第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(経営方針)

(1)経営の基本方針

当行は、「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」を「企業理念」とし、その実現に向けて、社会に対する経営のコミットメントとして「経営理念」を、役職員が日々の活動において大切にする価値観として「行動理念」を掲げております。

当行は、この3つの理念を心の拠り所として、地域のみなさまにご満足いただける商品・サービスの提供に取り組んでおります。

 

〔企業理念〕 「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」

〔経営理念〕 「トライアングル・バランスの実現」

       「職員の満足(働きがい)」「お客さま(地域)のご満足」「株主の方々(投資家のみなさま)

      のご満足」をバランスよく高める経営を実現します

〔行動理念〕 『「誠実」×「情熱」×「行動」』

 

(2)企業統治の基本方針

当行は、企業理念を実現し、そして、株主の方々に当行の株式を安心して保有していただくことを目的として、「コーポレートガバナンスの基本方針」を制定しております。

当行は「指名委員会等設置会社」であり、この基本方針に基づいて、指名委員会等設置会社の特徴である「業務執行と監督の分離によるガバナンス態勢の強化」「業務執行の決定権限の委任による業務執行のスピードアップ」「社外取締役が過半数を占める三委員会の設置による経営の透明性向上(当行では三委員会とも社外取締役が委員長を務めております)」を実現するとともに、経営戦略などの本質的な議論の活性化や、株主のみなさまをはじめとするあらゆるステークホルダーとの対話を深めながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

2022年4月より、グループビジョン『Fプロジェクト Vision 2032 ~私たちは 職員・お客さまの多様なチャレンジに伴走し「地域価値循環モデル」を実現します~』を掲げ、その実現に向けた中長期戦略として、10年間の「長期経営計画」(2022年4月1日~2032年3月31日)及び「中期経営計画Ⅰ」(2022年4月1日~2025年3月31日)を開始しております。

「中期経営計画Ⅰ」では、「Fプロジェクト Vision 2032」の第Ⅰフェーズとしてスタートダッシュを切る3年間と位置づけ、「ウェルビーイング戦術」、「コンサルティング戦術」、「ユーザビリティ戦術」、「ファンダメンタル戦術」、「機能別戦術」に分けて実行しております。さらに、具体的な取組方針として、11のアクションプランを策定しており、アクションプランに紐づいた施策を実行し、「Fプロジェクト Vision 2032」の実現を目指しております。

 


 

(4)KPI及び目標とする経営指標

「中期経営計画Ⅰ」では、KPI(※)及び目標とする経営指標を掲げ、その実現に向け取り組んでおります。本指標を達成し、次代に向けた経営基盤の確保を図ってまいります。

(※)KPI:Key Performance Indicatorの略称。重要業績評価指標のことで、目標の達成に向けた行動・成果を評価するための指標

 

<主なKPI>


注 +△表記はすべて2022年3月末比

※1:2025年3月末時点

※2:2022年4月~2025年3月末の累計

※3:コンサルティング、デジタル及び新規事業分野への人財配置

 

 

<目標とする経営指標>


 

(経営環境及び対処すべき課題)

当行グループを取り巻く環境は、基盤地域の人口減少や国内外の経済・物価・金融政策の動向など、先行きに対する不確実性が高まっております。一方で、経済活動は新型コロナウイルス感染症拡大前の平時に戻りつつあり、福井県では北陸新幹線の敦賀延伸などの交通網の整備によって、地域経済の活性化が期待されております。

2023年度は、これらの経営環境の変化を踏まえつつ、「中期経営計画Ⅰ」の2年目として、さらにスピードをあげて各施策に取り組んでまいります。特に、お客さま支援をより一層強化することにより、持続的かつ活力ある地域の発展に貢献してまいります。

お客さま支援の強化に向けては、デジタル活用による業務改革やチャネルの見直しを進め、ユーザビリティドメインからコンサルティングドメインへ戦略的に人財をさらにシフトし、次の取組みを行ってまいります。

法人のお客さまの事業成長の実現に向けては、コンサルティング人財のさらなる拡充・育成により本業支援を強化し、お客さまとの関係性を深化してまいります。強固な関係性を築くことにより、さらに多くのお客さまの真の経営課題に対して、グループ機能を最大限に活用しスピーディな支援を行ってまいります。

個人のお客さまの資産形成の実現に向けては、野村證券株式会社との包括的業務提携による金融商品仲介業務を開始いたします。福井県内に強固な顧客基盤を有する当行と金融商品取引業務に関する豊富なノウハウや商品ラインナップを有する野村證券株式会社が、双方の強みを最大限に活かすことにより、地域のお客さまに質の高いコンサルティングサービスを提供してまいります。

活力ある地域の実現に向けては、100年に一度のチャンスである北陸新幹線の敦賀延伸の効果を最大限に活かすために、従来から取り組んでいる地域事業者への伴走支援や駅前再開発事業への参画に加えて、観光地域商社「ふくいヒトモノデザイン株式会社」の物販及び観光事業の本格化に取り組んでまいります。

サステナビリティへの取組みとしては、基盤である福井県の地域経済の特徴を踏まえた分析をもとに、脱炭素化などの社会的な要請に対するお客さまのニーズに合わせたサービスを提供できるよう、支援メニューの拡充や支援体制の構築に取り組んでまいります。

以上のとおり、今後もグループビジョン「Fプロジェクト Vision 2032」の実現に向け、グループの総力を結集し、行政などの関係機関とも連携・協調し、地域の活性化の中心的役割を担ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

当行グループは、2021年9月に制定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、持続可能な地域社会の実現に向け、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を定めております。地域社会を取り巻くさまざまな課題の解決のため、グループ内の推進体制の整備や、サステナビリティに関する機会・リスクの分析及び分析をもとにしたお客さま支援のための商品・サービスの拡充などを行っています。

 

 

<重要課題(マテリアリティ)>


〔サステナビリティ全般〕

(1)ガバナンス

当行グループは、サステナビリティへの対応を経営上の重要な課題であると認識しています。サステナビリティに関する課題に対応するため、代表執行役頭取を委員長とし、全執行役を構成員とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。サステナビリティ委員会は原則3か月に1回以上開催し、気候変動や人的資本経営など、サステナビリティに関する重要事項(マテリアリティ)について議論・検討を行い、その結果を経営戦略やリスク管理に反映しています。

また、サステナビリティ委員会の活動内容については、開催の都度取締役会に報告を行い、監督を受ける体制を構築しています。

 

(2)戦略

当行グループは企業理念である「地域産業の育成・発展と地域に暮らす人々の豊かな生活の実現」のため、長期ビジョン及び長期経営計画として「FプロジェクトVision2032」(対象期間:2022年4月~2032年3月)(以下、「長期ビジョン」という。)を定めております。長期ビジョンでは「地域価値循環モデル」の実現のため、職員・お客さま・地域のチャレンジを積極的に支援することを掲げています。

