本内容には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 経営方針
当行は、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していく姿として、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」を策定しました。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開してまいりました。
・テーマ①「経営の根幹としてのサステナビリティ」
当行は地域社会の持続的な発展に貢献するべく、リーディングバンクとして金融および非金融の両面から地域の社会的課題の解決に取り組んでいます。
金融面の取組みとしましては、「八十二銀行グループ サステナブル投融資方針」を策定し、環境問題や社会課題を解決し持続可能な社会の実現に資するサステナブルファイナンスを2030年度までに累計1.5兆円実行する目標を掲げました。サステナブルファイナンスに関連する新商品では、「SDGsローン」「サステナビリティ・リンク・ローン」「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取扱いを開始したほか、新設子会社である八十二インベストメントとともに「八十二サステナビリティ1号ファンド」を設立しました。また、12月からは運用益の一部を寄付する「SDGs外貨定期預金」の取扱いを開始するなど、お客さまと連携したSDGsに関する取組みを拡大しています。
非金融面の取組みとしましては、当行の創立90周年記念事業として、八十二文化財団と地域に根差した伝統文化、民俗芸能、食文化等の継承活動費を助成する「地域の文化継承活動助成事業」を開始しました。さらに長野県内の棚田保全ボランティア活動も開始し、収穫した棚田米は、こども食堂を運営する団体へ寄贈しました。
脱炭素化の取組みとしましては、9月に環境省の「金融機関向けポートフォリオのカーボン分析パイロットプログラム支援事業」に採択され、お取引先の温室効果ガス排出量を把握する知見の習得に努めました。
6月に新設した企画部[サステナビリティ統括室]を中心とした推進体制の強化を図り、お取引先の脱炭素化支援など持続可能な社会の実現に向けた幅広い活動を引き続き積極的に展開してまいります。
・テーマ②「ライフサポートビジネスの深化」
当行は非金融サービスの充実に加え、金融サービスの高度化・非対面取引の機能拡充によってお客さまの暮らし全般を生涯にわたってサポートできる銀行を目指しています。
非金融サービスの充実につきましては、庭木の剪定や家事代行、ハウスクリーニングなど、お客さまの住まいや暮らしにまつわる幅広いお困りごとを解決する「はちにのライフサポートサービス」の取扱いを開始しました。
金融サービスの高度化につきましては、営業渉外部[信託グループ]を新設し、ご高齢のお客さまの財産管理ニーズや次世代への相続・資産承継ニーズにお応えするため、当行を受託者とした個人向け信託業務を新たに開始しました。また、住宅ローンでは金利上乗せがなく、すべての病気やケガを保障する疾病保障付住宅ローンの商品ラインナップを拡充しました。個人分野の相談機能の強化につきましては、コンサルティング営業の基礎知識となるFP1級およびCFPの資格取得サークルを立ち上げ、職員一人ひとりの自発的な能力伸長を後押ししました。また、専門的な知識・ノウハウを有するファイナンシャルアドバイザーの配置を進め、富裕層向けのコンサルティング体制の充実を図りました。さらに新設子会社「八十二アセットマネジメント」とともに金融サービスのさらなる高度化に挑戦してまいります。
・テーマ③「総合金融サービス・機能の提供」
当行はコンサルティングメニューやグループ機能を拡充することで、事業者さまの企業経営に関する幅広いご相談をワンストップでサポートできる銀行を目指しています。
事業者さまの経営課題解決に向けた取組みとしましては、八十二システム開発と連携した「ITコンサルティング」を開始し、デジタル技術を活用した業務改善やサービス力向上をサポートしています。さらに、職員のITコーディネータ資格の取得をサポートする研修を新設し、お客さまの多種多様なIT化・デジタル化ニーズにお応えできる営業店担当者の育成に取り組みました。また、働き方改革や人材確保に向けた人事制度に関するご相談につきましては、長野経済研究所と連携した「人事コンサルティング」を開始しました。ものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金活用支援では、本部と営業店担当者が一体となり申請手続きをサポートするとともに、ウィズコロナ時代に向けた経営戦略の検討を支援しました。
10月に新設した投資専門子会社「八十二インベストメント」とは総額300億円の新ファンドを設立しました。投資・融資両面からの金融サービスと当行グループが一体となったコンサルティング機能を発揮し、事業者さまの成長を伴走的に応援してまいります。
・テーマ④「業務・組織のデジタル改革」
当行はデジタル技術やデータの活用による業務の効率化や新サービスの開発を通じて、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
6月にはデジタル化施策を通じてお客さまの利便性向上や業務改革を推進する部署としてデジタルトランスフォーメーション部および企画部[デジタル推進グループ]を設置しました。お客さまの利便性向上に向けた取組みとしましては、店頭相談業務でのお待ち時間の短縮を図るため「来店予約システム」の試行を開始しました。融資手続きをホームページ上で完結させる取組みでは「八十二電子契約サービス」を導入したほか、「WEB契約」対象商品を拡充しました。さらに「はちじゅうにビジネスマッチングシステム」を導入し、販路拡大をはじめとする幅広いビジネスニーズにスピーディーにお応えできるよう機能強化も図っています。現在、開発を進めている「Wallet+(ウォレットプラス)」やAIを活用した営業担当者サポートシステムの導入により、革新的なマネーサービスがご提供できるよう取り組んでまいります。
・テーマ⑤「成長とやりがいを支える人事改革」
当行は職員の価値観やライフスタイルの多様化に対応するため、人事制度や働き方の改革を進め、職員一人ひとりが成長とやりがいを実感できる組織を目指しています。
