店舗関連につきましては、7月に都心南部の拠点として千葉銀行との共同拠点である浜松町オフィスを浜松町支店へ支店昇格し、100店舗体制となりました。また、シンガポール駐在員事務所を2025年1月にリニューアル移転し、お客さまの海外事業の支援に努めております。

 

・地域活性化への取組み

 シティプロモーションや産業振興等を通じ、地域活性化への取組みに注力しております。

 地域の魅力発信に向けては、本店ビル内の地域創生スペースM's SQUAREにて、各自治体の観光スポットや特産品等を紹介するPR展を積極的に実施しております。

 また、66年ぶりに埼玉県で開催された「第75回全国植樹祭」の機運醸成のため、小鹿野町等と連携し同町産ヒノキの端材を活用した「森のタンブラー」を商品開発しました。

 スポーツ振興を通じた地域活性化に向け、12月に、女子バレーボールチーム「埼玉上尾メディックス」とスポンサー契約を締結し、活動をサポートしております。

 これらに加え、埼玉県内の各自治体や地元企業、大学と連携し、空き家や少子化といった課題の解決に取組んでおります。

・デジタルトランスフォーメーション(DX)への取組み

 DXへの取組みを重要な経営課題と捉え、お客さま向けサービスや行内業務のデジタル化に取組んでおります。

 武蔵野銀行アプリの機能拡充として、非対面での投資信託及びNISA口座開設機能を追加したほか、購入、解約の注文や投信積立の申し込み、運用状況の照会等の機能を追加するなど、一層の利便性向上に努めております。

 また、2024年11月に行内コミュニケーション基盤をマイクロソフト365に全面刷新し、お客さま接点・サービスの向上や行内の生産性向上に取組んでおります。

 その他、お客さまのデジタル化ニーズに的確に応えるべく、国家資格であるITパスポートは約1,200名の役職員が取得しているほか、上位資格である応用情報技術者等の保有者も拡大しております。

・人的資本経営について

 人材育成の高度化と全ての従業員が活躍できる職場環境の整備など人的資本経営の実践に注力しております。

 従業員一人ひとりが自律的にキャリア形成を実践し、積極的にチャレンジしていく企業風土の創出を目指し、2024年7月に人事制度の全面改正を実施いたしました。従業員自身が仕事での経験やスキルを活かし自己実現を目指せる環境の整備を進め、従業員の意欲的なチャレンジを支援するなど、エンゲージメントの向上による活力ある組織を目指しております。

 また、お客さまの多様化するニーズにお応えすべく、従業員の自己啓発への支援も強化しております。資格取得や維持にかかる費用を補助する制度の充実により、持続的に能力向上に取組むことができる環境の構築を目指しております。

 さらに、新たな発想で仕事に取組む企業文化の創出に向け、全従業員参加型ビジネスアイデアコンテスト「みらいのたまご」を開催しております。

・サステナビリティへの取組み

 持続可能な地域経済、社会の実現に向けてサステナビリティ経営を実践しております。

 脱炭素に向けては、「むさしの優良企業サステナブルファンド」などの融資商品やコンサルティングサービスを通じ、地域の脱炭素促進に向けた取組みに努めております。また、本店及び事務センターの全電力を再生可能エネルギーへ切替えを実施したほか、EV車の導入や店舗のLED化に取組んでおります。

 地域の自然保護に向けては、公益財団法人埼玉県生態系保護協会と「生物多様性に関する包括連携協定」を締結し、ネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を食い止め回復軌道に乗せること)の実現に向け取組んでおります。

 また、地域の皆さまの金融リテラシーの向上に向けては、従来から行っております小中高生向け金融経済教育、社会人向けセミナーのほか、J-FLEC(金融経済教育推進機構)を積極的に活用した取組みも開始しております。

・アライアンス戦略

 当行は、千葉銀行との包括提携「千葉・武蔵野アライアンス」、全国各地の金融機関による広域連携「TSUBASAアライアンス」を活用し、様々な施策を展開しております。

 千葉・武蔵野アライアンスでは、スマートフォンアプリの共同開発、相続関連業務への取組み、シンガポール駐在員事務所などの共同拠点による協業などに取組んでおります。また、TSUBASAアライアンスにおいても、マネーロンダリングへの取組みを拡充したほか、海外分野での連携やアライアンス行相互による人材交流など、幅広い領域で連携し施策を実施しました。

