当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当行は、山梨県及び東京地区を主要な営業基盤とする地域金融機関として、預金業務、貸出業務を中心に、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、国債等公共債・投資信託・保険の窓口販売業務及び各種コンサルティング業務などを、グループ会社では、リース業、クレジットカード業等の金融サービスに係る事業を行っており、地域の皆さまに多様な金融商品・サービスを提供しています。
また、地域に根ざし、地域社会の繁栄と経済発展に寄与するとともに、お客さまから信頼していただける健全な経営姿勢を堅持し、経営内容の充実に努めることを経営理念としており、この実現に向けて、当行及びグループ各社は、多様化・高度化する地域の金融ニーズに的確かつ迅速にお応えすべく、総力を結集しさまざまな施策に取り組んでおります。
(2) 経営環境
山梨県においては、中部横断自動車道の山梨・静岡間全線開通から間もなく2年が経過します。また、今後はリニア中央新幹線の開業が予定されていることから、交通インフラの整備・拡充や関連するインフラ投資などが進んでいるうえ、大型商業施設の出店が計画されるなど、地域経済へのプラス効果が徐々に表れています。
本年5月には新型コロナウイルスの感染症法上の分類が緩和され、社会生活上かつての日常を取り戻しつつある一方、産業界においては、エネルギー高や原材料高によるコスト上昇などにより、厳しい経営環境が継続しています。金融界においても、経済活動活発化によるプラスの影響が期待される反面、異業種からの参入、少子高齢化と人口減少に伴う顧客基盤の縮小など、引き続き厳しい経営環境にあります。
(3) 中期経営計画
当行は2022年4月から中期経営計画「TRANS3 (トランス キューブ)2025」(2022年4月~2025年3月)をスタートさせております。概要は以下のとおりであります。

本計画においては、「OHR(コア業務粗利益経費率)」、「ROE(当期純利益ベース)」の財務指標のKPIとともに、当行自身の持続可能な経営やSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現に向けて、非財務指標をKPIとして掲げております。
具体的には、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進度合いを計るための「管理・監督職に占める女性の比率」、業務の合理化・効率化と人的資本経営の実現に向けた取組みの進捗を計るための「リスキリングによる事務人員の再配置割合」、サステナブル社会、脱炭素社会の実現に向けた取組みの進捗を計るための「サステナブルファイナンス投融資額」、「温室効果ガス(CO2)排出量削減率」を掲げています。
これらのKPI達成を通じて、KGIである「親会社株主に帰属する当期純利益」の達成を目指してまいります。
※1 OHR(コア業務粗利益経費率)=経費(除く臨時処理分)÷(業務粗利益-国債等債券損益)
※2 持続可能な地域社会の実現に資する投融資(環境・教育・創業・事業承継など)
※3 2013年度比。脱炭素社会の実現に向けた取組強化の一環として、目標対象範囲をガソリン使用による排出量を加えたScope1+Scope2とし、また、2025/3目標を「46%削減」から「70%以上削減」に引き上げました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新型コロナウイルス感染症拡大への対応
A お客さまに対する支援等
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響は当面継続しますが、感染症への対応と社会経済活動の両立が進むなか、アフターコロナを見据えた経営改善支援に積極的に取り組んでおります。
引き続き、影響を受けているお客さまへの金融面・非金融面での支援を積極的に行ってまいります。
B 当行財務に対する影響
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
② 中期経営計画
当行が対処すべき喫緊の課題は、地域社会やお客さまの持続的な発展への貢献と、当行自身の持続可能なビジネスモデルの構築です。そのために、引き続き中期経営計画に掲げる「3つのドライバー(AX・DX・SX)と3つの戦略による変革と挑戦」の実現に向けて、なお一層スピード感をもって取り組んでいきます。
<地域やお客さまの課題解決支援>
地域社会やお客さまの持続的な発展に向け、お客さまに寄り添った最適なコンサルティングの提供とさらなる機能強化を図るとともに、創業から再生支援・事業承継など全てのステージに応じたコンサルティングニーズへ対応していきます。
また、当行グループの知見・ネットワークを最大限活用し、ソリューション提供体制や支援メニューを強化・拡充していきます。
今後も地域課題の解決に資するさらなる事業領域の拡大を進め、持続可能なビジネスモデルの構築に取り組んでいきます。
<地域社会および当行グループのDX推進>
社会のデジタル化が急速に進展するなか、DXへの取組みの重要性がなお一層増しています。当行自身のDXへの取組みを通じ、「サービスの変革」「業務の変革」「人財・企業文化の変革」を実現していきます。
また、そうした取組みを通じて得られた技術やノウハウをお客さまへ提供することで、地域全体のデジタル化、DX推進を支援していきます。
<サステナビリティへの取組み>
サステナビリティへの取組みは全ての事業者にとって不可欠なものとなっており、そのうち「脱炭素」に向けた取組みは喫緊の課題となっています。
当行グループはサステナビリティ方針に基づき、「脱炭素社会」の実現に向けた再生可能エネルギーの活用など、CO₂削減の取組みを進めるとともに、そうした対応を通じて得られたノウハウはもとより、気候変動の緩和に資する商品・サービスなども積極的にお客さまに提供していきます。