働き方改革やダイバーシティの推進につきましては、6月に人事部[ダイバーシティ推進室]を設置しました。新たに策定した「ダイバーシティ&インクルージョン基本方針」に基づき、性別や年齢に関わらず多様な人材が活躍できる組織風土を醸成し、自由で新しい発想から組織力向上を目指してまいります。また、職員のキャリア形成支援では、人事部[キャリア開発グループ]を設置するとともに、それぞれが描くキャリアプランに応える体制づくりの一環として「プロフェッショナルコース」を導入しました。職員一人ひとりが成長とやりがいを実感でき、お客さまから支持される銀行グループへの成長を目指して、人事改革を進めてまいります。
当行グループは、2021年度から中期で目指す目標として、中期経営目標を設定しております。
目標としている経営指標は次のとおりです。
*1 事業用施設・車両から発生する温室効果ガス(CO2)排出量を、太陽光発電システムや環境配慮型設備の導入
などを通じて、2030年度までに2013年度比60%削減する。
*2 上記の排出量削減の取組みに加えて、2023年度には再生可能エネルギーの活用などにより、ネット・ゼロと
する。
2 経営環境及び対処すべき課題等
コロナ禍も3年目に入り、新しい生活様式や思考が定着しつつあります。DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革に加え、世界規模で広がるSDGsや脱炭素化をはじめとするサステナビリティの取組みは、企業活動における重要テーマとして位置づけられ社会全体が急速に変わろうとしています。
当行はこうした事業環境の変化に対応するとともに、地域社会の発展に貢献し続けられるよう「中期経営ビジョン2021」を策定しました。地域に必要とされる銀行グループであり続けるため経営の根幹にサステナビリティを据え、ビジネスモデルの変革と収益力の強化に取り組んでまいります。
具体的には、ウィズコロナ時代の経営戦略とともにDXや脱炭素化など新しい視点から企業価値向上に取り組まれる事業者さまには、金融サービスのほかにも、ヒト・モノ・情報など企業経営に関わるすべての面で期待にお応えできるよう当行グループの事業領域を広げ、総力を結集しともに活力あふれる地域社会を創ってまいります。
一方、人生100年時代を迎えより一層多様化していくライフプランに関しましては、デジタル技術も積極的に活用し、お客さまの暮らし全般をサポートできる銀行グループへと進化し、生涯にわたって選ばれ続けるよう安心・安全・便利なマネーサービスを提供してまいります。
また、ビジネスモデル変革を担う人材の育成につきましては、大胆な人事制度改革を進めることで一人ひとりの意識や行動の変革を促し、スピード感をもって自ら考え行動できる人材の育成に取り組んでまいります。多様な価値観の職員が存分に活躍できる職場環境を整えることで、魅力あふれる企業グループへと進化してまいります。
伝統的な銀行業務にとどまることなく非金融分野にも事業領域を拡大することで収益力を強化し、創立以来90年ともに歩んできた長野県のリーディングバンクとして、すべての事業活動から地域社会の発展に貢献してまいります。
当行および当行グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当行はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した際の対応に努めてまいります。
なお、本内容には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 信用リスク
(1)不良債権の状況
国内外および県内の景気動向の変動により、取引先の財務内容・経営状況が悪化した場合には、当行の不良債権および与信関係費用が増加し、業績に悪影響を及ぼすとともに、自己資本の減少を招く可能性があります。
(2)貸倒引当金の状況
当行では、貸出先の状況、債権の保全状況および一定期間における予想損失率等に基づき算出した予想損失額に対して貸倒引当金を計上しておりますが、著しい経済状況の悪化や担保価値の下落、その他の予期せざる事象により、予想損失額算出の前提と大幅な乖離が生じた場合は、貸倒引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、業績に悪影響を及ぼすとともに、自己資本の減少を招く可能性があります。
(3)権利行使の困難性
不動産市場における価格の下落または流動性の欠如、有価証券価格の下落などの事情により、担保権を設定した不動産等の想定価格での換金、または貸出先の保有する資産に対する強制執行が事実上できない可能性があります。この場合、与信関係費用が増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。
(4)地域の経済動向に影響を受けるリスク
当行では、総貸出金の約48%が長野県内向けであり、貸出金や信用リスクの増減等は長野県の経済動向に左右される可能性があります。
また、長野県内向け貸出金のうち、中小企業・個人向け貸出比率は、長野県内向け総貸出金の約71%となっており、信用リスクの増減等は、中小企業の業績や個人の家計動向に影響を受ける可能性があります。
これらのリスクへの対応として、取引先との関係強化や途上与信管理を通じて、取引先の実態把握を強化し、実態に応じた適切な格付を付与するように努めております。また、貸倒引当金の算定にあたっては、予想損失率については景気循環サイクルを勘案した長期平均値をベースに足元の状況や将来リスク等を踏まえて決定するなど、経済状況の低下時に対応した十分な貸倒引当金を計上する仕組みとしております。
2 市場リスク
市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し当行が損失を被るリスクであり、以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)金利リスク
当行は、日本国債、米国債等の金利リスクのある債券を保有しており、内外金利が大幅に上昇した場合は評価損が発生し、当行の業績に影響を及ぼすとともに、自己資本比率の低下を招く可能性があります。
(2)価格変動リスク
当行は市場性のある株式を保有しており、大幅な株価下落が生じた場合は減損または評価損が発生し、当行の業績に影響を及ぼすとともに、自己資本比率の低下を招く可能性があります。
(3)為替リスク
