当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
1 経営方針
当行は、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していくために、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」に取り組んでおります。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開しております。
・テーマ①「経営の根幹としてのサステナビリティ」
当行は、お客さま・地域社会の持続的な発展に貢献するべく、長野県のリーディングバンクとして金融および非金融の両面から地域の社会的課題の解決に取り組んでおります。
金融面においては、「八十二銀行グループ サステナブル投融資方針」において、環境問題や社会課題を解決し持続可能な社会の実現に資するサステナブルファイナンスを2030年度までに累計1.5兆円実行する目標を掲げ、サステナビリティ・リンク・ローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンス、八十二サステナビリティ1号ファンドなど多様な資金調達手段を提供するほか、環境省「地域脱炭素融資促進利子補給事業」や東京都「サステナブルファイナンス活性化に向けた連携協定」による補助金支援、2月に取扱いを開始した「SDGs取組支援サービス」の提供なども通じて、お客さまのサステナビリティに関する取組みを後押ししております。
脱炭素化の取組みとしましては、昨年の岩村田支店に続き、富士見・大町・福島の各支店をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)店舗として建替えたほか、これまで6店舗で利用していた「信州Greenでんき」を本店ビル3棟に拡大しました。これにより本店3棟で使用する電力は実質的に再生可能エネルギー100%となり、新たに年間約3,000トンの温室効果ガス(CO2)が削減される見込みです。また、経済産業省「GXリーグ」に参画し、カーボンクレジット取引の知見を高めるとともに、Jクレジット等の活用も含め、地域の皆さまとともに2050年カーボンニュートラルに向けた取組みを進めてまいります。
・テーマ②「ライフサポートビジネスの深化」
当行は金融サービスの高度化に加え、非対面取引の機能拡充・非金融サービスの充実によってお客さまの暮らし全般を生涯にわたってサポートできる銀行を目指しております。
金融サービスの高度化につきましては、お客さま一人ひとりのライフプランに基づいた幅広い保険ニーズにお応えするため、PGフレンドリー・パートナーズ株式会社と提携し、保険会社出資の保険代理店と銀行が共同運営する全国初の保険コンサルティング拠点「はちにの保険プラザ」を8月に開設しました。また、ご高齢のお客さまの財産管理ニーズや次世代への相続・資産承継ニーズにお応えするため、相続に関するご相談の拠点として「はちにの相続コンサルプラザ」を12月に開設しました。また、営業店担当者と営業渉外部「信託グループ」が連携し、個人向け信託業務を通じて、お客さまに寄り添ったご提案を行っております。
非対面取引の機能拡充・非金融サービスの充実につきましては、口座残高やお取引内容の確認、お得なクーポン配信など、さまざまな情報をご提供するスマートフォンアプリ「Wallet+」のサービスを7月に開始しました。日常生活に関するお困りごとを解決する「はちにのライフサポートサービス」もご好評をいただいており、非金融面においても引続きお客さまのお役に立てる取組みを進めてまいります。
・テーマ③「総合金融サービス・機能の提供」
当行はコンサルティングメニューやグループ機能を拡充することで、事業者さまの企業経営に関する幅広いご相談をワンストップでサポートできる銀行を目指しています。
事業者さまの経営課題解決に向けた取組みとしましては、本部専門チームを増員し、事業再構築補助金などの補助金活用サポートのほか、事業承継、M&A、事業再生支援等において、営業店担当者と本部が一体となって、経営戦略の策定段階から積極的にご支援しております。また、株式会社マネーフォワードと提携して「業務デジタル化支援サービス」をご提供し、事業者さまのDX・デジタル化についてもサポートしております。
グループ機能の拡充につきましては、6月に八十二スタッフサービス株式会社において「他業銀行業高度化等会社」の認可を取得し、多様化・高度化が進む地域の人材関連ニーズへの幅広い対応を可能としました。さらに10月には商社事業と電力事業を営む八十二Link Nagano株式会社を設立しました。事業者さまの海外販路開拓支援や、再生可能エネルギーの発電・供給等による脱炭素化支援を行うことにより、事業成長や地域の持続的な発展に貢献してまいります。
・テーマ④「業務・組織のデジタル改革」
当行はデジタル技術やデータ利活用による業務の効率化や新サービスの開発を通じて、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでおります。
お客さまの利便性向上に向けた取組みとしましては、融資手続きをインターネット上で完結させる「八十二電子契約サービス」を全店導入したほか、店頭での待ち時間短縮を図るため「来店予約システム」の運用を開始しました。
