第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当行は「信用を大切にする社会をささえます。」「公明正大で責任ある経営をします。」「良識ある社会人として誠実に行動します。」の3つの企業理念に基づき、健全な金融活動を通じて信頼し合える社会づくりに努めるとともに、お客さま本位の経営を推進しております。

(2) 目標とする経営指標

2022年4月からスタートしました、中期経営計画「KAI-KAKU150 2nd STAGE『未来へのとびらⅡ』」では、5つの基本方針「カーボンニュートラルへの取組みの強化」「ビジネスモデルの強化」「生産性の向上」「経営基盤の強化」「SDGs/ESGの浸透」を掲げ、目標の達成に向けてさまざまな取組みを展開してまいりました。

この間、各営業拠点と配置人員の最適化を図り、お客さまとの深い対話による課題発掘ができる体制を再整備いたしました。また、行員のコンサルティング能力向上に取り組み、多様化・複雑化するお客さまの課題解決に向けたご支援ができる体制を構築いたしました。その結果、中期経営計画のKGIである連結当期純利益は180億円と過去最高実績となりました。

 (中期経営計画「KAI-KAKU150 2nd STAGE『未来へのとびらⅡ』」における目標と2024年度の実績)

項目

2024年度目標

2024年度実績

連結当期純利益

150億円以上

180億円

連結純資産ROE

3.5%以上

3.87%

コアOHR

67%未満

59.61%

自己資本比率

11%以上

11.92%

住宅ローン関連手数料

44億円以上

28億円

預り資産関連手数料

34億円以上

28億円

法人ソリューション手数料

30億円以上

29億円

プロフェッショナル資格保有者数※

450人以上

451人

 

      ※ FP1級技能士、CFP、中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、証券アナリスト、CIA(公認内部監査人)

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当行グループは取り巻く環境の変化やこれまでの取組みを踏まえ、2022年4月より長期ビジョンを「グリーン&コンサルバンクグループをめざして」へと刷新しております。また、長期ビジョンのもと、当行グループのめざす姿について3つの姿を定義しております。
 1つ目は、地域のカーボンニュートラルへの公正な移行「Just Transition」を支援し、地域社会の持続可能な経済発展に貢献すること。2つ目は、課題解決型コンサルティングを実践し、お客さまと地域社会の未来を切り拓くこと。3つ目が、IT戦略を継続し、生産性の向上を図るとともに、コンサルティングを通じて、お客さまと地域社会のIT化を支援することです。
 伝統的な銀行業務での収益の先細りが懸念される中、「お客さまとともに地域の脱炭素化に取り組むこと」「お客さまの課題・ニーズに対して、質の高いコンサルティングを提供すること」を当行グループが果たすべき役割として捉え、経営資源配分の最適化や人的資本への投資などを通じて変化に強いビジネスモデルを構築することで、長期ビジョンとめざす姿の実現に向けた活動に取組んでまいります。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当行を取り巻く環境は、生産年齢人口の減少や気候変動リスクの顕在化、人々の価値観の多様化など大きく変化しております。

このように大きく外部環境が変化するなかでも、企業価値を高め、お客さまに「頼りにされる銀行」となるために、当行が取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を「活力あふれる地域づくり」「安心と豊かな暮らしへの貢献」「一人ひとりが輝ける社会づくり」「自然との共生」「責任ある経営」と定め、その解決に向けた取組みを進めております。

本年4月からは、中期経営計画「KAI-KAKU150 FINAL STAGE『未来への挑戦』」を策定し、計画達成に向けて活動を行っております。この計画では、5つの基本戦略「社会価値の創造」「成長への挑戦」「人材戦略」「デジタルトランスフォーメーション」「戦略基盤の強化」を掲げております。

「社会価値の創造」では、地域を創造する新しい業務に積極的に挑戦することで、社会価値と経済価値の双方の創出をめざしてまいります。

「成長への挑戦」では、銀行業務の徹底的な効率化と、コンサルティングによるお客さまの課題解決を通じて、地域や当行の成長へとつなげてまいります。

「人材戦略」では、当行がめざす人材・組織像を定性・定量の両面から定義することで、働きやすい職場環境で従業員が主体的にキャリア形成に取り組み、働きがいを感じながら活き活きと働くことができる組織をめざしてまいります。

「デジタルトランスフォーメーション」では、デジタル技術を活用したペーパレスによる業務効率化や省人化を通じて、柔軟な店舗戦略・行員の働き方改革・お客さまサービスの向上を実現してまいります。

「戦略基盤の強化」では、サステナビリティ経営の実践、コーポレート・ガバナンスの高度化、サイバーセキュリティ対策の強化などを通じて、盤石な経営基盤のもと企業価値の向上につなげてまいります。

グループ各社においても積極的に業務革新を行い、百五グループ全体としてより質の高い多角的な金融サービスの提供に努めることによって、総合力の強化を図ってまいります。

 

(中期経営計画「KAI-KAKU150 FINAL STAGE『未来への挑戦』」における財務・非財務目標)

〇財務目標

項目

2028年度目標

連結純資産ROE

5%以上

連結当期純利益

240億円以上

 

 

項目

2030年度目標

サステナブルファイナンス

1兆円

 うち環境関連融資

5,000億円以上

 

 

〇非財務目標

項目

2028年度目標

お客さまの経営課題解決数

累計1,000件

地域課題への関与件数

累計30件

預り資産残高増加額※

500億円

金融経済教育開催数

累計500回

従業員エンゲージメント指数

85%以上

女性役職者比率

25%以上

GHG排出量(Scope1,2)

ネットゼロ

 

 ※ 2025年3月末比

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

サステナビリティに関する方針として「環境方針」「人権方針」「サステナブル投融資方針」を定め、グループ一体となって環境・社会課題の解決に資する取組を推進しております。特に、気候変動への対応は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の考え方にもとづき、強化しております。

① 執行体制

気候変動を含めたサステナビリティに関する対応の進捗状況・課題については、3か月に1度開催されるSDGs推進委員会(※)にて、審議しております。また、気候変動リスクについては、その重要度を鑑み、都度適切にALMリスク管理委員会に報告しております。

② 監督体制

SDGs推進委員会及びALMリスク管理委員会の委員長は経営戦略とのつながりを踏まえて、経営企画部担当役員が担当し、開催の都度、審議事項は取締役会に報告し、監督される体制となっております。

 

 ※SDGs推進委員会:2025年6月からサステナビリティ推進委員会に改編

 

(2) 戦略

2019年に公表した「百五銀行グループSDGs宣言」のもと、SDGsを企業行動・経営戦略につなげ、地域における社会的課題の解決と経済発展の両立を図ることで、持続可能な社会の実現に取り組んでおります。

なお、環境の変化やステークホルダーからの期待、事業における重要性を踏まえて、当行グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の見直しを行うとともに、サステナビリティ経営の高度化に向けて、2025年度から「百五銀行グループSDGs宣言」を「百五銀行グループサステナビリティ宣言」として改定しております。