併せて、お客さまのニーズや課題解決に応えていくため、深い専門知識やノウハウを兼ね備えた人財の育成を図るとともに、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」を推進し、多様性を有する職員がさらに活躍できる職場環境を整えていきます。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
①ガバナンス
当行グループは、気候変動関連への対応を含むSDGs/ESG等のサステナビリティに関する取組みを経営の重要事項として捉えております。
2022年6月には、気候変動関連への対応やSDGs/ESGへの取組みについて本部各部が横断的に議論するため、頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しました。
サステナビリティ委員会は原則として毎月開催し、協議・検討された事項は常務会を経て取締役会へ付議・報告することで、取締役会の監督が適切に図られる体制を構築しています。
■体制図


②戦略
当行グループは、中期経営計画「TRANS3 2025」の変革ドライバーの一つとして「SX」(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を掲げ、持続可能な地域社会の実現や企業価値向上に向けて取り組んでいます。
このような中で、「SX」に関連する取組みを進めるうえで基本となる考え方として、「山梨中央銀行グループサステナビリティ方針」を2022年12月に制定しました。
<山梨中央銀行グループサステナビリティ方針>
私たち山梨中央銀行グループは、経営理念「地域密着と健全経営」のもと、地域の皆さまに総合金融サービスを提供するとともに、人口減少問題や気候変動問題等の地域社会を取り巻くさまざまな課題の解決に誠実に取り組み、中長期的な視点で社会価値・経済価値の向上を目指してまいります。
これらの取組みを通じて、すべてのステークホルダーの皆さまとのより良い信頼関係を構築し、皆さまとともに持続可能な地域社会を実現してまいります。
③リスク管理
当行グループは、サステナビリティ経営の高度化に向けて6つのマテリアリティを特定し、様々な取組みを行っております。
サステナビリティ経営に関する取組み状況については、サステナビリティ委員会で協議・検討した後、常務会、取締役会へ付議・報告することで管理の強化を図っています。
<マテリアリティ>
・豊かな自然環境の維持と将来への継承
・さまざまな連携強化と地域経済の活力向上
・DXの実現と地域社会のデジタル化
・質の高いUI/UXを通じた共通価値の創造
・多様な人財の成長と活躍を支える組織づくり
・コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの強化
④指標及び目標
中期経営計画「TRANS3 2025」においては、「OHR(コア業務粗利益経費率)」、「ROE(当期純利益ベース)」の財務指標のKPIとともに、当行自身の持続可能な経営やSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現に向けて、非財務指標をKPIとして掲げております。具体的なKPIにつきましては、
①ガバナンス
当行では、サステナビリティ経営の実現に向けて、マテリアリティの一つに「豊かな自然環境の維持と将来への継承」を掲げ、気候関連課題への対応に取り組んでいます。
②戦略
■気候関連のリスクと機会
・当行においてのマテリアリティを特定し、その一つとして「気候変動・温暖化」を掲げ、リスクおよび機会の両面から取組みを実施しております。
・気候関連に伴うリスク(移行リスク・物理的リスク)と機会については、短期(3年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、定性的な分析を行っています。
■シナリオ分析
・移行リスク
移行リスクは、炭素排出制限や炭素税引き上げ等、気候関連の規制強化への対応による影響を受けるセクターに対する与信関係費用の増加等を想定しています。なお、対象セクターについては、当行のポートフォリオ構成比(与信額)を参考に選定し、今後分析してまいります。
・物理的リスク
物理的リスクは、当行の事業性与信先を対象に、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6シナリオ(2℃シナリオ)およびRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)のもとで、水害発生による事業性与信先の財務への影響と担保不動産の毀損に起因した与信関係費用の増加に関する分析を実施しました。分析結果は以下のとおりです。
■炭素関連資産
・当行の貸出金に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
2022年9月末基準
③リスク管理
気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクが当行の事業運営や戦略・財務計画に大きな影響を与える重要なリスクと認識しています。今後、当該リスクにかかる影響を把握・分析するとともに、統合リスク管理の枠組みにおいて、気候変動に係る管理体制を整備してまいります。
また、シナリオ分析の物理的リスクの結果等を踏まえ、気候変動への対応や脱炭素社会への移行に向けて、お客さまとの対話を強化し、お客さまの課題やニーズを発掘するとともに、最適なコンサルティングを提供することで、共通価値を創造してまいります。
「山梨中央銀行グループ投融資ポリシー」を制定し、環境・社会に負の影響を与える特定セクターへの投融資を抑制するとともに、環境・社会課題解決に繋がる事業等を積極的に支援することで、お客さまや地域の環境・社会課題解決に取り組んでおります。
④指標と目標
■CO2排出量の削減目標と実績(Scope1、2)