データを活用したサービスの高度化としましては、当行の持つ大量の取引データとAI技術を活用し、非対面で融資実行まで完結できるWEB完結型事業資金「はちにのビジネスネットローン」の取扱いを4月に開始しました。引き続きデータやデジタル技術を活用し、適切なタイミングで事業者さまをフォローするための業況変化予測等への活用を進めてまいります。
・テーマ⑤「成長とやりがいを支える人事改革」
当行は、職員一人ひとりが成長とやりがいを実感できる組織を目指し、多様化する職員の価値観やライフスタイルに対応するため、人事制度や働き方の改革を進めております。
当行を取り巻く環境変化やお客さまからの期待に応える付加価値の高い人材を育成するため、7月に複線型コース体系を導入しました。複線型コース体系では、既存の「マネジメントコース」に加え、「プロフェッショナル」「本部スタッフ」「スタンダード」「事務店頭」の5つのコースにより、総合金融サービス業への転換と職員一人ひとりの強みや適性を活かした多様なキャリア形成を支援しております。
また、人間力向上とスキル習得を後押しするため、研修プログラムを更新・拡大するとともに、オンラインでの自己研鑽ツールも充実させ、より自発的に学べる環境を整えました。これらの取組みにより、職員一人ひとりが成長とやりがいを実感でき、お客さまから支持される銀行グループへの成長を目指してまいります。
当行グループは、2021年度から中期で目指す目標として、中期経営目標を設定しております。
目標としている経営指標は次のとおりです。
*1 事業用施設・車両から発生する温室効果ガス(CO2)排出量を、太陽光発電システムや環境配慮型設備の導入
などを通じて、2030年度までに2013年度比60%削減する。
*2 上記の排出量削減の取組みに加えて、2023年度には再生可能エネルギーの活用などにより、ネット・ゼロと
する。
2 経営環境及び対処すべき課題等
3年超に及ぶコロナ禍も、5月8日より感染症法上の位置付けが5類に移行し、これまでの対応に一つの区切りがつけられました。いよいよアフターコロナ・ウィズコロナへとステージは変わりますが、今回のコロナ禍がお客さまや地域経済に与えた傷跡は大きく、コロナ前の状態に再生するためには、多くの壁を乗り越えていかなければなりません。
また一方において、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やカーボンニュートラルに対する対応も待ったなしの状況になってまいりました。
そしてこれらの課題に対し、主体的に役割を果たしていくことが、地域のリーディングバンクである私たち八十二銀行グループの使命だと考え、全力で取り組む所存です。
具体的には、コンサルティングメニューやグループ機能の拡充、デジタル技術を活用したサービスの拡大、他業態との連携等により、当行グループの事業領域・活動領域を広げることで、コロナ禍の影響を受けたお客さまへの多面的な支援を継続し、活力ある地域経済に貢献してまいります。
また、各種情報提供や専門業者の紹介等により、DXやカーボンニュートラルに対する取り組みを支援してまいります。
一方、研修プログラムや自己研鑽ツールの充実化など、役職員一人ひとりの強みや適性を活かしたキャリア形成を支援し、お客さまからの期待に応えることができる、付加価値の高い専門人材の育成を強化するため、積極的な人材投資を行ってまいります。
そして「経営の根幹としてのサステナビリティ」を中心テーマに掲げた「中期経営ビジョン2021」の各施策については、スピード感を持って実施に移すとともに、深度のある対応をより強化してまいります。
当行は本年6月1日をもって長野銀行と経営統合いたしました。今後、両行は早期合併に向け協議・検討を進めてまいりますとともに、統合効果がいち早く実現できるよう相互協力体制をより強化してまいります。
両行がこれまで培ってきたノウハウ、リレーションそして人材を掛け合わせることで、 地域と共に成長できる金融グループへと変革し、お客さま、地域・株主の皆さま、そしてその役割を担う従業員により良い価値を提供してまいります。
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
当行は、地域社会の持続的な発展に貢献するべく、「中期経営ビジョン2021」において、サステナビリティを「経営の根幹」に位置付けています。また、当行が目指すサステナビリティの姿を「サステナビリティの基本的な考え方」としてまとめ、ホームページで開示しております。これからも地域に必要とされる銀行であり続けるために、「環境経営」で培った力を「サステナブル経営」でも発揮し、あらゆる社会的課題を解決できる総合金融グループへと成長してまいります。
2020年、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の最終報告書(TCFD提言)に賛同し、提言に則した開示に取り組んでいます。今後もお客さまとのエンゲージメントを通してサステナビリティに積極的に取り組んでまいります。
(1)ガバナンス
当行は、経営会議の特定目的会議として原則として半期に1回開催される「サステナビリティ会議」を設置し、サステナビリティ全般および全般的調整を必要とする事項について、協議・決定しております。
