当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものです。
(経営理念)
(経営ビジョン)
「活力創造銀行」
地域、そしてお客さまの成長と発展に貢献していくことは、地域金融機関の使命であり、役職員一同持てる力を最大限に発揮して、当行グループならではの新しい価値を生み出すことで、地域やお客さまに選んでいただける銀行グループを目指しています。
(経営環境)
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済が成長岐路に差しかかるもとで、政府の経済政策や緩和的な金融環境に支えられ、緩やかに成長してきました。企業収益は、各国の通商政策の影響が一部残るものの、全体としては高水準を維持しており、業況感も良好な水準で推移しています。
当行グループの事業基盤である奈良県経済においては、物価上昇など一部に弱い動きがみられるものの、観光資源の活用や企業誘致を通じた地域経済の活性化を通じて、緩やかに持ち直しています。
(対処すべき課題)
当行グループでは、「地域の活力創造」を実現するため、当行グループやステークホルダーにとっての重要度を勘案して、以下のとおり重要課題(以下、「マテリアリティ」という)を特定しています。

マテリアリティの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。
当行グループは、2020年度から2029年度までを計画期間とする経営計画「なんとミッションと10年後に目指すゴール」を策定し、10年後に目指すゴールとして奈良県のGDPを2016年度比10%増加させることを目標としており、お客さま自身では解決できない業界、サプライチェーン単位の課題を、当行グループが自らその一部となり主体的に課題を解決することで、新たな収益機会を生み出し、安定した収益基盤の確立を図っています。
2025年度より開始した中期経営計画「人財の力で地域の活力を創造する」においては、「自ら考え行動し、地域の課題を解決する人財の創出」、「地域を支え続けられる健全な経営」に取り組むことでマテリアリティを解決し、地域活力創造を目指しています。

「人財の創出」及び「健全な経営」について、2027年度までの目標としてそれぞれ、ROE(連結)、自己資本比率(連結)、当期純利益(連結)、OHR(連結)、エンゲージメントスコア、女性管理職比率の目標を設定しています。
本業収益が順調に推移していることに加え、当初計画に織り込んでいなかった政策金利の引き上げに伴う影響等を勘案し、2027年度目標の見直しを行いました。
引き続き、健全な経営を維持しつつ、人財の創出に向け、2027年度までの目標としてそれぞれ、ROE(連結)8.5%以上、自己資本比率(連結)ターゲットレンジ11%~12%、当期純利益(連結)300億円以上、OHR(連結)55%未満、エンゲージメントスコア75点以上、女性管理職比率20%以上の目標を新たに設定しています。
なお、ROEについては将来的に目指す水準として10%を設定します。

(各指標の算出方法等)
・「RОE」:「当期純利益」÷「純資産」
・「OHR」:「経費」÷「コア業務粗利益」
(2026年度アクションプラン)
当行グループが持続的に成長していくためには、マテリアリティを踏まえて事業戦略を策定し、アクションプランとして具体化していく必要があります。
2026年度は、さらなる企業価値向上に向けて、ポートフォリオの再構築による収益力の最大化を実現するべく、「基盤」「投資」「人財」を中心としたアクションプランに取り組みます。

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ(全般)への対応
当行グループは、「地域とともに発展するサステナブル経営」の実現を目指し、サステナビリティに関する全社的な基本方針として、「サステナビリティ基本方針」を策定し、グループ全体で取組を進めています。
(サステナビリティ基本方針)
① ガバナンス
当行グループは、「サステナビリティ基本方針」に記載のとおり、サステナビリティへの取組を経営戦略の根幹に組み込んでおり、持続可能な地域社会の実現に向け、金融仲介機能の発揮等の本業に加え、グローバルに対応が求められるサステナビリティに関する課題や地域を取り巻くさまざまな課題について、取締役会の監督のもと、サステナビリティ関連施策を推進する体制を構築しています。
具体的には、取締役会において定めるサステナビリティ基本方針と当行グループが優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)に基づき、経営会議において具体的な取組テーマを特定し、テーマに応じて関連部署が連携しながら具体的な施策を推進していく体制としています。また取締役会は、サステナビリティに関する課題への取組が経営戦略に照らして適切であるかを監督しています。
取締役の報酬制度においても、「サステナブル経営の実践」に向けた取締役の貢献意欲を高めるために、従業員のエンゲージメントスコアを指標とする業績連動型報酬制度を採用しています。
なお、ガバナンスの概要及び取締役の報酬制度の概要については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
(マテリアリティの特定プロセス)
当行グループは、サステナビリティ基本方針に基づき、ステークホルダーの皆さまや当行グループにとっての重要度を勘案して優先的に取り組むマテリアリティを特定しています。マテリアリティの特定プロセスは次のとおりです。
STEP1 課題の抽出