 引続き、アライアンスを最大限に活用し、地域のお客さまに新たな価値を提供できるよう努めてまいります。

 

このような活動により、当連結会計年度につきましては、次のような成果を収めることができました。

 

(経営成績等)

・財政状態

 当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比709億円増加し5兆4,749億円、純資産は、前連結会計年度末比61億円減少し2,679億円となりました。

 主要な勘定残高は、預金が地域に密着した営業基盤の拡充や総合取引の推進等に努めました結果、前連結会計年度末比911億円増加し5兆646億円、貸出金は県内企業及び個人のお客さまの資金繰り支援に積極的かつ迅速にお応えした結果、前連結会計年度末比1,182億円増加し4兆1,132億円、有価証券は前連結会計年度末比96億円増加し1兆553億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

総資産

54,040

54,749

709

純資産

2,741

2,679

△61

預金

49,734

50,646

911

貸出金

39,950

41,132

1,182

有価証券

10,457

10,553

96

 

・経営成績

 当連結会計年度の連結粗利益は、資金利益が貸出金利息や有価証券利息配当金を主因に増加したこと、役務取引等利益が法人・個人関連ともに増加したこと等により前連結会計年度比19億50百万円増加し523億32百万円となりました。

 経常利益は、株式関係損益の改善や退職給付費用の減少などもあり、前連結会計年度比18億39百万円増加し181億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比18億82百万円増加し131億46百万円となりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

連結粗利益

50,382

52,332

1,950

 

資金利益

42,310

44,992

2,682

役務取引等利益

10,585

11,527

942

その他業務利益

△2,512

△4,188

△1,675

営業経費(△)

36,278

35,779

△498

株式関係損益

1,090

1,318

227

与信関係費用(△)

382

1,418

1,035

その他

1,450

1,648

198

経常利益

16,261

18,100

1,839

特別損益

△29

△18

10

税金等調整前当期純利益

16,231

18,081

1,849

法人税等合計(△)

4,962

4,926

△35

当期純利益

11,269

13,155

1,885

非支配株主に帰属する当期純利益(△)

5

8

2

親会社株主に帰属する当期純利益

11,264

13,146

1,882

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、以下のとおりです。

 (単体ベースの計数を記載しております。)

指標等

当事業年度実績

(前事業年度比)

認識及び分析・検討内容

預金等残高

5兆936億円

(+658億円)

地域に密着した営業基盤の拡充や総合取引の推進等に努めました結果、順調に増加いたしました。

貸出金残高

4兆1,264億円

(+1,197億円)

地元企業を中心とした継続的な本業支援及び個人のお客さまのお借入ニーズに積極的にお応えしましたことから順調に増加いたしました。

当期純利益

127億円

(+20億円)

資金利益及び役務取引等利益が増加したことなどから

前事業年度比増加となりました。

 

・セグメントごとの認識及び分析・検討内容

 「銀行業」において、経常収益が前連結会計年度比30億5百万円増加し715億40百万円、セグメント利益が前連結会計年度比19億36百万円増加し171億27百万円、「リース業」において、経常収益が前連結会計年度比14百万円増加し113億13百万円、セグメント利益が前連結会計年度比1億2百万円増加し3億99百万円、「信用保証業」において、経常収益が前連結会計年度比1億92百万円減少し13億48百万円、セグメント利益が前連結会計年度比1億98百万円減少し12億11百万円となりました。

 また、「その他」において、経常収益が前連結会計年度比10百万円増加し24億34百万円、セグメント利益が前連結会計年度比29百万円減少し4億21百万円となりました。

 大宗を占める「銀行業」では、預金・貸出金業務や有価証券業務の本業が順調に推移したことに加え、法人・個人関連などの役務取引等利益も堅調に推移した結果、経常収益は前連結会計年度比増加となりました。セグメント利益は株式関係損益の改善や退職給付費用の減少などもあり、前連結会計年度比増加となりました。