また、企画部担当役員を委員長、本部部長を委員として随時開催される「サステナビリティ委員会」では、当行のSDGsやESGに関する取組みについて協議し、重要な事項についてはサステナビリティ会議や取締役会に報告しております。
サステナビリティ委員会委員の所属部の担当者および委員会が必要と認める部署の担当者で構成される「サステナビリティ作業部会」は、随時開催し、横断的な情報交換や課題共有により本部各部の連携を強化し、より実効性のある施策を検討したうえで、サステナビリティ委員会に意見具申する役割を担っております。
当行は、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していく姿として、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」を策定しました。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開してまいりました。
ア.気候変動への取組
(ア)リスク
当行は、気候関連リスクとして、脱炭素社会への移行過程において、気候関連の政策強化等の影響を受けるお客さまに対する信用リスクが増加する可能性の移行リスクと、気候変動に起因する自然災害によって、お客さまの事業停滞に伴う業績悪化や担保価値の毀損等により信用リスクが増加する可能性の物理的リスクの2つを認識しております。2021年度は、以下のシナリオ分析を行い、与信コストへの影響を分析しました。
a.移行リスク
2℃シナリオを基に、炭素税が導入された場合の与信先(ポートフォリオ)の状況等を分析し、当行財務への影響度(2050年までの累計値)を算定しました。対象先は「エネルギー」および「自動車・運輸」の2セクターに該当する与信先とし、結果、与信費用増加は2050年までに累計で約60億円の見込みとなりました。
b.物理的リスク
4℃シナリオを基に、長野県内全域にて2050年までに想定される大規模水害による与信先(ポートフォリオ)への影響を分析し、当行財務への影響度を算定しました。分析については、「担保毀損」「売上減少」の2点からアプローチし、結果、与信費用増加は2050年までに累計で約60億円の見込みとなりました。
(イ)機会
気候変動関連の機会としては、再生可能エネルギー事業へのファイナンスやお客さまの脱炭素社会への移行を支援するコンサルティング提供等のビジネス機会の増加を想定しております。また、企業としての適切な取組みと開示による社会的な評価向上を想定しております。
イ.人的資本、多様性への取組
(ア)中期経営ビジョン2021 ~成長とやりがいを支える人事改革~
当行は、「中期経営ビジョン2021」を通じ、お客さま対応をご相談や課題解決によるリレーション重視へと変えていくことや、職員の価値観やライフスタイルの多様化に対応するため、人事改革に取り組んでおります。人事制度や働き方の改革により、職員一人ひとりの能力発揮を支援することで、企業価値と人的資本価値の向上に努めてまいります。
(イ)人材の多様性の確保に関する方針
ダイバーシティ&インクルージョン推進を経営課題のひとつと捉え、性別・年齢・仕事の経験、さらには価値観などの「多様性」を尊重し、それを「組織の力」にすることを基本的な考え方としております。
多様な持ち味のある職員一人ひとりがお互いを認め合い高め合うことにより、全員の力でお客さまと地域に貢献するために、「ダイバーシティ&インクルージョン基本方針」を策定し、様々な取組みを推進しております。
◆ 八十二銀行グループ ダイバーシティ&インクルージョン基本方針
(ウ)人材育成方針
経営理念実現のため、人材育成においては「お客さま・地域社会の課題解決に当事者意識を持ち伴走できる人材を育成するとともに、多様な人材が彩り豊かな発想を生かし、能力を最大限発揮できる環境整備と組織風土の醸成を進めていく」との考え方のもと、各種施策を実施しております。
能力伸長支援については、高度化・多様化するお客さまニーズや環境変化に対応すべく、幅広いマネジメントスキルや分野別の業務知識、汎用的なビジネススキル等の習得を支援しております。また、職員のキャリアビジョン実現や選択したコースの専門性深化に向け自己研鑽ツールを拡大する等、多様な学習を後押しする環境を整備しております。
(エ)社内環境整備に関する体制・方針
多様な人材が意欲や能力を最大限発揮できるように、職場環境整備や福利厚生の充実に力を入れております。
多様性を企業経営に活かす方針のもと、ダイバーシティ推進や働き方改革につきましては人事部ダイバーシティ推進室を、職員のキャリア形成支援では人事部キャリア開発グループをそれぞれ設置し、職員の価値観やライフスタイルの多様化に対応しながら、人事制度や働き方の改革を進めております。
a.健康経営の取組
すべての役職員とその家族の心身の健康保持・増進が役職員の能力を最 大限発揮するために極めて重要との認識のもと、考え方の基本となる「健康経営基本方針」を策定し、各種健康施策に取り組んでおります。
また、ファイナンシャル・ウェルネスに関する取組みの一つとして、新入行員の金融リテラシー向上を目的に、キャリアとライフ・マネーに関する研修を重点的に行っております。
◆ 八十二銀行グループ 健康経営基本方針
b.ファイナンシャル・ウェルネスに関する取組