地域の環境課題解決に積極的に取り組むことで、脱炭素社会の実現や社会の持続的発展を加速させるため、2023年4月、当行におけるCO2排出量削減目標を見直し、中期目標を「2024年度までに2013年度比70%以上削減」、長期目標を「2030年度までにカーボンニュートラル」に引上げました。
省エネルギー法の定期報告書における当行の温室効果ガス(CO2)排出量(Scope1、Scope2)にガソリン使用による排出量を加算しています。
CO2排出量の対象範囲:Scope1:直接排出量(重油、ガス、ガソリン等) 、Scope2:間接排出量(電気)
CO2排出量の削減目標と実績(Scope1、2)

■Scope3への対応
カテゴリ15(投融資)は、脱炭素社会の実現に向けて重要な対象であると認識しており、今後は分析を強化していきます。
■サステナブルファイナンス投融資額の目標と実績
持続可能な地域社会の実現に向けて、環境・社会課題等への取組みを加速させるため、定量目標としてサステナブルファイナンス実行額の中長期目標を設定しています。
地域の環境・社会課題等への取組みを加速させるため、2022年7月に「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取り扱いを開始しました。
<サステナブルファイナンス>
持続可能な地域社会の実現に向けた、社会課題や環境課題の解決に繋がる投融資。
<環境ファイナンス>
地球温暖化を抑制するとともに、地域経済への影響を減少させるため、環境負荷低減や気候変動対策を目指す取組みに資する投融資。
<人的資本経営の実現に向けた取組み>
当行グループでは、価値創造プロセスに基づき、特定したマテリアリティ・経営課題に対し、強みを支える最も重要かつ本源的な資本として「人的資本」を捉えており、戦略を着実に遂行していくための3つの変革ドライバー(AX、DX、SX)となりうる高い専門性を持つ多様な人財を採用・育成・活用し、価値創造に繋げていくための経営を実践し、「パーパス」、「well-beingな社会」の実現を目指す取組みを行っています。
「人的資本経営の実現」に向けた今後の取組みと戦略遂行に向けた人財を確保・育成するための「人財育成方針」、「社内環境整備方針」を定めています。
①人財育成方針
「迅速な行動」「周りとの積極的な関与」「新たな分野への挑戦」を全役職員に求める基礎と定義する中、お客さまや地域社会の多様化・高度化するニーズへの対応、特定しているマテリアリティの解決、地域の持続的な成長を支援するための原動力となる専門性の高い人財を、多様な分野において育成します。そのためには、社内外での各種研修、ジョブローテーション、自己研鑽等の機会を積極的に提供し、職員の主体的・自律的な成長支援に取り組んでいきます。
そしてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進により人財・働き方の多様性を確保しながら、パーパスの実現を目指します。
Ⅰ.DX推進人財育成(DX・SX)
当行では中期経営計画「TRANS³2025」の3つの変革ドライバーの1つ「DX」の取組み強化にあたり、行内外のDXを支える人財を育成すべく「DX推進人財育成制度」を制定しています。DX推進人財を「DXプロフェッショナル人財」「DXマネージャー」「DXプランナー」の3つの階層に区分し、それぞれに認定要件を設定し、育成に取り組んでいます。
※DXマネージャー認定者は2022年度末時点で0名ですが、認定者候補となるプログラム受講者は30名です。
Ⅱ.コンサルティング人財育成(AX)
地域経済の活力向上、地域社会の課題解決に資する高い専門性を持つ多様な人財(コンサルティング人財)の育成・活用に取り組んでいます。
高難度資格:中小企業診断士、証券アナリスト、FP1級、宅建士 等
外部出向・派遣実績:地場企業、国内銀行、証券会社、フィンテック企業、不動産会社、自治体 等
外部研修派遣実績:金融経営塾、地銀協講座(法人取引実践講座、個人取引スキルアップ講座)等
Ⅲ.地域活力の向上、豊かな生活づくりの支援(SX)
地域経済の活力向上、地域社会の発展、豊かな生活づくり、SDGs目標の4「質の高い教育をみんなに」を実現するため、総合金融サービスの提供だけではなく、金融リテラシーの向上を目的とした取組みを強化しています。
※「金融教育実施回数・受講者数」には学校等での教育実施のほか、資産運用セミナー等も含んでおります。
②社内環境整備方針
地域の企業・産業の発展を支え、地域を活性化し、well-beingな社会の実現に向け、多様な人財が持つ能力を最大限発揮でき、働きがいを実感できる組織づくり、仕事と家庭・生活の充実を感じることのできる仕組みづくりを目指した職場環境整備を進めていきます。
また、人権や多様性を尊重し、すべての人々が個性と能力を発揮できる活力ある組織の構築を実現していきます。
Ⅰ.個人の成長に向けた取組み(AX・SX)
当行は、お客さまへ様々なサービスや価値を提供できる人財の育成に注力するとともに、働く役職員がやりがいや働きがいを感じながらキャリアプランの実現を目指すために様々な経験・体験をする機会を提供しています。
※申請者数と利用者数の差異は募集定員を上回る申請があったことによるものです。
ポストチャレンジ:本部部署等への異動に係る公募を拡大し、職員の自発的なキャリア実現を支援する取組み
サイドジョブ:プロジェクトへの参加による自身の知見の組織運営への反映と自己成長につなげる取組み
ジョブトライアル:本部業務の経験による能力開発とキャリアアップを図る取組み
副業内容:データ分析、花火大会運営、セミナー講師等
Ⅱ.多様な働き方に向けた取組み(AX・SX)
当行では、仕事と家庭の両立支援への取組みの一環としてテレワーク制度やフレックス制度の導入、休暇制度を拡充し多様な働き方を促進しています。
また、育児休業者の復職支援や復帰後支援策として育児短時間勤務制度も拡充しています。
Ⅲ.コンプライアンスへの取組み(SX)