重要課題への取組状況については、対応するサステナビリティ関連指標を設定し、SDGs推進委員会にてモニタリングを実施しております。

中期経営計画を着実に遂行し、経済価値、社会・環境価値を創出することで企業価値を向上させるとともに、お客さまに「頼りにされる銀行」をめざしてまいります。

 

<百五銀行グループSDGs宣言>

テーマ

重要課題(マテリアリティ)

取組方針

環境

地球環境・地域環境の保全

・環境保全や環境負荷低減につながる事業への支援により、持続可能な地球環境の実現に貢献します。

・森林保全、省エネ活動を実施し、地域環境の保全と意識醸成をめざします。

社会

地域経済の創造

・お客さまの多様な課題やニーズに応じた金融サービスを提供し、地域経済の創造に貢献します。

・先進的な金融サービスを提供し、地域企業の付加価値向上やお客さまの良質な資産形成をサポートします。

地域社会の持続的発展

・地域社会の課題やニーズを敏感にとらえ、事業活動および社会貢献活動をとおして地域社会の持続的発展に貢献します。

・次世代をささえる子どもたちへの教育を積極的に展開し、活力ある地域社会の実現に貢献します。

ダイバーシティ推進

・多様な働き方ができる職場環境を基盤に人材の能力を最大化し、働きがいの向上をめざします。

・多様なキャリア形成を可能にする社会づくりに貢献します。

企業統治

経営管理態勢の強化

・リスク管理体制、コンプライアンス体制の強化・充実により企業経営の透明性向上をめざします。

 

 

 ① 気候変動

(ア)気候変動に対する考え方・計画

気候変動への対応は最も重要な取組の1つであるとの位置づけのもと、重要課題に特定しております。

「環境関連法規の遵守」「気候変動への対応」「ガバナンス・マネジメント」などの指針を示した「環境方針」にもとづき、毎年、「環境保全活動計画」を策定し、事業活動を通じたお客さまの脱炭素化支援、当行グループの環境負荷軽減に取り組んでおります。

 

(イ)気候変動関連のリスク

気候変動に関するリスクは、気候変動に起因する自然災害及び異常気象の増加等がもたらす物理的被害にともなうリスク(物理的リスク)と脱炭素社会への移行により生じる法規制、技術、市場及び社会的評価の変化等にともなうリスク(移行リスク)に分類されます。

当行では、気候変動リスクに対するレジリエンスを評価するため、シナリオ分析を行っております。

 

(a) 物理的リスク

IPCC(※1)の2℃シナリオ及び4℃シナリオを参考に、国内において気候変動に起因する大規模水害が発生した場合のお客さまの業績悪化及び担保価値毀損による与信関係費用への影響を分析しております。

リスク事象

・大規模水害による担保不動産の毀損

・事業性与信先の建物が浸水により直接受ける被害と営業停止にともなう被害による業績悪化

分析対象

国内事業性与信先及び住宅ローン先(プロパー及び自行系保証会社分)

シナリオ

IPCCのRCP2.6、RCP8.5

分析手法

洪水ハザードマップを用いて大規模水害発生時の企業の財務状況を推計したうえで、

IPCCのシナリオから想定される2050年までの大規模水害の発生確率を考慮し、与信関係費用増加額を算出

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加額:最大39億円

 

 

(b) 移行リスク

NGFS(※2)とIEA(※3)の1.5℃シナリオ及び2℃シナリオを参考に、脱炭素社会への移行に向けた政策強化(炭素税導入等)、市場の変化等が生じた場合のお客さまの業績悪化による与信関係費用への影響を分析しております。

分析対象とするセクターは、当行において相対的にリスク重要度が高いと判断されるセクターを選出しております。昨年度までの「エネルギー、ユーティリティ、運輸、自動車部品」の4セクターに、今年度は「不動産」セクターを追加しております。

リスク事象

脱炭素社会への移行にともなう売上高の変動やコスト、設備投資増加による与信先の業績悪化

分析対象

・エネルギー(ガスの精製)

・ユーティリティ(電力・ガスの供給)

・運輸(貨物・旅客陸上輸送)

・自動車部品

・不動産

シナリオ

・NGFSのNet Zero 2050、Below2℃

・IEAのNZE 、APS

分析手法

移行シナリオにもとづき、対象与信先について将来の財務状況を予想して与信関係費用増加額を算出

分析期間

2050年まで

分析結果

与信関係費用の増加額:最大122億円

 

 

 

<当行与信残高(※4)に占める炭素関連資産の割合>

セクター

業種(TCFD14業種分類)

割合 

エネルギー・ユーティリティ

石油・ガス、石炭、電力

1.83%

運輸

空運、海運、陸運、自動車

4.29%

素材・建築物

金属・鉱業、化学、建築資材・資本財、不動産管理・開発

16.93%

農業・食料・林産品

飲料・食品、農業、製紙・林業

1.67%

 

 

※1 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル

※2 NGFS(Network for Greening the Financial System):気候変動リスク等にかかる金融当局ネットワーク

※3 IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関

※4 当行与信残高:2025年3月末の貸出金、支払承諾見返、外国為替等の合計(再生可能エネルギー事業を除く)

 

(ウ)気候変動関連の機会

当行が営業基盤とする地域は、特に製造業が盛んな地域となっております。全産業における製造業のCO排出量の割合は大きく、脱炭素移行にともなう設備投資増加等の需要に応えるため、長期目標(2022~2030年度)として「サステナブルファイナンス累計実行額1兆円(うち環境分野5,000億円)」を掲げ、カーボンニュートラルへの取組を強化しております。

また、当行グループの事業活動における環境負荷軽減に努めるため、長期目標(2022~2028年度)として「温室効果ガス排出量(Scope1,2)ネットゼロ」を掲げるとともに、再生可能エネルギーの導入や省エネルギー設備の導入を促進しております。

 

 ② 人的資本

人的資本については、当行グループにおける記載が困難であるため、当行のものを記載しております。

(ア)人材育成方針

当行が長期ビジョンで掲げる「グリーン&コンサルバンクグループ」を推し進め、地域・お客さまから「頼りにされる銀行」となるため、求める人材像を「高いモラルと豊かな発想で行動する自立した企業人」と定め、主体的に「学び」「考え」「前進(行動)」(STUDY・THINK・ADVANCE)する行員を育成しております。

そして、「OJT指導」「OFF-JT(研修等)」「自己啓発」の3つの相乗効果を通じて成長を促し、全行員がより地域・お客さまに役立つ真のプロフェッショナル人材となることをめざしております。

 

(イ)社内環境整備方針

当行は、人材を貴重な財産と捉え、一人ひとりの個性を大切にし、多様な人材が働きやすい職場風土を醸成するため、働き方改革やダイバーシティ推進に継続的に取り組んでおります。働きやすい職場環境を土台として、多様な人材の一人ひとりが能力を最大限に発揮し活躍できる職場づくりに努めております。

 

 