当行では、給与天引きにより当行の株式を積立購入することができる「八十二銀行職員持株会制度」を整備しております。なお、一定の口数を上限に奨励金を付与しております。
また、ファイナンシャル・ウェルネスに関する取組みの一つとして、新入行員の金融リテラシー向上を目的に、キャリアとライフ・マネーに関する研修を重点的に行っております。
(3)リスク管理
当行は、異常気象・自然災害の増加や、気候変動対応への遅れが経営に重要な影響を与えるリスクであると認識し、気候関連リスク(移行リスク・物理的リスク)のシナリオ分析を行った上で、信用リスク等の管理の枠組みで対応しております。
また、「八十二銀行グループ サステナブル投融資方針」を定め、環境・社会・経済にポジティブな影響を与える事業に対しては積極的に投融資していくとともに、環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定セクターへの投融資に関しては、本方針に適切に対応することで、環境・社会への影響を低減・回避するよう努めております。
(4)指標及び目標
ア.気候変動への取組
(ア)サステナブルファイナンスの目標と実績
環境問題や社会課題を解決し、持続可能な社会の実現に資するサステナブルファイナンスを2021年度から2030年度までの10年間で、累計1.5兆円(うち環境分野で1兆円)実行する目標を掲げております。2022年度までの累計実行額は4,109億円となりました。
(注)サステナブルファイナンスは、環境・医療・福祉・教育・創業・事業承継などに対する投融資と定義しております。
(イ)温室効果ガス排出量の削減目標と実績
温室効果ガス削減目標として「①2023年度までにネット・ゼロ」、「②2030年度までに2013年度比60%削減」を掲げております(スコープ1・2)。2021年度は8,810t-CO2となり、2013年度比39.8%の削減となりました。CO2フリー電力の活用や空調の電気化、新店舗のZEB化などに取り組み、温室効果ガス排出量の削減を更に進めてまいります。
(ウ)温室効果ガス排出量の状況
当行は、2014年度よりスコープ3カテゴリー14までのサプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量の把握に取組んでまいりましたが、2021年度からはスコープ3カテゴリー15投資についても算定に取り組んでおります。今後も算定対象範囲の拡大や排出量把握の精緻化に努めてまいります。
温室効果ガス排出量(2021年度) (単位:t-CO2)
(注)スコープ3の算定方法、排出係数等は「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer2.4(環境省 経済産業省 2022年3月)」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.2(環境省 経済産業省 2022年3月)」より使用(スコープ3カテゴリー8・9・10・11・12・13・14は算定による数値がゼロ)。
本排出量についてはLRQA Limitedによる第三者検証を受けています。
なお、2021年度の当行グループ全体の温室効果ガス排出量(スコープ1・2)の算定結果は、9,256t-CO2となりました。今後、グループ全体のスコープ3の把握を検討してまいります。
(エ)スコープ3カテゴリー15の分析結果
投融資を通じた間接的な温室効果ガス排出量は、金融機関におけるスコープ3(サプライチェーンにおけるCO2排出量)の中でも大きな割合を占めるため、2021年度よりPCAFスタンダードの計測手法を参考に当行の国内事業法人向け融資について算定しました。
スコープ3カテゴリー15の計測項目は投融資ポートフォリオの温室効果ガスの排出量が対象となりますが、今回は国内事業法人向け融資のみを算定対象としました。今後、算定可能な範囲を順次拡大してまいります。
なお、温室効果ガス排出量の算定方法については、国際的な基準の明確に対する議論が進む中で、将来変更される可能性があります。算定概要は以下のとおりであります。
当行融資先をTCFDの14業種に分類した業種別排出量 (2021年度)
(注)1 業種別炭素強度の算定式
炭素強度=Σ[融資先毎の炭素強度]/融資先数
2 排出量の算定式
排出量=Σ[融資先毎の炭素強度×融資先売上高×当行融資の寄与度]
3 時点
融資残高:2022年3月末時点
融資先売上高等財務指標:算定を行った2022年3月末時点で当行の保有する各融資先の最新決算情報
イ.人的資本、多様性への取組
上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び行内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
(ア)多様性確保の目標と実績(単体)
男女の固定的な役割分担意識を解消し、誰もがあらゆるステージで能力発揮ができるように、キャリア形成支援や全職員を対象とした柔軟な働き方の促進等の取組みを進めております。
(注)1 管理職とは、「課長級」および「課長級より上位の役職(役員を除く)」にある従業員の合計で算出しております。
2 指導的地位とは、「主査(係長級)」および管理職にある従業員の合計で算出しております。
(イ)健康経営に関する目標と実績(単体)