当行グループの価値創造プロセスのマテリアリティの1つとしてコンプライアンスの強化を特定しております。すべての取組みの基本・最重要課題として毎年、「コンプライアンス・プログラム」を策定し、職場内研修や階層別の集合研修を実施しています。
Ⅳ.エンゲージメント向上(SX)
従業員の資産形成の支援、モチベーション、エンゲージメント向上を目的に従業員持株会のインセンティブの見直しおよび拡充を図り、ステークホルダーである従業員への価値提供を行っています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1) 信用リスク
当行グループでは、債務者ごとの個別管理と、与信資産全体の評価をふまえたポートフォリオ管理によって、信用リスクを管理しております。また、格付別・業種別の与信限度額を設定することで与信集中の回避を図るとともに与信先の現況および融資方針について、定期的あるいは随時検証を行っております。信用リスク量については、四半期ごと計測を行い、その結果をALM委員会等へ報告し、信用リスクの抑制に努めておりますが、以下のリスク事象が顕在化する可能性があります。
① 不良債権等の増加
景気動向等により取引先の財務内容等が悪化した場合、当行グループの不良債権及び与信関係費用が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 貸倒引当金の増加
当行グループでは、取引先の状況や担保価値等に基づいて貸倒引当金を計上しています。取引先の業況の悪化や担保価値の下落等により、貸倒引当金が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸出先への対応による貸倒引当金等費用の増加
取引先に債務不履行等が生じた場合であっても、回収の効率・実効性等の観点から当行グループの債権者としての権利を行使しない場合や、取引先への支援のために債権放棄等を実行する場合があり、結果として貸倒引当金等の費用が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 市場リスク
当行グループでは、市場取引の運営方針、運用計画ならびに過去の運用実績や経営指標等をふまえた上で、原則半期ごとに運用限度枠の策定・見直しを行っております。また有価証券取引の公正・妥当な時価評価と、リスク量の計測、損益の算定を定期的に実施しております。市場リスクの状況については、ALM委員会等へ報告し、市場リスクの抑制に努めておりますが、以下のリスク事象が顕在化する可能性があります。
① 金利リスク
資産と負債の金利または期間の不一致がある中で金利が変動した場合、収益の低下や損失が発生する可能性があります。
② 価格変動リスク
当行グループが保有する有価証券等の市場価格の変動により、減損や評価損が発生する可能性があります。
③ 為替リスク
外貨建資産と負債について、為替相場の変動により損失が発生する可能性があります。
(3) 流動性リスク
当行グループでは、信用力の向上と預金流出に備えた一定量の流動性資産の保持、および適切な資金繰りを行い、資金繰りの見通しについては、リスク管理委員会等へ報告し、流動性リスクの回避に努めておりますが、当行グループの財務内容の悪化等により、資金繰りに悪影響を来たしたり、短期借入金等の調達コストが増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の混乱等により市場において取引ができない場合や、通常よりも高い金利での調達を余儀なくされる可能性があります。
(4) オペレーショナル・リスク
当行グループでは、業務の見直しや改善および保険の適用などにより、オペレーショナル・リスクの抑止策・軽減策を講じており、損失規模・発生頻度が極めて大きい場合は、当該業務の停止等を検討します。オペレーショナル・リスクの状況については、リスク管理委員会等へ報告し、リスクの抑制に努めておりますが、以下のリスク事象が顕在化する可能性があります。
① 事務リスク
当行グループの役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより、損失が発生する可能性があります。
② システムリスク
コンピュータシステムのダウンまたは誤作動等、コンピュータシステムの不具合や、コンピュータの不正使用、データ改ざん、情報漏洩、サイバー攻撃による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等が発生した場合に、当行グループの信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法務リスク
各種取引において、法令違反や不適切な契約等により損失が発生する可能性があります。
④ 風評リスク
当行グループに対する市場やお客さまの間での否定的な世論が広まることによって、収益や資本、顧客基盤等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人的リスク
労務慣行の問題や職場の安全衛生環境の問題等に関連する訴訟等が発生した場合、当行グループの信用や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有形資産リスク
自然災害、強盗、事故、資産管理の瑕疵等により、建物、車両、備品等の有形資産が損傷した場合、損失が発生する可能性があります。
(5) 自己資本に関するリスク
① 自己資本比率
2023年3月期の連結自己資本比率は10.72%と、国内基準で要求される4%を上回っていますが、同基準を下回った場合には、金融庁から業務の全部または一部停止等を含む様々な命令を受ける可能性があります。
② 繰延税金資産
当行グループでは、将来の課税所得の見積額を限度として、既に支払った税金のうち将来回収が可能と判断した額に係る繰延税金資産を計上していますが、課税制度の変更等により繰延税金資産の回収ができない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) その他のリスク