サステナビリティへの対応においても、長期ビジョンにて定める戦略や戦術に基づき、基盤である福井県の特徴を分析し、考慮した上で、さまざまなステークホルダーのニーズに伴走支援を行うための施策の立案と実行を行っています。サステナビリティへの対応に関連する長期ビジョンのチャレンジゴール(職員・お客さま・地域のチャレンジを促進するために掲げる高い目標)は次のとおりです。


長期ビジョンの詳細については当行HPをご参照ください。

URL:https://www.fukuibank.co.jp/fproject/vision/

 

(3)リスク管理

当行グループは、リスク及び機会を識別するために、経営の健全性及び収益の安定性の確保を目的としたリスク管理態勢を整備しております。

具体的には、統合的リスク管理として「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナル・リスク」に分類し評価しております。リスクの統括部署及びリスクカテゴリーごとにリスク管理部署を設置し、管理プロセスを確立させ、継続的かつ効果的なリスク管理を実施しております。

サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の中でも、特に気候変動を含む環境への取組みを経営の重要課題の一つとして認識しております。

 

<投融資方針>

当行グループでは、2023年6月に制定した「Fプロジェクト サステナブル投融資方針」において、地域社会の課題解決に資する事業等に積極的な支援を行うとともに、環境や社会にネガティブな影響を与える可能性のある事業等に対しての取組方針を定め、適切に対応を行っております。

「Fプロジェクト サステナブル投融資方針」については当行HPをご参照ください。

URL:https://www.fukuibank.co.jp/aboutus/sustainability/investment_loan/

 

(4)指標及び目標

当行グループは、上記「(2)戦略」において記載した長期ビジョンにて掲げる職員・お客さま・地域への伴走支援を通して、持続可能な地域社会の実現に貢献するため、以下の指標について目標を設定しております。


※1「Fプロジェクト サステナブル投融資方針」における「積極的に取り組む分野」に該当する投融資

 

〔気候変動に関する取組み〕

2021年9月に賛同した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に基づき、気候変動が事業にもたらす影響を分析しています。

(1)ガバナンス

気候変動に関するガバナンス態勢は、〔サステナビリティ全般〕と同一です。

 

(2)戦略

当行グループでは、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の1つとして「TCFDへの対応」を定め、気候変動に関する機会及びリスクの分析を行っています。

<機会とリスク>


 

 

<シナリオ分析>

①移行リスク

移行リスクについては、気候変動や脱炭素社会への移行による影響が大きいセクターの中から、融資ポートフォリオにおけるリスク重要度評価を行い、分析対象セクターとして「電力」を選定しました。また、地場資本の中小企業が多い福井県経済の特徴を捉え、福井県内の中小企業(※2)も分析対象セクターとして選定しています。以上2つの分析対象セクターに関して、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)のネットゼロ排出シナリオを踏まえた分析を実施し、財務への影響度を算定しています。

(※2)日銀業種分類の定義により「中小企業」に分類される企業


②物理的リスク

物理的リスクについては、異常気象(洪水)の影響による事業性貸出先の営業停止に伴う売上減少や、不動産担保の毀損などが発生した場合の与信関連費用の増加について、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の代表濃度経路シナリオを踏まえた分析を実施し、財務への影響度を算定しています。


 

③炭素関連資産

融資ポートフォリオにおける炭素関連資産(※3)の総貸出金に占める割合は以下のとおりです。


(※3)TCFD提言における炭素関連セクターとして、世界産業分類基準(GICS)の規定する4つのセクターのうち、水道事業・独立系電力事業・再生可能エネルギー発電事業を除く資産

 エネルギーセクター:石油・ガス、石炭、電力

 運輸セクター:空運、海運、陸運、自動車

 素材・建築物セクター:金属・鉱業、化学、建築資材・資本財、不動産管理・開発

 農業・食料・林産品セクター:飲料・食品、農業、製紙・林業

 

(3)リスク管理

当行グループは、気候変動に起因する移行リスク及び物理的リスクをグループ全体の事業・財務内容に影響を与える重要なリスクとして認識しております。シナリオ分析等の実施により当該リスクを識別・評価することで、信用リスク等に与える影響の程度や蓋然性を把握・分析するとともに、統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築に取り組んでいます。

 

(4)指標及び目標

脱炭素社会の実現に向け、CO2排出量(Scope1、2)削減目標を定めています。

今後はサプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)の削減目標の設定についても検討してまいります。

 


 

 Scope3-カテゴリー15投融資(ファイナンスドエミッション)の推計

2022年度よりPCAF(※4)スタンダードの計測手法を参考に、事業性貸出を対象として、TCFDが推奨する世界産業分類基準(GICS)に基づく14業種に分類してファイナンスドエミッションの推計を行っています。

(※4)金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF:Partnership for Carbon Accounting Financials)…金融機関の投融資先の温室効果ガス排出量を整合的に算定するための枠組み


 

〔人的資本経営に関する取組み〕

(1)ガバナンス

人的資本経営に関するガバナンス態勢は、〔サステナビリティ全般〕と同一です。

 

(2)戦略

当行グループは、「銀行及びグループ会社は職員が仕事を通じて成長するステージであり、当行グループの成長は、職員の成長によって決まる」と考えております。

この人的資本経営の考えは、当行グループのサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)の1つとして位置付けており、長期ビジョンにおいても人的資本経営の実現に向けた各種の施策に取り組んでいくこととしております。

当行グループでは、多様な人財が高い目標へのチャレンジを通じて自らの成長を実感し、そしてウェルビーイングを実感することができる企業風土の実現に向けて、以下の人財育成方針と社内環境整備方針を整備し人的資本経営を実践しております。

 

<人財育成方針>

①人事ポリシー

当行グループでは、人事ポリシーとして「厳しさと温かさ」を定めております。「厳しさ」とは、企業理念の実現に向けて当行グループや職員が目指す姿勢や行動のレベル感を表しています。「温かさ」とは、「厳しさ」に沿って取り組む職員を支える組織運営の考え方を表しています。職員の心理的安全性を確保し、また、人財育成も行いながら、職員を組織(チーム)として支えていくことを大切に考えており、この温かさを実感しながら、強い使命感や高い目標を持ち、結果を出そうと取り組むことができる職員を増やしていきたいと考えております。


 

②求める人財像

当行グループは、求める人財像として「謙虚」「自責」「意欲」「執念」「主体」「挑戦」の6つの項目を定めております。これは当行グループの行動理念に掲げております「誠実」「情熱」「行動」の3つの項目をより具体的な行動に落とし込んだものになります。