(3) リスク管理

地域における社会的課題の解決と経済発展の両立に向けて、投融資の面からこれらの課題を解決し、資金の出し手として責任ある投融資を行うため、「百五銀行グループサステナブル投融資方針」を定めております。環境・社会にポジティブな影響を与える事業に対しては、「百五銀行クレジットポリシー」を遵守したうえで、積極的に投融資を推進しております。環境や社会に与える影響が大きいと考えられる特定セクターへの投融資に対しては、取組方針を定め、適切に対応を行っております。

<特定セクターに対する投融資方針>

セクター

方針

石炭火力発電事業

他の発電方式と比べて温室効果ガスの排出量が多く、気候変動や大気汚染など環境に負の影響を及ぼすため、石炭火力発電の新設に対する投融資は行いません。

ただし、パリ協定の合意事項達成に向け、CCS/CCUS(※)や混焼等の革新的な技術・手法を取り入れて進められる案件については、慎重に検討の上、対応する場合があります。

森林伐採・焼却を行う事業

人々の暮らしや社会の維持に欠かせない重要な原料であるパーム油等の原料製造のため、違法な森林の伐採や焼却が行われうることを認識しています。これを踏まえ、森林伐採、焼却を行う事業に対する投融資等については、適法性、地域経済や環境への影響を考慮したうえで慎重に対応します。

大量破壊兵器・非人道兵器の製造事業

核兵器・生物化学兵器等の大量破壊兵器や対人地雷・クラスター弾等については、その非人道性を踏まえ、これらを製造する企業に対する投融資は行いません。

強制労働等、人権侵害に関与する事業

児童労働や強制労働など、人権侵害が行われている企業への投融資は行いません。

 

※CCS:二酸化炭素回収・貯留、CCUS:二酸化炭素回収・利用

 

気候変動リスク管理体制

気候変動の諸要因から生じる直接的なリスク及び投融資等を通じたリスクが与える影響の重要性を鑑み、当該リスクがもたらす負の影響の軽減及び円滑な脱炭素社会に向けた取組を進めております。

気候変動リスクとして認識している物理的リスクや移行リスクが顕在化した場合、さまざまな波及経路を通じて銀行経営に大きな影響をおよぼす可能性があることから、統合的なリスク管理の枠組みにおいて、当該リスクの把握・低減に努めております。

当行自己資本の健全性についても、推計した物理的リスクや移行リスクの追加与信費用を加味した評価を行っております。

 

(4) 指標及び目標

上記、「(2)戦略」に関する主な指標及び目標は以下のとおりであります。

 

① 気候変動

<温室効果ガス(GHG)排出量>

指標

2028年度目標

2023年度実績

Scope1(ガソリン・軽油・A重油・都市ガス・LPG)

 

Scope1,2

ネットゼロ

1,341t-CO2

Scope2(電気)

3,402t-CO2

合計

 

4,743t-CO2

 

2024年度の温室効果ガス(GHG)排出量の詳細については、2025年7月末に発行予定の「統合報告書2025」をご参照ください。

 

<サステナブルファイナンス>

指標

2030年度目標

2024年度実績

サステナブルファイナンス(※1)累計実行額

1兆円以上

7,407億円

うち環境分野(※2)累計実行額

5,000億円以上

1,966億円

 

※1 サステナブルファイナンス:社会課題・環境課題等の解決により持続可能な社会の実現に貢献する投融資

※2 環境分野:気候変動対応など地球環境・地域環境の保全への取組を支援する投融資

 

② 人的資本

以下については、当行グループにおける記載が困難であるため、当行のものを記載しております。

<プロフェッショナル人材の育成>

指標

2024年度目標

2024年度実績

プロフェッショナル資格(注)保有者数

450

以上

451

ITパスポート試験累計合格者数

500

以上

705

 

(注)FP1級技能士、CFP、中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、証券アナリスト、CIA(公認内部監査人)の7資格をプロフェッショナル資格と位置づけております。

 

<ダイバーシティの推進>

指標

2024年度目標

2024年度実績

従業員意識調査の働きがいに関する肯定的回答割合

85

以上

80.0

女性役職者(係長職以上)比率

25

以上

21.1

女性管理職(支店長相当職)比率

12

以上

9.8

男性育児休業等取得率

100

以上

105

障がい者雇用率(注)

3.0

以上

3.0

 

(注)障がい者雇用率は、特例グループベースで記載しております。なお、2024年度目標および2024年度実績は2024年6月1日時点の数値であります。

 

<健康経営の実践>

指標

2024年度目標

2024年度実績

プレゼンティーズム損失割合

10

以下

16.6

アブセンティーズム平均日数

4

以下

5.5

ストレスチェック実施率

98

以上

97.6

高ストレス者率

5

以下

3.9

精密検査実施率

70

以上

84.1

有給休暇取得率

65

以上

74.9

 

人的資本への投資や人材戦略に関する詳細については、2025年7月末に発行予定の「統合報告書2025」をご参照ください。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

当行が金融事業を営むうえで、以下に記載の(1) 財務面に関するリスク(① 不良債権及び貸倒引当金に係るリスク、② 金融資産の価格変動等に係るリスク)は、比較的蓋然性が高いリスクと考えられます。これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績、財務状況や業務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、統計的手法であるVaR(バリュー・アット・リスク)及びストレス・テスト等を用いて、リスクが顕在化した場合の悪影響の規模が経営体力に照らして過大なものとならないよう管理しております。

なお、リスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

 

(1) 財務面に関するリスク

① 不良債権及び貸倒引当金に係るリスク

当行は、三重県及び愛知県を中心とする地域の取引先に対し、主に貸出金により信用供与を行っております。当行では、不良債権や貸倒れに関するリスクが業績に悪影響等を及ぼすことのないよう、適切な審査・与信管理体制及びリスク管理体制を整備・運営することによりリスクの軽減に努めておりますが、場合によっては次のリスクが顕在化する可能性があります。

(ア)不良債権

国内外の景気や地域経済の動向、貸出先の経営状況及び信用力の低下、あるいは不動産価格の下落等によって、不良債権額及び与信関係費用が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不良債権オフバランス化の進捗に伴い売却損や償却が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(イ)貸倒引当金

貸倒引当金については、貸出先の状況、担保価値及び過去の貸倒実績率等に基づいて見積ったうえで計上しております。しかしながら、実際の貸倒れが見積りを上回り、計上している貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済環境の変化、貸出先の経営状況の変化、担保価値の低下あるいは貸倒引当金の算定方法の変更等により、貸倒引当金の積増しが必要になる可能性があります。

② 金融資産の価格変動等に係るリスク

当行は、株式及び債券等の有価証券を保有しております。また、資産及び負債の一部は外貨建てとなっております。当行では、これらの取引の価格変動等が業績に悪影響等を及ぼすことのないよう、適切な投資執行体制及びリスク管理体制を整備・運営することによりリスクの軽減に努めておりますが、場合によっては次のリスクが顕在化する可能性があります。