① 戦略リスク
当行グループは「地域密着と健全経営」という経営理念に基づき、中期経営計画に掲げた各種施策に取り組んでおりますが、営業基盤とする山梨県及び西東京地区における経済情勢の悪化、あるいは他金融機関との競合激化により、戦略が想定した成果を生まない可能性があります。
② 固定資産の減損会計
「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用し、所有する固定資産に損失が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 大規模災害のリスク
東海地震等の大規模な災害で、当行グループの被災による損害のほか、取引先の業績悪化による信用リスクの上昇等を通じて、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 感染症の流行
新型インフルエンザ等感染症が大流行した場合、当行グループ役職員の欠勤の増加等により、業務縮小等の可能性があるほか、経済活動への悪影響による取引先の業績悪化により、信用リスクが増加する等、当行の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、お客さま、役職員、役職員の家族の感染予防と感染拡大の防止を図るとともに、社会機能の維持に必要な銀行業務の継続に努めました。
引き続き感染予防と感染拡大の防止を図っていきます。なお、業績への影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
⑤ 気候変動リスク
気候変動に伴う異常気象や自然災害の発生、脱炭素社会への移行に伴う政策や法規制、市場の変化等は、当行グループの事業の停滞や担保資産の価値毀損のほか、取引先の業績悪化による与信費用の増加など、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 外的要因に起因するリスク
特定の地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張が高まり地政学リスクが顕在化することで、その地域や世界の経済活動が停滞した場合、取引先の業績悪化に伴う信用リスクの増加等により、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当行グループは、報告セグメントが「銀行業」のみであり、セグメント情報の記載を省略しているため、セグメント別の経営成績等の状況の概要は記載しておりません。
① 金融経済環境
2022年度のわが国経済は、中国のゼロコロナ政策およびロシア・ウクライナ情勢の長期化などに起因した原材料や部品・部材の供給制約、資源価格の上昇、円安などの下押し圧力がみられましたが、感染症対策と経済活動の両立が進むなか、緩やかな持ち直し基調で推移しました。しかし、年明け以降は海外経済の減速を受け、輸出や生産が弱含みで推移しました。
山梨県経済は、機械工業が好調を維持し、設備投資も底堅く推移するなど、総じて回復の動きが続きました。秋口以降には、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐなかで、サービス消費を中心とした個人消費や観光関連も持ち直しました。しかし、年明け以降は、海外経済の減速や在庫調整により機械工業で減産の動きが広がったほか、設備投資にも慎重姿勢が窺われるなど、一部に弱い動きがみられました。
金融面では、日米の為替相場は、米国の政策金利上昇などにより急速に円安が進み、秋口には150円台まで下落しましたが、米国の利上げペースが緩やかになるにつれて、円高傾向に転じました。日経平均株価は、振れ幅を伴いつつも堅調に推移しました。国内長期金利は、日本銀行の長期金利の変動幅見直しを受けて、年明けに一時0.5%を上回る水準まで上昇しましたが、その後は再び低水準となりました。
② 事業の経過等
当行は、2022年4月に、山梨を起点に経済的発展を遂げながら、すべての人々が幸福に暮らすことができる「well-being(ウェルビーイング)」な社会の実現を目指し、「山梨から豊かな未来をきりひらく」をパーパス(存在意義)として定めました。
また、本年度は、2022年4月から2025年3月までの3年間を計画期間とする中期経営計画「TRANS3 2025」の初年度にあたり、「3つのドライバー(AX・DX・SX)と3つの戦略による変革と挑戦」の実現に向けて、次のような施策を積極的に展開しました。
<3つの変革ドライバー(戦略遂行のための基盤整備・構築)>
●AX(アライアンス)
2020年10月にスタートした「静岡・山梨アライアンス」は、業務上のノウハウや経営リソースを相互に活用することにより、両行のお客さまや地域社会の持続的な成長の実現に取り組んでいます。法人ファイナンス分野での協働や静銀ティーエム証券との銀証連携、地方創生に向けたお客さま商談会の共同開催など、さまざまな施策を実施し、2023年3月末時点で、両行合算・5年換算ベースで約91億円の提携効果が発現しています。
●DX(デジタル)
デジタル技術の活用を通じた企業変革を促進するため、2022年7月に経済産業省から「DX認定事業者」の認定を受けました。これによりDX推進に向けた課題を明確化し、継続的に取り組んでいくための態勢を整備しました。
また、DX推進人材の育成のため、全職員に「ITパスポート」の取得を推奨したほか、「DX推進人材育成制度」を策定し、各人のスキルに応じた行内認定制度をスタートさせました。
地域企業のDX支援に向けては、NTT東日本グループや山梨県内企業及び教育機関・経済団体とともに「山梨DX推進支援コミュニティ」に参画し、勉強会の開催や相談の受付、ポータルサイト「やまなしDXエンジン」の運営などを行いました。