職員の人事評価ではプロセスを重視しており、プロセス評価は求める人財像に定める行動の有無で判断しております。求める人財像をプロセス評価の判断基準にすることで、当行グループ内に求める人財像を浸透させるとともに、企業理念の実現に向けて行動理念(求める人財像)に従い行動する職員を増やすことを目的としております。


 

③一人ひとりの成長計画

当行グループでは、「一人ひとりの成長計画」を導入しております。「一人ひとりの成長計画」は、職員一人ひとりの中期的な成長計画を策定し、人事部門が各部署と連携して職員の成長をサポートすることで、職員の自己実現及び職員の成長状況を踏まえた人員配置を実現していくことを目的としております。

具体的には、期初に所属長と職員の間で将来のキャリアプラン(実現したい姿)を共有し、それを実現するために「どう成長したいか」「必要な経験をどう積んでいくか」を話し合います。そのうえで所属長は「どのような業務に就かせ、どのように成長させるか」の計画を策定し、職員は研修、検定試験、通信講座等を受講する自己啓発の計画を策定します。その後は、研修等での業務知識習得や日々の業務でのスキル取得、所属長や上長からのOJT、1on1ミーティング等を繰り返し行っていきます。

策定された「一人ひとりの成長計画」は人事部門にも共有され、人事部門のキャリア担当者が所属長や職員と定期的に面談を行い、職員の成長度合いやキャリアプランを確認・把握します。また、それらを踏まえ、人財配置案を組み立てております。

 

④人財育成・研修体系

当行グループでは、職員の各資格に求める役割を定義した役割定義書を制定しております。職員が役割を果たすため、営業店・本部ともに各現場にて、仕事を通じて所属長・先輩が部下・後輩に知識やスキルの伝授を行うOJTを基本としつつ、各種の研修の機会を設けております。研修を現場でのOJTの補完として、「より広い視野」「より深い意義」のある内容で実施することで、受講者の「気付き」「刺激」「職員の位置確認」等に繋げております。

(行内研修)

・ 階層別研修・・・各資格別に、求める役割を果たすための基本的な考え方、行動について集合研修を実施して

 おります。

・ 業務別研修・・・預金・為替、個人コンサルティング、事業性融資、法人コンサルティング、外国為替などの

 各業務について習得度合いに応じて集合研修を実施しております。

(行外研修(外部トレーニーを含む))

・ より専門的な知識やスキルを得ることを目的として、外部団体が主催する研修に職員を派遣しております。ま

 た、外部企業に直接職員を派遣し、外部企業で勤務するトレーニー制度も導入しております。

 

⑤戦略分野への人財配置と計画的育成<中期経営計画Ⅰのアクションプラン>

(戦略分野への人財配置)

Fプロジェクトの本部機能統合や店舗数の削減により捻出した人員を、戦略分野にシフトします。


(※5) 人員捻出数と人員配置数の差(140名)は自然減

 

(戦略分野における人財の専門スキル向上に向けた取組み)

・ コンサルティング人財・・・お客さま・地域のニーズが多いコンサルティング分野に対して、外部トレーニー

 等を通じてコンサルティング人財を育成しております。

・ デジタル人財・・・3階層(全役職員:ITリテラシーの向上、プロモーター層:デジタルの利活用スキル・推

 進力の向上、スペシャリスト層:デジタルの専門スキル・課題解決力の向上)でデジタル人財を育成しておりま

 す。

 

(能動的に学び、自らキャリア形成できる環境の整備)

能動的に学び、自らキャリア形成できる環境を整えることで、組織全体の人財の能力向上に取り組んでおります。

・ e-ラーニングシステムの新規導入

・ 社内公募制度の拡充

・ 多様な応募型研修の実施 等

 

<社内環境整備方針>

①ウェルビーイングの実現のための取組み

当行グループでは、長期ビジョンのチャレンジゴールの1つとして「ウェルビーイングを実感する職員比率100%」を掲げ、「地域価値循環モデル」の実現のために企業の資本である役職員の満足度を高める施策を実施しております。

長期ビジョンでは、ウェルビーイング実現のためのキーファクターを「理念・方針」、「組織・風土」、「環境・処遇」、「意欲・成長」の4つに分類し、年1回実施する「ウェルビーイング調査」の結果分析をもとに各キーファクターに紐づく施策の立案・実施を行っております。


②ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進のための取組み

当行グループでは、2022年10月に「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」を定め、グループ全体でのダイバーシティ&インクルージョン実現に向けた取組みを行っています。

「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」では、長期ビジョンに合わせた10年間のロードマップを作成し、10年を「意識醸成期」「風土定着期」「進化・変革期」に分け、それぞれのフェーズに合わせた施策の立案・実施とKPIの策定による進捗管理を行っております。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取組みについては当行HPをご参照ください。

URL:https://fukuibank.co.jp/aboutus/social/diversity_inclusion/


 


 

(3)リスク管理

人的資本経営に関するリスク管理は、〔サステナビリティ全般〕と同一です。

 

(4)指標及び目標

当行グループでは、上記「(2)戦略」において記載した人財育成方針及び社内環境整備方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。

 


 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) 信用リスク

① 不良債権の状況

 当行グループの不良債権及び与信関係費用は、景気の動向、当行グループの融資先の経営状況、不動産価格の変動等によっては増加する可能性があり、この結果、当行グループの業績等に影響を及ぼし、自己資本を減少させる可能性があります。

② 貸倒引当金の状況

 当行グループは、貸出先の状況、担保の処分可能見込額、及び保証による回収可能見込額に関する前提、見積りに基づき、一定の方法により貸倒引当金を計上しております。実際に貸倒れとなった場合に、貸倒引当金計上時点における前提や見積りと大きく乖離すると、貸倒引当金が不十分となり、貸倒引当金の積増し、あるいは多額の償却をせざるを得なくなる可能性があります。また、経済状態全般の悪化に起因する担保価値の下落、あるいはその他の事由により、貸倒引当金の積増しが必要となる可能性があります。この結果、当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 貸出先の状況の変化

 当行グループの貸出先の一部には、法的整理手続き、あるいは任意整理により再建を行っている企業もあります。当行グループの事業基盤とする地域の景気回復が遅れる場合、あるいは、こうした企業に対する他の債権者からの支援が打ち切られ、又は縮小した場合には、これらの企業の再建が奏功せず、新たな倒産が発生する可能性があります。この結果、当行グループの与信関係費用が発生したり、不良債権が増加する可能性があります。

④ 貸出先への権利行使の困難性

 当行グループは、貸出先に貸倒れや債務不履行が発生した場合において、貸出金の回収の効率・実効性の観点から、あるいは地域金融機関として企業の再建可能性を見極める観点から、当行グループが債権者として有する法的な権利のすべてを必ずしも直ちに実行できない可能性があります。また、有価証券市場や不動産売買市場における流動性の欠如、又は価格の大幅な下落等の事情により、担保権を設定した有価証券や不動産を換金し、又は貸出先の有するこれらの資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。