国連グローバルコンパクト、ISO26000、GRI、SDGsなど国際的なフレームワークに加え、世界経済フォーラムが公表したグローバルトップ10リスクや日本政府のSDGsアクションプランなどを参考にしながら、当行グループを取り巻く外部環境を踏まえ、サステナビリティ基本方針を起点に、今後、発生が予想される環境、社会、ガバナンス各面の課題を広範に抽出。
STEP2 抽出した課題の分析・評価
STEP1で抽出した課題のなかから、特に当行グループに関連性の高い課題を識別し、ステークホルダーの皆さまへの影響度と当行グループへの財務的影響度の2軸で重要性を分析・評価。
STEP3 重要課題の特定
STEP2の分析・評価結果をもとに、経営会議および取締役会において機会とリスク、優先的に取り組むべきテーマを議論し、マテリアリティを特定。
② 戦略
当行グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2020年度から2029年度までを計画期間とする経営計画「なんとミッションと10年後に目指すゴール」を策定し、10年後に目指すゴールとして奈良県のGDPを2016年度比10%増加させることを目標としており、お客さま自身では解決できない業界、サプライチェーン単位の課題を、当行グループが自らその一部となり主体的に課題を解決することで、新たな収益機会を生み出し、安定した収益基盤の確立を図っています。
また、2025年度より中期経営計画「人財の力で地域の活力を創造する」を開始し、「自ら考え行動し、地域の課題を解決する人財の創出」・「地域を支え続けられる健全な経営」の2つを軸に取り組むことでマテリアリティを解決し、地域の活力創造を目指しています。
(当行グループのマテリアリティ)
なお、マテリアリティを踏まえたアクションプランについては
③ リスク管理
当行グループでは、金融機関を取り巻く環境が大きく変化し、直面するリスクも一層多様化・複雑化しているなか、経営の健全性・適切性を維持するため、リスクの適切な管理を経営の最重要課題の一つに位置づけ、リスク管理態勢を整備しています。
具体的には、統合的リスク管理の考えのもと「信用リスク」「市場リスク」「流動性リスク」「オペレーショナルリスク」に各リスクを分類し、リスクカテゴリーごとの主管部署とリスク統括部署を定め、リスクを適切にコントロールできる体制を確立し、各リスクの状況については、毎月開催するALM委員会、半期に一度開催するオペレーショナル・リスク管理委員会において評価・分析等を行い、経営陣に報告しています。
なお、リスク管理体制の概要については、
④ 指標及び目標
当行グループではサステナビリティについて指標及び目標を設定しています。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動に関する取組 ④指標及び目標」、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本経営に関する取組 」をご参照ください。
(2)気候変動に関する取組
① ガバナンス
当行グループは、「サステナビリティ基本方針」を策定してサステナビリティに関する課題への対応に取り組んでおり、そのなかで優先的に取り組むべきテーマを取締役会で議論し、マテリアリティ(重要課題)の一つとして「深刻化する気候変動問題への対応」を特定しています。
気候変動への対応については、半期ごとに経営会議で具体的な施策や目標、進捗等について審議し、その結果が経営戦略に照らして適切であるかを取締役会が監督する体制としています。
② 戦略
当行グループは、なんとミッションである「地域の発展」「活力創造人材の創出」「収益性の向上」の遂行を通じてステークホルダーの皆さまに価値を提供するべく、グループ全体で気候変動への対応に取り組んでいます。
地域の一員として、自らの脱炭素化への取組はもちろん、お客さまや地域の脱炭素化への取組についても積極的に支援します。
自らの脱炭素化への取組としては、CO2排出量の削減目標ならびにネットゼロ目標を設定し、再生可能エネルギーの導入や店舗内および店外ATМ照明のLED化、エコカーの導入などの取組を進めています。店舗の新築、建替に際しては、太陽光パネルの設置を予定しており、環境に配慮した設備の導入を進めています。また、紙使用量削減に向け、印刷枚数を抑制するための啓発活動を継続的に実施していることに加え、ペーパーレス会議の推進や帳票類の電子化にも取り組んでいます。
お客さまの脱炭素化への取組など、サステナブル経営の実現を支援するため、2025年度より本部にサステナブルファイナンス専門の担当者を配置しています。サステナブルファイナンスの推進などを通じてお客さまの経営課題の解決を図ります。
地域の脱炭素化への取組の一環として、「<ナント>J—クレジット寄附型私募債」を取り扱っています。私募債発行金額の0.1%以内で当行が奈良県森林由来のJ—クレジットを購入し、奈良県または大阪府へ寄附します。J—クレジット寄附型私募債により、地域のお客さまの脱炭素における機運を醸成し、気候変動問題への取組や経営課題の解決に取り組んでいます。
「省エネ・地域パートナーシップ(※)」への参加により、お客さまへの省エネに関する情報提供や省エネ設備導入に伴う補助金支援、融資対応を行い、地域一丸となってお客さまの脱炭素化や省エネの促進をサポートしています。
(※)資源エネルギー庁が、金融機関や省エネ団体(省エネ診断等の実施団体)との連携を強化し、中小企業の省エネに向けた取組を支援する体制を地域一丸で構築するために立ち上げた新しい枠組みであり、200を超える金融機関や省エネ支援機関が参加しています。
a. リスクと機会
1.5℃、4℃を含む複数の公的シナリオ(※)を前提に、気候変動に伴うリスクと機会の評価を行いました。時間軸については、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)で分析を行っています。