 「リース業」では、お客さまの多様化する課題に対する解決策の1つとしてリースを活用していただくべく、銀行業における営業部門との連携強化を図り、お客さまへの多角的な提案活動を進めてまいりました結果、経常収益及びセグメント利益とも前連結会計年度比増加となりました。

 「信用保証業」では、住宅取得ニーズが旺盛な県南地域を中心とした住宅ローンの保証業務のほか、お客さまのライフスタイルに合わせた様々なローンの保証、あるいは地元資産家のアパート・マンションローンご利用の際の保証業務に注力したものの、経常収益及びセグメント利益とも前連結会計年度比減少となりました。

 「その他」は、上記以外の銀行付随業務であり、お客さまの課題解決のために当行グループが総力を挙げて支援するための機能を有しており、それぞれが連携を図りながら業務を進めた結果、経常収益は前連結会計年度比増加となったものの、セグメント利益は前連結会計年度比減少となりました。

 

・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

営業活動によるキャッシュ・フロー

 預金等の増加(664億20百万円)、貸出金の増加(1,182億75百万円)等により、全体で283億3百万円の資金減少(前連結会計年度比13億72百万円増加)となりました。

 資金調達の要である個人・法人預金が一段と増加した一方、運用の大部分を占める貸出金が県内企業及び個人のお客さまの資金ニーズに積極的にお応えし増加したこと等から全体で資金減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フロー

 有価証券の運用増加(純額344億1百万円)を主因に、全体で375億68百万円の資金減少(前連結会計年度比1,819億13百万円増加)となりました。

 有価証券償還資金の再投資等について市場動向を勘案し効率的な運用に努めた結果、運用残高が増加したこと等から資金減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フロー

 配当金の支払(38億11百万円)等により、全体で38億9百万円の資金減少(前連結会計年度比3億82百万円増加)となりました。

 株主さまへの安定的な配当金の支払を主因に資金減少となりました。

 これらの結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物」残高は、前連結会計年度末比696億81百万円減少し全体で1,606億17百万円となりました。

 

・資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当行グループは、銀行業を中核事業として主に貸出金業務、有価証券投資業務等を営んでおりますが、その資金は埼玉県を中心とした地域のお客さまからお預りした預金を基に運用しております。資金の流動性については、毎月1回開催する「ALMにかかる経営会議」において適切に管理しております。

 当行グループの設備投資の資金源は自己資金であります。主な設備投資の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。

 

・重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

 この連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは貸倒引当金でありますが、その内容については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

 (参考)

 ①国内・国際業務部門別収支

 資金運用収支は、国内業務部門が410億9百万円、国際業務部門が50億37百万円、合計で449億93百万円となりました。

 信託報酬は14百万円となりました。

 役務取引等収支は、国内業務部門が114億71百万円、国際業務部門が38百万円、合計で115億13百万円となりました。

 その他業務収支は、国内業務部門が△1億71百万円、国際業務部門が△40億15百万円、合計で△41億88百万円となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

40,195

3,200

1,085

42,310

当連結会計年度

41,009

5,037

1,053

44,993

うち資金運用収益

前連結会計年度

40,792

7,283

1,132

11

46,932

当連結会計年度

44,928

8,467

1,135

73

52,187

うち資金調達費用

前連結会計年度

597

4,082

46

11

4,621

当連結会計年度

3,919

3,429

82

73

7,193

信託報酬

前連結会計年度

25

25

当連結会計年度

14

14

役務取引等収支

前連結会計年度

10,521

36

△1

10,560

当連結会計年度

11,471

38

△3

11,513

うち役務取引等収益

前連結会計年度

14,763

71

432

14,401

当連結会計年度

15,946

78

414

15,610

うち役務取引等費用

前連結会計年度

4,241

34

434

3,841

当連結会計年度

4,474

40

417

4,097

その他業務収支

前連結会計年度

531

△3,043

0

△2,512

当連結会計年度

△171

△4,015

0

△4,188

うちその他業務収益

前連結会計年度

5,471

0

5,470

当連結会計年度

1,540

160

0

1,700

うちその他業務費用

前連結会計年度

4,939

3,043

7,983

当連結会計年度

1,711

4,176

5,888

(注)1 国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用、前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円を控除して表示しております。