(ア)株価下落のリスク

株価が想定外に下落した場合には、保有株式等の評価益の減少、あるいは減損または評価損が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(イ)金利変動のリスク

市場金利が想定外に上昇した場合には、保有債券等の評価益の減少、あるいは減損または評価損が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、貸出金や預金などの金融資産・負債の間で金利更改期間に差異があるため、金利変動により金融資産・負債の実質価値または資金利鞘に変動が生じ、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(ウ)為替リスク

当行の資産及び負債の一部は外貨建てとなっておりますが、これら外貨建資産と負債の額が通貨毎に同額で相殺されない場合、または適切にヘッジされていない場合には、為替相場の不利な変動によって、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(エ)信用力悪化のリスク

債券または株式の発行体等の信用力が悪化した場合には、保有有価証券の評価益の減少、あるいは減損または評価損が発生し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、外国証券等については、当該国の信用不安等によりカントリーリスクが顕在化した場合には、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(オ)デリバティブ取引に係るリスク

当行はヘッジ目的のほか、一定の限度額の範囲で短期的な売買による収益獲得を目的としたデリバティブ取引を利用しております。金利・為替相場・株価等の市場要因が不利な方向に変動した場合、あるいは契約先の倒産等によりデリバティブ取引が履行されなかった場合には、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 自己資本比率に係るリスク

当行は海外に駐在員事務所を有しておりますが、海外営業拠点には該当しないため、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められている国内基準(4%)以上に維持する必要があります。

当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。

当行の自己資本比率を低下させる主な要因として以下のものがあります。

(ア)貸出先の信用力の悪化に伴うリスク・アセットの増加

(イ)貸出金及び有価証券等の増加に伴うリスク・アセットの増加

(ウ)貸出先の信用力の悪化に伴う与信関係費用及び有価証券等の減損額の増加

(エ)繰延税金資産に関する算入制限または繰延税金資産の回収可能性の変動等

④ 収益性低下のリスク

規制環境の変化及び資金需要の低迷等による競争激化、市場金利の低下、あるいは高収益資産の減少等により収益性が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 格付低下のリスク

格付機関が当行の格付を引下げた場合には、資金取引条件の悪化あるいは預金金利の引上げ等により資金調達費用が増加し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 流動性リスク

予期せぬ資金の流出などにより資金繰りに必要な資金確保が困難になった場合、あるいは市場の混乱などにより債券など金融商品の売買において取引が困難になった場合には、著しく不利な条件で資金取引あるいは売買を余儀なくされる等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 退職給付債務に係るリスク

年金資産の時価の下落、あるいは年金資産の運用利回りの低下等により、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、年金制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があるほか、金利環境の変動その他の要因が退職給付債務及び年間積立額に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 業務面に関するリスク

① 経営戦略等が奏功しないリスク

当行は、様々な経営戦略、事業戦略を実施しており、各種要因によりこれらの戦略が奏功せず、当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。

② 業務範囲拡大に伴うリスク

規制緩和に伴う銀行の業務範囲拡大を通じて、収益向上のため新たな分野に進出する場合には、従来保有していなかったリスクに晒される可能性があります。また、業務範囲拡大が予想通り進展しなかった場合、あるいは競争の激化等市場環境が変化した場合には、新規事業の収益が低迷し業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 倫理・法務リスク

当行は、コンプライアンスを経営の重要な課題と位置付け、役職員の高い倫理意識の醸成及び管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、法令、規則、ルール、社会規範等の遵守の不徹底あるいは法律等の制定や改正への不適切な対応により問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融対策上の不備に係るリスク

当行では、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融の防止を経営の重要な課題と位置付け、特殊詐欺等の金融犯罪の防止や、実効性のあるリスク管理態勢の構築に取り組んでおります。しかしながら、これらのリスクに対する管理態勢が不十分となった場合、犯罪者の標的になる可能性が高まり、更なる対策強化に伴う想定外のコストの発生、コルレス契約の解除による海外送金業務等の一部停止、制裁金等の行政処分、風評悪化や信用失墜等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 事務リスク

当行は、事務リスク削減計画を策定・実施するなど堅確な事務の維持、健全な業務運営を行うことで事務リスクの軽減に努めております。しかしながら、各種銀行取引に伴う事務に関する不適切な処理、事故及び不正等により事務リスクが顕在化した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ システムリスク

当行では、様々な金融サービスを提供する上において ITシステムが重要な役割を果たしております。銀行業務の根幹を担う基幹系システム等については、安定的な稼働を維持できるようシステム運行、監視、メンテナンスに至るまで体制整備し、また、災害等の発生による不測の事態に対してはコンティンジェンシープランを策定するなど業務運営に万全を期しております。しかしながら、従来想定していない災害や感染症の流行等の外的要因に加え、システムの停止や誤作動、人為的なミス、システムの不備、システムの不正使用やサイバー攻撃等によるシステムリスクが顕在化した場合には、直接的に発生する損害のほか、社会的信用の低下等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 情報資産リスク

当行は、顧客保護・個人情報保護・情報セキュリティの観点から体制・規定を整備し、顧客情報や経営情報等の保護に取り組んでおります。しかしながら、顧客情報や経営情報等の情報資産の漏洩、紛失、不適切な使用・取扱等により問題が発生した場合には、対応に要する直接的な費用のほか、社会的信用の低下等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 人的リスク

当行の安定した成長には、専門性の高い人材の確保や育成が必要でありますが、これが想定どおりに進まない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、人事処遇や勤務管理などの人事労務管理あるいは職場の安全衛生管理に関連して、重大な訴訟などの問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 外部委託に伴うリスク

当行は、委託業務から発生するまたは予見されるリスクの削減策を実施し、また、委託業務の規模・特性に応じ的確な業務遂行を行うための管理を行っております。しかしながら、当行の業務委託先において、委託業務の遂行に支障をきたした場合、あるいは顧客情報等の漏洩及び紛失等があった場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ リスク管理態勢の有効性に係るリスク

当行は、リスク管理態勢を整備し、各種のリスク管理方針やリスク管理規定等に基づきリスク管理を行っております。しかしながら、将来発生するリスクを正確に予測できないこと等により、リスク管理手法が有効に機能しない場合には、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 内部統制の構築等に係るリスク

金融商品取引法に基づき、当行は、財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を内部統制報告書において開示しております。当行は、適正な内部統制の構築、維持、運営に努めておりますが、想定外の開示すべき重要な不備が発生して期末日までに是正が間に合わない場合、あるいは監査法人により財務報告に係る内部統制が十分に機能していないと評価されるような事態が発生した場合には、当行の財務報告に対する信頼を損なう可能性があるほか、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 外部環境等に関するリスク

① 営業基盤である地域経済が低迷するリスク

当行の主たる営業基盤は三重県及び愛知県にあり、地域に貢献すると同時に地域のお客さまとの共存共栄を実現することが、当行の発展につながるものと考えております。したがって、三重県及び愛知県経済が低迷した場合には、貸出先の業況悪化に伴い不良債権額及び与信関係費用が増加し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 気候変動に関するリスク