当行は、保有する外貨建資産および負債について、為替リスクを回避する目的からヘッジを行っておりますが、適切にヘッジされない場合には、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクへの対応としては、リスクとリターンのバランスを適切に保ち、リスクテイクを適正規模に調整するため、市場環境・経営体力などを勘案し、半期ごとに市場リスク管理方針を定めています。市場リスク管理方針では、取引の種類・取引先ごとに取扱うことのできるリスクの最大量・損失の限度などを定め、この限度の範囲内で業務遂行するほか、リスクの状況を毎日担当役員に報告し、迅速で適切な対応を実践しています。
3 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達のミスマッチや予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)であります。
当行は、特に外貨資金において市場からの調達依存度が高くなっております。内外景気の急激な悪化や金融市場の混乱、当行の業績悪化や格付低下等により、通常より高い金利による調達を余儀なくされたり、調達自体に困難が生じることで、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策としては、市場調達や短期調達への過度の依存を抑制するための管理指標を設定し、先々の市場調達額が過大とならないよう日次で管理しております。また、複数の取引先とコミットメント方式の通貨スワップ契約を締結し、外貨資金調達に困難が生じた場合に備えております。
4 オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、銀行の業務の過程、役職員の活動もしくはコンピュータ・システムが不適切であること、または外生的な事象により損失を被る顕在化したリスクおよび潜在的なリスクであり以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)事務リスク
当行の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被る可能性があります。
(2)システムリスク
コンピューター・システムのダウンまたは誤作動等、コンピューター・システムの不備等に伴う損失、さらにコンピューターが不正に使用されていることにより業務を遂行できない可能性があり、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他オペレーショナル・リスク
ア 法務リスク
取引の法律関係等の不確実性、および法令遵守状況が不十分であることにより損失を被る可能性があります。
イ 人的リスク
人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)・差別的行為(セクシャルハラスメント等)などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜などにより当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 有形資産リスク
災害その他の事象から有形資産が毀損・損害が発生した場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
エ 風評リスク
諸リスクの顕在化および風評・風説の流布等により、当行の社会的または取引市場における評判が低下し、当行の業務運営に支障をきたした場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
オ システミック・リスク
資金決済システム等において、構成員の支払不能が他に波及してシステム全体が混乱し、他の構成員から損失を被る可能性があります。また、金融システム混乱のために負担を余儀なくされる可能性があります。
カ 情報資産リスク
情報管理のための制度やコンピューター・システムが不十分であることから、顧客情報、経営機密情報等の漏えい、紛失、改ざん、不正利用等が発生し、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
キ 交通事故・違反リスク
当行職員を当事者とする交通事故・違反により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ク 対企業犯罪リスク
当行に対する外部の犯罪行為により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
ケ 外部委託リスク
委託・提携業務に関する事故により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
コ 関連会社リスク
関連会社に関する事故により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクへの対応としては、オペレーショナル・リスク顕在化の未然防止並びに影響の極小化を図るため、年度ごとにリスクアセスメントを実施し、本部の業務所管部が、オペレーショナル・リスクの低減活動を実施しています。
5 その他のリスク
その他のリスクとして、次のものがあります。
(1)新型コロナウイルス感染症拡大によりもたらされるリスク
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、取引先の業績悪化、個人あるいは世帯収入の減少など多岐にわたる影響が発生しており、収束までの期間が長期化した場合は、取引先の財務内容・経営状況に更に大きな影響を及ぼすことが予想され、その場合、当行の不良債権および与信関係費用が増加し、業績に悪影響を及ぼすとともに、自己資本の減少を招く可能性があります。また、金融市場が大きく変動した場合は、保有する有価証券の価格が下落し、減損処理等の損失発生により、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。さらに、当行内で感染者が発生した場合、業務継続についても影響を及ぼし、業績に影響を与える可能性があります。
当行は、感染症拡大の影響を受けている取引先に対して、返済条件の見直しや新規資金対応などの資金繰り支援に全力で取り組んでおります。あわせて、業況が悪化した先の経営改善支援や事業継続支援に積極的に取り組んでいくことで、与信関係費用の抑制を図ってまいります。また、金融市場の大きな変動に対しては、取引の種類ごとに損失の限度額を定めるなど、業績への影響を一定程度に留める対応をしております。業務継続につきましても、感染防止対策、感染者発生時の対応を整備することでリスクの軽減を図っております。