(※)参考にした公的シナリオ
脱炭素化が進む1.5℃シナリオなど:IEA NZE2050、IEA APS、NGFS Net Zero2050、IPCC SSP1-1.9、SSP1-2.6
温暖化が進む4℃超シナリオ:IEA Steps、NGFS Current policies、IPCC SSP5-8.5
b. シナリオ分析
(2)②a.リスクと機会のうち、以下についてシナリオ分析を行いました。
分析の結果、移行リスク、物理的リスクによる財務影響は限定的と評価しています。
ただし、一定の前提条件を仮定した分析であることから、引き続き分析手法の高度化や対象範囲の拡大・精緻化に取り組んでまいります。
(※1) IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関
(※2) IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル
c. 炭素関連資産
当行の貸出金に占めるTCFD改訂付属書に基づく炭素関連資産割合(再生可能エネルギー発電事業を除く)は以下のとおりです。(2026年3月末時点)
当行では日銀業種分類をベースに算定しており、GICS(世界産業分類)を基準とした算定方法とは差異が生じる場合があります。
③ リスク管理
当行グループは、気候変動への対応を、地域社会の持続的発展にとって重要な課題として認識しています。
当行の気候変動リスクを信用リスクとオペレーショナルリスクに分類し、それぞれALM委員会とオペレーショナル・リスク管理委員会のモニタリング項目に組み込み、リスク管理の高度化を図ります。
また、当行グループは投融資ポリシーを制定しており、環境や社会課題の解決を通じて持続可能な地域社会の実現に貢献する投融資については積極的に行い、一方で、環境や社会に対して負の影響を与える可能性のある投融資については、慎重に取組可否を判断し、その影響を低減・回避するよう努めます。
④ 指標及び目標
当行グループでは、気候変動への対応について、以下の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。なお、当行グループは、2025年度のCO2算定より、株式会社NTTデータが提供する温室効果ガス排出算定ツール「C-TurtleⓇFE」を導入し、GHGプロトコル(※)に基づく排出量算定を実施しています。
※温室効果ガスの排出量を算定するための国際的な基準
a. 当行グループのCO2排出量(Scope1、2)
当行グループは、CO2排出量の削減に向けて取組を進めており、以下のとおり、「2030年度までに2013年度比△75%削減」、「2050年度までにネットゼロ」とする目標を設定しています。
2025年度のCO2排出量は4,206t-CO2であり、2013年度から△57%の削減となりました。
2024年度の再生可能エネルギーの導入効果や非化石証書の購入などにより、前年比でも排出量は減少しました。
ZEB認証取得済みの本店ビルをはじめ、新築店舗への太陽光パネル設置などにより、今後も脱炭素社会に向けた取組を加速させてまいります。
(単位:t-CO2)
(単位:t-CO2)
b. 当行グループのCO2排出量(Scope3)
カテゴリー15(ファイナンスド・エミッション)の増加を主因にScope3における排出量が増加しました。
(※)カテゴリー15については、当行単体を対象としています。
(Scope3 カテゴリー15の算定)
金融機関にとって投融資による間接的な排出量はScope3が大きな割合を占めており、当行の気候変動への取組において重要な指標と考えています。当行では、カテゴリー15(投融資)にかかる排出量について、PCAFスタンダード(※)に基づく排出量の算定に2023年度から取り組んでおり、2025年度も継続して算定を行いました。2025年度は融資額の増加により排出量は増加しました。
算定結果は、お取引先との対話(エンゲージメント)に活用し、お取引先の排出量削減を支援することにより、脱炭素社会の実現に貢献していきます。また、算定対象の拡大や算定手法の精緻化にも継続的に取り組んでいきます。(算定方法の見直しやお取引先の開示状況などにより排出量算定結果は今後変動する可能性があります。)
○ 算定対象
2025年9月末時点の国内事業法人向け融資(プロジェクトファイナンスは除く)
なお、算定に必要な財務データ等が不足する先は対象外としており、算定対象融資は、国内事業法人向け融資の99.7%をカバーしています。
○ 算定手法
PCAFスタンダードに基づき、投融資先各社ごとに、以下の算定式で算定しています。
投融資先の排出量 ×(当行の融資額 ÷ 資金調達総額)
なお炭素強度は、2025年度より投融資先の排出量を投融資先の売上高で除することで算定しています。
○ 排出量の把握
投融資先各社の排出量は、ボトムアップ方式・トップダウン方式を併用して算定しました。
・ボトムアップ方式:各社が開示する排出量を利用
・トップダウン方式:各社の売上高に、業種に応じた平均的な排出係数(環境省排出原単位データベースを利用)を掛け合わせて推計
PCAFの定めるデータクオリティスコアは「2.7」となっており、今後も情報精度の向上に取り組んでまいります。
(※)国際的なイニシアティブであるPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)が作成した、金融機関の投融資ポートフォリオにおけるGHG排出量を計測・開示する基準
c. サステナブルファイナンス
当行グループは、地域やお客さまのサステナビリティ課題の解決に向けた活動を資金面から支援するため、サステナブルファイナンスの実行額について以下の目標を設定しています。
2023年度から2025年度の累計実行額実績は5,239億円(進捗率52.3%)、うち環境系ファイナンスは1,620億円となっています。