3 資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

4 国内・国際業務部門別収支の相殺消去額は、当行と連結子会社間及び連結子会社間の内部取引により相殺消去した金額であります。

 

 (参考)

 ②国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

 資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門が5兆389億円、国際業務部門が2,300億円、合計で5兆744億円となりました。資金運用利息は、国内業務部門が449億円、国際業務部門が84億円、合計で521億円となりました。また、資金運用利回りは、合計で1.02%となりました。

 資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門が5兆1,085億円、国際業務部門が2,298億円、合計で5兆1,493億円となりました。資金調達利息は、国内業務部門が39億円、国際業務部門が34億円、合計で71億円となりました。また、資金調達利回りは、合計で0.13%となりました。

 

 国内業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(127,255)

(11)

0.82

4,921,869

40,792

当連結会計年度

(163,112)

(73)

0.89

5,038,945

44,928

うち貸出金

前連結会計年度

3,864,565

33,188

0.85

当連結会計年度

3,950,342

36,090

0.91

うち商品有価証券

前連結会計年度

65

0

0.35

当連結会計年度

12

0

0.55

うち有価証券

前連結会計年度

804,475

7,219

0.89

当連結会計年度

893,267

8,276

0.92

うちコールローン

及び買入手形

前連結会計年度

110,286

△5

△0.00

当連結会計年度

17,821

22

0.12

うち預け金

前連結会計年度

13,615

0

0.00

当連結会計年度

13,290

6

0.04

資金調達勘定

前連結会計年度

5,052,026

597

0.01

当連結会計年度

5,108,592

3,919

0.07

うち預金

前連結会計年度

4,898,735

157

0.00

当連結会計年度

4,966,843

2,974

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

25,721

2

0.01

当連結会計年度

33,845

16

0.04

うちコールマネー

及び売渡手形

前連結会計年度

15,000

△2

△0.01

当連結会計年度

11,484

10

0.08

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

67,085

6

0.01

当連結会計年度

58,873

58

0.09

うち借用金

前連結会計年度

37,023

84

0.22

当連結会計年度

25,122

143

0.56

(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高、前連結会計年度273,481百万円、当連結会計年度212,742百万円を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高、前連結会計年度1,499百万円、当連結会計年度1,499百万円及び利息、前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円を、それぞれ控除して表示しております。

3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門との間の資金貸借の平均残高及び利息(内書)であります。

 

 国際業務部門

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

202,727

7,283

3.59

当連結会計年度

230,080

8,467

3.68

うち貸出金

前連結会計年度

55,077

3,687

6.69

当連結会計年度

62,425

3,923

6.28

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

139,817

3,575

2.55

当連結会計年度

157,352

4,522

2.87

うちコールローン

及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

(127,255)

(11)

2.01

202,319

4,082

当連結会計年度

(163,112)

(73)

1.49

229,811

3,429

うち預金

前連結会計年度

12,581

455

3.61

当連結会計年度

12,349

451

3.65

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー

及び売渡手形

前連結会計年度

47,728

2,773

5.81

当連結会計年度

45,200

2,442

5.40

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

14,532

841

5.79

当連結会計年度

8,902

462

5.20

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

(注)1 平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。

2 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高、前連結会計年度155百万円、当連結会計年度154百万円を控除して表示しております。

3 ( )内は、国内業務部門と国際業務部門との間の資金貸借の平均残高及び利息(内書)であります。

4 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

 

 合計

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り(%)

小計

相殺消去額

(△)