(2)地域経済の環境変化によりもたらされるリスク
当行の主要営業基盤である長野県において、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、当行資産の毀損による損害の発生および取引先の業績悪化による信用リスクの上昇など、直接的または間接的に、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)自己資本比率に関するリスク
当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率および単体自己資本比率は「銀行法第14条の2の基準に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準が適用されます。
当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなり、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。
当行の自己資本比率に影響を及ぼす主な要因は以下のとおりです。
・債務者および株式・債券等の発行体の信用力悪化により生じるリスク・アセットおよび期待損失額の増加
・与信関係費用の増加による自己資本の毀損
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・繰延税金資産の計上にかかる制限
・自己資本比率の算定基準等の変更
(4)格付の低下によるリスク
当行は、格付機関より格付を取得しております。今後、当行の収益力・資産の質などの悪化により格付が引下げられた場合、当行の資金調達等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)退職給付費用が増加するリスク
年金資産の運用利回りが低下した場合や予定給付債務計算の前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付費用が増加することにより当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)制度・規制変更に伴うリスク
当行および当行連結子会社は、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って、業務を遂行しております。将来における法律、制度、規制等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行および当行連結子会社の業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)競争に伴うリスク
日本の金融制度は大幅に規制緩和されてきており、競争が一段と激化してきております。その結果、他の金融機関等との競争により想定していた収益が上げられない可能性があります。
(8)当行の事業戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のために様々な事業戦略を実施しておりますが、様々な要因によりこれらの戦略が当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。
これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した際の対応に努めてまいります。
(9)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る制裁等のリスク
当行グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要な課題と位置づけ、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、マネー・ローンダリング等に関する法令等遵守状況が不十分であった場合には、国内外の当局による制裁金等の行政処分、コルレス契約を解除されることによる海外送金業務の停止、社会的信用の失墜などにより、グループ全体の業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動リスク
気候変動リスクは、経済・社会の脱炭素化の進展にともなう「移行リスク」と、温暖化の進行に伴う「物理的リスク」に大別されます。移行リスクでは、脱炭素社会の移行過程における新たな政策・規制の導入、脱炭素化に関する技術的の進歩にともなう既存技術の陳腐化、消費者の嗜好の変化による経済への影響等により、当行および取引先の事業や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。また、物理的リスクでは、気候の変化や自然災害の甚大化により、当行および取引先の事業や財務に悪影響を及ぼしたり、担保資産の価値の棄損等により、当行の与信関係費用が増加する可能性があります。
1 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
連結ベースの経営成績は、経常収益はその他業務収益が増加したものの資金運用収益が減少したことなどから前期比12億5千4百万円減少して1,513億4千9百万円となりました。また、経常費用は、その他業務費用が増加したものの営業経費及び資金調達費用の減少により前期比71億5千4百万円減少して1,133億1百万円となりました。
この結果、経常利益は前期比58億9千9百万円増加して380億4千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比42億8千3百万円増加して266億6千7百万円となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
総資産は期中1兆1,831億円増加して期末残高は13兆3,437億円、負債は期中1兆1,801億円増加して12兆4,310億円、純資産は期中30億円増加して9,126億円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
銀行業
セグメント利益(経常利益)は前期比65億5千1百万円増加して349億2千8百万円となりました。
リース業