重点健康課題を「疾病の早期発見と生活習慣病の予防」「メンタルヘルスケア」「働きやすい環境の整備」と捉え、以下の通り健康経営に関する数値目標を設定しております。
(注)速報値
当行および当行グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当行はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した際の対応に努めてまいります。
なお、本内容には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 信用リスク
2 市場リスク
市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し当行が損失を被るリスクであり、以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
3 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と市場の混乱等により市場において取引ができない、あるいは通常よりも著しく不利な条件での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)であります。
4 オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、銀行の業務の過程、役職員の活動もしくはコンピュータ・システムが不適切であること、または外生的な事象により損失を被る顕在化したリスクおよび潜在的なリスクであり以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
5 その他のリスク
その他のリスクとして、次のものがあります。
1 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
連結ベースの経営成績は、経常収益はその他業務収益及び資金運用収益の増加を主因として前期比508億7千9百万円増加して2,022億2千8百万円となりました。また、経常費用は、その他業務費用及び資金調達費用の増加を主因として前期比540億3千3百万円増加して1,673億3千5百万円となりました。
この結果、経常利益は前期比31億5千4百万円減少して348億9千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比25億3千2百万円減少して241億3千5百万円となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
総資産は期中3,799億円減少して期末残高は12兆9,637億円、負債は期中3,832億円減少して12兆478億円、純資産は期中32億円増加して9,159億円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
銀行業
セグメント利益(経常利益)は前期比20億3百万円減少して329億2千4百万円となりました。
リース業
セグメント利益(経常利益)は前期比9千3百万円増加して21億9千1百万円となりました。
なお、報告セグメントに含まれない「その他」につきましては前期比11億9千7百万円減少して1億3千7百万円のセグメント損失(経常損失)となりました。
キャッシュ・フローの概要は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは5,884億円の流出(前期は8,101億円の流入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは1,633億円の流入(前期は4,993億円の流入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは198億円の流出(前期は68億円の流出)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期中4,449億円減少して3兆5,801億円となりました。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当行グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、主要な営業基盤地域の人口減少や長期化しているコロナ禍等があります。こうした環境の下、お客さまニーズや社会環境の変化にあわせてビジネスモデルを変革していくため、中期経営ビジョン2021「『金融×非金融×リレーション』でお客さまと地域を支援する」に取り組んでいます。5つのテーマ「経営の根幹としてのサステナビリティ」「ライフサポートビジネスの深化」「総合金融サービス・機能の提供」「業務・組織のデジタル改革」「成長とやりがいを支える人事改革」の実現を目指すとともに、経営理念で掲げる地域社会の発展に貢献するため、幅広い活動を展開してまいりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は241億円、連単倍率は1.11倍、連結配当性向は40.0%となりました。また、温室効果ガス(CO2)排出量は2013年度比44.9%削減しております(速報値)。引き続き中期経営目標達成に向けて取り組んでまいります。