合計

小計

相殺消去額

(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

4,997,341

31,415

4,965,926

48,064

1,132

46,932

0.94

当連結会計年度

5,105,913

31,458

5,074,455

53,323

1,135

52,187

1.02

うち貸出金

前連結会計年度

3,919,643

11,542

3,908,100

36,876

46

36,830

0.94

当連結会計年度

4,012,767

11,933

4,000,833

40,014

76

39,938

0.99

うち商品有価証券

前連結会計年度

65

65

0

0

0.35

当連結会計年度

12

12

0

0

0.55

うち有価証券

前連結会計年度

944,293

6,317

937,976

10,794

1,085

9,708

1.03

当連結会計年度

1,050,620

6,317

1,044,302

12,798

1,053

11,745

1.12

うちコールローン

及び買入手形

前連結会計年度

110,286

110,286

△5

△5

△0.00

当連結会計年度

17,821

17,821

22

22

0.12

うち預け金

前連結会計年度

13,615

13,555

59

0

0

0

0.00

当連結会計年度

13,290

13,206

84

6

6

0

0.00

資金調達勘定

前連結会計年度

5,127,089

25,651

5,101,438

4,667

46

4,621

0.09

当連結会計年度

5,175,292

25,930

5,149,361

7,276

82

7,193

0.13

うち預金

前連結会計年度

4,911,317

4,109

4,907,207

612

0

612

0.01

当連結会計年度

4,979,192

3,997

4,975,195

3,425

1

3,423

0.06

うち譲渡性預金

前連結会計年度

25,721

10,000

15,721

2

0

2

0.01

当連結会計年度

33,845

10,000

23,845

16

4

11

0.04

うちコールマネー

及び売渡手形

前連結会計年度

62,728

62,728

2,771

2,771

4.41

当連結会計年度

56,685

56,685

2,452

2,452

4.32

うち債券貸借取引受入担保金

前連結会計年度

81,618

81,618

848

848

1.03

当連結会計年度

67,775

67,775

521

521

0.76

うち借用金

前連結会計年度

37,023

11,542

25,480

84

46

38

0.15

当連結会計年度

25,122

11,933

13,189

143

76

66

0.50

(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、月末毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2 資金運用勘定・調達勘定の平均残高及び利息の相殺消去額は、当行と連結子会社間の内部取引により相殺消去した金額であります。

3 資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高、前連結会計年度273,636百万円、当連結会計年度212,896百万円を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高、前連結会計年度1,499百万円、当連結会計年度1,499百万円及び利息、前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円を、それぞれ控除して表示しております。

4 国内業務部門と国際業務部門との間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 (参考)

 ③国内・国際業務部門別役務取引の状況

 役務取引等収益は、国内業務部門が159億46百万円、国際業務部門が78百万円、合計で156億10百万円となりました。

 役務取引等費用は、国内業務部門が44億74百万円、国際業務部門が40百万円、合計で40億97百万円となりました。

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

14,763

71

432

14,401

当連結会計年度

15,946

78

414

15,610

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

6,914

0

6,914

当連結会計年度

8,072

0

8,072

うち為替業務

前連結会計年度

1,691

66

1,757

当連結会計年度

1,712

71

1,783

うち信託関連業務

前連結会計年度

267

267

当連結会計年度

250

250

うち証券関連業務

前連結会計年度

1,928

1,928

当連結会計年度

2,151

2,151

うち代理業務

前連結会計年度

2,474

2,474

当連結会計年度

2,320

2,320

うち保護預り・

貸金庫業務

前連結会計年度

242

242

当連結会計年度

242

242

うち保証業務

前連結会計年度

1,244

4

432

816

当連結会計年度

1,197

7

414

790

役務取引等費用

前連結会計年度

4,241

34

434

3,841

当連結会計年度

4,474

40

417

4,097

うち為替業務

前連結会計年度

223

34

257

当連結会計年度

238

40

278

(注) 役務取引等収益・費用における相殺消去額は、当行と連結子会社間及び連結子会社間の内部取引により、相殺消去した金額であります。

 

 (参考)

 ④国内・国際業務部門別預金残高の状況

 預金の種類別残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

4,966,179

12,040

4,737

4,973,482

当連結会計年度

5,056,424

12,424

4,214

5,064,633

うち流動性預金

前連結会計年度

3,662,222

4,592

3,657,630

当連結会計年度

3,766,809

4,069

3,762,739

うち定期性預金

前連結会計年度

1,293,239

145

1,293,094

当連結会計年度

1,260,562

145

1,260,417

うちその他

前連結会計年度

10,717

12,040

22,758

当連結会計年度

29,052

12,424

41,476

譲渡性預金

前連結会計年度

49,500

10,000

39,500

当連結会計年度

24,770

10,000

14,770

総合計

前連結会計年度

5,015,679

12,040

14,737

5,012,982

当連結会計年度

5,081,194

12,424

14,214

5,079,403

(注)1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

2 定期性預金=定期預金+定期積金

3 預金及び譲渡性預金の相殺消去額は、当行と連結子会社間の内部取引により相殺消去した金額であります。

 