(対象範囲)
環境分野・社会分野の課題解決に資するファイナンス
・環境分野:再生可能エネルギー、省エネルギー、ZEB、ZEVなど
・社会分野:地域活性化、地方創生、スタートアップ、事業承継、BCP対策など
お客さまのSDGs対応を支援・促進するファイナンス
(3)人的資本経営に関する取組
人的資本経営に関する取組については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載しています。
有価証券報告書に記載した「事業の状況」、「経理の状況」等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものです。
当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとしましては、以下に記載したリスクのうち(1)信用リスク、(2)市場リスク及び(3)流動性リスクがあげられます。
(1)信用リスク及び(2)市場リスクについては、計量したリスク量が自己資本の範囲内でリスクの種類毎に割り当てたリスク資本に収まるようにコントロールしており、(3)流動性リスクを含む主要なリスクの状況については、毎月開催されるALM委員会にて評価しています。あわせてALM委員会等で決定する各種損益管理や限度額管理を通じて、損失拡大防止やリスク分散を行っています。
(1) 信用リスク
① 不良債権の状況
国内外の景気動向、地価や株価、為替の動向により当行貸出先の経営状況が大幅に悪化する場合には、不良債権及び与信関連費用が増加する恐れがあり、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 貸倒引当金の状況
当行は貸出先の状況、担保価値及び過去の貸倒実績等に基づいて予想損失額を算定し貸倒引当金を計上しています。しかし、実際の貸倒れが当該予想損失額を大幅に上回り、貸倒引当金を積み増さざるを得なくなる可能性があります。
③ 権利行使の困難性
不動産価格や有価証券価格の下落等の要因により、担保権を設定した不動産や有価証券を換金することが困難になり、当行の与信関連費用が増加する可能性があります。
(2) 市場リスク
当行グループの資産・負債は、主要業務である預金及び貸出金並びに有価証券等で構成されており、金利、有価証券価格及び為替相場など市場のリスク・ファクターの変動により、オフバランス取引を含め資産の価値が変動し損失を被るリスクがあります。主なリスクは次のとおりです。
① 金利リスク
金利リスクとは、貸出金や有価証券投資等の資金運用と預金等の資金調達との期間ミスマッチが存在するなかで金利が変動することにより、利益が低下ないし、損失を被るリスクのことをいいます。当行では金利リスクを総合的に管理していますが、予期せぬ金利変動によって金利収入減少や債券の評価損・売却損が発生し、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 価格変動リスク
価格変動リスクとは、有価証券等の価格変動に伴って資産価格が下落するリスクをいいます。予期せぬ価格変動によって評価損・売却損が発生し、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替リスク
為替リスクとは、外貨建資産・負債について、ネットベースで資産超又は負債超ポジションとなった場合に為替の価格が当初予定されていた価格と相違することにより損失が発生するリスクのことをいいます。予期せぬ為替相場の変動によって損失が発生し、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 流動性リスク
当行グループは、資金繰りの適切な管理に努めていますが、
・運用と調達の期間ミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること
・保有する有価証券の売買において、市場の混乱により取引が困難になる、または通常より著しく不利な価格での取引を余儀なくされること
などにより、調達コストの増加や損失が発生し、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であることまたは外生的な事象により損失を被る以下の各リスクをいいます。各リスクの顕在化による経済的損失・信用失墜等が経営及び業務遂行に大きな影響を及ぼし得ることを認識し、各リスクを適切に管理することにより、当該リスクの極小化に努めています。オペレーショナル・リスク管理に関する主要事項は半期に1度開催しているオペレーショナル・リスク管理委員会にて協議・決定を行い、必要に応じ取締役会等に報告することで各リスク管理を適切に行うための当該リスク管理態勢の整備・充実を図っています。
① 事務リスク
当行グループの役職員が正確な事務を怠り、あるいは事故・不正等を起こした場合には、当行グループの社会的信用が損なわれることとなり、当行グループの業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、業務遂行の過程でこうした法令違反等により訴訟等の提起を受けた場合、その結果によっては、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② システムリスク