経営成績
当年度の連結ベースの業績の分析及び検討内容は、以下のとおりであります。
連結粗利益の大半を占める資金利益は、外貨等調達コストの増加を、貸出金利息収入及び有価証券利息配当金の増加が上回ったことにより、対前年度42億3千9百万円増加して727億3千7百万円となりました。役務取引等利益(含む信託報酬)は、対前年度7億9千3百万円増加して172億1千1百万円となりました。その他業務利益は、対前年度62億6千6百万円減少して6億4千7百万円となりました。与信関係費用は、一般貸倒引当金繰入額が増加したことを主因に対前年度23億1百万円増加して42億2千2百万円となりました。株式等関係損益は、株式等売却益の増加により対前年度65億8百万円増加して87億8百万円となりました。
財政状態
連結ベースの主要勘定の動きは、次のとおりとなりました。
貸出金は、長野県外の法人事業者向け資金の増加を主因として、期中1,818億円増加し期末残高は6兆1,131億円となりました。
有価証券は、国債の減少を主因として、期中1,249億円減少して期末残高は2兆6,766億円となりました。
預金は、金融機関預金が減少したものの個人預金及び法人預金が増加したことから期中1,181億円増加して期末残高は8兆1,680億円となりました。
当行単体の主要勘定の状況および増減の内容は、次のとおりであります。
貸出金
末残ベースは、対前年度1,820億円増加して6兆1,561億円(年率3.0%)となりました。
平残ベースは、対前年度2,809億円増加して6兆921億円(年率4.8%)となりました。
有価証券
末残ベースは、対前年度1,242億円減少して2兆6,855億円(年率△4.4%)となりました。
平残ベースは、対前年度4,844億円減少して2兆2,240億円(年率△17.8%)となりました。
預金
末残ベースは、対前年度1,197億円増加して8兆1,864億円(年率1.4%)となりました。
平残ベースは、対前年度3,039億円増加して8兆963億円(年率3.9%)となりました。
連結ベースの資産の状況および有価証券評価損益の状況は次のとおりであります。
資産の状況(連結)
部分直接償却は実施しておりません。
金融再生法開示債権及びリスク管理債権
金融再生法開示債権及びリスク管理債権の合計額は対前年度11億5千1百万円増加して1,086億9百万円(年率1.0%)となりました。貸出金に占める割合は対前年度0.04ポイント低下して1.74%となりました。
有価証券の評価損益の状況(連結)
有価証券評価損益は、債券及びその他の評価損益の減少により対前年度14億8百万円減少して3,850億7千5百万円となりました。
セグメント
セグメントごとの業績の分析・検討内容は次のとおりであります。
銀行業
その他業務費用の増加などにより、セグメント利益(経常利益)は前期比20億3百万円減少して329億2千4百万円となりました。
リース業
その他業務費用の減少などにより、セグメント利益(経常利益)は前期比9千3百万円増加して21億9千1百万円となりました。
なお、報告セグメントに含まれない「その他」につきましては、証券子会社における特定取引利益の減少などにより前期比11億9千7百万円減少して1億3千7百万円のセグメント損失(経常損失)となりました。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加による流入を、借用金の減少による流出及び貸出金の増加による流出が上回り5,884億円の流出(前期は8,101億円の流入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出を有価証券の売却及び償還による収入が上回ったことなどから1,633億円の流入(前期は4,993億円の流入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の支払により198億円の流出(前期は68億円の流出)となりました。
以上の結果、期末の現金及び現金同等物の残高は、期中4,449億円減少して3兆5,801億円となりました。
なお、当連結会計年度末において、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり設備投資を計画しておりますが、投資の財源は自己資金で対応する予定であります。
生産、受注及び販売の状況につきましては銀行業の業務の特殊性から該当する情報がないため記載しておりません。
(参考)
(1) 国内・海外別収支
資金運用収支は、対前年度42億3千9百万円増加して727億3千7百万円となりました。
役務取引等収支は、対前年度7億9千万円増加して172億円となりました。
特定取引収支は、対前年度11億1百万円減少して9億6千1百万円となりました。
その他業務収支は、対前年度62億6千6百万円減少して6億4千7百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 資金調達費用は金銭の信託見合費用(前連結会計年度13百万円、当連結会計年度15百万円)を控除して表示しております。
3 相殺消去額は、「国内」と「海外」の間の内部取引額を記載しております。