近年、地球温暖化に伴う気候変動に関するリスクについて、世界的に危機感が高まっており、気候変動リスクへの対応が地球規模の重要課題となりつつあります。具体的なリスクとしては、異常気象等による自然災害の頻度増加・激甚化や気候の長期的変化等によりもたらされる物理的リスク、低炭素社会への移行に伴う法規制や社会情勢の変化等によりもたらされる移行リスクがあり、これらに起因して、当行または取引先等に事業の停滞等による収入の減少、対応費用の増加、保有資産・担保資産等の価値毀損等が生じた場合には、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当行は、環境や社会に与える影響が大きいと考えられるセクターへの投融資に対しては2022年4月に「百五銀行グループサステナブル投融資方針」を定め、影響の低減・回避に努めております。しかしながら、これらの取組みが不十分であった場合には、企業価値の毀損等により当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 規制変更のリスク

当行は業務を行うにあたって、様々な法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等の適用を受けております。これらの法令等及びその解釈は将来変更される可能性があり、その内容によっては、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 風評リスク

市場または顧客の間で風説が流布されるなど、風評リスクが顕在化した場合には、資金繰りに支障をきたす等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害等の発生に係るリスク

当行の主要な営業地域である三重県及び愛知県は、南海トラフ地震等の被害を受ける可能性の高い地域が含まれております。当行は、業務継続計画書を策定し、有事の際にも被害を最小化できるよう努めておりますが、自然災害等が発生した場合には、被災により直接的に発生する損害のほか、不良債権額及び与信関係費用の増加により、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 感染症等に係るリスク

当行は、感染症等の拡大に備えて業務継続体制の整備を行っております。しかしながら、想定を上回る感染拡大が生じた場合には、円滑な業務運営に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

・業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に一部足踏みが残るものの、企業収益は改善しており、設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな改善が続きました。当行の主要な営業地域である三重県・愛知県下におきましては、個人消費は物価上昇などの影響が見られるものの緩やかな増加基調にあります。また、輸出や生産、設備投資も増加傾向にあるなど、経済は緩やかに回復しております。

先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、物価上昇の継続による消費マインドの下振れ等が個人消費に与える影響や、通商政策などアメリカの政策動向が企業に与える影響などは、わが国の景気を下押しするリスクとなり、注意する必要があります。また、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があります。

このような経済情勢のなかで、当行の連結ベースでの業績は次のようになりました。

預金等(譲渡性預金含む)は公金預金が増加したことなどから、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ809億円増加し、6兆1,438億円となりました。

貸出金は住宅ローンなどの個人向け貸出や中小企業向け貸出が増加したことなどから、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ1,681億円増加し、5兆520億円となりました。

また、有価証券の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ650億円減少し、1兆4,871億円となりました。

損益状況につきましては、経常収益は貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金運用収益が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ50億4百万円増加し、1,244億91百万円となりました。

一方、経常費用は貸倒引当金繰入額の減少によりその他経常費用が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ6億45百万円減少し、987億87百万円となりました。

この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ56億49百万円増加し、257億4百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ37億61百万円増加し、180億42百万円となりました。

なお、包括利益は前連結会計年度に比べ1,662億95百万円減少し、△552億64百万円となりました。

報告セグメントごとの損益状況は、銀行業セグメントにおいて経常収益は前連結会計年度に比べ39億20百万円増加して1,037億59百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ54億79百万円増加して246億79百万円となりました。リース業セグメントにおいて経常収益は前連結会計年度に比べ8億64百万円増加して168億21百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ1億57百万円増加して6億94百万円となりました。また、報告セグメントに含まれていない事業セグメントにおいて経常収益は前連結会計年度に比べ1億89百万円増加して64億24百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ11百万円減少して9億40百万円となりました。

 

・キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、コールマネーの減少や貸出金の増加などにより7,101億71百万円のマイナス(前連結会計年度比7,943億34百万円減少)、投資活動によるキャッシュ・フローが、有価証券の取得による支出などにより290億11百万円のマイナス(前連結会計年度比108億97百万円減少)、財務活動によるキャッシュ・フローが、配当金の支払や自己株式の取得による支出により62億15百万円のマイナス(前連結会計年度比50百万円減少)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べ7,453億98百万円減少し、6,627億79百万円となりました。

 

 

① 国内・国際業務部門別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で前連結会計年度比27億9百万円増加して507億56百万円、国際業務部門で前連結会計年度比3億68百万円減少して158億65百万円、合計で前連結会計年度比23億40百万円増加して666億21百万円となりました。役務取引等収支は、国内業務部門で前連結会計年度比7億12百万円減少して144億1百万円、国際業務部門で前連結会計年度比38百万円減少して65百万円、合計で前連結会計年度比7億51百万円減少して144億67百万円となりました。その他業務収支は、国内業務部門で前連結会計年度比26億45百万円減少して△32億1百万円、国際業務部門で前連結会計年度比55億4百万円増加して△106億16百万円、合計で前連結会計年度比28億59百万円増加して△138億18百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

48,047

16,233

64,280

当連結会計年度

50,756

15,865

66,621

うち資金運用収益

前連結会計年度

48,361

25,271

19

73,613

当連結会計年度

55,608

26,455

287

81,776

うち資金調達費用

前連結会計年度

314

9,037

19

9,333

当連結会計年度

4,852

10,589

287

15,154

役務取引等収支

前連結会計年度

15,114

103

15,218

当連結会計年度

14,401

65

14,467

うち役務取引等収益

前連結会計年度

20,552

181

20,734

当連結会計年度

20,120

150

20,271

うち役務取引等費用

前連結会計年度

5,437

77

5,515

当連結会計年度

5,718

85

5,804

その他業務収支

前連結会計年度

△556

△16,121

△16,677

当連結会計年度

△3,201

△10,616

△13,818

うちその他業務収益

前連結会計年度

16,859

325

47

17,138

当連結会計年度

17,874

117

5

17,986

うちその他業務費用

前連結会計年度

17,415

16,446

47

33,815

当連結会計年度

21,075

10,734

5

31,804

 

(注) 1 国内業務部門は当行の国内店及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の国内店及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息等であります。

 

 

 

② 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

当連結会計年度の資金運用勘定につきましては、平均残高(相殺消去後)は前連結会計年度比328億円増加して7兆2,562億円、利回りは前連結会計年度比0.11ポイント上昇して1.12%となりました。このうち国内業務部門においては、平均残高は前連結会計年度比17億円減少して7兆704億円、利回りは前連結会計年度比0.10ポイント上昇して0.78%となりました。国際業務部門においては、平均残高は前連結会計年度比344億円増加して5,085億円、利回りは前連結会計年度比0.13ポイント低下して5.20%となりました。