⑤ 他の要因の影響

 貸出先が、法令等遵守に違反し社会的信頼を失墜した場合等、通常の想定外の事由により借入債務等の返済能力に問題が生じる可能性があります。この結果、当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、信用リスクは業務運営において不可避のリスクであり、かつ迅速な対応が必要であることを十分認識した上で、信用リスクをコントロールできる態勢を築くことを目指しております。

 とりわけ、与信集中リスクについては、信用リスクの集中を回避し、バランスのとれた与信ポートフォリオを構築するため、「与信集中リスク管理基準」を制定し、与信集中リスクの把握・改善に取り組んでおります。

 また、信用供与にかかるリスクを客観的かつ計量的に把握するため、「信用リスク計測基準」を制定し「信用リスクの計量化」に取り組んでおります。

 なお、計測した信用リスク量については信用格付別・業種別・地域別などの信用リスクの状況を評価・分析するとともに、「リスク資本制度」のもとでリスク量による量的な管理、コントロールを行っております。

 

(2) 市場リスク

 当行グループは、債券、株式、投資信託、デリバティブ等の金融商品に対する市場業務を行っております。かかる業務は、金利、株価、為替等の変動リスクに晒されていることから、当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。たとえば、内外の金利が上昇した場合には、保有する国債等の価値が下落することによって想定以上の評価損や売却損が生じる可能性があります。また、極めて著しく株価が下落した場合には、保有する株式に評価損または減損が発生する可能性があります。

 なお、各国の中央銀行の金融政策の変更による国内外の金利の低下等に伴い、当行グループが保有する国債等の金融商品の再投資利回りが低下することによって当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、市場リスク管理をALM(資産・負債の総合的管理)の一環として位置付け、自己資本、収益力、預貸動向や有価証券保有状況等を踏まえたうえで、リスクとリターンのバランスを適切に保つことを方針としております。

 具体的には、預金、貸出金、有価証券等の資産・負債について銀行勘定の金利リスクに基づき、金利リスク量をコントロールしております。市場投資部門における市場リスクについては、半期毎に「経営会議」において「有価証券運用計画」を審議したうえで、ポジション枠や損失限度を設定することで市場リスク量を一定の範囲内にコントロールしております。

 また、市場関連取引の相互牽制のために、市場リスクの管理部署(ミドル・オフィス)は、フロント・オフィス、バック・オフィスとは組織的に分離し、日次でリスクの状況をモニタリングしております。

 

(3) 流動性リスク

 当行グループの業績や財務状況の悪化、格付機関による当行の格付の引き下げ、金融市場環境の悪化等が発生した場合には、通常より著しく不利な条件による資金調達を余儀なくされたり、一定の取引を行うことができなくなることにより資金調達が制限される可能性があります。特に外貨調達においては、調達コスト増加の恐れがあります。この結果、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、組織的に独立したフロント・オフィス、バック・オフィス、ミドル・オフィスを設置することで、相互牽制を図りながら資金繰りリスクの管理を行っております。

 具体的には、資金繰りの状況に応じて、「平常時」「懸念時」「危機時」の区分を設定し、それぞれの区分に応じた管理手法、報告体制、決裁方法を整備しております。また、短期間で資金化可能な資産を一定額以上確保する流動性準備高の管理を通じたモニタリングを行っております。

 

(4) オペレーショナル・リスク

① 事務リスク

 当行グループ及び当行グループの役職員は、根拠となる法令や諸規則に基づいて、業務遂行及び事務処理を行っておりますが、故意又は過失による重大な事務事故が発生した場合には、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、事務管理態勢の充実強化を図り、厳正に事務を行うための内部環境の整備に取り組んでおります。

 具体的には、以下のような枠組みにより事務リスクの管理を行っております。事務ミス情報、事務事故情報、内外監査等の指摘内容、CSA(Control Self Assessment)の実施、及びリスクに関する主な指標の収集を行い、傾向分析、原因分析を行っております。分析結果に基づき、リスク軽減のための対策を検討し、事務フロー・事務処理規程・事務体制面の見直し、事務指導臨店、自店検査、教育・研修、事務機器の整備、システム化、営業店事務の本部集中化、ルール遵守の徹底などを行っております。

 事務リスクの管理状況については、オペレーショナル・リスクの総合的管理部署、担当執行役及び経営会議等に報告しております。

② システムリスク

 当行グループは業務を遂行するにあたり、株式会社NTTデータが運営する地銀共同センターをはじめとして様々なシステムを用いております。これらのシステムは、ホスト・コンピュータ、サーバー等のハードウェア、ハードウェアを動作させ業務上の必要な処理を行うプログラム等のソフトウェア、及び通信回線等のネットワークから成り立っております。これらのシステムにおいて、当行グループはハードウェアの2重化、バックアップ等必要な措置を講じておりますが、ハードウェアの老朽化による障害、あるいはハードウェア、ソフトウェアの入替、更新の際の不具合を原因とする障害が発生する可能性があります。

 現在のコンピュータシステムは外部ネットワークとの連係による業務遂行の比重が高くなっておりますが、こうした外部ネットワークの障害を原因として、当行グループのコンピュータシステムに障害が発生する可能性があります。

 また、地震等の天災によりコンピュータシステムが被害を受ける可能性があります。こうした障害・被害が大規模、あるいは広範囲である場合においては、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 お客さまに質の高い金融サービスを提供していくためには、これらのシステムリスクを回避し、コンピュータシステムを安全かつ安定して稼動させることが必要不可欠であり、当行グループでは、コンピュータシステムと保有する情報の適切な保護に努めております。

 具体的には、主要機器及びネットワークに関しては常時稼動監視を行っており、障害発生時には自動的にバックアップに切替えるなど、ソフト面ハード面の両面での対応を実施しております。

 今後も情報技術の高度化やネットワークの拡大に伴い、システムリスクの多様化・複雑化が予想されますが、引き続き適切な対策を講じることにより、コンピュータシステムの安全で安定した稼動に努めてまいります。

③ 法務リスク

 当行グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと位置づけ、法令等遵守態勢の強化を図るとともに、役職員に対するコンプライアンスの徹底に努めておりますが、これら法令等遵守が適切になされなかった場合には、罰金、違約金及び損害賠償金等の支払いを余儀なくされ、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、法令等遵守態勢の整備、お客さまからのご意見を適時・適切に反映させる仕組みを通した顧客保護等管理態勢の整備と、これら態勢整備にかかる検証を通して、態勢不備に起因する事象、損失、損害の迅速かつ適切な把握・分析を行い、法務リスクの削減に努めております。