●SX(サステナビリティ)
持続可能な地域社会の実現と継続的な企業価値向上に向けて、行内の態勢整備を図りました。
サステナビリティ経営について組織横断的に検討するため「サステナビリティ委員会」を設置したほか、経営理念のもとに地域社会のさまざまな課題を解決するための方針・宣言を包括する「山梨中央銀行グループサステナビリティ方針」を制定しました。また、サステナビリティ経営の実現に向けたロードマップ(行程表)を策定し、具体的な施策と取組みのスケジュールを明確化しました。
※AX、DX、SXの「X」は、「Transformation」の略記で、変化・変革を意味します。
<3つの戦略の遂行>
●“事業体積”増加戦略:本業のさらなる磨きあげと新たなビジネスへの挑戦
(コア事業の深化・拡大)
地域戦略を明確化し、コンサルティング・バンクとしての真価を発揮することを通じ、持続可能な収益構造の確立に取り組みました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けているお客さまの支援としては、アフターコロナを見据えた施策の提案などに取り組みました。そのほか、お客さまの財務体質強化と資金繰りの安定化に資する金融面のサポートや「事業再構築補助金」をはじめとする公的支援制度の申請支援などを通じた非金融面のサポートを積極的に展開しました。
山梨県内においては、当行グループの知見・ネットワークを活かし、さまざまなお客さまのライフステージに応じたコンサルティングの提供に努めました。
また、東京地区においては、都心エリアを中心に商流や人脈を活用したトップライン増強に取り組み、多摩エリアにおいては、新規事業先との永続的取引の開拓を進めました。
法人や個人事業主のお客さまに向けては、各地域戦略の下、エネルギーをはじめとする物価高騰、人手不足、事業承継などの各種経営課題に応じたコンサルティングメニューの充実と質的向上に努めました。
<主なコンサルティングメニュー>
創業・起業、事業計画策定、人材紹介、公的支援策活用、SDGs取組み、脱炭素、海外ビジネス展開、事業承継ほか
特に、東京地区においては、新たに都心エリアに設置した「東京推進部」による資産運用などを包括的にサポートするウエルスマネジメント事業や静岡銀行との協働案件の組成などに注力したほか、多摩エリアにおける医療・福祉関連の付加価値の高いコンサルティング営業を展開しました。また、東京地区と山梨県内のお客さまをつなぐビジネスマッチングにも積極的に取り組みました。
個人のお客さまに向けては、資産運用ニーズへの対応として窓口販売商品の拡充や静銀ティーエム証券との銀証連携などにより幅広い資産運用手段をご提案しました。また、資金ニーズへの対応として、住宅ローンの金利引下げプランやカードローンのキャンペーンを実施しました。
(新事業の探索)
地域が抱えるさまざまな課題の解決支援や地域活性化に資する施策の展開を通じた新たなビジネスモデルの確立に取り組みました。
新たに「地方創生推進部」や「DX・イノベーション推進室」を設置し新事業の検討態勢を強化したほか、静岡銀行などへの行員の出向により、スタートアップ企業などに対する目利き能力向上に取り組みました。
創造的な取組みとしては、地域で活動する個人・企業・自治体などの交流を促進し、新たな価値を創出する拠点として「Takeda Street Base(タケダストリートベース)」を開設しました。
また、新たな視点や発想による地域経済活性化を図るため、学校法人帝京大学や明治安田生命保険相互会社との連携協定をはじめとして、産学官金連携に取り組みました。
そのほか「やまなし ふるさと応援プロジェクト」を開始し、地方公共団体との「Win-Win」な関係構築やサステナブルな地域づくりに取り組みました。
さらに、「お客さま起点のサービス」を創出するため、アマゾン・ウェブ・サービスと連携し、新規事業のアイデア創造から開発までを一貫して習得する取組みを実施しました。
●“生産性”倍増戦略:事務ゼロとチャネル改革による飛躍的な生産性向上
(事務ゼロへの挑戦)
シンプル化・集中化・システム化を柱とする営業店事務ゼロ化を通じた生産性の飛躍的向上と人財の創出に取り組みました。
集中化については、「業務集中部」を「ビジネスサポート部」として再編し、融資業務を含むより広範かつ機動的なバックヤードとして位置づけ、営業店事務の移管を進めました。
また、システム化については、「セミセルフ端末」を営業店窓口に導入し、抜本的な業務改革に取り組みました。
加えて、「静岡・山梨アライアンス」を活用した事務共通化・共同化に取り組みました。
こうした取組みを通じて創出可能となった人財については、戦略的な再配置を実施しました。
(次世代チャネル改革)
多様化するお客さまニーズへ対応するとともに、営業戦略を支える各種チャネルの再構築に取り組みました。
デジタルチャネルについては、これからの個人のお客さまのメインチャネルと位置づけ、バンキングアプリ「山梨中銀ダイレクト」の取扱機能やWEB完結取引の拡大により、デジタルチャネルの強化を図るとともに、新たなバンキングアプリ「山梨中銀アプリ」の開発に取り組み、本年4月からサービスを開始しました。
一方、リアルチャネルとしての店舗については、人口動態や取引実態に合わせた効率的な店舗網構築への取組みとして、支店内支店方式などによる店舗網の再編を進めたほか、すべてのローンスクエアをローンと金融商品を取り扱うライフスクエアへ再編し機能強化しました。この結果、期末現在の営業所数は89本・支店(インターネット支店を含む)、10出張所となりました。
●“サステナ”追求戦略:サステナブル経営と地域社会との共生の実現
(人的資本経営の実現)
さまざまな環境変化や変革に対応していくための企業風土の醸成にあたり、その基盤となる人的資本経営の実現に取り組みました。
特に、経営戦略と人事戦略の融合を図り、あるべき人財ポートフォリオ(人的資本の構成)を確立するための人財育成や社内環境の整備に向けた施策を実施しました。