セグメント利益(経常利益)は前期比6億5千1百万円増加して20億9千8百万円となりました。
なお、報告セグメントに含まれない「その他」につきましては前期比13億5百万円減少して10億6千万円のセグメント利益(経常利益)となりました。
キャッシュ・フローの概要は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは8,101億円の流入(前期は1兆3,655億円の流入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,993億円の流入(前期は2,644億円の流出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは68億円の流出(前期は72億円の流出)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期中1兆3,026億円増加して4兆250億円となりました。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当行グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、主要な営業基盤地域の人口減少や長期化しているコロナ禍等があります。こうした環境の下、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していく姿として、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」を策定しました。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開してまいりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は266億円と、中期経営目標で目標としている250億円(2025年度)を上回りました。連単倍率は1.19倍となり、引き続き1.25倍以上(2025年度)を目標としてまいります。また、株主の皆さまに対する利益還元策として2022年4月に配当目標(連結配当性向2022年度から2025年度まで毎年度40%以上)を設定いたしました。
当行は、過去の実績や連結財務諸表作成時に入手可能な情報などに基づき、合理的であると考えられる様々な方法により見積りや判断を行い、その結果を連結財務諸表における計上金額の基礎としております。連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対し継続して評価を行っておりますが、前提条件や経営環境などに変化が生じた場合には、見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
経営者が連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営成績
当年度の連結ベースの業績の分析及び検討内容は、以下のとおりであります。
連結粗利益の大半を占める資金利益は、預け金利息収入の増加及び外貨等調達コストの減少を、貸出金利息収入及び有価証券利息配当金の減少が上回ったことにより、対前年度24億5千6百万円減少して684億9千7百万円となりました。役務取引等利益(含む信託報酬)は、対前年度11億9千4百万円増加して164億1千8百万円となりました。その他業務利益は、対前年度2億9千7百万円増加して69億1千3百万円となりました。与信関係費用は、個別貸倒引当金純繰入額が減少したことを主因に対前年度74億4千9百万円減少して19億2千万円となりました。株式等関係損益は、株式等売却益の減少及び株式等売却損の増加を主因に対前年度44億3千3百万円減少して21億9千9百万円となりました。
財政状態
連結ベースの主要勘定の動きは、次のとおりとなりました。
貸出金は、中央政府向け資金の増加を主因として、期中3,901億円増加し期末残高は5兆9,313億円となりました。
有価証券は、国債の減少を主因として、期中5,245億円減少して期末残高は2兆8,016億円となりました。
預金は、主に個人預金及び公金預金を中心に期中3,955億円増加して期末残高は8兆498億円となりました。
当行単体の主要勘定の状況および増減の内容は、次のとおりであります。
貸出金
末残ベースは、対前年度3,865億円増加して5兆9,740億円(年率6.9%)となりました。
平残ベースは、対前年度1,949億円増加して5兆8,112億円(年率3.4%)となりました。
有価証券
末残ベースは、対前年度5,240億円減少して2兆8,098億円(年率△15.7%)となりました。
平残ベースは、対前年度818億円減少して2兆7,084億円(年率△2.9%)となりました。
預金
末残ベースは、対前年度3,958億円増加して8兆666億円(年率5.1%)となりました。
平残ベースは、対前年度4,512億円増加して7兆7,923億円(年率6.1%)となりました。
連結ベースの資産の状況および有価証券評価損益の状況は次のとおりであります。
資産の状況(連結)
部分直接償却は実施しておりません。
金融再生法開示債権及びリスク管理債権
金融再生法開示債権及びリスク管理債権の合計額は対前年度60億7千5百万円増加して1,074億5千7百万円(年率5.9%)となりました。貸出金に占める割合は対前年度0.01ポイント低下して1.78%となりました。
有価証券の評価損益の状況(連結)
有価証券評価損益は、債券及びその他の評価損益の減少により対前年度369億7千2百万円減少して3,864億8千4百万円となりました。
セグメント
セグメントごとの業績の分析・検討内容は次のとおりであります。
銀行業
与信関連費用の減少などにより、セグメント利益(経常利益)は前期比65億5千1百万円増加して349億2千8百万円となりました。
リース業
与信関連費用の減少などにより、セグメント利益(経常利益)は前期比6億5千1百万円増加して20億9千8百万円となりました。
なお、報告セグメントに含まれない「その他」につきましては、証券子会社における特定取引利益の減少などにより前期比13億5百万円減少して10億6千万円のセグメント利益(経常利益)となりました。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