 (参考)

 ⑤国内貸出金残高の状況

 業種別貸出状況(末残・構成比)

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

3,995,006

100.00

4,113,281

100.00

製造業

362,023

9.06

378,460

9.20

農業,林業

3,985

0.10

3,768

0.09

漁業

13

0.00

9

0.00

鉱業,採石業,砂利採取業

1,059

0.03

1,147

0.03

建設業

206,564

5.17

217,808

5.30

電気・ガス・熱供給・水道業

46,818

1.17

50,860

1.24

情報通信業

13,796

0.35

12,533

0.30

運輸業,郵便業

164,593

4.12

164,467

4.00

卸売業,小売業

294,389

7.37

305,881

7.44

金融業,保険業

169,880

4.25

163,694

3.98

不動産業,物品賃貸業

1,048,580

26.25

1,078,178

26.21

各種サービス業

352,595

8.83

361,184

8.78

地方公共団体

200,576

5.02

201,915

4.91

その他

1,130,133

28.28

1,173,376

28.52

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

 合計

3,995,006

4,113,281

(注) 「国内」とは、当行及び連結子会社であります。

 

 外国政府等向け債権残高(国別)

 該当事項はありません。

 

 (参考)

 ⑥国内・国際業務部門別有価証券の状況

 有価証券残高(末残)

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

307,544

307,544

当連結会計年度

322,811

322,811

地方債

前連結会計年度

252,140

252,140

当連結会計年度

236,973

236,973

社債

前連結会計年度

191,670

191,670

当連結会計年度

190,133

190,133

株式

前連結会計年度

66,603

6,317

60,286

当連結会計年度

69,593

6,317

63,275

その他の証券

前連結会計年度

86,501

147,599

234,101

当連結会計年度

98,589

143,573

242,162

合計

前連結会計年度

904,460

147,599

6,317

1,045,742

当連結会計年度

918,101

143,573

6,317

1,055,356

(注)1 「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。

2 国内・国際業務部門別有価証券の状況の相殺消去額は、当行と連結子会社間及び連結子会社間の内部取引により相殺消去した金額であります。

 

(参考)

「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

 連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1行であります。

① 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)

資産

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

銀行勘定貸

8,063

100.00

7,893

100.00

合計

8,063

100.00

7,893

100.00

 

負債

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金銭信託

8,063

100.00

7,893

100.00

合計

8,063

100.00

7,893

100.00

(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度(2024年3月31日)及び当連結会計年度(2025年3月31日)のいずれも取扱残高はありません。

 

② 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)

科目

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

金銭信託

(百万円)

貸付信託

(百万円)

合計

(百万円)

銀行勘定貸

8,063

8,063

7,893

7,893

資産計

8,063

8,063

7,893

7,893

元本

8,063

8,063

7,893

7,893

負債計

8,063

8,063

7,893

7,893

 

 

(自己資本比率等の状況)

(参考)

 自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

 なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては標準的計測手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

 

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

2025年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

10.27

13.27

2.連結における自己資本の額

2,270

2,362

3.リスク・アセットの額

22,097

17,796

4.連結総所要自己資本額

883

711

 

単体自己資本比率(国内基準)

 

 

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

2025年3月31日

1.単体自己資本比率(2/3)

9.83

12.64

2.単体における自己資本の額

2,117

2,209

3.リスク・アセットの額

21,520

17,466

4.単体総所要自己資本額

860

698

 

(資産の査定)

(参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2 危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3 要管理債権

 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4 正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

115

126

危険債権

302

294

要管理債権

286

244

正常債権

39,730

40,971

 

 

 

5 【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 該当事項はありません。