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況
(資金運用勘定)
平均残高は、預け金及び有価証券が減少したことなどにより、全体では対前年度7,999億円減少して11兆6,672億円となりました。
利回りは、有価証券が対前年度0.65ポイント上昇したことなどにより、全体では対前年度0.19ポイント上昇して0.77%となりました。
(資金調達勘定)
平均残高は、コールマネー及び売渡手形、債券貸借取引受入担保金が減少したことなどにより、全体では対前年度7,293億円減少して11兆3,778億円となりました。
利回りは、全体では対前年度0.12ポイント上昇して0.15%となりました。
① 国内
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度38,008百万円、当連結会計年度124,680百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度80,028百万円、当連結会計年度79,423百万円)及び利息(前連結会計年度13百万円、当連結会計年度15百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
② 海外
(注) 「海外」とは、当行の海外店であります。
③ 合計
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 相殺消去額は、「国内」と「海外」の間の内部取引額を記載しております。なお、当該内部取引額は、主として日々の残高に基づき算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度38,008百万円、当連結会計年度124,680百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度80,028百万円、当連結会計年度79,423百万円)及び利息(前連結会計年度13百万円、当連結会計年度 15百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
(3) 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益は、対前年度5億8千1百万円増加して225億9千1百万円となりました。
役務取引等費用は、対前年度2億9百万円減少して53億9千万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(4) 国内・海外別特定取引の状況
① 特定取引収益・費用の内訳
特定取引収益は、対前年度11億1百万円減少して9億6千1百万円となりました
(注) 1 内訳科目はそれぞれの収益と費用で相殺し、収益が上回った場合には収益欄に、費用が上回った場合には費用欄に、上回った純額を計上しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産は、対前年度54億2百万円増加して187億7千3百万円となりました。
特定取引負債は、対前年度23億9千3百万円増加して66億7千2百万円となりました。
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(5) 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
(6) 国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(7) 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び連結子会社であります。
「海外」とは、当行の海外店であります。
2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(8) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社です。
〇 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、取扱残高はありません。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては、基礎的内部格付手法を採用しております。オペレーショナル・リスク相当額の計算については、粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
連結レバレッジ比率(国際統一基準)
単体自己資本比率(国際統一基準)
単体レバレッジ比率(国際統一基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
当行は、2023年1月20日開催の取締役会において、当行を株式交換完全親会社とし、株式会社長野銀行を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、同日、長野銀行との間で株式交換契約書及び経営統合契約書を締結し、2023年6月1日付で株式交換を実施いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当ありません。