④ 人的リスク

 当行グループは、労務関連法規・法令を踏まえた人事制度の設定及び運用を通して、適切な労務管理・人員配置・研修・教育を実施しておりますが、報酬・手当・解雇等、人事運営上の不公平・不公正から発生する問題により、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、労務関連法規・法令を踏まえた人事制度の設定及び運用、公平な人事考課、適切な人員配置、平等な成長機会提供により、人的リスクの削減に努めております。

⑤ 有形資産リスク

 当行グループは、災害等に起因する損害を最小限に抑えるため、内外の情報に基づき、そのリスクを適切に管理しておりますが、大規模な災害が発生した場合には、店舗、システム等の損壊により一部の営業が阻害され、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、災害等に起因する損害を最小限に抑えるために、内外の情報に基づき災害等の有形資産への影響を把握・分析することに努め、適切な保守・投資を継続的に実施し、資産の耐久性を保持することで、有形資産リスクの削減に努めております。

⑥ 風評リスク

 当行グループは、適切な情報開示を実施し経営の透明性を確保することにより、風評リスクの削減に努めておりますが、評判の悪化や風説の流布等で信用が低下することにより、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、適切な情報開示の実施により経営の透明性を確保するとともに、本部と営業店との間の迅速な指示・連絡体制の確立を通して、風評リスクの削減に努めております。

⑦ サイバーセキュリティリスク

 当行グループは、サイバーセキュリティの観点において、情報システムや通信ネットワーク上で取り扱われる業務データの安全性を保つためにファイアウォールの設置やウイルス対策をはじめとする様々なセキュリティ対策を講じております。しかし、サイバー空間を経由して行われる、不正侵入や情報の搾取・改ざん、DDoS攻撃等のいわゆる「サイバー攻撃」により、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 そのため、当行グループでは、サイバー攻撃によるお客さまへの被害を防止し、安定したサービスを提供するため、サイバーセキュリティ管理態勢を構築し、サイバー攻撃に備えたセキュリティ対策、及びサイバー攻撃を受けた場合の被害の拡大防止に努めてまいります。

 

(5) 自己資本比率

 当行グループは、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年(2006年)金融庁告示第19号)に基づき、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を国内基準である4%以上に維持すべくリスク管理態勢の強化・充実に努めなければなりません。

 当行グループの自己資本比率がこの水準を下回るような場合には、金融庁長官から、業務の全部、又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。この結果、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。 

 当行グループの自己資本比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。

 ・ 貸出先の信用力低下に伴うリスクアセットの増加

 ・ 貸出金及び有価証券等の増加に伴うリスクアセットの増加

 ・ 不良債権処理や貸出先の信用力低下等による与信関係費用の増加

 ・ 有価証券評価損益の著しい悪化に伴う減損額の増加

 ・ 自己資本比率の基準及び算定方法の変更

 ・ 本項記載のその他の不利益な展開

 

(6) その他のリスク

① 当行グループの経営戦略、事業戦略が奏功しないリスク

 当行グループは、2022年4月よりスタートさせた「FプロジェクトVision 2032」の達成に向けて、様々な経営戦略、事業戦略を実施しておりますが、各種要因によりこれらの戦略が当初想定していた結果をもたらさず、収益性が悪化した場合、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付債務

 当行グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、退職給付に係る負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務は、割引率、予定昇給率、退職率及び死亡率等の数理計算において用いる前提条件に基づいて算出されております。

  実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異あるいは過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

  また、制度内容の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。

③ 固定資産の減損会計

 当行グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。

 同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した当該金額を減損損失として損益計算書に計上することとされています。今後の地価の動向や収益状況によって固定資産の減損損失を計上することとなる場合には、当行グループの業績等に影響を与える可能性があります。

④ 繰延税金資産

 当行グループは、ある一定の状況において将来の合理的な期間内の課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、繰延税金資産を計上することが認められております。また、繰延税金資産に計上することとなった資産の内容についても、それぞれ資産として計上すべきかどうかの検討を加えて計上しております。

 実際の課税所得の結果が当初の予測・前提と大きく乖離する場合があり、また、内容面の検討の結果、繰延税金資産を認識すべきでない金額が発生する場合があります。こうした状況において、当行グループが繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、当行グループの繰延税金資産は減額され、この結果、当行グループの業績等に影響を与えるとともに自己資本比率の低下を招く可能性があります。

⑤ 情報管理リスク

 当行グループが管理している顧客情報や経営情報について、情報漏えい、紛失、改ざん、不正利用等が発生した場合には、社会的信用の失墜等により当行グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 外部委託に伴うリスク

 当行グループ業務の委託先において、委託業務の遂行に支障をきたした場合や、顧客情報等の漏えい、紛失、改ざん、不正利用等が発生した場合には、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 特定地域への依存に係るリスク

 当行グループは、特定の地域(福井県)を主な営業基盤としていることによる地域特性に係るリスクがあります。

⑧ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与等に係るリスク

 当行グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与等の防止が、国際社会において金融機関に求められる責務であることを認識し、直面するリスクを特定・評価し、リスクに見合った低減措置を講じております。しかし、これら対策が適切になされなかった場合には、罰金・課徴金、さらには許認可の取消しの可能性もあり、この結果、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 感染症の流行

 当行グループは、感染症の流行により、地域の経済活動が停滞することに加え、政府・行政の要請による活動の自粛や、職員に感染が広まった場合の営業活動の縮小・停止等により、当行グループの事業活動に支障が生じ、前述の各リスク発生の可能性も高まり、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 気候変動に係るリスク

 当行グループは、気候変動に伴う異常気象や自然災害の激甚化により、当行グループの営業拠点等の損壊、担保物件の毀損、取引先の事業停滞や資産の毀損等が発生し、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、気候関連の規制強化や脱炭素社会への移行により、取引先の事業や業績に影響が発生した場合、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ その他

 当行グループは、現時点の規制に従って、また、当行グループが事業を営む地域、日本国における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更の影響をはじめとする規制上のリスクを伴って、業務を遂行しています。規制上の変更によりどのような影響が発生し得るかについて、その種類、内容、程度等を予測することは困難であり、当行グループがコントロールし得るものではありません。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更、並びにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

(業績等の概要)

・業績

当連結会計年度の当行及び連結子会社10社の連結ベースでの業績は、次のとおりとなりました。

損益状況につきましては、経常収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより貸出金利息や役務取引等収益が増加したことや、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比91億6百万円増加して、548億97百万円となりました。また、経常費用は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースでの計上となったことにより営業経費が増加したことや、国債等債券売却損が増加したことなどから、前年度比75億62百万円増加して541億8百万円となりました。

この結果、経常利益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い、前年度に負ののれん発生益を46億58百万円計上した反動から、前年度比26億36百万円減少して、18億3百万円となりました。