当行グループでは、コンピュータシステムのダウンまたは誤作動等のシステムの不具合等に伴い損失を被る可能性やコンピュータが不正に使用されることにより損失を被る可能性があります。また、インターネット等を経由したコンピュータシステムへの不正侵入や情報の窃取・改ざん・破壊、不正プログラムの実行等のサイバー攻撃により損失を被る可能性があります。これらの損失が発生した場合、当行グループの業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、データのバックアップ、暗号化、情報漏洩対策などを講じて、より安心安全なサービスの提供に取り組むとともに、「南都銀行CSIRT※」が中心となり、各種セキュリティ対策の強化やサイバー攻撃演習を実施するなど、当行グループのサイバーセキュリティにかかる管理態勢の強化に取り組んでいます。
(※CSIRT…Computer Security Incident Response Team)
③ 法務リスク
当行グループにおいて、顧客に対する過失による義務違反及び不適切なビジネス・マーケット慣行から生じる損失及び損害(監督上の措置並びに和解等により生じる罰金、違約金及び損害賠償金等)が発生した場合、業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 人的リスク
当行グループは、良好な職場環境の確保に努めています。しかしながら、予期せぬ人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)、差別的な行為(セクシャルハラスメント等)により損失・損害を被る場合、当行グループの業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 有形資産リスク
当行グループが保有する土地、建物等の有形資産について、適切に管理しています。しかしながら、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等により、有形資産の毀損及び損害を被る可能性があります。また固定資産の減損会計適用に伴い、評価額が低下した場合等には損失が発生する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、一部業務が停止するなど業務遂行、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 風評リスク
当行グループは風評リスクを適切に管理していますが、当行グループや金融業界に対する評判の悪化や風説が発生し、マスコミ報道やインターネット等を通じて流布した場合、当行グループの信用が著しく低下し、業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自己資本にかかるリスク
自己資本は、企業が将来にわたって事業活動を継続していくなかで、当行グループ全体に対するお客さま等からの信認を確保するとともに、予期しない様々なリスクの緩衝材としての役割を果たすものであるという認識から、当行グループは一定水準の自己資本額の維持とその質的向上に努めています。
当行は海外営業拠点を有しないため、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)により、連結ベースと単体ベースの双方について自己資本比率は4%以上を維持しなければなりませんが、もし、これを下回った場合には、業務の全部または一部の停止等を含む様々な措置を命ぜられることとなります。
当行グループの自己資本、自己資本比率に影響を与える要因としては、与信関連費用の増加あるいは銀行の自己資本比率基準及び算定方法の変更等があります。
(6)その他のリスク
① 金融犯罪に関するリスク
近年、キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺・サイバー犯罪に加え、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺等の金融犯罪が拡大し、社会問題となっています。このような状況を踏まえ、当行では金融犯罪防止を重要な経営課題の一つとして位置付け、警察当局等の関係機関と連携するとともに、セキュリティ強化に向けた各種取組を行い、被害拡大の未然防止に努めています。
しかしながら、金融犯罪の手口は年々複雑化・巧妙化しており、当行の金融サービスが不正に利用された場合には、対応に伴う追加的なコストの発生や不測の損失、さらには社会的信用の低下を通じて、当行グループの業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策にかかるリスク
当行グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を経営上の重要な課題の一つとして位置付け、リスクベース・アプローチの考え方に基づき、適切にリスクを特定・評価し、リスクに見合った低減策を講じるなど、積極的に取り組んでいます。しかしながら、国内外の法令規制等に抵触した場合、風評被害による当行の信用失墜のほか、多額の制裁金による経済的損失により、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候変動リスク
当行グループは、気候変動問題への対応を地域社会の持続的発展にとって重要な課題として認識しています。気候変動がもたらすリスクには物理的リスクと移行リスクがあります。物理的リスクとは、気候変動を要因とした自然災害や海面上昇などによってお客さま及び当行グループの資産や事業基盤が毀損するリスクのことであり、自然災害に伴うお客さまの業況悪化、担保価値毀損を通じて与信コストが増加する可能性があります。また、移行リスクとは、脱炭素社会への移行に伴う法規制の変化や外部環境の変化に起因するリスクのことであり、脱炭素化に向けた規制強化、技術革新や市場の変化に伴う、お客さまの事業・財務状況への影響による与信コスト増加の可能性があります。なお、気候変動に関するリスクへの対応や開示が不十分であるとみなされた場合には当行グループの企業価値が毀損する可能性があります。