一方、資金調達勘定につきましては、平均残高(相殺消去後)は前連結会計年度比60億円増加して7兆1,322億円、利回りは前連結会計年度比0.08ポイント上昇して0.21%となりました。このうち国内業務部門においては、平均残高は前連結会計年度比328億円減少して6兆9,542億円、利回りは前連結会計年度比0.06ポイント上昇して0.06%となりました。国際業務部門においては、平均残高は前連結会計年度比387億円増加して5,008億円、利回りは前連結会計年度比0.16ポイント上昇して2.11%となりました。

 

(ア) 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

7,072,210

48,361

0.68

当連結会計年度

7,070,434

55,608

0.78

うち貸出金

前連結会計年度

4,486,264

33,632

0.74

当連結会計年度

4,727,817

37,763

0.79

うち商品有価証券

前連結会計年度

111

0

0.52

当連結会計年度

108

0

0.36

うち有価証券

前連結会計年度

1,063,080

13,468

1.26

当連結会計年度

1,119,853

14,992

1.33

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

581

2

0.38

当連結会計年度

7,450

46

0.61

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

1,173,777

1,178

0.10

当連結会計年度

872,938

2,445

0.28

資金調達勘定

前連結会計年度

6,987,159

314

0.00

当連結会計年度

6,954,267

4,852

0.06

うち預金

前連結会計年度

5,836,683

261

0.00

当連結会計年度

5,983,473

3,950

0.06

うち譲渡性預金

前連結会計年度

158,507

13

0.00

当連結会計年度

197,428

285

0.14

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

409,222

△93

△0.02

当連結会計年度

183,648

386

0.21

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

111,010

11

0.01

当連結会計年度

117,145

101

0.08

うちコマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

470,157

26

0.00

当連結会計年度

469,879

42

0.00

 

(注) 1 国内業務部門は当行の国内店及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度81,611百万円、当連結会計年度53,773百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度1,986百万円、当連結会計年度999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。

 

 

(イ) 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

474,103

25,271

5.33

当連結会計年度

508,569

26,455

5.20

うち貸出金

前連結会計年度

220,656

13,907

6.30

当連結会計年度

236,310

13,970

5.91

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

244,612

11,015

4.50

当連結会計年度

262,889

12,136

4.61

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

5,751

313

5.45

当連結会計年度

6,178

313

5.06

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

531

0

0.01

当連結会計年度

504

0

0.02

資金調達勘定

前連結会計年度

462,037

9,037

1.95

当連結会計年度

500,806

10,589

2.11

うち預金

前連結会計年度

13,833

154

1.11

当連結会計年度

12,992

157

1.21

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

1,970

112

5.72

当連結会計年度

10,855

614

5.65

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

123,018

6,985

5.67

当連結会計年度

153,975

8,096

5.25

うちコマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

2

0

5.69

当連結会計年度

3

0

4.52

 

(注) 1 国際業務部門は当行の国内店及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

3 国際業務部門の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

4 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度32百万円、当連結会計年度30百万円)を控除して表示しております。

 

 

(ウ) 合計

 

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り
(%)

小計

相殺
消去額
(△)

合計

小計

相殺
消去額
(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

7,546,313

322,950

7,223,363

73,633

19

73,613

1.01

当連結会計年度

7,579,003

322,781

7,256,222

82,063

287

81,776

1.12

うち貸出金

前連結会計年度

4,706,921

4,706,921

47,540

47,540

1.01

当連結会計年度

4,964,127

4,964,127

51,733

51,733

1.04

うち商品有価証券

前連結会計年度

111

111

0

0

0.52

当連結会計年度

108

108

0

0

0.36

うち有価証券

前連結会計年度

1,307,692

1,307,692

24,483

24,483

1.87

当連結会計年度

1,382,743

1,382,743

27,128

27,128

1.96

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

6,333

6,333

316

316

4.99

当連結会計年度

13,628

13,628

359

359

2.63

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

1,174,309

1,174,309

1,179

1,179

0.10

当連結会計年度

873,443

873,443

2,445

2,445

0.27

資金調達勘定

前連結会計年度

7,449,196

322,950

7,126,245

9,352

19

9,333

0.13

当連結会計年度

7,455,073

322,781

7,132,292

15,442

287

15,154

0.21

うち預金

前連結会計年度

5,850,516

5,850,516

415

415

0.00

当連結会計年度

5,996,466

5,996,466

4,107

4,107

0.06

うち譲渡性預金

前連結会計年度

158,507

158,507

13

13

0.00

当連結会計年度

197,428

197,428

285

285

0.14

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

411,193

411,193

19

19

0.00

当連結会計年度

194,503

194,503

1,001

1,001

0.51

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

234,029

234,029

6,997

6,997

2.98

当連結会計年度

271,121

271,121

8,198

8,198

3.02

うち
コマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

470,160

470,160

26

26

0.00

当連結会計年度

469,882

469,882

42

42

0.00

 

(注) 1 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。

2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度81,644百万円、当連結会計年度53,804百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度1,986百万円、当連結会計年度999百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。

 

 

③ 国内・国際業務部門別役務取引の状況

当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比4億62百万円減少して202億71百万円となりました。このうち国内業務部門においては、前連結会計年度比4億32百万円減少して201億20百万円、国際業務部門においては、前連結会計年度比30百万円減少して1億50百万円となりました。

一方、役務取引等費用につきましては、国内業務部門で前連結会計年度比2億80百万円増加して57億18百万円、国際業務部門で前連結会計年度比7百万円増加して85百万円、合計で前連結会計年度比2億88百万円増加して58億4百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

20,552

181

20,734

当連結会計年度

20,120

150

20,271

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

7,643

7,643

当連結会計年度

6,822

6,822

うち為替業務

前連結会計年度

2,845

173

3,019

当連結会計年度

2,990

142

3,132

うち証券関連業務

前連結会計年度

2,932

2,932

当連結会計年度

3,230

3,230

うち代理業務

前連結会計年度

245

245

当連結会計年度

253

253

うち保護預り・
  貸金庫業務

前連結会計年度

130

130

当連結会計年度

124

124

うち保証業務

前連結会計年度

295

8

303

当連結会計年度

262

8

271

うち保険販売業務

前連結会計年度

1,272

1,272

当連結会計年度

1,028

1,028

役務取引等費用

前連結会計年度

5,437

77

5,515

当連結会計年度

5,718

85

5,804

うち為替業務

前連結会計年度

257

52

310

当連結会計年度

327

57

384

 

(注) 国内業務部門は当行の国内店及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

 

④ 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,877,046

12,935

5,889,981

当連結会計年度

5,965,539

12,180

5,977,719

うち流動性預金

前連結会計年度

3,936,771

3,936,771

当連結会計年度

3,943,089

3,943,089

うち定期性預金

前連結会計年度

1,910,389

1,910,389

当連結会計年度

1,962,954

1,962,954

うちその他

前連結会計年度

29,885

12,935

42,820

当連結会計年度

59,495

12,180

71,675

譲渡性預金

前連結会計年度

172,888

172,888

当連結会計年度

166,115

166,115

総合計

前連結会計年度

6,049,935

12,935

6,062,870

当連結会計年度

6,131,654

12,180

6,143,835

 