なお、当行グループは、総合金融サービス業の単一セグメントであるため、セグメントの業績は記載しておりません。

 

・キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により2,587億64百万円減少し、投資活動により1,689億6百万円増加し、財務活動により25億33百万円減少し、この結果、現金及び現金同等物は923億91百万円の減少となり、期末残高は1兆1,068億19百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動においては、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動においては、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比では、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動においては、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。

 

 

① 国内業務・国際業務部門別収支

資金運用収支は、資金運用収益が302億54百万円、資金調達費用が11億21百万円291億32百万円の利益となりました。役務取引等収支は、役務取引等収益が90億79百万円、役務取引等費用が33億46百万円57億32百万円の利益となりました。その他業務収支は、その他業務収益が91億39百万円、その他業務費用が187億78百万円96億38百万円の損失となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

24,848

2,094

26,943

当連結会計年度

28,109

1,023

29,132

うち資金運用収益

前連結会計年度

24,992

2,040

△7

27,026

当連結会計年度

28,251

2,003

30,254

うち資金調達費用

前連結会計年度

144

△53

△7

82

当連結会計年度

141

980

1,121

役務取引等収支

前連結会計年度

5,403

5

5,409

当連結会計年度

5,692

40

5,732

うち役務取引等収益

前連結会計年度

8,137

74

8,212

当連結会計年度

8,997

81

9,079

うち役務取引等費用

前連結会計年度

2,733

68

2,802

当連結会計年度

3,305

41

3,346

その他業務収支

前連結会計年度

△1,924

△1,378

△3,303

当連結会計年度

△7,397

△2,241

△9,638

うちその他業務収益

前連結会計年度

7,888

842

8,730

当連結会計年度

8,700

439

9,139

うちその他業務費用

前連結会計年度

9,812

2,221

12,033

当連結会計年度

16,097

2,680

18,778

 

(注) 1 国内業務部門は当行及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3 資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額は、当行の国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

② 国内業務・国際業務部門別役務取引の状況

役務取引等収益は90億79百万円となり、役務取引等費用は33億46百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

8,137

74

8,212

当連結会計年度

8,997

81

9,079

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

2,964

0

2,964

当連結会計年度

3,329

3,329

うち為替業務

前連結会計年度

2,106

70

2,176

当連結会計年度

2,097

77

2,174

うち証券関連業務

前連結会計年度

722

722

当連結会計年度

715

715

うち代理業務

前連結会計年度

225

225

当連結会計年度

234

234

うち保証業務

前連結会計年度

420

3

423

当連結会計年度

395

4

399

うち保険販売業務

前連結会計年度

312

312

当連結会計年度

490

490

役務取引等費用

前連結会計年度

2,733

68

2,802

当連結会計年度

3,305

41

3,346

うち為替業務

前連結会計年度

431

5

436

当連結会計年度

364

6

370

 

(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

 

③ 国内業務・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

3,226,501

22,096

3,248,598

当連結会計年度

3,270,153

20,412

3,290,566

うち流動性預金

前連結会計年度

2,091,682

2,091,682

当連結会計年度

2,168,568

2,168,568

うち定期性預金

前連結会計年度

1,070,560

1,070,560

当連結会計年度

1,039,977

1,039,977

うちその他

前連結会計年度

64,258

22,096

86,355

当連結会計年度

61,608

20,412

82,020

譲渡性預金

前連結会計年度

71,139

71,139

当連結会計年度

79,489

79,489

総合計

前連結会計年度

3,297,641

22,096

3,319,738

当連結会計年度

3,349,643

20,412

3,370,055

 

(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3 定期性預金=定期預金+定期積金

 

④ 国内業務・国際業務部門別貸出金残高の状況

a 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内業務部門

2,127,550

100.00

2,205,949

100.00

製造業

219,767

10.33

214,850

9.74

農業、林業

1,791

0.08

1,391

0.06

漁業

208

0.01

181

0.01

鉱業、採石業、砂利採取業

1,618

0.08

524

0.02

建設業

83,468

3.92

86,287

3.91

電気・ガス・熱供給・水道業

43,298

2.04

54,849

2.49

情報通信業

10,036

0.47

10,053

0.46

運輸業、郵便業

46,689

2.19

42,785

1.94

卸売業、小売業

195,011

9.17

201,170

9.12

金融業、保険業

145,828

6.85

163,076

7.39

不動産業、物品賃貸業

252,235

11.86

285,919

12.96

各種サービス業

153,113

7.20

164,311

7.45

地方公共団体

279,986

13.16

272,667

12.36

その他

694,494

32.64

707,881

32.09

国際業務部門

10,561

100.00

8,537

100.00

政府等

金融機関

その他

10,561

100.00

8,537

100.00

合計

2,138,111

―――

2,214,487

―――

 

(注) 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

 

b 外国政府等向け債権残高(国別)

該当ありません。

 

⑤ 国内業務・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

108,973

108,973

当連結会計年度

35,900

35,900

地方債

前連結会計年度

101,502

101,502

当連結会計年度

97,151

97,151

短期社債

前連結会計年度

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

200,004

200,004

当連結会計年度

175,946

175,946

株式

前連結会計年度

40,376

40,376

当連結会計年度

40,514

40,514

その他の証券

前連結会計年度

175,218

122,229

297,448

当連結会計年度

157,835

63,130

220,965

合計

前連結会計年度

626,075

122,229

748,305

当連結会計年度

507,348

63,130

570,478

 

(注) 1 国内業務部門は当行及び国内連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行及び銀行業務を営む連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年(2006年)金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては、基礎的手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

1 連結自己資本比率(2/3)

7.93

7.59

2 連結における自己資本の額

1,308

1,287

3 リスク・アセットの額

16,481

16,947

4 連結総所要自己資本額

659

677

 

 

単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2022年3月31日

2023年3月31日

1 自己資本比率(2/3)

7.90

7.67

2 単体における自己資本の額

1,108

1,112

3 リスク・アセットの額

14,012

14,506

4 単体総所要自己資本額

560

580

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年(1998年)法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年(1948年)法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

2 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

3 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

4 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

 

債権の区分

2022年3月31日

2023年3月31日

金額(百万円)

金額(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

2,938

3,373

危険債権

20,367

18,655

要管理債権

544

398

正常債権

1,815,132

1,872,810

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と異なる結果となる可能性があります。

当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

a 貸倒引当金

 当行グループは、適切な償却・引当を実施するための準備作業として、自己査定を実施しております。自己査定とは、金融機関が信用リスクを管理するための手段であり、当行グループが保有する全資産の実態を、自己責任原則のもと自ら査定し、回収の危険性又は毀損の危険性の度合いに従って分類区分するプロセスであります。当行グループは、この自己査定の結果に基づき、期末現在の債権を、正常先債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権の5つに区分し、それぞれの区分に応じて、貸倒等の実態を踏まえ債権の将来の予想損失額等を適時かつ適切に見積ることにより、信用リスクの程度に応じた貸倒引当金を計上しております。