当行グループは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しています。気候変動が当行グループの事業活動に与える影響を踏まえ、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」のカテゴリごとに開示を行い、リスクの対応を進めてまいります。
④ 自然災害等リスク
当行グループは、様々な災害・事故の発生に備え緊急時対応マニュアルやバックアップ体制の充実等、業務継続体制の整備を図っています。しかし、台風や地震など大規模な自然災害に見舞われた場合、当行グループ自身の被災による直接的損害のほか、地域における金融・決済機能の低下が業務遂行、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行が市場において資本・資金調達を行うことが困難となり、資金調達コストの増加を招くなど、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 規制変更のリスク
当行グループは、様々な規制・監督下に置かれている規制業種であるため、法規制等によるリスクを伴って業務を遂行しています。
将来の法令及び諸規制の制定または変更がなされることにより、当行グループが業務を迅速かつ柔軟に拡大できなくなる可能性があり、その後の事業展開や財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 顧客情報の漏洩リスク
当行グループは、事業の特性上、多数のお客さま情報を保有しており、顧客情報の保護は業務を適切に運営するうえで必須の事項となっています。そのため、業法及び個人情報保護法等に則り、情報の取扱いについて管理態勢を整備し、各種規程を設けるとともに研修・指導等を通じ、個人を含む顧客情報の保護に努めています。こうした対応にもかかわらず顧客情報が万が一にも漏洩・滅失又は毀損した場合には、当行グループへの信頼が損なわれ、さらに、損害賠償責任を負うこととなるなど、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 業務委託リスク
当行グループの業務の委託先において、委託した業務に関し事務事故、システム障害、情報漏洩などが発生した場合、当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 特定地域の経済動向に影響を受けるリスク
当行グループは、奈良県を中心としてその隣接府県及び東京都に営業拠点を展開していますが、営業地域が限定されているうえ、地元奈良県の経済規模が小さく特定産業に依存している側面があるため、マクロ経済の影響はもとより、地域の経済状況の悪化は当行グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ デジタル技術の進歩による銀行取引の変化
デジタル技術の進展は従来の金融取引のあり方を大きく変えており、異業種からの銀行業への参入、給与のデジタル払いなど、デジタルインフラを前提とした金融サービスが拡がりつつあるなか、当行グループは従来からデジタルを活用したサービスの質の向上に積極的に取り組んでいます。
しかしながら、金融取引のデジタル化には、優秀なデジタル人材の確保と膨大なシステム開発コスト等の負担が必要であり、業績を圧迫する可能性があります。また、デジタル化の進展によって、外部からのサイバー攻撃や予期せぬシステムダウンまたは誤作動によって、大規模な情報漏洩や長期間のサービス停止があった場合には、金融機関としての信頼性が損なわれ、資金の流動性に支障が生じる可能性があります。
⑪ 職員の同質化による組織の硬直化
当行グループは、地域とともに発展するために、お客さまと一緒に意思決定できる人財「自ら考え行動し地域の課題を解決する人財」の創出を人財育成の基本方針としています。また、過去の経験等に基づく判断だけではなく、従来の枠にとらわれない柔軟な考え方を取り入れる必要があることから、様々な考えやスキルを持つ多様な人財が活躍できる銀行グループとなるべく、人財の多様化に取り組んでいます。
しかしながら、年功色の強い従来型の組織文化や企業体質の改革が進まない場合、多様な人財の活躍が進まず、組織が硬直化し、環境変化への対応が遅くなることで、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりです。
また、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
○財政状態及び経営成績の状況
〔財政状態〕
貸出金については、企業向け貸出、住宅ローンが増加したことなどから当年度中136,139百万円増加して、当連結会計年度末残高は4,601,265百万円となりました。
有価証券については、ポートフォリオの再構築に取り組むなかで残高を一時的に減少させたことなどから当年度中176,312百万円減少して、当連結会計年度末残高は1,372,777百万円となりました。
預金については、個人預金、法人預金ともに増加したことなどから当年度中43,151百万円増加して、当連結会計年度末残高は5,911,929百万円となりました。譲渡性預金は当年度中1,241百万円増加して、当連結会計年度末残高は33,348百万円となりました。
なお、純資産額は当年度中22,324百万円増加して、当連結会計年度末残高は300,119百万円となり、総資産額は当年度中175,990百万円減少して、当連結会計年度末残高は6,677,236百万円となりました。
〔経営成績〕
連結経営成績につきましては、経常収益は、貸出金利息や役務取引等収益が増加したことなどから、前年度と比べ12,579百万円増加して115,665百万円となりました。