(注) 1 国内業務部門は当行の国内店及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3 定期性預金=定期預金

 

 

⑤ 貸出金残高の状況

(ア) 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

4,883,888

100.00

5,052,036

100.00

製造業

418,748

8.57

406,975

8.06

農業,林業

6,293

0.13

5,644

0.11

漁業

3,759

0.08

3,194

0.06

鉱業,採石業,砂利採取業

14,102

0.29

12,548

0.25

建設業

155,095

3.18

155,288

3.07

電気・ガス・熱供給・水道業

140,489

2.88

142,947

2.83

情報通信業

11,867

0.24

10,689

0.21

運輸業,郵便業

148,489

3.04

146,122

2.89

卸売業,小売業

309,037

6.33

290,920

5.76

金融業,保険業

341,641

6.99

333,908

6.61

不動産業,物品賃貸業

559,842

11.46

583,868

11.56

学術研究,専門・技術サービス業

29,226

0.60

33,347

0.66

宿泊業

14,756

0.30

13,751

0.27

飲食業

19,780

0.40

17,723

0.35

生活関連サービス業,娯楽業

25,894

0.53

27,078

0.54

教育,学習支援業

9,060

0.19

8,745

0.17

医療・福祉

167,448

3.43

171,767

3.40

その他のサービス

57,274

1.17

62,845

1.25

国・地方公共団体

159,109

3.26

153,078

3.03

その他

2,291,971

46.93

2,471,590

48.92

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

4,883,888

5,052,036

 

(注) 「国内」とは当行の国内店及び連結子会社であります。

 

(イ) 外国政府等向け債権残高(国別)

「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号2022年4月14日)に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等に対する債権残高はありません。

 

 

⑥ 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

171,284

171,284

当連結会計年度

121,073

121,073

地方債

前連結会計年度

451,745

451,745

当連結会計年度

455,392

455,392

短期社債

前連結会計年度

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

226,060

226,060

当連結会計年度

235,306

235,306

株式

前連結会計年度

301,130

301,130

当連結会計年度

242,407

242,407

その他の証券

前連結会計年度

152,042

249,960

402,002

当連結会計年度

173,641

259,344

432,985

合計

前連結会計年度

1,302,263

249,960

1,552,223

当連結会計年度

1,227,821

259,344

1,487,165

 

(注) 1 国内業務部門は当行の国内店及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。

なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1 連結自己資本比率(2÷3)

12.33

2 連結における自己資本の額

2,878

3 リスク・アセットの額

23,344

4 連結総所要自己資本額

933

 

 

単体自己資本比率(国内基準)

(単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1 単体自己資本比率(2÷3)

11.92

2 単体における自己資本の額

2,749

3 リスク・アセットの額

23,055

4 単体総所要自己資本額

922

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2 危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3 要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権のうち、上記1及び2に掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

4 正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

 

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(百万円)

金額(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

10,021

12,351

危険債権

49,335

47,928

要管理債権

8,002

7,737

正常債権

4,895,535

5,057,639

 

(注) 債権のうち外国為替、未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。

 

(生産、受注及び販売の状況)

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

中期経営計画の目標と2024年度実績等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

当連結会計年度は、資金運用収支やその他業務収支の増加により連結業務粗利益が増加したことや、その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額)の減少により連結業務純益が増加したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は180億42百万円となりました。

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

前連結会計年度比
(百万円)

資金運用収支

64,280

66,621

2,340

資金運用収益

 

73,613

81,776

8,162

資金調達費用(金銭の信託運用見合費用控除後)

 

9,333

15,154

5,821

役務取引等収支

15,218

14,467

△751

役務取引等収益

 

20,734

20,271

△462

役務取引等費用

 

5,515

5,804

288

その他業務収支

△16,677

△13,818

2,859

その他業務収益

 

17,138

17,986

848

その他業務費用

 

33,815

31,804

△2,010

連結業務粗利益
(=①+②+③)

62,822

67,270

4,448

営業経費(臨時費用控除後)

43,530

44,158

628

連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)
(=④-⑤)

 

19,291

23,111

3,820

その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額)

2,935

331

△2,603

連結業務純益
(=④-⑤-⑥)

 

16,356

22,779

6,423

その他経常収益

8,001

4,457

△3,544

うち貸倒引当金戻入益

 

うち償却債権取立益

 

0

0

△0

うち株式等売却益

 

7,522

4,025

△3,497

資金調達費用(金銭の信託運用見合費用)

0

0

0

営業経費(臨時費用)

△681

△2,804

△2,123

その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額控除後)

4,983

4,336

△647

うち不良債権処理額

 

4,230

3,463

△767

うち株式等売却損

 

468

523

54

うち株式等償却

 

38

23

△14

臨時損益
(=⑦-⑧-⑨-⑩)

 

3,698

2,924

△774

経常利益

 

20,054

25,704

5,649

特別損益

 

△173

△259

△86

税金等調整前当期純利益

 

19,881

25,444

5,563

法人税、住民税及び事業税

 

6,446

6,207

△239

法人税等調整額

 

△846

1,194

2,041

法人税等合計

 

5,600

7,401

1,801

当期純利益

 

14,281

18,042

3,761

親会社株主に帰属する当期純利益

 

14,281

18,042

3,761

 

 

 

当連結会計年度における主な項目の具体的な分析は、以下のとおりであります。

 

① 経営成績の分析

主な収支

中期経営計画「KAI-KAKU150 2nd STAGE『未来へのとびらⅡ』」に掲げる「ビジネスモデルの強化」に基づいて、貸出金収益・役務収益増強戦略、有価証券戦略などを展開する一方、「生産性の向上」への取組みとして、チャネル戦略、IT戦略などによる業務効率化を追求した結果、当連結会計年度における主な収支は以下のとおりとなりました。

・資金運用収支

貸出金利息や有価証券利息配当金が増加したことなどにより、資金運用収支は前連結会計年度比23億40百万円増加し666億21百万円となりました。

・役務取引等収支

住宅ローン取扱手数料が減少したことなどにより、役務取引等収支は前連結会計年度比7億51百万円減少し144億67百万円となりました。

・その他業務収支

国債等債券損益が改善したことなどにより、その他業務収支は前連結会計年度比28億59百万円増加し△138億18百万円となりました。

以上の結果、連結業務粗利益は、前連結会計年度比44億48百万円増加し672億70百万円となりました。

・営業経費(臨時費用控除後)

物件費や人件費が増加したことなどから、営業経費(臨時費用控除後)は前連結会計年度比6億28百万円増加し441億58百万円となりました。

以上の結果、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は、前連結会計年度比38億20百万円増加し231億11百万円となりました。

・与信関係費用(一般貸倒引当金繰入額+不良債権処理額-貸倒引当金戻入益-償却債権取立益)

与信関係費用は、一般貸倒引当金繰入額や債権等売却損が減少したことなどから、前連結会計年度比33億70百万円減少し37億95百万円となりました。

・株式等関係損益

株式等関係損益は、株式等売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度比35億37百万円減少し34億78百万円となりました。