 また、エネルギー価格等の高騰や円安による物価上昇の継続に伴う急激な経済環境の悪化等による信用リスクの高まりに対応するために、当行及び銀行業務を営む連結子会社においては、要管理先以外の要注意先債権のうち、急激な経済環境の悪化等の影響が大きいと想定している債務者に対する債権については、当該債権に要管理先債権相当の予想損失額を見込んで計上しております。

なお、貸出先等の財政状態が当初予想した範囲以上に悪化し、その支払能力が低下した場合には、貸倒引当金の積増しが必要となる可能性があります。

b 繰延税金資産

当行グループは、将来の合理的な期間内の課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。

 繰延税金資産の計上に関する判断は、毎決算期末時点において実施しておりますが、実際の課税所得の推移等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。また、将来の課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に当行グループの繰延税金資産を取り崩し、同額を費用として計上することとなります。

c 投資の減損

当行グループは、金融機関として一定の運用収益を確保していくため、有価証券を保有しております。これらの有価証券には市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券と市場価格のない株式が含まれます。当行グループでは、市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得原価まで回復する見込みがないものと判断したものについては、当該時価をもって連結貸借対照表価額とするとともに、評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。また、市場価格のない株式において、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、同様に評価差額を当該連結会計年度の損失として費用処理しております。

将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。

d 退職給付に係る負債

当行グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、退職給付に係る負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務は、割引率、予定昇給率、退職率及び死亡率等の数理計算において用いる前提条件に基づいて算出されております。

実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異あるいは過去勤務費用として累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

e 固定資産の減損会計

当行グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額する会計処理を適用しております。

 同会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる損益の継続的低下や地価の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を減損しております。なお、回収可能価額は将来キャッシュ・フローの見積額の現在価値、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。

将来の営業活動から生ずる損益の悪化、使用範囲又は方法についての変更、経営環境の著しい悪化、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合、また、見積りの前提条件の変更等により将来キャッシュ・フローの見積額が減少することとなった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金運用収支 

26,943

29,132

2,189

資金運用収益

 

27,026

30,254

3,228

資金調達費用
(金銭の信託運用見合費用控除後)

 

82

1,121

1,038

役務取引等収支

5,409

5,732

323

  役務取引等収益

 

8,212

9,079

867

  役務取引等費用

 

2,802

3,346

543

その他業務収支

△3,303

△9,638

△6,335

その他業務収益

 

8,730

9,139

409

  その他業務費用

 

12,033

18,778

6,744

連結業務粗利益(=A+B+C)

29,049

25,227

△3,822

営業経費

25,791

27,660

1,869

人件費

 

12,800

14,096

1,295

物件費

 

11,457

12,019

562

税金

 

1,533

1,544

10

貸倒償却引当費用

4,111

2,166

△1,945

貸出金償却

 

1,236

568

△667

  個別貸倒引当金繰入額

 

△232

1,145

1,378

  その他の債権売却損等

 

1

44

43

  偶発損失引当金繰入額等(注)

 

95

96

1

一般貸倒引当金繰入額

 

3,011

311

△2,700

株式等関係損益

△358

4,949

5,307

償却債権取立益

256

278

22

その他損益

201

160

△40

経常利益又は経常損失(△)

(=D-E-F+G+H+I)

△754

788

1,543

特別損益

3,852

△196

△4,048

  特別利益

 

4,723

44

△4,678

  特別損失

 

871

241

△629

税金等調整前当期純利益(=J+K)

3,097

591

△2,505

法人税、住民税及び事業税

672

392

△279

法人税等調整額

△875

△372

503

法人税等合計(=M+N)

△203

20

223

当期純利益(=L-O)

3,300

571

△2,728

非支配株主に帰属する当期純損失(△)

△1,140

△1,231

△91

親会社株主に帰属する当期純利益(=P-Q)

 

4,440

1,803

△2,636

 

(注) 偶発損失引当金繰入額等には、信用保証協会責任共有制度負担金を含んでおります。

 

 

a 連結業務粗利益(資金運用収支+役務取引等収支+その他業務収支)

・資金運用収支

資金運用収益は、2021年10月1日からの株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い通年ベースの収益が連結財務諸表に計上となったことにより、貸出金利息収入が増加したことなどから、前年度比32億28百万円増加しました。資金調達費用は、外貨の調達コストの上昇により前年度比10億38百万円増加しました。資金運用収支は前年度比21億89百万円増加して291億32百万円の収益となりました。

法人のお客さまに対しては、コンサルティング分野への戦略的な人財配置を積極的に進め、お客さまの課題解決に向けた取り組みの一環として、資金支援を継続して取り組みました。今後も引き続き適切かつ積極的な資金支援を強化し、お客さまの課題解決及び成長支援を行っていくことで、当行グループの収益確保につなげてまいります。有価証券運用につきましては、償還や売却に伴い債券や投資信託の運用残高が減少したものの、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響により、有価証券利息配当金は前期比3.8%の増加となりました。今後も日米欧の金融政策の動向等、金融市場環境を注視しつつ、効率的な有価証券運用に努め収益を確保してまいります。

・役務取引等収支

役務取引等収支は、資金運用収支同様、株式会社福邦銀行の連結子会社化の影響や、生命保険代理店手数料の増加により前年度比3億23百万円増加して57億32百万円の収益となりました。

役務取引等収支の増加は、グループ会社を含めたコンサルティング分野への戦略的な人財配置及びグループ一体となりコンサルティング業務の強化に取り組んだ結果です。今後も法人のお客さまにはグループ一体となったコンサルティングサービスの提供を、個人のお客さまには、野村證券株式会社との包括的業務提携による金融商品仲介業務の開始に伴い、より質の高い資産形成サービスの提供を行い、手数料収入の確保につなげてまいります。

・その他業務収支

債券関係損益は国債等債券の売買損益の悪化により、その他業務収支は前年度比63億35百万円減少して96億38百万円の損失となりました。

以上の結果、連結業務粗利益は、前年度比38億22百万円減少して252億27百万円となりました。

b 営業経費

株式会社福邦銀行の営業経費が通年分計上されるようになったことにより、前年度比18億69百万円増加して276億60百万円となりました。

c 貸倒償却引当費用

貸倒償却引当費用は、前年度に行った予防的引当の反動により、一般貸倒引当金繰入額が減少したことなどから前年度比19億45百万円減少して21億66百万円となりました。

d 株式等関係損益

株式等関係損益は、株式等売却益が増加したことなどから、前年度比53億7百万円増加して49億49百万円の利益となりました。

e 経常利益又は経常損失

以上の結果、経常損益は、前年度比15億43百万円増加して7億88百万円の利益となりました。

f 特別損益

前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化に伴い発生した負ののれん発生益が剥落したことにより、前年度比40億48百万円減少して1億96百万円の損失となりました。

g 法人税等調整額

繰延税金資産の増加額が縮小したことにより、法人税等調整額は前年度比5億3百万円増加△3億72百万円となりました。

h 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比26億36百万円減少して18億3百万円となりました。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