一方、経常費用につきましては、預金利息や営業経費が増加したことなどから、前年度と比べ7,434百万円増加して90,845百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前年度と比べ5,145百万円増加して24,820百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度と比べ3,551百万円増加して17,062百万円となりました。
また、当連結会計年度末の国内基準による連結自己資本比率は12.82%(前連結会計年度末は11.31%)となりました。
セグメントの財政状態及び経営成績は、次のとおりです。
<銀行業務>
セグメント資産(総資産)は前年度と比べ174,111百万円減少の6,658,595百万円となりました。また、セグメント負債(負債合計)につきましては、前年度と比べ195,855百万円減少の6,371,914百万円となりました。
収益面では、貸出金利息が増加したことなどから、経常収益は前年度と比べ11,798百万円増加して101,157百万円となりました。
一方、費用面では、預金利息や営業経費が増加したことなどから、経常費用は前年度と比べ7,155百万円増加して77,435百万円となりました。
この結果、セグメント利益(経常利益)は前年度と比べ4,642百万円増加して23,721百万円となりました。
また、当連結会計年度末の国内基準による単体自己資本比率は12.38%(前連結会計年度末は10.93%)となりました。
<リース業務>
グループ力を活かした営業活動を展開することにより、有力なマーケットである奈良県内及び大阪府地域を中心に、取引基盤の拡大と収益増強に努めた結果、セグメント資産(総資産)は前年度と比べ1,069百万円増加の47,303百万円となりました。また、セグメント負債(負債合計)につきましては、前年度と比べ968百万円増加の42,336百万円となりました。
経常収益はリース売上が増加したことから前年度と比べ536百万円増加して12,187百万円となりました。一方、経常費用は、与信関連費用が増加したことなどから前年度と比べ316百万円増加して12,119百万円となりましたので、セグメント利益(経常利益)は前年度と比べ220百万円増加して67百万円となりました。
<その他>
証券業務においては、銀行と協働推進し顧客層の拡大を図るとともに、マーケット環境に即した提案営業等に取り組みました。クレジットカード業務においては、法人向けカードの推進と新規加盟店の獲得に積極的に取り組み、奈良県を中心とするエリア内のキャッシュレス決済市場の拡大を図りました。コンサルティング業務においては、法人のお客さまの経営コンサルティングを、人材紹介業務においてはハイクラス人材のご紹介を積極的に提供しました。
以上の結果、経常収益は証券業務の売上高が増加したことなどから、前年度と比べ255百万円増加して6,005百万円となりました。一方、経常費用は信用保証業務の与信費用が減少したことなどから、前年度と比べ25百万円減少して4,238百万円となりました。
この結果、セグメント利益(経常利益)は前年度と比べ280百万円増加して1,766百万円となりました。
なお、セグメント資産(総資産)は前年度と比べ108百万円増加の29,534百万円となりました。また、セグメント負債(負債合計)につきましては、前年度と比べ324百万円減少の12,120百万円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
○経営目標の達成状況の分析
当行グループでは、2020年にスタートさせた経営計画「なんとミッションと10年後に目指すゴール」の前半5年間(フェーズⅠ)で、収益の安定化を軸に経営基盤の強化を進めてまいりました。2025年度からは、フェーズⅠでの収益の安定化を礎に当行グループの企業価値を向上させる3年間と位置付け、中期経営計画「人財の力で地域の活力を創造する」に取り組んだ結果、2025年度のROE(連結)、OHR(連結)は中期経営計画最終年度(2027年度)の目標を上回りました。
(注)見直し後の2027年度 目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営計画」に記載しています。また、「エンゲージメントスコア」および「女性管理職比率」については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に、記載しています。
○当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、営業経費が増加しましたが、資金利益及び国債等債券損益が増加しました。
以上の結果、経常利益は前年度と比べ5,145百万円増加して24,820百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度と比べ3,551百万円増加して17,062百万円となりました。
(注)1. 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+信託報酬+(役務取引等収益-役務取引等費用)
+(その他業務収益-その他業務費用)
2. 与信関連費用=貸倒償却引当費用-貸倒引当金戻入益-償却債権取立益
(部門別)
当行の業績については、「資金利益」「役務取引等利益」「市場部門収益」「経費」「与信関連費用」の5つの区分で分析・検討しています。
①資金利益(単体)
当事業年度の資金利益につきましては、預金利息は増加しましたが、貸出金利息が増加したことなどから前年度比5,439百万円増加して61,740百万円となりました。
②役務取引等利益(単体)