人財育成においては、職員の自主性・自律性の醸成やキャリアの実現などを目的として、行外での副業制度や本部専門部署の業務を経験することができるマイキャリア・コーディネート制度を導入しました。
また、働き方改革を通じた社内環境を整備するため各種制度改定を実施したほか、従業員アンケートの実施結果から課題を特定し、従業員満足度の向上に向けた改善に取り組みました。
(ガバナンスの高度化)
中期経営計画における各種戦略の実現に向けた取組みを進展させるため、なお一層のガバナンス態勢の強化・再構築に取り組みました。
特に、お客さまや地域社会との接点として最も重要となる営業店については、これまでの11ブロック体制から6地区に再編し、経営戦略実現に向けた実効性の向上と迅速な意思決定のための態勢整備を図りました。
6地区にはそれぞれの地区内の営業店を統括する地区本部長を配置し、さまざまな権限を移譲することにより、営業店長から独立した立場で地区ごとの特性や課題に応じたきめ細やかでスピーディーな業務運営を可能としました。
③ 財政状態の状況の概要
当連結会計年度末の財政状態について、預金は、個人・法人預金の増加により、期中に406億円増加し、期末残高は3兆4,999億円となりました。譲渡性預金を含めた総預金は期中に379億円増加し、期末残高は3兆5,476億円となりました。貸出金は、個人・法人向け貸出の増加などにより、期中に2,416億円増加し、期末残高は2兆2,906億円となりました。有価証券は、国債や外国債券の減少などにより、期中に3,207億円減少し、期末残高は1兆938億円となりました。
④ 経営成績の状況の概要
当連結会計年度の経営成績について、資金利益(資金運用収支)は、貸出金利息及び有価証券利息配当金が増加したことなどから、前期比34億87百万円増加しました。役務取引等利益(役務取引等収支)は、保険等の販売による代理業務手数料収入の増加などにより、前期比3億21百万円増加しました。その他業務利益(その他業務収支)は、国債等債券損益の減少などにより、前期比66億85百万円減少しました。営業経費は前期比7億86百万円減少しました。また、与信関係費用は前期比6億26百万円増加しましたが、株式等関係損益は前期比41億74百万円増加しました。以上の結果、経常利益は前期比10億97百万円増加し、77億21百万円となりました。
特別損益は前期比6億11百万円増加し、法人税等合計は前期比9億10百万円増加しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億20百万円増加し、50億61百万円となりました。
⑤ キャッシュ・フローの状況の概要
A 営業活動によるキャッシュ・フロー
預金等が379億円、債券貸借取引受入担保金が642億円増加しましたが、貸出金が2,416億円増加、借用金が1,704億円減少したことなどから、2,938億円のキャッシュアウト(前期は2,679億円のキャッシュイン)となりました。
B 投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得を2,778億円行いましたが、売却・償還が5,830億円あったことなどから、2,975億円のキャッシュイン(前期は1,120億円のキャッシュアウト)となりました。
C 財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払13億円、自己株式の取得10億円などにより、26億円のキャッシュアウト(前期は11億円のキャッシュアウト)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、8,962億円(前期比10億円増加)となりました。
⑥ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当行グループ経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
また、当行グループは、報告セグメントが「銀行業」のみであり、セグメント情報の記載を省略しているため、セグメント別の分析・検討内容は記載しておりません。
① 財政状態
当連結会計年度末の財政状態について、譲渡性預金を含めた総預金は期中に379億円増加、貸出金も期中に2,416億円増加し、いずれも順調に推移しています。有価証券は、国債及び外国債券の売却などにより、期中に3,207億円減少しました。
② 経営成績
当連結会計年度の経営成績について、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億20百万円増加し50億61百万円となりました。国債等債券損益は減少しましたが、貸出金利息の増加、有価証券の利回り上昇による有価証券利息配当金の増加、役務取引等利益の増加などによるものであります。また、当行単体の顧客向けサービス業務利益は13年ぶりに黒字化しました。
マイナス金利政策により低金利環境が続きますが、コンサルティング機能の強化・拡充により、持続可能な収益構造を確立していきます。
有価証券運用についても、厳しい運用環境ではありますが、適切なリスク管理のもとに運用の高度化を図るとともに、ポートフォリオの健全化を進めます。
また、シンプル化・集中化・システム化を柱とする営業店事務ゼロ化に向けた取組みにより、お客さまの利便性向上とともに当行の経営資源の再配分により生産性の向上を図っていきます。
③ 中期経営計画における目標と実績
2022年4月から中期経営計画「TRANS3 (トランス キューブ)2025」(2022年4月~2025年3月)をスタートさせております。中期経営計画における最終年度(2025/3)の目標と当事業年度(2023/3)の実績は以下のとおりであります。
※1 OHR(コア業務粗利益経費率)=経費(除く臨時処理分)÷(業務粗利益-国債等債券損益)
※2 持続可能な地域社会の実現に資する投融資(環境・教育・創業・事業承継など)