営業活動によるキャッシュ・フローは、債券貸借取引受入担保金の減少及び貸出金の増加による流出を、コールマネー及び借用金並びに預金の増加による流入が上回り8,101億円の流入(前期は1兆3,655億円の流入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出を有価証券の売却及び償還による収入が上回ったことなどから4,993億円の流入(前期は2,644億円の流出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金支払により68億円の流出(前期は72億円の流出)となりました。
以上の結果、期末の現金及び現金同等物の残高は、期中1兆3,026億円増加して4兆250億円となりました。
なお、当連結会計年度末において、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり設備投資を計画しておりますが、投資の財源は自己資金で対応する予定であります。
生産、受注及び販売の状況につきましては銀行業の業務の特殊性から該当する情報がないため記載しておりません。
(参考)
(1) 国内・海外別収支
資金運用収支は、対前年度24億5千6百万円減少して684億9千7百万円となりました。
役務取引等収支は、対前年度11億8千8百万円増加して164億1千万円となりました。
特定取引収支は、対前年度12億9千7百万円減少して20億6千3百万円となりました。
その他業務収支は、対前年度2億9千7百万円増加して69億1千3百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 資金調達費用は金銭の信託見合費用(前連結会計年度20百万円、当連結会計年度13百万円)を控除して表示しております。
3 相殺消去額は、「国内」と「海外」の間の内部取引額を記載しております。
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況
(資金運用勘定)
平均残高は、預け金及び貸出金が増加したことなどにより、全体では対前年度1兆7,843億円増加して12兆4,671億円となりました。
利回りは、有価証券が対前年度0.16ポイント低下したことなどにより、全体では対前年度0.14ポイント低下して0.58%となりました。
(資金調達勘定)
平均残高は、借用金、コールマネー及び売渡手形が増加したことなどにより、全体では対前年度1兆7,499億円増加して12兆1,072億円となりました。
利回りは、全体では対前年度0.03ポイント低下して0.03%となりました。
① 国内
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度26,605百万円、当連結会計年度38,008百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度80,613百万円、当連結会計年度80,028百万円)及び利息(前連結会計年度20百万円、当連結会計年度13百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
② 海外
(注) 「海外」とは、当行の海外店であります。
③ 合計
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 相殺消去額は、「国内」と「海外」の間の内部取引額を記載しております。なお、当該内部取引額は、主として日々の残高に基づき算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度26,605百万円、当連結会計年度38,008百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度80,613百万円、当連結会計年度80,028百万円)及び利息(前連結会計年度20百万円、当連結会計年度13百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
(3) 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益は、対前年度8億2千4百万円増加して220億1千万円となりました。
役務取引等費用は、対前年度3億6千4百万円減少して56億円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(4) 国内・海外別特定取引の状況
① 特定取引収益・費用の内訳
特定取引収益は、対前年度12億9千7百万円減少して20億6千3百万円となりました
(注) 1 内訳科目はそれぞれの収益と費用で相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費用欄に、上回った純額を計上しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産は、対前年度12億1千3百万円増加して133億7千万円となりました。
特定取引負債は、対前年度12億1千2百万円増加して42億7千9百万円となりました。
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(5) 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(6) 国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(7) 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(8) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。
〇 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、取扱残高はありません。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては、基礎的内部格付手法を採用しております。オペレーショナル・リスク相当額の計算については、粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
連結レバレッジ比率(国際統一基準)
単体自己資本比率(国際統一基準)
単体レバレッジ比率(国際統一基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
該当ありません。
該当ありません。