当事業年度の役務取引等利益につきましては、法人ソリューション収益の減少による役務取引等収益の減少、役務取引等費用の増加により前年度比606百万円減少して6,752百万円となりました。
③市場部門収益(単体)
当事業年度の市場部門収益につきましては、投資信託解約損益の減少によりキャピタル収益が減少したものの、債券利息や投資信託分配金の増加によりインカム収益が増加したことから、前年度比2,023百万円増加して18,672百万円となりました。なお、市場部門収益の定義を一部変更しております。
④経費(単体)
当事業年度の経費につきましては、ベースアップ実施等により人件費が増加したことや、新本店建設やIT投資の増額により減価償却費が増加したこと等により物件費が増加したことで、前年度比735百万円増加して42,429百万円となりました。
⑤与信関連費用(単体)
当事業年度の与信関連費用につきましては、大口のランクダウンはあったものの、お客さまの事業を深く知る活動を通じて本業支援や業績改善のサポートに取り組み、与信管理の徹底により不良債権の新規発生の抑制に努めました。この結果、与信関連費用は前年度比122百万円増加して2,880百万円となりました。
○当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度の主要勘定につきましては、以下のとおりです。
①貸出金
当連結会計年度末の貸出金残高につきましては、地域経済の活性化に向けてお客さまの様々なニーズにお応えしました結果、住宅ローン等を中心とした個人向け貸出金や企業向け貸出金が増加したことから、当年度中136,139百万円増加して4,601,265百万円となりました。
(業種別貸出状況(末残・構成比))
(注) 「国内」とは当行及び連結子会社です。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について、債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものです。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
②有価証券
当連結会計年度末の有価証券残高につきましては、収益性の向上に向けポートフォリオの改善に取り組むなか、国債や地方債等の円貨債券が増加した一方、「その他証券」のうち収益性の低い運用委託を売却したことから、当年度中176,312百万円減少して1,372,777百万円となりました。
③預金及び譲渡性預金
当連結会計年度末の預金残高につきましては、安定的な資金調達に注力しました結果、個人預金および一般法人預金が増加したことから当年度中43,151百万円増加して5,911,929百万円となりました。
また、譲渡性預金残高につきましては、当年度中1,241百万円増加して33,348百万円となりました。
(預金の種類別残高(末残))
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
(3)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1行です。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度(2025年3月31日)及び当連結会計年度(2026年3月31日)のいずれも取扱残高はありません。
○ 元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しています。
当行は国内基準を適用のうえ、2024年3月31日より信用リスク・アセットの額の算出においては基礎的内部格付手法を採用し、また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額は標準的計測手法により算出しています。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は433,817百万円となり、前年度末と比べ242,813百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は436,211百万円となり、前年度と比べ使用した資金は268,310百万円増加しました。
これは、主として貸出金の増加や債券貸借取引受入担保金等が減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により獲得した資金は199,871百万円となり、前年度と比べ獲得した資金は311,493百万円増加しました。
これは、主として有価証券の売却による収入額が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は6,473百万円となり、前年度と比べ使用した資金は1,027百万円増加しました。
これは、主として配当金支払額が増加したことなどによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当行グループの中核事業は銀行業であり、長期的かつ安定的な調達としてお客さまの預金による調達を重視しています。
なお、当面の設備投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定です。
(資金運用及び資金調達の状況)
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
○生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので、記載していません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。