以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比56億49百万円増加し257億4百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比37億61百万円増加し180億42百万円となりました。

 

 

② 財政状態の分析

(ア) 貸出金

貸出金は、住宅ローンなどの個人向け貸出や中小企業向け貸出が増加したことなどから、前連結会計年度末比1,681億円増加し5兆520億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

貸出金残高(末残)

 

48,838

50,520

1,681

うち個人向け貸出金

 

22,919

24,715

1,796

うち住宅ローン

 

22,267

24,046

1,778

 

 

〔ご参考〕

○金融再生法ベースの区分による債権及びリスク管理債権の状況

金融再生法ベースの区分による債権及びリスク管理債権は、前連結会計年度末比8億円増加し698億円となりました。

総与信に占める割合は、前連結会計年度末比0.03ポイント低下し1.35%となりました。

債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額が23億円増加、危険債権額が12億円減少、要管理債権額が2億円減少しております。

 

部分直接償却は実施しておりません。

 

金融再生法ベースの区分による債権及びリスク管理債権の残高

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権額

108

132

23

危険債権額

500

488

△12

要管理債権額

80

77

△2

 

三月以上延滞債権額

0

0

 

貸出条件緩和債権額

80

77

△2

小計額

689

698

8

正常債権額

49,170

50,818

1,647

合計額

49,860

51,516

1,655

 

 

 

総与信に占める割合

 

 

前連結会計年度末
(%)

当連結会計年度末
(%)

前連結会計年度末比(%)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権額

0.21

0.25

0.04

危険債権額

1.00

0.94

△0.06

要管理債権額

0.16

0.15

△0.01

 

三月以上延滞債権額

0.00

0.00

 

貸出条件緩和債権額

0.16

0.15

△0.01

合計額

1.38

1.35

△0.03

 

 

(イ) 有価証券

有価証券は、株式の減少等により、前連結会計年度末比650億円減少し、1兆4,871億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

有価証券

 

15,522

14,871

△650

国債

 

1,712

1,210

△502

地方債

 

4,517

4,553

36

社債

 

2,260

2,353

92

株式

 

3,011

2,424

△587

その他の証券

 

4,020

4,329

309

 

(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

(ウ) 預金

預金は、公金預金が増加したことなどから、前連結会計年度末比877億円増加し5兆9,777億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

預金

 

58,899

59,777

877

うち個人

 

43,759

43,876

116

うち法人

 

12,599

12,513

△85

 

(注) 「法人」には「公金」及び「金融機関」は含まれておりません。

 

 

(エ) 純資産の部

利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益180億円等により、前連結会計年度末比140億円増加し2,988億円となりました。

その他有価証券評価差額金は、株式の評価差額が減少したことなどから、前連結会計年度末比628億円減少し957億円となりました。

 

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

純資産の部合計

 

4,969

4,354

△614

うち利益剰余金

 

2,847

2,988

140

うちその他有価証券評価差額金

 

1,585

957

△628

 

 

③ 経営成績に重要な影響を与える主な要因の分析

(ア) 与信関係費用

国内外の景気の低迷、特に主要な営業の地盤である地域経済の低迷は、貸出先の体力を低下させ債権分類区分の低下につながることから、貸倒引当金や貸出金償却等を増加させる要因となります。また、景気動向は土地等の不動産価格にも影響し、担保価値の変動要因となります。これらにより影響を受ける与信関係費用の増加は、経営成績に重要な影響を与える要因となります。

・当連結会計年度の与信関係費用

与信関係費用は、前連結会計年度比33億70百万円減少し37億95百万円となりました。

一般貸倒引当金繰入額については、前期に算定方法を変更した反動などにより、前連結会計年度比26億3百万円減少しました。

個別貸倒引当金繰入額については、前連結会計年度比1億48百万円減少し32億99百万円となりました。

また、不良債権のオフバランス化を進めた結果、債権等売却損4百万円を計上しました。

 

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

前連結会計年度比
(百万円)

その他経常費用のうち
一般貸倒引当金繰入額

2,935

331

△2,603

その他経常費用のうち
不良債権処理額

4,230

3,463

△767

貸出金償却

 

20

7

△12

個別貸倒引当金繰入額

 

3,447

3,299

△148

債権等売却損

 

530

4

△526

その他

 

231

151

△79

その他経常収益のうち
貸倒引当金戻入益

その他経常収益のうち
償却債権取立益

0

0

△0

与信関係費用
(=①+②-③-④)

7,165

3,795

△3,370

連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)

19,291

23,111

3,820

差引
(=⑥-⑤)

 

12,125

19,316

7,191

 

 

 

(イ) 株式等関係損益

株価が大幅に下落した場合は、株式等償却を増加させるため、経営成績に重要な影響を与える要因となります。

・当連結会計年度の株式等関係損益

株式等関係損益は、株式等売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度比35億37百万円減少し、34億78百万円となりました。

 

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

前連結会計年度比
(百万円)

株式等関係損益

 

7,015

3,478

△3,537

その他経常収益のうち株式等売却益

 

7,522

4,025

△3,497

その他経常費用のうち株式等売却損

 

468

523

54

その他経常費用のうち株式等償却

 

38

23

△14

 

 

④ 連結自己資本比率(国内基準)

当連結会計年度末の連結における自己資本の額は、前連結会計年度末比70億円増加し2,878億円となりました。

リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比930億円増加し2兆3,344億円となりました。

これにより、連結自己資本比率(国内基準)は前連結会計年度末比0.19ポイント低下し、12.33%となりました。

 

 

 

前連結会計年度末
(億円)

当連結会計年度末
(億円)

前連結会計年度末比(億円)

1 連結自己資本比率(2÷3)(%)

 

12.52

12.33

△0.19

2 連結における自己資本の額

 

2,807

2,878

70

3 リスク・アセットの額

 

22,414

23,344

930

4 連結総所要自己資本額

 

896

933

37

 

 

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、コールマネーの減少や貸出金の増加などにより7,101億円のマイナス(前連結会計年度比7,943億円減少)、投資活動によるキャッシュ・フローが、有価証券の取得による支出などにより290億円のマイナス(前連結会計年度比108億円減少)、財務活動によるキャッシュ・フローが、配当金の支払や自己株式の取得による支出により62億円のマイナス(前連結会計年度比0億円減少)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べ7,453億円減少し、6,627億円となりました。

貸出金や有価証券による運用については、預金のほか、必要に応じて借用金や債券貸借取引により資金調達しております。

また、設備投資や株主還元等については、自己資金を財源として実施いたします。

設備投資計画の詳細については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」を、配当政策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

 

 

 

前連結会計年度
(億円)

当連結会計年度
(億円)

前連結会計年度比
(億円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

841

△7,101

△7,943

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

△181

△290

△108

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

△61

△62

△0

現金及び現金同等物の期末残高

 

14,081

6,627

△7,453

 

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。