 

 

前連結会計年度

(億円)(A)

当連結会計年度

(億円)(B)

増減(億円)

(B)-(A)

預金等

33,197

33,700

503

 うち預金

32,485

32,905

419

 うち譲渡性預金

711

794

83

貸出金

21,381

22,144

763

有価証券

7,483

5,704

△1,778

総資産

41,913

40,017

△1,895

純資産

1,406

1,287

△119

 

 

a 預金・譲渡性預金

譲渡性預金を含めた預金等は、個人預金が順調に推移したことから、前連結会計年度末比503億円増加して当連結会計年度末残高は3兆3,700億円となりました。

また、預り資産に関しては、公共債は前連結会計年度末比3億円増加し、投資信託は前連結会計年度末比27億円減少し、個人年金保険等は前連結会計年度末比5億円減少しました。

(預金の残高(末残))

 

種類

前連結会計年度
(億円)(A)

当連結会計年度
(億円)(B)

増減(億円)
(B)-(A)

預金残高(末残)

32,485

32,905

419

  うち個人預金

21,651

22,074

423

  うち法人預金

10,834

10,830

△3

譲渡性預金残高(末残)

711

794

83

総合計

33,197

33,700

503

 

 

(預り資産の残高(末残))

 

種類

前連結会計年度
(億円)(A)

当連結会計年度
(億円)(B)

増減(億円)
(B)-(A)

公共債

305

309

3

投資信託

753

725

△27

個人年金保険等

928

922

△5

 

 

b 貸出金

貸出金は、消費者ローンを含む中小企業等向け貸出が順調に推移したことから、前連結会計年度末比763億円増加して当連結会計年度末残高は2兆2,144億円となりました。

(貸出金の残高(末残))

 

 

前連結会計年度
(億円)(A)

当連結会計年度
(億円)(B)

増減(億円)
(B)-(A)

貸出金残高(末残)

21,381

22,144

763

 うち中小企業等向け残高

14,414

15,155

741

  うち消費者ローン残高

6,852

6,988

136

   うち住宅ローン残高

6,435

6,568

133

   うちその他ローン残高

417

420

2

 

 

 

c 有価証券

有価証券は、市場動向を注視しつつ運用管理に努めた結果、前連結会計年度末比1,778億円減少して当連結会計年度末残高は5,704億円となりました。

(有価証券の残高(末残))

 

種類

前連結会計年度
(億円)(A)

当連結会計年度
(億円)(B)

増減(億円)
(B)-(A)

国債

1,089

359

△730

地方債

1,015

971

△43

短期社債

社債

2,000

1,759

△240

株式

403

405

1

その他の証券

2,974

2,209

△764

合計

7,483

5,704

△1,778

 

 

d 不良債権額

当行グループの金融再生法開示債権の合計は、前連結会計年度末比14億67百万円減少して360億37百万円となりました。総与信残高に占める割合は、前連結会計年度末比0.12ポイント減少して1.58%となりました。

(リスク管理債権の状況)

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権額

 

5,254

5,600

345

危険債権額

 

29,463

27,533

△1,929

三月以上延滞債権額

 

216

78

△137

貸出条件緩和債権額

 

2,570

2,824

254

リスク管理債権合計

37,504

36,037

△1,467

総与信残高(末残)

2,187,302

2,268,580

81,278

金融再生法開示債権比率

=①/②×100(%)

1.71

1.58

△0.12

 

 

e 繰延税金資産

繰延税金資産については、貸倒引当金に係るものが大部分を占めております。当連結会計年度においては、その他有価証券評価差額金にかかる繰延税金負債が減少したことから、繰延税金資産と繰延税金負債の差額は47億33百万円増加して、純額で62億円の繰延税金資産となりました。

(繰延税金資産及び繰延税金負債の合計額)

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

繰延税金資産合計

7,122

7,337

214

  繰延税金資産小計

 

15,833

15,648

△184

    うち貸倒引当金

 

8,092

7,773

△318

  評価性引当額

 

△8,710

△8,311

399

繰延税金負債合計

5,655

1,136

△4,519

繰延税金資産の純額
繰延税金負債の純額(△)

①-②

1,466

6,200

4,733

 

 

 

④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加や借用金の減少による支出の増加を主因に、2,587億64百万円の支出となりました。また、前年度比では、借用金が純増から純減に転じたことや預金の増加幅が縮小したことなどから、4,453億2百万円の支出の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還による収入が有価証券の取得による支出を上回ったことを主因に、1,689億6百万円の収入となりました。また、前年度比においては、前年度の株式会社福邦銀行の連結子会社化による現金の増加の反動があったものの、有価証券の売却及び償還による収入の増加や有価証券の取得による支出の減少により、577億6百万円の収入の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や自己株式の取得及び子会社株式の追加取得により、25億33百万円の支出となりました。また、前年度比では、子会社株式の追加取得による支出が増加したことを主因に、7億69百万円の支出の増加となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度比923億91百万円減少して1兆1,068億19百万円となりました。

当行グループの収益の根源となる貸出金や有価証券の運用資金については、大部分をお客さまからの預金にて調達しており、必要に応じて日銀借入金や金融市場から資金調達を行っております。

なお、当面の設備投資、成長分野への投資並びに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。

(連結キャッシュ・フローの状況)

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

営業活動によるキャッシュ・フロー

186,537

△258,764

△445,302

投資活動によるキャッシュ・フロー

111,200

168,906

57,706

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,764

△2,533

△769

現金及び現金同等物に係る換算差額

△9

9

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

295,963

△92,391

△388,355

現金及び現金同等物の期首残高

903,247

1,199,210

295,963

現金及び現金同等物の期末残高

1,199,210

1,106,819

△92,391

 

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(経営方針)をご参照ください。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当行は、2022年7月8日に、野村證券株式会社(以下、「野村證券」という。)との間において金融商品仲介業務における包括的業務提携に関する基本合意書を締結し、2022年11月11日に、最終契約書を締結いたしました。

また、最終契約締結に関して、2022年11月11日開催の取締役会において、会社分割(吸収分割)により、当行の登録金融機関業務にかかる顧客の証券口座に関する権利義務を野村證券に承継させることについての吸収分割契約の締結を決議いたしました。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。