※3 2013年度比。脱炭素社会の実現に向けた取組強化の一環として、目標対象範囲をガソリン使用による排出量を加えたScope1+Scope2とし、また、2025/3目標を「46%削減」から「70%以上削減」に引き上げました。
④ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ⑤ キャッシュ・フローの状況の概要」に記載のとおりであります。なお、資本的支出の予定は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金は自己資金を予定しております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の資金運用収支は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加などにより前年比34億87百万円増加し、308億92百万円となりました。役務取引等収支は、保険等の販売による代理業務手数料の増加などにより前年比3億21百万円増加し、85億46百万円となりました。その他業務収支は、国債等債券損益の減少などにより前年比66億85百万円減少し、△111億10百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2 「相殺消去額(△)」は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借取引の利息であります。
3 「資金調達費用」は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金は増加しましたが、有価証券及び預け金の減少などにより前年比188億円減少し、4兆108億円となりました。資金運用勘定利息は、貸出金利息及び有価証券利息配当金の増加などにより前年比45億83百万円増加し、323億58百万円となりました。
資金調達勘定の平均残高は、預金及び債券貸借取引受入担保金の増加などにより前年比1,968億円増加し、4兆4,948億円となりました。資金調達勘定利息は、債券貸借取引支払利息の増加などにより前年比10億95百万円増加し、14億65百万円となりました。
(注) 1 「平均残高」は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の国内連結子会社については、期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内業務部門」は国内店の円建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
3 「資金運用勘定」は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度369,041百万円、当連結会計年度608,177百万円)を、「資金調達勘定」は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度5,000百万円、当連結会計年度7,763百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
(注) 1 「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
3 「資金運用勘定」は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度18百万円、当連結会計年度15百万円)を控除して表示しております。
(注) 1 「相殺消去額」は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
2 「資金運用勘定」は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度369,059百万円、当連結会計年度608,193百万円)を、「資金調達勘定」は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度5,000百万円、当連結会計年度7,763百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
当連結会計年度の役務取引等収益は、保険等の販売による代理業務手数料の増加などにより前年比3億47百万円増加し、109億49百万円となりました。このうち国内業務部門は、前年比3億31百万円増加し108億60百万円、国際業務部門は、前年比16百万円増加し89百万円となりました。
役務取引等費用は前年比26百万円増加し24億3百万円となりました。このうち国内業務部門は前年比37百万円増加し23億50百万円、国際業務部門は前年比11百万円減少し53百万円となりました。
(注) 1 「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額については、該当ありません。
(注) 1 「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
定期性預金=定期預金
3 相殺消去額については、該当ありません。
(注) 「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
該当ありません。
(注) 1 「国内業務部門」は国内店の円建取引、「国際業務部門」は国内店の外貨建取引であります。
ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
3 相殺消去額については、該当ありません。
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
(単位:億円、%)
(単位:億円、%)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
該当ありません。
該当ありません。